映画の殿 第50号 Netflixドラマ編 part6

20220320 top
【誰がどのドラマに出ていたか、分かるかな?】

SNAKEPIPE WROTE:

Netflix加入前には、週に2本程度の映画を鑑賞していたROCKHURRAH RECORDS。
最近はドラマ鑑賞が多くなっているんだよね。
特に韓国ドラマを好んで観るようになっているので、今まで何度も「映画の殿」で紹介しているよ。
本当は「映画」じゃないのにね?(笑)

2022年1月に「映画の殿 第49号 Netflixドラマ編 part5」を書いてから、わずか2ヶ月。
短いスパンで、またもやドラマの紹介ブログになってしまったね。
今回もシーズン1が10回程度のドラマが多かったのが理由かな。
早速紹介していこう!

最初に紹介するのは「Sweet Home -俺と世界の絶望-(原題:스위트홈 2020年)」。
ウェブ漫画のドラマ化とのこと。
今までも何度か漫画が原作のドラマを観ている気がするよ。
韓国の漫画を読んだことないけれど、かなりエグいんだろうね。
このドラマもタイトルとは裏腹の展開が待っていたし。
「Sweet Home」のあらすじとトレイラーを載せておこう。

ある日突然、残忍な怪物に姿を変えた人間たちが暴走するさまを描く。
「グリーンホーム」という古びた集合住宅の住民たちは、生死をかけて怪物と戦うことになる。
(Filmarksより)

マンションに閉じ込めれるパニック物で思い出すのは、2007年のスペイン映画「REC/レック(原題:[Rec])」や「#生きている(原題:#살아있다 2020年)」だよ。
逃げられない状況の中、なんとかピンチを乗り越えていくというのは、恐怖だもんね。
「Sweet Home」で珍しかったのは、怪物の形態が各々違っていたこと。
感染する原因も、他のホラー物とは一線を画していて、面白かった。
途中で出てきた怪物が、「地獄が呼んでいる」と同じで使い回しか?(笑)
主人公チャ・ヒョンスが、途中から急に正義の人になっていくところが腑に落ちなかったかな。
シーズン1の終わり方が思わせぶりだったので、2はあるのかもしれないね?

続いては「サンガプ屋台(原題:쌍갑포차 2020年)」。
「Sweet Home」の切羽詰まった暗い状況に疲れを感じたため、コメディ要素を含んだドラマをチョイスしたんだよね。(笑)
「サンガプ屋台」の最初は時代劇で、シリアスな雰囲気だったから選択を間違えたのかとヒヤヒヤしてしまったよ。(笑)
イントロと本編は違っていたので良かったよ。
あらすじとトレイラーは、こちら。 

この世とあの世を舞台に、人の夢に入り込むことができる不思議な屋台の女将・ウォルジュと、屋台に関わる人たちを描くファンタジックなカウンセリングドラマ。
ウォルジュは、ある目的のため、特異体質に悩む青年・ガンベをアルバイトとして雇うことになる。
(シネマトゥデイより)

時代劇の時のウォルジュは可憐な乙女だったのに、屋台の女将になった途端、品がない女になっている点がマイナス要素だったよ。
これはもしかしたら、この女優の性質なのか?(笑)
アルバイトとして雇われるガンペを演じたのは、「元カレは天才詐欺師」で主役だったソ・イングクだと勘違いしてしまったSNAKEPIPE。 
ガンペはユク・ソンジェという「トッケビ」にも出ていた俳優だったとはね! 
閻魔大王役としてヨム・ヘランが出演していて嬉しくなる。
「カウンターズ」の続きも楽しみだよね。(笑)
「サンガプ屋台」は過去と現在が交錯して、笑いあり涙ありの展開が楽しいドラマだったよ。
あんな屋台があったら行ってみたいよね。(笑)

ついに観ることを決断した「愛の不時着(사랑의 불시착 2019年)」。 
世界的にヒットしたドラマとして有名なので、「冬のソナタ」に次ぐラブ・ロマンス物だと敬遠していたんだよね。
要素の一つとしてロマンスが入るのは良いんだけど、ラブ・ストーリーになってしまうのは苦手なROCKHURRAH RECORDS。
観ていないうちから判断するのはどうだろうと思い直し、まずは1話観てみようと提案してみる。
北朝鮮を描いているシーンにも興味あったしね!

