映画の殿 第54号 韓国ドラマ編 part10

20230108 top
【ドラマの気になる登場人物たち】

SNAKEPIPE WROTE:

相変わらず韓国ドラマを毎日観ているROCKHURRAH RECORDS。
備忘録を兼ねて「映画の殿」に感想をまとめておこう!
まずは「ナルコの神(原題:수리남 2022年)」のあらすじから。

南米のとある国で、政府の極秘作戦に参加することになった民間人事業家。
その目的は、その地で麻薬取引を行う韓国人麻薬王を検挙すること。
実話を基にした物語。(Filmarksより)

続いてトレイラーね。

韓国ドラマではウェブトゥーン原作が多い中、実話ベースということに注目だよね!
全6話という短い話数だった理由はそこにあるのかも。
あらすじにある「南米のとある国」というのはスリナム共和国で、恐らくほとんどの人が初めて聞く国名のはず。
SNAKEPIPEも同様で、ドラマの中のフィクションなのかと思ってしまったよ。(笑)
これも実在の国で、韓国人麻薬王の暗躍も現実だったと知り驚いた!
更に民間人が麻薬王逮捕に向けて協力していたことも、本当にあった話だったとは。
麻薬王を演じたファン・ジョンミンは、今までも何度か映画で観たことがあったようだけど、あまり覚えていなかった。
このドラマでの演技は強烈で、SNAKEPIPEはジョンミンに悪役のレッテルを貼ってしまった。
この後「ベテラン(原題:베테랑 2015年)」で、熱血刑事を演じるジョンミンを観ると違和感があったよ。(笑)
最初に観た役の印象が強い時に起こる現象だね!
最近では「イカゲームの」と修飾されることが多いパク・ヘスも、ROCKHURRAH RECORDSでは「刑務所のルールブックのピッチャー」として記憶しているため、国家情報院の役人と聞くと変な感じなんだよね。(笑)
「ナルコの神」は毎回ハラハラしながら引き込まれていく、骨太のドラマだったよ。
ちなみに制作費は350億ウォン、日本円で約36億円!
6回のドラマでこの金額ってすごいよね。(笑)

続いて「ある日~真実のベール(原題:어느 날 2021年)」を紹介しよう。
これは2008年にイギリスBBCで放映されたドラマ「クリミナル・ジャスティス」のリメイクとのこと。
インド、アメリカに次いで3番目とのことなので、イギリスのオリジナル版も気になるところだね!
一体どんな物語なのか、あらすじから書いていこう。

どこにでもいるような普通の大学生ヒョンスは偶然ホン・グクファと出会い、互いに引かれ、酔って一晩を共に過ごす。
目が覚めるとグクファは殺されていて、ヒョンスは殺人事件の容疑者となってしまう。
絶望するヒョンスを見た弁護士のシン・ジュンハンは、事件の弁護を引き受けることにする。
無罪立証のため孤軍奮闘するヒョンス。
ヒョンスを信じてはいないが無罪を立証したいシン・ジュンハン。
自分が見たことだけを事実とする警察と検察。
それぞれの「正義」を守る。(naviconより)

トレイラーはこちら。

「太陽を抱く月」や「サイコだけど大丈夫」でお馴染みのキム・スヒョンが大学生、韓国バラエティ番組「3食ごはん」で「チャおばさん」として親しまれている料理の達人チャ・スンウォンが弁護士役で出演している。
この「3食ごはん」が面白くて、大好きなんだよね!(笑)
チャおばさんは、アトピーに悩まされる三流弁護士という役で、何故か肩にかかるほどの長髪。
普段は後ろで結んでいるのに、カップラーメン食べる時に髪をおろし、振り乱しながら麺をすする姿に大笑いしたよ。(笑)
事件そのものより、刑務所内でのドラマと法廷での争いが中心になっていたね。
女検事を演じたのは、「地獄が呼んでいる」や「怪物」などのドラマに出演しているキム・シンロク。
憎らしくなるほど気が強い性格を見事に演じていたよ。
元ネタであるBBCのドラマを観ていないので違いなどは分からないけれど、あまりスッキリしない幕切れだった。
今まで観たことがあるキム・スヒョンとは違い、少しダークな部分が出ていたところが良かったね。

