ROCKHURRAH RECORDS残暑見舞い

【残暑御見舞い申し上げます】

SNAKEPIPE WROTE:

お盆休みの真っ最中、皆様いかがお過ごしでしょうか?
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEも休みで引きこもり中!(笑)
出かけるにしてもこの暑さだもの、少し歩いただけでバテバテ。
今年は全然出歩かない、おとなしい夏を過ごしている。

ということで今週は残暑見舞いのポストカードを制作してみた。
アグレッシブな魚がMOSHしてガラス割っちゃった、というパンクテイストあふれる一枚に仕上がった。
ライブのチラシみたいでイイ感じだ。(笑)

お盆を過ぎたら秋の訪れもすぐかな。

アドビ製じゃないFIREWORKS

【あり得ない光景!工場地帯に降る花火写真を制作】

SNAKEPIPE WROTE:

先週の3日、4日は近所で花火大会が開催された。
3日の土曜は江戸川花火大会だったようで、いきなりドドーンと爆音が鳴り響いたときには「すわ、また雷か!」と思ってしまったSNAKEPIPE。
全く情報を知らなかったので驚いてしまった。
かなり長い時間花火が打ち上げられていて、ようやく外に出て眺めてみた頃にはもう終了間際。(笑)
「明日行くからいいよね」
とROCKHURRAHと翌日の花火大会に期待した。

そして翌日。
2年前にも同じ場所での花火大会に行ったことがあり、会場の様子は多少分かっていた。
午前中には場所取りのために会場入り!
すでに5割くらいの場所はビニールシートが張られている。
みんな早っ!(笑)
それでもちゃんと場所が確保できてラッキーだね!

実はこの花火大会は「シークレットギグ」ならぬ「シークレット花火大会」で、全く告知がされない「ご近所様専用」である。
そのためSNAKEPIPEもあまり詳しいことを書くのは控えようと思う。

さていよいよ夕方になり、お弁当や飲み物持参のピクニック気分で会場入りしたROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
午前中に来た時と様子は一変していて、会場にはあふれんばかりの人、人、人!
告知されていないはずなのに、すごい人気にびっくり。
場所取りをしていたのがどこだか分からなくなるくらいである。
確か2年前も同じくらい大盛況だったな、と思い出す。
やっとこさ(死語)たどりつき、胸をなでおろすSNAKEPIPE。
みなさん、大宴会のような雰囲気であちらこちらで酒盛りが始まっている。
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEはノンアルコールでお茶だけ!
酩酊していてはせっかくの花火もおじゃん(死語)だろうと思って。(笑)

お腹もいっぱいになり、程好く風に吹かれたお陰でリラックスした状態で、さあ開幕!
花火の打ち上げ開始である。
息つく間もないほどジャンジャン打ち上げられる花火。
「おおーっ!」
「きれいーっ!」
など黄色い歓声がそこかしこで聞こえる。
SNAKEPIPEもカメラを構えながら鑑賞。
カメラを覗くのと空を見上げるのに忙しくなり、ついにはノーファインダーでシャッターを切ることにした。(笑)
後ろで「すっげえ!ヤバイよ、これ!」なんて若者の声が聞こえたので、恐らく前日の江戸川よりも素晴らしい花火だったのではないだろうか?
ま、その若者が江戸川に行ったかどうかは不明だけど!(笑)

ここで、余談であるが最近の若者言葉「ヤバイ」について少し書いてみたい。
元々「ヤバイ」というのは「危ない」とか「不都合な状況」などを意味し、調べてみるとどうやら江戸時代からあった言葉らしい。
ところが最近は「すてき」とか「かっこいい」のような褒め言葉としての使い方をする人が増えているようだ。
「危ない」時にも「ヤバイ」、「すてき」な時にも「ヤバイ」では一体どっちの意味で使っているのか分からなくなりそう。(笑)
ボキャブラリーが貧困というか、表現力が欠落してるというのか。

ROCKHURRAHもSNAKEPIPEも大好きな映画に「時計じかけのオレンジ」がある。
映画の中で主人公アレックスをリーダーにした4人組が、チームの中でだけ通用するスラングを使う。
映画はアンソニー・バージェスの小説を映画化したもので、原作に出てきたスラングを忠実に再現している。
これがなんとも面白い!
完全にオリジナルで、部外者には解らない造語である。
1962年に発表されている原作は、約50年も前とは思えないほどの想像力/創造力!
せっかくだったら日本人もこれくらいのスラングを使って欲しいなあ。
あんまり考えてるとガリバー熱が出そうだからこれくらいでやめておくか。
ライティライト?(笑)

話題を花火に戻そう。
今回観た花火は2年前よりもスケールアップ、かなりボリュームがあったのではないだろうか。
銀河系が迫ってくるような錯覚を覚える。
時間はそれほど長くはなかったはずなのに、矢継ぎ早の花火は感覚を麻痺させてしまったようだ。
眼前に広がった小宇宙を今年の夏の思い出にさせてもらおう。

不条理でシュールな夏

【ああっ、太陽がまぶしいっ!不条理色に変えてみた夏の写真】

SNAKEPIPE WROTE:

いつの間にやら8月に突入し、まさに夏本番。
毎日暑い日が続いてますな!
年々暑く感じるのはやっぱり地球温暖化のせい?

