SNAKEPIPE MUSEUM #67 Jane Windsor

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【黒魔術を連想させる作品だね】

SNAKEPIPE WROTE:

今回のSNAKEPIPE MUSEUMは、Jane Windsorというコラージュ・アーティストについて特集してみよう。
読み方はジェーン・ウィンザーで良いのかな?
カナダで生まれ、ネバダ州の田舎で育ち、現在オレゴン州ポートランドに住んでいること程度の情報しか手に入らなかったよ。
グループ展や個展も開催しているようだけど、2019年頃から活動を始めているみたい。
もしかしたら若い女性なのかもね?

最初に目にしたのが「Maneater」と題された作品。
「マンイーター」と聞いて、80年代にヒットしたホール&オーツの曲を思い出してしまった、あなた!
SNAKEPIPEも同じだから!(笑)
作品に話を戻すと、顔は人間、体はライオン(?)で鳩の羽(?)が生えているキマイラのような生物が、微笑みながら男性の首を弄んでいる。
残酷なシーンなのに、美しく咲いた黄色いバラが周囲を彩っているんだよね。
この作品を観て、興味が湧いたよ。
まさかこの作品が、切り抜いた紙を貼り付けた、ダダさながらの手法で作成されたとは思わなかったよ!

双頭の白鳥のバックには、心臓モチーフと十字のマーク。
蓮の花のような台座に、棘のあるイバラを組み合わせ、バランスの良い構図だよね。
四隅には「北部」「南部」と書いてあるので、どこでどんな星座が見られるのかを教えてくれる星座早見表みたいだよ。
SNAKEPIPEの勝手な想像では、十字軍が位置を確認するために携帯していたようなイメージ。(笑)

「黒蜥蜴」ならぬ、「黒サソリ」なのかな?
えっ、まさかロブスターじゃないよね。
こうして提示されるとどちらなのか判断し難いことが分かって、驚き!
ジェーンの作風としては「サソリ」で間違いないはずだけどね。
美しい皿に盛り付けられた料理のように見えてしまったのが原因かも。(笑)
毒々しいモチーフを美しくまとめるセンスが素晴らしいよ。
赤と黒が入ると、アジアっぽい印象も受けるよね。

「頭痛」と題されたこちらの作品、ジェーンのサイトで販売されてるんだよね!
大きさは8×10インチなので、A4より少し小さめかな。
すぐに取り付けられる額入りで、お値段は$350、日本円で約4万円ほど。
紙を切り貼りして作成したなら、一点ものなんだろうね。
ゴシックや中世好きなら手に入れたいはず!

最後は「なぞなぞを聞いて」と題された作品にしよう。
「マンイーター」のように、下半身がライオンで天使のような羽を持つ慈悲深そうな女性。
手にしているのは金色のティアラを着けた首!
周りにいくつもの髑髏があるので、今までも同じ光景が繰り広げられたようじゃない?
「なぞなぞ」を語っているのは、首になのかネズミに対してなのかわからないね。
ちなみにこの作品、$350から値下げして$200になったところで売れたみたい。
好みの作品がお手頃価格になったら嬉しいよね!(笑)

美しさと残酷が同居している、ダーク・アートはSNAKEPIPEの好み!
ジェーンは紙を実際に切り貼りして作品制作しているらしいので、どこから素材を調達しているのか気になるよ。
2019年に東京都庭園美術館で鑑賞した「岡上淑子展」では、1950年代の「ハーパース・バザー」などの雑誌を切り取ってコラージュしてたと記憶している。
ジェーンは一体どこからインスピレーションを得ているんだろうね。
今後の活躍に期待だよ!

