ANDY WARHOL SERIAL PORTRAITS 鑑賞

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【エスパス ルイヴィトン東京エレベーター脇にある看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

エスパス ルイヴィトン東京で開催されているのは「ANDY WARHOL SERIAL PORTRAITS」。
来年の2月まで鑑賞できるようだけど、善は急げ!(笑)
台風接近により雨風が強い中、ROCKHURRAHと表参道に向かったのである。

表参道・原宿界隈は天候に左右されず、いつもと同じ程度の人出だね。
傘をさして歩くと、すれ違う時に傘同士が触れ合ってしまう人混みだよ。
「ちいかわらんど 原宿店」がリニューアルオープンしたおかげで、キディランド近辺がいつも以上に混雑していたね。
ルイヴィトンに入る前に2021年10月に書いた「ギルバート&ジョージ Class War, Militant,Gateway」を思い出したSNAKEPIPE。
ドアマンとの雨傘に関する「やり取り」について書いたのがこれ。

「自分でやりますよ」「いえいえ、こちらで」

なんて押し問答めいたやり取りの末、傘袋に入った傘を渡され終了。
買い物に来たわけじゃないから、本当に申し訳ない気持ちになるよ。(笑)

この教訓を活かし(?)今回は最初から傘を自分で畳んでから入場する。
エレベーターまでドアマンが案内してくれたけれど、前回の雨の時よりは「すんなり」通過できたよ!

会場に入ると、かなり大勢のお客さんでごった返している。
さすが知名度が高いウォーホルの展覧会だよね。
案内の方が近寄ってきて、撮影は動画と書籍以外全てオッケーです、と教えてくれる。
以前もお会いしたことがある女性のような気がしたけど、記憶違いか?
撮影しながら鑑賞を進めることにしよう!

今回の展覧会はウォーホルのポートレートを展示しているので、当然ながらたくさんのウォーホルがいたよ!
1977年にポラロイドカメラで自撮りしたのが、こちら。
あらぬ方角を見つめるウォーホルが着ているのは、自分の名前がプリントされた水色のTシャツ。
アーティストがわざわざ名前入りの洋服着てるのって見たことないかも。(笑)
自己アピールと自己愛の強さを感じてしまうよね。
1928年生まれのウォーホル、このポートレートの時には49歳くらいかな?
眉毛が太くて黒いんだね!

自身のポートレートをシルクスクリーンにした作品3点。
左の2点は上のセルフィーと同じ1977年、右の赤い作品は1981年だって。
ウォーホルはサングラスとヅラで、イメージづくりをしていたと言われていて、作品と同じくらいウォーホルの顔も有名だよね。
認識しているウォーホルのイメージは、フライト・ウィッグと呼ばれる銀髪のボサボサした髪だったり、サングラスをかけている肖像だよ。
それ以外の顔写真だけを見ても、ウォーホルと分からないかもしれない。
これらの作品も「ウォーホル展」で展示されていなかったら誰だか分からないかも。
逆も然りで、同じヅラかぶってサングラスかけたらウォーホルになれるかもしれないよ。(笑)

2014年3月に森美術館で鑑賞した「アンディ・ウォーホル展」にも展示されていた女装写真!
10年以上前に観ているのでハッキリ覚えていないけれど、やっぱり衝撃的な写真だよね。(笑)
ウォーホルがゲイだったことは知られているし、ウィッグを多数コレクションしていたことも情報として入っている。
今回の展覧会では、ちょっとゴツめのドラァグクィーンに見える画像左や黒髪のウィッグで冷たい視線を送る画像右のような女装姿が10枚展示されていたよ。
女装写真とは別に、ポラロイドで撮影されたセルフ・ポートレートも12枚展示されている。
後ろ姿が入っているところに興味が湧いたよ!
自撮りの時、後ろ姿ってあまり撮らないよね?(笑)

「20世紀のユダヤ人10人の肖像」は1980年に制作された作品だという。
SNAKEPIPEは初見で、とても嬉しかったよ。
ユダヤ系の偉人10名の中にフランツ・カフカ(画像上段一番左)を発見!
他にアインシュタインや精神分析学者のフロイトなども入っているんだとか。
この作品は複数のインクを1つのシルクスクリーンプリント用スクリーンに配置して混色させ、グラデーション効果を生み出す「スプリット・ファウンテン」という技法が使用されているんだって。
10点が並んで展示されている様子は圧巻だったよ!

