映画の殿 第84号 韓国ドラマ編 part32

20260705 top.
【ドラマの登場人物をピックアップ。みんないい味出してたね!】

SNAKEPIPE WROTE:

本日7月5日はROCKHURRAHのお誕生日!
おめでとうROCKHURRAH!(笑)
プレゼントも喜んでもらって良かった。
これからもお互いの誕生日をお祝いしようね。

では通常のブログを書いていこうか。
ほぼ毎日ドラマ鑑賞しているので、定期的に更新している「映画の殿 韓国ドラマ編」。
前回書いた「映画の殿 第83号 馬医編 part31」より先に鑑賞していたドラマについて感想をまとめよう。
最近配信されたドラマばかりだね!

暴君のシェフ(原題:폭군의 셰프 2025年)」は、朝鮮王朝時代と料理がテーマのドラマと知って、興味を持っていたんだよね。
朝鮮王朝時代劇に慣れているし、「宮廷女官チャングムの誓い」のおかげで宮廷料理も認識あるし。(笑)
「暴君のシェフ」の主演はアイドル・グループ「少女時代」のユナ(画像右)と王様を演じているイ・チェミン。
2人とも第62回百想芸術大賞を受賞しているんだね。
世界的にもヒットしたドラマなんだとか。
あらすじを書いておこう。

フランス料理大会で優勝したジヨンは、偶然古い調理書によってタイムスリップし、最悪の暴君であり、絶対味覚の持ち主である朝鮮の王ホンに出会う…。(wowkoreaより)

トレイラーも載せてみよう。

フランス料理のシェフが罪人になったり、王様と必要以上に接近したりするシーンが確認できるね。
王様は1495年に在位した第10代国王、燕山君(ヨンサングン)をモデルにしているらしい。
実在した燕山君は、朝鮮王朝史上前例のない暴君と言われているとWikipediaに書いてあったよ。
それがドラマのタイトルにつながるんだね。
「チャングム」の時みたいに、名人たちとの料理対決が面白かった。
どの料理も美味しそうで、観ているとお腹空いてくるよ。(笑)
ファンタジー要素があるドラマなので、あの終わり方で良いんだろうね。

夜に咲く花(原題:밤에 피는 꽃 2024年)」は、ドラマ「熱血司祭」や映画「エクストリーム・ジョブ」でファンになったイ・ハニ目当てで観始めたドラマ。
ミス・コリアになった経歴があるのに、コミカルな演技で笑わせてくれる女優だからね!
「夜に咲く花」の原作はウェブ・トゥーンで、ロマンティック・コメディ・アクション時代劇だという。
このジャンルだけでも面白そうだよね。(笑)
あらすじを書いてみよう。

朝鮮最高の両班に嫁いだものの、一夜にして寡婦になってから15年も節操を守ったチョ・ヨファは夜は力のない者たちを助ける覆面武者として二重生活を送る。
この日は少女コンニムの父が家財を売って賭けをし、負けたためコンニム達が身売りされるのを助けようとしていた。
コンニムの父が行った賭博場に忍び込むヨファはイケメン従事官のパク・スホと偶然出会う。
スホは一目でヨファが女性であることを知り戸惑うが、ヨファはその場を逃げ切り、難局を乗り越える。(Wikipediaより)

トレイラーを観てみよう。

日本語字幕付きが見つからなかったので、こちらで勘弁してね!
夫を亡くした妻は「寡婦」として「つつましやか」に生き、後追い自殺するのが美徳とされていた話に驚く。
日本にもこうした風潮はあったのかな?
貞淑な女性と忍びの姿でアクションをこなすイ・ハニが見ものだよ。
今までの傾向や見た目から判断すると、活発な印象を受けるので貞淑な妻のイメージは違ったかも。(笑)
そして「ロマンティック」な相手役とのバランスもイマイチだったように感じる。
従事官であるパク・スホ役のイ・ジョンウォンよりイ・ハニのほうが迫力あると感じたのはSNAKEPIPEだけかな?