花遊記<ファユギ>(原題:화유기 2017年)」は2022年の夏頃から週末に観ていたドラマなんだよね。
全20話と少し長めだったこともあり、4ヶ月くらいかけて観終わったよ。
あらすじはこちら。

「西遊記」をモチーフに繰り広げられる新感覚ファンタジー・ラブコメディ。
幼少期から妖怪が見える少女ソンミは、ひとり孤独な日々を過ごしていた。
そんなある日、偶然出会った牛魔王ウ・フィに五行山に行ってあるものを取ってきてほしいと頼まれる。
言われるがまま五行山へと向かったソンミは、そこで大きい罪を犯し五行山に閉じ込められている孫悟空と出会う。
ソンミは悟空を助ける代わりに自身を守ってほしいと提案するが、解放した途端に逃げられてしまう…
月日は流れ、ソンミは不動産屋を営む女社長に成長。
一方、悟空は飲むと無敵になる「三蔵法師」の血を継いだ人物が現れたと聞きつける。
やっとの思いで見つけたものの、その人物は自身が置き去りにしたソンミだった…。(amazonプライムより)

 

西遊記をネタにしているので、孫悟空、三蔵法師、沙悟浄、猪八戒という馴染みにあるキャラクターが登場する。
孫悟空役には「バガボンド」でアクションをこなしていたイ・スンギ。
髪型を猿っぽくしていて、悟空が似合っていたね。
沙悟浄は年上なのに悟空のことを「アニキ!」と呼び、大企業の社長にもかかわらず家事が大好きという設定が面白い。
猪八戒は歌手PKとして芸能活動を行っている人気者。
名前の由来はピッグだろうね。(笑)
牛魔王を演じていたのは「チャおばさん」こと、チャ・スンウォンで、「ある日」の弁護士と魔王とのギャップが激しいよ!
魔王は芸能事務所の社長で、オシャレが大好きなファッショニスタ。
モデル出身のチャおばさんだけあって、スタイリッシュに着こなしていたよ!
アイスクリーム屋を営む冬将軍と、バーを経営する夏将軍が双子で、同じ役者が男装と女装で役を切り分けているところが秀逸だった。(笑)
途中まではとてもおもしろかったのに、孫悟空と三蔵法師のラブ・ストーリーが中心となった後半は少しダラけ気味。
20話まで引っ張らなくても良かったような?(笑)

最後は「シスターズ(原題:작은 아씨들 2022年)」。
主演が「トッケビ」のキム・ゴウンなので、期待して観始める。
名前を知っている俳優が出ていると興味が湧くし、「シスターズ」はNetflixで「今週の1位」などと表示されていて気になっていたんだよね!
まずは、あらすじを書いてみよう。

貧しいが仲睦まじく育った三姉妹は、お金のためにプライドが傷つく経験が少なくなかった。
そんな彼女たちは、700億ウォンの謎の大金を手に入れたことで事件に巻き込まれ、やがて韓国で最も裕福な有力一族に立ち向かうことになる。(Wikipediaより)

「トッケビ」では高校生だったキム・ゴウンが、7年経ってすっかり大人の女性になっていたね!
そして、ひょんなことから大金を手にしてしまうことからドラマが始まる。
700億ウォンを日本円に換算すると約73億円!
ジャンボ宝くじの10億円どころの騒ぎではないので、「もし手に入ったら」と想像するだけでも興奮してしまうよ。(笑)
三姉妹はタイプが違っていて、長女は妹たちを思って着服しようと目論むのに、次女は「汚れた金を手にするのは間違っている」と正義を振りかざす。
三女は更に冷めていて、姉妹との縁を切るのも厭わない様子。
キム・ゴウンの味方になり、「この分からず屋が!」と次女と三女を叱りつけたくなるSNAKEPIPE。
降って湧いた人様のお金だけど、なんとかして手に入れようとしてるお姉さんの気持ちも解るからね。
途中でベトナム戦争に関わった軍人の話が入り、政治的な側面も絡んでくる。
このシーンのためにベトナム政府から国内での配信停止要請があったというから、「いわくつき」ドラマになってしまったかも。
一応はハッピーエンドと言って良い終わり方なので、あれで良かったのかな?(笑)

