好き好きアーツ!#59 HTコレクションより part2

20230910 02
【77年3月2日に撮影されたイギリス写真】

SNAKEPIPE WROTE:

先週に引き続き、伯母が撮影した写真を紹介していこう。
今回は旅行先でのスナップ・ショット集だよ!

先週も書いたように、満州育ちだった伯母やROCKHURRAHの母は、第二の故郷として中国が大好きだった。
これは万里の長城を観光した時の写真だと思うけど、赤い帽子を手前に写した斬新なショット!
恐らく伯母が帽子の主で、一緒に旅行した友人が撮影したものと思われる。
伯母には数多くの仲間がいて、毎回複数人と共に旅していたようだった。
時間的にも金銭的にも余裕がある生活を送っていて、羨ましいよ。

漢字から、これも中国だと分かるね。
何気ない風景だけど、少年の赤色が鮮烈な印象を残す一枚。
乗り物から撮影したのか、少し高い位置に見えるよ。
いわゆる観光地ではない場所も記録したかったんだろうね。

崩れた積荷を中心にして、何事かと窓から顔を出した人物をしっかり捉えたショット。
まるでルポルタージュみたいだよ。
このまま記事にできそうだもんね。

スナップ写真のお手本になりそうな一枚。
人民服を着ている子どもたちと左隅の女性の配置が抜群なんだよね!
ピンボケだけど、写真家が撮ったような出来栄え。
この写真も素晴らしいね。

街中での撮影。
右側の丸い台に乗っている人が交通整理をしているのかもしれない。
真正面のトラック運転手に光が当たり、バッチリと撮影者である伯母を見ているように見える。
距離があるにしても、外国人を正面から撮影できる勇気がすごい!
この一枚の中に9名の人物が写っていて面白いよ。
皆様は確認できるかな?

農作業を終えたのだろうか、馬に引かせた荷台に乗っている人物を捉えたショット。
もしかしたら伯母も荷台に乗っていて、振り返ったのかもしれない。
この写真もルポライターの記事みたいで、プロっぽいよ。
コピーつけたら広告写真になったかも?

今回は伯母の写真コレクションから、人物写真をピックアップしてみたよ!
観光地に赴くことが多かった伯母だけど、何気ないスナップもたくさん撮影していて空気感が伝わる。
トップに載せたのは恐らくイギリスの近衛兵だと思われる。
撮影された日付が1977年3月2日になっていて驚く。
1977年といえば、パンクが誕生した年とされているからね!
その年に伯母がイギリスに行っていたとは羨ましい。(笑)
どんな様子だったのか話を聞いてみたかったな、と思う。

好き好きアーツ!#59 HTコレクションより part1

20230903 10
【遺品整理で発見!大阪万博をモチーフにした写真屋の紙袋】

SNAKEPIPE WROTE:

今から1年前、ROCKHURRAHの伯母が永眠したため、遺品整理を行っているROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
SNAKEPIPEが初めて会った時には、すでに伯母は80歳を優に超えていた。
元教育者だったという伯母は、高齢になっても口調や言葉がはっきりしていて、話がとても面白かったよ。
年に数回自宅を訪れ、食事をして楽しい時間を過ごさせてもらっていた。
10年以上そんな関係が続いていたけれど、骨折がきっかけになり、伯母は施設に入所することになった。
自宅に戻りたいという希望は叶わなかったのが残念でならない。

一人暮らしだった伯母の遺品整理を引き受けることになり、1年経った現在も続いている。
タンスやキャビネットなどの大物を処分し、中に入っていた食器や書類などを見ていく。
遺品の中で最も多かったのがアルバムや写真類だった。
タンスや押し入れの奥、キャビネットの中など、膨大な数の写真が残されている。
アルバムのまま保管するのは難しいので、写真だけ剥がして保存することにした。

写真を見て分かったのは、伯母が世界20ヶ国以上を旅行していたこと。
テレビの旅番組で見たことがある場所で微笑む伯母の姿を見て驚く。
そして伯母はアルバムにコメントを残し、旅を振り返っていたようだった。