1955年から57年に描かれた「Unidentified Male(名のない男)」というスケッチも展示されていた。
紙にボールペンで描かれているようで、プライベートなものだったみたい。
そのためなのか、半分でやめてしまったのか完成しているのか不明の展示物がいくつかあったよ。
目が空洞で、ちょっと不気味だよね。(笑)
自宅に招いた男友達をふざけて描いたような感じかな。
有名人になると、何もかもさらけ出されてしまうね。

1978年制作の「セルフ・ポートレート」は、色調が違う4枚を並べた「ウォーホルらしい」作品だね!
自分の顔写真を使用して、こんなにたくさんの作品を発表しているアーティストは他にいるのかなあ。
横尾先生も自分をモデルに描いている作品多いけど、ウォーホルを上回ることはないんじゃないかな。(笑)

ウォーホル展が予約制ではなく「すんなり」入れたことに驚いたよ。
雨風に負けないで行って良かった展覧会だよ!
エスパス ルイヴィトンに感謝だね。(笑)

収集狂時代 第26巻 高額アート編#05

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【Judy Kensley McKieのフィッシュ・ベンチは6千万円だって。ステキ!】

SNAKEPIPE WROTE:

2021年5月以来、更新していなかった「収集狂時代 高額アート編」。
毎年のように情報の確認はしていたけれど、ランキングにさほど変動がなかったんだよね。
いつでもベーコンさんだったりリヒターやマーク・ロスコといったお馴染みの顔ぶれが高額取引されていて、少々食傷気味。
何十億円もの作品について、SNAKEPIPEがそんな発言をするのは「けしからん」話だけどね!(笑)
ただ世間的にもSNAKEPIPEも似たような感想を持つ人がいるようで、不動の人気を誇ったウォーホルやジャコメッティの作品が落札されない事態が発生しているんだとか。
価格帯は抑えめで女性アーティストの作品が人気になっているという。
今年のトレンドはどんな感じなのか、早速見ていこう!

下半身を剥き出しにして「どうだ!」と言わんばかりに正面を見据えた挑発的な女性が描かれている。
凝視するのが憚られるような作品だよね。(笑)
作者はMarlene Dumas(マルレーネ・デュマス)。
1999年に制作された「Miss January(ミス・ジャニュアリー)」が、$13,650,000(日本円で約20億円)で落札されたという。
マルレーネ・デュマスは初めて聞いたアーティストかも。
少し調べてみようか。
1953年南アフリカ共和国のケープタウン生まれの、現在72歳。
1975年にケープタウン大学美術学士号(ファインアート)を取得する。
1976年にオランダに移住し、ハールレムのアトリエ63で美術を学び、1979年から1980年にはアムステルダム大学で美術と心理学を学んだという。
自ら撮影したポラロイド写真やメディアに流通している映像や画像などを基に描くこともあるという。
2000年代には、写真家のアントン・コービジン(今の読み方はアントン・コービンみたい)と協働し、アムステルダム歓楽街のナイトクラブを取材した「Stripping Girls」を発表というところが気になったよ。
アントン・コービジンは、ジョイ・ディヴィジョンのヴォーカル、イアン・カーティスの伝記映画の監督だったよね。
その映画についての感想は2009年12月の「BREAK ON THROUGH TO THE OTHER SIDE」をご参照ください!
マルレーネ・デュマスは、このオークションで生存する女性アーティスト作品の史上最高額を更新したんだって。
他の作品も観てみたいよ。