今回は4つのドラマについて書いてみたよ!
一つ観終わると、新しいドラマが配信されていて、どれから観たら良いのか迷うほど。
韓国ドラマ、面白いね!(笑)

好き好きアーツ!#57 TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇

20230101  01
【TAROMANから勇気と活力をもらおう!】

SNAKEPIPE WROTE:

明けましておめでとうございます。
ついに2023年になったね!
例年通り、成田山へ初詣に出かけたROCKHURRAH RECORDS。
完全防備だったおかげもあり、快適にお参りすることができた。
今年は2人揃っておみくじは「吉」だったよ!
良いことも悪いこともあるってことだね。(笑)

新年1回目のブログは、2022年の7月に初回が放映された「TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇」について書いてみよう。
まずはROCKHURRAH RECORDSとTAROMANの馴れ初めからね。

面白そうな番組をチェックし、マメに録画予約設定してくれるROCKHURRAHが
「岡本太郎の実写ヒーロー物があるよ」
と教えてくれたらしいけれど、あまり記憶に残っていない。
実際、ほとんど気乗りしない返答をしたらしく、ROCKHURRAHは録画予約をしなかったという。

2023年の抱負1:人の話を真剣に聞くこと

次にTAROMANについて話題になったのは、2022年12月のこと。
「ほら、これだよ」
NHKがYouTubeにアップしている動画をROCKHURRAHから教えられる。
「なんだこれは!」
思わず岡本太郎と同じセリフが口をついて出てしまうほどのクオリティ!
生返事をしていた(らしい)SNAKEPIPEは深く反省する。
慌ててTAROMAN全編を鑑賞できないか検索すると、丁度前日に全話一挙放送されていたことが判明!
気付くのが一日遅かったとは!
他に方法がないのか検索すると、見逃した番組をNHKプラスで観ることができることを知る。
早速入会手続きし、一気に鑑賞したのである。

現代アーティストである岡本太郎の作品に登場するモチーフを奇獣として、正義の味方ではないヒーローTAROMANが戦う1972年に放映された特撮活劇の再放送、という設定なんだよね。
初回は「森の掟」という奇獣が現れ、ビルを壊して街を破壊していく。
この奇獣は、岡本太郎の同名作品に登場していて、SNAKEPIPEも大好きなんだよね!(笑)
ジッパー好きにはたまらないキャラクターで、2011年に東京国立近代美術館で開催された「生誕100年 岡本太郎展」のポスターにもなっていたよ。
奇獣を倒すためにTAROMANが行う攻撃は「でたらめなことをやる」という、岡本太郎の言葉を体現するもの。
かなりトホホで、遊んでいるように見えるTAROMANに、いわゆるヒーローらしさがないところが新鮮だよ!(笑)

次々と奇獣が現れるけれど、岡本太郎が残した名言と共にTAROMANの活躍は続く。
「同じことを繰り返すくらいなら死んでしまえ」
「好かれるヤツほどダメになる」
など、岡本太郎が自身を鼓舞するために使ったのかな、と想像する力強い言葉を知る。

2023年の抱負2:岡本太郎語録のような心に突き刺さる言葉や作品を多く知ること

2022年7月から10月まで大阪中之島美術館で開催されていた、岡本太郎展のプロモーションとして制作されたTAROMAN。
TAROMANを制作したのはNHKで、映像作家の藤井亮が監督している。
CGなどで「いかにリアルに見せるか」が主流のはずなのに、チープでキッチュな70年代風映像を作り上げ、時代に逆行していているところに拍手を送りたい。
カラーの色合いや音声、セリフ回しまで70年代だったもんね。(笑)

TAROMANは大人気のようで、1月3日に再放送が決定したという。
未鑑賞の方には、是非オススメしたいね!
ROCKHURRAH RECORDSも改めて鑑賞することにしよう。

TAROMANに出てきた岡本太郎語録で、ROCKHURRAHが気になったのは「自分の歌を歌えばいいんだよ」だって。
他人の評価を気にしないで、自分らしく好きなことをしなさいという意味で良いのかな。
SNAKEPIPEは、番組内には出ていなかった言葉「きみはあなた自身を創造していると思いなさい」をチョイスしたいと思う。
生きていくことが、SNAKEPIPEを創っていくことにつながるという深い言葉だね!

