映画の殿 第69号 韓国ドラマ編 part23

【今回は全員女性が主役だよ!】

SNAKEPIPE WROTE:

いよいよ今年も約10日ほどで終わりになるね。
師走と言われるだけあって、12月は時間が速く過ぎていくよ。
それでも毎日かかさないのがドラマ鑑賞!
新旧併せて紹介していこう。
毎回書いていることだけど、ROCKHURRAH RECORDSの鑑賞順で、制作年順ではないのでお間違いなく。

嫉妬の化身〜恋の嵐は接近中〜(原題:질투의 화신 2016年)」は、ラブコメの女王として名高いコン・ヒョジンが主役なので、観たかったドラマなんだよね。
「椿の花咲く頃」や「最高の愛〜恋はドゥグンドゥグン〜」などでファンになったよ。
今回はどんな役どころで笑わせてくれるのか楽しみ!(笑)
画像右に写っているのは「恋のスケッチ〜応答せよ1988〜」でソン・ソヌを演じたコ・ギョンピョ。
「恋のスケッチ」の時は高校生だったのに、今回は財閥の御曹司だって。
韓国の俳優は実年齢よりも若い役でも、全然問題なく演じるよね。
まずはあらすじを書いてみようか。

学歴もお金もない非定期職の気象キャスターピョ・ナリ。
放送局入社早々、イケメン記者イ・ファシンに一目ぼれしてずっと片思いをしていた。
しかし、ファシンとは何もなく、彼は”ある事”のせいでバンコクに飛ばされる。
そんなある日、ひょんなことでファシンと仕事をすることになったナリは、バンコクに向かう飛行機の中でイケメン御曹司コ・ジョンウォンと出会い胸をときめかす。
でも、実はジョンウォンとファシンは親友だった。
バンコクで集まった3人。三角関係のような…?ないような…?妙な関係が始まろうとしていた…
(KnTVより)

今回のコン・ヒョジンはお天気キャスター役だね。
トレイラーも載せておこう。

何年も片思いをしてきたイ・ファシンの体を触りまくるコン・ヒョジンに大笑い。(笑)
そのおかげで病気に気付くことができたので、感謝すべきなのかもしれないね?
お天気キャスターというのが、自分で気象情報をチェックしてテレビで伝えているとは知らなかった。
韓国だけの話なのかな?
コン・ヒョジンが抜群のプロポーションだと分かる、露出度高めの服装もあったよ。
自信があるから出せるんだろうね。(笑)
全24話あるドラマだけど、途中が中だるみで少し飽きてしまった。
単なる恋愛物になってしまうと興味が薄れてしまうSNAKEPIPEだよ。

悪魔なカノジョは裁判官(原題:지옥에서 온 판사 2024年)」は、ディズニープラスにて視聴。
「シーシュポス: The Myth」や「ドクタースランプ」などに出演していたパク・シネが主役なんだよね。
「ドクタースランプ」は今年5月の「映画の殿 第64号」で感想を書いている。
パク・シネは34歳なのに高校生役をやっていて違和感なかったんだよね。(笑)
今回はポスターからして妖艶な雰囲気。
1年の間に高校生から悪魔まで演じるとは、パク・シネすごい!
あらすじを書いてみようか。

超エリートで美人な裁判官カン・ビンナの正体は、許されざる者を殺して地獄に送るという任務を全うするため、地獄からやって来た“悪魔”だった?!
数多くの罪人を裁く中で、ビンナは誰よりも人間的な刑事ハン・ダオンに出会う。
はじめは彼を利用するつもりだったが、徐々にダオンの温かさと誠実さに触れ、想いを寄せるビンナ。
果たしてビンナは任務を成し遂げることができるのか、それともダオンのために全てを投げ出すのか。
(ディズニープラスより)

