SNAKEPIPE MUSEUM #78 Raoul Hausmann

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【1920年、第1回国際ダダ見本市のカタログ表紙に使用された作品「Elasticum」】

SNAKEPIPE WROTE:

今週は「SNAKEPIPE MUSEUM」をお届けしよう。
仮想美術館に展示する作品を収集するというのがテーマのカテゴリーなんだよね。
どうしても好みが片寄り気味だけど、SNAKEPIPEが欲しいと感じるアーティストの作品を集めてるから許してチョンマゲ!
えっ、これって死語?(笑)
今回紹介するのはダダのアーティスト、Raoul Hausmann(ラウル・ハウスマン)ね!
作品紹介の前に、経歴を調べてみよう。

1886 オーストリア=ハンガリー帝国ウィーンに生まれる
1901 ベルリンへ移住
1905–1910 絵画と美術理論を学ぶ
1915 詩人・作家のリヒャルト・ヒュルゼンベックと親交を結び、前衛芸術運動への関心を深める
1917 ベルリン・ダダ運動の創設メンバーの一人となる
フォト・モンタージュ技法を確立
1918–1920 「ダダ・アルマナック」「Der Dada」などの出版活動に参加
反芸術・反戦・反ブルジョワ的立場を表明
1921–1923 タイポグラフィと音声詩(phonetic poetry)に注力する
1924–1932 写真家・評論家として活動
アヴァンギャルド写真の実験を行う
1933 プラハに亡命
1936 光と音の視聴覚変換装置オプトフォンを発明し、ロンドンで特許を取得
1938 フランスへ移住
後に南西フランスのリモージュ近郊ロシュシュアールに定住
1950– 哲学的詩やコラージュ作品を発表
1971 84歳で逝去

今年生誕140年なんだね!
ベルリン・ダダの創設メンバーで、ジョン・ハートフィールド、ハンナ・ヘッヒ、ジョージ・グロスらと活動していたんだとか。
2013年8月に「SNAKEPIPE MUSEUM #22 Hannah Höch」で紹介したハンナ・ヘッヒの名前が出てきて嬉しい。
ラウル・ハウスマンとハンナ・ヘッヒは恋人だったんだね。
ただしハウスマンは既婚者だったので、不倫関係だったみたいよ。(ひそひそ)
ハンナ・ヘッヒには「妻と別れるから一緒になろう」と言いながらも離婚しない、卑怯な野郎だったようだけどね。(笑)
2人で旅行した際、泊まった宿に「兵士の肖像画に息子の顔写真を5回貼り付けた」奇妙な作品を目撃し、フォト・コラージュの技法を思いついたらしい。
偶然がもたらした結果だったとは驚きだね!
ハンナ・ヘッヒとのお付き合いは数年で終了したようだけど、フォト・コラージュ(モンタージュ)を発明して楽しい時間を過ごしたんだろう、と想像する。
エキセントリックな関係だっただろうね!
まずはハウスマンのフォト・コラージュ作品から観ていこうか。

1923〜1924年に制作された「ABCD」。
口の中にタイトルの「ABCD」がある中央の顔はハウスマン本人なんだね。
写真や文字を何枚も重ねて貼り付けていく手法は、セックス・ピストルズを代表とするPUNKなスタイルだよね!
「破壊することは創造することだ」
という「ダダ哲学」を提唱したというハウスマンは、やっぱりPUNKの元祖だわ。(笑)
大胆な切り貼りを施しているのに、バランスが取れている作品だよね。
それにしてもここまで自分の顔をアップで使用するなんて、よほど自分に自信があるんだろうな。
顔の下に名前も入れてるし、まるで自己PRのポスターみたいじゃない?