蔡國強 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる 鑑賞

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【国立新美術館の看板を撮影。いつも通り!】

SNAKEPIPE WROTE:

蔡國強 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる」の開催を知ったのは、国立新美術館の別会場で開催されている「テート美術館展」を調べていたからだった。
どちらの展覧会も非常に楽しみ!
本当は2つを同時に鑑賞しようかと思っていたけれど、体力が持つかどうか不安。(笑)
この夏に行われるビッグ・イベントを一日で消化してしまうのも惜しい。
そのためまずは会期が短い蔡國強展を先に鑑賞することにしたのである。

蔡國強といえば、2015年10月に横浜美術館で開催された「蔡國強展 帰去来」が記憶に残っているよ。
あの時に感じたインパクトは今でも強く残っている。
8年も前だったとは、びっくりだね。(笑)

Netflixで鑑賞できる「空のはしご」という蔡國強のドキュメンタリーも観たっけ。
構想から20年、空へと続く燃えるはしごを架けるプロジェクトなんだよね。
蔡國強の作品への情熱のみならず、バックグラウンドや人柄にも迫り、見ごたえがあったよ。
9年間日本に住んでいた蔡國強、日本語が堪能なんだよね!
親近感が湧くよ。(笑)

今回はどんな展示がされているんだろう?
ワクワクしちゃうよね!

夕方になっても強い日差しが照りつける六本木に、ROCKHURRAHと向かう。
コロナ真っ盛りの頃にはオンライン予約で日時指定が必須だったはずなのに、今はもうオンラインでチケットを購入するだけのサービスになっていた。
オンラインでも直接窓口で購入してもチケットの金額は同じなんだよね。
今回は窓口で購入することにした。

蔡國強展は6月29日から始まっていたので、少し落ち着いた頃じゃないかと見込んだSNAKEPIPEの予想はほぼ当たったかも。
会場が広いせいもあるけれど、苦痛を感じることなく鑑賞することができた。
そして全作品、動画以外は撮影オッケー!
蔡國強の太っ腹な対応に感謝だね。(笑)

展覧会は5つのチャプターで構成されていたようだけど、広い空間に決まった順路はなくて、好きなように歩いて鑑賞することができた。
そのため特に構成を気にせず感想を書いていきたいと思う。
入り口近くに、初期の作品が展示されていたよ。
1985年の「地球はわたしたちの共同の家」は、蔡國強には珍しい油彩画なんだよね。
フランシス・ベーコンの「トリプティク(三幅対)」みたいに、3枚でワンセットの作品。
一番右側の赤い部分は何を意味しているんだろう?

日本の現代美術館が所蔵しているという「胎動II:外星人のためのプロジェクト No. 9」は1991年の作品。
展覧会のタイトル通り、宇宙やビッグバンを思わせる迫力だよね!
中央に、まるで即身仏を思わせる白い人影が見える。
そして右側に、設計図のようなメモ書きが残っているのが面白い。
「こうやって火薬を置くこと」みたいな感じなのかな?(笑)
横幅が6mを超える大型作品なので、遠ざかってかなり後方からじゃないと全体像を把握できないよ。

「闇に帰る」(画像左)と「ノンブランド・非品牌 5」(画像右)は、ガラスと鏡を使用した2019年以降の作品だよ。
砂で曼荼羅を描き、爆破させた「闇に帰る」は、隣に動画が展示されていた。
一度作ってから壊す、という行為がアートなんだね。
どちらの作品も色合いが美しくて、とても気に入ったよ!

2020年の「銀河で氷戯」は横幅9mを超える大型作品で、一枚には収まりきらなかったよ。
ROCKHURRAHがパノラマで撮影してくれた。
ぐるぐるした渦巻きに飲み込まれそうで、めまいがしたよ!
赤い色と流線が、とても中国的に感じる。
任天堂の「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」で、空にドラゴンが舞っている時に流れる音楽が似合いそう。(笑)
人影のように見える白色は、宇宙を漂う魂みたいに見えてくるね。

「cAI™ の受胎告知」は2023年の作品だという。
ガラスと鏡を使った火薬ドローイングの最新作になるんだね!
最初に載せた1991年の「胎動II」から約30年。
作品が洗練されて、色合いや爆破痕の美しさが際立っているよ。
屏風のように展示された作品が他にも数点あって、どの作品も素晴らしいの。
欲しくなってしまったよ。(笑)
蔡國強が進化し続けていることがよく分かるよね!

