No Country , No Life!


【おかっぱ系?4名様大集合!(笑)】

SNAKEPIPE WROTE:

やっと話題の映画「No Country」を観た。
以前より劇場で鑑賞済みの友人2人から「おもしろいよ!」と薦められていた作品である。
ご存知コーエン兄弟が監督・脚本などを手がけている2007年(日本公開は2008年)の映画。
1996年の「ファーゴ」との比較や感想を軽くまとめてみたい。
(ネタバレの箇所がありますので、これから観ようと思う方はご注意を!)

静寂の風景からスタート。
開始からほんの数分で「おかっぱ頭」の男の犯行シーン。
それにしてもなんでこんなヘンな髪型なんだろ!(笑)
かなり迫力のある力任せの壮絶なコロシ。
ところが、事件はこれだけじゃないんだよね!
その後も無差別に「自分にとって都合が悪い相手」をバンバン殺す。
「おかっぱ頭」には彼独自の哲学(美学?)があって、その原理にのっとって行動しているらしいんだけれど。
粘着質の変質的なサイコキラーだ。
ハンニバル・レクター(「羊たちの沈黙」で有名な博士)に匹敵する犯罪者」
のような記事をいくつか発見したけど、SNAKEPIPEはそうは思わなかったな。
レクター博士は知的で芸術肌の犯罪者だからだ。(ヘンな表現だけど)
そしてレクター博士は武器を使わない。
この「おかっぱ頭」は屠殺用エアガンを使って犯行に及ぶのだ。

ここで余談であるが、先日ROCKHURRAHの薦めで観たトビー・フーパーの「悪魔のいけにえ」の中にも牛を殺す話が出てきたことを思い出す。
「昔はかなづちで頭を叩いたもんだけど、今はエアガンだってよ」
この映画の中では「かなづちこそが正当」とエアガンは邪道のような言い方がされていたけれど、これもまた犯罪者独特の美学なんだろう。

大金を手に入れたあたりから、ドラマチックになってくる。
逃げるカウボーイハット、追う「おかっぱ頭」。
追う、追われるの構図はいつでも手に汗握るほどスリリングで、できれば大金持ってうまく逃げて欲しいと心の中で念じてしまう。
ところがっ!
そうはうまくいかないのね。
それにしてもカウボーイハットが誰に撃たれたのかはっきりしない。
「おにいさん、ビール飲まない?」
なんて誘ってた女もグルだったのか?
よく分からない組織の手下の仕業だろうくらいの予想はつくけれど、通常だったら描かれるはずのドラマが突然終了している。
勝手に準主役だろうと思っていたカウボーイハットは意外とあっさり映画の中から消えてしまったのだ。

この「通常なら描かれるはずのドラマ」の部分を恐らく故意に排除したのが「No Country」でエンターテインメントに仕上げたのが「ファーゴ」かな、と思う。
「ファーゴ」では「あの後どうなったんだろう」と予想することはなく、すっきりエンディングを迎えることができた。
ところが今回の「No Country」は尻切れトンボだらけ!
いきなり死体だけが映っていて、その間のストーリーがない。
話が途中で終わることが多く、その後が分からない。
もどかしいのである。

しかしこれは毎日見聞きするニュース報道に近い感覚ではないか、と思う。
何かしらの事件が起きて、犯人が捕まっていない場合は証拠や証言から事件を想像するしかない。
語られない部分が多いのがほとんどだろう。
現実世界でも膨大な数の事件が一度は話題になったとしても、あやふやで尻つぼみの報道のために結末を知らないままになっていることが多い。
毎日の事件が多過ぎて、最後まで伝えてくれないからだ。
そして事件そのものも時と共に人の記憶から薄らいでいく。
その意味では「No Country」はリアリティあふれる映画、といえるのではないか。
犯人逃走中、のまま「おかっぱ頭」の話は終わる。
観終わった後のちょっと物足りない感じも、またリアリズムか。

ラストは唐突に始まるせいでとまどうけれど、警官が夢や希望に破れてリタイアしてしまった諦念と老いについて語っているシーンだ。
これも通常の事件モノだったら警官はいつまでも犯人を追い続ける、となるはずが
「時間があるから馬にでも乗るかな」
なんてすっかり定年後の会話になっていて、更に前述の夢の話だ。
このあたりも現実的なんだね。
それにしてもコーエン兄弟、「バーバー」でも中年男の悲哀を描いてたな。
そのくらいの年齢の人をターゲットにしてるということなのか、これから先の自分のことを想像しているのか分からないけど、そんな年でもないのにね?

