ホセ・パルラ「Home Away from Home」 鑑賞

20250720 top
【ポーラ ミュージアム アネックス入口を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

先週、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで「アイデンティティシステム」を鑑賞した記事を書いたよね。
その後、もう一つ展覧会を鑑賞したので、感想をまとめておこう。

銀座ってギャラリーがたくさんあるから、よりどりみどり見学できてありがたいよね!(笑)
その中から、今回はポーラ ミュージアム アネックスをチョイス。
ホセ・パウラ 「Home Away from Home」が開催されている。
SNAKEPIPEは初めて知るアーティストだよ。
経歴を調べてみようか。

1973 アメリカのマイアミ生まれ
1990〜 サバンナ芸術工科大学で学ぶ
—- マイアミ・デイド・コミュニティ・カレッジで学ぶ
—- ニュー・ワールド・スクール・オブ・ジ・アーツで学ぶ
2009 カナダ、トロントの住宅開発地に初めて大規模な壁画を制作する
2012 ニューヨークのバークレイズ・センターで公共壁画「Diary of Brooklyn(ブルックリンの日記)」を発表
2014–2015 ニューヨークのワン・ワールド・トレード・センターに「ONE: Union of the Senses(感覚の結合)」を発表

何年に学校を卒業した、のような詳細な経歴は確認できなかったよ。
1973年生まれなので、今年52歳なんだね。
ブルックリンを拠点に活動しているんだって。
2009年頃から大型の壁画を制作していて、特に世界貿易センターの「ONE」は、毎日ビルに入る2万人が目にする作品だという。
「ONE」は横幅27mで、ニューヨークで一番巨大な壁画として認知されているんだとか。
パルラは脚立から飛び降りながらキャンバスに筆を振り下ろし、勢いのせいで何度も投げ出されながら制作したんだって。
白髪一雄顔負けのアクション・ペインティングだね!
脚立を使いながら「ONE」を制作している画像がこちら。
ここから落ちたら怪我しそうだよね。(笑)

ホセ・パウラは、世界的に有名なアーティストだったんだね!
SNAKEPIPEの勉強不足でスミマセン。
それでは早速、ポーラ ミュージアム アネックスに向かってみよう。
銀座1丁目にあるポーラ銀座ビルは、外壁の塗装か何かやっていて、工事中なんだよね。
美術館は開館しているけど、誤って通り過ぎそうになるから注意だよ。
営業していないと勘違いしている人が多いのか、会場にはほんの数人しか入っていなくてガランとしていた。
ゆっくり鑑賞できるのは良いね!
受付の方に撮影許可をいただき、鑑賞を進める。
一番最初に展示されていたのは、「NIPPON」と題された2013年の作品だった。
タイトル通り日本の国旗に見えるね!
丸いキャンバスは、この1点だけだったよ。

全部で約20点ほどの作品が展示されている。
全体的にサイズは大きめなんだよね。
載せたのは2024年の「Shifting Poetics(詩情の揺らぎ)」で、六本木のピラミデビルにあるKOTARO NUKAGAが所蔵しているみたい。
KOTARO NUKAGAでもホセ・パウラ展を同時開催しているんだって。
ギャラリーの説明によると、1999年以降パウラは何度も訪日し、アーティストやファッションデザイナーとコラボしているんだとか。
そう聞くと最初の「NIPPON」を制作したのも納得だね!

左から「The Vast Space of Creation(創造がひらく無限の空間)2022年」、「Words Break Across the Sunset(沈む陽を裂いてゆく言葉たち)2013年」で、右が「City Prose(都市が綴る散文詩)2013年」。
詩的なタイトルがつけられているんだね。
パウラはアーティストとしての地位を確立する前、ヒップホップのアルバム・ジャケットやTシャツのデザインなどで生計を立てていたんだとか。
パウラ独特のカリグラフィは、ストリート・アートの影響を受けているようだね。
街で見かける、何語なのか分からないサインに似てるかも。

こちらが2025年の新作ね。
「Morning Blossoms Over Tokyo (Multiversal)(東京に咲く朝の花々 ― 多元宇宙のかなたにて)」は、182.9 x 487.6 cmという大型作品で、迫力あったよ!
4枚のキャンバスをつなげて、1枚として見せる方法がとられているんだよね。
2023年8月に鑑賞した「蔡國強展」にも、4枚で1組になった作品があったことを思い出したよ。
蔡國強は生活したことがある福島県いわき市を「第二のふるさと」と呼んでいるという。
パウラも同様で、何度も訪れている日本を「もう一つのホーム」と捉えているというから、似た印象が強まるね!