ある日、パラグライダーに乗っていた韓国の財閥令嬢が、突如竜巻に巻き込まれ、非武装地帯 (DMZ) を越境してしまい、北朝鮮 (北韓) に不時着したところを、北朝鮮の軍人に救助され、真実の愛に不時着するラブストーリー。(Wikipediaより)

あらすじにはしっかりと「ラブ・ストーリー」って書いてあるけどね。(笑)
それにしてもWikipediaの説明、これで1文とは長いっ!
SNAKEPIPEはラブの部分じゃなくて、北朝鮮の兵士と村のおばちゃん達が好きだったよ。
「耳野郎」を演じたキム・ヨンミンは、「マイ・ディア・ミスター」では社長だったのにね!(笑)
主役の北朝鮮兵士を演じたヒョンビンは、「アルハンブラ宮殿」の時にはピンとこなかったけれど、軍服姿が良く似合っていたね。
途中で「アルハンブラ宮殿」のセルフパロディが入って、笑ってしまった。(笑)

実際には北と南を簡単に行き来なんてできないだろうし、匿うなんてもっての他だよね。
自分の生死に関わるほどの重罪になるんじゃないかな。
ただ北と南の友情を描く映画は、今までに何本も観ていて、本来は同じ国で同じ民族なのに、と残念に感じるよ。
食わず嫌いにならず、観て良かったドラマだったね!

次はゾンビ物「今、私たちの学校は…(原題:지금 우리 학교는 2022年)」を観ることにした。
すでに「イカゲーム」や「地獄が呼んでいる」を超えるヒット、というニュースは耳にしていていたので、「愛の不時着」が終わって迷うことなくチョイスしたよ。
逃げられない状況下でのパニック物という点で、最初に書いた「Sweet Home」と似ているホラーになるのかな。
そしてこのドラマもウェブ漫画が原作だって。 

とある小さな町で平凡に暮らす高校生たちが、校内で突如ゾンビ化した同級生たちに襲われる恐怖と、混乱の中でむき出しになる人間の性、生き延びるために協力し合う生徒たちや人々の絆を描いている。(MOVIEWALKERより)

「今、私たちの学校は…」が、数あるゾンビ物と大きく違っているなと感じたのは、その発生起源が明確なこと。
大抵の場合は突然ゾンビが出現して、あれよあれよと言う間に感染が拡大していくパターンだからね。
ある意味では復讐ともいえるゾンビウイルス感染だけど、友人が壊れていく様を目にするのは辛いよね。
たとえ生き残ったとしても、誰かの犠牲によって生かされた記憶を持ち続けなくてはいけない。
それも残酷だよね。
このドラマですごかったのは、ゾンビたちの迫力!
あれほど多くのエキストラがゾンビとして熱演した映像作品は、他にないんじゃないかな。
シーズン2があってもおかしくないような終わり方だったけど、続きはあるのかな?

未成年裁判(原題:소년 심판 2022年)」はタイトルからして社会派ドラマだと分かるよね。
未成年による犯罪という、ちょっとスリリングな内容のドラマ。
一体どんな展開になるのか期待しながら観始めたよ。
主演のシム判事を演じたキム・ヘス(画像右上)は、「コインロッカーの女」や「グッバイ・シングル」で観ていたけれど、ここまでシリアスな顔をする女優とは知らなかったよ。
相棒になるチャ判事を「記憶の夜」や「悪人伝」で馴染みのあるキム・ムヨル(画像左上)が演じている。
画像右下は「ミセン」でオ課長を演じたイ・ソンミン、画像左下は「パラサイト」や「椿の花咲く頃」で有名なイ・ジョンウン
またあの北朝鮮ニュースのモノマネ目当てで、「パラサイト」を観てしまったSNAKEPIPEだよ。(笑)
イ・ジョンウンとヨム・ヘランは大注目女優だね!

未成年犯罪への嫌悪を抱きながら、正義と処罰に対する信念を貫く冷静沈着な少年部の判事。
その仕事は、複雑な事件と向き合い、罪を犯した若者に審判を下すこと。(Netflixより)

法に則り、裁判を行う者として感情に走ってはいけないとは頭でわかっていても、あまりに非道な未成年達を人間として扱って良いのかとすら疑問に感じてしまう。
シム判事が能面のように表情を崩さないのも、そんな感情を封じ込めるための仮面だったのかな。
日本でも同様の事件が報道されることがあり、考えさせられるドラマだったね。
それにしても一番驚いたのは、キム・ヘスとイ・ジョンウンが共に1970年生まれということ!
ドラマとは関係ないけど、びっくりだね。(笑) 

韓国ドラマの合間に観ていたのが「Qフォース(原題:Q-Force 2021年)」。
番外編として紹介しておこうかな。
これはアメリカのアニメで、タイトルにある「Q」とは「Queer(クィア)」の頭文字で、 LGBTのどれにも当てはまらない性的少数派を表す言葉だという。
一体どんな話なんだろうね? 