2023年の抱負:日々を大事に、楽しく笑って過ごすこと

3つの抱負を忘れないようにしよう!
今年もROCKHURRAH RECORDSをよろしくお願いします。

思い出のサマリー・ビート 2022

【大竹伸朗も聴いていたかもしれない?1978年ペル・ユビュのライブ音源】

SNAKEPIPE WROTE:

早いもので今日はクリスマス!
一年間の総括として「思い出のサマリー・ビート」を書いていこう。

2021年には行かれなかった成田山に初詣する。
SNAKEPIPEは大吉、ROCKHURRAHは吉のおみくじを引き、新年早々嬉しい出来事にはしゃぐ。
東京都現代美術館で「クリスチャン・マークレー展」、国立映画アーカイブで「MONDO 映画ポスターアートの最前線」を鑑賞する。
音楽とアートをコラボさせたマークレー展も、映画ポスターもROCKHURRAHが好む企画だったね。

長年来の友人Mと出かけたのが目黒の庭園美術館で開催されていた「奇想のモード」。
アール・デコの旧朝香宮邸と、シュルレアリスムを基調とした作品がマッチしていて素晴らしい展覧会だった。
ランチで入ったインド・カレー屋で「ナマ・シヴァ」という文言を延々と繰り返す、お経のようなBGMが流れていたことを思い出す。
まるで寺院の中でご飯を食べている気分だったよ。(笑)

3月にはROCKHURRAHと東京オペラシティアートギャラリーで開催された「ミケル・バルセロ展」を鑑賞する。
絵を観て「怖い」と思うことが少ないので、珍しい体験をしたよ。
この段階で「今年のナンバーワンはバルセロ!」と思ったSNAKEPIPE。
勢いとパワーがある、素晴らしい展覧会だったね!

森美術館で開催された「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」を長年来の友人Mと鑑賞する。
名前だけは知っていたChim↑Pomだけど、作品を観るのは初めてだった。
バルセロで感じたような興奮はなかったけれど、観たから感想を言うことができるようになった、と前向きな発言をすることにしよう。(笑)

お花見に行ったのは、有名な千鳥ヶ淵
人が多いところは避ける傾向が強いROCKHURRAH RECORDSなので、初めての場所だよ。
お花見というには少し時期が遅かったけれど、桜がとてもきれいだったね。
来年はお弁当持ってお花見したいな。

青山のスパイラルで「OKETA COLLECTION: THE SIRIUS」を鑑賞する。
無料でそんなに良質の作品展示をしてくれるなんて!と感激する。
6月になってから天王洲アイルで桶田コレクション「Mariage −骨董から現代アート−」を鑑賞したけれど、SNAKEPIPEは無料だったスパイラルの展示のほうが好みだったかも。(笑)

5月は、靖國神社昭和館で「SF・冒険・レトロフューチャー」、東京国立博物館で「空也上人と六波羅蜜寺」、東京オペラシティアートギャラリーで「篠田桃紅展」と、ほぼ毎週のように展覧会に出かけていたよ。
昭和館は無料とは思えない充実した展示だったね。
お土産までもらって嬉しかったよ。(笑)
日曜美術館の「アート・シーン」で篠田桃紅を初めて知り、すぐに展覧会に行く。
100歳を過ぎても創作活動を続けていたというエピソードにも驚いたし、何より作品がモダンでカッコ良かったね。
図録がかなり遅れて郵送されてきたところが、マイナス1点かな。(笑)

6月には岡本太郎記念館で「赤と黒」、ジャイル・ギャラリーで「世界の終わりと環境世界」を鑑賞する。
そして2022年最大のイベント、金沢旅行に行く。
ROCKHURRAHとSNAKEPIPE、2人の誕生日を祝うための旅行!
SNAKEPIPEは、以前からずっと憧れていた金沢21世紀美術館に行かれて感激する。
展示数は少ないけれど、独特の審美眼を感じたよ!
ROCKHURRAHが21世紀美術館のミュージアム・ショップでセンスの良い扇子をプレゼントしてくれた。(ぷっ!)
良い記念品になったね。
ありがとう、ROCKHURRAH!
翌日に行った私設現代アート美術館KAMUも面白かったし、ご飯は美味しいし。(笑)
いつか冬の金沢に行って、好物のカニを食べたいね!