ユミの細胞たち(原題:유미의 세포들)」はシーズン1が2021年、シーズン2は2022年に放映されていて、ROCKHURRAH RECORDSでは2023年に2つのシーズンをまとめて鑑賞し「映画の殿 第57号 韓国ドラマ編 part13」で感想を書いている。
シーズン2を観終わって3年が経過した今年の2026年、なんとシーズン3が配信されることをROCKHURRAHから教えてもらう。
せっかくだから続きを観ようということになったけれど、前までのストーリーはあまり覚えていない。(笑)
アニメ化された細胞たちが面白かったので、今回もその点に注目していこう!
あらすじはこちら。

夢にまで見たウェブ小説家としての成功を手にしたユミ。
だが皮肉なことに、成功がもたらした平穏な日々に退屈していた。
そんな彼女の前に、常識外れな新人編集担当者・スンロクが登場し、ユミの中に怒りをはじめとする感情が再び湧き上がる。
そして、出張先で最悪の状況の中、思いがけないときめきまで感じてしまうのだが…。
この関係の行き着く先は、破局か、それとも新たな恋の始まりか。(Disneyナビより)

シーズンごとに一つの恋愛話になっているんだよね。
ユミ役のキム・ゴウンは、前回までと変わらず等身大の女性を演じていて親しみやすい。
シーズン3では、小説家として「先生」と呼ばれ大成した場面から始まったけれど、ヨレヨレの服を着ていたり顔を洗っていないで外出する、いつものユミなので安心してしまう。(笑)
そうはいってもお肌がキレイでモデル並のスタイルのキム・ゴウンだから全く問題ないね。
いつもベスト(チョッキ)を身に着けていて、真面目な印象だったよ。
シーズン3で恋に落ちる相手役が、後半になって態度を一変させたのは話数が短いからかな?
都合よくエンディングを迎えたような気がして、SNAKEPIPEとしてはイマイチのドラマだった印象だよ。
ユミ本人と細胞たちは相変わらずで良かったけどね。(笑)

最後は「鉄槌教師(原題:참교육 2026年)」。
かなりの問題作らしく、インターネット上で物議を醸していたんだよね。
原作はウェブ・トゥーンで、映像化前から体罰や人種差別などが論争を引き起こしていたらしい。
キャスティングも一波乱あり、当初は「熱血司祭」でお馴染みのキム・ナムギルにオファーしていたのに辞退されてしまったことも話題になっていたんだよね。
そして主役は、ドラマ「未成年裁判」や映画「正直政治家 チュ・サンスク」でラ・ミランの秘書を演じていたキム・ムヨルになった。
世界各国でナンバーワンのヒットとなったという「鉄槌教師」のあらすじを書いておこう。

秩序が崩壊している学校に鋭いメスを入れ、正しい道へと導く。
型破りな監督官たちによる、教科書では決して学べない容赦なき真の教育が始まる。(Netflixより)

 

トレイラー観ただけで荒廃した学校の様子が分かるよね。
大げさに伝えようとしているのかと思ったら、実際にあった事件をもとにしている描写もあるんだって。
口で言って理解できなかったら相応の罰を与える。
そのためには体罰も辞さないという姿勢に対して賛否両論あるのはわかるけど、観ていてスッキリしたのは事実。
キム・ムヨル演じるナ・ファジンが元特殊部隊出身という設定も良かったね!
ドラマ「ミセン」や「財閥家の末息子」でお馴染みのイ・ソンミンの出演も嬉しかった。
そして「ユミの細胞たち2」でコントロールZというイラストレーターだったP.Oも面白かったよ!
「鉄槌教師」は犯罪まがいの行為を行う生徒や教師などの学校関係者や保護者に対して、鉄槌を下ろすドラマなので、生半可な復讐物に満足できなかった人には強くオススメしたいね。(笑)

今回は割と最近配信されたドラマ4本を特集してみたよ。
配信サービスをいくつも契約していると、たくさんの面白そうなドラマがあって鑑賞する順番を迷ってしまう。
現在も次のドラマを鑑賞中なので、また感想をまとめていくよ。
次回をお楽しみに!

アンドリュー・ワイエス展 鑑賞

20260628 top.
【東京都美術館前の看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

2024年10月に「田名網敬一 記憶の冒険」をご一緒した、現代アート好きの友人Hと久しぶりに待ち合わせる。
SNAKEPIPEの闘病生活前に約束していたけれど、高熱のためにキャンセルさせていただいた経緯があるよ。
およそ2年ぶりの再会になるんだね!
今回も何か展覧会を鑑賞しよう、ということで決定したのが「アンドリュー・ワイエス展」。
東京都美術館開館100周年記念として企画されているんだよね。

「ワイエス展」を提案したSNAKEPIPEには、忘れられないエピソードがある。
今から4年前に他界した、SNAKEPIPEの父親が好んでいた画家がワイエスだったから。
写真をやっていたのに、部屋に飾っていたのはワイエスとアンリ・ルソーの作品だったっけ。
ワイエスの「クリスティーナの世界」は、筋肉疾患を患い歩くことができなくなってしまったクリスティーナ・オルソンをモデルにした作品。
ワイエスは1940年から約30年に渡り、妻の紹介で知り合った別荘近くに住んでいたオルソン家の姉弟、クリスティーナとアルヴァロをモデルに描き続けたとのこと。
クリスティーナは車椅子を使用せず、腕の力だけを使い這って移動したという。
精神力の強さが表現されている作品を観ながら「グッと胸に迫るものがある」とうなずいていた父親を思い出す。
SNAKEPIPEはこの作品以外知らないので、ワイエス展を観たいと思ったんだよね!