超優秀なゲイのエージェント率いるLGBTQのスパイ集団が、実力を証明するため大奮闘。
ウェストハリウッドから世界へ、はみ出し者の冒険が幕を開ける。(Netflixより)

最初の数話は、ハチャメチャな感じだったけれど、途中からストーリーが確立されてきて、展開が面白くなった。
設定自体が破天荒で、それだけでもユニークなんだけどね。(笑)
アメリカの、その道の方々には完全に理解できるような言い回しでも、日本人には全く分からないセリフがたくさんあって、一緒に笑えないところが残念!
SNAKEPIPEは変装名人のドラァグ・クイーン、トゥインクが好きだったよ。
なんでも肯定的にとらえるポジティブさを見習いたくなったね!(笑)
トゥインクの吹き替えをしていた福西勝也さん、本物に聞こえて感心しちゃったよ。

今回は韓国ドラマ5本と番外編のアニメ1本を紹介してみたよ! 
次はまた2ヶ月後あたりに続きを書くことになりそうだね。
次回もお楽しみに! 

ミケル・バルセロ展 鑑賞

20220313 top
【オペラシティアートギャラリー入り口を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

2021年3月に「佐藤可士和展」を鑑賞した帰り、国立新美術館のチラシを置いてあるコーナーで、SNAKEPIPEの目に止まったのが「ミケル・バルセロ展」のフライヤーだった。
確認したところ「国立国際美術館」 が会場となっていて、なんと大阪!
こんな展覧会を東京でやってくれたらいいのに、というSNAKEPIPEの願いが通じたのか。
東京オペラシティギャラリーでの開催を知った時には小躍りしたよ。(笑)
展覧会は1月13日から始まっていたので、客入りが落ち着いたのか、予約なしで入場できるという。
SNAKEPIPEの誕生日記念第一弾として、ROCKHURRAHがバルセロ展をプレゼントしてくれたよ!
第二弾もあるらしいので、期待しちゃうね。(笑)

ROCKHURRAHとSNAKEPIPEは、天気予報の最高気温に騙されてしまった。
非常に寒い思いをしながら、初台に向かう。
春は風が強くて冷たいから油断禁物だよね。

オペラシティアートギャラリーのサイトを参照させてもらい、簡単にミケル・バルセロの経歴を書いておこうか。

1957 スペイン・マジョルカ島生まれ
1974-75 パルマ・デ・マジョルカ、バルセロナの美術学校に学ぶ
1976 この頃前衛芸術家のグループや自然保護団体とアナーキストのグループの行動に参加
1982 ドイツ、カッセルで開催の国際美術展「ドクメンタ7」に出品し、ヨーゼフ・ボイス、ジャン=ミシェル・バスキアらと出会う
1984 パリに拠点を置く。ヴェネツィア・ビエンナーレに参加
1985 この年から翌年にかけ初の大規模な個展がフランス、スペイン、アメリカの美術館を巡回
1986 マジョルカ島の古い狩猟館を住居兼アトリエにする。ニューヨーク、レオ・カステリ画廊で個展
1988 初めてアフリカを旅しサハラ砂漠を縦断。マリにアトリエを構え、以後繰り返し滞在し制作
1993 アルタミラ洞窟壁画を訪れる
1995 マリで陶作品の制作を始め、以後欧州各地で制作
1996 パリ、ジュ・ド・ポーム国立美術館とポンピドゥー・センターで回顧展

1957年生まれなので、現在65歳になるんだね。
80年代から大規模な個展が開催されているのに、SNAKEPIPEは全く知らなかったアーティストだよ。
そしてバルセロの活動は絵画にとどまらず、本の挿絵、彫刻、陶作品、パフォーマンス、舞台美術や礼拝堂の装飾だったり天井画なども手がけているという。
洞窟壁画への関心が高く、ショーヴェ洞窟のレプリカプロジェクトでは学術委員に名を連ねているんだとか。
ちなみにショーヴェ洞窟の壁画は、有名なラスコー洞窟より2万年以上前に描かれたと推測されているらしいね。
世界的に有名なミケル・バルセロ、日本初大規模展、期待しちゃうよ!(笑) 