「No Country」は40ぐらいの賞を受賞しているようでびっくり!
いやあ、そのー、どうしてこの作品が?と思ってしまって。(笑)
どっち、と聞かれたらSNAKEPIPEは迷わず「ファーゴ」に軍配を上げるな!
自分では気付いていなくても、エンターテインメント慣れしてるのかもね。

End Of The Great Rock ‘n’ Roll Century Boy


【クラッシュとラモーンズのスナップ写真】

SNAKEPIPE WROTE:

久しぶりにパンク映画を観よう、ということになり選んだのが次の3本。
まずはSex Pistolsの「The Great Rock ‘n’ Roll Swindle」だ。
かつて観たのはいつのことだったのか全く思い出せないほど昔のこと。
1978年、ということは今から丁度30年前の映画である。
当然リアルタイムでは観てないけどね!(笑)

この映画がドキュメントなのか、なんて議論はこの際どうでもいい。
マルコム・マクラーレンに惑わされるな!
単純に「やっぱりPistolsはカッコいい!」でいいのでは?
パンク初期の勢いや、受け止める人々の混乱と熱狂。
あの手、この手と考えを巡らせるマクラーレン。
こういう仕掛け人、今ではプランナーという職業の人になるのだろうか。
マクラレンの逆手に取る作戦は思うツボで、Pistolsは売れまくり、知名度も高くなる。
よくもまあこんなことを考えたもんだ、と感心してしまうほど。
日本だったら秋元康、みたいなもんか。(笑)

当時のライブ映像は本当にカッコ良くて、未だにPistolsファッションが健在なのも納得である。
生前のSIDのハチャメチャぶりも、パンクの象徴にふさわしい。
「My Way」の対訳を読むと、それはまるでSIDの人生そのもの。
「俺は自分の人生を生きた」
うーん。ほんとその通り!
劇中、SIDがバイクに乗るシーンがあり、気付いていなかったけど、バイクはHONDAだった。(笑)
てっきりヨーロピアン系のバイクだと思ってたのに。
この映画の別バージョン「No Future」はまだ観ていないので、機会があったら観ようと思う。

さて、次は1980年に公開されたClashの映画「Rude Boy」だ。
ほとんど同じ時期のロンドンという、前述のPistolsと同じ設定なのに印象が違うのはやっぱりバンドの性格によるのだろうか。
この映画も以前観ているはずなのに、ほとんど覚えていなかった。(笑)
「Rude Boy」は半分ドキュメント、半分フィクションのような映画である。
「だらしないヤツ」という意味の「ルード・ボーイ」が主役なのだが、この男が図々しくて本当に嫌なタイプ。
このルードボーイがClashのメンバーと関わる部分と、当時のロンドンの状況を表すようなニュースや出来事が混在する。
はっきり言って、この男が主役になる必要はなかったんじゃないか、というくらいどうでもいい話で、やっぱり一番重要なのは当時のClashの映像。
ライブ映像はもちろんだけれど、喋ったり歩いたりする日常的な行動だけでも絵になっている。
ワンパク坊主がそのまま大人になってしまったような、ポールとトッパーに対して、ちょっと大人っぽく思想を語るジョーとミック、の組合わせはバランスが取れているように感じた。
当時25歳くらいだと思われるジョーの、まるで役者のような横顔。
長い手足で何頭身あるんだろう、と思うほど恵まれたスタイルをしたポールは惚れ惚れするほどである。
ファッションセンスもグンバツだしね!
今見ても全然色褪せないカッコ良さ!
ジョーが着ていた赤い旅団のTシャツも印象的だけれど、やっぱりClashは襟付シャツ(もしくはレザー)とパンツの細さが決め手だね!(笑)