まずはワイエスの経歴を調べてみよう。

1917 米国ペンシルベニア州に生まれる
父は著名なイラストレーター・画家の N.C.ワイエス
1920-1930 病弱だったため学校にはほとんど通わず、自宅で教育を受ける
1937 ニューヨークの マクベス・ギャラリーで初個展を開催し、作品は即日完売する
1940 ベッツィ・ジェームズと結婚
1945 父 N.C.ワイエスが鉄道事故で死去
1948 「クリスティーナの世界」を制作
1950 「クリスティーナの世界」が Museum of Modern Art に収蔵される 
アメリカを代表する写実画家として評価を確立
1963 アメリカ合衆国大統領より、大統領自由勲章を受賞
全米芸術賞受賞
1988 アメリカ政府より議会名誉黄金勲章を授与
2007 国家芸術勲章受章
2009 老衰のため91歳で逝去

画家の父親からの手ほどきで描き始め、学校に通っていないことに驚く。
才能が受け継がれていたんだね!
「クリスティーナの世界」はMOMAが所蔵している点にも注目だよ。
たくさんあり過ぎて書ききれないほど、様々な賞を受賞している有名なアーティストなんだね。

梅雨の晴れ間といった快晴の日、上野に向かう。
つい先日、国立西洋美術館で「チュルリョーニス展」と「北斎 冨嶽三十六景」を鑑賞したばかり。
上野はいつでも人が多いよね。
友人Hとは公園改札口で待ち合わせ。
かなり早く着いてしまったので、駅構内を回って散策してから、友人Hの待つ場所へ。
ここにいる、と言われた場所に友人Hの姿が見えない。
首をかしげるSNAKEPIPEに向かって、手を振っている人を確認する。
「海外からの旅行者」と思って、視線を素通りしていた人が友人Hだったとは!(笑)
華やかなお顔立ちの彼女は、外国人に見えるのも納得。
久しぶりの再会に喜びながら、会場に向かう怪しい2人組だよ!

開館時間は並んでいるだろうという予想をして、少し時間をズラしたけれど、やっぱりチケット購入で並ぶ羽目になってしまった。
予約していなかったから仕方ないね。
それでも時間は短いほうだったのかもしれないな。
会場に入ると、予想通り大勢のお客さんで賑わっている。
とても鑑賞し辛い状態で、SNAKEPIPEが苦手な牛歩だよ。(笑)
撮影については一部のみOKだったので、載せている画像は全てSNAKEPIPE撮影ではないので4649ね!

1947年の「雪の朝(Snowy Morning)」はテンペラで描かれた作品だよ。
テンペラについては「チュルリョーニス展」の時に調べてるね。
「油絵具が普及する前には主にヨーロッパで使用されていた絵具だという。
顔料に卵を混ぜた卵テンペラが代表的なテンペラ技法で、卵テンペラは経年劣化しにくい特徴がある。」と書いているよ。
冬の寒い朝、灯台の明かりが周囲を照らしている。
ひっそりした中に、照明がついた窓にクリスマスリースが飾ってあるのが見える。
つつましやかで、穏やかな家庭のぬくもりを感じるね。
色合いと構図が気に入った作品だよ!

