軟弱ロックにも栄光あれ

【わけあってプレイヤーは別窓で開きます。音が鳴るので要注意】

ROCKHURRAH WROTE:

先々週あたりからSNAKEPIPEと二人して風邪をひいてしまい、インフルエンザ騒ぎもあったために珍しくマスク着用で通勤してしまった。こんな時期に紛らわしいというか運が悪いし、人には警戒される始末。SNAKEPIPEはすぐに治まったが、ROCKHURRAHの方は鼻炎も併発したらしく、大変に辛い一週間となった。おかげで自慢の(語尾がはっきりしない)こもった声が鼻声になり情けない。

さて、そんなことも踏まえた上で本日はROCKHURRAHの得意とする分野(?)、パンク&ニュー・ウェイブ時代のヘナチョコ声ヴォーカリスト特集だ。
ヘナチョコ声といっても感じ方は人それぞれだし、定義の難しい分野ではあるが、あくまでも個人的にそう思えるものを選んでみた。

そもそもロックの世界ではこういう声は決して異端でもなく、むしろ力強く堂々とした声の持ち主よりも人口は多いかも知れない。そんなヘナチョコ声ヴォーカルに市民権を持たせた代表はヴェルベット・アンダーグラウンドのルー・リードやデヴィッド・ボウイという事でいいのだろうかね。まあこれらはロックを聴く人なら大体誰でもわかると思える鼻詰まり系元祖の人だから、わざわざ語るまでもないな。

さてパンク、ニュー・ウェイブの世代になるとヘナチョコ人口はグッと増えてくる。ボウイやルー・リードを聴き狂って影響を受けた直接の世代でもあるし、ちょっとした程度の歌と目新しい演奏が出来れば誰でも人気者になれる機会があった時代だからね。

この時代で個人的に好きだったヘナチョコ・ヴォーカリストはハートブレイカーズのジョニー・サンダースがまず挙げられる。彼の場合は声に限らずギターも生き様もヘロヘロだったわけで、破滅型ロックンローラーの代表と言うべきだね。
そのジョニー・サンダースのベスト・オブ・弟分であるシド・ヴィシャスなども舌ったらず系ヴォーカルで数多くの人に愛されたな。この辺はROCKHURRAHのいいかげんな説明よりも伝記などを読んだ方がいいだろう。

そして誰が何と言っても軟弱声の極め付けはオンリー・ワンズのピーター・ペレットだろう。堕天使のような風貌(写真によって見た目が随分違うが)と誰もが倦怠感を一緒に感じてしまう中性的なヴォーカル・スタイル。古い順に書いてるから早い段階で登場してしまったが、これはもうヘナチョコ声チャンピオン間違いなしの一級品だ。日本では誰でも知ってるという程の知名度を得なかったし、パンク好きの人でも「Another Girl, Another Planet」くらいしか彼らの曲を知らないって人も多かろうが、他にも素晴らしい曲がたくさんあるので知るべし。

いきなりチャンピオンが出たからこれを破れる人はそうそういないんだが、例えばバズコックスのピート・シェリーなども同じ傾向かな。元々は奇妙な髪形の才人ハワード・デヴォートがヴォーカルだったが、彼が抜けた後にギタリストだったピート・シェリーがヴォーカルも兼任したというパターン。この時代のパンクとしては抜群に優れたポップ・センスとスピード感のあるバンドで、ちょっと素っ頓狂に裏返るシェリーのヴォーカルも魅力に溢れていた。後の時代に多大な影響を与えたで賞。

前々から何回もこのブログで取り上げてるベルギーのプラスティック・ベルトラン。これもまた愛すべきヘナチョコ・ヴォーカリストだ。延々と同じビートが反復するワン・パターンに甘えた声、映像見ても一人で跳ねて踊って歌ってるだけ。それでもパンク。彼らもオンリー・ワンズの「Another Girl〜」同様、一般的に知られている曲は数多くのバンドがカヴァーした名曲「Ça Plane Pour Moi(「恋のウー・イー・ウー」または「恋のパトカー」)」しかないのが悲しい。