会場の半分ほどの広さを使って展示されていたのが「未知との遭遇」と題されたインスタレーションだった。
「宇宙にまつわる古今東西のさまざまなイメージをLEDで表現した」という説明があったよ。
くるくると回転したり、LEDの光が七色に変化していく。
タイトルにちなんだモチーフは、特に新鮮味がなく、蔡國強らしさを感じることはできなかったのが残念。

大きな会場から少し外れた場所に「蔡國強といわき」という別会場が設けられていた。
1986年から9年間、日本で生活していた蔡國強にとって、第二のふるさとと呼ぶのが福島県いわき市なんだとか。
2023年6月に、ファッション・ブランドであるイヴ・サンローランの協力を得て、いわきプロジェクト「満天の桜が咲く日」を実行したという。
この映像が素晴らしいの!

Netflixで観た「空のはしご」も感動的だったけれど、浜辺に咲く桜にも驚いたよ。
今まで観たことがない風景を現実化してくれるイリュージョニスト!
構想しているけれど、未だに実現していないプロジェクトが100以上あるという。
これから先に、どんな景色を見せてもらえるのか楽しみだね!

俺たちリノベーション組

【こんな風に壁を塗りたくってみたいよ】

ROCKHURRAH WROTE:

ROCKHURRAHとSNAKEPIPEが今現在、最も熱意を持って取り組んでいるのは、築40年を超える古い空き家に移り住むための準備、主に改装に関わることなのだった。

元々賃貸暮らしだったこともあり、改装だとか壁を塗り替えるとかが不可能なのが当たり前。
自分好みの内装の部屋に住むなんて考えたこともなかった2人だが、古い家の片付けが進むにつれて改装が現実的に必要となってきたというわけ。

今までやったこともなかったリフォーム業者の見積もりや工事の具体的な打ち合わせなど、金額がかさばりそうな相談がとても苦手な2人だけど、何とかその辺も乗り越えて工事待ちの日々だよ。
普通のご家庭ではそんなに苦労もしない部分だろうが、ウチの場合は特殊な事情があって、人の何倍もの労力が必要だった。
工事する部分は業者に任せるとして、部屋の壁や天井や床は出来るだけ自分たちでやってゆこうと2人で決意して(大げさ)、いわゆるDIY精神で拙い内装を全力でやっている現状なのだ。

ネックとなったのは今住んでる家じゃないわけだから、DIYに必要な荷物を注文して受け取る時には毎回現地に行かなければならないということ。
住んでるところから比較的遠いし、最近のネット注文は(特に大型商品だからか)到着日や時間の指定が細かくできない場合もあって、届きそうな日にそこで待ち構えていないと受け取れないのが困るよ。
配送業者としても重いものを2回も運ぶの大変だろうから、間違いなく在宅の時に運んで欲しいものなのにね。

そんな前置きでわかる通り、今回はウチが最も興味を持ってるリノベーション、またはリフォームに関係した曲を集めてみたよ。

などと言ってもROCKHURRAHの知ってる70〜80年代のパンクやニュー・ウェイブで、部屋を改装した内容の歌なんかとてもなさそうなので、改装するそれぞれの場所がタイトルに含まれた曲を探してきただけ。
相変わらずインスタントな内容の記事になること間違いなしだな。

ウチがやりたいのは改修工事でも改築でもなくて、単に部屋の模様替えみたいなもの。
大げさにリノベーションなどとタイトルにつけたのが恥ずかしくなるくらいのことしかできないDIY初心者だし、色んなことで思ったより出費が多くてね。
内装ごときにかけるお金がないそうだ、などとつまらんダジャレしか出てこないよ。