日本とのつながりが分かる展示がこちら。
備前焼の作品が展示されている。
写真家であり、備前焼の伝統窯元「一陽窯」の三代目の顔も持つ木村肇とコラボしているんだね。
写真と陶芸を並行して創作活動するアーティストって珍しいんじゃないかな。
まるで発掘調査で出土したような四角い焼き物が2つ。
パルラのカリグラフィが、エジプトのロゼッタ・ストーンみたいだもんね!
「Sake Bottle」と記載されている、小さめの徳利も渋くて良いね。

ホセ・パウラの展覧会を鑑賞できて良かった。
2021年5月の「収集狂時代 第19巻 高額アート編#04」で紹介したサイ・トゥオンブリーの影響を見る人もいるらしい。
1950年年代、暗号制作者としてアメリカ陸軍に従軍した経歴を持つトゥオンブリーは、書き殴ったような文字やドローイング的な動きを取り入れた作品が有名だという。
色や文字(記号)を何度も塗り重ねて、時間や記憶を感じさせるところに共通点があるのかもね。

有楽町方面に歩き、以前より気になっていたディスカウントストア「オーケー銀座店」に立ち寄ってみた。
2023年10月にオープンしているらしいので、すでに2年半経ってるけど。(笑)
品揃えや価格など、「銀座ならでは」の特徴があるのか知りたかったからね!
階段を降りて地下に向かい、売り場を確認していく。
特に「銀座価格」にもなっていないし、品揃えも近所のオーケーと変わらないよ!
銀座でやっていかれるか心配になってしまうね。
1999年にマツモトキヨシが出店した頃から銀座のイメージが変わってきているけど、銀座3丁目にスーパーマーケットができるとは思いもよらなかった。(笑)
2025年7月に発表された土地の路線価は、相変わらず銀座5丁目の鳩居堂前が日本一だという。
高級路線と庶民的なものが入り混じっていて、不思議だね。
時代の移り変わりを感じるなあ!(遠い目)

アイデンティティシステム 鑑賞

20250713 top
【ギンザ・グラフィック・ギャラリーを外側から撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

2024年2月以来、久しぶりにギンザ・グラフィック・ギャラリーを訪れたROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
前回鑑賞したのは「YOSHIROTTEN Radial Graphics Bio」だったね。
あれから1年半も経過していたとは、びっくり!
以前は定期的に鑑賞していたギャラリーなのにね。(笑)

開催されていたのは「アイデンティティシステム 1945年以降 西ドイツのリブランディング」という企画展。
デュッセルドルフにデザイン事務所vistaを構えるグラフィックデザイナー、カタリーナ・ズセック氏とイェンス・ミュラー氏のコレクションを紹介しているという。
展覧会名になっている「アイデンティティシステム(Identity System)」について、ChatGPTに教えてもらおう。

ブランドや組織の視覚的・言語的な一貫性を保ち、内外にその個性や価値観を明確に伝えるための仕組みやルールの集合体.。
企業やブランドが一貫した印象を与えるために、視覚・言語・感情的要素などを体系化したもの。
ロゴだけでなく、色、フォント、写真スタイル、トーン&マナーなど、あらゆる表現要素を含む。

ChatGPTはお利口だから、すぐに答えてくれるね。
関係ないけど、先日ChatGPTに質問したら、返ってくる口調が妙に「くだけて」いたので
「丁寧なことば使いにしていただけませんか?」
と打ったら「大変申し訳ございませんでした。以後は丁寧な言葉にいたします」って返ってきたよ。
人と話してるみたいで、ちょっと怖かった。(笑)