忘れちゃならないのはパンクからニュー・ウェイブ転換期に活躍した早過ぎたバンド、ワイアーのコリン・ニューマン。「ロックでなければ何でもいい」などという発想で次々と既成概念を解体するような新しい試みの曲を量産し、あっという間に自らも分裂解体してしまった伝説のバンドだ。パンク・ファン以外でも知ってるような知名度の高い曲はうーん、あまりないなあ。ワイアー時代は「12XU」みたいに絶叫する曲もあったからヘナチョコ声のレッテル貼るのもちょっとおこがましいが、「I Am The Fly」「 15th」あたりからコリン・ニューマンのソロに至るまで、ドリーミーでクリーミーな世界を繰り広げている。

ニューマンで急に思い出したんだがニュー・ウェイブ初期の78年くらいに大ヒットを飛ばしたチューブウェイ・アーミー=ゲイリー・ニューマン、彼もまたヘナチョコ鼻声の持ち主だ。エレクトロニクス・ポップス略してエレポップ、もっとわかりやすく言えばテクノ・ポップと呼ばれた分野で大活躍した幻想アンドロイドこそが彼だ。デヴィッド・ボウイが持っていたイメージの一面を極端にデフォルメした非人間性が目新しかったものよ。しかし人気出たもののヒットは数曲、おまけにアンドロイドのくせに太ってしまうという致命的なミスを犯してしまい、いつの間にか消えてしまったな。

ここまでニュアンスはそれぞれ違うがROCKHURRAHが言わんとするヘナチョコ声質はわかって貰えた事と思う。だがヘナチョコ声はそれだけではない、もっとヴァリエーションのあるものだ。その一例を挙げてみよう。

デヴィッド・ボウイと同時期に活躍したロキシー・ミュージックのブライアン・フェリーが得意としてた、かどうかよくわからんが、いわゆるファルセット、裏声。歌唱法とすればロックの世界でもアリとは思うが、これも一般的にはヘナチョコ度が増す行為だろう。

ファルセットとは言わないのかも知れないがナチュラルに高音だったヴォーカリストと言えばアイルランドのアンダートーンズ(フィアガル・シャーキー)などは特徴的だ。当時、政治的に不安定だった北アイルランド出身のくせに見よ、この陽気なポップ魂、どこから声出してんの?パンク時代のモンキーズのようなバンドだったな。「Teenage Kicks」をはじめ「Here Comes The Summer」「Jimmy Jimmy」などなど、はじける名曲を数々残している。
近いタイプとしては日本での知名度はかなり低いがフィンガープリンツなども同じパターン。こちらはどう考えてもヴォーカリストには向かんでしょうという人がわざわざヴォーカルをとってて反省させられる内容。ただし曲はすごく良くてパンクというよりはパワー・ポップ系なのにパワーないぞ、というところが魅力。これぞヘナチョコ・ロックの面目躍如。

高音と言えばアソシエイツのビリー・マッケンジーも有名だ。80年代前半のイギリスで大人気だったバンドで83年くらいにはインディーズ・チャートの常連だったくらいに次々とヒットを飛ばした。陰と陽がどんどん入れ替わるような奇妙なポップスを得意としていたが、ただ不安定な高音やはっきりしない曲調、とっつきにくい部分もあってこの手のバンドを苦手な人も多数いるはず。同じ傾向であるキュアーのロバート・スミスが人気者になれたのに、やはりもう少しの個性が必要だったのかね。代表曲「Club Country」が知られてる程度で日本ではあまりヒットしなかったなあ。このビリー・マッケンジーは完全に落ち目になった90年代後半に鬱病が悪化し自殺している。そういうシリアスは我等が提唱するヘナチョコ道には反する行為なんだが。

ここまでパンク、ニュー・ウェイブ中心に書いてきたけど出そうと思えばいくらでも出てくるヘナチョコ族ども。ハッキリ言って掃いて捨てるほど存在してるな。書いててキリがないので90年代後半に出てきたアップルズ・イン・ステレオのロバート・シュナイダーをこの系譜の一番最後にしよう。ギター・ポップと言えばROCKHURRAHの世代では断然イギリス、スコットランドあたりなんだが、この90年代後半から21世紀のはじめくらいはアメリカ物の方が旬な時代だった。アップルズ・イン・ステレオもそんな中に登場したバンドで、この上ないほどポップスの王道を行く楽曲と素晴らしいヘナチョコ・ヴォーカルでギター・ポップ好きの心を鷲掴みにしたものだ。しかしこの女性受けする声のロバート・シュナイダーは小太りでメガネの冴えない男で秋葉原あたりにいても何ら違和感なしという風貌。「この声で美形じゃないなんて」と数多くのファンをガッカリさせた経歴を持つ。後年になって「ロード・オブ・ザ・リング」で有名なイライジャ・ウッドからの依頼じゃ、という事で彼のレーベルから出したりもしたが最近の活動には疎いもので、その後はどうなったのか?