で、SNAKEPIPEと家族会議(2回目の大げさ)を行った結果、ウチの内装の方針はインダストリアルな雰囲気を基調としながらも、なぜかちょっとだけモロッカン・スタイルを取り入れようという滅多にない、しかもあまり相性の良くなさそうな組み合わせに決まったよ。
色とか柄とかあまり具体的には書かないが、インダストリアルな内装は元々からの2人の好みだったので満場一致(大げさ、3回目)で決定。
そこにプラスしたモロッコや中東趣味というのは、単にTVの旅番組とかで知って気に入っただけという安易さ。
このアンバランスな組み合わせで、デザインとかインテリアやってる人からは悪趣味と言われそうだけど、要は住んでる人の自己満足の世界だからね。


天井は思い切って賃貸では出来ないペンキで塗りたくってみた。
昔、倉庫の床にペンキでラインを引くというような作業はあったけど、その時は一斗缶に入った塗料と希釈用のシンナーだか何だかを混ぜて液体を作ったな。
やったことないから人がやってるのを見よう見まねで混ぜてみたが、何だか粘り気がなくなりすぎて、塗った後でいつまでも乾かなかったのを覚えてる。
その教訓を活かして今回はお手軽な水性ペンキにしたよ。
壁や床なら何とかなるが、脚立に乗って天井となると姿勢がきつい。
しかも周りは養生したものの、下にボタ漏れペンキが落ちてきて、DIY初心者どころか三流以下の汚しっぷり。
もみあげがペンキで色変わってるのに気づかずに電車で帰ってきた日もあったな。
とりあえず天井は思った通りにペイント出来て満足だよ。

そんな天井への熱意を込めてこの曲をBGMとしよう。
ブラマンジェが1982年に発表した名曲「Living On The Ceiling」だ。
Ceilingはいわゆるシーリングのことね、え?説明しなくてもわかる?
シーリングライトって言葉はあるけど天井のことはあまり英語で言わないな。

ブラマンジェは1979年に結成して80年代前半に活躍したイギリスの2人組ユニット。
この時代はなぜか男2人組という怪しい関係っぽいバンドが数多く存在してて、ソフト・セルにDAF、アソシエイツ、スーサイドにペット・ショップ・ボーイズなどなど、バンドとしては厳密に2人組じゃないのかも知れないけど、ジャケットに主要メンバー2人だけというのが流行っててしのぎを削っていたな。
ブラマンジェもその一端と言える2人組だった。
ライブやレコーディングでは人の力も借りるけど、ちょっとした電子楽器とヴォーカルさえいれば、この時代のニュー・ウェイブ・バンドとして成り立つというのが(当時の)テクノロジーの進歩だったね。

「天井に住む」とはこれいかに?と思えるタイトルだが無機質な演奏と中東やアラブな雰囲気が「インダストリアル×モロッコ風」というウチのコンセプトとピッタリ一致してるね。
実際にはモロッコじゃなくてカイロなんだろうけど細かいことは気にしない。
タイトルや歌詞とビデオの関連性がイマイチわからないが、単にエジプトに行きたかっただけじゃないの?

前にSNAKEPIPEが「ふたりのイエスタデイ chapter09 / Blancmange」でも書いた通り、この曲はシンプル・マインズの「I Travel」をちょっと思わせるしヴォーカルも似た感じ。
シンプル・マインズが大ヒット曲を出して国民的バンドになったのに対し、ニュー・ウェイブという狭い範囲のみで終わったブラマンジェの方が個人的には潔いと思えるよ。
上にいくつか書いた2人組バンドに比べると見た目が微妙でカリスマ性に乏しいけど、そういう「ほどほどなB級感覚」がまたウチらしいな。

実はこの曲じゃなくて彼らがゴミを壊したりペンキをぶちまけるようなビデオの曲があって、話の流れとしてはそっちの方が良かったんだろうけど、今回はタイトルにこだわったからこっちにしたよ。
え?そっちも見たい?

