ヨーゼフ・ボイス ダイアローグ展 鑑賞

20240915 top
【いつも通りジャイル・ギャラリーの入口を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

表参道にあるジャイル・ギャラリーで「ヨーゼフ・ボイス ダイアローグ展」が開催されている。
7月の開催当初から展覧会情報は知っていたけれど、もう少し涼しくなってから行こうと思っているうちに9月になってしまった。
展示が終わりに近づいてしまったので、暑さに耐えながらROCKHURRAHと一緒に会場に向かったのである。

今回の展覧会は「ヨーゼフ・ボイスとの対話」とのこと。
そもそもヨーゼフ・ボイスって何者?というところから始めようか。
SNAKEPIPEは、ヨーゼフ・ボイスと聞いて思い浮かぶのは「フエルトのスーツ」くらいなんだよね。
時代的には、ナム・ジュン・パイクらと共に「現代アート」の旗手だったことは分かるんだけど。
どんなことをやっていたアーティストなのか、詳しく語ることができないなあ。
少し調べてみよう。

1921 ドイツのクレーフェルトに生まれる
1941 第二次世界大戦中に空軍に従軍
1943 ソビエト連邦で飛行機が墜落し、タタール人によって救助される
1946〜1951 デュッセルドルフ美術アカデミーで学び、彫刻を専攻
1951 美術アカデミー卒業後、フリーランスのアーティストとして活動を開始
1961 デュッセルドルフ芸術アカデミーの教授に就任
1964 パフォーマンス「How to Explain Pictures to a Dead Hare(死んだウサギに絵をどう説明するか)」を行う
1965 「Fat Chair(脂肪椅子)」を発表し、異物や素材を使った彫刻作品が注目される
1972 ドキュメンタ展に参加し、「7000本のオークの木(7000 Oaks)」というプロジェクトをスタートさせる
1974 「Coyote I Like America and America Likes Me (コヨーテ 私はアメリカが好き、アメリカも私が好き)」というパフォーマンスを行う
1976 「自由国際大学(Free International University)」を創設し、教育と社会改革に力を入れる
1982 再びドキュメンタ展に参加し、環境芸術プロジェクト「7000本のオークの木」を完成させる
1984 来日し、東京藝術大学の体育館にて対話集会が行われる
1986 心不全のためデュッセルドルフで死去

亡くなる2年前に来日しているんだね。
現代アーティストの宮島達男が、東京藝術大学での対話集会について語っていたのを観たことがあるよ。
「ボイスが歩いた後に、星飛雄馬が投げた球みたいな強い光が走っていた」
とボイスのオーラについて表現していたっけ。
ちょっと大げさな気はするけど、実際に現場にいたら興奮したはずだよね。(笑)

ヨーゼフ・ボイスの作品は、コンセプチュアル・アートになるのかな。
マルセル・デュシャンに系譜があるというコンセプチュアル・アートは、誤解を招くことを承知の上で簡単に説明すると「物議を醸すアート」ということかも。
観ただけで理解できるアートではなく、解説が必須の難解な作品が多い気がするよ。
ボイスは、1972年にスタートさせた「7000本のオークの木」を、社会とアートを結んだ「社会彫刻」として発表しているという。
アートという概念の拡張を問いかける、仕掛け人みたいな人物なのかなと思ったSNAKEPIPEだよ。

2018年2月のブログ「会田誠展 GROUND NO PLAN 」で、現代アーティストの会田誠が、沢田研二の「カサブランカ・ダンディ」を熱唱していたことを書いている。
タイトルを「アーティスティック・ダンディ」として「ボイス、あんたの時代は良かった」とボギーをボイスに入れ替え、詐欺師呼ばわりしていたっけ。(笑)
歌を聞いたSNAKEPIPEは大笑いしてしまったことを思い出したよ。
作品の思想的な意味を理解できないと「なんとなくアートかも」という作品にしか感じられないところに、ツッコミが入ったようで面白かったからね。

今回鑑賞した企画展「ヨーゼフ・ボイスとの対話」では、ボイス自身の作品と共に、ボイスから影響を受けた現代アーティスト6人の作品が展示されていたよ。
ジャイル・ギャラリーは撮影オッケーなので、良いね!
展示作品を紹介していこう。