$6,220,000(日本円で約9億1,500万円)で落札されたのは、Remedios Varo(レメディオス・バロ)の「Revelación (El relojero)(啓示(時計職人)」。
天幕のような天井に突き刺さるほど大きな時計が8つ。
それぞれの時計には窓があり、一人ずつ人間が配置されているのは何を意味しているのか。
中央に腰掛ける人物が恐らくタイトルの時計職人だろうね。
窓から、なにやら透明の円いモノが漂って来ている様子。
これが啓示なのかもしれない。
このシュールな絵は、1955年の作品だという。
レメディオス・バロは1908年スペイン生まれで1963年に亡くなったシュルレアリスト。
22歳で結婚したにも関わらず、旦那を置いてメキシコへ逃避行をしてしまったというから驚きだよ。(笑)
最終的には、また別の男性と結婚することになったというから、恋多き女性だったのね。
まるでドラマみたいな話も、レメディオス・バロの肖像写真を確認して納得してしまった。
ちょっとキツめの美女だもんね!(笑)
1930年にパリに移りアンドレ・ブルトンから影響を受けた、とWikipediaに載っているよ。
本場でシュルレアリスムを宣言した本人に出会ってるとはね!
レメディオス・バロの他の作品も気になるよ。

2012年6月に「SNAKEPIPE MUSEUM #16 Dorothea Tanning」で紹介したDorothea Tanning(ドロテア・タニング)の名前がランキングに登場していて嬉しくなる。
1944年の作品「Endgame(エンドゲーム)」が、$2,340,000、日本円で約3億4,500万円で落札されたという。
以前のブログにも書いているように、ドロテア・タニングはマックス・エルンストの奥様なんだよね。
「エンドゲーム」は、エルンストと出会った直後に制作されている。
2人が興じたチェスが題材になっていて、エルンストとタニングが向かい合っている様子まで想像してしまうよ。(笑)
チェスといえばマルセル・デュシャンを思い出すね。
きっと1920年代や30年代のパリでは、カフェでシュルレアリスト達がチェスをしていたんだろうなあ。
「エンドゲーム」では、白いシルクのスリッパがクイーンの駒として描かれていて、ビショップを踏みつけているんだって。
将棋もチェスも経験がないSNAKEPIPEなので、駒の意味を理解できていないよ。
解説だけを読んで感想を言うなら「クイーン(女性)がキリスト教の聖職者(男)を踏んでいる」と聞くと、「かかあ天下」をイメージしてしまうね。(笑)
踏みつけ方が強烈で、チェス盤が歪むほどの圧力だよ。
下方に破れたように見える風景は、2人が滞在していたアリゾナ州セドナかも?という記述があったよ。
出会ってすぐに親密になったというエルンストとタニング。
2人のカッコ良い肖像写真を載せてみたよ!
先のレメディオス・バロ同様、タニングも女優みたいだよね。
シュルレアリスト同士、惹かれ合って刺激的な毎日を過ごしたんだろうなあ。
13年前の記事にも書いたけれど、ドロテア・タニングの展覧会どこかで開催して欲しいよ。
全貌を観てみたいね!

続いては彫刻作品の紹介だよ!
高さ約3メートルのブロンズ彫刻はSimone Leigh(シモーヌ・リー)によるもの。
2020年に制作された「Sentinel IV(守護者4)」は、$5,730,000(約8億4,400万円)で落札されたんだとか。
シモーヌ・リーは、アフリカ美術や土着の物から着想を得ることが多いアーティストだという。
「守護者」は女性の体を基部にして、ズールー族の儀式用スプーンにインスパイアされた形状を頭部に配置しているんだって。
上のほうが重そうに見えるけど、バランス取れているんだね。
3メートルもの大きさがある作品を購入できる人は、高い天井の豪邸か広い庭の邸宅にお住まいなんだろうね!
3部作である「守護者」のうち1体は、テキサス大学オースティン校のアンナ・ヒス体育館前に設置されているというから、個人蔵ではなくてパブリック・アートとして購入されていることもあるんだね。
シモーヌ・リーは1967年、ナザレン教会の宣教師としてアメリカに渡ったジャマイカ移民の両親のもとに生まれたという。
1990年にインディアナ州リッチモンドのアーラム大学で美術学士号を取得。
ニューヨークのグッゲンハイム美術館、ロンドンのテート・モダンなどの名だたるギャラリーや美術館で個展を開催し、2022年のヴェネツィア・ビエンナーレではアメリカ館代表に選ばれ金獅子賞を受賞しているという。
どこかで鑑賞するチャンスがあるかもしれないね?

