ROCKHURRAH紋章学 タイル・デザイン ヨーロッパ・南米編

【ポルトガルのViúva Lamegoの動画。ブルーのタイルが美しいね!】

SNAKEPIPE WROTE:

ROCKHURRAH紋章学 タイル・デザイン アジア編」では、中国、シンガポール、インドと日本のタイルについて特集した。
今回は「ヨーロッパ・南米編」を書いてみよう。

まずは東ヨーロッパのロシアから。
ロシアには惚れ惚れしてしまうような美しい建造物がたくさんあるんだよね。
今回紹介するのは、モスクワのクレムリン内にあるテレムノイ宮殿
世界遺産に登録されて、観光地になっているというから一度訪れてみたい場所だよ。
17世紀にはロシア皇帝の邸宅だったというだけあって、外装も内装も素晴らしい!
SNAKEPIPEが選んだ画像は、タイル張りのストーブだって。
ロシアでストーブといえばペチカを思い浮かべるけど、このストーブは形状が違うみたいだよね?
赤を基調にシンメトリーの図柄が見事な出来栄え!
後ろの壁も赤で統一されて、アール・ヌーボー調の流れるような蔓も豪華だよね。
他の内部画像では、アジア風の装飾もあって、アジアやアラブ、ヨーロッパのミクスチャーのようで面白いよ。
ロシア文化はもう少し調べてみたいね。

次はスペイン。
満場一致でガウディに決定だよね!
画像は1882年から工事が始まり、2026年完成予定とされているサグラダ・ファミリア
完成しない建築と認識していたので、このまま完成しないで欲しいと思ってしまうのはSNAKEPIPEだけ?(笑)
それにしてもいつの間にガウディの名前が「アントニオ」から「アントニ」になったのか?
どうやらスペイン語表記と出身地であるカタルーニャでの表記が違うためみたいね。
グネグネした曲線と丁寧に貼り付けられたモザイク・タイルはガウディの代名詞だよね!
実物を目の前にしたら失神するかもしれない。(笑)

スペインの隣国であるポルトガルといえば、アズレージョを思い浮かべるよ。
青一色のタイルが特徴だと思っていたら、多彩色アズレージョもあるみたいね?
Wikipediaにある「ポルトガル人たちは、ムーア人のhorror vacui (あいた空間の恐怖)の伝統を引き継ぎ、壁をアズレージョで完全に覆い隠した」という部分が非常に興味深い。
間を厭う民族と、日本画のように間を含んだ構図を好む日本人との違いがハッキリしたからね。
2015年11月に「SNAKEPIPE MUSEUM #35 Adriana Varejão 」として、ブラジル人アーティストであるアドリアナ・ヴァレジョンを特集したことを思い出した。
アズレージョを使ったアートを展開しているアドリアナだけど、作品には多くの間があったような?(笑)
現代に「あいた空間の恐怖」は存在しないのかもしれないね。

ブラジルが出たので、中南米のメキシコも紹介しよう。
メキシコのタイルを画像検索すると、急に視界がくっきりする。
色合いが濃い、派手目のタイルはSNAKEPIPEの好みだよ!
メキシコでは外装よりも内装にタイルを使用することが多いようで、検索すると室内の画像が多く出てくる。
使用した画像は洗面所で、洗面器の柄までタイルと揃っていて印象的だよね。
歯磨きするのが楽しくなりそう。(笑)

今回はロシア、スペイン、ポルトガル、メキシコの4ヶ国を紹介してみたよ。
残り1回のタイル特集をお楽しみに!

ふたりのイエスタデイ chapter22 /ジューシー・フルーツ

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【ジューシー・フルーツの1stアルバム「Drink!」】

SNAKEPIPE WROTE:

その訃報を知らせてくれたのはROCKHURRAHだった。
1月11日にイエロー・マジック・オーケストラの高橋ユキヒロが亡くなってしまったとは!
70歳なんて、まだまだこれからなのに。
強いショックを受けたSNAKEPIPEだよ。

学生時代、ポスターを作るという美術の授業があった。
その時SNAKEPIPEが制作したのは高橋ユキヒロのポスターだった。
YMOが世界で活躍していることがとても誇らしくて、メンバーの中で一番好きだった高橋ユキヒロをテーマにしたんだよね。
ケント紙を真っ黒に塗り、シルバーのスプレーで銀河を描き、音楽雑誌から切り取った高橋ユキヒロの写真を貼り付け、宇宙を散歩しているイメージにした。
「YUKIHIRO TAKAHASHI」を黄色でレタリングしたっけ。
今思えば、フォト・コラージュの手法を取り入れてたし、ちょっと横尾忠則風のポスターだよね。(笑)