まずはボイスの作品から観ていこう。
ガラスケースの中に入っているのは黄色い電球。
「カプリバッテリー」という作品だって。
この展覧会のキュレーターである飯田高誉氏による説明があった。
「この作品は人間と自然との親和性が高まるメタアファーとして提示されている」とのこと。
飯田氏もデヴィッド・リンチ大ファンの方なので、同じ嗜好の持ち主として尊敬しているSNAKEPIPE。
できるだけ飯田氏が企画した展覧会には足を運びたいと思ってるんだよね!
観念的な展示が多いので、頑張って理解したいと思っているよ。
「カプリバッテリー」は「自然から発生したエネルギーを活用し、永久に持続させることを示唆している」という。
作品観ただけでは、到底理解できないなあ。(笑)

「ヴィトリーヌ」は、ボイスがパフォーマンスで用いた物品やメッセージなどをガラスケースに並べていた作品だという。
カスヤの森現代美術館」の創設者である若江漢字が、所蔵しているボイスのコレクションから選んで並べたんだとか。
「ヴィトリーヌ」というのは、フランス語で科学標本などを展示するガラスケースを意味するんだって。
どうやらアウシュヴィッツに関係する物が並んでいるようだね。
「鑑賞者に対して生死の境界を意識させると同時に、価値の転換を示す装置」と説明されているけれど、観ただけで理解するのは難しいかも。

1984年にボイスが来日した時、一緒についてまわっていたというのが写真家の畠山直哉。
2008年4月に書いた「好き好きアーツ!#01 畠山直哉」で取り上げたアーティストだよ!
好き好きアーツ!」の第1回目が今から16年も前のこととは。(笑)
今回の展覧会ではボイスを撮影した写真4枚が展示されていた。
どうして畠山直哉がボイスを撮影していたのかは不明だよ。
2024年9月28日まで、タカ・イシイギャラリーで畠山直哉の展覧会が開催されているという情報を入手。
メッセージ性の強い作品を撮り続けているみたいだね。
好きな写真家なので、動向をチェックしていかないと!

磯谷博史の「花と蜂、透過する履歴」は、コロンとしたかわいらしい形の作品だった。
中に入っているのは蜂蜜で、光っているのは集魚灯らしい。
琥珀色がとても美しいね。
磯谷博史は1978年東京生まれ。
2003年に東京藝術大学建築学科卒業の2年後に東京藝術大学院先端芸術表現科修士課程修了し、2011年ロンドン大学も卒業しているんだとか。
どうやら2019年4月に鑑賞した「六本木クロッシング2019展:つないでみる」に出品していたようなので、SNAKEPIPEは以前、磯谷博史の作品を観たことがあるみたいだよ。

今回の展覧会で一番気に入ったのが、若江漢字の6点組作品「気圧」だよ。
若江漢字流の「ヴィトリーヌ」ということらしい。
近寄ってみると、写真と共に電球やビンなど、ボイスっぽいオブジェが収納されているんだよね。
線路など鉄でできた構造物の写真も好みだし、6点セットを家に飾りたいくらいだよ!
先にも書いたけれど、若江漢字が創設した「カスヤの森現代美術館」も気になるね。
現在開催中の企画展は「マルセル・デュシャン」だって。
行ってみたいな!(笑)

加茂昂の「惑星としての土/復興としての土1」を写真作品だと勘違いしていたSNAKEPIPE。
「油彩だったよ」
断言するROCKHURRAHは、近付いて観察していたという。
素材を調べると「油彩、堆肥顔料」と書いてある!
じっくり観ていなかったことがバレてしまったね。(笑)
それにしても堆肥顔料ってなんだろう?
「堆肥化された有機物から作られた顔料」だって。
いろんな技術があるんだねえ。
加茂昂は1982年東京都出身で、 2008年に東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。
2010年には東京芸術大学大学院絵画研究科修了と調べたところで、上で紹介した磯谷博史と似た経歴であることが分かったね。
みなさん、エリートだなあ。(笑)