話をアイデンティティシステムに戻そう。
ブランドの信頼性を高めたり、視覚的な一貫性で認知度を上げ、ブランドらしさを伝えるためのものだと分かったよ。
企業のロゴやポスターなど、グラフィック系の分野の王道が該当するね。
世界初のコーポレート・デザイン(企業全体のビジュアル・アイデンティティ)を手がけたのは、ベルリンに事務所を開いたペーター・ベーレンス。
ベーレンスは、建築家でデザイナーなんだね。
1907年にドイツの電機メーカーである AEGのロゴをデザインし、それ以外にパッケージ、広告、製品デザイン(扇風機、照明器具、電気ケトルなど)や建築(タービンホールなど)に至るまで、企業全体のデザインを統一したというから素晴らしい!
その建築事務所には、バウハウスの初代校長であるヴァルター・グロピウスやル・コルビュジエが在籍していたというから、豪華な顔ぶれに驚くね。
ペーター・ベーレンスを始祖とするドイツのデザインはバウハウスにつづき、その後現在に至っている。
第二次世界大戦後、西ドイツのデザインがどうなっていたのか興味津々!

会場入りしたのは、展覧会の最終日!
この日はROCKHURRAHの誕生日だったんだよね。
おめでとう、ROCKHURRAH!(笑)
いつも通り、撮影の許可をいただき、鑑賞を始める。
所狭しと作品が並んでいるよ。
1920年代のチラシや雑誌が展示されているケースには、目が釘付け!
色合いや雰囲気がとても好きなんだよね。
今回は1945年以降のデザインを観に来たのに、吸い寄せられてしまったよ。(笑)

グラフィック・ギャラリーの壁一面にロゴ・マークが展示されている。
黒一色だけでシンプルに表現されていて、とても面白いね!
キャプションによれば、大学や放送局など様々な機関や企業で使用されていたロゴ・マークみたい。
「作者不詳」で誰のデザインだか分からないマークが多いよ。
1950年代から60年代にかけて使用されていたマークなので、著作権に関して寛容だったのかも。
画像中央上部の人間が仁王立ちしてるようなマークは、切断機メーカー、クナーベ社のもの。
作者不詳のまま、1960年から現在まで使用されているとは驚き!

「A5コレクション」と呼ばれる展示がこちら。
これはグラフィック・デザインに関する「A5 books」シリーズの叢書や様々な出版物の資料を集めたものだという。
A5(148mm × 210mm)なので、展示のサイズが小さかったけれど、カッコ良いデザインがいっぱいあって興奮するよ。
かなりじっくり鑑賞したROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
お気に入りのデザインを探して撮影しまくり。(笑)
一例をご覧いただこうか。

上の画像ではカラフルなデザインが多かったのに、黒っぽい色合いばかり選んでしまったね。
これは好みの問題だから許して。(笑)
SNAKEPIPEの一番お気に入りは、左上の「ZDF MATINEE」だよ。
進化になるのか退化になるのか不明だけど、上から見た場合には、絵がアルファベットに変化していく様子が分かる。
ZDF MATINEE」は、1975年から1984年まで毎週日曜日の午前10時30分から午後12時までZDFで放送されていた文化番組シリーズだという。
アートや音楽など文化的なテーマについて、視聴率に関係なく配信されていたというから素晴らしい!(笑)
右上「Tagesschau」は、1952年から続いているドイツの国民的ニュース番組だという。
だからテレビアンテナがデザインされているんだね!
左下は1954年にピアノ奏者のマックス・エッガーが、日本公演を行った時のパンフレットみたい。
軽やかな旋律が聞こえそうなデザインだよね。
右下の「SCHWEDENSTAHL – QUALITÄTSSTAHL」は、おそらくスウェーデン製高品質鋼の広告のようだけど、はっきりは分からなかった。
金属の結晶構造を思わせる抽象的な図形と色合いが素敵!
北欧のテキスタイルデザインにも見えてくるよ。

額に入ったポスターもたくさん展示されていた。
ガラス面に反射して、光やSNAKEPIPEが写りこんでしまうのが難点だよ。
写らないようにすると、斜めからのアングルになってしまう。
魅力的なポスターを少しでもうまく撮影しようと奮闘するROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
伸び上がったり、かがんだりして頑張ってる姿が写っている画像がいっぱいだよ。(笑)
ガラスの反射問題は、なかなか解決しないね。