テクノポップ全盛だった当時、ヒカシューと共にSNAKEPIPEの心を捉えていたグループがあった。
それはジューシー・フルーツ
紅一点、ギターでヴォーカルのイリアが大好きだったんだよね。
デビュー曲であり、最大のヒット曲「ジェニーはご機嫌ななめ」を載せておこう。

聴きながら一緒に歌ってしまうSNAKEPIPE。
学校での学芸会(?)でもイリアになりきって歌ったことも思い出したよ。(笑)
記憶によれば、プロデュースをしていた近田春夫は「幼稚園児のヌード」をコンセプトにしていたと語っていたはず。
今だとしたら問題発言になるのかもしれないけれど、当時のSNAKEPIPEは「バンドを表現するのにピッタリ!」と思っていたよ。
可愛らしい雰囲気のバンドだったからね。

デビュー曲の「ジェニーはご機嫌ななめ」以降は、地声で歌っているイリアは、元ガールズのメンバー。
和製ランナウェイズを目指していたらしく、お色気とロックをミックスさせたガールズ・グループでギターを担当していたみたい。
ってことはジョーン・ジェット役だね!(笑)

次はもう少しロック色が強い3番目のシングル曲「十中八九N・G」ね。
この曲も好きだったなあ!

ジューシー・フルーツは何度も解散と再結成を繰り返して、現在は活動中らしい。
バンドのサイトもあったので見てみると、今年の4月に「イカ天レコ発イベント」に出演するんだって!
何故今になって「いかすバンド天国」のレコード発売なんだろうね?
SNAKEPIPEが好きだったスイマーズも出るみたい。(笑)
ジューシー・フルーツと「いかすバンド天国」の接点が不明だけど、かつて好きだったバンドが活躍している様子を知るのは嬉しいね!

映画の殿 第55号 韓国ドラマ編 part11

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【いつもキレイに表紙を作ってくれるROCKHURRAHに感謝!】

SNAKEPIPE WROTE:

ほぼ毎日何かしらの韓国ドラマを観ているROCKHURRAH RECORDS。
話数が少ないドラマが続いたため、1ヶ月に2回も「映画の殿」で感想をまとめることになったよ。

まずは2022年の後半、話題になっていた「サムバディ(原題:썸바디 2022年)」から。
このドラマを紹介するいくつかの記事には「純愛サイコ・スリラー」といった、今まで聞いたことがない修飾語が並んでいる。
一体どんな話なのか、あらすじを書いてみよう。

出会い系アプリを開発したソフトウェア開発者と友人たちは、そのアプリをめぐる殺人や犯罪、そしてすぐそばに現れた謎めいた男の存在に翻弄されていく。(Netflixより)

続いてトレイラーね。

主役のソン・ユノが、とにかく不気味!
身長188cmの鍛え上げられた肉体を持つモデル出身のキム・ヨングァンは、ユノ役がピッタリだったね。
冷酷で頭脳明晰なサイコパスが似合い過ぎて、違う役柄が思いつかなくなりそう。(笑)
出会系アプリを開発したアスペルガー症候群のキム・ソムを、ミス・コリアの経歴を持つカン・ヘリムが演じていた。
喜怒哀楽を見せず、無表情な天才プログラマーが似合っていたよ。
Netflixの韓国ドラマでは珍しく、女優が脱ぐとは驚き!
サイコ同士のラブ・ストーリーなだけあって、一般人には理解し難い心の通じ合わせ方をしていたようだね。
ネット犯罪が増えている現代には、いかにもありそうな話と言えるかもしれない。
SNAKEPIPEがドラマの中で気になった女優は、巫女役だったキム・ヨンジ。
3人グループのメイン・ヴォーカル担当の歌手だったとは。
韓国は歌もダンスも演技も得意な人が多いよね!

