映画の殿 第72号 正直政治家 チュ・サンスク

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【ラ・ミランと脇を固める名優たち】

SNAKEPIPE WROTE:

毎日何かしらのドラマを観て、週に1本は映画鑑賞しているROCKHURRAH RECORDS。
先日鑑賞した韓国映画を特集したいと思う。

「正直政治家 チュ・サンスク(原題:정직한 후보 2019年)」の主役は、「恋のスケッチ〜応答せよ1988〜」や「ジョンニョン: スター誕生」で印象的だったラ・ミラン。
韓国版の京塚昌子といった雰囲気で(古い!)、良い味出してる女優なんだよね。
韓国の40代、50代の俳優は個性派揃いで、演技も歌もこなすマルチな人が多いように感じるよ。
「正直政治家 チュ・サンスク」では、ラ・ミランがコメディを演じていた。
あらすじはこちら。

息を吐くように嘘をつき続け、多くの国民の支持を集めてきた国会議員のチュ・サンスク。
4期目の当選を目指すべく選挙活動中だったが、ある日、祖母の勝手な神頼みによって嘘をつくことができなくなってしまう。
街頭演説や討論会でも本音ばかりが口から出てしまい、サンスクは混乱するばかり。
本当のことしか話せなくなり、政治家生命の危機に陥ってしまう。
「嘘」という強力な武器を無くしてしまった彼女が挑む選挙活動とは?
(Filmarksより)

日本語字幕付きトレイラーが探せなかったので、英語字幕付きを載せてみよう。

ラ・ミラン演じるチュ・サンスクは、パープル色をイメージカラーに設定しているんだね。
日本で紫色は、高貴な色として認識されているけど、韓国も同じなのかな?
女性政治家らしい雰囲気を出しているチュ・サンスクだけれど、実態は舌先三寸、己の利益のためなら嘘をつくことは日常茶飯事なんだよね。
画像右は、秘書のヒチョルを演じるキム・ムヨル。
キム・ムヨルは映画「記憶の夜」やドラマ「未成年裁判」「暴君」などで知っている俳優だよ。
ラ・ミランとのかけあいは、まるで夫婦漫才みたいに息がぴったり。(笑)
ラ・ミランもキム・ムヨルもコメディに向いてるね!

チュ・サンスクの夫を演じているのは、ユン・ギョンホ。
色々なドラマで目にするバイプレーヤーだね。
ドラマ「クリーニング・アップ」や「梨泰院クラス」にも出演していたし、「ヴィンチェンツォ」での「プッチギ、パッチギ」と言いながら踊るシーンは忘れられないよ。(笑)
悪人役でも根は善人みたいな役どころが似合うね。
サンスクの夫役も似合っていたよ。
実年齢ではラ・ミランが5歳年上みたいだね。(笑)

嘘ばかりつくサンスクを心配し、「正直になりますように」と祈るおばあさん。
祈りが届き、サンスクは嘘がつけなくなるんだよね。
このおばあさんも、かなりの曲者で口が達者だから、サンスクのような孫がいても不思議ではない。
嘘は良くないかもしれないけど、政治家だったら「良い嘘」が必要な時もあるかもしれないよね。(笑)
おばあさんの神通力は強くて、サンスクに2回目の呪いがかかってしまうんだよね!

この映画でラ・ミランが第41回青龍映画賞主演女優賞を獲得していたんだね!
体当たり演技で、最高だったもんね。(笑)

2022年に「帰ってきた正直政治家 チュ・サンスク(原題:정직한 후보2)」が公開されてるんだよね!
ROCKHURRAH RECORDSでは、どちらの映画も2025年に鑑賞しているので、続編があることを知って小躍りしたよ。
ラ・ミランがパワーアップして登場しているよ!