ラストはRamones「End of the Century」である。
これは2003年公開の「Ramonesを語る」趣旨の映画で、ライブ映像はほとんどない。
この映画撮影の最中にはまだディー・ディーとジョニーが健在で、インタビューに答え本音トークしている。
メンバー間の実情を知ることになるこのドキュメント映画は、
「そんなに仲が悪かったんだ」
とびっくりするほどである。
よく一言も口をきかないままで20年以上も一緒に活動ができるもんだ、と逆に感心しちゃうけど。(笑)
メンバーの誰もが何かしらのトラブルを抱えていて、しかもお互いのことをあんまり好きじゃなかったみたいで。
ドラムが3人、ベースが2人も代わっていたとは知らなかった。
もっともSNAKEPIPEがRamonesを聴いていた時期はほんのわずかで、ずっと追いかけて聴き続けたわけじゃないから知らないのも当然か。
現在はオリジナルメンバーとして残っているのは、初代ドラムのトミーだけになってしまった。
もう「Ramones再結成」ということはあり得ないけれど、一度でも来日したRamonesを観られただけで良し、とするか。

いわゆる「オリジナルパンク」といえば必ず出てくるのが上述の3組のバンド。
リアルタイムで経験しているわけではないから、当時の雰囲気を追体験しているような気分にさせてくれる映像はとても嬉しい。
パンクとは一体なんだったのか、なんて議論は要らない。
本当のことを言えば、メンバー間の問題なんてSNAKEPIPEは知らなくてもいいくらいである。
インチキだろうが、トラブルだらけだろうが、カッコいい衝撃的な音を聴かせてくれたバンドというだけで充分だからだ。
Punk Always On My Mindってことで一件落着!(笑)

ゲッタを鳴らして奴が来る~

liquid【リキッドルーム、トイレ内で撮影したライブポスター】

SNAKEPIPE WROTE:

「そろそろライブ行かない?」
と友人から誘いがあったのは先月のことだったろうか。
前回のライブはいつだったのか思い出せないほど、久しぶりのような気がする。
調べてみると5月の「MOSH BOYZ」以来!
なんとびっくりなことに約5ヶ月ぶりである。
足元はゲッタグリップでしっかりと固めて、いざ出陣!
お、なんとROCKHURRAHもゲッタ履いてる!
やっぱりライブは気合入れないと!(笑)

そして9月28日、向かうは恵比寿リキッドルーム
この会場は名前だけは前から知っていたけれど、実際に行くのは初めて。
恵比寿駅からはそんなに遠くない、広い会場だった。
今回のライブはそのリキッドルームの移転4周年を記念したライブとのこと。
出演バンドも豪華!(笑)

出演バンドとしてロマンポルシェ。の名前があり、
「一体彼らは何をやるんだろう?」
と疑問に思っていた。
その存在はかつて愛読(?)していたTVブロスでの連載を読んでいたり、前に新宿ロフトのライブで掟ポルシェがDJやってたこともあるので、存在は知っていたけれど。
そしてそのロマンポルシェ。からライブがスタートした。
中央に立つ掟ポルシェ、左側にロマン優光が機材担当で並ぶ。
音は80年代打ち込みテクノ風、そこに独特の歌詞で掟ポルシェが熱唱。
ロマンポルシェ。はライブ、というよりはパフォーマンス、の言葉のほうが合ってるのかもしれない。
曲の間に入るMC、というよりは喋りのほうが主体だったような?
ネタも政治問題、女性雑誌anan、野球、とかなり幅が広い。
結局何がやりたいのかSNAKEPIPEにはイマイチよく分からなかった。
そしてこのロマンポルシェ。のパフォーマンスのために、恐らくかなり音響が乱れたようだ。(と、後になって思った)

ロマンポルシェ。の後、DJとして登場した怒髪天の増子兄ィ。
パンクのライブ会場では滅多に聴くことがないであろう曲のオンパレード!
タケちゃんマンのテーマ、与作、笑点のテーマ、クリスタルキング「大都会」の時にはド派手なアクション付きで歌ってみせるほど。
きっと一番楽しんでいたのは増子兄ィ、本人だったと思う。(笑)
相変わらず元気でよく喋る、喋る!
ロマンポルシェ。の時よりも「やんや、やんや」とにぎわっていた。

続いての登場はBATTLE OF NINJAMANZ。
このバンドも、千葉ルックでヴォーカル・柳家睦がDJとして登場したのは何度か観た(聴いた)ことがあるけれど、ライブは初めて。
MUTSUMIのDJスタイルも前述の増子兄ィとほとんど同じ。
和田アキ子、浜田省吾などを歌いながら紹介していたのを思い出す。
さて、ライブは?
一曲目、かなりノリがいい音で期待!と思いきや・・・。
ロマンポルシェ。の時に少し書いたように、高音が響き過ぎのひどい音響で、低音がよく聞き取れない。
サイコビリーでは重要なはずのベースの音、聞こえないよー!
きっとロマンポルシェ。用の音響のままスタートしちゃったような?
あれではバンドがかわいそうだ。
しかも今回はNINJAMANZの撮影が予定されていたらしいけど、会場が広かったせいか、お客さんのノリがいまいちでサイコビリーでは恒例のパンチ合戦もほとんどなし!
DVDになっても観客のほうが映ってない映像かな。(笑)

そしてまた増子兄ィのDJタイム。
かなり酒も入っていたようで、また会場を笑いの渦に巻き込んでいた。
もしかして、一番盛り上がっていたのは兄ィの時か?

