永劫回帰に横たわる虚無 鑑賞

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【ジャイルギャラリーの入口を撮影。いつも通り!】

SNAKEPIPE WROTE:

表参道のジャイルギャラリーで開催されている「永劫回帰に横たわる虚無 三島由紀夫生誕100年=昭和100年展」を鑑賞した。
展覧会のタイトルを見ただけで、キュレーションは飯田高誉氏だと分かってしまう。
とても観念的だからね!
1989年に終わった昭和から、すでに36年が経過していたことに驚く。
平成も終わって令和になってるもんね。(笑)
三島由紀夫が昭和元年生まれだったことも知らなかったよ。
生誕100年を記念する展覧会ってどんなだろう?

暑い中、ジャイルギャラリーに向かう。
表参道界隈が、いつもより空いている感じがするよ。
受付の方に撮影許可をもらい、展示作品りすとを受け取ろうとすると「日本語版は増刷中」と言われてしまう。
仕方なく英語版をもらったけれど、作品名が分からないかも。(笑)
入口入ってすぐに展示されていたのは森万里子の「UNITY」。
三島由紀夫の絶筆となった「豊饒の海」第一巻「春の雪」を題材にした作品だという。
鳥の子紙に顔料でプリントしているみたい。
クリスタルガラスがキレイだね。
今まで鑑賞したことがある森万里子の作品の中で、最も和風だったよ。
仏教美術と呼びたくなるね。

杉本博司の「相模湾 江之浦 2025」は、今年のお正月に撮影されたという。
2024年11月に訪れた「江之浦測候所」で見た、あの海だよね!
SNAKEPIPEが「海景」を真似た写真を撮り、ブログに載せたっけ。
そんな素人とは別格の、素晴らしい「海景」にうっとり。
まるでマーク・ロスコの絵画をモノクロームで鑑賞しているみたい。
ツヤなしの印画紙が重厚な印象を強くしているように感じたよ!

今回の展覧会で最もインパクトが強かったのが中西夏之のインスタレーション「着陸と着水」だった。
布の上にセラミック粉末が等間隔で盛られ、間にはパチンコ玉のような小さな球が転がっている。
中央付近に吊り下げられた朱色/シルバーの三角形が2つ、ゆっくりと捻転している。
2つの三角形が回る速度に違いがあり、左右の色の組み合わせが発生する。
まるで中国や台湾などで占いに使用されるポエのように見えるよ。
盛られている粉は御霊を表していて、占いによって転生が決定される装置かもしれない、と想像するSNAKEPIPE。
壁に配置された黒い2つの作品は同一なのかな。
このインスタレーションにおいては、阿吽像的な役割を果たしているのかも。
様々な解釈ができる作品だね!

友沢こたおは初めて知る名前だよ。
調べてみると、母親は漫画家の友沢ミミヨ、父親はフランス人アーティストだという。
5歳までフランスで育ち、それ以降は日本で生活している1999年生まれの美女だった!
「お」がついているので男性だと勘違いしてしまったよ。(笑)
恐らく画像右は友沢こたお本人の顔じゃないかな。
三島由紀夫の「仮面の告白」に戦慄した文章と共に作品を鑑賞すると、エロチシズムと死の関連を感じるよ。
大島渚の映画「愛のコリーダ」で、快感を高めるために相手の首を締めたような行為に近い雰囲気だね。
なんとなく伝わるかな?(笑)

インド出身のアニッシュ・カプーアの作品も展示されていた。
2023年12月にジャイルギャラリーで開催された「奪われた自由への眼差し」が記憶に新しいよ。
あの時は「血みどろ」の殺人現場みたいな展覧会だったっけ。
カプーアの絵画作品を鑑賞し、エネルギーを注入された気分を味わったよ。(笑)
今回の展示作品も、前回と同じように「ほとばしり系」(SNAKEPIPE命名)だった。
作品名はすべて「Untitled」。
モノクロームの作品は、まるで墨で描かれているみたいだね。
下から上に「ほとばしって」いて、爆発しているように見えてくる。

