ROCKHURRAH RECORDS暑中見舞い2026

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【危機紀元205年のNatural Selection号を土星と共に撮影(ウソ)】

ROCKHURRAH WROTE:

ROCKHURRAH RECORDSでは毎年、元旦と暑中見舞いの季節にポストカードを作ってちょっとした記事を書いてるんだけど、それが「ROCKHURRAH POSTCARD」というシリーズになるよ。
夏の方は大体立秋(8/7頃)を過ぎてから書く事が多くて残暑見舞いになってしまうけど、今年はその少し前なので暑中見舞いとなったね。

自分ではあまり気づいてなかったけど、2021年以降はずっとROCKHURRAHがポストカード担当になってるな。
単にポストカードを作った本人だからというのもあるけど、普段のブログ執筆(大げさ)が極端に少ないROCKHURRAH、この辺でも登場しないと存在感なさすぎになってしまうよね。

この季節になるとおそらく毎年思い出すに違いない去年の出来事。
去年の夏にSNAKEPIPEが大きな病気で手術した時、ROCKHURRAHは手術の立会いも出来ず待合室で一歩も動かずに祈っていた。
その手術ではおそらく日本一と言われる大変に有名な病院だったが、付き添いも立ち会いも禁じられてて、手術後のHCUで数分の面会のみ。
次に会えるのは退院の時だけという決まりがあって、ROCKHURRAHはそれに従うしかなかったのだ。
麻酔で眠ってるSNAKEPIPEを悲しげに見つめるだけしか出来なかったのを思い出すよ。
手術は成功したと言われても実際に見るといろんな器具を付けられていて、痛々しいという思いから色々な想像をしてしまう。
やっと安心できたのはSNAKEPIPEからちゃんとしたメッセージが来た頃かな。
以前と同じとはいかないまでも、今ではすっかり元気になってくれて本当に良かったよ。

正月以来ほとんど書いてないから近況というにもあまりにも久しぶり過ぎなんだが、うーむ、何かあったかな?
今年の夏を乗り切るためにウチのエアコンを新調したというどこの家庭にでもあるようなトピックくらいしか思い浮かばないよ。
エアコンと言えばROCKHURRAHとは切っても切れない悪縁のある機器。
昔、水漏れ事件とか指切り寸前事故とか痛ましい出来事があったもんね(この記事参照)。
あれからもう11年も経つのか。

それから二度の引っ越しをして今のところに落ち着いたが、古い家で引っ越しの時にリフォーム予算がかかり過ぎて、他の新調が出来ずに今に至っていたのだ。
前に付いてたのはイマドキ見ることがないであろうナショナル製のエアコン、効きがいいとか悪いとか以前に人が見たらビックリされるレベルだな。
来年はエアコンが高くなるという話だから買い替えといて良かった。
昔のと比べて冷えすぎないからちゃんと効くけど寒くない、エアコン苦手なSNAKEPIPEにも多少は優しいね。

ポストカードは時間があまりなくていつものROCKHURRAHっぽくはないけど、プラモデルのパッケージ画像とか昔のポスターとかを、さも自分で撮った写真のように見せかけてみた。
あるアーティストの手法を真似ただけなんだけど、わかるかな?

劉慈欣の小説「三体II」に登場する自然選択号(日本語で書くと少し情けない)との事だが、小説にしか出てこない宇宙船艦なのにプラモデル化されているのにはビックリだよ。
作者に「こんなんでいいですかね?」とか聞いたのかな?
ポストカードも「三体II」に出てくる危機紀元205年がテーマとなっているよ。
こうしてみると前のエアコンのくだりに出てくる「悪縁のある機器」や「効きがいいとか悪いとか以前に」がROCKHURRAHの周到な計算による伏線だった事がわかるだろう。
え?何も感じなかったのか?