というわけで思いつくままヘナチョコ・ロックの歴史を振り返ってみたが、こういうのばっかりあまり続くと食傷気味。ストロングでハードコアなものも続けると疲れてしまう。どちらもほどほどにバランス良く取り入れて健康なのが一番だね。
(何じゃこのしまりのない締めの言葉は?)

さて、今週のリクエストは

【ベストヒットUSAのオープニングを好きなアルバムで制作してみた(笑)】

SNAKEPIPE WROTE:

この人が親戚だったらうれしいな、と勝手に想像する有名人の一人に小林克也氏がいる。 スネークマンショー以来ファンであり、 「小林克也のおしゃべりアメリ缶」 まで買ったほどである。(笑) 知らない方のために簡単にアメリ缶の補足をすると、克也氏がラップで英会話を教えてくれるCDで、本当に缶詰で通信販売されていた代物。 ラップのリズムで覚えていく、というとても楽しいものであった。(ちなみに今でも所持している) あの完璧なネイティブ・イングリッシュを独学でマスターした、と知った時には腰を抜かしたほどである。 映画「逆噴射家族」も試写会で鑑賞。 これ、なんとSNAKEPIPE家族で観に行ってるんだよね。(笑) この時の演技も良かった! もう一度観たい映画である。 多方面で活躍している克也氏だけど、代表する番組といえば、ご存知「ベストヒットUSA」である。

SNAKEPIPEの年少時代に一番観ていた音楽番組「ベストヒットUSA」。 ゲストと通訳なしでやりとりする克也氏の姿を拝見して、なぜだか誇らしく感じたのはSNAKEPIPEだけではないだろう。 当時は外タレに司会者本人がインタビューする、なんてことはほとんどなかった。 しかも克也氏は音楽に詳しいし、ジョークをまじえるような海外の番組の司会者みたいで本当にカッコ良かった。 どういう経緯なのかは不明だけれど、番組は1989年に一度終了した模様。

そして2003年に復活した「ベストヒットUSA」。 前と同じタイトル曲、司会の小林克也氏! それだけでも克也氏ファンとしては顔がほころんでしまう。 以前とは違って、今回の「ベストヒット」は深夜の番組なので毎回録画して 何回かをまとめて観ることにしている。 最新のチャートにはあまり興味がなくて、楽しみにしているのはタイムマシーンのコーナーと最後のリクエストだけ。 タイムシーンも最近では一曲しかやらないことが多く、しかもあまり興味のあるアーティストではない。 リクエストもハズレがほとんどで喜ばしい曲がかかることは非常に少ない。 ではSNAKEPIPEなら何をリクエストするだろう?

やっぱりという感じで思い付くのはニューウェイブだ。 当時のSNAKEPIPEにとってのアイドルはイギリスの音楽シーンを賑わせていたアーティスト達だったからだ。 世界はイギリスを中心に回ってる、と考えていたほど。(笑) 録画予約し忘れていたこともあるため、もしかしたら以前にリクエストされたこともあるかもしれないけれど、SNAKEPIPEが選ぶなら次の3曲になるかな。

最初にHaircut100「Favourite Shirts (Boy Meets Girl)」。 邦題「好き好きシャーツ」(笑)。 ここから「好き好きアーツ」シリーズを考えた話は以前したことがあるよね。 80年代に突如出現したファンカラティーナ旋風。 「お坊ちゃん達が音楽?」と思ってしまう、メンバー全員が同じ白いセーターにサスペンダーという服装でファンク。(笑) ちなみに当時ROCKHURRAHもHaircut100を真似て、似たセーターにサスペンダーだったらしい。(笑) かわいい見た目とは違って音楽性は高く、ノリのイイ名曲だと思う。 SNAKEPIPEも大ファンで、ヴォーカルのニック・ヘイワードの似顔絵を入れたポスターを制作したことがある。 あまり似てなかったけど。(笑)

続いて、これまた似顔絵を描いたヴォーカル、クレアちゃんがいたAltered Images「Happy Birthday」。 クレアちゃん、かわいかったなあ~! 当時クレアちゃんを真似た女の子がイギリスにいっぱいいた、なんて記事を読んだことがあるけれど、大いに納得! 80年代らしく、前髪は長めで「うなじ」は刈り上げのヘアスタイル。 SNAKEPIPEも似た髪形だったなあ。(笑) この曲、ロンドンナイトCDにも収録されて、再び聴けて嬉しかった! 今観てもやっぱりクレアちゃんかわいい。 やっぱり今でもアイドルだね!