ソウル市長選挙で落選し、無職になってしまったチュ・サンスクは偶然、海で溺れた青年を救出したことで再び注目され、故郷・江原道の知事として華麗に復帰!
正直に執務にあたるものの支持率が急降下し、結局また嘘をつくように。
するとサンスクと秘書のヒチョルに、祖母の「真実の呪い」がかかり、2 人とも嘘がつけなくなってしまう!
そんななか、大統領も出席する全国知事協議会に出席したサンスクは、失言を繰り返す。
さらに、進めていた住商複合施設の建設に問題が発生。
果たしてサンスクはこのピンチをどう切り抜けるのか…!?
(Filmarksより)

前回からの続き、という設定になっていて、嬉しい。
なんと今度はサンスクだけではなく、秘書のヒチョルまで呪いにかかってしまうとは!
前作ではヒチョルが、なんとか取り繕っていたのにね?(笑)

こちらも日本語字幕トレイラーが探せなかったので、英語字幕で勘弁してね!

「帰ってきた正直政治家」では、少し話が大きくなってた。
前作同様、秘書と旦那は同じキャストだったけれど、新たに加わったのがサンスク夫の妹。
ハワイかぶれしていて、サンスク宅をハワイアン仕様にしてしまうほど。
演じているのは、映画「サニー」やドラマ「サイコだけど大丈夫」などに出演しているパク・ジンジュ。
特徴的なのですぐに判別できる女優なんだよね。
サンスクの味方になり、頼もしい存在になっていくところが良かったよ!

秘書のヒチョルよりも気が利いて、サンスクの信頼を勝ち取る補佐官チョ・テジュをソ・ヒョヌが演じている。
ドラマ「悪の華」や映画「ロ・ギワン」で観ていた俳優だね。
「帰ってきた〜」では、あまりに仕事が出来過ぎていて、胡散臭さがプンプン!
そんな役がピッタリだったよ。(笑)

スケールが大きくなったのは、北朝鮮が絡んできたこと。
北朝鮮代表として来たリム・ソニ役を演じたのは、キム・ジェファ。
ドラマ「クリーニングアップ」に出演していたね。
「極秘にお願いしたいことがある」
とサンスクに耳打ちした内容に大笑いしてしまった。
ネタバレしちゃうから言わないでおこう。(笑)
キム・ジェファも名バイプレーヤーの一人だね。

「正直政治家 チュ・サンスク」も「帰ってきた正直政治家 チュ・サンスク」も、基本的には同じ路線。
場をわきまえず、言ってはいけないことを堂々と話すところが痛快で、笑ってしまう。
正直者はバカを見る、という「ことわざ」とは逆の展開になっていくところも良かった。
ラ・ミランが出演している他の作品も観たいと思う。
また気になる俳優が増えて嬉しいよ!(笑)

映画の殿 第71号 三体 テンセント版

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【「三体」の主要人物達】

SNAKEPIPE WROTE:

2025年2月下旬から1ヶ月余り、入院生活を送っていたことは今まで何度か書いているよね。
入院生活を送っている時に、熱中して読んでいたのが「三体」だった。
たまたまKindleストアで目にして、「中国のSF?」と首をかしげたものの、次第に夢中になって読んでいた。
「三体」というのは、中国のSF作家・劉慈欣(リウ・ツーシン)が2006年に発表した小説。
三部作シリーズ累計発行部数が、世界で2900万部を記録しているベストセラーなんだよね!
2015年にSF界で最も権威のある文学賞のヒューゴー賞をアジア人初受賞しているという。
小説の冒頭が文化大革命から始まっていたところで、惹きつけられたSNAKEPIPE。
できれば隠しておきたい中国の歴史を、中国人がネタにしている点に驚いたんだよね!

以前はSFも読んでいたけれど、最近はご無沙汰。(笑)
「三体」は物理学やら数学、天文学などを研究している人たちがたくさん登場するので、それらの知識がないと理解が難しい場合がある。
知識に乏しいSNAKEPIPEのような読者でも読み進めることができるのは、ストーリーの面白さ!
自分なりに頭で映像化し、ワクワクしながら「三体」三部作を読了したのである。
作者の劉慈欣はアート好きなのか、アート作品について触れる記述が何度もあった。
SNAKEPIPEは「水滴」が杉本博司の「観念の形」のような作品に似ているのではないかと想像し、本気で鑑賞したいと思ったよ。(笑)