予約なしで大丈夫というのは、会場に入って納得する。
お客さんが少ないため、ガラーンとしていてゆっくり観て回れるよ!
とても良い環境だね。
数枚を除いて撮影もオッケーなので、たくさん撮影できたよ。
それでは早速紹介していこう。

「こわいっ!」
観た瞬間から恐怖を覚えたのが、2019年の作品「下は熱い」。
海と魚が題材と聞けば、穏やかなイメージが浮かぶかもしれないんだけど。
バルセロの魚は、飛び出す絵本状態で、魚が立体的なんだよね。
タイトルの意味は不明だけど、SNAKEPIPEはこの絵を観て、筒井康隆の小説「魚」を思い出していた。
なんでもない日常風景が一変する、あの恐怖。
誰もが経験し得るような話だったから、余計に怖かったのかもしれない。
じわじわと忍び寄ってくる物言わぬ魚の群れ。
あの小説にピッタリの作品じゃないかな?
「下は熱い」の部分をアップで載せてみよう。
魚の頭部分が飛び出しているのが分かるかな?
バルセロ、すごい!
やや興奮気味に鑑賞を続ける。

この絵の前で動けなくなってしまったSNAKEPIPE。
遠目では「もやっ」とした印象しかないと思うけど、実物には、なんとも言えない「念」があるように感じるんだよね。
亡霊たちが船に乗って漂っているようなイメージ。
「不確かな旅」も2019年の作品とのこと。
色合いは落ち着いているし、海と船というシンプルな対象しか描いていないのに、戦慄させらてしまうよ。
バルセロ、恐るべし!

黄色いバックに赤い円。
禅の円相のようにも見えてくるけど、一体なんだろう?
どんどん近づくと、闘牛場を真上から描いていることがわかってくる。
ササッと筆を走らせたようにしか見えないのに、 真ん中の黒い部分は闘牛士と牛なんだね。
バルセロは闘牛が好きらしく、闘牛に関する絵が何枚か展示されていたよ。
載せた画像「イン・メディア・レス」は2019年の作品で、1990年「とどめの一突き」に呼応するような構図になっていたね。 
繰り返し同じような題材を似た構図で描くというのは、とても大事に思っている作品なんだろうね。

「亜鉛の白:弾丸の白」は1992年の作品。
キリストの磔刑図をアレンジしているという。
逆さ吊りのヤギの下には、頭蓋骨があり、ヤギの股付近には白いタコが描かれている。
意味は掴みきれないけれど、不穏な雰囲気は十分感じるよね。
海の悪魔とも呼ばれる白いタコが、逆さ吊りにされた黒いヤギを喰らっているようにも見えてくる。
バルセロはいくつもの題材を一枚の絵に描くことが少なくて、一つを大きくバーンと見せることが多いかも。
より一層インパクトが強くなるよね。

展覧会のポスターに使用されていたのが、1991年の作品「雉のいるテーブル」。
西アフリカの魔除け市(フェティッシュ・マーケット)で売られている、まじないや呪術で使用される動物たちのミイラに着想を得て描かれたものだという。
テーブルに並べられているのは、そうしたおどろおどろしい物品なんだね。
ところどころに見える赤い色がなんとも不吉で、詳細を観察していくほどに不気味さが増す。
年表にもあったように、バルセロはアフリカにもアトリエがあり、過酷な風土に魅せられたんだとか。
生を実感できる環境に身をおくことで、制作に幅が出たのかもしれないね。

アフリカや洞窟壁画に惹かれるバルセロ。
原始的な魂で制作したのがセラミックの作品群なんだよね。
画像の手前は「カサゴの群れ」という2020年の作品。
恐ろしい形相のカサゴが口を開けていて、今にも飛び出して人に襲いかかりそうな迫力!
ラフな作りと着色だからこそ、余計に怖いのかもしれない。
奥に見える作品も、素晴らしくて欲しくなったよ。(笑) 
洞窟壁画みたいな絵が描かれているプリミティブな作品も良かったね。