続いて、カプーアの赤い作品ね。
まるで火山が爆発したみたいじゃない?
2023年の展覧会では展示されていなかったようなので、初めて観る作品なんだね。
「メラメラ」や「ドクドク」といったオノマトペを思い浮かべる。
岡本太郎の作品に近い印象を受ける。
枠からはみ出さんばかりの力強さに元気をもらったよ!
サイトによれば、カプーアは三島由紀夫の大ファンなんだとか。
そして解説している飯田高誉氏によれば、三島由紀夫とカプーアには「共通する世界観」があるという。
とても高度な考察が載っているけれど、SNAKEPIPEの理解が追いつかないよ。(笑)

三島由紀夫生誕100年展を鑑賞できて良かった!
ブログ内では紹介しなかったけれど、三島由紀夫の音声をコラージュした池田謙や、「豊饒の海」のワンシーンを視覚化して写真作品にしたジェフ・ウォールなど、興味深い作品があったよ。
SNAKEPIPEは、三島由紀夫の作品は数冊のみ読んでいる。
横尾先生関連で知ったことが多いかもしれない。(笑)
今回テーマになっていた「豊饒の海」は未読なので、いつか読んでみたいなと思う。
電子書籍になっていないのが残念だね。

SNAKEPIPE SHOWROOM 物件25 ユニーク物件編2

Studio Barkによって設計されたシンプルなモジュール式建築システム】

SNAKEPIPE WROTE:

2023年10月にROCKHURRAH RECORDSの事務所移転してから、半年後にDIYで玄関に靴用の棚を作成したんだよね。
1年が経過した今年の6月下旬、突然ガタガタっと大きな音を立てて、棚が崩落!
まるで大きな地震が起きたかのような惨状が広がっている。
棚は壁から滑り落ち、靴が辺り一面に散乱しているではないの!
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEはイメルダ夫人とまではいかないけれど(古い)、相当数の靴コレクションを誇っている。
それらの大事な靴が無惨に転がっていたのである。

幸いなことに棚の落下による人的被害も、靴への影響もなかった。
ROCKHURRAHと協議を重ね、頑丈で倒れない棚をDIYで再チャレンジすることに決定!
ラブリコを使い、床と天井を2✕4の木材4本で固定してから棚を設置することで、堅牢性をアップさせる。
ROCKHURRAH RECORDSはマイカー族ではないので、2✕4の木材を通販で探すところからスタート。(笑)
下地センサーで壁裏や天井の木材を確認し、2✕4を立てる位置を確定させる作業まで行ったよ!
かなり念入りに準備し、ようやく設置が完了。
ROCKHURRAHが筋肉痛になりながらも頑張ってくれた。
今度こそ、崩れないで欲しいよ!(笑)

棚だけでもこんなに苦労してしまったROCKHURRAH RECORDSだけど、「北の国から」の五郎さんみたいに自分で家を建てる人もいるよね。
DIYで簡単に家を建てることができる夢のようなシステムがStudio Barkで販売されているみたい。
一番上に載せた動画、ご覧ください!
女性でもできる、と証明されていて、試してみたくなるよ。(笑)

今回は2013年7月の「SNAKEPIPE SHOWROOM 物件6 ユニーク物件編」の続編を書いてみよう。
13年ぶりとはびっくりだね!(笑)

森の中にある隠れ家のようなモダン建築に憧れるよ。
画像は、William/Kaven Architectureが設計したオレゴン州ポートランド中心部の郊外に建つ物件。
Royal」というプロジェクト名で呼ばれる豪邸は、その名前通り高貴で上質な雰囲気が漂っているよね!
風景に溶け込むように、黒とガラスだけを使用し、内側と外側をシームレスに融合させることを目指したという。
サイトを見ると「ROYAL II」と「ROYAL III」が載っているので、次々と建設されているようだよ。
外観からも分かるように、室内は開放感抜群!
明るい日差しがベッドルームにもバスルームにも届いている。
眼の前が森とは素晴らしいよね!
カーテンを付けなくても問題ないほど、敷地も広いんだろうな。
心穏やかに過ごせそうな物件だね!