うん、まさにこれに近いことをROCKHURRAHとSNAKEPIPEはやってたわけよ。
ペンキ塗ったりする前はウチが使いそうもない古い家具やモロモロのものを何回にも分けて粗大ごみに出したり。
一度に出せるのが9点までなのでそれ以降はまた予約して別の日にゴミ出しに来たり、そりゃもう結構な苦労だったよ。
前日の夜には出せなくて当日の朝に集積所まで出しに行かないといけないし、住んでるわけじゃないから朝4時に起きてゴミのために現地に行ったりね。
粗大ごみにするかどうか微妙な大きさのものはノコギリで切ったり解体したり、リフォーム以前の段階でクタクタになってしまったというのが最近の2人の日常なのだ。

ビデオの方はペンキがかかったり破片が飛んできたり、結構危険だと思うけど体を張った演技が見事だゴロ(ユン坊)。


天井ふた部屋でペンキも減ってきたし、壁の方はおとなしく壁紙でも貼ろうかということで、これまた初心者である壁紙貼りに挑戦した。
SNAKEPIPEの友人がとっても簡単と言ってたから決めたんだが、結果として言うならこれはあまりROCKHURRAHには向かない苦手な作業となってしまった。

無地だと面白みがないと思って柄物糊付き壁紙というのにしたんだが「破れに強い」などと書いてあるくせに端を持つと壁紙の重みであっという間にビリっと破れてしまう。
ミミなしタイプならまっすぐに合わせればいいんだが、ミミ付きと言われるものが多くて、これだと壁紙の端をちょっと重ねて、柄の合った付近をカッターで切り落とすというワザが必要になってくる。
糊が乾く前なら貼り直しも出来るそうだけど、途中まで1人でやってたもんだから柄は合わないわ、貼り直しで剥がしたらすぐにまた破れるわで、結構苦労したもんだ。
糊が乾く前にやったのがいけなかったのかカッターで切ろうとするとすぐにズルっとなって切りづらい。
だからと言って乾いたら貼り直しできないし、貼ってる途中で電話かかってきて、話してる間に床に落ちてしまうし、一体どうせよと言うのだ?

そしてまた貼ろうとしてる壁面が無駄に複雑な形をしてて、柄合わせのために随分考えたり上下逆さまで失敗したり、貼ってる時間よりも何とか目立たないように修復してる時間の方がかかったという三流なありさま。
糊だらけになりながら悪戦苦闘したが、かさかさに乾いた糊を腕につけたまま(日焼けで破れた皮みたいになって汚い)電車で帰った日もあったな。

どちらかというと器用な方だと思ってただけにこのグダグダさが腑に落ちないな。

そんな壁紙への恨みを込めてこの曲を選んでみた。
1980年に出たエコー&ザ・バニーメンの1stアルバムに収録されていた「The Pictures On My Wall」だ。
1979年にシングルとしてリリースされたデビュー曲なんだが、シングルの時はまだドラムがいなくてリズムマシンと弾き語りみたいなスタイルだったな。
このアルバム・ヴァージョンの方よりも個人的には最初の簡素な方が好きって人も多かろう。

英国リヴァプールでジュリアン・コープ(後のティアドロップ・エクスプローズ)、ピート・ワイリー(後のWah!)と共に音楽活動をスタートさせたイアン・マカラック(日本で色々読み方あるけど80年代はみんなマカラックって言ってたよ)だが、デビュー当初は残りの変幻自在な2人に比べると地味で一本調子な感じがしてたね。
だが結果として、ブレない音楽性でネオ・サイケと呼ばれる音楽の王道に君臨して、日本でも高い知名度があったのがこのエコー&ザ・バニーメンだ。

エコーという会社だか製品名だかのリズムマシンを使ってたからこのバンド名になったと言われていて、ROCKHURRAHもそう信じていたが、実はコルグのMini Popsという機種を使ってたようで、この辺の人の言うことは全く信用出来ないなと思いました。
そう言えば関係ないがオランダにミニー・ポップスというポップス性のかけらもないようなバンドがいたな。
今度はオランダ特集でもやるかな。