というわけで去年はROCKHURRAH家にとってDisorderな出来事が重なったけど、今年は無理をせずマイペースで日々を楽しく送っていければいいかなと思うよ。
健康のための運動もしてゆくつもりだから、2人で頑張ろう。

ではまた再见(誰でも知ってるが中国語で「サヨナラ」)

映画の殿 第85号 ロニー・ザ・ホーク編

20260726 top.
【ウィル・フェレルの画像が4つも入っていて嬉しい!】

SNAKEPIPE WROTE:

2014年3月から9月にかけての半年間、熱中して観ていたのがアメリカの俳優・コメディアンであるウィル・フェレル関連の映画。
スポ根だったりダメダメな人物を演じるなど、「ある一定の法則」にもとづいたストーリー展開が多いのが特徴だよ。
似た印象の映画と思いながらも、涙を流しながら大笑いし下品なジョークを楽しんだんだよね。(笑)
ウィル・フェレル関連の特集は4回続き、2020年8月には「映画の殿 第39号 ユーロビジョン歌合戦」について感想をまとめている。
2025年1月にAmazonプライムで公開された「真心を込めて招待します」では、少しソフトになったウィル・フェレルを鑑賞したよ。
娘を持つ父親役だったせいもあり、どぎついギャグは少なかった印象だよ。

そして2026年。
ゴルファーの服装をしたウィル・フェレルの画像を目にする。
「なんだこれは!」(笑)
ROCKHURRAHと共に目を見張る。
映画なのかドラマなのか不明なまま、Netflix配信開始日である7月16日に詳細を確認してみる。
ウィル・フェレルが伝説のプロゴルファー役を演じるドラマだというから驚いた。
ROCKHURRAH RECORDSが知る限り、今まで映画俳優として活動していたはず。
動画配信サービスのドラマに主演するとは、期待大だよ!(笑)
大ファンのウィル・フェレルと、大好きなゴルフのミックスなんて最高だもんね。

2004年世界ランク1位だったプロゴルファー、ロニー・ホーキンスは、キャリアの終盤に入ってもかつての輝きを取り戻そうと奮闘中。
体は引退をさけぶが、心の声がまだ終わっていないと告げているのだ。
元妻やゴルフ界の新星となった息子ランスからすれば、彼の時代はもうとっくに終わりなのに。
しかし、メジャー選手権をあと1つ制覇すれば、グランドスラム達成。
ゴルフ史上最大のカムバックにあとほんの少しで手が届く、ロニーはそう信じて突き進む!
(Filmarksより)

あと一つメジャー・タイトルを獲得すればグランド・スラム達成なんて、今年ローリー・マキロイが達成したばかりのHOTな話題だよね。
ROCKHURRAHと一緒に応援しているジョーダン・スピースもロニー・ホーキンスと同じ状態だよ。
毎週PGAツアーを観戦しているROCKHURRAH RECORDSが得意としているジャンルなので、話が止まらなくなるね。(笑)

トレイラー観るだけで、いかにもウィル・フェレルらしい役作りにニヤニヤしちゃうよ。
ダメ男ぶりが発揮されているもんね。(笑)
以前の映画でもよく「パンツ一丁」になることが多かったウィル・フェレルだけど堂々とポーズを決めてる画像を発見したよ。
俺たちダンクシューター」でジャッキー・ムーンを演じていた時にも、似たポーズを取っているね。(笑)
18年経過しても、下ネタで笑わせてくれるのはさすが!
アラニスとモリセットには大笑いしたよ。(笑)
女性に人気がある、という設定も健在なんだよね。
「俺ってセクシー」を見せつけるような、赤いキャデラックとパープルのパンツ!
ラメにファイアーまであしらわれてギンギンだよね。(笑)
ゴルフ・クラブをギターに見立て、「キュイイイン」と鳴る音に合わせて動く。
サンバイザーに縁が白いサングラス、プレイ中のタータンチェックのパンツなどは、プロゴルファーのイアン・ポールターを彷彿させるよ。
全米オープンが開催されることが多いペブル・ビーチの18番ホールが、様々な舞台になっていてハラハラしたよ。
由緒あるゴルフ・コースで「あんなこと」して良いのか?(笑)
PGAツアーが全面協力してるらしいので、大丈夫なんだね。

ロニーと別居中の妻、ステイシーを演じたのはモリー・シャノン。
ボティラインを強調した服を着た、こちらもセクシー自慢なんだよね。(笑)
別居中でも一応は人妻でありながら、夫であるロニー公認の恋人がいる設定だよ。
自分ファーストの身勝手なタイプに見えたけど、違ったみたい。
演じているモリー・シャノンは、あまり見覚えがないと思っていたら「ツイン・ピークス」に出演していたことが分かった!
シーズン2の19話に出てきた「ハッピー・ヘルピング・ハンズ」という養子縁組をサポートする組織のスタッフだったみたい。
あまり覚えていないよ。(笑)

ロニーとステイシーの息子であるランスもプロゴルファーなんだよね。
筋トレに励み、ムキムキの肉体を誇らしげに見せている。
鍛え上げられた肉体を持つゴルファーで連想するのはマキロイだよね。
意識していたかもしれないね。(笑)
演じていたのは ジミー・タトロ。
俳優になる前は全国各地でコメディを披露していたという。
声質に特徴があるので、どんなギャグを飛ばしていたのか気になるよ。
映画のデビューはアダム・サンドラー主演のコメディ映画だというから、ウィル・フェレルとの共演も納得だね!