3曲目はDr. And The Medics「Spirit In The Sky」。 実は当時Dr. And The Medics来日の際、ライブに行ったSNAKEPIPE。 とは言ってもアルバムは一枚しか出てないし、有名なのはその1曲だけ! 完璧な一発屋のライブに行くとは。(笑) 場所はどこだったか忘れたけど、前から3列目くらいのすごい良い席で観た。 「実物観れたからいいか」の世界だね。(笑) SNAKEPIPEも Medicsになりたいと思ってたくらい。 後から知ったのは「Spirit In The Sky」はNorman Greenbaumという人がオリジナル。 カヴァーはエルトン・ジョンを筆頭にニーナ・ハーゲンやらバウハウスなど錚々たるメンバーが演奏済み。 それでもドクター~でまた売れたとは、名曲なのね! 以前はレコードを所持していたけれど、処分してしまったので今でも買おうかどうしようか迷っている。

もっと書きたいところだけど、今回はこの3曲だけにしておこうか。 いつかまた第2弾を書こうかな。 ROCKHURRAHも自身のリクエスト特集を書きたい、なんて言ってるし。(笑) ではこのへんで。 See You Next Week!(この前ROCKHURRAHも書いてたな)

初来日!REZILLOS/ROBIN参戦!

【2週連続で登場のREZILLOSの1st。お買い求めはROCKHURRAH RECORDSで!(笑)】

SNAKEPIPE WROTE:

日本列島はゴールデンウィークの真っ只中。
5月2日から始まる5連休の初日、REZILLOS初来日公演に行ってきた。
場所は高田馬場AREA
ここのライブハウスは初めてなのでネットで検索してみる。
すると、トップの写真は化粧男!
フラッシュであとからあとから出てくるのはビジュアル系バンドばかり。
その手のバンドの総本山なのかしら?
5月1日、2日はREZILLOSに間違いないことを確認。
そして2日はスペシャルゲストとしてROBINも登場!
これはラッキーと当然のように2日のチケットを入手する。

18時過ぎにAREA到着。
意外と人が入っていて、いつものように一番乗りにはならなかった。
AREAは柵で会場が3分割されていて、柵ごとに段差が付いているひな壇式。
後からでも観やすいし寄りかかって鑑賞するのは楽で、いかにもビジュアル系バンド用って感じ。(笑)。
パンチ合戦で盛り上がるROBINに向いてるだろうか?

最初に登場は「新宿セックスピストルズ」。
このバンドは初めて。
RAMONESの「GABBA GABBA HEY!」みたいに3人が「新宿」「セックス」「ピストルズ」と書いた看板を持って登場。
裏に返すと「こんな」「世の中」「DESTROY」になっていた。
バンドメンバー以外に女装したナンシーもどきまで入っていて笑ってしまった。
曲は想像通り全てピストルズのカヴァーで、演奏もヴォーカルもお粗末極まりない。
全然似てもいないし。
女装ナンシーとヴォーカルの彼女なんだかよく分からない女が二人で踊り子をやっていて、ますます興醒め。
学園祭で馬鹿騒ぎやってるような雰囲気なんだよね。
お客さんは次々と会場を出て行く始末。
ラストから2曲目でいきなりヴォーカルがブリーフ一丁になり、メタボ体型を披露。
シドもかなり太めだったし、勘違いしまくり。
はっきり言って苦痛の時間だったし、こんなバンド誰が呼んだの?と抗議したくなるほど。
このバンドの分の金返せ!(笑)

バンド入れ替えのDJタイム。
今回のDJってみんな素人さんだったのかしら?
内輪で盛り上がってて
「この曲なんていうの」
なんて問い合わせに笑いながら応えようとして、喋る度に音を止めちゃうんだよね。(笑)
自分が喋りたいから音を止めるのは怒髪天の増子兄ィかNINJAMANZのMUTSUMIの例があるけど、これは客席に呼びかけるためだったしね。
音飛びも何回もあるし、これってDJとしてどうなの?
DJも学園祭のノリでいまいちだねえ。