その昔は毎年日焼けで真っ黒になっていたSNAKEPIPEだけれど、寄る年波には勝てず最近は日焼け止めを常用。(笑)
今年は日差しが強いので日傘を買おうかどうしようか迷ったくらい。
うーん、人も変わるもんだね!

日焼けが好きだった頃もSNAKEPIPEの歴史と言えるけれど、全体で見た場合には「夏の思い出」と呼べる経験はほとんどない。
毎年恒例になっているサマーソニックフジロック、なんていう夏のイベントに参加したこともないしね。
今年はSex Pistolsも来日するとか?
サマーソニック東京といっても実は幕張なので(笑)、千葉県民のSNAKEPIPEだったら会場に入らなくても外でも音が聴こえるかも。
その昔PILでのジョン・ライドン(ジョニー・ロットン)を観たからもういいか!

と、ここで思い出したのがレゲエサンスプラッシュだかジャパンスプラッシュだったか名前は忘れたけど、随分前に行ったこと。
ただしこれは例の野外イベントではなく屋内、中野サンプラザだったような。
デニス・ブラウンが出演していたので、1999年より前になるのかな。
調べようと思っても、2000年より前の情報は非常に少ないためうろ覚えなので間違ってたら済みません。
ピョンピョン跳ねながら歌うデニス・ブラウンがとても可愛かった。(笑)
後にも先にもレゲエ系のイベントに行ったのはこれだけだ。

夏、ということでもう一つ思い出すのは学生時代の夏休みか。
宿題の定番である「読書感想文」を書くために選んだのが久保田早紀じゃなくて(笑)カミュの「異邦人」。
これは夏休みに読む人が多い本ではないだろうか。
実家にはエアコンがないため(笑)本当に暑い中で読んだ「異邦人」は、妙に説得力を持って迫ってきた。
「太陽がまぶしかったから」
ええーっ!
多感な学生だったSNAKEPIPEは「そんな理由」を堂々と言ってのける主人公にびっくりたまげて腰を抜かした。(笑)
新人類だなーと思ったものだ。(古い!)
不条理、という言葉だけでは説明が不十分な気がした。
SNAKPIPEの中では全てが根底から覆されるほどの衝撃だったのだ。
同時期に読んだカフカの「変身」と共に、現在のSNAKEPIPEが形成されるために必要だった本として記憶している。(大げさ)

ここでちょっとだけ上述した「衝撃を受けた」の部分の補足をさせてもらおう。
異邦人の主人公ムルソーはとても淡々とした、ほとんど感情を表すことのない人間である。
何かしらの物事が起きて喜怒哀楽が表現されている小説に慣れていたSNAKEPIPEにとって、感情表現のない主人公という設定や事件の理由は驚きだったのだ。
決してムルソーの言動を礼賛しているわけではないし、ましてや昨今の「無差別殺傷行為」をする人々を擁護したり理解しているわけではない。
特に昨今の事件は日頃の鬱憤をはらすための行為であり、異邦人のムルソーとは全く性格が違うと認識しているからだ。
誤解のないようにお願いしたい。

当時は絵描きになろうとして(笑)一生懸命描いていたのは心象画だった。
今から思えばそれはシュールレアリズムを目指していたようだけど、その時はシュールレアリズムという言葉も運動も知らなかった。
前述した文学からの影響が大きかったのだろう。
シュールと不条理について論文的・学術的に語るのはその筋の方にお任せすることにして。(笑)

SNAKEPIPEが敬愛するDAVID LYNCHもカフカの影響を受けてるし、「審判」の主人公から付けたジョセフ・Kというバンドがいたり。
自分のレーベル名を「COCTEAU RECORD」と名付けたビル・ネルソン
あ、80年代にはコクトーツインズっていうのもいたっけ。(笑)
軽く思いついただけでこれだもの。
まだまだ他にもいっぱいあるはず。

他分野からの影響を受けたアート、などと考察すると面白いかもしれない。

誰がCOVERやねん

【パロディ・カヴァーの元祖と言えばこの人】

ROCKHURRAH WROTE:

さて今回はタイトルでわかる通りカヴァー・ヴァージョンについて書いてみよう。
と言っても例のごとくROCKHURRAH流に最近のは全くなし。パンクやニュー・ウェイブ時代のちょっと偏屈なものをメインで。リンクが非常に多くてかなり読みにくいけども許して。
※タイトル下及び黄色文字色のリンクは全て音や映像が出ますので注意。

