売る気があるのかどうか







【クリックで飛び出すよ】

ROCKHURRAH WROTE:  

前々回のブログでROCKHURRAH RECORDSの新ショップを発表したんだが、まだまだ旧商品を全部移行して、さらに未発表分の商品登録・・・というところまで行ってない状態だ。

特に難しい事をやってるわけじゃないけど、人様に物を売ろうというつもりだったら多少はマメで緻密な作業とかもこなさなきゃならないから、やっつけ仕事じゃ情熱が伝わらない=多少は時間がかかるというもんだ。

今回はそんな事から思いついたわけだが、人様に売ろうという気があまり見受けられないレコード・ジャケット特集、「顔」編。

顔をジャケットにするのは内外のアーティスト、アイドルを問わずレコード・ジャケットとしては基本とも言えるが、中には少しばかり変わった感性のジャケットを作る輩もいて気が抜けない。 ROCKHURRAHはそこまで珍妙なジャケットは持ってないから少し苦しい話題ではあるが。  

世間にはもっと面白くて商売っ気のないジャケットは多かろうけど、取りあえず自分の持ってる商品(すでに品切れもあるが)だけで書いてみよう。

尚、商品ページへのリンクは旧ショップとなっているが新ショップでもすでに登録済みのもあるので、出来ればそっちで調べてみて下さい。

註:全て新ショップへのリンクに変更しました。

以下、上のサムネイル写真を一枚ずつクリックしながら読んで下さい。  

1.Wild Billy Childish And The Blackhands
南方の民芸品屋とかにありそうなまじないの仮面だが、この程度なら今時大したインパクトではないか。

ビリー・チャイルディッシュはミルクシェイクス、マイティ・シーザーズ、ヘッドコーツなど数々の別バンドをやっていたガレージ・ロックンロールの奇人。このブラックハンズ名義の時はジャケットよりは「アナーキー・イン・ザ・UK」のチンドン屋カヴァー・ヴァージョンが凄い。
売り切れ 商品ページ  

2.The Brilliant Corners
コラージュ系と言うべきか。売れそうにないって程のジャケットではないが半開きの口と目つきが怪しく意味不明。

ブリリアント・コーナーズは解散したけどギターポップの華やかで爽やかなバンド。
売り切れ
商品ページ

3.Skids
一見普通だがこの顔が30センチのジャケットでアップだと結構インパクトある。ほぼ実寸大かな。

スキッズのラスト・アルバムは簡単に言えばスコットランド(おそらく現代ではない)の小作農っぽいテーマのアルバムで、農村ニュー・ウェイブの先達となった作品(なわけないか)。
まだ登録前  

4.Luc Van Acker
これは「ブラックジャック」のピノコにおける「あっちょんぶりけ」のポーズだね。顔が云々と言うよりは全身泥まみれで沼地を這い回ったような形跡が裏ジャケにもあって、一体何を表現したいんだかわからない人。同じ「這い回る系」なら亀人間になってしまったジュリアン・コープの2ndアルバムの方が吹っ切れているんじゃなかろうか。

リュック・ヴァン・アッカーはベルギーのインダストリアル系ミュージシャンで、後のレヴォルティング・コックスのメンバーとしても知られているナイスガイ(死語)。
商品ページ

5.Virgin Prunes
本当は裏ジャケの「ほぼゾンビでしょう」という写真の方がすごいんだが、おそらくジャケット写真用のモデルではなくてメンバー本人。

もしかしたら普段着、いや普段顔かも。というくらいにヴァージン・プルーンズは異教、邪教っぽいアニミズム溢るる演出が得意だった。

80年代前半のポジティブ・パンクがブームだった頃はこんなのが街中にごろごろいたという異形の時代。
商品ページ  

6.The Boys Next Door
これはジャケット写真の出典がわからなかったんだが昔のホラー映画とかなのか?メンバーの顔じゃないのは確か。かなり気持ち悪いのは確か。

後に全く同じメンバーでバースデイ・パーティとなるオーストラリアのバンド。ニック・ケイブのルーツですな。
商品ページ  

7.The Brigade
ウチの通販ページにも書いてある通り、こりゃひど過ぎって思えるくらいにいいかげんでぞんざいなジャケット。こんな柄のTシャツあったらファンなら買うのかね?