ヴァニラ画廊の「シリアル・キラー展」は、SNAKEPIPEが6年ぶり、ROCKHURRAHは初めての鑑賞になった。
ドラマや映画とは違う、リアルな犯罪者の痕跡って迫力あるよね。
ROCKHURRAHと一緒に観られて良かった!

そして2022年の展覧会の中で、最も話題を集めたと思われる「ゲルハルト・リヒター展」を7月になってから鑑賞する。
少し時間を置いて、更に夜に出かけて混雑を避ける工夫をしてみたよ。(笑)
狙い通り、そこまでお客さんが多くなかったので、快適だったね。
「ビルケナウ」の凄まじいまでの迫力に圧倒される。
「アブストラクト」シリーズの集大成というのが納得!
ROCKHURRAHもSNAKEPIPEも、スマホの待ち受け画面を「ビルケナウ」に変えたほどだからね。(笑)

8月の暑い日差しの中、ピラミデビル巡りをする。
目的はワコウ・ワークス・オブ・アートの「ゲルハルト・リヒター展」で、1957年に制作された版画など、貴重な作品を鑑賞できて嬉しい。
7月の展覧会も含めて、2022年はたくさんのリヒター作品を鑑賞することができたね!

そして今年3回目の来場となる、東京オペラシティアートギャラリーで「ライアン・ガンダー展」を友人Mと鑑賞する。
実験的でユニークな作品と観念的な作品があり、観て良かったよ。
オペラシティは、キュレーターの仕事なのか、興味深い企画が多いんだよね。
1年のうち、同一会場に3回も足を運ぶのは初めてだから。
これからも注目していこう!

8月下旬から9月にかけての1週間で、ROCKHURRAH RECORDSに不幸が2度訪れる。
こんな経験は、後にも先にもないだろうね。
深い悲しみに沈みながらも、楽しく生きていくことを改めて心に刻んだSNAKEPIPEだよ!

野口哲哉展」、アド・ミュージアム東京の見学、「中野信子展」と「細谷巖展」という、全て無料の展覧会を鑑賞する。
情報を知ることができて、フットワークを軽くすれば、面白い展覧会に行くことができるんだよね!
情報収集を怠らないようにしよう。(笑)

10月に出かけたのは渋谷区立松濤美術館の「装いの力」。
以前から名前だけは知っていた美術館を初めて来訪したよ!
撮影ができなかったのが残念だけど、今までにない切り口で企画を立てていて、楽しかった。
場所が分かったので、これからもチェックしていきたいね!

8年ぶりに佐倉の川村記念美術館を訪れ、「マン・レイ展」を鑑賞する。
マン・レイのオブジェに着目する企画も新鮮な驚きがあったね。
大好きなロスコ・ルームで心が落ち着いたよ。
川村記念美術館近辺には食事ができる場所がないので、次回はお弁当を持参することにしよう。(笑)

11月8日に皆既月食が起こる。
天文学に興味がない人でも、夜空を見上げていたんじゃないかな?
SNAKEPIPEは普段から月を見るのが好きで、この日もじっくり鑑賞したよ!
撮った画像がこれ。
まるで抽象絵画か版画みたいで面白いよね。(笑)
ネットには天皇陛下が撮影した皆既月食の画像がアップされていてびっくり!
とても美しい画像で、出来栄えが素晴らしいよ。
画像内に「撮影 天皇陛下  画像提供  宮内庁」とキャプションがあるところがポイントだね!

アーチゾン美術館で「マルセル・デュシャン展」、アルモドバル監督の「パラレル・マザーズ」を鑑賞する。
デュシャンの展示はそんなに多くなかったけれど、今まで観たことがない作品があり楽しかったよ!
アルモドバル作品は、毒気が抜け落ち、単なるメロドラマになっていた。
かつての作品のようなブラック・ジョークや「嘘でしょ!」と声を上げたくなるような突拍子もない展開を期待してしまうからね。
セルフ・カヴァーは必要ないけれど、このまま枯れないで欲しいと切に願うよ!