今回の高額アートは女性アーティストに絞って紹介してみたよ。
日本には世界的に有名な御年96歳の草間彌生という偉大な女性アーティストがいるためなのか、女性がトレンドと言われても何を今更と感じてしまったSNAKEPIPE。
2021年7月に森美術館で開催された「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力」にて、世界の女性アーティスト16人の作品を鑑賞し、感銘を受けたことがあったっけ。
皆様80歳以上になっても強い情熱を持って作品を制作されているんだよね。
オークションでのトレンドは、目新しくて好奇心をそそられる作品、ということなのかもしれない。
女性アーティストとシュルレアリスムの作品が高額取引の常連になったら、また別のトレンドが生まれるのかもね。(笑)

ROCKHURRAH紋章学 Anton Stankowski 編

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【謎の人形と一緒のアントン・スタンコフスキー(左)とセルフ・ポートレート作品(右)】

SNAKEPIPE WROTE:

2025年8月に書いた「ROCKHURRAH紋章学 Herbert W. Kapitzki 編」で予告したように、「アイデンティティシステム」で気になったもう一人のデザイナー、アントン・スタンコフスキーについて特集しよう。
グラフィックデザイナーとして有名なスタンコフスキーは写真家や画家としても活躍していたみたい。
経歴を調べてみよう。

1906 ゲルゼンキルヒェンに生まれる
1926–29 フォルクヴァング造形学校で学ぶ
1929–34 チューリッヒの広告スタジオ、マックス・ダラング事務所で勤務
1938 シュトゥットガルトで「グラフィッシェス・アトリエ」をエミール・ツァンダーと共同設立
フリーのグラフィックデザイナーとして活動を始める
1940–48 徴兵され、戦後まで捕虜となる
1951 キレスベルクにデザイン事務所を設立
1964– ウルム大学で教鞭をとる
1970– ドイツ銀行、ミュンヘン再保険、REWE、バーデン=バーデンのオリンピック会議などの有名なロゴや商標を制作
1972 ヴェネツィア・ビエンナーレに参加
1976 バーデン=ヴュルテンベルク州から教授の称号を授与される
1985 スタンコフスキー財団設立
1991 シュトゥットガルト市のハンス=モルフェンター賞受賞
1998 ドイツ芸術家協会よりハリー・グラフ・ケスラー賞を受賞
エスリンゲン・アム・ネッカーにて逝去

1920年代末から1990年代末までずっと活動を続けていたんだね。
1940年からの数年間は戦争のため拘束されていたようだけど、帰還後は『シュトゥットガルター・イラストリルテ』誌で編集者・グラフィックデザイナー、写真家として働いたという。
モンドリアン、ファン・ドゥースブルフ、マレーヴィチ、カンディンスキーらの抽象絵画に影響を受け、グラフィックデザインを「自由芸術家や科学者との協働を要する絵画的創造の領域」として提唱したとWikipediaに載っているよ。
情報と創造的衝動を統合し、純粋芸術と応用芸術を横断したとされるスタンコフスキーの作品を観ていこう!

かつてSNAKEPIPEがモノクロ写真を撮影し、自分自身で現像やプリントをしていたこともあり、モノクロームの作品に注目しちゃうんだよね。
写真家としても活躍していたスタンコフスキーの写真がとてもカッコ良いよ。
左は「Begrüßung(挨拶)」で 1934年の作品だという。
俯瞰して撮影しているところがモホリ=ナギを思わせるよ。
ハットをかぶった人物とシルエットのバランスが素晴らしい!
影の面白さは右の作品も同じだね。
1932年に撮影されていて、タイトルはないみたい。
恐らく水か何かが流れて筋を作っている様子を捉えているようだね。
写真の切り取り方がデザイナーらしい、と思ったよ。
これらの作品は販売されていて、左が30.3×23.7cmで$7,500(112万円)、右が22.9×17.8cm$9,500(140万円)とのこと。
SNAKEPIPE MUSEUMに所蔵したいね!