さて、このバンドはジョイ・ディヴィジョンの成功に続く大型新人という扱いだったが、この曲の頃はたぶんプロモーション・ビデオがなかったような気がしていたよ。
たぶんオフィシャルな映像じゃないと思うんだけど曲の雰囲気に合ってるようなのでこれでいいか。
波止場でギターという小林旭みたいな映像にファンならば痺れること間違いなし。


この家の床は元々からのカーペットが敷き詰められてて、家具の重みでくっきりと凹んでしまってるし、ウチはカーペットが嫌いなので全部取り替える予定だ。
順序としてこれが正しいのかは不明だが、ROCKHURRAHたちは天井→壁→床という計画にしている。

ペンキが落ちてきたり壁紙の糊がついたりを想定したので、捨てるカーペットは汚し放題で養生もしなかったから、この点は気兼ねなく出来て良かったよ。

過去に住んできた家は大体フローリングだったがパソコンの椅子が置いてある下はダメージがひどく、賃貸なので明け渡す時にいつも嫌な顔をされていた。
多少は学習したので今はタイヤ付き椅子の下だけラグマットを敷いたりしてフローリングを保護しているよ。
リノリウムみたいな床というのも子供の頃からの憧れだったが、滑りやすいということで断念。
フロアタイルみたいなのも探してはみたが、カーペットがどうやらフェルトグリッパー工法というので貼られているようで、釘が出た木の枠が周辺に貼られてて、カーペットの下側にはフェルトが敷き詰められている。
剥がすのはそんなに大変じゃないが、フロアタイルだとカーペットがあった位置よりも床が少し低くなってしまうのが微妙なところ。
もう少し簡単なヤツでウッドカーペットとかクッションフロアとかもあるけど、早いとこ考えて敷かないといけないな。
この辺はまだ実際にやる前の段階なので、天井や壁の時みたいに苦労話も書けない状態だよ。
どうせまた予想と違って苦労するんだろうな。

そんな苦難の予感を込めてこの歌を聴こう。
1980年にマガジンが出した3rdアルバムに収録、シングルにもなった「A Song From Under The Floorboards」だよ。
「床下からの歌」と聞くとホラーな感じがするが、決してそういう歌ではないようだ。

バズコックスの初代ヴォーカリストだったハワード・ディヴォート(シングル1枚のみで脱退)が作った5人組のバンドがマガジン、などと同じようなことを何度書いただろうか?
いつもいつも同じ趣味と嗜好で何十年もパンクやニュー・ウェイブと向き合ってきたROCKHURRAHだから、同じバンドのことばかりブログで語るのも仕方ない。
誰でもそうだろうけどこのジャンルなら何でも好きってわけじゃなくて、やっぱり今現在でも好きな80年代バンドなんてひと握りしかないもんね。

上のエコー&ザ・バニーメンがリヴァプールなのに対して、マンチェスターのパンクやニュー・ウェイブを語る時に絶対に外せないのがバズコックスにマガジン、そしてジョイ・ディヴィジョンなどの伝説級バンドだろう。
どんな歌い方してても滅多に聴き間違えないくらいにとっても印象的な、纏わりつくような歌声と、陰影のある曲調に不気味とも言えるヴィジュアル、要するに妖しさの魅力に溢れたバンドとして君臨してたのがマガジンだった。

ジョン・レッキーにコリン・サーストンなど、ニュー・ウェイブを語る上で欠かせない名プロデューサーによる1st、2ndも傑作アルバムだったが、この3rdアルバムはジョイ・ディヴィジョンを手掛けたマーティン・ハネットによるプロデュースの力もあってたぶん売れたんじゃなかろうか。
などといいかげんに書いたのが不安になって調べてみたら1stアルバムよりも順位がひとつ上がっててUKチャートで28位になってた。さすがマーティン・ハネットの手腕だというべきか?
前の2作よりは明るい曲調が多くなっててハワード・ディヴォートの粘着質な歌声ファンには物足りなかったかな。