一枚一枚を見ていくと、まるで写真家が撮ったような写真があることに気付く。
このまま埋もれさせてしまうには惜しい写真がいっぱい!
そこで今週から伯母の写真コレクションを紹介していきたいと思う。
最初はモノクロームの写真にしてみよう。
アルバムから外し、何の加工もせずにスキャンしているので、色合いなどはそのままだよ。
伯母のイニシャルからHTコレクション、と名付けさせてもらおう。

伯母の母親、ROCKHURRAHの祖母のポートレート。
写っている時に笑顔を見せている写真は珍しいよ。
大抵は無表情で、ちょっと厳しい雰囲気に見えることが多い祖母だからね。
自宅の庭なのか、植物に囲まれてとても幸せそう。
この写真を見た時に、ソフィア・ローレンが出ていた映画「ひまわり」を思い出したSNAKEPIPEだよ。

恐らく伯母と伯父の子供時代じゃないかと推測する。
若い頃に亡くなってしまった伯父については、何度も話をしていた伯母。
自慢の弟だったと聞いている。
写真でも、伯父の足元を支えて、とても可愛がっていることが分かるね。
学校か公園で撮影されたんだろうか。
NHK大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」に出てきた「肋木」が写っているね。

アンリ・カルティエ=ブレッソンが撮影したような写真だね。
スケートをしているみたいだよ。
ROCKHURRAHの母方の一家は、満州にいたという。
冬はとても寒くて、校庭に水をまいておくと、翌日にはスケートができた、と伯母から聞いたことがあるよ。
もしかしたら、この写真も学校で撮影されたものかもしれないね?

祖母と親戚?
まるで土田ヒロミの写真みたいだよ。
何の作業をしているところなのか不明だけど、「はい、チーズ」と撮られた写真じゃないね。
自然なスナップ・ショットが新鮮だよ。

高い位置から撮られた写真。
建物の上なのか乗り物から撮影してるのか。
構図が面白いよね。
場所や日時が特定できないので、日本なのか満州なのかも不明だよ。
もしかしたら中に親戚がいるのかもしれないね。
撮影の目的がよく分からないけれど、気になる写真だよ。

遊園地の写真を2枚載せてみよう。
観覧車に乗っている祖母を確認することができる。
いつなのか不明だけど、この時の観覧車には安全設備がないんだね!
楽しいというよりは怖そうな乗り物に思えるよ。
「森永ミルクキャラメル」の看板が目立つ右側の写真。
同じ遊園地の写真なのかな。
遠心力で回るタイプのアトラクションみたいだよ。
これもとても怖そうだね!

写真が変色して、縁がシルバー色になっているよ。
この色合いが素敵だよね。
教育者だった伯母の職場で撮られたのかもしれない。
女児の髪型が古めかしいね。
お遊戯していた子どもたちは、今はどうなっているのかな。

伯母が残したモノクローム写真を紹介してみたよ。
一番上は写真が入っていた紙袋で、70年の万博デザインなんだよね。
岡本太郎の「太陽の塔」や新幹線が描かれていて、レトロ・モダンでオシャレ。
来週もHTコレクションとして、伯母の写真を特集するよ!

SNAKEPIPE SHOWROOM 物件20 バスルーム編

20230827 top
【ROCKHURRAHが作ってくれたTWIN PEAKSイメージのバスルーム画像。最高!】

SNAKEPIPE WROTE:

ROCKHURRAHが書いた先週の記事にもあったように、現在引っ越し作業中のROCKHURRAH RECORDS。
いよいよ新居でのリフォーム工事が始まったんだよね!
業者の方が複数人来宅し、朝からトンカン音が鳴り響いているよ。
粉塵予防として、ROCKHURRAHとSNAKEPIPEがいる別室出入り口にはマスカーテープが貼られた。
そのため同じ家の中に人がいることは分かっているのに、ぼんやりとした人影しか見えない状態なんだよね。
自宅で何かの工事があっても、一日中家族以外の人が在宅する経験はなかったので、不思議な気分だよ。

今までリフォームなどには縁がなかったROCKHURRAHとSNAKEPIPEだけれど、壁紙や床などについて考える必要が出てきた。
職場でも、ふと気が付くと天井や壁紙などを眺めているよ。(笑)
全然知らなかったDIYの世界。
現実的には自宅に取り入れることは難しいけれど、素敵なデザインを見るのは楽しいよね!
今回はカッコ良いバスルームを紹介していこう。