ウ・ヨンウ弁護士は天才肌(原題:이상한 변호사 우영우 2022年)」も、Netflixをつけると「今日の1位」のように、話題になっていたドラマ。
「サムバディ」の主役はアスペルガー症候群で、「ウ・ヨンウ弁護士」のほうは自閉スペクトラム症だって。
今まで観た韓国ドラマの中にも、精神障害を抱える主人公が何度か出てきたよね。
特別な力を持つ精神障害者が、ドラマになりやすいから主人公にするのかな?
「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」のあらすじを書いてみよう。

自閉スペクトラム症でIQ164の天才的な頭脳を持つ弁護士ウ・ヨンウは、ソウル大学ロースクールを首席で卒業したが、障害が原因で就職がなかなか決まらなかった。
父親の大学時代の後輩が代表を務める一流の法律事務所「ハンバダ」に採用され、新米弁護士として活躍することに。
シニア弁護士ミョンソクのもと、70代の老夫婦の間に起こった殺人未遂をはじめ、さまざまな事件を担当し、私生活でも壁にぶつかる中、一人前の弁護士として成長していく。(PR TIMESより)

 

鑑賞を始めた当初は、ウ・ヨンウの奇妙に見える行動や、一本調子に聞こえるセリフ回しに戸惑う。
「そうだ!」と作戦を思いついた時に、ヨンウの脳内を駆け巡るクジラの映像に観ている側も癒やされるようになってきた頃には、ヨンウの行動パターンにも慣れてくるよ。
どうしてクジラとキンパ(韓国のり巻)を偏愛してるのか謎だったね。(笑)
ヨンウの周りにいる人達が、どんどん暖かくなってくるのが、観ていて微笑ましかった。
SNAKEPIPEが気になったのは、ヨンウの親友であるグラミが働いているタルボネ居酒屋の社長。
とてつもなくくだらないギャグを連発して、自分で笑うヒゲオヤジ!
場を和ませてくれるキャラクターが良かったね!(笑)

その年、私たちは(原題:그 해 우리는 2021〜2022年)」は、「パラサイト」でソン・ガンホの息子を演じていたチェ・ウシクと、「梨泰院クラス」でヒロインを演じたキム・ダミが出演していることで話題になったドラマ。
以前から顔を知っている俳優が出ているだけでも、興味がわくよね。
相変わらず役名で覚えているため「梨泰院クラスのイソが出てるドラマ」と言ってしまう。(笑)
あらすじから書いてみよう。

もう二度と会いたくないと思っていたはずの元恋人同士の二人が、高校時代に撮影したドキュメンタリーが人気を集めたことをきっかけに、5年ぶりに再会する。(Wikipediaより)

 

高校時代の学年トップの女学生と、成績がビリの男子学生のドキュメンタリーが始まりになっている。
チェ・ウシクもキム・ダミも実年齢を偽り、高校生役をやってるんだけど、あまり違和感がないところがすごい。(笑)
そしてキム・ダミは、イソの時もIQが高い役、今回も成績優秀な生徒になっていて、頭が良いイメージがつきそう。

青春物にありがちなライバルの存在として、「刑務所のルールブック」で「法子」と呼ばれていたキム・ヨンチョルも出演していたよ。
高校時代の映像と、5年後である現在が交錯する前半は面白かったけれど、後半には単なるラブ・ストーリーになってしまったところが残念。
SNAKEPIPEが、いわゆる恋愛物に興味がないせいだろうね。(笑)
気になった俳優は人気アイドルを演じたノ・ジョンウィ。
金髪がよく似合う美女で、本物のアイドル・グループのメンバーなのかと思ってしまったくらい。
どうやら8歳頃から売れっ子の子役だったという、根っからの役者だったとは。
子役は大成しない、とか顔立ちが変わってしまうなどと言われることが多い中、ノ・ジョンウィは成功している例だろうね。
髪の色が濃い時よりも、金髪のほうが似合ってるのはなんでだろう?(笑)

「アンナ(原題:안나 2022年)」には、6話で完結するバージョンとディレクターズ・カット版の8話完結という2パターンがある。
どうやら監督と配信会社の間でトラブルがあったようなので、ROCKHURRAH RECORDSは迷うことなくディレクターズ・カット版を観ることにしたよ!
勝手にカットされたり編集されたらストーリーも違ってくるはずだしね?
あらすじはこちら。

地方の町で洋裁店を営む父と聴覚障がいのある母と暮らすイ・ユミは、6歳のとき、近所に住む駐留軍人の夫人に気に入られピアノやバレエ、英語を習う。
高校3年生のとき、若い音楽教師との交際が問題となりソウルに転校。
有名女子大学を目指すも受験に失敗したユミは、両親に「合格した」と連絡する。
それは、彼女がついた“些細な嘘”の始まりだった。(シネマ・カフェより)