スタンコフスキーのコラージュ作品だよ。
1927年に制作された「Foto-Auge (Foto-Eye)(写真の眼)」は、スタンコフスキーの恩師であるMax Burchartz(マックス・ブルハルツ)へのオマージュなんだとか。
ブルハルツの最も有名な作品である、ブルハルツの妻の写真を見上げるブルハルツ、傘とブルハルツの髪を組み合わせているという。
黒色の扱いが大胆で、印象的だよね。
21x 28.5cmのサイズで6.448€ (約112万円)で販売されていたらしい。
この作品も並べて展示したいね!

スタンコフスキーの代表作として知られているのがドイツ銀行のロゴなんだよね。
「史上最高のロゴ」の2位にランクインしているという情報もあるほど、世界的に有名なんだね。
ロゴ・デザインの1位はウールマーク、3位は「ブリティッシュ・レール(イギリス鉄道)」だって。
ウールマークはセーターの内側についてる、あれね。(笑)
スタンコフスキーのロゴは、1973年に発表されてから現在に至るまで、ほとんど手を加えられることなく使用されているという。
「新しく、独自であり、時代を超えていたから」というのが理由で、銀行職員でも発表されてから受け入れるまでに2年かかったと書いてある記事もあったよ。
正方形をきっちり真ん中で分けるようにはされていない右上がりの斜線が、このロゴ・デザインを特別なものにしているんだとか。
「正方形の枠は安全性を象徴し、上向きの斜線はダイナミックな発展を表している」として採用が決定したというから、ロゴ・デザインを選んだ審査員は先見の明があったんだね。
一度見たら認識できるシンプルさも強力だよね。
SNAKEPIPEも、もう覚えましたとも。(笑)

とてもカラフルなシルクスクリーンの作品もあるよ。
1981年に制作された約60cm四方の17枚組の作品なんだよね。
1から17までをデザインしていて、とても楽しいよ!
色や構図などが念入りに考えられているんだよね。
と、書いたところで「5」だけが少し「ぞんざい」な気がするよ。
どれか一つ選ぶとしたら?
迷いながら「10」にしたよ!
あなたならどれを選ぶ?(笑)

スタンコフスキーが手掛けたポスターを2点載せてみよう。
左は1978年に制作された貯蓄銀行の「世界貯蓄デー」用のもの。
数字の「8」を表しているのかな。
マットなトーンの色合いがおしゃれだよね。
右は1984年の「クライス貯蓄銀行エスリンゲン=ニュルティンゲン10周年記念」ポスターだって。
10周年だから10色を使用しているのかと思いきや8色だった。(笑)
同じ屈折線を色と方角を変えて組み合わせたデザインで、シンプルなのに複雑に見えてしまうね。
構図の見事さと空間の使い方に日本画を思わせる作品だね!

MOMAに所蔵されているスタンコフスキーの作品がこちら。
「Buchstaben und Schriften BAG A–Z 1929–1934(文字と書体)」という本を出版しているようだよ。
内容についての表記がMOMAのページにないので、恐らくスタンコフスキーがタイポグラフィについて記しているんじゃないかな。
内容も気になるところだけど、表紙(?)と思われる画像のカッコ良さにノックアウトだよね!
白、黒、赤という3色だけの配色に3種類のフォントを使用したデザイン。
文字の上に文字を重ね、フォト・コラージュならぬフォント・コラージュ(というのか)しているなんて、PUNKの切り貼りみたいだよね。(笑)