トレイラーはこちら。

パク・シネは、キツめの性格でコーラを飲んだ後にゲップをするような女性らしさを見せない役どころを演じていた。
イメージを変えたいのだとしたら、今回の残酷な悪魔役は大成功。
赤い髪色に紫の瞳も似合っていたよ。
温かい感情を持ち合わせていないはずの悪魔が、人間に寄り添っていくうちに愛情に目覚めるというストーリーはありがちかも。
最終話に近づくにつれ、パク・シネの悪魔的要素がなくなってしまったのが物足りなかったSNAKEPIPEだよ。

貞淑なお仕事(原題:정숙한 세일즈 2024年)」は、「椿の花咲く頃」や「愛の不時着」で名バイプレイヤーだったキム・ソニョン(画像左から2番め)を目的に観始める。
いつも良い味出してる女優なので、期待しちゃうんだよね。(笑)
他3人の女優については、もしかしたら他のドラマや映画で観ていたのかもしれないけれど、はっきり記憶していないよ。
タイトルにある「貞淑なお仕事」については、あらすじとトレイラーでお伝えしてみよう。

1992年、性がタブー視されていた、韓国の保守的な田舎町クムジェ。
ハン・ジョンスク、オ・グムヒ、ソ・ヨンボク、イ・ジュリら4人の女性たちは、自立した女性としてお金を稼ぐため、“訪問販売シスターズ”としてアダルトグッズの訪問販売を始める。
時に社会の偏見に立ち向かい、友情を深めながら成長していく彼女たちだが……。(シネマトゥデイより)

トレイラーでもう少し詳しく観ていこうか。

今から30年前の田舎町で、アダルトグッズ販売で一旗揚げようとする女性4人組という設定が面白い。
受け入れられないのは当然で、奮闘しながら売上を伸ばしていく過程が見どころ。
4人の女性がそれぞれの事情を抱えながらも、仲良く助け合う姿が微笑ましい。
途中からアダルトグッズ販売の話ではなくなってしまうんだよね。
「訪問販売シスターズ」に関係があるストーリーではあるけれど、取ってつけたような展開はイマイチだったかも。
「愛の不時着」や「ヴィンチェンツォ」で印象的だったイム・チョルスが、キム・ソニョンの旦那さん役で出演していた。
「ヴィンチェンツォ」で初めて観たので、今でも「アン君」と呼んでしまうよ。(笑)

最後はこちら。
ジョンニョン:スター誕生(原題:정년이 2024年)」は、パク・チャヌク監督の映画「お嬢さん」やドラマ「二十五、二十一」で有名なキム・テリが主演のドラマ。
調べてみるとキム・テリとパク・シネは、どちらも1990年生まれなんだね。
キム・テリも今回のドラマで19歳の役を演じていたけれど、全く無理なく10代に見えたのはすごい!
「二十五、二十一」の時はフェンシングに打ち込む女子高生だったっけ。
今回はどんな役を演じているのだろう。

1956年、韓国の港町で慎ましくも平凡な生活を送っていたジョンニョン。
天性の美声と表現力を持つジョンニョンは、ある日町を訪れた人気劇団のスター団員に見出され、初めて女性だけが役を演じる女性国劇を鑑賞し、その幻想的な世界とオーラに心を奪われる。
そして女性国劇のスターになることを夢見て上京し、劇団に研修生として入団するが、その道は辛く険しいものだった。
劇団で出会った仲間たちとともにジョンニョンは、スターへの道を懸命に駆け上がっていく。
(Filmarksより)

1948年に初めて女性だけの歌と踊りがある演劇は、「女性国劇」と呼ばれるらしい。
日本の宝塚歌劇団みたいだよね。

宝塚歌劇団についてあまり詳しくないけれど、水の江瀧子や 鳳蘭など男役に人気が集まるのは知っている。(古い!)
「女性国劇」も同様で、男役を目当てにファンが殺到していたらしいよ。
その世界をドラマにした「ジョンニョン」では、出演者が劇中劇を演じているんだよね。
記事によれば、キム・テリは2021年から「パンソリ」のボイス・トレーニングを受けていたという。
「女性国劇」で披露されるのが「パンソリ」という、独特の発声法と節回しで歌われる歌なんだよね。
ドラマの中では、キム・テリはじめ、出演者が本物の「女性国劇」の人に見えるほどの出来栄え。
男役を演じていたオッキョンも素晴らしかった。
韓国の俳優は、演技、歌、踊りなどなんでもこなすから、才能豊かだよね。
「ジョンニョン:スター誕生」は、俳優陣の凄まじい本気度が伝わってくるドラマだったので、かなりオススメ!(笑)