一応仲良し三兄弟パンク、ユース・ブリゲイドのなれの果てなんだが、今回の顔特集の中ではダントツに売る気がなさそうなジャケット。
商品ページ  

8.Ritual
これまた阿羅漢っぽい人々の苦悩っぷりがすごいジャケットだな。日々の修業が全然なってないのだろう。節操がない拙僧。

リチュアルもヴァージン・プルーンズなどと同じくポジティブ・パンクの範疇にあるバンド。この曲はコード進行とかも破綻していて凄い出来で気に入ってたけど、遥か昔にもう売れてしまったシングルだ。 売り切れ  

9.Nightmares In Wax
最後は気色悪さ全開のこれ、気弱な人は拡大しないで下さい。

ナイトメアーズ・イン・ワックスは知らない人も多かろうが、デッド・オア・アライブ以前にピート・バーンズがやってたリヴァプールのバンド。
商品ページ  

適当に選んでみたけどそこまでインパクト強いのはなくて企画倒れだな。

ジャケットの顔がヘンでも売れるものは売れる(例えば「クリムゾン・キングの宮殿」とか)、案外みんな買う時には気にしないのかもね。

ROCKHURRAHももっと修業してぞんざいなジャケット探してくる事にしよう。

憧れのDr.くれは!

【ワンピースのメンバーの手配書とDr.くれは(中央)】

SNAKEPIPE WROTE:

2日ばかり早いが、4日はSNAKEPIPEの誕生日である。
おめでとう、SNAKEPIPE!(自分で言うか)
うう、それにしてもいつの頃からか素直に誕生日を喜べなくなっているような。
もちろん原因は年齢…。
堂々と「△△歳になりました」と言えないもんね。
まあ、人は誰でも年を取るものだから仕方ないにしても、「加齢」がどんどん深刻な問題になっていることは確か。
(余談であるが、加齢、という言葉をROCKHURRAHはずっとカレーだと勘違いしていたらしい。カレー問題じゃ意味通じないじゃん!)

さて。
今回はそんな加齢問題を吹っ飛ばそう、ということで年を取ってもカッコいい、SNAKEPIPE憧れの人の話をしよう。
とは言っても実際の人物ではない。漫画の中の人。
3月1日から劇場公開されている「ワンピース」に出てくるDr.くれはである。
上の写真を見ても解るようにスタイルやらファッションは若者に全然負けていない。
しかし実際は139歳とのこと!
サングラスでへそピアスして酒(梅酒)飲みの医者。
「ハッピーかい?」
が口癖のDr.くれは。
うーん!カッコいいっ!(笑)
SNAKEPIPEもDr.くれはみたいなお婆ちゃんになりたいものだ。

そして、その劇場公開版「ONE PIECE THE MOVIE エピソードオブチョッパー+冬に咲く、奇跡の桜」(長い)である。
少し調べてみたら、なんとビビは登場せずにフランキーとニコ・ロビンが入ってるらしい。しかも船もサウザンド・サニー号だとか。
えっ、それじゃあチョッパーよりもフランキーとニコ・ロビンが先に仲間になってることになるんじゃ?
いいのか、それで?(笑)

大のお気に入りチョッパー登場の冬島編は漫画で読んでもTVアニメで観ても泣いてしまうSNAKEPIPEなので、映画版も気になるところだ。(意外に涙もろい)
誕生日の4日には単行本最新刊49巻が発売なので、それも楽しみ!
ワンピース読んで笑ったり泣いたりして、また一年頑張ろう!(笑)