バスルームに作品を展示しているよ!
持ち主はギャラリーのオーナーなんだって。
湯船に浸かりながら、ゆったりと鑑賞するなんて羨ましい限り。
特別な防湿を施しているんだろうけど、日本の家屋では作品が「べこべこ」になること間違いないね。(笑)
よく見ると、湯船の横にも立てかけてある。
浴室で本を読む人もいると聞くので、手に持って鑑賞するのかもしれない。
トイレに取り入れたいアイディアだよ。

あまり見かけないタイプの壁!
どうやらこれは「ル・コルビュジエ風」の壁紙を使用しているらしいよ。
この「〜風」というのがポイントで、「〜テイスト」と同義語だろうね。(笑)
SNAKEPIPEは、ル・コルビュジエは建築家という肩書しか知らなかったけれど、検索するとリトグラフなどの作品がたくさん出てくるじゃないの!
色合いが美しくて独創的なので、いつかSNAKEPIPE MUSEUMで特集してみよう。
コルビュジエはん、やっぱり、ただもんじゃないわ〜!(笑)

目の覚めるようなブルー!
バスタブと壁の色味が少し違っているところが面白い。
こんな色のバスタブは見たことがないよ。
下部に曲げわっぱのような枠が貼られているところに注目すると、だんだんお弁当箱に見えてきちゃったのはSNAKEPIPEだけ?(笑)
個性的な色彩のバスルーム、今後の参考にしよう!

これはレストランのトイレのようだね。
スタッフが描いたらしいんだけど、大胆な構図と色合いが迫力あるよ。
スマホで壁と自分の写真を撮ることを目的に来店するお客さんもいるだろうな、と予想する。
ROCKHURRAH RECORDSの新居も、一室をサイケデリック・アートで仕上げる構想があったけれど、時間的に難しくなったね。
本気でDIYの方だったら、満足行くまで何年も費やして完成させるんだろうけど、「にわかDIY」チームには余裕がない。(笑)
いつかこんな壁を描いてみたいよ!

最後はこちら。
床部分が透明で、宙に浮かんでいるように見えるトイレなんだよね!
床下部分が空洞みたいだけど、どんな状態なのか気になるよ。
もしかしたら下から覗き見ることができるかもしれないし?(笑)
高所恐怖症のSNAKEPIPEだったら、足がすくんでトイレまで辿り着けないかも。
独創性は抜群だけど、居心地が良いかどうかは好みがありそうだね。

今回はバスルームの紹介をしてみたよ!
自宅の中でもプライベートな空間なので、清潔で心地良くしたいよね。
更にグレードを上げて、オシャレにしたい。(笑)
色々なアイディアを参考にして頑張ってみようかな!

ROCKHURRAH RECORDS残暑見舞い2023

Summer2023

【ROCKHURRAH流に真夏を表現したポストカード。センスいいね(自画自賛)】

ROCKHURRAH WROTE:

毎年恒例、残暑見舞いの時期がやってきた。
大体いつもはお盆の時期に書いてる、またはポストカードを制作してるんだが、今年は例年のようにゆったり出来ないお盆休みだったので、ちょっと遅れてしまったよ。

7/30の記事「俺たちリノベーション組」で書いた通りウチは今、引っ越す前準備の段階で、引越し先の片付けや改装で大忙しなのだ。

天井はペンキ、壁は壁紙という誰でも出来そうなことも変なところで苦労したり、何とかゴマカシながらも家の中がだんだん予定通りになってきて満足だよ。

メインの居住空間はすでに完成したけど、あと幾つかの部屋を残すのみ。
記事に書いた通りの経験から壁紙はROCKHURRAHにはあまり向いてないと判断して、だからと言って水性ペンキはちょっと臭いので次の部屋の壁をどうしようか悩んでいた。
ペンキの臭い自体はどちらかというと好きな方なんだが、たぶん油性と水性の違いなのか、もしくは買ったペンキがイマイチだったのか、ドアを開けると毎回ツンとするような臭いでゲンナリする。
真夏で暑いから窓やドアを開け放して換気も今は出来ない。
涼しくなった頃に換気して臭いを飛ばさなければ。
うーん、何行にも渡って自分の家の悪臭を力説してしまったが、そのうち良くなりますから。