フォト・コラージュからは離れてしまうけど、次もハウスマンのPUNKっぽい作品にしてみよう。
画像左は、1919年に発表された「The phoneme kp’ erioUM」は、実験的タイポグラフィの「音声詩」だという。
「既成の意味や構造」だったり「視覚構造の解体」を行った「オプトフォネット詩(optophonetic poem)」の代表作なんだって。
音響とタイポグラフィの印象で構成された、無意味な音の連なりとは、なんてアヴァンギャルドなんでしょ!(笑)
画像右は70年代オリジナルPUNK代表、セックス・ピストルズのLPだよ。
ハウスマンの「音声詩」から58年後に、「破壊と創造」を音楽で表現したバンドだよね。
そんなつながりを、ピストルズ誕生から48年経過した2025年になって記事にしているSNAKEPIPE。
100年以上前のアナーキスト、ハウスマンに脱帽だね!(笑)

1920年の作品「Dada im gewöhnlichen Leben (Dada Cino)」」は、フォト・コラージュの作品だよ。
ブルーを背景に、何枚もの切り抜かれた画像や文字が貼り付けられている。
「Dada Cino」は「Dada Kino」を模した造語らしく、訳すと「ダダ映画」になるらしい。
ところどころに「Dada siegt」とあるのは「ダダ勝利す」という、 ダダ運動のスローガンだという。
タイトルを訳すと「日常生活のダダ」だって。
意味についてハッキリ分からなくても、全体のバランスや色合いが美しい作品だよね!
左下に手書きされているのは、恐らく当時の恋人だったハンナ・ヘッヒに向けてのメッセージではないかと推測されているらしい。
「ダダの心を燃やしながら 永遠に君のもの!ラウル・ハウスマン」
ルイス・オルテガ監督の映画「永遠に僕のもの」みたいだね!(笑)

1920年の作品「Der bürgerliche Präzisionsgehirn erregt eine Weltbewegung (Dada siegt)」は「ブルジョワ的精密脳が世界運動を引き起こす(ダダ勝利す)」という非常に観念的なタイトルがついているよ。
靴やタイプライターが置いてある室内に掲げられた世界地図には「DADA」の文字があるね。
DADAが世界を制服しようとしているのかな?
脳の断面を見せている男性が機械化していき、無表情になっているのかもしれない。
「機械的な理性が支配する社会」を批判していたというハウスマンによる、風刺作品とのこと。
タイトルからも分かるように、かなりメッセージ性が強いもんね。
恐らく後方にいるコートを着た人物はハウスマン本人じゃないかな?
未来派だったり同時代のロシア構成主義やバウハウスは機械礼賛の立場の人が多かったけれど、ダダでは批判的なマシナリズムもあったんだね。
この点がとても興味深いよ!

「ダダ勝利す」をスローガンに掲げていたダダ運動は、1922年頃に衰退したらしい。
丁度その頃、ハウスマンとハンナ・ヘッヒもお別れしているんだよね。
「金の切れ目が縁の切れ目」ならぬ「アートの衰退が縁の切れ目」だったのか?(笑)
年表にあるようにハウスマンは写真家として活動するんだよね。
光と影が印象的なモノクロームの作品は、1931年のもの。
機械が放つ火花のように見えるけれど、ランタンの光などを長時間露光で撮影したのかな?
SNAKEPIPEの予想なので答えは違うかもしれないよ。(笑)
不思議な雰囲気のある作品で気に入ったんだよね!

もう1点、写真作品を載せてみよう。
1931年のベルリンで撮影された作品でタイトルはないみたい。
キレイに配置されたかのような人物のシルエットが面白いね!
2025年9月に書いた「ROCKHURRAH紋章学 Anton Stankowski 編」で、アントン・スタンコフスキーの写真作品を紹介した。
1932年の作品も俯瞰写真で、影が印象的だったことを思い出したよ。
同時代の写真家モホリ=ナギも俯瞰写真を撮影しているんだよね。
普段とは違う視点が新鮮だったのかもしれない。

1936年には「Optophon(オプトフォン)」という光と音を双方向に変換する装置を構想し、ロンドンで特許を取得している。
実現はしなかったようだけど、現代のマルチメディア・アートの先駆けだったんだね!
フォト・コラージュも、のちの時代に多大な影響を与えた技法なので、ハウスマンの偉大さが分かるよ。
改めてダダについて勉強できて楽しかった。
温故知新、これからも続けていきたいね!(笑)

好き好きアーツ!#63 世界アート(仮)探訪 7

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【憧れのポンピドゥーセンター!建物からしてシャレオツ!】

SNAKEPIPE WROTE:

前回「好き好きアーツ!」を書いたのが、2025年2月のこと。
テート美術館のミュージアムショップについて書いたっけ。
そのブログから数日後に緊急入院したSNAKEPIPE。
病を押してまで執筆していたとは、この時点では気付いていなかったからね。

さて、前回はロンドンのテートだったので場所を移動してパリに行ってみよう。
かつてないほど円安の今こそ(仮)探訪したいよね!
パリといえば、まず思いつくのが一番上に画像を載せたポンピドゥーセンターやカルティエ美術館
選りすぐりのコレクションをたくさん所蔵している憧れの美術館だよ。
カルティエ美術館では、敬愛するデヴィッド・リンチや横尾先生も個展を開いていたね。
有名な美術館は必ず訪れるので、今回は「もう少し時間があったら」行ってみたい美術館や博物館を特集してみようかな。

Fondation Agnès B.が手掛ける「La Fab.」は、ファッション・ブランドのアニエスベーが所蔵する現代アートを展示するギャラリーがある建物だという。
2020年2月、パリ13区のジャン=ミシェル・バスキア広場にオープンしたんだって。
ルイ・ヴィトンやエルメスなどのハイブランド同様、アニエスベーも美術館があるんだね!
デザイナーであるアニエスベーについて、ほとんど知らなかったSNAKEPIPEだけど、美術館のキュレーターを目指してヴェルサイユ美術学校で学んでいたことを知る。
生まれたのもヴェルサイユとは、ブルジョアな香りがするわあ。(笑)
およそ5,000点の現代アートをコレクションしているというアニエスベーは、ギャラリー・デュ・ジュールで作品展示を行っているようだね。
過去に開催された展覧会情報がサイトに載っているので参考に観てみると、面白そうな企画がたくさんあったよ!
2009年には、アニエスベー基金を設立して、文化や芸術の保存や展覧会を開催する以外に、社会・人道支援や海洋保護活動なども行っているという。
「La Fab.」のギャラリーは無料で「コレクション展示エリア」の入場料は、一般料金で7ユーロ(約1,200円)とのこと。
建物内にある書店で本を散策したり、バスキア広場でゆっくりくつろぐのも良さそうだよね!

アニエス・ベーのギャラリーの鑑賞を終えてから、徒歩でおよそ30分。
今度は彫刻家アルベルト・ジャコメッティのアトリエが再現されたジャコメッティ研究所に行ってみようか。
歴史的建造物に指定されているアール・デコ様式の建物は、ジャコメッティが住んでいた場所ではないんだって。
ここには、モンパルナスにあったジャコメッティのアトリエを完全に再現している部屋があるんだとか。
壁の落書きや家具、道具、石膏像の欠片まですべて再現または保存されていて、「まるでジャコメッティが今も作業をしているみたいだ」というから一見の価値ありだね!
もちろんジャコメッティの作品展示もされているよ。
来年の1月まで開催されているのは、シリア出身の画家マルワンとの2人展とのこと。
マルワンとジャコメッティが対話するような構成になっているという。
ジャコメッティの作品は彫刻以外鑑賞したことがないので、絵画や版画も観てみたいよ。
サイトに「会期終了まで93日」のように、残りの日数が表示されているのが面白い。(笑)
入場料金は一般で9ユーロ(約1,600円)だって。
アール・デコな建物と作品を鑑賞してみたいね!

次は、ジャコメッティ研究所から天気が良ければ1時間くらいセーヌ川沿いを歩くか、もしくは30分くらいメトロに乗ってケ・ブランリー美術館に行ってみよう。
入場する前にカラフルな立方体が飛び出しているような建物や庭園にも注目したいね。
ここは世界でも屈指の民族学博物館で、総数45万点に及ぶ収蔵品のうち、およそ3,500点が常時展示されているんだって。
展示は「アフリカ」「アジア」「アメリカ」「オセアニア」の4つの地域に分かれていて、世界中の先住民族の芸術を紹介しているというから、時間配分に気を付けて鑑賞しないとね。
これはSNAKEPIPEが博物館で「縄文時代」鑑賞に時間を費やしてしまうクセを揶揄した自虐ネタだよ。(笑)
3,500点の展示品を4つの大陸で等分したら、およそ900点!
まんべんなく観るために、少し早めに歩くように心がけようか。
アフリカやオセアニアの工芸品に、かつてピカソ、モディリアーニ、ゴーギャンといった芸術家たちが触発されたという記事があったよ。
岡本太郎が縄文文化に感動したのと同じなんだろうね。
ケ・ブランリー美術館の入場料金は14ユーロ(約2,500円)。
今まで観たことがないアートに出会えそうだよね!