今回はドイツのグラフィック・デザイナーで写真家のアントン・スタンコフスキーについて特集してみたよ!
独自の「デザイン理論」を打ち立て、構成的グラフィックアートの先駆者であったスタンコフスキー。
ロゴ・デザインや広告ポスターなどを勉強したり仕事で関わっている人にとっては、教科書のような存在なのかも?
SNAKEPIPEは、たまたまギンザ・グラフィック・ギャラリーの企画展「アイデンティティシステム」で知り、興味を持ったんだよね。
血湧き肉躍る(大げさ)ような作品に出会えて、とても嬉しかったよ!
こんなきっかけを与えてくれたギンザ・グラフィック・ギャラリーに改めて感謝だね。(笑)

ビザール・ハロウィン・グッズ選手権!59回戦

20250921 08
【庭用デコレーション「怖い木」は高さ2.4m。LEDも内蔵だよ!】

SNAKEPIPE WROTE:

気が付くと9月後半になっているね。
今年は病院にお世話になっていた期間が長かったせいもあるけれど、2025年も残り3ヶ月あまりとは!
1年が早く感じるよね。

当ブログのカテゴリー「ビザール・グッズ選手権」では、クリスマスに関する話題をお送りしたことがある。
クリスマス・カードやプレゼントなど、何回か特集して好評だったっけ。
年内のイベントといえば、来月下旬にハロウィンがあるよね。
日本でもオレンジと紫色がコンビになった配色のお菓子がお店に並んでいたり、渋谷にコスプレ集団が現れ規制されていたりと、いつの間にか馴染のある行事になっている。
ROCKHURRAH RECORDSでは、特にハロウィンに関しての思い入れはないし、パーティーを開催することもないよ。
そのためなのか、ビザール・グッズを見逃してきたみたいだね。(笑)

今回は「ビザール・グッズ選手権」ではお馴染みの、米国Amazonで購入できるハロウィン・グッズを紹介していこう。
もちろんビザールな商品ね!(笑)

Halloween Bloody Handprint(ハロウィン用血まみれの手形」は、床やドア、ガラスなど平らな場所に貼り付けることができるステッカー。
簡単に不気味な雰囲気にすることができるという。
剥がした跡が残らないのもポイントとのこと。
8シートに95枚のステッカーがあり、お値段$7.99、日本円で約1,200円。
お手頃価格なためか、700件近くのレビューがあり、4/5の高評価だよ!
「ステッカーの質も良く、貼り付けも簡単で、とても楽しく使えました」
「価格以上の価値があり、手軽にハロウィン気分を盛り上げられます。また購入したい商品!」
などのレビューが寄せられているよ。
パーティを企画しているなら、揃えておきたいアイテムだね!

続いても室内装飾グッズね。
Red Bloody Creepy Cloth(血まみれの不気味な布)」のご紹介。
3種類のサイズがあり、一番大きなものは12m×2mというから、かなり大きさがあるよね。
天井から吊るしたり、ソファやテーブルにかけたり。
カットしても良し、引き裂いてドアや窓を覆うこともできるんだとか。
素材はポリエステルなので耐久性があり、染色の匂いもしないという。
色は他にも黒やピンクなど全部で5色。
ハロウィンらしく赤を選んでみたけど、ホラーっぽくなりそうだよね。(笑)
一番大きなサイズで$19.99、およそ3000円ほど。
ユザワヤで同じくらいの大きさの布を買ったらもっと高くなりそうじゃない?
2000件近くのレビューで4.5/5の評価を受けているのも納得。
蚊帳にもなりそうだから、日本に配送してもらおうか。(笑)

続いては小道具ね。
Thing Hand Wed Addams Family(アダムス・ファミリーの「ハンド」)」 は、商品名にあるように「アダムス・ファミリー」に登場する「ハンド」のデザインを忠実に再現したファン待望の商品と宣伝されているよ。
傷や縫い跡まで忠実に再現され、生々しくリアルな雰囲気を演出することが可能で、アート作品のようだという。
「アダムス・ファミリー」は、1937年に雑誌の1コマ漫画として登場し、1973年にテレビアニメ化された後、1991年に実写映画として登場する。
SNAKEPIPEが知っているのは、この映画だよ。
主題歌を担当していたのがMCハマーだもんね、懐かしい。(笑)