ROCKHURRAHが撮影した画像から4作品を紹介してみよう。
画像はヘルベルト・W・カピツキ(Herbert W. Kapitzki)が手がけたポスター。
1965年、シュトゥットガルト州産業局で開催されたデザイン展覧会を告知しているみたい。
じっと観ていると錯覚を起こしてしまいそうなオプ・アートもSNAKEPIPEは大好きなんだよね!
構成主義やバウハウスの影響を受けたとされるヘルベルト・W・カピツキ。
1953年以降、フリーランスのグラフィックデザイナーとして活動を開始したという。
ウルム造形大学やベルリン芸術大学で教鞭をとり、教育にも力を注いでいたんだね。
カピツキの他の作品も観てみたいよ。

続いてはアントン・スタンコフスキー(Anton Stankowski)の作品。
画像左は、1970年に開催されたシステマティック展のポスターとのこと。
カラーチャートのように、たくさんの色が重って目を引くよね!
正方形に右上がりの斜線というデザインは、スタンコフスキーの代表作であるドイツ銀行のロゴ・マークにも共通しているみたい。
1974年にデザインされたドイツ銀行のロゴは、「最も成功した企業ロゴの一つ」として高い評価を受けているんだって。
ドイツ銀行のロゴは、現在もほとんど変更なく、そのまま使用されているというから完全に定着したマークなんだね。
画像右は、1963年に欧州向けに作成されたルフトハンザ航空のポスター。
古代ギリシャ風の円柱が配置されていて、バックは矢印で表現された欧州の地図とは、見事だよね!
海外旅行への誘いを暗示しているのかな。
コピーが何もないので、視覚情報によるイメージだけで広告してるんだね。
スタンコフスキーについても深堀りして調べてみたいな!

最後は、フランシスコ・ソブリノ(Francisco Sobrino)の展覧会ポスターね。
1966年に(op) アート・ギャラリーで開催されたものだという。
4×4の正方形グリッド内に、グラデーションや円形が配置されている。
色が控えめでシンプルなのに、インパクトがあるんだよね!
フランシスコ・ソブリノは、フランスを拠点に活躍したスペイン出身のアーティスト。
1960年代のオプ・アートやキネティック・アートでの重要人物だという。
キネティック・アートというのが、動く要素を組み込んだ芸術作品を指すとのこと。
ソブリノは動く彫刻(モビール)や光と影を使った立体作品なども手がけているようで、興味がわくね!

最終日に間に合い、鑑賞できて良かった!
素晴らしい作品がてんこ盛りで、今回の記事だけでは紹介しきれないほどだよ。
たくさんのアーティストを知ることができたのも収穫だね。
ギンザ・グラフィック・ギャラリーの展覧会情報は、チェックしていこう!
次回訪れるのが1年半後にならないようにね。(笑)

創造と破壊の閃光 鑑賞

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【毎度お馴染み、ジャイルギャラリーの入口を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

2024年9月の「ヨーゼフ・ボイス ダイアローグ展」以来、約9ヶ月ぶりにジャイルギャラリーに行ってきた。
現在開催されているのは「創造と破壊の閃光」展で、企画と構成を担当しているのは飯田高誉さん。
飯田さんの企画は難解で観念的なものが多いけれど、デヴィッド・リンチ好きという共通項があるため、できるだけ足を運ぶことにしてるんだよね!
よく晴れた真夏並みに暑い日、ROCKHURRAHと表参道を闊歩したのである。

表参道を原宿方向に歩くと、いつもより少し人が少ない気がする。
GYREに到着し、ギャラリーに向かうと一人もお客さんがいないよ。(笑)
いつも通り撮影許可をもらい、鑑賞しながら撮影していく。
ゆったり観られて良かった!
今回は4人の女性アーティストの作品が展示されているんだよね。