「マザー・アーチーの教会(Mother Archie’s Church)」は1945年の作品。
教会とタイトルになければ、どこの場所なのか分からないよ。
どうやら廃墟だった校舎を教会に改築したらしい。
描かれている時は改築前の様子なのかもしれないね。
ひび割れた天井に壊れたランプとは、廃墟好きにはたまらないモチーフだよ。(笑)
この視点も写真家みたいなんだよね。
白い鳥には、どんな意味が含まれているんだろう。

ワイエスが好んで描いたオルソン家。
先に載せたクリスティーナの家だよね。
オルソン家の3階からの景色らしく、かつては煙突から住民であるクリスティーナと弟の声が聞こえていた話を「日曜美術館」で知ったよ。
タイトルは「オルソン家の終焉(End of Olsons)」で1969年の作品だよ。
クリスティーナは1968年、弟のアルヴァロはその前年に世を去っているという。
無人になったオルソン家を描いた作品になるんだね。
遠くに飛んでいる鳥を目ざとく見つけた友人Hの観察眼に感服!
「オルソン家の終焉」は、ほぼ正方形で完成となっているけれど、実際には縦の長さが倍だったみたいなんだよね。
下半分が白く塗りつぶされている展示があったので、切り取られた上半分が作品になったことが分かったよ。
トリミングされた下部分はどんなだったんだろうね?

画面中央に行儀良く「おすわり」しているのは、ワイエスの妻・ベッツィの愛犬だって。
犬種はイングリッシュ・セッターで名前はノームらしい。
ワイエスが所有していたメイン州サザン島にある灯台内部を描いた作品とのこと。
島を持っていたとは、憧れるね!(笑)
奥に灯台の階段が続き、灯台守の制服(?)が壁にかかっている。
静寂に包まれた優しい時間が感じられるよね。
ここに登場したノームが、ミュージアムショップでキャラクター扱いされていて驚く。
ノームが線で描かれプリントされたグッズを見かけて、友人Hと大笑いしてしまった。
あの静謐さが微塵も感じられなかったんだけど、ワイエス側からOK出たんだろうか。(笑)

会場を歩きながら、似た景色を思い出そうとする。
SNAKEPIPEが写真の勉強をしていた時に知った、ウォーカー・エヴァンスの写真に似ていることに気付き嬉しくなる。
まだ記憶力は衰えていないらしい。(笑)
載せた画像(左)はワイエスがオルソン家を描いた作品で、右はエヴァンスの写真作品。
三角形にとがった屋根や周りの雰囲気も似てるよね!
2010年8月のブログ「SNAKEPIPE MUSEUM #05 Stephen Shore」で、アメリカの写真家スティーブン・ショアーについて書いた。

「アメリカ人のノスタルジア。
ちょっとおセンチで感傷的な『アメリカ人の孤独』を垣間見ることができるような気がする」

と書いているSNAKEPIPE。
今回のワイエス展では、更に強く孤独を感じたよ。
郷愁、寂寥、喪失などの寂しさを表現する単語がいくつあっても足りないくらい。
そしてワイエスは生涯、生まれ故郷のペンシルベニア州と「オルソンハウス」があるメイン州だけで人生を過ごしたらしい。
狭く深い人間関係と毎日見慣れた風景に題材を見出す稀有なアーティストだったんだね。
父親が話していた「胸にグッと迫る」、魂を揺さぶられる感覚が理解できたように思うよ。

とても残念だったのは「クリスティーナの世界」が展示されていなかったこと。
MOMAが貸し出すことは滅多にないそうだから、ニューヨークに行って観るしかないね。(笑)
そして同行してくれた友人H、また別の企画ご一緒しましょ!

SPECTRUM 2076 AD 鑑賞

20260621 top.
【ジャイルギャラリーの入口を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

ジャイルギャラリーで開催されている「SPECTRUM 2076 AD ── 来たる世界の意識体」を鑑賞してきた。
デヴィッド・リンチ好きでも有名な飯田高誉氏がキュレーションしている展覧会なので、気になっていたよ。
飯田氏の企画はとても観念的で難解だけど、好みの作品に出会える確率が高いからね!
スケジュール調整して、ROCKHURRAHと表参道に向かったのである。

ジャイルは11時オープンなので、少し間を置いてから会場へ。
いつもよりお客さんが少ないような気がする。
外国人観光客が減ってるのかもしれないね?
おかげでギャラリーは、ほぼ貸し切り状態で鑑賞することができた。
いつも通り撮影OKで良かった!
展示されていた作品を紹介していこう。

入ってすぐに展示されていたのは、森万里子の「Peace Crystal Model」。
アクリル素材のひし形立体に光が反射して美しいね。
観ていると吸い込まれそうになるよ。
飯田氏の解説によれば「天体や自然エネルギーとシンクロする生命の根源を可視化」した作品だという。
確かに「魂の入れ物」みたいだよね!
この中に宇宙や地球の誕生などの記憶が貯蓄されている、と聞いたら納得しちゃう。
森万里子は、今年の10月に森美術館で個展が予定されているので、楽しみだよ!