さて次はROBIN!
先日のDVD先行発売ライブの時と全く同じ服装、「Battle Goes~」で同じスタート。
最初のバンドのしらけたムードがまだ残っているような会場に向かい
「盛り上がろうぜ」
と何度がHIROSHIが繰り返してしまうほど、いつものROBINの客層と違う!
後で観ていたSNAKEPIPEが確認する限り、恐らくROBINファンは少数。
パンチ合戦はステージ近くの狭い場所でだけ行われていて、SNAKEPIPEの心配が的中してしまった。
柵があったらあんまり動けないからね。
ROBIN登場でROCKHURRAHとSNAKEPIPEは大喜びだったけど、ROBINとしては非常にやりにくかったんじゃないかな。
今回は珍しくダムドのカヴァー「LOVE SONG」が聴けて嬉しかった。(笑)
昔千葉で聞いて以来2回目かな。
ラストに「Should I Stay or Should I Go」を演奏、約40分のROBINは終了。

そしてついにREZILLOS登場!
1978年、パンク第2世代&ニューウェイブ元年にレコードデビューし、なんと30年以上もキャリアのあるスコットランドのバンド。
フィフティーズとB級SFコミックっぽさ、そしてガレージR&Rがミックスされたポップで元気で楽しい音楽は当時にはかなり斬新だった。
その一部では伝説のバンドがついに初来日!(説明部分ROCKHURRAH談)
お客さんはメンバー登場で大盛り上がり!
あ、今回のお客さんは純粋にREZILLOSファンだったんだ、と改めて確認。
確かにいつもROBINのライブで見かけるような客層と全然違ってたし。
なんといっても年齢層低かったし。(笑)
当時のファンというよりはクラブヒッツなどで後からバンドを知ったファンが多かったのかな?

1曲目「Destination Venus」からスタート。
すごい!REZILLOS!演奏もヴォーカルもパワフル!踊りもそのまま!(笑)
例えば今「you tube」でREZILLOSと検索して、30年前の映像を観たのとほとんど変わらないライブ!
もちろん年を取ったので見た目の違いがあるのは当たり前だけど、ライブバンドとして現役バリバリ!
海外バンドのライブを観に行った場合
「ライブはこんなもんだよね」
のような「実物見れたからいいか」と思ってしまうことが多いため、REZILLOSもあまり期待していなかったのである。
がっ!今回は違っていた。
実を言うとそれほどREZILLOSに精通していなかったSNAKEPIPEであるが、全然知らない曲でも盛り上がっちゃうほど。(笑)

そして5月2日はギターのJOの誕生日だった、ということで「HAPPY BIRTHDAY」を合唱するシーンも。
「今までの人生の中で一番幸せな誕生日だよ」
なんてコメントしてたJO。
スコットランドらしくチェックのスカート穿いて演奏していたのであるが、途中で女性ヴォーカルFAYに後からスカートをめくられてしまった。
なんと、その時に尻が丸見え(恐らくTバック着用)!(笑)
素敵な57歳だよね!

アンコールに2回応えて、1回目でREZILLOSの中で一番パンクな曲「Somebody’s Gonna Get Their Head Kicked In Tonight」を演奏。
ジャズから始まる最近のバージョンだった。
うーん、生Somebody’sが聴けるとは感激!(笑)
2回目のアンコールで「NO」を演奏。
これでほとんど全てのノリのいいヒット曲全てが聴けたのかな。
ROCKHURRAHは「Bad Guy Reaction」を演らなかったのが残念と言ってたけどね!

REZILLOSから元気をいっぱいもらって、ものすごくHAPPYな気分になれた。
ライブパフォーマンスとして秀逸。
さすがに30年以上のキャリアだね!
行って良かった~!(笑)

ROBINの物販に寄ってから帰ろうとすると、なぜかチラシ配ってる人からROCKHURRAHが挨拶されてる。
「あ!どーも!」
なんて言われていて、誰かと思ったらなんとROBINのYASU!(笑)
ベレー帽かぶってたから全然気付かなかった。
メンバー本人がチラシ配るとは!
それにしてもYASUから挨拶されるとは、恐るべしROCKHURRAH。
YASUさん、また参戦しますからよろしく!(笑)