オリジナル・パンク時代で最もカヴァーが目立つバンドはやっぱりダムドが筆頭だろうか。デビュー・シングルのB面でいきなり「Help」だし、イギー・ポップ&ストゥージスの「1970(I Feel Alright)」、スウィートの「Ballroom Blitz」、ジェファーソン・エアプレインの「White Rabbit」、セックス・ピストルズの「Pretty Vacant」などなど、後の時代のバンド達に多大な影響と勇気を与えた節操のないカヴァーぶりはさすが。
スウィートのこの曲はサイコビリー系でも多くのバンドがなぜかカヴァーしてるんだが、ひとつの曲に対してカヴァーが集中するのはサイコビリーの奇妙な傾向だと思える。別の機会にその事も書いてみようか。
話がそれたがダムドのカヴァーでROCKHURRAHが好きなのはベルギーのプラスティック・ベルトランによる大ヒット曲「Ça Plane Pour Moi(「恋のウー・イー・ウー」「恋のパトカー」などという邦題がつけられてたな)」を「Jet Boy, Jet Girl」と歌っていたものだ。ん?これは単なる替え歌と言うべきか?

続けてニュー・ウェイブ時代のカヴァー・ヴァージョンについて考察してみようと思ってたんだが、実はあんまり面妖なカヴァーが見つからなかった。
例えばバウハウスがTレックスデヴィッド・ボウイのカヴァーするのはそりゃ当たり前、というようなパターンが多くて、あまり飛躍がないんだな。
そんな中でちょっとだけROCKHURRAHの心に引っかかったのは元ティアドロップ・エクスプローズジュリアン・コープが人気絶頂の頃にペル・ユビュの「Non-Alignment Pact」をカヴァーした事。今でも大した知名度はないけど、この当時(86年頃)はまだペル・ユビュはごく一部の好き者だけにしか知られてない(なかなか売ってなかったし)カルト的な、かなり難解で珍妙なバンドだった。この曲だけ聴くとストレートにカッコ良いけどね。
ジュリアン・コープは甘い顔立ちでアイドル・ポップスター的な面もあったが、亀の甲羅を背中にしょったジャケット(それじゃ花輪和一もしくは河童の三平でしょう)、と言うような奇怪な面もあり、むしろそれが本質だったように感じる。その辺に通じるものがあるのかも。そう言えば前述のバウハウスのピーター・マーフィーもソロでペル・ユビュの「Final Solution」をカヴァーしていたな。

パンク、ニュー・ウェイブとは直接関係ないかも知れないがSNAKEPIPEお気に入りのもちょこっと紹介してみようか。
フランスのアラブ系移民バンド、ラシッド・タハはクラッシュの名曲「Rock The Casbah」を大胆にカヴァー。と言うか元歌がそれ風なので逆にこっちの方がオリジナルのように聴こえてしまうな。このバンドはゴングなどで知られるプログレ・ギタリスト、スティーブ・ヒレッジも参加しているのがすごい。クラッシュのミック・ジョーンズがゲストでギター弾いてる映像などもあるので興味ある方は調べてみるべし。

音楽性は違うがドイツとチリ、テクノとラテンという相容れなさそうな組み合わせで活躍していたセニョール・ココナッツも面白い。ラテン・ミュージックでなぜにクラフトワークとかYMOとかカヴァーするか?という意外性と、聴いてみたら完璧にしっくりきてるというアレンジの上手さが素晴らしい。昔ドイツで活躍していたロスト・グリンゴスあたりを思い出してしまう。

あと、原曲とはかけ離れた楽器で演奏するというパターンで気に入ったのはYouTubeなどで見かける二人組。アマチュアが趣味でやってるっぽいんだが、これがウクレレでラモーンズ、バズコックスからBlubbery Hellbellies(!)、ゲイリー・ニューマン、ヴィサージまでカヴァーしてしまうという強者。彼らの場合はとぼけた味のビデオが楽しげ(ただ弾いてるだけなんだが)でかなり素晴らしい。

逆にこれはひどいカヴァー・ヴァージョンだと自信を持ってオススメ出来るのがアダム・アント。スパイス・ガールズの「Wannabe」をとんでもなくへっぽこにカヴァーしていたのをYouTubeで偶然見つけてビックリしたものだ。かつてはアダム&ジ・アンツで全英一位になってROCKHURRAHも大ファンだったものだがここまで堕ちるか?一体どうして?

意表をついたカヴァーと言えば最後にROCKHURRAHお得意の番外編としてこの人を挙げないわけにはいかない。マッド・モンゴルズやSxTxH、そしてソロとして名高いサイコビリー界の伝説(?)Mad Masato。カッコいい曲の間にさりげなくやっているのは山口百恵の「秋桜」、そしてなぜか「暴れん坊将軍」のテーマ。好きだからやってるのか狙ってやってるのかは不明だが何だかすごい。関東付近で滅多にライブやらないのが残念だが、もっと活動して欲しいアーティストの一人だ。