上のカサゴもそうだけど、バルセロの作品は作品集などの2次元媒体で観ても、分からないかもしれない。
わかりやすいように、キャンバスを横から撮影してみたのがこれ。
キャンバスが波打ってるのが分かるかな。
絵の具を塗り重ねて厚みを出すアーティストは多いけれど、バルセロはキャンバス自体に凹凸をつけて、立体感を出しているんだよね。
「青い作業着を着た自画像」とい撮影禁止だった作品は、その凹凸を利用して見る角度によって、バルセロの違う年代を表現していたよ。
こうした作品も、実物じゃないと分からない仕掛けだよね。

まるでネガフィルムのように見える作品。
これはブリーチ・ペインティングといって、絵の具を脱色しながら描く技法だという。
漂白剤に使われる次亜塩素酸塩水溶液を使用し、黒色の絵の具を脱色する。
時間が経たないとどれくらい脱色できたか分からない、手探り状態での制作だというから、実験的だよね。
フィルムを使って撮影した写真が、現像してから何が写っているのか確認できる行為に近い感じ。
ネガフィルムみたい、と思ったのは間違いではないかもね。(笑)

マリの女性を描いた作品で、タイトルは「内生する1人を含む4人」。
一番右の女性には、腹部に胎児がいるみたいだよね。
アフリカの人物を描いた作品は、色鮮やかで、滑らかに筆を走らせ、ほんの数分で仕上げたような即興性を感じた。
サラサラと描いたようにみえるのに、女性が4人いるとか、ターバン巻いた女性が歩いているところだとすぐに分かるんだよね。
アフリカのシリーズは、女性たちが生き生きと描かれている。
ゴーギャンはタヒチ、バルセロはマリ、といったところかな?

バルセロが行った実験的なパフォーマンス映像が、展覧会で鑑賞できた。
YouTubeで見つけたので、載せておこう。 

紙に水で描いた絵だという。 
即興で、何気なく動かしているように見えるのに、どんどんバルセロの世界が構築されていく様は圧巻!
水が蒸発していくと、徐々に絵が薄れていき、最後には消滅してしまう。 
その儚さも含めて、パフォーマンスなんだね。

日本ではほとんど紹介されていなかったスペインの巨匠、ミケル・バルセロ。
圧倒的な迫力に慄えてしまったSNAKEPIPE。
鑑賞できて本当に良かった展覧会だった。
招待してくれたROCKHURRAHに感謝だね!(笑) 

ビザール・ショップ選手権!48回戦

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【「ゼルダの伝説」に登場するマモノショップに行ってみたいよ!】

SNAKEPIPE WROTE:

本日は我らが鳥飼否宇先生のお誕生日!
鳥飼先生おめでとうございます。(笑)
SNAKEPIPEも一昨日、誕生日を迎えましたよ!

ROCKHURRAHとSNAKEPIPEは、コロナワクチンの3回目を接種し、現在抗体ができるのを待っているところ。
打ったから大丈夫というわけではないけれど、重症化リスクが少しでも減るのは良いよね。
世界的にも、まだまだ安心できない状況が続いているので、海外旅行に行くなんて遠い先になるだろうね。
そこで今回は、「バーチャルな旅行」感覚で、面白いショップを紹介してみようかな!

最初はこちら!
Dapper Cadaverは2006年にウィスコンシン州マディソンにオープンした「死に関する小道具製作及び販売店」とのこと。
「死に関する」の意味は、サイトを見れば一目瞭然!
非常にリアルな死体を、発泡ゴムで製作しているんだよね。
交通事故、火事、発見までに時間がかかった場合など、様々なパターンに対応しているという。
例えば手だけ、とか頭、肉片(!)などのパーツだけの取扱もあるんだよね。 
血液の量や重さなど、カスタマイズもできるそうで、至れり尽くせり!(笑)
気になるお値段は、全身タイプなら$975〜なので、日本円で約112,000円から、ということになるね。
実際に購入するのは難しいかもしれないけれど、サイトを見ているだけで驚きの連続だよ。
このクオリティはすごいよね!

フランス、おパリにあるDeyrolleは、1831年の創業以来、昆虫や貝殻のコレクションを通じて自然の好奇心を刺激し、自然科学を教えるための教材を提供してきたという。
190年以上の歴史があるなんて、さすがヨーロッパだよね!
1830年の7月革命を題材として、1831年にドラクロワが描いたのが、あの有名な「民衆を導く自由の女神」とは。
そんな時代から、お店が続いているなんてすごいことだよね!
Deyrolleは1871年頃から植物学、動物学、昆虫学、地理学、解剖学など様々な教育を目的とした機関だったという。 
鳥や哺乳類、昆虫の剥製も有名で、オンラインストアも開設されているんだよね。
例えばアフリカ原産、体長2mを超えるクロコダイルは、14 000,00 €、日本円で約180万円!
ヨーロッパだったら今でもゴシック様式のお城があるだろうから、購入する方も多いだろうね。
ちなみに剥製にしているのは、すべて老衰や病気などが原因で死亡した動物で、ワシントン条約に則って保持され、配達されるという。
一度行ってみたいお店だよね!