長年コンビを組んでいたロニーのキャディが急逝してしまったため、次のキャディになったのがサム。
サマンサの愛称がサムなんだね。
世界各国にあるスーパー・マーケット、ウォルマートの駐車場でロニーからスカウトされる。
キャディの急逝と異業種からのスカウトといえば、先日鑑賞した「俺は飛ばし屋/プロゴルファー・ギル」も似た展開だったよね。
ギルの時はウエイターだったけど、サムの前歴はちょっと危ないね。(笑)
サムとロニーの掛け合いが見事だったので、途中でキャディ交代させられた部分は不必要だったように感じたよ。
サムを演じていたのはフォーチュン・フェイムスター。
作家やコメディアンとしての顔も持つ1980年生まれの女優だって。
ウィル・フェレルに負けないスピード感で、良いコンビネーションだったね!

ロニーのグランド・スラム達成を阻んだのが、ゴールデン・フィスク。
この名前は「ゴールデン・ベア」のニックネームを持つ、ゴルフ界の帝王ジャック・二クラウスにちなんでいるんだろうね。(笑)
ロニーが低迷していた時期にも、フィスクはPGAツアー参戦中という設定だよ。
2026年にもロニーのライバルとして登場している。
演じているルーク・ウィルソンの地毛は黒っぽい色なのに、ニクラウスらしく金髪にしているところがミソだよ。(笑)
どこかで見たことあると思ったら、「アダルト♂スクール」で主人公ミッチだったね。
オーウェン・ウィルソンの実の弟なので、兄弟揃ってウィル・フェレル関連の映画に出演しているとは、コメディ一家なのかも。

ウィル・フェレルが主演のストーリーは、展開がほとんど同じだけれど夢中になって鑑賞してしまう。
ダメ男だけど心は優しく、最終的には丸く収まりハッピーな気分になる。
「ロニー・ザ・ホーク」でもやっぱり最後は「Greatest Golfer In The World」になっていて、とても良かったね。
来年還暦を迎えるウィル・フェレルだけれど、下品な下ネタが相変わらずで安心したよ。(笑)
いつまでもこの路線で突き進んで欲しいと願っているよ!
海の日の連休を使って、一気に鑑賞してしまったので、少し経ってから再鑑賞したいね。

ロン・ミュエク展 鑑賞

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【会場入口の看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

森美術館で開催されている「ロン・ミュエク展」は、2026年の目玉企画の一つであることは間違いないだろう。
「日本では18年ぶりの大回顧展」と銘打たている気になる企画展だよ!
ロン・ミュエクといえば、青森県の 十和田市現代美術館に所蔵されている、4mを超える大作「スタンディング・ウーマン」が有名だね。
ROCKHURRAH RECORDSでは2014年8月の「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展」において、初めてロン・ミュエク作品を鑑賞したっけ。
あまりにも精巧な造形に感動したことを書いているSNAKEPIPE。
「ハイパーでスーパーでリアルな彫刻」
と評しているよ。(笑)

長年来の友人Mから「ロンロン観に行こうよ」と誘いを受ける。
勝手にあだ名をつけて呼ぶのが友人Mの特徴なんだよね。
会田誠は「まこっちゃん」、フランシス・ベーコンは「ベーコンさん」白髪一雄は「かずおちゃん」などと呼んでいる。
ロン・ミュエクのことは「ロンロン」に決めたらしい。(笑)
友人Mと展覧会を鑑賞するのは2022年8月の「ライアン・ガンダー」や「野口哲哉」以来で、ずいぶん久しぶりだよ。
六本木ヒルズでランチを食べ、森美術館に向かう。