ジャイルギャラリーで「高木由利子展」を鑑賞。
70歳を過ぎても精力的に作品制作を続けている女流写真家にエールを送りたい!
作品も展示方法も素晴らしくて、欲しくなったもんね。(笑)

そして12月は「大竹伸朗展」を鑑賞する。
当ブログ初の3回連続特集を組むほど、感銘を受ける展覧会だったよ!
ROCKHURRAHもSNAKEPIPEも、スマホの待受を大竹伸朗にしちゃったくらいにね!(笑)
記事のトップには、大竹伸朗が好んでいたというペル・ユビュを載せてみた。
ROCKHURRAHも大好きなバンドなんだよね。(笑)

2022年もたくさん展覧会に行ったね!
バルセロ、篠田桃紅、リヒター、大竹伸朗が素晴らしかった。
来年はどんな作品に出会えるのか、楽しみだよ!
ブログにはあまり書いていなかったけれど、映画も50本程度観ているんだよね。
ドラマ同様、韓国物が多かったよ。(笑)

2021年から始めた「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」を終わらせたくなくて、未だにプレイしているROCKHURRAH。
現在は900いるとされるコログを見つける作業中。
「ゼルダの伝説」次回作は2023年5月とのことなので、そこまで続けるのかどうか?(笑)

2022年も残りわずか。
皆様、体調にお気をつけて良い年末をお過ごしください。
来年もよろしくお願いいたします!

大竹伸朗展 鑑賞 #3

20221218 10
【「ダブ平&ニューシャネル」のステージ】

SNAKEPIPE WROTE:

一つの展覧会では異例の3回連続特集!
大竹伸朗について、今までほとんど知らなかったROCKHURRAH RECORDSは、今回の展覧会に感銘を受けたんだよね。
3回目は絵画作品と音楽について書いていきたいと思う。
音楽のほうはROCKHURRAHに担当してもらうことにして、まずはスクラップ・ブックから。

よくもここまで!と驚くほど大量のスクラップ・ブックが展示されている。
気になった画像や漫画、商品パッケージなど、ありとあらゆる物が雑多に貼り付けられいる。
既成の画像に色を塗ったりして、「レディ・メイド」になっている部分もある。
どれだけの年月をかけて収集されてきたんだろう。
スクラップ・ブックの各ページには、大竹伸朗の思い出があるんだろうね。
画像収集で思い出すのは、同じように大量のスクラップ・ブックを作成している、みうらじゅん!
みうらじゅんは大竹伸朗より3つ年下だけど、ボブ・ディラン好きなども共通しているよね。(笑)

整然と陳列されたスクラップ・ブック。
すべてをじっくり鑑賞したい欲求に駆られるけれど、そこまで時間もないし、後ろから他のお客さんも来るし。(笑)
ミュージアム・ショップで「スクラップ・ブック見開選」という、ミニチュアが販売されていて心が揺れる。
お値段19,800円!
気軽には手が出せない金額なので、断念したよ。

「Wallpaper」と題された1978-79年の作品は、まるでアンディ・ウォーホルのパロディみたいじゃない?
シルクスクリーンで作られてるから余計にそう感じるのかも。
正方形なので、もしかしたらレコード・ジャケットだった可能性もあるよね。
奇抜な色彩が印象に残ったよ。

SNAKEPIPE MUSEUMに所蔵したいと思った作品!
「網膜(落下する銀の記憶)」というタイトルも素晴らしい。
シルバー色が大好きなSNAKEPIPEは、光を反射して白く輝く銀色に強く惹かれたよ。
見た瞬間から好き!(笑)
近づいて観ると、たくさんの写真や素材が貼り付けられているんだよね。
何度も塗ったり貼ったりする細かい作業を繰り返して完成していることが分かるよ。
似た雰囲気の作品が他にもあったけど、SNAKEPIPEの一番はこれ!(笑)