ドラマの途中やエンディングで流れるパンソリとラップを組み合わせた曲が気に入ったよ!
LEENALCHI(イナルチ)の「Bird」を載せておこう。

今回紹介した4つのドラマ、全部女性が主役だったね。
ディズニープラスに入ってから視聴の幅が広がって、楽しみが増えたよ。
ドラマ鑑賞はまだまだ続くよ!

ビザール・クリスマス・ギフト選手権!57回戦

20241215 top
【根強い人気のニコラス・ケイジ・グッズ。50%オフでお買い得だよ!】

SNAKEPIPE WROTE:

2週連続でビザール・クリスマス選手権を書くのは初めてかも?
先週はカードだったので、今回はグッズにしてみよう。
SNAKEPIPE個人的には、そこまでクリスマスに思い入れはないんだけどね。(笑)
当ブログではお馴染みの「米国Amazon」で購入できる、ビザールなクリスマス・グッズを探してみたよ。
この企画は2019年2021年に続いて3回目なんだよね。
プレゼントされて嬉しいかどうか、早速見ていこう!

物騒なデザインに惹かれてしまうSNAKEPIPEの目に止まったのが、これ!
AK-47型のウイスキー・デカンタなんだよね。
Whiskey Decanter Setには、デカンタを固定するためのスチール台やグラスの他に、グリーティングカード4枚までセットになっているという。
ウイスキーの補充が簡単にできるような「おちょこ」までついていて、至れり尽くせり。(笑)
気になるお値段は、$59.99(約9,200円)なので、手頃かも。
クリスマス・パーティで盛り上がること間違いなしだよ!

ウイスキーには氷が欲しいよね。
せっかくだったら、ライフル銃のデカンタに似合うWhiskey Stones Set をチョイスしてみよう。
高級感のある樽に入っているのは、シリンダーに刺さっているステンレス製の弾丸6発!
この弾丸を3時間ほど冷凍することで、氷として使用できるんだとか。
氷で薄めることなく、純粋にウイスキーを味合うことができるというから「飲んべえ」にはたまらないはず。
なんといっても見た目のインパクトがあるよね!
お値段は$23.99(約3,600円)ほどなので、AK-47型のウイスキー・デカンタと併せて購入するのがオススメだよ。(笑)

クリスマスといえばサンタ・クロース!
Face Maskは大人用2枚セットだって。
このサンタ・マスクでコスプレすると、恋人との絆が深まりそう。(うそ)
綿素材のマスクにリアルなヒゲがついているので、不織布マスクにプリントをしているマスクとは格段の差がある、と書いてあるよ。
確かにこれはインパクトあるかも。(笑)
お値段が$9.99(約1,500円)と手頃なせいなのか、2850ものレビューがあるよ。
評価が4.2と高いのも購入のきっかけになるかもね?

日本では還暦祝に赤い「ちゃんちゃんこ」や頭巾を着る習慣あるよね?
干支(十二支と十干)の組み合わせが満60歳で一巡することで再生を意味するという。
「赤ちゃん」に還るためや、赤色が魔除けになるためなどの理由で赤色を着る風習が生まれたんだとか。
赤いパンツが元気になると人気になったこともあったっけ。
米国Amazonにも赤いパンツあったよ!
Big Undies Gag Giftを見て、目を疑ったよ。
大き過ぎるもんね?
ギャグ・ギフトとして認知されているようで、星5つのところ4.8という高評価!(笑)
爆笑必至です、と書かれているので、大人気アイテムなんだろうね。
お値段が$13.99(約2,150円)、笑いを取るためならお安いものかな?