ROCKHURRAHも一緒に読み進め、「どこまで読んだ?」と毎日報告したものだった。
入院中で時間があるSNAKEPIPEに負けじと(?)ROCKHURRAHの読書スピードの速かったこと!
2人揃って「三体」の世界にどっぷりと浸かっていたのである。
2023年に中国のテンセント版、2024年にNetflix版と2つドラマ化されていることを知り、退院した暁にはドラマを鑑賞することを楽しみにしていた。
そして退院後、原作に近いテンセント版を鑑賞したのである。
ドラマ「三体」のあらすじを書いてみよう。

2007年、北京オリンピック開催間近の中国。
ナノ素材(マテリアル)の研究者・汪淼(ワン・ミャオ)は、突然訪ねてきた警官・史強(シー・チアン)によって正体不明の秘密会議に招集される。
そこで世界各地で相次ぐ科学者の自殺、そして知り合いの女性物理学者の死を知らされた汪淼。
一連の自殺の陰に潜む学術組織「科学境界(フロンティア)」への潜入を依頼された彼は、科学境界の「主」を 探るべく、史強とともに異星が舞台の VRゲーム「三体」の世界に入るが、そこにはある秘密が…。
(公式サイトより)

続いてトレイラーも載せてみよう。

さすがに文化大革命部分の映像化はなかったけれど、原作に忠実なので驚いてしまった!
汪淼(画像左)が、写真が趣味で、自宅に現像室があるところに共感してしまう。
ドラマの中で、汪淼はほとんど食事していないところが気になってしまった。
史強(画像右)が隣でガツガツ食べてる時にも、汪淼は食べてないんだよね。(笑)
研究者らしく、ちょっと神経質な様子が役にピッタリだったよ。
史強は小説での印象と少し違っていたけれど、粗野だけど良いヤツというのが、イメージ通りかな。

小説の中で一番気になっていたのがゲームのシーン。
「三体」というゲームは、上述したように物理学や天文学に詳しいプレイヤーじゃないと続けるのが困難なんだよね。
とても厳しい状況や条件の中で、どうやってゲームを進めていくのか。
それが「三体」のキモに当たる部分なので、ゲームのシーンが本当にゲームとして映像化されていたところに感動してしまった!

ゲームのシーンがこれ。
映像化されて嬉しかったのが「人間コンピューター」のシーン。
「0」と「1」を表現するために赤と白の手旗信号を使用するんだよね。
三千万人の兵士が導入されるなんて、大げさで笑ってしまうよ!(笑)
脱水シーンの映像化も素晴らしかった。
ゲームのシーンは想像以上の出来栄えで、鑑賞できて本当に嬉しい!

葉文潔(イエ・ウェンジエ)の若い頃。
「三体」での主人公の一人だね。
ドラマでは文化大革命の話が省略されているので、葉文潔の悲しみや動機が分かり辛いはず。
Netflix版は未視聴なので不明だけど、テンセント版は小説読んでから観ることをオススメするよ。
1960年代に天体物理学を専攻していたという葉文潔は、相当なインテリだろうな。
昔の(いつだ?)秋吉久美子似の女優(王子文)が着ているジャケットがとてもオシャレで、欲しくなってしまったSNAKEPIPEだよ!(笑)

葉文潔の老年期。
上の画像から40年後ということになっている。
凛とした女性で、言い淀むことがなく、知的な雰囲気がよく出ていたよ。
様々な出来事を経験したためなのか、感情が凍結されてしまったよう。
この人がいなかったら「三体」は始まらなかったので、キーパーソンであることは間違いないね。

葉文潔の娘、楊冬(ヤン・ドン)。
写真が趣味の汪淼によって撮影された一枚がこれ。
葉文潔同様に、物理学の道を行くけれど挫折し、自ら命を絶ってしまう。
ドラマでは原作と違い、楊冬が動いているシーンが出てきたよ。
葉文潔と同じで、あまり笑うことがなかったけれど、少しは人間らしい姿が見られて良かった。

楊冬の恋人、丁儀(ディン・イー)も物理学者なんだよね。
長髪、メガネ、ヒゲの人を見かけると「あっ!ディン・イー!」と叫びたくなってしまう今日このごろ。
道歩いてると、結構このタイプに遭遇するんだよね。(笑)
チャラけているように見えるけれど、実は地球を代表する才能の持ち主。
これから読む「三体0 球状閃電」にも登場するというから、どんな活躍が見られるのか楽しみ!