そしてラスト、ラフィンノーズ
前回ラフィンを観たのが「MOSH BOYZ」の時で、この時にギター・KASUGAの後任としてベレーが入ったことを知る。
そしてその時のブログに書いたけれど「GET THE GLORY」のギターソロでまさかのミス!
あの時から5ヶ月が経過。
果たしてベレーのギターはどのように変化しているのだろうか?
ん、むむ?
NINJAMANZの時と同じようにまた音響がヘン!
ま、それでもさすがはラフィン、盛り上げ上手なので会場はものすごい盛り上がり。
ダイブをする人もだいぶ増えて(ぷっ)いつものライブの様子になってきた。
「MOSH BOYZ」の時にも見かけた白髪に雪駄の男性もダイブしてたし!
お客さんに支えられるように前のめりになり、両手を水平に上げライトを浴びたチャーミーが、まるでキリストのように見えたのはSNAKEPIPEだけだろうか?(おおげさ?)
そして定番のラスト、GET THE GLORY。
うーむ、やっぱりベレーのギター、おかしいよ!
音響がヘンなのを差し引いても、進行狂ってないか?
そりゃ、パンクバンドだから?なんでもアリでいいんじゃない?とも言えるけど、やっぱりGET THE GLORYはちゃんと聴きたい!
ちょっと物足りなさを感じてしまったSNAKEPIPEである。
恵比寿リキッドルームの構造が「ひな壇」のようになっていたので、一番後にいても、ちゃんとドラム・kyoyaの顔や動きまで見えたのは良かったけど。

帰り道におまけネタが。
電車を乗り換えようと戸口付近へ移動しようとした時、ROCKHURRAHの後にやや急ぎ気味で同時に移動しようとしている人影があった。
先に行ってもらおう、と体をよけようとした瞬間見えたのが「首」。
なんとその人物は首にまでTATTOO!
おや、このTATTOOには見覚えが・・・あっ!
なーんと、LINK13のTEZUKA氏じゃん!(笑)
同じ電車に乗ってた、ということは同じライブに行ってたのかも?
それにしても電車で見るTEZUKA氏、でかっ!
ROCKHURRAHに教えようとして
「ほら、あそこにTEZUKA!」
とささやき声で言ったつもりだったけれど、ライブ後、耳が遠いから声が自然と大きくなるんだな。
TEZUKA、と言った瞬間、TEZUKA氏本人がこっち見たーーー!
目が合っちゃったよーーー!こわーーー!(泣)
「TEZUKA・・・さん!」
と慌てて「さん」を付けたSNAKEPIPE。(笑)
黒づくめで帽子にメガネ、とライブの時とは全然雰囲気の違う変装スタイルだったけど、首までは隠せなかったね!
TEZUKA氏、また千葉ルックでライブ企画お願いします!

アイ・オー・レッツゴー

【MacとUbuntu、柄物同士の共存】

ROCKHURRAH WROTE:

先日のSNAKEPIPEによる「Win族大移動」事件の後日談というわけじゃないが、パソコンというのはいつ何時壊れるかわかったもんじゃないという事を今更ながら痛感した無防備な二人。
そこで今回はROCKHURRAHも「いい機会だから」と便乗して、新しいハードディスクを増設してみた。
と言うかROCKHURRAHのパソコンはiMacで、内部に新たなハードディスクを搭載するのは無理なんで、外付けのを買ってきてUSBに接続しただけ、終わり・・・。
ん?これじゃ話にならない?もう少し話を増設してみるか。