新ショップ完成です

【ROCKHURRAHが勝手気儘にプロデュース】

ROCKHURRAH WROTE:

またまた久しぶりの登場となってしまった。
大体ほとんどのブログ記事はSNAKEPIPEが担当してるんだが、本当に書くべき事がなくなってしまった地味な週はROCKHURRAHの方に回されてしまうわけだ。

今週やった事と言えばSNAKEPIPEの知り合いの方が開催している写真展に行くため新宿に出かけて、ついでにディスク・ユニオンと本屋さん寄って、帰りには某デパートで開催されていた「福岡物産展」を見に行っておみやげ買って帰る・・・って、こりゃ去年のほぼ同じ頃のとある一日と全く同じ行動パターンじゃないか。

VIVA LA 物産展!」というタイトルでこのブログにも書いてるな。
それにしてもマンネリが過ぎる二人、というかそれくらいしか敢えて書く事もないような生活が続いてるんだな。

この地味な生活の中で何をやってたかと言うと、今度はオンライン・ショップの大幅リニューアルに向けての準備という作業。

去年から今年にかけて、まずはブログを数回引越しして、それからブログと見事に調和したROCKHURRAHオフィシャル・サイトのリニューアルを元旦未明に行い、そのリニューアル第三弾がこのオンライン・ショップというわけだ。
これでrockhurrah.comはほぼ全て一年前とは全く違うものとなる。

ブログだけ読んでくれてる人はよくわからんだろうが、ウチのサイトはそれらの内容が三位一体攻撃となった八木沢三姉妹(アタックNo.1)のような構成になっていて、全てに於てROCKHURRAHとSNAKEPIPEが手作りで運営しておる。

ショップの商品移行がまだ全部済んでないけど見切り公開してしまいましょう。
ROCKHURRAH RECORDS ONLINE SHOP 2.0(笑)の新店舗。

取りあえず現時点でやりたかった事、出来る事は大体全部取り込んでしまったから、特にWebデザインとかやってる人から見れば愚の骨頂のようなサイトだろうね。

最近では一応ショップらしきものが作れる、いわゆるCMS(コンテンツ・マネージメント・システム)というものも存在する。 ショップ運営に特化したものと言えばZenCartとかEC-CUBEとかなんだけど、これらのものを使って自分好みのデザイン、自分好みのショップ作るのは至難の技かも知れないね(まだやってなくてこういうのに興味ある人のために一応書いておくが)。

ウチの場合はオフィシャル・サイトとショップとブログを全部トータルなデザインでやりたかったためにそういうショップ専用CMSとは外れて、自力で別々のものを無理やり合体させた力技。

新しいショップの方が商品コメントも加筆修正してるし値段も安かったりする。この形態がいいとか悪いとか評価もさまざまだろうけど、これからさらに自分好みのショップに発展させてゆきたいので、これからも応援して下さい。

 

妖怪に用かい?(とほほ)

【ファンなら一度は扮装してみたい?水木しげる役の京極夏彦】

SNAKEPIPE WROTE:

この1週間で3冊の本を読破してしまった。
これは読むのが速いSNAKEPIPEにしても異例中の異例!
それ程までに熱中した、ということである。

今まで勝手に「怪奇現象を扱う禍々しい本に違いない」と解釈し、恐れていた作家。
京極夏彦の本である。
実はROCKHURRAHから随分前に薦められていたにもかかわらず、首を縦に振るのを嫌がっていたためだ。
食わず嫌いならぬ、読まず嫌いである。
子供時代に大ファンだった漫画は「ゲゲゲの鬼太郎」で「黄色と黒のちゃんちゃんこ」を母親に手作りしてもらった過去を持つSNAKEPIPEが、怪奇現象怖いというのは本来ヘンなのだ。
そして実際読み始めると止まらない!面白かったのである。