「三体」のドラマ化はシーズン2も計画されているようで、期待しちゃうよ。
小説を読み、ドラマを観たことで宇宙や物理学、SFにも興味が湧いてきたROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
ROCKHURRAHに勧められて「星を継ぐもの (ジェイムズ・P・ホーガン 1977年)」を読んでみた。
約50年前の小説だけれど、発想力がすごい。
「三体」に近い描写もあって面白かったよ!

人類が初めて月に行ったとされる1969年から、すでに56年が経過していても、状況はそんなに変わっていないみたい。
昔のSFだったら、とっくに空を飛ぶ自家用車があったり、気軽に宇宙旅行したり、他の星への移住ができているのにね?
2019年12月に森美術館で開催された「未来と芸術展」で、3Dプリンターを使って火星に住居を建設するビデオを鑑賞したっけ。
移住計画のアイディアとしての紹介で、とても興味深かったよ。
そんな未来が来るまで、300年くらい冬眠してみようかな。
これ、「三体」読んだ人なら分かってくれるはず。(笑)

ドラマ「三体」で印象的だったのが、最後にかかった曲なんだよね。
淡々としたメロディと、ちょっと怖い歌詞が耳に残る。
YouTubeを載せておいて、いつでも聴けるようにしておこう。(笑)

スピンオフ作品として史強を主役にした「大史」も計画されているんだとか。
まだまだ「三体」の世界から抜け出せないSNAKEPIPE。
楽しみが増えて嬉しいよ!(笑)

映画の殿 第70号 韓国ドラマ編 part24

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【毎回丁寧に出演者を集めてくれるROCKHURRAH、ありがとう!】

SNAKEPIPE WROTE:

気が付くとすでに時は2月。
2025年も12分の1が終わってしまったんだね。
なんて速いんでしょ!
この1ヶ月の間、何をやっていたか考えてみても大したことしてないよ。
年末から悩まされていた謎の高熱がやっとおさまり、少しずつ快方に向かっているSNAKEPIPEなので、特にお出かけもせず引きこもっていた。
やっていたことといえば、ドラマ鑑賞か。
今回のブログは「映画の殿 韓国ドラマ編」を特集しよう。

照明店の客人たち(原題:조명가게 2024年)」は、ディズニープラスで視聴した。
全8話という少し短めの話数で、「ムービング」の制作陣が再びタッグを組んだ作品だという。
サングラスをかけたあやしげな男は、一体何者なのか。
第1話を鑑賞した後、とても不思議な感覚になった。
言ってみれば不条理小説のドラマ化みたいな感じなんだよね。
あらすじから書いてみよう。

どこかもわからない、暗い街をさまよう人々。
一部の記憶を無くした彼らがいたのは、”生と死の境目”の世界だった。
なぜ彼らはこの場所に辿り着いたのか。そして、元の世界に戻ることはできるのか――。
やがて人々は、彼らの過去、現在、未来の鍵を握る、ある路地裏の照明店へと引き寄せられていく・・・
(ディズニープラスより)

あらすじ読んでも意味不明だよね。
トレイラーを観たらヒントになるかも?