AKI INOMATAは、2022年「世界の終わりと環境世界」や「金沢21世紀美術館」などで作品を鑑賞したことがあるアーティストだよ。
動物をモチーフにした作家として認識していたので、散歩している犬が登場しても驚かなかったSNAKEPIPE。
展示してあるのは、洋服と髪の毛?
タイトルは「犬の毛を私がまとい、私の毛を犬がまとう」だって。
犬の毛とAKI INOMATAの髪を数年にわたって集め,その毛/髪で,互いの衣服/毛皮をつくり着用した作品だというから腰を抜かしてしまった!(笑)
ちなみにAKI INOMATAも東京藝術大学大学院先端芸術表現専攻修了だって。
何年間もかけて毛を集めるという執念が怖いくらいに素晴らしいよね。

最後は武田萌花の「Day Tripper」というビデオ・インスタレーション作品ね。
こちらは電車の座席が置かれ、車窓風景が流れる。
移動している感覚になるけれど、動いているのは窓の外側に映る景色だけなんだよね。
ROCKHURRAHが動画を撮ってくれたので載せてみよう。

「心は変わりやすいけれど、ほんとは何も変わっちゃないのさ。まわりだけがぐるぐる回るのさ」
を思い出してしまったSNAKEPIPEだよ。
ジャックスの「堕天使ロック」なんだけど、分かるかな?(笑)

地下から5階に続く吹き抜けに、ギャラリーに関連するインスタレーションが飾られてるんだよね。
今回のヨーゼフ・ボイス展では、垂れ幕のような布が下がっていてカッコ良かった。
せっかくなのでエレベーターから動画撮影してみたよ!

なかなか面白いよね。

いつもジャイル・ギャラリーに行くと、新しい発見があり楽しくなるよ。
今回の収穫は「カスヤの森現代美術館」と若江漢字だね。
毎回無料で鑑賞させてもらって感謝だよね。
次の企画展も楽しみにしていよう!(笑)

映画の殿 第67号 韓国ドラマ編 part21


【今回紹介するドラマ4本が表紙になっているよ!】

SNAKEPIPE WROTE:

気が付くと、いつの間にか9月になってるね。
まだまだ暑い日が続いているので、家に引きこもっているよ。
そのためなのかドラマの鑑賞時間が増えてるのかな。
前回「映画の殿 韓国ドラマ編」を書いてから、約1ヶ月半での更新だよ!
いつも書いていることだけど、紹介するのはROCKHURRAH RECORDSが鑑賞した順番で、制作年度順ではないのでご了承ください!

最初は「ヒーローではないけれど(原題:히어로는 아닙니다만 2024年)」から。
Netflixの新作として紹介されていたので、試しに観てみることにした。
予告で確認した時に、顔を観たことがある俳優は「椿の花咲く頃(原題;동백꽃 필 무렵 2019年)」や「私たちのブルース(原題:우리들의 블루스 2022年)」で良い味出してたコ・ドゥシムだけ。
今まで観ていたドラマでは、ほとんどすっぴんのような化粧っけのない役だったのに、今回はしっかりメイクして若返っているよ。(笑)

あらすじはこちら。

それぞれに異なる超能力をもって生まれたものの、現代社会の荒波にもまれるうちにその力を失ってしまった一家。
だが、そんな彼らの前に現れた不思議な女性が、すべてを変えるきっかけとなる。
(Filmarksより)

トレイラーも観てみよう。

まるでワンピースの「◯◯の実」を食べて能力を身に着けたかのように、一人ひとり別の超能力を持った家族を中心に話が展開するんだよね。
現実社会で役に立ちそうな能力もあり、かなり裕福な生活を送っている。
SNAKEPIPEが一番面白いと思ったのは、過食症で激太りした元モデルの姉。
ダイエットに成功して、元通りのスタイルに戻り、飛行能力を取り戻すんだよね。
ドラマの中でどんどん痩せていく様子に驚いたよ。(笑)
ヒロインのト・ダヘを演じたチョン・ウヒは初めてみる女優かと思っていたら、「母なる証明(原題:마더 2009年)や「サニー 永遠の仲間たち(原題:써니 2011年)」など、ROCKHURRAH RECORDSでも鑑賞したことがある映画に多数出演していたことが分かった。
全然覚えてないんだけどね。(笑)
「ヒーローではないけれど」は、一進一退を繰り返しながら、最終的には丸くおさまるドラマで、SNAKEPIPEには少し物足りない感じだったよ。