まず一番初めに読んだのは京極堂シリーズ2作目にあたる「魍魎の匣」だった。
恐る恐る手に取ったけれど、幻想小説の書き出し部分から始まる本作はかつて夢中になって読んでいた江戸川乱歩とか夢野久作の世界と似た雰囲気を持っていた。
そこにスパイスとして妖怪が加わる。水木しげるである。
あらすじみたいなものは省略するけれど、「鏡地獄」「押絵と旅する男」「人でなしの恋」が混ざったような、なんとも変質狂的な人物が登場したり。
そして根幹にはDNA。

主役(?)の京極堂が偏屈古本屋かと思いきや喋る、喋る!
「憑き物落とし」という名の下に事件を解決していくのだが、、、。
その解決に至る道筋を読み進めていくと
「んな、馬鹿な!」
「偶然が重なり過ぎ!」
などと声を出してしまうSNAKEPIPE。
余りにも京極堂が鮮やかにとんとん話をして、推理が当たっていくので追いつくのに精一杯になってしまう。
ちょっと悔しい思いをしながらも、やっぱり事件の行方を知りたくて活字を追っかける。

京極堂をとりまく友人達も魅力的だ。
うつ病の作家、他人の過去が見えるおマヌケ探偵、繊細な一面を持つ鬼刑事、のんきな釣堀屋、京極堂の利発な妹、そしてSNAKEPIPE大のお気に入りは三度の飯より解剖が好きという外科医だ。
それぞれがきちんと役柄を設定されているので、登場人物が増えても混乱しない。
なかなか面白いメンバー構成である。

続いて読んだのが「姑獲鳥の夏」。
本来であれば、これが京極堂シリーズ1作目なので最初に読むべきだったのだろう。
「魍魎の匣 」で京極堂の口調やら友人達に慣れてきていたので、こちらもするすると読んでしまった。
怪談めいた話も京極堂にかかると(一応)理路整然と片付いてしまうのが面白い。
そして読後、この本の映画版を観てしまうのだ。
映画化されていると知り、一体どんな配役になっているのか興味があったためROCKHURRAHに調べてもらった。
そうするとなんとも簡単にYou Tubeで13パーツに分けられた「ubume no natsu」を発見!
中国語の字幕付きなので、海賊版かもしれない。
小さい画面だけれど雰囲気を知るのにはいいか、と椅子を並べてROCKHURRAHと鑑賞。

説明不足、描写不足、演技不足、とまあすべてに「不足」を感じる映画だった。
SNAKEPIPEは原作読んだ後すぐに観たため、まだ理解できたけれど、何年も前に読んでいたROCKHURRAHは「意味解らない」と言っていた。
長い原作を2時間程度に収めるのは大変だろうけれど、ちょっと足りないなあ。
しかも配役が、、、。
京極堂役、まあまあ。悪くない、という程度か。
でも黒装束、黒じゃないじゃん!と突っ込みをいれる。(紫色に見える)
これはばっちり!と手を叩いて喜んだのは例の外科医、里村役の役者さん。
その俳優さん、SNAKEPIPEは初見なのだが、ものすごくいい線いってる!
母親役の「いしだあゆみ」も原作と違わない雰囲気で良かったな。
「水木しげる」役として原作にはない設定で京極夏彦自身が出演していたのには笑ってしまった。
残りはすべて散々だったので、これ以上の酷評は控えようかな。(笑)

そして京極堂シリーズ3作目の「狂骨の夢」を読んだ。
今度は宗教や精神分析が加わって、とてもお勉強になる本である。
高校時代にフロイト全集を読んで興味津々だった分野なので、「おさらい」をするような気分で読み進めていった。
また「偶然が重なり過ぎ!」だとは思ったけれど、これもまたユングの言う共時性(シンクロニシティ)だよね、として納得することにした。

まだまだ京極堂シリーズは続きがあるようなので、また読んでみたいと思う。
「読まず嫌い」の作家、まだ他にもいるかもしれないなあ。
毒見してから判断することを心に誓ったSNAKEPIPEであった。