なるべくネタバレしないように感想を書いてみよう。
ドラマの画面がずっと暗くて、夜の描写が続く。
サングラスをかけた店主がいる照明店だけが、ひときわ明るく異彩を放っている。
誘蛾灯のように、光に吸い寄せられ照明店を訪れる人々の様子がおかしい。
店主との会話も、成り立っているようないないような、あやうい雰囲気なんだよね。
韓国ドラマで、こんなに不条理を感じたのは初めてかもしれない。
とても不思議なドラマなので、回を追うごとに謎解きが進み、人によっては「すっきり」するかもしれない。
ただSNAKEPIPEは、あの「なんだか分からない世界」の話が好きだったよ。(笑)
人それぞれ「幸せ」の形があるんだな、と考えさせられたドラマだった。

応答せよ1994(原題:응답하라1994 2013年)」は、「応答せよシリーズ」の2作目。
ROCKHURRAH RECORDSでは、制作順を無視して「1988」から「1994」を鑑賞してしまった。
本来は「1997」「1994」「1988」が制作順のようなので、まるっきり逆だよね。(笑)
一番最初に「1988」を観てしまったので、仕方ないか。
「1994」には3食ごはんでお馴染みの「ソン・ホジュン」や「花郎」でヒロインを演じたAra、「離婚弁護士シン・ソンハン」や「ムービング」で印象的な役を演じていたキム・ソンギュンなど、馴染のある俳優が出演していて楽しみ!
あらすじから書いてみようか。

1994年、ナジョンの両親が経営する「新村下宿」に6人の若者が集まってくる。
彼女にとって実の兄のような幼馴染のオッパ、スレギ。
大学進学を機に地方からやって来たお調子者のヘテ、レスリー・チャンに似ているというサムチョンポ、寡黙な青年ピングレ、アイドルの熱狂的なおっかけユンジン。
そしてピングレのいとこでソウルに暮らす大学野球界期待の星チルボン。 彼らがともに過ごした8年間の日々。
そして2013年、ナジョンの新居に再びあの6人が集まってくる。
その中には、現在ナジョンの夫となった男性も―。
果たして、彼女のハートを射止めたのは!? (公式サイトより)

トレイラーを観てみよう。

大学生の男女が繰り広げるドタバタ恋愛劇といってしまえば簡単だけど、ヒロインであるナジョンがあまりにも女性らしさからかけ離れていて驚く。
言葉遣いは悪い、ガツガツ食べる、負けん気が強い。
「1988」のヒロインだったドクソンも、かなり男っぽい雰囲気だったけれど、ナジョンには負けるよ。
「ぶりっ子しない」「飾らないタイプ」なので正直ではあるけどね。(笑)
田舎生まれなのに、精一杯都会に馴染もうとするヘテやサムチョンポには、たくさん笑わせてもらった。
そしてナジョンの両親が、「1988」の時と同じことに気付いたよ。
どうやら「1997」から、このキャストは変わってないみたいだね。
制作順とは逆になってしまったけれど、いつか「1997」も観てみたいよ!

2022年1月の「映画の殿 第49号 Netflixドラマ編 part5」で感想を書いた「地獄が呼んでいる」のシーズン2が配信された。
当時の記事に「シーズン2がありそうなエンディングだったので、続きが非常に気になるよ。あまり間を空けずに配信して欲しいね!」と書いていたSNAKEPIPEだったけれど、シーズン2は3年の時を経て配信されることになった。
シーズン1で新興宗教の教祖を演じたユ・アインが、麻薬騒動により降板したことも、シーズン2までの制作に時間がかかった要因なのかも。
なんだか分からないけど、突然異形の存在に「おまえは3日後に死ぬ」と宣告され、実際に指定の日付に焼き殺されてしまう。
そんな理不尽な世界を描いた「地獄が呼んでいる」シーズン1のラストは、焼き殺された人が蘇ったところで終わったっけ。
細かいところはあまり覚えていないまま、鑑賞してみたのである。

新興宗教団体“新真理会”のチョン・ジンス議長の試演から8年後、地獄行きの告知と試演が当たり前になり、法や秩序が崩壊した世界で、地獄行きを宣告されたパク・ジョンジャとチョン・ジンスが、それぞれ復活を果たす。
これを受け、地獄の秘密を追う組織<ソド>、地獄の使者の行いを“神の意志”として狂ったように祀り立てる過激な信者集団<矢じり>、さらに制御不能となった世界を再び抑制するため地獄の存在を利用する<政府>も介入し、国を巻き込んだ巨大な衝突へと発展していく。
(シネマトゥデイより)