ケ・ブランリー美術館を出て、30分ほどメトロを乗り継ぐと贋造博物館に到着!
ここは、その名の通り偽造品を展示している博物館だって。
本物の製品とその模倣品を並べて展示し、正規品の優位性を示すことを目的としているんだとか。
展示の範囲が驚くほど広くて、スイスアーミーナイフ、ヴーヴ・クリコのボトル、ロダンのブロンズ像など「本物」と「偽物」を見比べることができるという。
実際に訪れた方のレビューによると「タバスコや日焼け止めの偽物があるとは!」と、世の中に蔓延る贋作の多さに驚くようだよ。
SNAKEPIPEは、贋作がどこまで本物らしく作られているのか観てみたいと思う。
以前、絵画の贋作師ヴォルフガング・ベルトラッキのドキュメンタリーを観たことがあるけれど、贋作を作るための努力(?)に目を見張った記憶があるよ。
8ユーロ(約1,400円)で、贋作の精巧さを観てみたいね!(笑)

時間があったら行ってみたいパリの美術館や博物館を特集してみたよ!
距離的には可能でも、実際には1日で回るのは難しいかもしれないね?
次はどの都市を歩いてみようか?
次回をお楽しみに!

映画の殿 第77号 韓国ドラマ編 part26

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【今回もROCKHURRAHが表紙を作成してくれたよ!感謝!】

SNAKEPIPE WROTE:

今回の「映画の殿」は韓国ドラマ編にしてみよう。
前回書いた「トンイ編」より前に鑑賞しているドラマもあって、少し内容を忘れているよ。
SNAKEPIPEの備忘録として書いているシリーズなのに、本末転倒だね。(笑)
いつも書いているけれど、ROCKHURRAH RECORDSが視聴した順番で書いていて、制作年順ではないのでよろしく!
※ネタバレしている可能性がありますので未鑑賞の方はご注意ください

最初は「大丈夫、愛だ(原題:괜찮아, 사랑이야 2014年)」から。
「最高の愛〜恋はドゥグンドゥグン〜」や「椿の花咲く頃」など、様々なドラマで主役を務めているコン・ヒョジンが主役なので、前から観たいと思っていたドラマだよ。
「ラブコメの女王」の異名を持つコン・ヒョジンが、通常とは違う役柄に挑んだというので興味があったんだよね。
今から10年以上前の作品なので、なかなか配信されていなかったところ、ROCKHURRAHがAmazonプライムで発見してくれた!
念願叶い視聴を始めたのが今年の7月頃だったか。
どんなストーリーなのか、あらすじを引用させていただこう。

チ・ヘスは様々な問題を抱えた患者と向き合う精神科医。
男顔負けの手腕で慌ただしい日々を送りながら、自身も異性と関係を持つことを怖がる“恋愛恐怖症”を克服しようとしていた。
ある日トークショー番組に出演することになったヘスは、イケメンベストセラー作家のチャン・ジェヨルと出会う。
精神科医をバカにした物言いに反感を覚えるヘスだったが、ジェヨルは素っ気ない態度のヘスに興味津々。
彼女が住むシェアハウスに越してきて、積極的なアプローチを仕掛けてくるが…!?
(Filmarksより)

続いてトレイラーも観てみよう。

「大人のためのヒーリング・ラブコメディ」って書かれているね。
およそ2分半の予告の中で、何回キスシーンが出てきたことか。(笑)
コン・ヒョジンの相手役ジェヨルを演じているのは、ドラマ「ムービング」で空を飛んでいたチョ・インソン。
予告の中で明かされているように、主役の2人共が精神的に不安定なんだよね。

コン・ヒョジンが暮らすシェアハウスには、他に男性2人が住んでいる。
そのうちの1人が「ライブ〜君こそが生きる理由〜」や「殺人者の買い物リスト」「トンイ」などで知っているイ・グァンス(画像左)。
コメディ要素がある役どころだったけれど、トゥレット症候群(チック症)を患っているんだよね。
そんなグァンスを見守る、もう一人の住人が精神科医役のソン・ドンイル(画像右)。
この2人のおかげでドラマに息抜きが生まれた感じがするよ。
全体的には重たい雰囲気のドラマなので好みが分かれるかもね?