今まで実家以外で庭付きの家に住んだことはなかったが、今度は小さい庭がある。
元々は華道をやってたような人の家だったが庭もちょっと和風な感じだったよ。
でもガーデニングの趣味がなく盆栽も嗜まないROCKHURRAHであるし、何年も手入れしてなかったから荒れ放題になってて、枝が伸びて困ってるなどと隣人に言われるので、手入れというよりは徐々に庭をすっきりさせようかと思ってる。センテンス長いな
雑草で荒れ果てた庭は蚊や蟻、毛虫などがいて、特に蚊に刺されるとアレルギーのようになってしまうROCKHURRAHにとっては悩みの種なのだ。
思い切ってチェーンソーなど買って雑草を刈り取ってみたが、しばらくするとまたまた生えてくる。
頭にきて雑草を執拗にチェーンソーで刈ってたら「悪魔のいけにえ」みたいになって怪しさ満点

発想を変えて文字通り根絶やしにする強力な薬品を撒いてみたが、これは確かに効果あった。
がしかし、ひと月もすると草ぼうぼうになってしまってる。
ものすごい生命力だよな。

近未来SFの映画などで瓦礫と化した街とか出てくるけど、実際はそんなになっても雑草だらけになるんじゃなかろうか?と思ってしまうよ。
雑草も生き延びないようなところに人間だけが生き残るはずがない、あのヴィジュアルはウソだね。

庭がなくてもやる気ありゃ出来るんだろうが、そのうちちょっとしたハーブとかでも育てられればいいかもね。
スーパーでいつもいつもは売ってなかったりするのでモヒート用のペパーミントとか、ちょっと買うにはもったいないくらいの食用ハーブがあれば料理の幅も広がって助かるね。

そんな悩み多き庭について歌ったとは思えないが、キュアーの1982年の4thアルバム「Pornography」よりシングルになった曲「Hanging Garden」で締めくくろう。
日本でも「首吊りの庭」というタイトルで83年にリリースされたな。

この時期のキュアーの演奏はいわゆるネオサイケやポジパンと言われるもので、ROCKHURRAHとしては好みなんだが、もう少しはマニアックに音楽を買い集めてゆきたいという見栄で実はあまりレコードを所持してなかったバンドだった。
つまり漫画でロバ夫などと描かれたり、どちらかと言えば暗めの女子ウケするバンドという印象だったから、あまり食指が動かなかったわけだ。
この日本盤シングルはその辺のレコード屋で手に入ったから珍しく持ってる1枚だったな。

聴いた時は演奏も歌もか細いし、あまり好みのバンドとは言えなかった。
だが、ROCKHURRAHも年齢を重ねて変な見栄もなくなったからか、いつどこで聴いてもちゃんとロバート・スミスだとわかるという点では個性のあるヴォーカリストだったんだなと、ちゃんと評価出来るようになってる。
太っても歳とっても時代が変わっても基本的なスタイルが変わらない生き方もいいね


以上、予想通りではあったけどリノベーションとはあまり関係ない内容の歌ばかりになってしまったな。

まだまだこれから塗ったり切ったり貼ったりの予定だらけで、家の大半をイメージチェンジするのだけでも本当に大変だと心から思うよ。まだ住んでないから通うのだけでも大変だからね。
それでも、よりよい環境を目指して何とか頑張ろう。
本業でもこれだけ頑張れれば良かったのだろうがその気は、ない。

ではまた、ビッサラーマ(ベルベル語:モロッコ公用語で「さようなら」)

ビザール・ウォールペーパー選手権!51回戦

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【映画で印象に残っているのは「ホーリー・マウンテン」の壁だよ!】

SNAKEPIPE WROTE:

部屋の印象をガラリと変えてしまうアイテムである壁紙。
「剥がせる壁紙」も購入できるので、好きな色や柄を貼って楽しむことができるね!
検索するとビザールな商品が多数販売されていて、見ているだけでもワクワクしてくる。
リフォームが趣味の方にとっては「壁紙の重要性に今頃気付くなんて」と呆れられてしまうかもしれないけどね。(笑)
ビザール・グッズ選手権」は、通常米国Amazonで購入できる逸品を紹介してきたけれど、今回はAmazon以外の店舗で販売している壁紙を紹介してみよう。