「室内」と題された2作品は、まるで映画の一コマのようなストーリー性があるよね。
どちらもサスペンス仕立てで、不穏な空気が流れている。
市松模様の床は「イレイザー・ヘッド」、赤いカーテンは「ツイン・ピークス」を思い出すよね!(笑)

最後に登場したのが、NHKで放映された「21世紀のBUG男 画家・大竹伸朗」の中で制作していた「残景0」で2022年の作品。
「最終的にどうなるか分からない」と話しながら、メチャクチャに様々な素材を貼り付けたり、塗ったり垂らしたりしていたよ。
なんでも素材になるから捨てられないと話しながら、「私も物が捨てられなくて」という人とは違う、ときっぱり言い放つ。
製作途中を見ているため、最終的にはこの作品になったんだ、と妙に感慨深くなったよ。
重厚で存在感があって、カッコ良かった!
続いては音楽についてROCKHURRAHに書いてもらおう。
久しぶりの登場だね!(笑)

以下、ROCKHURRAH WROTE:

大竹伸朗は美術の世界で知られるようになる前、70年代後半から音楽の活動を始めていて、19/JUKEというバンドでレコードも出していた。
Wikipediaによるとブライアン・イーノがプロデュースした「No New York」というコンピーレーション・アルバムの影響を受けていたようだ。
1978年というとイギリスではパンク、初期ニュー・ウェイブ真っ只中だったが、アメリカの方ではすでにパンク以降のムーブメントが来ていて、そのひとつがノー・ウェイブと呼ばれるノイズや不協和音、金切り声などが支配する暴力的なパンクの一種。
「No New York」はジェームス・チャンス&コントーションズやアート・リンゼイ率いるDNA、リディア・ランチのティーンエイジ・ジーザス&ジャークス、マーズの4バンドが参加していた。
まさにノー・ウェイブの代名詞と言われるバンドが収録された、その筋の人たちには伝説的な名盤と言われるレコードだったな。
歌詞カードだったかクレジットだったか、スリーブ(内袋)の裏側に印刷されていて、破くか切らないと見えないという現代アートっぽいものだったが、雑誌の袋とじヌードの元祖とも言えるな。

19/JUKEが最初のレコードを自主制作で出したのが1980年、それの製作期間が何日だったのか何ヶ月だったのかは不明だが、「No New York」をリアルタイムで聴いて影響を受けたとしても、驚くべき早さで自己流の音響工作を作品化したと思える。
あまり大した資料ではないがROCKHURRAHが持っていた音楽雑誌「DOLL」の自主制作盤リストに19/JUKEも載っていたので写真を撮ってみたよ。

バンド結成前に渡英してラッセル・ミルズと交流していたという話をNHKのTV番組で見て、ROCKHURRAHはいきなり知った名前が出てきたのでビックリしたもんだ。
大好きだったバンド、スキッズの1stアルバムやシングル「Animation」のジャケットを手掛けていたので、その当時からROCKHURRAHはラッセル・ミルズを知っていたのだ。
このジャケットを見てもそういうアーティストだとは思わなかったけど、スキッズのベスト盤「Fanfare」や他にもジャパンやデヴィッド・シルヴィアン、ブライアン・イーノ、ワイヤー、BCギルバート&Gルイス(DOME)、ヤズー、ミニマル・コンパクト、ナイン・インチ・ネイルズなどなど、数多くのレコード・ジャケットを手掛けたことで知られている。
独特の鉱物的な色彩と質感を持った作品が多いね。
まだ無名の青年だった大竹伸朗はラッセル・ミルズとコンタクトを取り、言葉の壁を超えて親交を深めたというからすごい行動力、コミュニケーション能力に脱帽するよ。

その関係でなのか、元ワイヤーのブルース・ギルバート&グラハム・ルイスがやっていたDOMEというユニット+ラッセル・ミルズによるパフォーマンスにShinro Ohtake as the Blind Calligrapher、海外の記事では「日本人の助手」として参加している。
1980年のイギリスでDAFやワイヤーの半分と同じステージに立っていた日本人なんて、羨ましい限り。