時に忘れられた人々【03】リヴァプール御三家

【最近話題にもならない御三家モーフィング、ROCKHURRAH制作】

ROCKHURRAH WROTE:

今回書こうとしているあまり旬じゃない人はズバリ、リヴァプール御三家の事だ。とは言ってもこれは誰でも「ああ、あの三人ね」と知ってるようなもんでもなく、リヴァプール地方のニュー・ウェイブを多少かじった事があるような人にしか通用しない御三家だと言える。

あの世界一有名なバンドを例に出すまでもなくマージービートなどという言葉があるくらいだから、リヴァプールが世界的に誇れる音楽の産地なのは音楽に疎いおやっさんでも小娘でも、何となく想像は出来るだろう。
この地は70年代以降も良質のポップ・ミュージックを生み出してきた。特に盛んだったのは70年代半ばに登場した大所帯バンド、デフ・スクール以降、俗に言う「リヴァプール・コネクション」とか「リヴァプール・ファミリー・ツリー」と呼ばれた時代・・・ん?わかりにくいかな?単純に言うなら「80年代リヴァプール」の時代だと個人的には思える。

ROCKHURRAH RECORDSのオンライン・ショップでもリヴァプール物は有名無名に関わらず色々扱ってるが、このブログでデフ・スクールやビッグ・イン・ジャパンといったバンドについて説明してると長くなり過ぎて御三家が書けなくなってしまうので残念ながら省略させて頂く。後のパンク、ニュー・ウェイブの時代に活躍した人々が多数在籍していたのが上記2つのバンドで、80年代に大活躍したプロデューサー、クライブ・ランガーやイアン・ブロウディ(キングバード)もこれらの出身。この辺が80年代リヴァプールのルーツとされる。

さて、ようやく御三家だ。その三人とはイアン・マカラック、ピート・ワイリー、ジュリアン・コープの事だ。三人が1977年にクルーシャル・スリーなるバンドを始めてすぐにやめてしまった事は割とどこにでも見てきたように書かれている。が、これは伝説的なバンドでも何でもなく、単に勢いで始めたけど、あまりウマが合わなかったから続かなかった学生バンドみたいなもんだろうと推測出来る。というわけで御三家とは言っても三人は全然別々の活動をしてゆく。

イアン・マカラックはその後のエコー&ザ・バニーメンを率いる英国一のタラコくちびるの持ち主。イアン・マッカロクと表記するのが正しいようで最近はこの呼び方になってるみたいだがROCKHURRAHは80年代通りにマカラックと呼ぶことにする。
この三人が別れても独自の道として選んだのはネオ・サイケと呼ばれるような音楽の範疇になる。
アメリカのサイケデリックとは少しニュアンスも違うんだが、簡単に言えばヴェルベット・アンダーグラウンド、ドアーズあたりから影響を受けた80年代初頭の英国を象徴するような音楽だ。どちらかと言うと暗くて内省的、生真面目な音楽が多い分野だから普通のヒットチャートではあまり受けないタイプの音楽だと言える。
その中でもエコー&ザ・バニーメンは頑張って音楽雑誌の表紙にもよく登場、ネオ・サイケの中ではかなり有名なバンドへと成長してゆく。御三家の中では日本での知名度も最も高い。

彼らの魅力はもちろんバンドとしての完成度の高さ、曲の良さもあったが、やっぱり何と言ってもイアン・マカラックのヴォーカリストとしての声の通りの良さにあったんじゃなかろうか。ものすごく特徴的なわけでもないのに彼の声はどこで聴いてもすぐにわかってしまう。まるで雛鳥みたいなツンツンの頭に古着コート、あるいは迷彩服といったスタイルで唇を除けば少女漫画に出てきそうなか細い少年っぽい風貌のイアンくんなんだが、これがソリッドで力強いエコバニの演奏に乗って歌えば天下無敵というのが80年代初頭のネオ・サイケの代表的なもの。
80年1st「クロコダイルズ」から84年4th「オーシャン・レイン」くらいまでが全盛期だったけど、似たようなもどきバンドが大量に現れ、このくらいからネオ・サイケは質も低下して面白みがないものとなってしまった。先駆者であった彼らも一緒に失速してしまい、ドラマーの事故死などもあり、エコー&ザ・バニーメンはいつの間にか消えてしまったとさ。90年代後半に復活したけどその後はどうなんだろう?ROCKHURRAHもサイケからサイコに変わってしまったので消息はよくわからない。同じような起点から始まったU2とかがより大げさなロック・バンドに変貌して面白くなくなったのと違い、彼らはいつまでも80年代ニュー・ウェイブ、80年代リヴァプールを感じさせていて欲しいもんだ。