見た瞬間に笑ってしまったのがこちら!
なんでしょうか、このデザインは。(笑)
こんなにたくさんの目に見つめられて、落ち着くことができるのか?
furn. Theia Abstract Eye Printed Wallpaper, Blushは、サイトの説明によると「見守る目」のデザインだとか。
どの部屋に使用しても若々しいエネルギーを追加し、柔らかなブラッシュピンクの色合いがモダンな印象を与えます、と続いているよ!
お値段は1ロール(52cmの幅で10m)$55.99なので、日本円で約8,000円だって。
見守られたい時に購入を考えてみよう!

こちらも落ち着かないタイプだね。(笑)
Psychedelic Shapes 2 wallpaperは、とてもSNAKEPIPEの好みだよ!
一面の壁だけカラフルにしてもオシャレかもしれないね。
これはVIVIANA GONZALEZというデザイナーの作品で、デジタルプリントされた壁紙なんだとか。
最大サイズが幅10m、縦69.8cmで、お値段は$3,350、日本円で約47万円。
気分転換に買おうかなって金額じゃないね。(笑)
どうしてもこの雰囲気にしたかったら、SNAKEPIPEがペンキで描くことにしよう!

Black Mechanical Wallpaper Muralは、メタリックな部品がプリントされた壁紙なんだよね!
インダストリアル好きなSNAKEPIPEはグッときたよ。
壁紙が主張し過ぎて、テーブルや椅子が全く目立たなくなってしまう恐れがあるけど、カッコ良いよね。
ご自宅に使用する人は稀で、オシャレなレストランやショップが好むデザインかもしれないな。
お値段は1㎡で$2,935.71なので、日本円にすると41万5,000円!
壁一面なんて気が遠くなりそうな金額だよ。
ちょっといいなと思っても手が出せないなあ。(笑)

End of the Maze Undergroundは、ロンドンの地下鉄をプリントしている壁紙なんだよね。
地下迷路に迷う錯覚を起こさせるんだとか。
方向音痴のSNAKEPIPEは、自宅でも迷ってしまうのか?
そして部屋が広くみえます、とサイトに書いてあるよ。
確かに向こう側にまで通路が続いているからね。(笑)
完全なオーダーメイドなので、壁のサイズをお知らせください、とのこと。
お値段は1㎡$5.95、日本円で約850円。
10㎡必要だとしても8,500円ってことだね!
現実的な金額になってきた。(笑)
候補に入れてみよう!

続いてはこちら。
Gothic Occult Wallpaper Diabloだって。
ゴシック、オカルト、ディアブロと3つの単語が並んでいるだけでも「おどろおどろしい」よね。(笑)
他にはないタイプの壁紙をお探しの方へ、とお勧めの文言が書かれているよ。
バックの色が黒以外に白やピンクがあるのでお好みでどうぞ、とのこと。
1ロール(75cm幅7m)で$104、およそ15,000円だって。
ゴシックやオカルト・ファンにはたまらない壁紙だよね!

最後はPollock Wink 7 wallpaperね!
商品名にポロックとついていることからも分かるように、現代アーティスト、ジャクソン・ポロックをイメージした壁紙だと分かるよ。
これは2つ目に紹介したサイケ柄と同じサイトで見つけたんだよね。
ESTEVEZというデザイナーの作品だという。
最大サイズは9.5m×9.5mで$4,332、日本円で61万4,000円!
とても素敵だけど、予算的に難しいかな?
SNAKEPIPEがペンキぶちまけて、ポロックやるか。
もしくは天井からぶら下がって白髪一雄もどきで頑張ってみようか。(笑)

今回は個性的な壁紙を紹介してみたよ!
アメリカ物を探してみたけれど、他の地域ではまた違う素敵なタイプがあるかも?
アプローチを変えて検索してみよーっと。(笑)