トレイラーはこちら。

告知と試演は不思議なものではなくなっていて、皆が当たり前の事象として受け入れているんだよね。
燃え尽きて亡くなったはずの2人が、復活するところから話が始まる。
「新真理会」という新興宗教団体、人道支援活動を行う「ソド」という組織に加え、インターネット配信で民衆を煽る「矢じり」という狂信者集団の三つ巴の構造が主体になっていて、政治的な話が中心になってしまった。
シーズン1を観直してからシーズン2に入ったわけではないので、「この人誰だっけ」と頭をひねりながら鑑賞していたSNAKEPIPE。
「地獄が呼んでいる」の面白さは「なんだか分からない」ところだと思っていたので、理路整然と対立構造が示されることで興醒め。
謎のラストは良かったかも。(笑)

ストーブリーグ(原題:스토브리그 2019年)」は、「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」や「無人島のディーバ」でお馴染みのパク・ウンビンが出演しているのが目当てで観始める。
主演のナムグン・ミンは、有名な俳優のようだけどROCKHURRAH RECORDSでは初お目見えだね。
他に「悪霊狩猟団: カウンターズ」のチョ・ビョンギュ、「サイコだけど大丈夫」のオ・ジョンセが脇を固めている。
野球について全く知識がないSNAKEPIPEは「ストーブリーグ」の意味すら知らなかった。
野球のオフシーズンに選手や監督の契約更改や移籍、加入などのグラウンド外の話題を指す言葉がストーブリーグなんだって?

万年最下位のプロ野球チーム“ドリームズ”は、またしても最下位でシーズンを終える。
そんな中、責任を取って辞任したゼネラルマネージャーの代わりに新たに就任したのは、野球未経験で知識もない異色の経歴を持つペク・スンスだった。
早速チームの改革に乗り出したスンスはスター選手をトレードに出すと言いだす。
それを聞いた運営チーム長のイ・セヨンをはじめフロントスタッフは猛反発するが、チームの強化に成果を見せるスンスを次第に信頼しはじめる。
しかし、新たなる問題が発生。親会社の常務クォン・ギョンミンは、赤字続きのチームを解散させようと企んでいて…。
(公式サイトより)

トレイラーも載せてみよう。

ダメダメなチームを盛り上げていくという構図は、ROCKHURRAH RECORDSが大好きなウィル・フェレルの「俺達シリーズ」みたいなんだよね。(笑)
次から次に問題が発生し、1つずつゼネラルマネージャーが解決していく。
あまりにも冷徹に仕事をこなしていく様は、観ていて心地良い。
自分とは関わりたくないけどね!

Netflixでは、1話を約30分単位で区切って配信していたので、時間に余裕がある時は2つ、3つまとめて鑑賞していた。
32話はあっという間だったね。(笑)
ありがちな恋愛話に発展することなく、純粋に野球だけに情熱を傾けているスタッフの姿は好感が持てた。
野球を知らなくても充分楽しめたよ!

今回は4つのドラマを紹介してみたよ。
3年の月日を経て、鳴り物入りで配信された「地獄が呼んでいる」は、SNAKEPIPEにはイマイチだった。
「イカゲーム」の続編が配信されていることも知っているけれど、どうも食指が動かない。
シーズン2って難しいよね。(笑)

また別のドラマを鑑賞していこう。
次回をお楽しみに!

映画の殿 第69号 韓国ドラマ編 part23

【今回は全員女性が主役だよ!】

SNAKEPIPE WROTE:

いよいよ今年も約10日ほどで終わりになるね。
師走と言われるだけあって、12月は時間が速く過ぎていくよ。
それでも毎日かかさないのがドラマ鑑賞!
新旧併せて紹介していこう。
毎回書いていることだけど、ROCKHURRAH RECORDSの鑑賞順で、制作年順ではないのでお間違いなく。