続いては「悪の心を読む者たち(原題:악의 마음을 읽는 자들 2022年)」ね。
これは韓国初のプロファイラー、クォン・イルヨン教授とコ・ナム作家が実話をベースに2018年に執筆した同名小説を基にしたドラマだという。
実際にあった連続殺人事件の犯人がモデルとなって登場しているらしい。
デヴィッド・フィンチャー監督が手掛けたドラマ「マインドハンター」みたいな感じかな?
主演は「熱血司祭」のキム・ナムギルと映画「エクストリーム・ジョブ」でマ刑事だったチン・ソンギュ。
今まで2人のコミカルな演技を観ているけれど、今回は雰囲気が違うみたいだよ。
あらすじを確認してみよう。

物語の始まりは1990年代後半の韓国。
まだ、プロファイリングという言葉が認識されておらず、サイコパスの概念がなかった時代。
遠からず動機のない殺人事件が増えるであろうことを見据え、危機感を覚えた鑑識班のヨンスは必死の思いで周囲を説得し犯罪行動分析チームを設立。
ハヨンにプロファイラーの資質があることを見抜き、韓国初のプロファイラーとしてチームに招く。
最初は殺人鬼の残虐性に気分を悪くするだけのハヨンだったが、共感力が高く真面目な性格が故、悪の頂点に立つ連続殺人犯の心理を理解しようとすればするほど悪に蝕まれ自分を見失っていく…。
悪の心を持つものと持たないもの、その違いはなぜ生まれるのか、どこで違ってしまったのか。
その答えこそが、悪の心の中にある。
次の犯罪を阻止するため、そして真犯人を捕まえるために、ハヨンたちは犯人の心を操り本心を聞き出すことができるのか━。
(公式サイトより)

トレイラーはこちら。

予告の中には、一切笑顔のシーンがないよね!
犯罪者たちがリアルでとても怖い。
そんな犯罪者に正面から向き合っていると、精神的におかしくなってしまうのも不思議ではないね。
2016年6月に鑑賞した「シリアルキラー展」の中で「朱に交われば赤くなる」という「ことわざ」がパンフレットに載っていたことを書いた。
人は付き合う人によって良くも悪くもなるという意味だよね。
犯人に面会し続けているうちに、心が揺らいでしまうのも仕方ないことかもしれない。
アレハンドロ・ホドロフスキー監督が提唱する精神療法が「サイコマジック」で、相談者に「ファミリーツリー」を作ってもらうことから治療がスタートするという。
生まれ育った環境だったり、どんな教育を受けたのかなどを何代も前からの家系図によって、精神の問題を解き明かしていくんだとか。
家族や友人など、出会う人がどれだけ大事かよく分かるよ。
心地良いと思う人と付き合っていきたいね!(笑)

続いては「悪縁(原題:악연 2025年)」について書いていこう。
このドラマは全6話なので、毎日1話ずつ観ていたとしても1週間で鑑賞できてしまうんだよね。
あっさり観てしまったためか、ストーリーをすっかり忘れていたSNAKEPIPE。
ROCKHURRAHも同様だったようで、あらすじや登場人物を確認して2人で思い出したよ。(笑)
ポスターを見ると主役級の見知った俳優が多数出演しているのに、忘れているとはひどい!
あらすじを確認しよう。

不可解な事故の目撃者、トラウマに苦しむ医師、巨額の負債を抱える者、不当な解雇を受け危険な仕事に就く男、成功させていた伝統医学がある悲劇をきっかけに地に落とされる人物、波乱を呼ぶ出来事を引き起こす女…
抜けたくても抜け出せない悪縁で絡み合った6人の男女を描く緊迫の犯罪サスペンス。
(Filmarksより)