ジュリアン・コープはこの三人の中では最年長にも関わらず、自由奔放な変人というイメージが強く、個性という点では際立っていた。彼がクルーシャル・スリーの後、いくつかのバンドを経て始めたのがティアドロップ・エクスプローズだ。
エコー&ザ・バニーメンを正統派とするならこのバンドは既成の枠に入らない変格派とも言えるネオ・サイケを持ち味にしていた。何だかニュー・ウェイブには見えないヒゲオヤジや海兵隊みたいなのがメンバーにいるしトランペットやキーボードが活躍する音楽も曲によって随分印象が違っているし、声はこもっているし、マジメなのかふざけてるのかよくわからん。極端に変というわけじゃなくて総合的にちょっと歪んでいる独特の世界が魅力だった。例えて言うなら80年代のシド・バレットというような役柄なのかね。

ティアドロップ・エクスプローズは素晴らしく良い曲も残してはいるんだがシングルで選んだ曲がよりによってこんな単調な曲か、という不可解な傾向もあり、日本での知名度はイマイチ、ジュリアン・コープの個性が完全に活かし切れてない部分も目立つバンドだった。
そんな彼が84年あたりからはソロ活動となり、本当にやりたい事を自由気儘にやった世界が素晴らしい。前述のイアン・マカラックよりもさらに80年代少女漫画に出てきそうなルックスは申し分なかったんだが、そういうカッコいい部分を敢えて売り物にせずに作った2ndアルバム「Fried」では、何と裸に亀の甲羅を背負った奇妙なジャケット。ジュリアン・コープの奇妙な個性を最も端的に表した写真かも知れない。

しかしこの亀人間の後に聖なるロックスターに鮮やかに転身して、ファンとしてはそっちの方が仰天したもんだ。亀でもロックスターになれるのか?この後のコープの活動はあまりよく知らないんだが、なぜか古墳の研究をしたり日本のロックについての本を書いたり、やっぱり興味の方向性もちょっと変。

ピート・ワイリーはジュリアン・コープの変な部分とは少し違っているが、これもやはり変人の部類に入るのは間違いない。
コープ同様にいくつかのバンドを経てたどり着いたのがWah!というバンドなんだが、Wah! Heat、 Shambeko Say Wah!、 J.F.Wah! 、Mighty Wah! などとレコード出すたびに出世魚並みに名前を変えてゆく。そしてネオ・サイケからブラック・ミュージック、果てはアフリカン指向というあまり結びつかない音楽へ傾倒していったり、初期と後期ではまるで違う事をやっている。
何やらよくわからないのだが、強い熱いメッセージがあるのは確かなようで三人の中では最も理解するのが厄介な人だ。
音楽が難解というわけではないんだがどこを弾いてるのかよくわからない抽象的とも言えるギター・プレイも少し不可解で、三人の中では日本での知名度も一番低いというのもうなずける。少しロッカー風な見た目でマカラックやコープのように女性ファンがつきそうな部分はあまりないね。

初期はカッコいい曲よりも地味な曲が目立っていたが82年くらいからいわゆるバラード的な大作名曲指向になって一気にヒットチャートを賑わせる・・・というわけでもなく、やはり不人気のまんま(日本での話)だった。名曲を作る才能は素晴らしく、ひいき目に見ればスタイル・カウンシルあたりの線で受けたかも知れないのに、やはり妙な改名マニア、ややわかりにくいメッセージゆえか。

数多くのバンドが過去の栄光よ再び、というような再結成をしている。この三人が過去のいきさつは水に流して手を取り合い、世に出る事がなかった幻のバンド、クルーシャル・スリーとして再結成してくれれば・・・うーん、今でもまだ追いかけて熱狂してくれるファンもいるのかな?

これらの文章とは全然関係ないがとりあえずROCKHURRAH一味はゴールデン・ウィークの楽しみ、REZILLOS初来日公演(ROBINが共演)に行ってきます。詳しいレポートはまたSNAKEPIPEが書いてくれるだろう。
ではまたsee you next week!