続いて名和晃平の「PixCell-Random (TBD) 」が6点並んでいた。
素材はミクストメディアと書かれているよ。
2020年末に鑑賞し2021年最初のブログとして書いている「名和晃平 Oracle」もジャイルギャラリーでの企画展だったね。
あの時に「欲しい!」と思った作品は、カラスやバンビが透明のビー玉のような無数の球体で覆われている「PixCell」シリーズだったっけ。
今回展示されていた作品群も、同様の「PixCell」シリーズなんだね。
観る角度や方角によって色合いが変化する。
まるでブラウン管テレビで経験したことがある「砂嵐(スノーノイズ)」みたいだよ。
この現象を知ってるだけで、「ある年代以上」という証明になっちゃうね。(笑)

目にした時には、てっきり「セクシー・ロボット」で有名な空山基の作品かと思ってしまった。
解説を読むと、1985年生まれの牧田愛の作品だったよ。
艶めかしい光を放つ機械のパーツが、まるで内蔵みたいに見えてくる。
例えていうなら映画「ブレードランナー(原題:Blade Runner 1982年)」に登場するレプリカントの内部構造を描いているようなイメージね。
この発想自体がすでに時代遅れだろうな、と感づいてるよ。
「ブレードランナー」の原作は1968年、今から50年以上前のこと。
2020年代に、わざわざ人間の内蔵を模したパーツを作らないだろうし。(笑)

山田晋也の「秩序と無秩序の『あわい』」は、和風な印象の怖い作品だった。
まるで怪談話の一コマみたいなんだよね!
手前の襖の影から、黒い窓枠の外を恐る恐る覗いているような気分。
赤黒い部分がとても不気味。
飯田氏の解説には「見えざる気配」と表現されているね。
ゲルハルト・リヒターの「ビルケナウ」に色合いが似ているせいもあって、恐ろしく感じるよ。
抽象絵画を鑑賞して、感情がざわつくのは滅多にないので、山田晋也の名前を覚えておこう。

とても興味深かったのが草野絵美のデジタル作品。
「EGO in the Shell」は「攻殻機動隊」からインスパイアされて、「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」と正式にコラボした作品なんだとか。
大きなスクリーンに映し出された「アーティスト本人の成長記録」と共に、大小様々なブラウン管テレビが並んでいる。
AIで生成されている部分を含む草野絵美が映し出されている。
どれが本物の記憶(記録)か曖昧になっているところが面白いね!
草野絵美の作品を鑑賞したのは初めてのはず。
他の作品も観てみたいと思ったよ!

「50年後の未来」をテーマにした展覧会は、とても興味深かった。
近いようで遠い2076年。
どんな世界になっているのか、想像するのが怖いかも。(笑)

拡大するシュルレアリスム 鑑賞

20260614 top.
【オペラシティアートギャラリー入口を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

東京オペラシティアートギャラリーで開催されている「拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ」を鑑賞した。
久しぶりに訪れた気がしたのは間違いではなかったようで、前回は2024年11月の「松谷武判展」だったみたい。
およそ1年半ぶりの訪問だね!
展覧会情報チェックを怠っていたけれど、シュルレアリスムという単語を見逃すわけにはいかないね!(笑)
会期が6月24日までなので、ROCKHURRAHと慌てて初台に向かったのである。

開館時間より少し前に到着すると、ちらほらお客さんが会場前に集まってきている。
10分前くらいからは入場を待つための列ができていたので、最後尾に並ぶ。
時間を少しズラすと、人が少ないのかもね。
次回は開館時間過ぎてからにしよう!
どうにも並ぶのが苦手なんだよね。(笑)

会場はタイトル通り「オブジェ」「写真」「絵画」「ファッション」「インテリア」とジャンルごとにチャプターが分かれていたよ。
展示作品の撮影は一部禁止はあるものの、それ以外は可能だった。
この「可」と「不可」はどのような基準に基づいているのか教えて欲しいよね。
では気になった作品を紹介していこう。

最初に展示されていたのは、シュルリアリスト達が瞼を閉じた証明写真だった。
真ん中に配置されているのがルネ・マグリットの作品のようだけど、証明写真のほうは作品ではないみたい。
SNAKEPIPEはこの写真に興奮したんだけどなあ。(笑)
当時の錚々たるシュルリアリストたちのライフマスクみたいで、とても気に入ったよ!
このポスターが販売されてたら絶対買うのに、残念ながらミュージアムショップでは見かけなかった。
証明写真の下に名前を載せてもらわないと誰なのか分からないんだけどね。(笑)
即答できるのはアンドレ・ブルトンとマックス・エルンストやダリくらいかな。
マン・レイが見当たらないのは、撮影してたからもね。