続いてトレイラーね。

主演は「国民の初恋」の代名詞を持つペ・スジ。
どこかで観た顔だと思ったら、「映画の殿 第52号 韓国ドラマ編 part8」で紹介した「Vagabond」のヒロインだったね。
主人公アンナは、実際に学歴詐称スキャンダルを起こした人物がモデルになっているという。
ドラマの中でも小さな嘘から始まり、学歴も偽り教授になっていったアンナ。
調べられたらすぐに分かるはずなのに、と思いながら観ていたよ。
勉強して、無事に教授を務める努力は素晴らしかったけどね。(笑)
清楚な顔立ちの人に皆が騙されるのは、現実的にありそうだなと感じたよ。
「国民の初恋」が犯罪に手を染めて良いのかは別として。(笑)

4つのドラマについて書いてみたよ!
それぞれジャンルが異なっていて、面白かったね。
次回をお楽しみに!

ROCKHURRAH紋章学 タイル・デザイン アジア編

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【シンガポールにあるPeranakan Tiles Gallery。どれにしようか迷いそう!】

SNAKEPIPE WROTE:

今回のROCKHURRAH紋章学は、タイル・デザインを特集してみよう。
世界には様々なタイルがあるので、地域別のシリーズにする予定だよ!
タイル生産と消費が世界全体の約半分を占める中国から書いてみようか。

INAXのサイトによれば、中国で紀元前200年から紀元200年までの間に鳳凰や文字のタイルが作られていたという。
始皇帝陵の兵馬俑は紀元前246年から紀元前208年にかけて制作されたとすれば、タイルが作られていても不思議じゃないよね。(笑)

中国といえば龍、ドラゴンのイメージが強いよね!
画像は紫禁城の九龍壁、瑠璃タイルで1772年に制作されているという。
日本は江戸時代の中期から後期にかかる辺りだね。
かなり立体的な仕上がりで、迫力あるよ。
中国には3大九龍壁があるらしいけれど、どうやら横浜中華街にも北京で制作された九龍壁があるらしいので、一度観てみたいね!

続いても中国、北京にある天壇のタイルね。
天壇とは、1420年に皇帝が祭祀を行った宗教的な施設とのこと。
英語にすると「The Temple of Heaven」で、画像は祈年殿という北京のシンボル的な存在なんだとか。
1998年に世界遺産に登録されているというから、皆様ご存知の有名な建物なんだろうね?(笑)
タイルがとても美しいよ!

次はシンガポールのプラナカン様式のタイルね。
プラナカンとは欧米列強による統治下にあった東南アジアの各地域に、15世紀後半から数世紀にわたって移住してきたマレーシアに根付いた主に中華系移民の末裔を指すという。(Wikipediaより)
ドアが西部劇に出てくるような低い位置にあって、飲食店を営んでいるのかもしれないね。
ピンクドラゴンを連想する50’sなペパーミントグリーンとタイル、そして上に掲げられた漢字の看板がミスマッチで、レトロな雰囲気だよね。
タイルの使い方がオシャレなので、いつか自宅を飾る時の参考にしたいね!

カラフルでエスニックなタイルが敷き詰められている。
これはインドのアサングディ・タイルで、ガラス加工された表面に手作業でプレスして作られているらしい。
色鮮やかな見た目だけではなく、夏は冷房効果があり、冬には保温効果があるとのこと。
更に関節の痛みを防ぐというから健康面での利点もあるんだね!
いつかこんな素敵な床で、リングフィットアドベンチャーやってみたいよ。(笑)

最後に登場してもらうのは、我らが大竹伸朗!(笑)
直島銭湯「I♥湯」は、実際に入浴できるアート作品だという。
日本でタイルといえば、銭湯の富士山を真っ先に思い出す。
「I♥湯」のタイルは海中の様子が描かれているみたいだね。
湯船の下のタイル画も気になるところ。
内装から外装にいたる全てに大竹伸朗の世界を体感できるというから、一度行ってみたいよね!

地域別にタイルを紹介する企画と大見得を切ってきたけれど、中国、シンガポール、インド、日本の4ヶ国しか書けなかったね。
次回はどんな記事になるだろう。
楽しみにしていてね!(笑)