続いては「乾パン先生とこんぺいとう(原題:건빵선생과 별사탕 2005年)」を紹介しよう。
2005年のドラマなので、今から約20年前ということになるね。
主演が「椿の花咲く頃(原題:동백꽃 필 무렵 2019年)」他、「ラブコメの女王」として多くのドラマや映画に出演しているコン・ヒョジン
相手役には「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜(原題:쓸쓸하고 찬란하神 – 도깨비 2016年)」で有名なコン・ユ
今まで何本もコン・ヒョジンの作品を観ていて、大ファンなんだよね。
面白いドラマに違いないと期待して鑑賞を始めたのである。
あらすじはこちら。

新米の熱血女性教師が不良学生にガチんこ勝負!
かつて教師を殴り退学処分となった伝説の女ナ・ポリが、教員免許を取って母校の教師に就任。
そこで彼女を待ち受けていたのは、超が付くほどの問題児パク・テイン。
2人は打ち解け合うことができるのか?
(Amazonより)

トレイラーを探していたけれど、あまりに昔過ぎるせいか見つからなかったよ。
オープニングの動画を載せておこう。

いつの間にか「HEY! HEY!」と一緒に声を出しているSNAKEPIPE。
日本の70年代みたいな音楽が最高だよ。(笑)

元スケバンのコン・ヒョジンが退学になった学校に教師として戻ってくる、という設定がそもそもあり得ないんだけど、そこはドラマだから!
最初の頃はコン・ヒョジンが「伝説の不良」だった頃のエピソードが挿入され、バカバカしいほど大げさなアクション・シーンが繰り広げられ大笑いしたよ。(笑)
さすがラブコメの女王だよ!
そして問題児の高校生を演じたコン・ユ、2005年時点で26歳。
ドクタースランプ(原題:닥터슬럼프 2024年)」でパク・シネが34歳で高校生を演じていたことに比べたら、そこまでサバを読んでることにならないかな?(笑)
チョン・ギョウン演じるポジティブ・シンキングな男子高校生のキャラクターが最高!
ストーリーは後半になってくると、おバカな要素が少なくなってしまったのが残念だったかも。
それでもコン・ヒョジンの出演作品が観られたのは良かったよ。(笑)

続いては「Missナイト & Missデイ(原題:낮과 밤이 다른 그녀 2024年)」だよ!
パラサイト 半地下の家族(原題:기생충 2019年)」などでお馴染みの名バイ・プレイヤーであるイ・ジョンウンが主演のドラマと聞けば、絶対観ちゃうよね。(笑)
「私たちのブルース」では「ちょっとおせっかいだけど、根が優しい魚屋さん」を演じていたのが印象に残っているため、その時の役名のままウニと呼んでしまうのはSNAKEPIPEだけかな?
ウニが主演のドラマ、あらすじを書いてみよう。

公務員試験に挑戦し続ける20代の就活生イ・ミジン。
ある日、目が覚めると30歳も年を取ってしまっていた。
だが、日が暮れると元の姿に戻ることを知った彼女は、多くのバイトや資格試験に明け暮れたこれまでの就活期間で培ったスペックでシニアインターンとして就職に成功。
昼間は伝説のインターン、夜は青春を謳歌する二重生活を始めるが……。
(シネマトゥデイより)

トレイラーも観てみよう。

20代の女性が目覚めると50代に変身しているなんて、カフカじゃあるまいし。(笑)
日没で元の姿に戻るところが変わっているね。
家族からは信じてもらえなかったのに、親友であるト・ガヨン(左の画像)だけは協力的なんだよね。
ト・ガヨンが、裏表のない良い性格で好感を持ったよ!
こんな親友がいたら心強いだろうね。

Wikipediaに載っている説明によると「Missナイト & Missデイ」のジャンルは「ファンタジー、ロマンティック・コメディ、サスペンス」となっていて様々な要素が絡んだドラマだと分かるね。
「ロマンチック・コメディ」に該当するのは、50代に変身しているヒロインとアイドルの男性が仲良くなってるシーンかな。
アイドルが積極的に50代女性にアタックしているところが面白かったよ!
その様子を見て驚いている同僚のリアクションも大笑いしてしまった。(笑)

主役は「ルーガル(原題:루갈 2020年)」で顔を知っていたチェ・ジニョク。
2022年10月の「映画の殿 第52号 韓国ドラマ編 part8」で「若い頃の野口五郎に見えてしまう」と書いていたけど、今回も同じ感想を持ったよ。(笑)
ヒロインはアイドル・グループのヴォーカルで女優のチョン・ウンジ。
「応答せよ1997」で女優として有名になった、と書いてあるね。
こちらはまだ未視聴なので、いつか観てみたいよ。

「Missナイト & Missデイ」は、ストーリーが面白く、ウニの演技力もあり楽しく鑑賞できた。
最終話だけが「うまくいきすぎ」だったけど、丸く収まって良かったよ!