続いてもギャグ・ギフト。
Spider Boxは、その名の通り蜘蛛が入っている箱なんだよね。
蓋をスライドさせると蜘蛛が飛び出す仕組みで、単純だけど効果バツグンみたい。
アメリカやカナダなどでは、クリスマス時期に「White Elephant Party」と呼ばれるイベントが開催されるんだとか。
これはユーモアや楽しさを重視したギフト交換会の一種で、面白くて変わったギフトが喜ばれるんだって。
先に書いた赤いパンツなども、きっと「White Elephant Party」で大人気なんだろうな。(笑)
蜘蛛の箱には本当のプレゼントを入れたり、蜘蛛にプロポーズ用の指輪を付けて驚かせたりするらしい。
使い方次第って感じなんだろうね。
お値段$9.99(約1,500円)というのも、手が出しやすい金額だよ!

最後はこちら!
2021年のビザール・クリスマス・ギフトにも登場したトランプ大統領グッズ。
音声が出るボールペンやトイレット・ペーパーなど、面白い商品があったんだよね。
新たな商品を見つけたので紹介しておこう。
Trump socksは、文字通りトランプ大統領をモチーフにした靴下だよ!
なんといっても目を引くのは、髪の毛部分。
人工毛が立体感を出していて、小さな櫛でヘアスタイルを自由に変化させることも可能とは。
櫛もセットになっているところ、ポイント高いよね!(笑)
「大統領への愛や支持を表現しながら、パーティーで注目を集め、話題のきっかけになるアイテム」と書いてあるよ。
ツインテールや「ちょんまげ」スタイルにしたら笑いを取ること間違いなし!
この商品もお値段$9.99(約1,500円)なので、ギャグ・ギフトなんだろうね。
男女兼用でワンサイズとのこと。
SNAKEPIPEは本気で欲しいと思ってしまったよ。(笑)

一番上に載せたのは「ニコラス・ケイジ・オーナメント」。
ギャグ・ギフトといえばニコラス・ケイジだった、と思い出して検索してみたよ。
未だに根強い人気があるようで、商品化されているんだね。
その事実を知り、なぜだか安心しまったSNAKEPIPEだよ。(笑)

今回のビザール・ギフトも秀逸な逸品揃いだったね!
あちらこちらで「White Elephant Party」が開かれていたら、ギャグ・ギフトがかぶらないのか心配になるよ。
毎年頭を悩ませる人も多いだろうね。
次回はどんなビザールな物を紹介できるのか、今から楽しみ!(笑)

ビザール・クリスマス・カード選手権!56回戦

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【可愛らしさと残酷さが同居しているクリスマス・カード】

SNAKEPIPE WROTE:

クリスマス前に特集する定番の企画が「ビザール・グッズ選手権」。
今回は「ビザール・クリスマス・カード選手権」にしてみよう。
前回クリスマス・カードについて書いたのが2020年なので、4年ぶりだよ。
最近は年賀状も送らない人が増えていて、郵送の習慣が減っているのは残念に感じる。
メールやメッセージは手軽だけど、手作りや手書きの部分は完全に省略されてしまうからね。
ヴィクトリア朝やエドワード朝時代のヴィンテージ・ポストカードは、ユニークな物が多くて楽しいよ!
早速見ていこうか。

緑の手袋をしたサンタクロースのポストカード、かなりレトロな雰囲気だよね。
家庭でのディナーやツリーの飾り付け、サンタクロースがプレゼントを携えて訪問するといったクリスマスの習慣は、ヴィクトリア朝にできたものだという。
電話もその頃にはあったんだね。
このサンタさん、なんだかとてもお下品な顔立ちじゃない?
まるでイタズラ電話しているように見えてしまうよ。(笑)
「下着の色は何色かな?」
などと言っているようだよ。
このポストカードを送られても、嬉しくないかも。

続いてもサンタクロースね。
悪い子にはお仕置きをする伝説が、ヨーロッパの各地に残っているという。
きっと悪さをした子供に「クリスマスになったら連れて行かれるよ」などと親が脅し文句に使っていたに違いないよ。
袋だけでは収まりきらず、ブーツの中や左右の隅にまでも泣き叫ぶ大勢の子供たちを確認できるね。
くわっと目を見開いた恐ろしい形相のサンタクロースは夢に出てきそうだよ。
サンタクロースが、日本の「なまはげ」みたいな役割を担っていたとはびっくり!

