SF・冒険・レトロフューチャー 鑑賞

20220501 top
【昭和館の入り口にある看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

2022年のお花見を千鳥ヶ淵公園に行った話は「Holidays In The 散歩 千鳥ヶ淵公園」として記事にしている。
その帰り道で見かけたのが昭和館のポスターだった。 
歩いている途中でROCKHURRAHが急に立ち止まったのだ。
「あれが気になる」
指を指した方向にあったのが「SF・冒険・レトロフューチャー×リメイク ~挿絵画家 椛島勝一と小松崎茂の世界」と書かれたポスターだった。 
5月まで開催していることを確認し、来館を予定する。
ROCKHURRAHから昭和館の話を持ち出されるまで、SNAKEPIPEはすっかり忘れてたんだけどね。(笑)
昭和の日を含む連休に、九段下に出かけることにしたのである。

ゴールデンウィークといえば、春を通り越して夏を感じる陽気が多いのに、今年は一体どうしたものか。
梅雨を思わせる雨の多さと湿度の高さだよね。
晴れた日を選んで出かけたけれど、風が強くて予想以上に寒い。
服装失敗したかも、と言いながら昭和館に向かう。
ここは九段下の駅から徒歩1分という素晴らしい立地なので、少し寒くても大丈夫だね!

昭和館に行くのは初めてのROCKHURRAH RECORDS。
ここは一体どんな場所なんだろう?

昭和館は、主に戦没者遺族をはじめとする国民が経験した戦中・戦後(昭和10年頃から昭和30年頃までをいいます)の国民生活上の労苦についての歴史的資料・情報を収集、保存、展示し、後世代の人々にその労苦を知る機会を提供する施設です。

靖国神社の遊就館と対を成すような館ということになるのかな。
常設展は有料で企画展は無料という、美術館などとは逆の料金形態も珍しい。
今回の目的であるレトロフューチャーは企画展なので、無料なんだよね!(笑)
早速中に入ってみよう。

入り口で来館者の名前と電話番号を書く。
常設展の鑑賞をする場合には自販機でチケットを購入し、それ以外の場合にはそのままエレベーターで目的のフロアに移動する。
係員の方が親切に案内してくれたので、迷わずに会場へ。
すべての撮影が禁止とは、非常に残念だけど仕方ないね。
中に入ると、予想以上に人が入っていて驚いたよ。
最初に展示されていたのは椛島勝一の作品だった。

1888年(明治21年)長崎県生まれの椛島勝一は、独学で細密画の技法を習得したという。
小さな画像で見ると、まるで写真と見紛うほどのスーパーリアリズムなんだよね!
載せたのは海野十三の小説「浮かぶ飛行島」の挿絵で、1938年の作品。
小説自体も面白そうなんだけど、この挿絵で更に臨場感がアップしただろうね。
船はもちろんのこと、波の表現にも驚いたよ。
「ペン画の神様」と呼ばれるのも納得!

山中峯太郎原作「亜細亜の曙」への挿絵。
1932年の作品で、小説は「少年倶楽部」に掲載されていたという。
大胆な構図で、空を表す空間の使い方が日本画的だなと感じるよ。
当時の少年たちは、小説も挿絵も、ずいぶん大人びた物を好んでいたんだね。
昭和初期に、一般庶民向けの高度な文化が日本にあったとは!
江戸時代にも読本と呼ばれる小説を庶民が読み、人気を博していたことを思い出せば、そこまで驚くことではないのかもしれない。
今の日本人が変わってしまっただけなのかな。

次は小松崎茂の作品が並んでいる。 
椛島勝一にあこがれて挿絵画家に転向したという小松崎茂は、元々日本画家を目指していたらしいよ。
作品を観て、ROCKHURRAHが嬉しそうにしている。
聞いてみると、少年マガジンなどの雑誌で小松崎茂の挿絵を観ていたこと、タミヤのプラモデルのパッケージでも馴染みのある画家だとか。
確かに小松崎茂の絵は、冒険に心をときめかせる少年の心をワクワクさせる要素が散りばめられているもんね!(笑)
載せた画像は、少年少女世界科学冒険全集の「深海冒険号」の表紙。
なんで「S」なんだろう、というSNAKEPIPEの問いに、
「深海のSだよ」
と自信満々で答えるROCKHURRAH。
本当に正解なんだろうか?(笑)

「ロケット競争の謎」の表紙は、1957年の作品。
商品のパッケージデザインでも同じことが言えるだろうけど、表紙を見て本を購入するかどうか判断するのは当たり前だよね。
奇想天外で早く続きが読みたくなるような、思わず本屋で手にとってしまうような表紙。
小松崎茂の作品を見ているだけで、気分が高揚してくる。
当時の少年少女と同じ気持ちになっていたのかも。
もう少女じゃないんだけどね。(笑)

椛島勝一と小松崎茂の作品は、どちらも素晴らしくて鑑賞できて良かったよ!
帰ろうとすると、出口には「アンケートに答えるとプレゼント」という文字が目に入る。
せっかくなので感謝の気持ちなどを書いて提出。
受付ではクリアファイルと缶バッチをプレゼントしてくれたよ!
ここまでしてもらって無料なんて感動的だよ。
昭和館、行かれて良かったなあ
思い出してくれてありがとう、ROCKHURRAH! (笑)
良い「昭和の日」記念になったね。 

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