この商品が販売されたのは2023年からみたいだけど、今でも多くの「アダムス・ファミリー」ファンがいるってことだね。
子供がハロウィン・パーティで使うために購入した、などのレビューがあり、大人気商品だよ。
$12.99、日本円で約2,000円なので、お手頃だよね。
コスプレで1回使うだけだったとしても、子供や孫のためなら惜しくない金額かもね?(笑)

Hanging Swinging Girl (吊り下げブランコ少女)」、2種類を乗せてみたよ!
左の画像は、高さ約114cmで屋内外どちらにも吊るせる人形なんだよね。
手を叩いたり声を出すと作動し、不気味な音声と赤く光るLEDの目が点灯するんだって!
友人やご近所を緊張させ、悲鳴をあげさせること間違いなしと宣伝されているよ。
レビューに「近所のハロウィンで見かけてもっと高価なものだと思っていましたが、この価格で手に入るのはお得。絶対に持っておくべきアイテムです。」と書かれていてびっくり!
近所の人が持っているのを見て、自分も欲しくなったってことだよね。
レビューを書いた人の近隣は、悲鳴だらけだろうな。(笑)
お値段が$35.99、日本円で約5,300円。
想像よりはお買い得だけど、SNAKEPIPEは遠慮しておくね。(笑)

屋外用のデコレーションとして「Outdoor Solar Scary Eyeball Lights(屋外用 ソーラー式 怖い目玉ライト)」はいかが?
雨や雪などの防水に対応していて、日照時間が4時間ほどでも一晩中点灯していたというレビューもあったよ。
血走った緑色の目玉で通行人を驚かせましょう、とお勧めされている。
8個の目玉でワンセット、このセットが4つ入って目玉が全部で32個になるらしい。
設置した人の画像を見ると、不気味というよりは美しい装飾にみえるよ。
ソーラー式のライトと考えると$23.73、日本円で約3,500円はお買い得かも。
ハロウィン用としてだけではなく使用できる逸品だね!
レビュー件数が6500件以上で、評価が4.5/5なのも納得だよ。

続いても屋外用ね。
画像左は「Zombie Hands and Skull Set(ゾンビの手と頭蓋骨セット)」、画像右は「Zombie Arm(ゾンビの手)」。
どちらも庭に埋めるタイプのデコレーションで、ゾンビが地面から這い上がってくる様子を表現している。
日本の庭に配置したら警察を呼ばれてしまいそうだけど、アメリカでは人を怖がらせて楽しむアイテムなんだね。
左は$22.74(約3,300円)、右は25.99(約3,800円)なので、悪ふざけするにはお手頃価格なのかな。

続いても警察沙汰を懸念してしまうアイテムだよ。
Hanging Corpse Dead Victim(吊るし死体)」は、ベストセラー商品らしいね。
体長150cmほどの人型に空気を入れて膨らませ、黒いビニール袋をかぶせてテープを巻くという単純な作りだけれど、効果は絶大!
吊るしても転がしても、ゾッとするだろうね。
「庭に恐怖の雰囲気をしっかり加えてくれて、トリック・オア・トリートの子供たちや近所の人からも大好評でした!」というレビューがあったよ。
SNAKEPIPEは犯罪めいていて怖いアイテムと感じてしまったけどね?
$12.99、日本円で約1,900円はお手頃価格!
今年のハロウィンでも、たくさんの家で使用されているんだろうね。(笑)

およそ1ヶ月後のハロウィンで人気のビザール・グッズを紹介してみたよ。
アメリカでは自宅を装飾してパーティを催したり、子供がお菓子をねだりに訪れたりするだろうからデコレーションに熱心なんだね。
リアルにホラーっぽく演出するのが好みのようなので、少し理解しがたいアイテムも売れ筋になっていることがわかる。
そして日本の家とは違って、アメリカの家や庭が広いから装飾できるんだね。
ビザール・グッズを検索することで、住宅事情がよく分かったよ!(笑)