最後はこちら。
シティーホール(原題:시티홀 2009年)」は、チャおばさんことチャ・スンウォンが主演なので、観てみたかったドラマなんだよね!
今から15年前の作品なので、一番初めに書いた「乾パン先生とこんぺいとう」同様、昔っぽさを感じながらの鑑賞になることは間違いなし。
チャおばさんの真骨頂だと思う「最高の愛〜恋はドゥグンドゥグン〜(原題:
 최고의 사랑 2011年)」 の2年前の姿を見てみよう。
あらすじはこちら。

シン・ミレの勤める仁州市庁へ「将来の夢は大統領」の野心家チョ・グクが副市長として赴任してくる。
ミレはひょんなことから『イワシ娘大会』に参加することになった。
若さはなくともその愛くるしい表現力で審査員を魅了し、見事グランプリを獲得するのだが、その賞金の所在を巡って濡れ衣を着せられ、市役所を解雇されてしまう。
最初はミレと対立ばかりしていたグクも彼女のひたむきな姿や純粋さへと徐々に惹かれていき、ミレの市長選出馬をサポートしていく。
(Wikipediaより)

「シティホール」の予告も探せなかったので、オープニングの動画を載せておこう。

30代後半で下っ端の公務員が市長になる、というサクセス・ストーリーとラブ・ロマンス要素が入っている。
ひたむきで真っ直ぐな性格の主人公が努力をして実を結ぶという展開は、「乾パン先生〜」に近いかも。(笑)
ROCKHURRAH RECORDSが大ファンのウィル・フェレルの映画も、このパターンが多かったね。

シン・ミレを演じているキム・ソナのことは、以前「恋の潜伏捜査(原題:잠복근무 2005年)」で観ていた。
この映画では「泣く子も黙る元スケバンの女刑事が捜査のため女子高生に扮し高校へ潜入」する役どころ!
しかも高校生の中にコン・ユがいて、まるっきり「乾パン先生〜」と似た構図だよね。(笑)
「シティホール」でのキム・ソナも、市長選に出るまではコメディ・タッチで面白い!
後半は政治的な話になっていくので、少しシリアスになっちゃうんだよね。
SNAKEPIPEはコミカルな前半の方が好きだったかも。

SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜(原題:SKY 캐슬 2018年)」や「三食ごはん (山村編)2019年」などで有名なユン・セアが大企業の令嬢として出演していたよ。
やっぱりお金持ちの役なんだね。(笑)
もう一つ印象に残ったのは、引退した大物政治家が「Big Brother」と呼ばれ、通称BBとされていたこと。
「影響力の強いBBの動向に注目が集まる」のように新聞の見出しに使われていたりするのが面白かったよ。(笑)

今回は新旧合わせて4本のドラマを紹介してみたよ!
ROCKHURRAH RECORDSでは韓国ドラマの鑑賞を始めたのが2020年からなので、過去作をあまり知らないんだよね。
面白そうな作品を探して鑑賞を続けていこう!
次回をお楽しみに。(笑)

ROCKHURRAH紋章学 Fortunato Depero編

20240901 13
【デペーロのリトグラフ作品。ピサ県にある有名なピサの斜塔だね!】

SNAKEPIPE WROTE:

先週のブログ「SNAKEPIPE MUSEUM #71 Fortunato Depero」の最後に「ROCKHURRAH紋章学で特集したい!と思うシリーズを発見した」と書いたSNAKEPIPE。
宣言通り、今週はフォルトゥナート・デペーロが手がけたデザインについて特集しよう。