大竹伸朗展の資料を読むと、19/JUKEを始めた頃に影響を受けたミュージシャンとしてディス・ヒートやペル・ユビュ、初期のDAFなども挙げられてて、この辺はROCKHURRAHも大いに通じるところがある。
ROCKHURRAH RECORDSが大ファンのミステリー作家、鳥飼否宇先生も同じ時代に同じようなものを聴いて好みが似ているので、ぜひ対談(音楽談義)していただきたいものだ。

そういうロンドンでのパフォーマンス体験を刺激として、帰国後に始めたのが19/JUKEというわけかな。
ノイズ、ジャンク系の音楽の大半が制作過程の種明かし、つまりどうやって音楽を作り上げてゆくのか不明の工程を経て作品を作り出しているんだが、これもまた大竹伸朗の絵画作品と同じように、乱雑で粗暴かと思えば細やかな神経の行き届いた偏執狂的な傑作。
A面B面合わせて45曲も収録された音の細切れのようなアルバムはアイデアの断片や様々な歌、コラージュのような音の積み重ねがうまい具合にカットバックしてきて、飽きさせないところが才能だと個人的には思うよ。
4人のメンバーによる実験音楽というから、大竹伸朗が一人で作ったわけではなくセッションやインプロビゼーションの要素が強いものだろうが、偶然出てきた音に面白みを感じて出来上がる過程(聴衆にはわからない部分)こそが興味深い。

何がノイズでノイズじゃないか人によって基準は様々だけど、ノイズ=耳障りな音だとすれば多数の人々から嫌われている。
そんな、聴衆を全く無視して作った退屈なノイズ・ミュージックが世の中にはたくさんあったが、19/JUKEはそういうのとは明らかに違うと感じた。
「うまくあるな きれいであるな 心地よくあるな」とはTAROMAN岡本太郎の言葉だが、まさにその心意気。
ノイズを作ろうとした結果じゃなく、ペインティングで色を重ねていったり異物を貼り付けていったり、スクラップ・ブックを作る時と同じような感覚なんだろうな。
うーむ、久しぶりに登場した割には歯切れの悪いコメントでありきたり。

パズル・パンクスは1996年頃にやっていた元ハナタラシ、ボアダムスの山塚アイ(ヤマタカEYE)と大竹伸朗によるユニットらしいが、この辺になると初期パンクや80年代のニュー・ウェイブばかりしか語らないROCKHURRAHにはコメントし辛いものがあるな。
音の方はその二人の音楽経歴を知る人には想像出来る範囲のもので、この時代になると目新しくはないのは承知の助。

目新しいとすればそのバックバンドという位置付けなのかどうかわからないが、ダブ平&ニューシャネルという遠隔操作の無人バンドによるライブ・パフォーマンスだろう。
ギターやベース、ドラムといった楽器に何やらモーターのようなもので動くアームを取り付けて物理的に演奏をするという、今どきのテクノロジーとは逆行するような昭和の臭いがプンプンするもので、そういうからくりやガラクタを知っている世代には受ける、面白いもの。
大昔、10ccのゴドレイ&クレームが作ったギターに取り付けるアタッチメント、ギズモというものがあったが、ダブ平&ニューシャネルはそれをもっと大掛かりに見世物小屋っぽく作ったところが大竹伸朗の面目躍如だね。

これは現在ではなく2006年に木場の現代美術館でやった「大竹伸朗 全景 1955-2006」の時の映像だと思うが、ご本人が実際にダブ平たちを操っている姿があって「おっさんが大真面目にバカバカしいことをやる」ということが大好きなROCKHURRAHとSNAKEPIPEにはすごく良くわかるシロモノ。
やっぱり大竹伸朗、素晴らしい。
ではROCKHURRAH、ここまで。

3回に渡って特集した「大竹伸朗展」、本当はまだ書き足りない気分だけど、ここで終わりにしよう。
大学を休学し、英語もできないのに22歳でロンドンに行く勇気。
「見る前に跳べ」のように、強いパッションだけで行動できる人なんだよね。
「BUG男」の命名者である藤原新也も同類と言えるはず。
その熱量は45年経った今も変わっていなくて、圧倒的なパワーを見せつけられたよ。
名前だけは以前から見聞きしていたけれど、大竹伸朗展で全貌を知ることができた。
エネルギーを分けてもらった気分。
鑑賞できて本当に良かった!(笑)