続いては、ちょっと変わった形状の物件だよ。
インドのタミル・ナードゥ州にある「VAAZH(ヴァーズ)」という名前の建築は、Vy Architecture Studioによって2024年に完成したという。
今まで見たことがない曲線の壁だよね。
土や川石など、地域の素材が使用されているという。
そしてこの曲線の壁は、アート的な意味を持つだけではなく、強い西日を遮るシェードとしての役割も果たしているんだとか。
中庭を囲むように部屋が配置されているので、どの部屋からも庭が見える設計なんだね。
先に紹介した「ROYAL 」と同様に、自然との融合を図っているんだね。
曲線の壁の下をくぐることができるのか、試してみたいよ!(笑)

続いては、タイのロッブリー県にある物件を紹介しよう。
施工主がコンクリート好きのため、コンクリートの美的価値を称えるデザインが考え出されたという。
更に施工主が、「見える/見えない」「守られる/監視する」という対照的な2つの性格を持つ建築を依頼したと記事にあるよ。
まるで現代アートのコンセプトみたいじゃない?(笑)
第二次世界大戦中に構築された「大西洋の壁(Atlantic Wall)」を再解釈し、2009年にバンコクの建築スタジオVaSLab Architectureが手がけたんだって。
まるで要塞のような外観から、「バンカー・ハウス」と呼ばれるのも納得だね。
SNAKEPIPEが画像を観て、グッと来たのも至極当然だよ。
この家の中、入ってみたいなあ!(笑)

最後はこちら!
この画像が実在の物件なのか、単なるアイディアとして提示されたものなのか判別できなかったよ。
インダストリアル好きには、垂涎の的となる物件なので載せてみよう。
3階建てのコンテナ・ハウスだよ!
1階は倉庫、2階がリビング、3階はベッドルームになっているという。
倉庫やガレージがある物件というだけでワクワクしちゃうよ。(笑)
黒とグレーを基調とした落ち着いた配色もスタイリッシュだし。
大きな窓は開放的だけど、外から丸見えにならないのか心配になるね。
海外の物件によくあるけど、屋外のソファって雨に濡れないのかも不安材料に加わるね。
3階までの階段が苦にならなければ、住んでみたい物件だよ!

今回はユニークな物件を特集してみたよ。
SNAKEPIPE SHOWROOMで初のタイの建築紹介かもしれない。
世界中の素敵な物件、これからも探していこう!

ホセ・パルラ「Home Away from Home」 鑑賞

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【ポーラ ミュージアム アネックス入口を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

先週、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで「アイデンティティシステム」を鑑賞した記事を書いたよね。
その後、もう一つ展覧会を鑑賞したので、感想をまとめておこう。

銀座ってギャラリーがたくさんあるから、よりどりみどり見学できてありがたいよね!(笑)
その中から、今回はポーラ ミュージアム アネックスをチョイス。
ホセ・パウラ 「Home Away from Home」が開催されている。
SNAKEPIPEは初めて知るアーティストだよ。
経歴を調べてみようか。

1973 アメリカのマイアミ生まれ
1990〜 サバンナ芸術工科大学で学ぶ
—- マイアミ・デイド・コミュニティ・カレッジで学ぶ
—- ニュー・ワールド・スクール・オブ・ジ・アーツで学ぶ
2009 カナダ、トロントの住宅開発地に初めて大規模な壁画を制作する
2012 ニューヨークのバークレイズ・センターで公共壁画「Diary of Brooklyn(ブルックリンの日記)」を発表
2014–2015 ニューヨークのワン・ワールド・トレード・センターに「ONE: Union of the Senses(感覚の結合)」を発表

何年に学校を卒業した、のような詳細な経歴は確認できなかったよ。
1973年生まれなので、今年52歳なんだね。
ブルックリンを拠点に活動しているんだって。
2009年頃から大型の壁画を制作していて、特に世界貿易センターの「ONE」は、毎日ビルに入る2万人が目にする作品だという。
「ONE」は横幅27mで、ニューヨークで一番巨大な壁画として認知されているんだとか。
パルラは脚立から飛び降りながらキャンバスに筆を振り下ろし、勢いのせいで何度も投げ出されながら制作したんだって。
白髪一雄顔負けのアクション・ペインティングだね!
脚立を使いながら「ONE」を制作している画像がこちら。
ここから落ちたら怪我しそうだよね。(笑)

ホセ・パウラは、世界的に有名なアーティストだったんだね!
SNAKEPIPEの勉強不足でスミマセン。
それでは早速、ポーラ ミュージアム アネックスに向かってみよう。
銀座1丁目にあるポーラ銀座ビルは、外壁の塗装か何かやっていて、工事中なんだよね。
美術館は開館しているけど、誤って通り過ぎそうになるから注意だよ。
営業していないと勘違いしている人が多いのか、会場にはほんの数人しか入っていなくてガランとしていた。
ゆっくり鑑賞できるのは良いね!
受付の方に撮影許可をいただき、鑑賞を進める。
一番最初に展示されていたのは、「NIPPON」と題された2013年の作品だった。
タイトル通り日本の国旗に見えるね!
丸いキャンバスは、この1点だけだったよ。