1938年、今から86年前のこと。
ローマで開催された第三回世界会議「Lavoro e Gioia(労働と喜び)」の記念として、国立余暇活動団体の総局長がデペーロにイタリア各州の企業が運営するレクリエーション・センターを表現するためカラーイラストの制作を依頼したという。
各地の特徴を際立たせたシルエットが描かれた96枚のリトグラフは、当初様々な資料と共に1000ページを超える厚みがある本に掲載されていたらしい。
のちにデペーロは原画を取り戻し、「イタリアの州のポストカード」として新たに印刷し直したんだって。
限定200部しかないなんて、貴重な本だよね!
今回は96作品の中から、一部を紹介していこう。

エミリア=ロマーニャ州パルマ県のリトグラフは、背景を黒にしたシックなデザインだね。
それぞれの作品には地名と共に、コピーが添えられているんだよね。
「È la luce dello spirito che rende durature e feconde le opere」
の意味は「作品を永続的で豊かなものにするのは精神の光である」だって。
なんとも哲学的な印象だけど、パルマに関係した文章なのかな。
ちなみにパルマ出身の有名人の中にベルナルド・ベルトルッチ監督がいるよ。
代表作の一つが「ラスト・エンペラー(原題:L’ultimo imperatore 1987年)」だね。
デペーロの作品に話を戻すと、赤い「P」が3つ真ん中に配置されて特徴的だよ。
右下に5行載っている文言は「企業の余暇活動(団体)」や「自治体の余暇活動(団体)」の番号とのこと。
企業や地域が運営するリクリエーション・センターがテーマだからね。
他の作品も観てみよう。

フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州のウーディネ県は2017年に自治体としての県は廃止されてしまったらしい。
北はオーストリア、東はスロベニアと国境が接しているという。
強いオレンジに紫とグレーの配色がオシャレ!(笑)
描かれている鎌や歯車なども、好みのモチーフなので惹かれる作品だよ。
「per le sue ampie strade sono passate generazioni e generazioni di italiani che erano il fiore purpureo della nostra razza」は「その広い道を、世代また世代のイタリア人たちが通り過ぎてきた。彼らは私たちの民族の鮮やかな花であった」だって。
その地域の方には納得の文言だろうけど、歴史などに詳しくないSNAKEPIPEには解釈が難しいかも。
上の作品「P」が3つに対して、こちらは「U」が3つ。
デペーロの天才的なデザイン・センスが発揮されていることが分かるね。

トスカーナ州グロッセート県のリトグラフは、ピンクとグレーだよ。
色使いと構図が見事!
グロッセートの紋章に使用されているグリフォンが描かれているね。
グリフォンとは、鷲(鷹)の翼をつけた上半身で下半身はライオンという伝説上の生物だという。
「グリフォンは黄金を発見し守るという言い伝えから、『知識』を象徴する図像として用いられ、また、鳥の王・獣の王が合体しているため、『王家』の象徴としてももてはやされた(Wikipediaより抜粋)」んだとか。
書いてある文言は「田舎の州よ:この誇りを持ち、田舎であり続けなさい」だって。
グリフォンと一緒に描かれているのは農具なのかもしれない。
デペーロの手にかかると「オシャレな農具」になってしまうね。(笑)

ロンバルディア州ベルガモ県をモチーフにした作品だよ!
黄色と緑が鮮やかだよね。
ベルガモと聞いてベルガモットを連想したSNAKEPIPEだけど、関連はないのかな。
産地ではないみたいなので、中央に描かれた黄色い物体は果実ではないみたい。
ベルガモはトウモロコシの粉を使ったポレンタという料理が有名らしいので、もしかしたらトウモロコシかもしれないね?
文章には「ここが現代のイタリアです。農業と工業のイタリアです。」と書かれているようで、あまりヒントにならなかったよ。(笑)
トウモロコシの周りにある「X」「#」などの記号の意味は謎だけど、矢羽根型の矢印がシャープで全体のバランスが素晴らしいよね!

最後はこちら。
シチリア州カターニア県のリトグラフの艶やかさは見事だね!
シチリアと聞けば、「ゴッド・ファーザー(原題:The Godfather 1972年)」を思い出す人が多いんじゃないかな。
もう一つは、シチリア・レモン。
手前に描かれているのは、輪切りのレモンではないかと想像しているSNAKEPIPEだよ。(笑)
「maginifica terra,labo-riosa e fierissima gente」は「素晴らしい土地、勤勉で非常に誇り高い人々」という意味らしい。
カターニアはマヨルカ焼きという陶器が有名とのこと。
後ろはタイルかもしれないね。
カターニアをモチーフにした作品も構図と色合いが抜群!