4人の中で最も知名度が高いのは、世界のクサマ、ご存知、草間彌生!(笑)
遠くからでも草間彌生の作品は目立つよね。
美しいブルーがバックの「永遠の希望」(画像左上)や、ピンク色が鮮やかな「求道の輝く星は宇宙のかなた、求めれば求めるほど光り輝くのだった」(画像右下)など、大型の作品が展示されている。
制作年が2015年から2020年になっていて、90歳を超えても精力的に活動していることが分かり嬉しくなるよ。
「かぼちゃ」や「ドット」はグッズになっているのを見かけるけど、こうした作品をテキスタイルにしてくれたら良いのにね?(笑)

三島喜美代の作品は、2021年7月の「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力」で鑑賞したことがあり、感想を書いているね。
「アナザー・エナジー展」は、長年作品制作を継続している世界の女性アーティストを知ることができた素晴らしい企画だったっけ。
そこで宮本和子や三島喜美代という日本人アーティストを初めて知ったSNAKEPIPE。
三島喜美代の作品は、消費社会で出たゴミを陶にシルクスクリーン印刷して制作しているんだよね。
じっくり近くで観ても本物と区別がつかないほど、精巧に作られているよ!

三島喜美代のコラージュ作品も展示されていた。
「アナザー・エナジー展」でも1960年代の作品を鑑賞したよ。
今回展示されていたのは、いつ制作されたものだったんだろう。
黒色がシャープで、カッコ良い作品だね。
残念なことに三島喜美代は、2024年6月に91歳で亡くなったという。
革新的な作品を制作している日本人女性アーティストの訃報は悲しいね。

坂上チユキは、極細の筆で描かれた水彩や顔彩を使用したドローイングが特徴のアーティストだという。
ものすごく細かく線が描かれているよ。
色調をドギツくしたら、サイケデリック・アートのような雰囲気。
「5億9千万年前プレカンブリア紀の海に生を受けた」という坂上チユキは、その後大気が形成された、シルル紀時代の鮮烈な空と海の青の記憶を描いているらしい。
古代生物や神話に登場する幻獣などがモデルだと説明しているサイトを知ると、謎めいた流線型のヒントになりそうだね。

展示作品にはキャプションがなかったけれど、載せた画像は恐らく「辺境にて」という遺作の油彩画。
2017年に制作されたみたいだね。
青色の濃淡を繰り返し少し盛り上がった細かい点描は、執拗なほどだよ。
古代の海に海洋生物の細胞を一つ一つ描き出しているような感じかな?
点を繰り返すところは、草間彌生に通じる雰囲気だね。
初めて坂上チユキの名前を知り、作品を鑑賞することができて良かった!

ジャイルギャラリー入口入ってすぐに展示されていたのは、「方舟はもう現れない」というタイトルの作品。
谷原菜摘子も初見のアーティストだよ。
1989年埼玉県生まれで京都市立芸術大学でアカデミックな教育を受けているという。
ベルベットの布地に油彩やアクリルなどを使用して、作品を制作しているんだとか。
少女マンガみたいに、お目々キラキラの少女たちが不気味に見えるのは、バックの黒の効果かもしれないね。
笑みを浮かべながら水没していくように見える少女(もしくは人形?)たち。
抱きかかえられているのは、もしかしたらアーティストご本人で、自画像かもしれないと思ったよ。

展覧会の最後に展示されていた2枚は、物語性があり想像力を刺激してくれる。
SNAKEPIPEが作るお話なんて、陳腐で大したことないけどね。(笑)
展覧会のサイトによれば「谷原の絵は日本近代絵画史の『くらい絵』の系譜を受け継いでいる」んだとか。
「自身の負の記憶と人間の闇を混淆した美」を描くという谷原菜摘子は、日本画家の松井冬子が持つネガティブなエネルギーに似たものを原動力にしているように感じたよ。
違う作品も観てみたいと思ったアーティストだね!