続いても「おパリ」のショップね。
フランス好きの友人Mから「パリには『お』を付けて!」と言われているので、つい「おパリ」と書いてしまうよ。(笑)
有閑マダムが「おフランス」って言ってるのと同じかな?
L’OBJET QUI PARLEは1995年創業のアンテーク・ショップなんだよね。
オンラインショップもあるので、気に入った商品は購入可能だね。
どれも素敵で欲しくなってしまうほど、逸品が揃っているよ。
画像左は、1910年代の木製のハンガーで、とても可愛らしい少女(?)が描かれているね。
お値段25€、日本円で3,200円ほど。
画像右は1920年代の人形の頭部だって。
首から下は別売りだったのかな。
お値段は22€、日本円で約2,800円とのこと。
この時代だからこその顔立ちなのかもしれないね。 
ごちゃごちゃと品物が店に並んでいるのは、宝探し感覚で楽しそう!(笑) 

「これ知ってる?」
ROCKHURRAHから質問されたのは、なんと敬愛するデヴィッド・リンチのショップ!
STUDIO:DAVID LYNCH」として開設されてることを知らなかったよ。
リンチの映像作品にゆかりのあるキャラクターや、リンチが描いた絵がプリントされた商品が販売されているんだよね。 
画像は布製マスクで、お値段は$14.99、日本円で約1,700円といったところ。
他にもトートバッグやコーヒーマグ、タオルやクッションカバーなどがあるよ。
世界中に配送可能とのことなので、どの商品にしようか迷っちゃうね。(笑)
教えてくれたROCKHURRAHに感謝だよ!

今回は行ってみたいショップの特集だったね。
そこまでビザールじゃなかったかな?(笑)
次回もお楽しみに!

好き好きアーツ!#56 Ahn Sang-soo

20220227 10
ブログでONE EYE PROJECTを進行中のアン・サンス】

SNAKEPIPE WROTE:

先週の「ROCKHURRAH紋章学 韓国パッケージ・デザイン編」に引き続き、韓国をテーマに選んでみたよ。
この企画を最初に提案してくれたのはROCKHURRAHなんだよね。
記事の最後に「今度は韓国のタイポグラフィについても調べてみようかな」と予告文も書いていたしね!(笑)

ハングルのタイポグラフィについて調べていると、真っ先に名前が出てくるのがAhn Sang-soo(안상수/安 尚秀)、読み方はアン・サンスで良いのかな。
まるで記号のようなハングルを、デザインとして仕上げている作品に惚れ惚れしてしまった。
今回はアン・サンスを紹介していこう!
まずは経歴のチェックね。

1952 忠清北道忠州市生まれ
1981 ソウルの弘益大学でBFAとMFAを取得
この年より1985年まで『Madang』誌と『Meot』誌のアートディレクターを務める
1985 Ahn Graphics designデザイン事務所を設立
1986 この年よりアンダーグラウンドアートカルチャー誌『bogoseo/bogoseo』の編集者兼アートディレクターを務める
1996 ソウルの漢陽大学で博士号
1997 この年より2001年まで Icograda の副会長を務め、2000 年には Icograda Millennuim 「Oullim」 Congress の議長を、2001年から現在までは TypoJanchi の議長を務める
1998 Zgraf8でグランプリ受賞
2001 ロンドンのキングストン大学でデザインの名誉博士号を取得
母校の弘益大学でタイポグラフィの教授に就任
2007 ドイツ、ライプツィヒのグーテンベルク賞を受賞

弘益大学校美術大学視覚デザイン科の教授、坡州タイポグラフィ学校校長、北京にある中央美術学院 (CAFA) の教授、ロンドンの Royal College of Arts で客員教授を務め、2013年には、韓国のPaju Bookcityに新しい実験的デザインスクール PaTI (Paju Typograhy Institute) を設立、など書ききれないほどの経歴の持ち主!
3つの大学に通っていることも驚きだけど、80年代にアングラカルチャー雑誌の編集長だった点に注目してしまう。
韓国の80年代ってどんなだっただろうね?