買ってきたのはアイ・オー・データ製の大人気激安500GBのヤツ。
ウチのブログではおなじみのY電機にてポイント使用したおかげもあるけど、今時は1万しない金額で買えてしまう。SNAKEPIPEの買った内蔵よりも安いよ。すでにテラバイト超える機種が主流になってる(?)のか、メモリもハードディスクも実に安くなったもんだ。
前にバッファローのFirewire接続のを使ってたけど、実はアイ・オー・データのは初めて。何とMacの外付け起動ディスクとしても使える優れものなのにこの安さ。
早速現在のシステムごと完全にバックアップしてみる。

使ったのはMac用バックアップ・ソフトでCarbon Copy Clonerというもの。ハードディスクに付属のソフトは見当たらず、オフィシャル・ページで探してもMac用のそういうソフトがどうしてもダウンロード出来なかったが、逆にこのCarbon Copy Clonerの方が(たぶん)使いやすかった。これでフリーとは素晴らしい。このブログでも称賛してつかわそう。
それから待つ事しばし、バックアップが終わったのでドキドキしながら再起動。
ちなみにMacの場合はOptionボタン押しながら再起動すると起動するシステムが選べる。BootCampでもおなじみ。
うん、ちゃんとめでたく(日本語変か?)内蔵からでも外付けからでも起動出来てる。内蔵ハードディスクから起動出来なかったら恐ろしいけど。
出来ると書いていた機種を買ったのだから出来て当たり前の事だが、昔はブータブル(そこからシステムを起動出来る)の外付けハードディスクはあまりなかったので、こんな事でも感動してしまう。
要するにひとつのディスプレイで2つのMac OSが起動出来るという環境だ。

完全な同期をさせてイザという時のクローン、とも考えたが、それじゃあまり面白くない。新たな外付けの方は今までやらなかったような事に使ってみたいと考えて、やってみたのはいわゆるヴァーチャル・マシンというようなものをMac環境でやってみようという試み。

このヴァーチャル・マシンと呼ばれるような技術はMacでもおなじみ、Boot CampとかParallels DesktopとかCrossOverとかVM Ware Fusionとか、さまざまな選択肢が現在ではある。どうでもいいが全体的に名前どうにかならないかね?。
ROCKHURRAHはこういう技術には疎いんだがやりたい事だけは明確で、要するにMacの中でウィンドウズやLinuxといった他のOS(で動くソフト)を動かしてみようというもの。
実は昔むかし、そういう事に興味あった時期にはまだ実用化にはほど遠い環境しかなくてがっかりしていた技術だが、今はもう完全に実用化されていて、ハードディスクの空き容量もメモリーもそこそこあるからという事で今回実験してみたのだ。

Parallels Desktopが最も評判良いようだが、ROCKHURRAHが試してみたのはこの中で最も金がかからなさそうな3つ(笑)。

まずはCrossOver Macなるもの(の体験版)。
これはMacの中にウィンドウズをインストールするのではなくて、ウィンドウズ用のアプリケーションをそのままMacで使おうという技術で、詳しくは・・・わからん。
ただウィンドウズOSが不要という手軽さへの興味から試してみたが、使えるアプリケーションがまだまだ少ないなという印象。ものによっては「予期せぬ理由で終了しました」というのもあり、使えるか使えないかはほとんどバクチ。特にMacではほとんど発達してないジャンルのフリーソフトとか。ROCKHURRAHがどうしても使いたかった某ウィンドウズ専用のフリーソフトは運良く完璧に使えたが、うーん、それだけのために買うかどうかは微妙なところ。博打好きな方はどーぞ。

次も似たようなものだがMikuInstallerなるもの。これはいかにも個人っぽいアプリケーションなので(?)上記のCross Overよりもさらに冒険なんだが、タダで使えるのでチャレンジしてみた。これまた何だかよくわからない代物だが、Macの中でウィンドウズの実行環境が得られるというWineというものを簡単に組み込む事が出来るらしい。何じゃそりゃ?と思ってる初心者でもたぶん全然大丈夫。理由はわからなくてもちゃんと仕事はしてくれる。Mac OSのインストールDVDに付属するデベロッパ・ツールとかX11とか、他にもインストールしなければならないもの(初期状態ではインストールされてない)があるが、それさえ事前に済ませておけばこのWineを組み込む事は(たぶん)簡単。
X11はフォトショップに匹敵するフリーソフト、GIMPとかを使うのにも必要なものだから興味ある人は事前にインストールしておくと良い。
このMikuInstaller、画面はしょぼいが結果としてCross Overとほぼ同じ。
出来ないアプリケーションはやっぱりインストール出来ないところまで一緒だけど、ROCKHURRAH環境ではやはり使いたいアプリケーションが一応使えた。運試しがしたい方はどーぞ。