草間彌生を中心に、3人の女性アーティストの作品を鑑賞することができた豪華な展覧会だった。
感想をまとめるために1人ずつ紹介していたけれど、実際は画像のように4人の作品が入り乱れて展示されていたんだよね。
いつも以上に空いていたので、ROCKHURRAHとSNAKEPIPEの特別室みたいな環境で観ることができたのも良かった。
やっぱり飯田さんの企画はできる限り観に行かなければ、と改めて思ったSNAKEPIPEだよ!(笑)

「形象 Keisho」「Hellooooo」鑑賞

20250601 top
【Yutaka Kikutake Galleryの扉を撮影。ガラスだから写ってしまうね】

SNAKEPIPE WROTE:

先週、「ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ」展について感想をまとめたSNAKEPIPE。
およそ3年半ぶりに訪れたアーチゾン美術館なので、周辺の様子が変わっていてもおかしくないよね。
アーチゾン美術館の隣に大きなビルヂングがっ!
同じ地下道出口を出た人たちが続々と、吸い込まれるように隣のビルに入っていくじゃないの!
こんなビル、前にあったっけ?(笑)
ビルの看板を見てみると「TODA BUILDING」と書いてあるよ。
2024年11月にオープンしたアート・ギャラリーやショップが入った複合施設なんだね。
タカ・イシイギャラリー 京橋」「小山登美夫ギャラリー 京橋」「KOSAKU KANECHIKA」「Yutaka Kikutake Gallery」という4つのギャラリーでの展示を観ることができるとは!
六本木のピラミデビルみたいな感じだね。

続々と人が入っていったのは、6階の美術館が目的だったのかも。
開催されていのは、絵本作家でイラストレーターの「ヨシタケシンスケ展」だったことを帰宅後に知ったよ。
SNAKEPIPEは初めて知った名前だけど、かなり有名な方なんだね。
ヨシタケシンスケを調べてみると「ヘンリー・ダーガーの影響を受けた」とWikipediaに書いてあるところが気になったよ!

アーチゾン美術館で「ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ」展を鑑賞後、TODA BUILDINGにも行ってみることにする。
ギャラリーが入っているのは3階らしい。
エレベーターで上がると、ガランとした空間が広がっている。
この時点では何の情報もないまま歩いていたので、本当にギャラリーが入っているのかすら疑問に感じるほど。
少しうろついていると明るい場所が見えてきた!
「KOSAKU KANECHIKA」で開催されている水上愛美の「Dear All Our Yesterdays」だったようだね。
淡い色調で、まるで夢の中を描いているような雰囲気はシャガールみたい。
このギャラリーでは撮影について質問することを失念し、当然撮影もしていなかったので、感想は文章だけになるね。
気になる方は上のリンクで作品観てね!

他のギャラリーも探してみよう、と歩いてみる。
扉が開いていて、中に人がいる部屋を発見!
それが一番上の画像「Yutaka Kikutake Gallery」で開催されている小林エリカ、ドレーヌ・ル・バ、鈴木ヒラク の3人展「形象 Keisho」だった。
受付の方に撮影許可をもらい、撮らせてもらったよ!
SNAKEPIPEはいつでも必ず許可を得てから撮影するんだけど、SNAKEPIPEが撮影している様子をみて「あ、いいんだ」とばかりに撮影を始める輩の多いこと!
自分からは許可を受けないで、人がやってるからいいだろうと勝手に判断するんだよね。
SNAKEPIPEは、ちゃんと自分で確認取ってから行動したいと思うよ。

話を作品に戻そう。
最初は3人展と気づかずに鑑賞していたけれど、作風があまりにも違うんだよね。
載せた画像は小林エリカの「私の手の中のプロメテウスの火」、「交霊 -娘と父-」、と「わたしの血」という写真作品だよ。
「わたしの血」は、作者自身の血を使っているらしい。
小林エリカは、東大卒の漫画家で作家だという。
ギャラリーの解説によれば、「私の手の中のプロメテウスの火」は、ウランの発見から原子爆弾の開発および原子力発電に至るまでの歴史に言及し、「交霊 -娘と父-」「わたしの血」のシリーズでも、いずれも自身の手を登場させながら人間の限りない欲望について表現しているんだとか。
SNAKEPIPEは、写真を観ただけでは全く理解できなかったなあ。(笑)

ガラスに反射してしまい、作品がみづらくてスミマセン。
鈴木ヒラクの作品3点を並べてみたよ。
展覧会のカタログをシルバースプレーで塗りつぶした作品とのこと。
Wikipediaによると、いくつもの企業から助成により2009年からオーストラリア、ブラジル、イギリス、アメリカなど世界各国に滞在した経験があるんだとか。
支援されたり研究員として海外で生活を続けるなんて羨ましい環境だよ!
鈴木ヒラクの作品は2010年6月の「六本木クロッシング2010」で鑑賞していたようだよ。
名前に聞き覚えがあると思ったんだよね!(笑)