イメージ通りのサンタクロースが描かれたポストカード。
服装が茶色だから地味目だけどね。(笑)
にこやかにプレゼントを持って来てくれたところが描かれている。
「わあ、ありがとう」
と人形を抱き上げて喜んでいる少女の足元に注目したい。
今まで大事にしていたはずの人形が投げ捨てられてるんだよね!(笑)
この薄情な少女の姿を絵にしてしまったところがすごい。
捨てられた人形の顔が恨めしそうに見えてしまうね。

お便り持った少女がサンタクロース宅を訪ねているポストカード。
願いを書いた手紙が配達される様子が描かれているんだろうね。
サンタさんは家々を訪問するものだと思っていたんだけど?
そしてサンタの自宅を知っている人がいることにも驚いてしまったよ。(笑)
恐る恐るドアを開けるサンタクロースが、少し迷惑そうな表情を浮かべているように見えてしまう。
あまり見かけないタイプの絵柄なので、取り上げてみたよ!
Wikipediaによると、実際にグリーンランド国際サンタクロース協会のサンタクロースがいるんだね。
サンタは本当にいるんだ!(笑)

2020年12月の「ビザール・クリスマス・カード選手権!41回戦」にも、ピエロをモチーフにしたクリスマス・カードがあったっけ。
どうしてピエロなのか謎だけど、ヴィクトリア朝には創造的で不思議なイメージを楽しむ風潮があったらしい。
そしてクリスマス時期にはサーカスなどの特別公演なども開催されたことも影響しているみたいだよ。
ピエロがペコちゃん(ポコちゃん?)みたいに舌を出し、嬉しそうにパイを頬張ろうとしている瞬間を捉えている。
「季節のご挨拶を申し上げます。陽気で楽しいクリスマスを!」と書かれた丁寧な文言と、少し不気味なピエロとのミスマッチが、当時の洒落だったのかもしれないね。

4年ぶりにヴィンテージのクリスマス・ポストカードを特集してみたよ!
ビザールで秀逸なカードは楽しいね。(笑)

SNAKEPIPE MUSEUM #73 Germaine Luise Krull

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【エリ・ロタールが撮影したジェルメーヌ・クルルの肖像】

SNAKEPIPE WROTE:

今日から12月。
2024年も残すところ1ヶ月になったね。
月日の流れが速いなあ!(笑)

2024年6月のブログ「SNAKEPIPE MUSEUM #70 Eli Lotar」で特集した写真家エリ・ロタールは、女流写真家 Germaine Luise Krull (ジェルメーヌ・クルル)の助手だったんだよね。
今回は師匠であるジェルメーヌ・クルルについて書いてみたい。
まずは経歴を調べてみようか。

1897 ドイツ領ポーゼン(現在はポーランドのポズナン)に生まれる
1915-1917 ドイツ・ミュンヘンにある写真学校「Lehr- und Versuchsanstalt für Photographie」で学ぶ
1918 ミュンヘンで写真スタジオを開設し、著名人と親交を深める
1921 政治活動に従事し、逮捕され投獄される
1925 オランダの映画監督で共産主義者のヨリス・イヴェンスと結婚しオランダ国籍を取得
1928 写真集『Métal』を発表
1946-1966 タイのバンコクにあるオリエンタルホテルの共同経営者となる
1968 写真集『Tibetans in India』を発表する
1985 ドイツのヴェツラーで亡くなる

裕福な環境に生まれ、家族でヨーロッパ各地を巡っていたという。
父親から少年の服を着せられたことがあり、その経験が「女性の役割」に対して影響を及ぼしたのではないかと考えられているらしい。
この文章についての意味は後に明らかになるであろう。(預言者風)
ヨーロッパやアジアを股にかけて作品を発表していた女流写真家、ジェルメーヌ・クルルの作品を観ていこう!