実はすでにアン・サンスのタイポグラフィは目にしているかもしれないんだよね。
2018年平昌冬季オリンピック、2018年平昌冬季パラリンピックの開幕式と閉幕式でアン・サンスのフォント「安常水体」が使用されていたんだって。
そして画像はビビゴのキムチ!
どうやらこのフォントもアン・サンスの作品みたいだよ。
ハングルに馴染みがないので、フォントの違いを認識するのは難しいかも?

ここで少しだけハングルについて調べてみよう。 
基本的には10の母音と19の子音、11の複合母音の組み合わせで構成できる文字だという。
まるで記号のように見えるのは、パーツの組み合わせだからなんだね。
ちなみに画像は「韓国(hanguk)」と書いてあって、左の文字がh、a、nを、右がg、u、kを表しているんだって。
平仮名よりは数が少ないパーツ数なので、頑張れば覚えられるかも?(笑)
こうしたハングルを研究し、タイポグラフィにしたアン・サンスの作品を観ていこう。

画像は、アン・サンス考案のタイポグラフィで、「Mano(マノ)」と「Myrrh(ミルラ)」という書体らしい。
緑色のほうには、恐らく何か書いてあるんだろうけど、 読めん!ので、デザインとして見るしかないね。(笑)
まるで迷路ゲームのようでとても面白い!
平仮名やカタカナをびっちり並べたとしても、この雰囲気にはならないだろうね。
紫色のほうは、恐らく「k」を表す「ㄱ」のタイポグラフィじゃないかな。
いろんなパターンがあるので、文字になった状態がみてみたいよね!

紫色のフォント「ミルラ」を使用した例がこちら。
黒バックに紫という視覚的な効果もあるけれど、ハングルというよりデザインに見えてしまうよ。
ゲームの「テトリス」に登場するブロックピースが重なったようじゃない?
インパクトがある作品だよね!

こちらは「マノ」を使用したアン・サンスの住居の門だという。
まるで模様だけど、ハングルとは驚き。
アン・サンス、2000年の作品だって。
これはもう現代アートだよね!(笑)
日本語同様、縦書きと横書きの両方で使用できるハングルを、グラフィックの観点から捉えてタイプデザインに挑んでいるという。
こんな門がある家、素敵だよね!

写真をバックにタイポグラフィが踊っている作品。
遠目から見ると、化学の配列のようじゃない?
これもハングルで、何か意味があるのか不明だけど、この遊び心が楽しい。(笑)
他にもハングルで顔文字を作っている作品もあったよ。
韓国で最も革新的なデザイナーと言われているというアン・サンス。
現在70歳だけれど、現役で活動しているみたい。

ハングルミーツ構成主義、といった雰囲気の作品。
色合いが美しく、縦と横に大きく書かれたハングルが力強い。
アン・サンスは中国の漢字からの開放という意味も含んで、ハングルの美しさを発見したという。
日本語が、もし漢字しか使っていなかったら、中国の属国のような意識を持つのかな。
平仮名とカタカナというオリジナル文字があって良かった。(笑)
文字と歴史について詳しくないけれど、何故ハングルができたのかを知ることで、アン・サンスの心境を理解できるのかもしれないね。

アン・サンスがAnatome galleryで展覧会を開いたときのビデオだという。
30秒ほどの映像だけど、ハングルとメッセージが印象的!
デザインは重要だよね、ほんと。

「One Eye Project」を自身のブログで展開しているアン・サンス。
これは日常生活で出会った人達を、片目を隠した状態で撮影したポートレート写真なんだよね。 
1988年にスタートし、すでに1万枚を超えているんだとか。
片目を覆ってカメラの前に立ってもらうというパフォーマンスは「ハプニング」で、ブログにアップしていく行為がジェスチャーパフォーマンスとのこと。
30年以上も積み重ねている撮影ってすごいよね!
東京でも撮影してたみたいなので、いつの日かモデルになれたら嬉しいね。(笑)

韓国タイポグラフィの父と言われるアン・サンスについて調べてみたよ!
ドラマや映画、食べ物など、最近になって知り始めた韓国だけど、こんなにすごいタイポグラフィ・デザイナーのことまで知ることができて嬉しくなるね。
ハングルにも興味が湧いたので、少し勉強してみようかな。(笑)