全部で約20点ほどの作品が展示されている。
全体的にサイズは大きめなんだよね。
載せたのは2024年の「Shifting Poetics(詩情の揺らぎ)」で、六本木のピラミデビルにあるKOTARO NUKAGAが所蔵しているみたい。
KOTARO NUKAGAでもホセ・パウラ展を同時開催しているんだって。
ギャラリーの説明によると、1999年以降パウラは何度も訪日し、アーティストやファッションデザイナーとコラボしているんだとか。
そう聞くと最初の「NIPPON」を制作したのも納得だね!

左から「The Vast Space of Creation(創造がひらく無限の空間)2022年」、「Words Break Across the Sunset(沈む陽を裂いてゆく言葉たち)2013年」で、右が「City Prose(都市が綴る散文詩)2013年」。
詩的なタイトルがつけられているんだね。
パウラはアーティストとしての地位を確立する前、ヒップホップのアルバム・ジャケットやTシャツのデザインなどで生計を立てていたんだとか。
パウラ独特のカリグラフィは、ストリート・アートの影響を受けているようだね。
街で見かける、何語なのか分からないサインに似てるかも。

こちらが2025年の新作ね。
「Morning Blossoms Over Tokyo (Multiversal)(東京に咲く朝の花々 ― 多元宇宙のかなたにて)」は、182.9 x 487.6 cmという大型作品で、迫力あったよ!
4枚のキャンバスをつなげて、1枚として見せる方法がとられているんだよね。
2023年8月に鑑賞した「蔡國強展」にも、4枚で1組になった作品があったことを思い出したよ。
蔡國強は生活したことがある福島県いわき市を「第二のふるさと」と呼んでいるという。
パウラも同様で、何度も訪れている日本を「もう一つのホーム」と捉えているというから、似た印象が強まるね!

日本とのつながりが分かる展示がこちら。
備前焼の作品が展示されている。
写真家であり、備前焼の伝統窯元「一陽窯」の三代目の顔も持つ木村肇とコラボしているんだね。
写真と陶芸を並行して創作活動するアーティストって珍しいんじゃないかな。
まるで発掘調査で出土したような四角い焼き物が2つ。
パルラのカリグラフィが、エジプトのロゼッタ・ストーンみたいだもんね!
「Sake Bottle」と記載されている、小さめの徳利も渋くて良いね。

ホセ・パウラの展覧会を鑑賞できて良かった。
2021年5月の「収集狂時代 第19巻 高額アート編#04」で紹介したサイ・トゥオンブリーの影響を見る人もいるらしい。
1950年年代、暗号制作者としてアメリカ陸軍に従軍した経歴を持つトゥオンブリーは、書き殴ったような文字やドローイング的な動きを取り入れた作品が有名だという。
色や文字(記号)を何度も塗り重ねて、時間や記憶を感じさせるところに共通点があるのかもね。

有楽町方面に歩き、以前より気になっていたディスカウントストア「オーケー銀座店」に立ち寄ってみた。
2023年10月にオープンしているらしいので、すでに2年半経ってるけど。(笑)
品揃えや価格など、「銀座ならでは」の特徴があるのか知りたかったからね!
階段を降りて地下に向かい、売り場を確認していく。
特に「銀座価格」にもなっていないし、品揃えも近所のオーケーと変わらないよ!
銀座でやっていかれるか心配になってしまうね。
1999年にマツモトキヨシが出店した頃から銀座のイメージが変わってきているけど、銀座3丁目にスーパーマーケットができるとは思いもよらなかった。(笑)
2025年7月に発表された土地の路線価は、相変わらず銀座5丁目の鳩居堂前が日本一だという。
高級路線と庶民的なものが入り混じっていて、不思議だね。
時代の移り変わりを感じるなあ!(遠い目)

アイデンティティシステム 鑑賞

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【ギンザ・グラフィック・ギャラリーを外側から撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