デ・キリコ展」のブログでも書いていたけれど、2024年の当ブログに何回も登場したジャン・コクトー!
クルルは、コクトーの肖像写真を何枚も残しているんだよね。
載せた作品は、恐らく1930年頃に撮影されたみたい。
クルルはアンドレ・ケルテスやマン・レイと並び、優れた写真家として認められていたというから、著名人の撮影も多かったんだろうね。(笑)
何度も書いていることだけど、1920年代のパリを中心としたヨーロッパは憧れの時代。
政治活動も行っていたというクルルなので、かなりラディカルな一面を持った女性だったんだろうね。

観ているだけでワクワクする、SNAKEPIPEが大好物のモチーフ!(笑)
1928年に発表された写真集「メタル」は、エッフェル塔のような近代的な構造物や機械美をテーマにした、とても男性的な作品群なんだよね。
ここで「少年の服を着せられ」た話に戻るわけ。
1920年代に20代の女性が、夢中になってシャッターを切っていたとは信じられないよ。
これは余程のインダストリアル好きに違いない!
鋼鉄の鈍い輝き、直線や曲線のフォルム、影の形に魅力を感じていただろうことがよく解るよ。
クルルの写真集が1930年代に日本でも紹介されていたことに驚いたし、感銘を受けた堀野正雄の写真も気になるよ。

1910年代から活躍しているパリのイラストレーターであるポル・ラブの肖像写真を中央に配置したフォト・コラージュは、1930年の作品だという。
手と影だけなのに、印象的だよね!
ワンピースのニコ・ロビンを思い出してしまったのはSNAKEPIPEだけ?(笑)
クルルより先輩で、ラウル・ハウスマンと共にフォト・コラージュ(フォト・モンタージュ)を始めたハンナ・ヘッヒも、同時代に活躍していたはず。
女流アーティスト同士、交流はなかったのかな?
載せた作品に話を戻すと、モデルになっているポル・ラブは、この作品の3年後に早世してしまったとのこと。
宇野亞喜良の元祖みたいな作品や、1920年代のキャバレー風のイラストが残っていて興味深いよ。
まだまだ知らないアーティストがいっぱいいるね。

20世紀初頭に活躍した、フランスの伝説的なファッションデザイナーであるポール・ポワレ。
載せた作品は、1926年にクルルがポール・ポワレに作成したアイデアとのこと。
多重露光を使用して、アップの女性とドレスを着た3人(?)の女性を重ねている。
アップの顔にシワがより、美しさを際立たせるというよりは、ギョッとしてしまうよね。(笑)
この作品がポール・ポワレに採用されたかどうかは確認できなかったよ。
クルルは商業写真でも活躍していたんだね。

1928年の写真集「メタル」は、今鑑賞してもカッコ良さが伝わるよね!
SNAKEPIPEが目指していた方向性はまさに、これ。
こんな先人がいたことを知らなかったのは幸せだったのかもしれない。
もしクルルを知っていたら、あそこまで自分の世界に熱中できなかったはずだから。

経歴に書いていない部分を補足しておこう。
クルルはタイのホテル経営を終えてから、北インドに移住し、チベット仏教のサキャ派に改宗したんだとか。
サキャ派とは、チベット仏教4大宗派の一つ、と説明があったよ。
そして最後の写真集でダライ・ラマの肖像を撮影しているという。
写真学校を卒業してから50年以上、写真に携わってきたクルルの作品をもっと鑑賞してみたい。
「メタル」は復刻版が販売されていたようだけど、現在はソールド・アウト。
どちらにしてもお値段10万円超えだったようなので、まずは貯金から始めるか。(笑)