デペーロのイタリアをテーマにした作品群は、選ぶのに迷ってしまったSNAKEPIPE。
どの作品を観てもワクワクしてしまったからね。(笑)
作品によってフォントも違っているのも見どころの一つ。
今回は断腸の思いで(大げさ)6点だけ紹介したよ!
残り90点も、このレベルの作品があるんだよね。
いつか全作品を観てみたいなあ。
是非ギンザ・グラフィック・ギャラリーでデペーロ特集を企画して欲しいよ。
どうぞよろしくお願いいたします!(笑)

SNAKEPIPE MUSEUM #71 Fortunato Depero

20240825 08
【1927年初版のデペーロ作品集。ボルト留めにグッと来るよ!】

SNAKEPIPE WROTE:

画像検索している時に、偶然目にした一枚の絵を観て驚きのあまりROCKHURRAHに声をかける。
「この絵がすごくカッコ良い!」
興奮しているSNAKEPIPEに冷たい視線を送るROCKHURRAH。
「もう何年も前に、そのアーティストについて知らせたよ」
ROCKHURRAHから教えてもらっていたのに、SNAKEPIPEが無反応だったというではないの。
人の話はちゃんと聞かないとダメだよね。(笑)

アーティストの名前はFortunato Depero、カタカナにするとフォルトゥナート・デペーロになるのかな。
イタリア未来派の画家でデザイナーだという。
帽子が似合う伊達男がデペーロご本人!
そういえば2024年元旦のROCKHURRAH制作のポストカードが、未来派を意識した作品だったことを思い出したよ。
SNAKEPIPEは詳しくないので、まずは未来派について調べてみようか。

未来派とは、フトゥリズモ(伊: Futurismo、フューチャリズム、英: Futurism)とも呼ばれ、過去の芸術の徹底破壊と、機械化によって実現された近代社会の速さを称えるもので、20世紀初頭にイタリアを中心として起こった前衛芸術運動。
この運動は文学、美術、建築、音楽と広範な分野で展開された。
1920年代からは、イタリア・ファシズムに受け入れられ、戦争を「世の中を衛生的にする唯一の方法」として賛美した。
1909年、イタリアの詩人フィリッポ・トンマーゾ・マリネッティによって「未来派宣言」が起草されたことが発端である。
(Wikipediaより抜粋)

1924年にアンドレ・ブルトンが「シュルレアリスム宣言」を発表する15年前に「未来派宣言」があったとは!
音楽や建築にまで範囲が及んでいたことにも驚いてしまう。
ノイズ・ミュージックの元祖といえる「騒音芸術」が誕生したり、「新都市」という建築デザインが発表されるなど、未来派も面白そうだね!
戦争礼賛に結びついてしまった点は共感できないけれど、作品には興味あるよ。
続いて、今回特集するフォルトゥナート・デペーロの経歴を調べてみよう。

1892 トレンティーノ生まれ(当時はオーストリア)
1910 大理石職人の見習いとして働く
1911 社会的リアリズムと象徴主義のデッサンを展示する
1913 散文、詩や象徴主義のデッサンが収められた小冊子「Spezzature: Impressioni – Segni – Ritmi」を出版
1914 ローマを訪れ未来派芸術家に出会う
1915 「Ricostruzione Futurista dell’Universo(未来派宇宙再建宣言)」に署名
1917 バレエのコスチューム・デザインを手掛ける
1923 未来派の家を再装飾し、「未来派の夜会」(Veglie Futuriste)を開催
1925 パリで開催された「国際装飾工業芸術展」に参加
1927 20世紀の印刷の歴史における傑作とされる「Depero Futurista(デペロ・フューチュリスタ)」を出版
1934 ミラノで開催された第5回トリエンナーレに未来派グループと共に参加
1936 第20回ヴェネツィア・ビエンナーレに作品を出展
1959 イタリアのロヴェレート市に「デペロ美術館」がオープン
1960 死去