2024年2月以来、久しぶりにギンザ・グラフィック・ギャラリーを訪れたROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
前回鑑賞したのは「YOSHIROTTEN Radial Graphics Bio」だったね。
あれから1年半も経過していたとは、びっくり!
以前は定期的に鑑賞していたギャラリーなのにね。(笑)

開催されていたのは「アイデンティティシステム 1945年以降 西ドイツのリブランディング」という企画展。
デュッセルドルフにデザイン事務所vistaを構えるグラフィックデザイナー、カタリーナ・ズセック氏とイェンス・ミュラー氏のコレクションを紹介しているという。
展覧会名になっている「アイデンティティシステム(Identity System)」について、ChatGPTに教えてもらおう。

ブランドや組織の視覚的・言語的な一貫性を保ち、内外にその個性や価値観を明確に伝えるための仕組みやルールの集合体.。
企業やブランドが一貫した印象を与えるために、視覚・言語・感情的要素などを体系化したもの。
ロゴだけでなく、色、フォント、写真スタイル、トーン&マナーなど、あらゆる表現要素を含む。

ChatGPTはお利口だから、すぐに答えてくれるね。
関係ないけど、先日ChatGPTに質問したら、返ってくる口調が妙に「くだけて」いたので
「丁寧なことば使いにしていただけませんか?」
と打ったら「大変申し訳ございませんでした。以後は丁寧な言葉にいたします」って返ってきたよ。
人と話してるみたいで、ちょっと怖かった。(笑)

話をアイデンティティシステムに戻そう。
ブランドの信頼性を高めたり、視覚的な一貫性で認知度を上げ、ブランドらしさを伝えるためのものだと分かったよ。
企業のロゴやポスターなど、グラフィック系の分野の王道が該当するね。
世界初のコーポレート・デザイン(企業全体のビジュアル・アイデンティティ)を手がけたのは、ベルリンに事務所を開いたペーター・ベーレンス。
ベーレンスは、建築家でデザイナーなんだね。
1907年にドイツの電機メーカーである AEGのロゴをデザインし、それ以外にパッケージ、広告、製品デザイン(扇風機、照明器具、電気ケトルなど)や建築(タービンホールなど)に至るまで、企業全体のデザインを統一したというから素晴らしい!
その建築事務所には、バウハウスの初代校長であるヴァルター・グロピウスやル・コルビュジエが在籍していたというから、豪華な顔ぶれに驚くね。
ペーター・ベーレンスを始祖とするドイツのデザインはバウハウスにつづき、その後現在に至っている。
第二次世界大戦後、西ドイツのデザインがどうなっていたのか興味津々!

会場入りしたのは、展覧会の最終日!
この日はROCKHURRAHの誕生日だったんだよね。
おめでとう、ROCKHURRAH!(笑)
いつも通り、撮影の許可をいただき、鑑賞を始める。
所狭しと作品が並んでいるよ。
1920年代のチラシや雑誌が展示されているケースには、目が釘付け!
色合いや雰囲気がとても好きなんだよね。
今回は1945年以降のデザインを観に来たのに、吸い寄せられてしまったよ。(笑)

グラフィック・ギャラリーの壁一面にロゴ・マークが展示されている。
黒一色だけでシンプルに表現されていて、とても面白いね!
キャプションによれば、大学や放送局など様々な機関や企業で使用されていたロゴ・マークみたい。
「作者不詳」で誰のデザインだか分からないマークが多いよ。
1950年代から60年代にかけて使用されていたマークなので、著作権に関して寛容だったのかも。
画像中央上部の人間が仁王立ちしてるようなマークは、切断機メーカー、クナーベ社のもの。
作者不詳のまま、1960年から現在まで使用されているとは驚き!