あらすじ通り、確かに6人がポスターにいるよね。
予告も観てみよう。

負債を抱えた男が、お金欲しさに恐ろしい計画を立てたことから、偶然6人に悪縁が生まれてしまう。
「こ゚縁がありますように」
なんて神社で手を合わせ、お祈りする人は多いだろうけど、こんな因縁は嫌だよね。(笑)
欲を剥き出しにする人間が巡り合うと悲劇が起こってしまうのは当然かも。
このドラマにも一番最初に書いた「大丈夫、愛だ」に出演していたイ・グァンスが登場しているよ。
メガネをかけ漢方医院長役なので、いつものヘラヘラ笑う役とは違っていてまるで別人みたい。
ネタバレになってしまうので詳しくは書かないけれど、上の6人以外の人物がキモで、最後を締めくくっているよ。
予告にも登場しないので、これから鑑賞する方は誰が出演しているのか乞うご期待!(笑)

最後はこちら!
「TRY 〜僕たちは奇跡になる〜(原題:트라이: 우리는 기적이 된다 2025年)」は、高校のラグビー部を舞台にしたドラマなんだよね。
主演は「誘拐の日」や「誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる」などに出演していたユン・ゲサン。
ROCKHURRAH RECORDSでは「ゲサンが出演しているドラマに外れなし」と認識しているので、期待しちゃう!
先に書いた3本のドラマは重たい題材だったので、毛色の違うドラマを観たいと思ったんだよね。
我らがゲサン、一体どんな活躍をしてくれるだろう?
あらすじを引用させてもらおう。

不祥事によりキャリアを失ったラグビーの元スター選手が、母校のラグビー部の監督に就任。
チーム一丸となって成長し、どん底からの復活を果たそうとする。
(Filmarksより)

あらすじを引用させてもらってるのがFilmarksばかりだね。(笑)
予告も観てみよう。

コミカルな雰囲気で楽しそうだよね!
ラグビーについては詳しくなくても、ドラマ鑑賞には支障ないみたい。
あらすじにあった「ラグビーの元スター選手」がゲサンで、ユニフォームを着たた姿は本物の選手みたいだったよ!
韓国の俳優は鍛えている人が多いので、軍服やユニフォームを身につけると一瞬で「その世界の人」に見えてしまうのがすごい。
ストーリーは予想通り、ダメダメだったチームがトップに上っていく、いわゆるスポ根モノ。
ラグビー部が快進撃を続けていく様子は、一緒に応援したくなったよ!(笑)
学校関係者にイマドキいないだろうと思うほど、強烈なパワハラや不祥事を働いている教師などが登場して驚いてしまう。
韓国には、こんな教師がまだいるのかなあ?
ゲサンは、前回のドラマ「誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる」での鎮痛な表情を浮かべる役より、軽快で少しコミカルなラグビー部監督役が似合っていたよ。
ジンクス通り「ゲサンのドラマに外れなし」で良かった!(笑)

今回はラブコメ、サスペンス、スポ根といった趣の違うドラマを紹介してみたよ!
ドラマの内容を忘れる前に「映画の殿」をマメに更新しないといけない、と反省したSNAKEPIPE。
次はどんなドラマを特集するのか、楽しみに待っていてね!

ANDY WARHOL SERIAL PORTRAITS 鑑賞

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【エスパス ルイヴィトン東京エレベーター脇にある看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

エスパス ルイヴィトン東京で開催されているのは「ANDY WARHOL SERIAL PORTRAITS」。
来年の2月まで鑑賞できるようだけど、善は急げ!(笑)
台風接近により雨風が強い中、ROCKHURRAHと表参道に向かったのである。

表参道・原宿界隈は天候に左右されず、いつもと同じ程度の人出だね。
傘をさして歩くと、すれ違う時に傘同士が触れ合ってしまう人混みだよ。
「ちいかわらんど 原宿店」がリニューアルオープンしたおかげで、キディランド近辺がいつも以上に混雑していたね。
ルイヴィトンに入る前に2021年10月に書いた「ギルバート&ジョージ Class War, Militant,Gateway」を思い出したSNAKEPIPE。
ドアマンとの雨傘に関する「やり取り」について書いたのがこれ。

「自分でやりますよ」「いえいえ、こちらで」

なんて押し問答めいたやり取りの末、傘袋に入った傘を渡され終了。
買い物に来たわけじゃないから、本当に申し訳ない気持ちになるよ。(笑)

この教訓を活かし(?)今回は最初から傘を自分で畳んでから入場する。
エレベーターまでドアマンが案内してくれたけれど、前回の雨の時よりは「すんなり」通過できたよ!