53階の美術館に向かうエレベーターが満員だったので、嫌な予感がする。
会場に入るまでのエスカレーターも行列していて、ロン・ミュエクの人気ぶりがよく分かる。
一つの作品に群がって鑑賞する人の多さに困惑するほどだよ。
森美術館は全ての作品の撮影可能で、動画撮影も1分以内OKという太っ腹対応なので、余計に群がってしまうんだよね。
最初に展示されていたのは、2009年制作の「枝を持つ女」。
全裸で枝を抱えたら痛いだろうに、と思う。
重くて踏ん張ってる様子が伝わるよね。

2005年の「イン・ベッド」は、6m以上の大型作品なんだよね。
現代アートらしく観た瞬間に「うわっ」と驚かされるインパクトの強さ!
上空を見つめる視線を正面から捉えることはできないよ。
よほど背の高い人だったら可能かもしれないけれどね。(笑)
物憂げに考え事をしている大きな女性は、リアルすぎるほどリアル!
ロン・ミュエクの作品に登場する人物は皆、想いを巡らせているんだよね。
にっこり笑顔の人が見当たらないのが特徴みたい。

先に書いた2014年に開催された展覧会でも鑑賞していた「若いカップル」だよ!
あの時はじっくり観察し近寄り過ぎてしまい、係員から注意を受けたっけ。(笑)
1mに満たない身長のミニチュアサイズ。
ティーンエイジャー(?)の男女が寄り添っている。
服装から季節は夏だと分かるけど、全然ハッピーに見えないよね。(笑)
厳しい家庭で育っている少女が「親に交際がバレないか」を心配している?
駆け落ちの相談をしてるとか?
10代の悩みははっきり分からないけれど、若いうちはもっと笑って欲しいね!

初期の代表作「エンジェル」は日本初公開なんだとか。
「個人蔵」とのことなので、鑑賞できる機会は少ないよね。
1997年の作品「エンジェル」は、今回の展覧会の中で最も古いみたい。
天使なのに悩んでる姿が不思議な感じ。(笑)
ロン・ミュエクは1996年から作品を発表している、活動歴30年のアーティストなんだね。
当初はテレビや映画用のパペットや小道具などを制作していたという。
代表作はデヴィッド・ボウイが出演していた「ラビリンス/魔王の迷宮(原題:Labyrinth 1986年)」なんだとか。
ロン・ミュエクは声優としても参加しているみたいだよ。

ロン・ミュエクご本人がモデルになっている「マスクⅡ」は、2002年の作品。
幅が約120cmあるんだよね!
巨大な自分の顔を制作するのって、どんな気分だろうね?
展覧会で展示されて大勢の人の目に触れるわけだし。
友人Mが「ザ・スミスって感じ」と言う。
「モリッシーに似てない?」というSNAKEPIPE。
結局2人とも同じ連想をしてたんだよね。(笑)
横尾先生の作品「The Artists」にあったロン・ミュエクの肖像がこちら(画像右)。
「マスクⅡ」とは違った印象を受けるよね!

無数の巨大な髑髏が積み上げられている。
「マス」というタイトルの彫刻100点だって。
この作品も展示会場に足を踏み入れた途端「うわっ」と驚かされるよ。
歩くための道は確保されているけれど、見渡す限りのドクロは圧巻!
しばらく撮影をしていると、だんだん見慣れてくるから不思議だよ。
「大量生産だね」と言い放つ友人M。(笑)
友人Mはパリの「カタコンブ・ド・パリ」で本物のドクロを見ているので、衝撃が少ないかもしれないね。

会場には「スティル・ライフ:制作中のロン・ミュエク」という動画も展示されていた。
あまりの人の多さに辟易して、鑑賞を断念したよ。
YouTubeに同じ動画もあったけれど、デヴィッド・リンチがロン・ミュエクを訪問した動画を載せておこう!
ロン・ミュエクもデヴィッド・リンチもカルティエ美術館と関わりがあるので、その流れでの対面だったのかな。
リンチが作品を観て感動している様子が伝わってくるね。(涙)

先にも書いたように、ロン・ミュエクの活動歴は30年で作品数は50点だという。
そのうちの11点が展示され、日本初公開作品が6点含まれているので鑑賞できて良かった展覧会だよ。
パリのカルティエ美術館から「イン・ベッド」のような大型作品を移動させるのって大変だろうね。
以前テレビで仏像や絵画作品を運ぶドキュメンタリーを観たことあるけど、なにせ1点物だし貴重な文化財を傷つけないように運搬するのは至難の業。
ロン・ミュエクの作品も苦労して集められたんだろうね。
森美術館の広い展示室にポツンと作品が1点だけ置かれていたり、全く何も展示されていない空間があるのは物足りない感じがした。
パネル展示も苦肉の策のように見えてしまった。
実物を鑑賞できる機会ではあるけれど、イマイチ感はぬぐえない。
行ったから言える感想だね!(笑)