「A5コレクション」と呼ばれる展示がこちら。
これはグラフィック・デザインに関する「A5 books」シリーズの叢書や様々な出版物の資料を集めたものだという。
A5(148mm × 210mm)なので、展示のサイズが小さかったけれど、カッコ良いデザインがいっぱいあって興奮するよ。
かなりじっくり鑑賞したROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
お気に入りのデザインを探して撮影しまくり。(笑)
一例をご覧いただこうか。

上の画像ではカラフルなデザインが多かったのに、黒っぽい色合いばかり選んでしまったね。
これは好みの問題だから許して。(笑)
SNAKEPIPEの一番お気に入りは、左上の「ZDF MATINEE」だよ。
進化になるのか退化になるのか不明だけど、上から見た場合には、絵がアルファベットに変化していく様子が分かる。
ZDF MATINEE」は、1975年から1984年まで毎週日曜日の午前10時30分から午後12時までZDFで放送されていた文化番組シリーズだという。
アートや音楽など文化的なテーマについて、視聴率に関係なく配信されていたというから素晴らしい!(笑)
右上「Tagesschau」は、1952年から続いているドイツの国民的ニュース番組だという。
だからテレビアンテナがデザインされているんだね!
左下は1954年にピアノ奏者のマックス・エッガーが、日本公演を行った時のパンフレットみたい。
軽やかな旋律が聞こえそうなデザインだよね。
右下の「SCHWEDENSTAHL – QUALITÄTSSTAHL」は、おそらくスウェーデン製高品質鋼の広告のようだけど、はっきりは分からなかった。
金属の結晶構造を思わせる抽象的な図形と色合いが素敵!
北欧のテキスタイルデザインにも見えてくるよ。

額に入ったポスターもたくさん展示されていた。
ガラス面に反射して、光やSNAKEPIPEが写りこんでしまうのが難点だよ。
写らないようにすると、斜めからのアングルになってしまう。
魅力的なポスターを少しでもうまく撮影しようと奮闘するROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
伸び上がったり、かがんだりして頑張ってる姿が写っている画像がいっぱいだよ。(笑)
ガラスの反射問題は、なかなか解決しないね。

ROCKHURRAHが撮影した画像から4作品を紹介してみよう。
画像はヘルベルト・W・カピツキ(Herbert W. Kapitzki)が手がけたポスター。
1965年、シュトゥットガルト州産業局で開催されたデザイン展覧会を告知しているみたい。
じっと観ていると錯覚を起こしてしまいそうなオプ・アートもSNAKEPIPEは大好きなんだよね!
構成主義やバウハウスの影響を受けたとされるヘルベルト・W・カピツキ。
1953年以降、フリーランスのグラフィックデザイナーとして活動を開始したという。
ウルム造形大学やベルリン芸術大学で教鞭をとり、教育にも力を注いでいたんだね。
カピツキの他の作品も観てみたいよ。

続いてはアントン・スタンコフスキー(Anton Stankowski)の作品。
画像左は、1970年に開催されたシステマティック展のポスターとのこと。
カラーチャートのように、たくさんの色が重って目を引くよね!
正方形に右上がりの斜線というデザインは、スタンコフスキーの代表作であるドイツ銀行のロゴ・マークにも共通しているみたい。
1974年にデザインされたドイツ銀行のロゴは、「最も成功した企業ロゴの一つ」として高い評価を受けているんだって。
ドイツ銀行のロゴは、現在もほとんど変更なく、そのまま使用されているというから完全に定着したマークなんだね。
画像右は、1963年に欧州向けに作成されたルフトハンザ航空のポスター。
古代ギリシャ風の円柱が配置されていて、バックは矢印で表現された欧州の地図とは、見事だよね!
海外旅行への誘いを暗示しているのかな。
コピーが何もないので、視覚情報によるイメージだけで広告してるんだね。
スタンコフスキーについても深堀りして調べてみたいな!

最後は、フランシスコ・ソブリノ(Francisco Sobrino)の展覧会ポスターね。
1966年に(op) アート・ギャラリーで開催されたものだという。
4×4の正方形グリッド内に、グラデーションや円形が配置されている。
色が控えめでシンプルなのに、インパクトがあるんだよね!
フランシスコ・ソブリノは、フランスを拠点に活躍したスペイン出身のアーティスト。
1960年代のオプ・アートやキネティック・アートでの重要人物だという。
キネティック・アートというのが、動く要素を組み込んだ芸術作品を指すとのこと。
ソブリノは動く彫刻(モビール)や光と影を使った立体作品なども手がけているようで、興味がわくね!

最終日に間に合い、鑑賞できて良かった!
素晴らしい作品がてんこ盛りで、今回の記事だけでは紹介しきれないほどだよ。
たくさんのアーティストを知ることができたのも収穫だね。
ギンザ・グラフィック・ギャラリーの展覧会情報は、チェックしていこう!
次回訪れるのが1年半後にならないようにね。(笑)