それで色々いい塗料がないか調べていたら、なかなか良さげな商品を見つけたので、予算会議(SNAKEPIPEと2人だけ)の後で購入してみた。
これを使って自宅や店の壁を塗った人も多かろう、天然塗り壁材「ひとりで塗れるもん」という商品だ。
簡単に言えば5000年ほど前から世界各国で使われていた漆喰に似た成分のものらしい。

過去に何回か漆喰の部屋に住んだけど、ひんやりしてて好きな素材なんだよね。
これは従来の漆喰の塗りにくさを改良して壁紙の上から塗れて伸びが良い、要するに簡単に塗れるのを売り物にした商品らしいが、風呂や外壁みたいな完全に濡れるようなところには向かないと書いてあった。
本物の漆喰ではないということね。
ウチが塗りたいのはそういう部分じゃなかったので、2人で集中的に塗ってみようというのがお盆休みのミッションとなったわけだ。

ペンキのようにローラーで一気に、というのは出来ないようなので2人とも人生初のコテ体験となったよ。
業者が仕上げる漆喰壁は当然、見事にきれいなものだが、敢えて塗りムラのようなタッチが味わい深いと思ってウチもそういう仕上げを目指してやってみた。
部屋の壁は四面あるが窓や収納で二面は大した面積でなく、壁一面の大きな面積は二箇所のみ。
ペンキのように乾いた後で重ね塗りは違和感があるし、割と早く乾く素材なのでかなりスピード勝負となった。
本乾きする前なら霧吹きの水で多少柔らかくなって伸ばすことも出来るようなので、休憩をはさみながらSNAKEPIPEと2人で頑張ったよ。

ROCKHURRAHが脚立に乗って上の方を塗ってゆきSNAKEPIPEが下を受け持つという連携プレイで進めていったが、途中で見るとやった場所によって当然だが違和感がある。
僭越ながら偉大な芸術家に例えるならば、ゲルハルト・リヒターの手法を真似てコテで塗料の厚い部分を削り、引き伸ばしてゆくタッチのROCKHURRAH。
そして白髪一雄のアクション・ペインティングのようにワイルドに塗りたくってゆくSNAKEPIPEの荒いタッチ。
天井から縄にぶら下がって足で描いて欲しいよ。
その辺の画風(?)の差はあったが、翌日に乾いてみればそこまで違和感もなく、かなりいい感じで仕上がっていたよ。

2日目以降はそれに自信をつけて2人とも大胆に塗りたくったので、思ったよりも早く完成してしまった。

「ひとりで塗れるもん」を実際に塗ってみたブログ記事やレビューを探してみたが、こっちの予想よりも少ない感じがする。
どれほど普及してるのかは不明だけど、ペンキに比べると臭いもなく独特の質感を楽しむことが出来て、かなりお手軽ないい商品だと思ったよ。
漆喰系としては他にも「うま~くヌレール」という他社製品があるようで、こっちの方は使ったことないから比較は出来ないが、どの商品も容器の蓋を開けたらすぐに塗れるというお手軽さが売り物なのかな?
DIYの素人としては助かるね。

あとはずっと前から懸念事項だった床の方も何とか全部設置し終わったので、毎日電車に乗って出かけてハードだったけど、実に充実したお盆休みとなったよ。
この家は10年以上前から何度も通ってたけど、正直言って自分で住みたいとは思わなかった。
けど、こうやって自分たちで好きなように改装していったら段々愛着を持って、マイホームを持つ人の気持ちもわかるようになってきたよ。

さて、そんなワケであまり時間を取れなかったために、手抜きでチャチャッと作った今年の残暑見舞い。
時短の割にはなかなかセンス良く出来上がったと思ってるよ。
昔の欧州製カルト映画のポスターみたいなのを目指してみたけど、どうだろうかね?
芸術家でもデザイナーでもなく、単に素人が自己満足で作ってる趣味の画像だけど、こういうのを生活の糧に出来るような人が羨ましいよ。

ひと夏に出来たのはここまでだけど、秋の引っ越しを目指してこれからもより快適になるように頑張ってゆきたいな。

うーむ、前にトラウマになったほど大変だった引っ越し準備が最も難関(ROCKHURRAH家はとにかくモノや服で溢れかえってる)だな。
これは改装に比べたら楽しくないけど進めてゆかなければ。

ではまた、Arrivederci (イタリア語で「また会いましょう」)