嫉妬の化身〜恋の嵐は接近中〜(原題:질투의 화신 2016年)」は、ラブコメの女王として名高いコン・ヒョジンが主役なので、観たかったドラマなんだよね。
「椿の花咲く頃」や「最高の愛〜恋はドゥグンドゥグン〜」などでファンになったよ。
今回はどんな役どころで笑わせてくれるのか楽しみ!(笑)
画像右に写っているのは「恋のスケッチ〜応答せよ1988〜」でソン・ソヌを演じたコ・ギョンピョ。
「恋のスケッチ」の時は高校生だったのに、今回は財閥の御曹司だって。
韓国の俳優は実年齢よりも若い役でも、全然問題なく演じるよね。
まずはあらすじを書いてみようか。

学歴もお金もない非定期職の気象キャスターピョ・ナリ。
放送局入社早々、イケメン記者イ・ファシンに一目ぼれしてずっと片思いをしていた。
しかし、ファシンとは何もなく、彼は”ある事”のせいでバンコクに飛ばされる。
そんなある日、ひょんなことでファシンと仕事をすることになったナリは、バンコクに向かう飛行機の中でイケメン御曹司コ・ジョンウォンと出会い胸をときめかす。
でも、実はジョンウォンとファシンは親友だった。
バンコクで集まった3人。三角関係のような…?ないような…?妙な関係が始まろうとしていた…
(KnTVより)

今回のコン・ヒョジンはお天気キャスター役だね。
トレイラーも載せておこう。

何年も片思いをしてきたイ・ファシンの体を触りまくるコン・ヒョジンに大笑い。(笑)
そのおかげで病気に気付くことができたので、感謝すべきなのかもしれないね?
お天気キャスターというのが、自分で気象情報をチェックしてテレビで伝えているとは知らなかった。
韓国だけの話なのかな?
コン・ヒョジンが抜群のプロポーションだと分かる、露出度高めの服装もあったよ。
自信があるから出せるんだろうね。(笑)
全24話あるドラマだけど、途中が中だるみで少し飽きてしまった。
単なる恋愛物になってしまうと興味が薄れてしまうSNAKEPIPEだよ。

悪魔なカノジョは裁判官(原題:지옥에서 온 판사 2024年)」は、ディズニープラスにて視聴。
「シーシュポス: The Myth」や「ドクタースランプ」などに出演していたパク・シネが主役なんだよね。
「ドクタースランプ」は今年5月の「映画の殿 第64号」で感想を書いている。
パク・シネは34歳なのに高校生役をやっていて違和感なかったんだよね。(笑)
今回はポスターからして妖艶な雰囲気。
1年の間に高校生から悪魔まで演じるとは、パク・シネすごい!
あらすじを書いてみようか。

超エリートで美人な裁判官カン・ビンナの正体は、許されざる者を殺して地獄に送るという任務を全うするため、地獄からやって来た“悪魔”だった?!
数多くの罪人を裁く中で、ビンナは誰よりも人間的な刑事ハン・ダオンに出会う。
はじめは彼を利用するつもりだったが、徐々にダオンの温かさと誠実さに触れ、想いを寄せるビンナ。
果たしてビンナは任務を成し遂げることができるのか、それともダオンのために全てを投げ出すのか。
(ディズニープラスより)

トレイラーはこちら。

パク・シネは、キツめの性格でコーラを飲んだ後にゲップをするような女性らしさを見せない役どころを演じていた。
イメージを変えたいのだとしたら、今回の残酷な悪魔役は大成功。
赤い髪色に紫の瞳も似合っていたよ。
温かい感情を持ち合わせていないはずの悪魔が、人間に寄り添っていくうちに愛情に目覚めるというストーリーはありがちかも。
最終話に近づくにつれ、パク・シネの悪魔的要素がなくなってしまったのが物足りなかったSNAKEPIPEだよ。

貞淑なお仕事(原題:정숙한 세일즈 2024年)」は、「椿の花咲く頃」や「愛の不時着」で名バイプレイヤーだったキム・ソニョン(画像左から2番め)を目的に観始める。
いつも良い味出してる女優なので、期待しちゃうんだよね。(笑)
他3人の女優については、もしかしたら他のドラマや映画で観ていたのかもしれないけれど、はっきり記憶していないよ。
タイトルにある「貞淑なお仕事」については、あらすじとトレイラーでお伝えしてみよう。