杉本博司 絶滅写真 鑑賞

20260712 top.
【薄明るい空をバックに看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

2024年11月の「江之浦測候所 見学」他、当ブログでは何度も登場している現代アーティストの杉本博司。
東京国立近代美術館で個展が開催されることを知ったのは、2026年2月の「アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」を鑑賞した時にフライヤーを入手したからだよ!
絶滅写真」なんて、物騒なタイトルがついているよ。
「これは行かねば」と頭の片隅に置いて、忘れていなかったんだよね。(笑)
ROCKHURRAHの誕生祝いとして、この展覧会鑑賞もプレゼントしたのである。

梅雨はまだ明けていないけれど、雨は降らない予報の日、竹橋に向かう。
皇居のお堀周りは、道幅がゆったりしていて散歩コースに最適だよね。
この日は人が少なめだったので、余計に歩きやすかったよ。
会場内も予想よりお客さんが少なくて、ゆっくり鑑賞することができた。
撮影に関してはすべてOK、海景シリーズにいたっては動画撮影も可能とされている。
さすが杉本博司!(笑)
鑑賞者の気持ちに寄り添ってくれてありがとう!

1975年から制作された「ジオラマ」シリーズは、アメリカ自然史博物館の展示物を撮影した作品で、杉本博司のデビュー作なんだよね。
「現場で撮影したような」仕上がりになっているところがポイントらしい。
実際に撮影された、人類創世の場面に思えたからね!
1976年、シリーズの中の一枚「Polar Bear」がMOMAに買い上げられているという。
70年代からコンセプトと作品がしっかりしている証拠だよね。
「ジオラマ」シリーズは、マルセル・デュシャンのレディ・メイドの系譜なんだろうな。
ニューヨークにある自然史博物館のジオラマとの比較もしてみたくなるね!

「劇場」シリーズを最初に観たのはいつだっただろう。
空っぽの客席と眩しい光を放つスクリーン、妙にくっきりした背景の意味が分からなかったSNAKEPIPE。
写真家だった父に尋ねると「1枚の写真に映画1本が写ってるわけよ」とニヤニヤしながら答え、「頭のいい人は考えることが違うねえ」と感心していたことを思い出す。
映画のスタートでシャッターを開き、映画終了でシャッターを切る長い露光時間をかけ、映画と時間を1枚に封じ込めている作品群なんだよね!
映画のタイトルもキャプションに加わっていた時もあったように記憶しているけれど、今回は劇場名だけが表記されていた。
載せた画像は、ディズニーの「白雪姫」が映写されていたとのこと。
廃墟と化した劇場にグッときたSNAKEPIPEだよ!

お馴染みの「海景」シリーズがズラリと横に並んでいる。
119.4 × 149.2 cmという大きさの作品が7枚とは、圧巻!
画像はROCKHURRAHが撮影してくれたパノラマ写真だよ!
「原始人の見ていた風景を、現代人も同じように見ることは可能か」
という問いから撮影された企画だという。
空と海が真っ二つという構図は、どの作品でも一緒。
シンプルな作品なのに、圧倒的な存在感とインパクトがあるんだよね!
ベンチに座ってゆったり鑑賞できるのが良かった。
今は亡き「川村記念美術館」にあったロスコ・ルームにいる時と同じ感覚になる。
ロスコ・ルームにあった作品数も7点だったはずなので、今回の展示は意識的なのかもしれない。
原始から現代まで変わらない悠久の時をしっとりと感じられたような気分になる。
ちなみに「川村記念美術館」は2030年頃六本木の国際文化会館に移転されるらしいので、またロスコ・ルームを訪問したいね。

「建築」シリーズを観たのは初めてだと思う。
1997年から制作されたのは「焦点をボカすことによって、建築が建つ前の建築家の脳内ビジョンを再現」しようとする試みだという。
クライスラービルやワールド・トレード・センターがピンぼけで撮影されている。
作品を鑑賞している時には杉本博司のコンセプトを知らなかったけれど、一目惚れしてしまった。
ROCKHURRAHも同じ感想を持ったという。
載せた作品は2002年の「バラガン邸」。
構図と形がバッチリ決まってて、カッコ良いね!