「ひゃー!」と心の中で叫びながら作品に近寄るSNAKEPIPE。
ちょっと不気味で個性的な人形、好みなんだよね!(笑)
左のミドリちゃんは、花がらのワンピース着用のおしゃれさん。
右の画像、ボタンとスパンコールで身を包んでいる人形は、お腹に子供を抱えているね。
赤い糸は、もしかしたら血を表しているのかもしれない。
寝かされているところから想像すると、死体を意味しているのかも。
他に頭部がユニコーンで下半身が人の足になっている人形や、心臓のように見える立体作品も展示されていた。
作者はドレーヌ・ル・バ(Delaine Le Bas)というイギリス人アーティスト。
ドレーヌは自らのルーツであるロマ族の文化や歴史などを表現しているという。
2024年のターナー賞候補になったというから、作品を鑑賞することができて良かったよ!
ドレーヌが10代の頃、崇拝していたというのがイギリスのパンク・バンド、X-RAY SPEX。
代表曲「Identity」を聴いてみよう!

ヒステリックで非常にパワーのあるポーリーの歌声とサックスが印象的なバンドだったね。
セックス・ピストルズのジョニー・ロットンがお気に入りだったらしい。
ドレーヌがパンク出身と聞くと親近感が湧くよね!(笑)

次に立ち寄ったのは「タカ・イシイギャラリー」。
中に入ると、四つ切りくらいの大きさのモノクロ写真と、ロビン・ウィリアムズ主演の映画「ミセス・ダウト(原題:Mrs.Doubtfire 1993)」の看板が見える。
受付の女性に撮影許可をもらい、鑑賞しながら撮影する。
182.9cm×127cmという大型作品の作者は、1982年アメリカ生まれのセイヤー・ゴメス(Sayre Gomez)。
鑑賞している時には気付いていなかったけれど、アクリル絵の具で描かれているんだよね。
てっきり写真かと思っていたよ。
フォト・リアリズム・ペインティングというらしいね!
暗闇にポッと浮かび上がるマクドナルドの看板を観て、胸に迫るものがあった。
知らない土地を暗くなるまで歩き続け、途方にくれた時に目にする明かり。
誰かがいる、と安堵する様子とやるせない寂寥感を想起させる。
マクドナルドの看板から、こんな想像をしたSNAKEPIPEだよ。

モノクロ写真のほうは、予想通り森山大道の作品だった。
今回開催されていたのは「Hellooooo」というタイトルで、ロサンゼルスと東京というそれぞれの都市の根本にあるものを探る展覧会だという。
人間は写っていなくても気配を感じる。
「夜の新宿、裏通り〜」と八代亜紀の演歌が似合う、うらびれた雰囲気。
黒っぽい強めの焼きは、森山大道の特徴だよね。(笑)
2008年に東京都現代美術館で鑑賞した「森山大道 ミゲル・リオ=ブランコ 写真展 ―共鳴する静かな眼差し」について、SNAKEPIPEはダイドー・ブレンド・コーヒーをもじって「大道・ブランコ・コーヒー」として記事にしているね。(笑)
あの時もブラジルの写真家と森山大道の2人展だったっけ。
森山大道の個性に並ぶ日本人アーティストはなかなかいないだろうね。

京橋のTODA BUILDINGには、「小山登美夫ギャラリー」も入っているみたい。
4つのギャラリーで展覧会観られたら楽しいよね!
これからTODA BUILDINGの情報もチェックしていこう。

ここから自分のための備忘録。
先週愛用のiMacが突然壊れてしまった。
電源入るのにモニターに何も映らなくなってしまったんだよね。
幸いバックアップがあったので、ROCKHURRAHのヘルプを受けながら記事を書いているSNAKEPIPEだよ。
新しいiMacも昨日到着したので、これから設定作業に入らなければ。
みなさまもパソコンのバックアップをお忘れなく!(笑)