1992年、性がタブー視されていた、韓国の保守的な田舎町クムジェ。
ハン・ジョンスク、オ・グムヒ、ソ・ヨンボク、イ・ジュリら4人の女性たちは、自立した女性としてお金を稼ぐため、“訪問販売シスターズ”としてアダルトグッズの訪問販売を始める。
時に社会の偏見に立ち向かい、友情を深めながら成長していく彼女たちだが……。(シネマトゥデイより)

トレイラーでもう少し詳しく観ていこうか。

今から30年前の田舎町で、アダルトグッズ販売で一旗揚げようとする女性4人組という設定が面白い。
受け入れられないのは当然で、奮闘しながら売上を伸ばしていく過程が見どころ。
4人の女性がそれぞれの事情を抱えながらも、仲良く助け合う姿が微笑ましい。
途中からアダルトグッズ販売の話ではなくなってしまうんだよね。
「訪問販売シスターズ」に関係があるストーリーではあるけれど、取ってつけたような展開はイマイチだったかも。
「愛の不時着」や「ヴィンチェンツォ」で印象的だったイム・チョルスが、キム・ソニョンの旦那さん役で出演していた。
「ヴィンチェンツォ」で初めて観たので、今でも「アン君」と呼んでしまうよ。(笑)

最後はこちら。
ジョンニョン:スター誕生(原題:정년이 2024年)」は、パク・チャヌク監督の映画「お嬢さん」やドラマ「二十五、二十一」で有名なキム・テリが主演のドラマ。
調べてみるとキム・テリとパク・シネは、どちらも1990年生まれなんだね。
キム・テリも今回のドラマで19歳の役を演じていたけれど、全く無理なく10代に見えたのはすごい!
「二十五、二十一」の時はフェンシングに打ち込む女子高生だったっけ。
今回はどんな役を演じているのだろう。

1956年、韓国の港町で慎ましくも平凡な生活を送っていたジョンニョン。
天性の美声と表現力を持つジョンニョンは、ある日町を訪れた人気劇団のスター団員に見出され、初めて女性だけが役を演じる女性国劇を鑑賞し、その幻想的な世界とオーラに心を奪われる。
そして女性国劇のスターになることを夢見て上京し、劇団に研修生として入団するが、その道は辛く険しいものだった。
劇団で出会った仲間たちとともにジョンニョンは、スターへの道を懸命に駆け上がっていく。
(Filmarksより)

1948年に初めて女性だけの歌と踊りがある演劇は、「女性国劇」と呼ばれるらしい。
日本の宝塚歌劇団みたいだよね。

宝塚歌劇団についてあまり詳しくないけれど、水の江瀧子や 鳳蘭など男役に人気が集まるのは知っている。(古い!)
「女性国劇」も同様で、男役を目当てにファンが殺到していたらしいよ。
その世界をドラマにした「ジョンニョン」では、出演者が劇中劇を演じているんだよね。
記事によれば、キム・テリは2021年から「パンソリ」のボイス・トレーニングを受けていたという。
「女性国劇」で披露されるのが「パンソリ」という、独特の発声法と節回しで歌われる歌なんだよね。
ドラマの中では、キム・テリはじめ、出演者が本物の「女性国劇」の人に見えるほどの出来栄え。
男役を演じていたオッキョンも素晴らしかった。
韓国の俳優は、演技、歌、踊りなどなんでもこなすから、才能豊かだよね。
「ジョンニョン:スター誕生」は、俳優陣の凄まじい本気度が伝わってくるドラマだったので、かなりオススメ!(笑)

ドラマの途中やエンディングで流れるパンソリとラップを組み合わせた曲が気に入ったよ!
LEENALCHI(イナルチ)の「Bird」を載せておこう。

今回紹介した4つのドラマ、全部女性が主役だったね。
ディズニープラスに入ってから視聴の幅が広がって、楽しみが増えたよ。
ドラマ鑑賞はまだまだ続くよ!