マン・レイの写真作品が展示されていた。
載せた作品は、「レイヨグラフ(ピストルとアルファベットのステンシル)」。
レイヨグラフとはカメラを使わずに印画紙の上に直接物を置き、光を当てて感光させることで像を浮かび上がらせる写真技法のことで、モホリ=ナギはその技法をフォトグラムと呼んでいたらしい。
マン・レイだからレイヨグラフなんだって。
今回展示されていたレイヨグラフは、展覧会の前期と後期で作品が替わったみたいだね。
フォトグラムを作品にしているアーティストで思い出すのはトーマス・ルフだよ。
あの展覧会に行ったのが10年前だったとは。(遠い目)

「第3章 絵画 視覚芸術の新たな扉」では、馴染みのあるアーティストが勢揃い!
キリコ、エルンスト、ダリなど「シュールといえばこれ!」といった大御所の作品が並んでいる。
載せたのはイブ・タンギーの「失われた鐘」で、1929年の作品だよ。
液体を撒いたような、不思議な形態が空間を漂っている。
鑑賞者によって、それぞれの物語が生まれそうな作品だね。
イブ・タンギーの作品は、2011年3月の「シュルレアリスム展」他、過去に鑑賞したことがあるけれど、観た瞬間にタンギーの作品と分かる特徴があるよね。
他には暗い色調のミロの作品が気になったよ。
2025年に東京都美術館で開催された「ミロ展」には足を運ばなかったので、こうした作品も展示されていたのかも。

「第5章 ファッション 欲望の喚起」では、マン・レイ撮影の「ローズ・セラヴィ」が気になったよ。
1921年の作品なんだね。
ローズ・セラヴィとは女装したマルセル・デュシャンの変名のこと。
載せた画像がちょっとピンボケでごめんなさい。(笑)
日本の現代アーティストである森村泰昌がパロディを作成している、別バージョンのポートレートが有名だよね。
今回展示されていた作品では、マルセル・デュシャンはまるでミュージシャンのように見えたよ。
マルセル・デュシャンの作品としては、オブジェが数点展示されていて嬉しかったよ。

エルザ・スキャパレッリの作品は2022年2月に鑑賞した「奇想のモード」で初めて鑑賞したはず。
「スキャパレッリについては、もう少し調べてみたいと思った」とその時の感想に書いているね。(笑)
今回の展覧会ではドレスやアクセサリーが展示されていた。
アクセサリーの素晴らしさに目が釘付け!
レプリカがあったらコレクションしたくなるね。

「第6章 インテリア  室内空間の変容」で気になったのは、マックス・エルンストの作品。
1974年制作の「偉大なる無知の人」は屏風のような衝立で、説明によればベッドとセットにして99点のみ限定販売される予定だったんだとか。
エルンストが亡くなってしまったため、15点のみ存在する作品だという。
初めて観たと思ったのに、2012年5月の「マックス・エルンスト-フィギィア×スケープ」でも鑑賞していたみたい。
説明文についても忘れているとは、ひどいね。(笑)
この作品も欲しくなってしまったSNAKEPIPEだよ!

「シュルレアリスム展」を鑑賞し終わり、同時開催されている寺田コレクション「幻想の景色と不思議ないきものたち」の会場に向かう。
ある作品の前で足を止める。
池田龍雄の「禽獣記シリーズ」は1958年から1959年に制作されたインクや木炭を使用したモノクロームの作品。
まるで妖怪のような異形が描かれている。
この不気味さは、どこかで見覚えがあると思ったら!
松本俊夫監督、1969年の映画「薔薇の葬列」に出てきたんだよね。
とても気になっていたアーティストの作品を鑑賞できて嬉しかったよ!

「拡大するシュルレアリスム」は、シュルレアリスムを広く浅く捉えた展覧会だった。
ダイジェスト版といった感じなので、シュルレアリスム運動を知るにはもってこいの企画展だね。
シュールと聞けば目の色を変え、今まで数々の展覧会に足を運んでいるROCKHURRAH RECORDSにとっては少し物足りなかったかも。(笑)
驚いたのは、今回の展覧会の所蔵先はほとんど日本国内だったこと。
国内にこんなにたくさんのシュルレアリスムの作品が存在していたとは。
お気に入りの作品をもう一度鑑賞できる可能性が高いことが分かり、嬉しくなったSNAKEPIPEだよ!