冒頭に載せたのが、1927年に出版された「Depero Futurista」で、革新的なタイポグラフィのレイアウトを見ることができるという。
2017年に完全復刻版が販売されていたようで、古本屋で確認すると11万円だったよ。
この金額では手が届かないね。(笑)
年表に話を戻すと、トリエンナーレやビエンナーレには複数回参加していて、亡くなる前年まで個展の開催も行っているんだよね。
どんな作品を手掛けていたのか、紹介していこう。

1920年に制作された「La Casa del mago(The House of the Magician 魔術師の家)」は、油彩画だという。
とてもビビッドな色使いで、ポスターのようだよね。
5人の魔術師(?)が腕を磨くために練習しているように見えるよ。
室内の様子がレトロ・フューチャーとでもいうのか、昔のSF小説の挿絵にありそうな雰囲気だね!

次はデペーロが手がけた「カンパリ」のポスターと瓶の画像を載せてみよう。
「カンパリ」は苦みのあるリキュールで、ソーダやオレンジ・ジュースで割って飲むことが多いんだとか。
SNAKEPIPEは飲んだことがないかもしれないな。
イタリアでは古くから親しまれているアルコールのようで、広告にも力が入っているみたい。
1928年に制作されたデペーロのポスターは、背景が黒というのが憎い演出だよね。
カンパリ・ソーダの瓶もデペーロのデザインだって。
円錐形でオシャレなだけではなく、上下と交互に積むことができるため、輸送コスト削減にもなったという。
まさに機能性とデザイン性を兼ね備えた逸品!
瓶のデザインは1931年とのこと。
その当時、国際的パッケージング・デザイン・コンペティション「pentawards」があったら、確実にダイヤモンド賞獲得できるデザインだよね。(笑)

広告デザインでも、こちらの提案は会社から却下されたものらしい。
ピレリのガスマスク広告だって。
左のポスター上部に鉛筆書き(?)されているのは「ピレリのマスクは誰にでもフィットする」で、右のポスターには「落ち着いて!ガス防護は簡単だ」とコピーがあるみたい。
このポスターが制作されたのは1938〜1939年らしいので、不穏な時代だよね。
シンプルな構図と色味で強いインパクトを感じるデザインだよ。

1927年12月に刊行された「Emporium magazine」のカバー・デザイン。
黄色、オレンジ、黒という3色だけを使用したタイポグラフィが見事!
まるで曼荼羅のように9分割した正方形に、「Emporium」のアルファベットを45℃の角度に配置しているセンスの良さには脱帽だよ。
このデザインはROCKHURRAHが気に入っていて、自作でTシャツ作っていたほど。
Tシャツ持ってることはSNAKEPIPEも知っていたけれど、デペーロのデザインとは知らなかった。
それにしても、確か先週も「悪魔のいけにえ」について書いている時「ROCKHURRAH自作のTシャツ」というフレーズ使ったね。(笑)

今日も発行されている「ニューヨーク・デイリーニュース」の前身である「THE NEWS: NEW YORK’S PICTURE NEWSPAPER」から1930年に発行された「NEWS AUTO ATLAS OF THE UNITED STATES & CANADA AND METROPOLITAN NEW YORK」のカバー・デザイン。
リトグラフで制作された作品、色合いがとても美しいよね。
これは「アメリカ、カナダ、ニューヨークの自動車向けの地図」ということになるのかな。
デペーロは1928年から1930年までニューヨークに滞在していたようなので、デザインを発注されたんだね。
アメリカにもデペーロの名声が轟いていたことが分かるよ。
現代のようにカー・ナビがない時代、一家に一冊、この地図持ってたんだろうね。(笑)

最後はこちら!
なんとも可愛らしい木製の作品だよ。
これは1918年にデペーロが手がけた「Balli Plastici(プラスティック・バレエ)」という機械や人形を使った舞台作品で使用されたマリオネットとのこと。
どんなストーリー展開だったんだろう。
人形が動いて、誰かが吹き替えしてたのかなど、気になるよね!(笑)

デペーロの作品は、鑑賞していてとても楽しかったよ。
絵画、グラフィック・デザイン、インダストリアル・デザイン、舞台やコスチュームなどありとあらゆる作品を残しているんだよね。
検索していて「これはROCKHURRAH紋章学で特集したい!」と思うシリーズも発見したので、デペーロについてはまた別の機会に特集を続けるつもりだよ。
どうぞ次回もお楽しみに!