突然、クリスチャン・ディオールのドレスが登場して驚く。
何事かと思いながら進むと「観念の形」が並んでいるのを観て納得!
ドレスを「形」として捉えているんだね。
「観念の形」は「三次関数の数式を立体化した石膏」を撮影したシリーズ。
数式を具現化する作品を初めて観たのは、2023年の「ワールド・クラスルーム」だったみたい。
江之浦測候所にも「観念の形」が展示されていて、金属が放つ光に見入ったものよ。
ピカピカ光っていて美しいんだよね!(笑)

世界中の有名な人物の肖像写真が展示されている。
何百年も前に亡くなったはずの歴史上の人物まで撮影されていて、不思議だよ。
これらの写真群は「肖像」シリーズで、ロンドンにあるマダム・タッソー館の蝋人形を撮影したものだという。
杉本博司のデビュー作「ジオラマ」シリーズと同じ手法で、既存の展示物を「肖像写真のように」撮影したものなんだね。
蝋人形の精巧さに目を見張り、杉本博司がリアルタイムで撮った本物の肖像写真に見えるところにも舌を巻く。
日本の象徴だった「あの方」も蝋人形になっていたとは、びっくり!

中国のSF作家・劉慈欣(リウ・ツーシン)が2006年に発表した「三体」に夢中になったことは「映画の殿 第71号 三体 テンセント版」で熱っぽく語っているSNAKEPIPE。
雷を見ると「三体」や球状閃電を想起するようになっている。
これはROCKHURRAHも同じで、杉本博司の「放電場」を観た瞬間、頭に浮かんだのは「三体」だという。
「暗室内で人工的に放電を発生させ、その小さな雷のような光跡をとらえた」シリーズなんだとか。
この発想がまさに球状閃電だよね。(笑)
とても気に入ったので、スマホの待受画面に採用させてもらったSNAKEPIPEだよ!

観た瞬間「ロスコだ!」と思う。
赤と黒のバランスがロスコ風だけど、画面が2分割されているところは「海景」だよね。(笑)
色合いがとても美しいよ。
「Opticks(オプティクス)」は、アイザック・ニュートンが1704年に出版した「光学」に載っている分光実験を再現し、光の色を撮影したシリーズだって。
この実験をするために英語版の初版を購入した、と書かれている。
AIに値段を聞いてみたら、600万円から2500万円と幅のある答えが返ってきたよ。
歴史的な価値やコンディションによって価格が変動するためらしい。
そんなに高額な「光学」(プッ!)を購入して、実験をしたと知り、改めて杉本博司の意気込みを認識したよ!

1970年代のデビュー作から現在までの写真展示は見応え充分!
すべての作品に添えられた短歌も面白くて、笑ってしまう文章もあったよ。(笑)
タイトルの「絶滅写真」とは、デジタルに置き換わりつつある銀塩写真のことを表しているらしい。
杉本博司は確乎たるコンセプトに基づき「これを撮る」とテーマを決めてから撮影を行っている。
解説を文章化できる、写真を使った現代アートなんだよね。
コンセプトを決めるために自問自答することや能と杉本作品についての考察が図録の解説に載っていて、興味深かったよ。
載せた画像は2021年10月「The Artists」展で観た、横尾先生が描いた杉本博司の肖像。
背景を白と黒で2分割されてても良かったかも、と思ってしまうよ。(笑)

かつては写真撮影が趣味で「マイ引き伸ばし機」を持ち、自分で現像や焼付やっていたSNAKEPIPEも、今はデジタル写真しか撮っていない。
現像するまで何が写っているか分からず、ドキドキしていたあの頃が懐かしい。
レコードも同様でアナログ文化が衰退していることは非常に残念に思うよ。
「江之浦測候所」を遺作とし、この展覧会に向けて「私は銀塩写真の寿命と私の寿命とが響き合っていることに幸せを感じている」という言葉を記している、現在78歳の杉本博司。
何をおっしゃるウサギさん!(笑)
まだまだ銀塩写真を使ったコンセプチュアル・アートを見せて欲しいと思う。
「江之浦測候所」も再訪問したいね!