会場に入ると、かなり大勢のお客さんでごった返している。
さすが知名度が高いウォーホルの展覧会だよね。
案内の方が近寄ってきて、撮影は動画と書籍以外全てオッケーです、と教えてくれる。
以前もお会いしたことがある女性のような気がしたけど、記憶違いか?
撮影しながら鑑賞を進めることにしよう!

今回の展覧会はウォーホルのポートレートを展示しているので、当然ながらたくさんのウォーホルがいたよ!
1977年にポラロイドカメラで自撮りしたのが、こちら。
あらぬ方角を見つめるウォーホルが着ているのは、自分の名前がプリントされた水色のTシャツ。
アーティストがわざわざ名前入りの洋服着てるのって見たことないかも。(笑)
自己アピールと自己愛の強さを感じてしまうよね。
1928年生まれのウォーホル、このポートレートの時には49歳くらいかな?
眉毛が太くて黒いんだね!

自身のポートレートをシルクスクリーンにした作品3点。
左の2点は上のセルフィーと同じ1977年、右の赤い作品は1981年だって。
ウォーホルはサングラスとヅラで、イメージづくりをしていたと言われていて、作品と同じくらいウォーホルの顔も有名だよね。
認識しているウォーホルのイメージは、フライト・ウィッグと呼ばれる銀髪のボサボサした髪だったり、サングラスをかけている肖像だよ。
それ以外の顔写真だけを見ても、ウォーホルと分からないかもしれない。
これらの作品も「ウォーホル展」で展示されていなかったら誰だか分からないかも。
逆も然りで、同じヅラかぶってサングラスかけたらウォーホルになれるかもしれないよ。(笑)

2014年3月に森美術館で鑑賞した「アンディ・ウォーホル展」にも展示されていた女装写真!
10年以上前に観ているのでハッキリ覚えていないけれど、やっぱり衝撃的な写真だよね。(笑)
ウォーホルがゲイだったことは知られているし、ウィッグを多数コレクションしていたことも情報として入っている。
今回の展覧会では、ちょっとゴツめのドラァグクィーンに見える画像左や黒髪のウィッグで冷たい視線を送る画像右のような女装姿が10枚展示されていたよ。
女装写真とは別に、ポラロイドで撮影されたセルフ・ポートレートも12枚展示されている。
後ろ姿が入っているところに興味が湧いたよ!
自撮りの時、後ろ姿ってあまり撮らないよね?(笑)

「20世紀のユダヤ人10人の肖像」は1980年に制作された作品だという。
SNAKEPIPEは初見で、とても嬉しかったよ。
ユダヤ系の偉人10名の中にフランツ・カフカ(画像上段一番左)を発見!
他にアインシュタインや精神分析学者のフロイトなども入っているんだとか。
この作品は複数のインクを1つのシルクスクリーンプリント用スクリーンに配置して混色させ、グラデーション効果を生み出す「スプリット・ファウンテン」という技法が使用されているんだって。
10点が並んで展示されている様子は圧巻だったよ!

1955年から57年に描かれた「Unidentified Male(名のない男)」というスケッチも展示されていた。
紙にボールペンで描かれているようで、プライベートなものだったみたい。
そのためなのか、半分でやめてしまったのか完成しているのか不明の展示物がいくつかあったよ。
目が空洞で、ちょっと不気味だよね。(笑)
自宅に招いた男友達をふざけて描いたような感じかな。
有名人になると、何もかもさらけ出されてしまうね。

1978年制作の「セルフ・ポートレート」は、色調が違う4枚を並べた「ウォーホルらしい」作品だね!
自分の顔写真を使用して、こんなにたくさんの作品を発表しているアーティストは他にいるのかなあ。
横尾先生も自分をモデルに描いている作品多いけど、ウォーホルを上回ることはないんじゃないかな。(笑)

ウォーホル展が予約制ではなく「すんなり」入れたことに驚いたよ。
雨風に負けないで行って良かった展覧会だよ!
エスパス ルイヴィトンに感謝だね。(笑)