上記のふたつはあくまでMacの中でウィンドウズのソフトをそのまま動かす、という少し強引なものだったが、次にROCKHURRAHが試したのがMacの中にヴァーチャルなウィンドウズ領域を作り、そこでウィンドウズそのものを動かすというもの。使ったのは無料で試せる太っ腹なVirtualboxなるもの。

かつて期間限定版として使った事あるVM Ware Fusionとだいたい同じようなものだが、むしろこっちの方が実用的ですっかり気に入ってしまった。現在はJAVAやMySQLなどでおなじみSun Microsystemsが買収したようだが、ちゃんと日本語だしわかりやすい。
これで無料とは素晴らしい出来。ウィンドウズOSは必要だがMacでウィンドウズや他のOSを動かしてみたい人にはオススメ出来るものだ。

Virtualbox本体のMac版をインストールし、新規ゲストOSをインストールする設定が出来たらもうOK。新しいパソコンにウィンドウズをインストールするのと同じ要領でいとも簡単にヴァーチャル・マシンは完成する。ウチの場合はXP持ってなかったのでウィンドウズ2000をインストールしてみる。
つまずいたのは最初にCD/DVDドライブをマウントしてなかったためにインストール画面が出て来なかった事。
・・・まあ説明読みながらやってれば問題なくわかるのでROCKHURRAHが愚かだっただけの事。
変な部分で手間取ったが無事にインストール成功、がしかし、画面は640×480、16色とひどいものでこのままじゃ使い物にならん。

どうやらゲスト・アディションなるものをインストールしないと設定変えられないらしい。そこで必死で公式ページとか探してみてもどこにもそんなもの見当たらない。一体どこにあるのか?気付くと上のメニューにちゃんと項目があるしイメージ・ファイルとしてマウント出来るようにもなってる。あっ、本体に付属してたのか。ファイルをダウンロードしてインストールするものだと思っていた。これまたROCKHURRAHの注意力のなさが原因だな。

このゲスト・アディションをインストールすればちゃんとフルカラーで大画面表示が出来るようになる。さらにMacの中で動いてるウィンドウズとその外側にあるMacの間で自由にマウスカーソルの移動が出来るようになる。この段階でMacのウィンドウズの中にウィンドウズのデスクトップ画面(の中にウィンドウズのアプリケーション)が表示されるという、ひと昔前には考えられない出来事が実現した。使ってるMacとゲストOSのメモリーとかで色々バランスを考えないと動作がもたついたりするが、バランスが良かった場合はかなり快適に動いてくれてなかなか良い状態。現在売られているiMacくらいならば余裕で使えるレベルだ。

この後、怒濤のようにWindowsアップデートを繰り返さないとならないのが時間もかかって難儀だったが、なぜか途中から再起動が出来なくて、妙な縦のスジみたいなもんが入った画面で固まってしまう。バグなのか設定がおかしいのかアップデートのせいなのかわからんけど、この問題は書いてる今もまだ解決してない。
ウィンドウを閉じようとすると「ゲストOSのシャットダウン」みたいな項目が選べるので毎回それで終了しているありさまだ。

まあおかしくなってもメインOSではなくてヴァーチャル・マシンだからそこまで痛手ではない、というところがヴァーチャル・マシンのいいところだな。本気でウィンドウズやりたければウィンドウズ機を買うだろうし、その辺の使い分けは個人の勝手。ROCKHURRAHは極端なMac信者であり、ウィンドウズを入れてやりたかった事はそんなに多くなかったから、無料でこれだけの事が出来たVirtualboxに大変満足している。

ウィンドウズ2000で調子に乗って、今度は巷で評判のLinux系完全フリーのOS、Ubuntuまでインストールしてみた。これはさらに簡単で、Ubuntuのページに最初からVirtualbox用の仮想ハードディスク・イメージがある。Virtualbox起動後、新規でUbuntu用の設定を作る。このハードディスクを設定する際にあらかじめダウンロードした上記のディスク・イメージを選択すればインストールさえいらないという手軽さ。
見た目は渋い和柄のXPという感じだが、かなりクセが強いOSという感じ。
この方面に対する知識がないから使いこなすのはまだまだ先だろうが、最初から多数の無料アプリケーションが入ってるからかなり楽しげな予感がしている。

Virtualbox+Ubuntuの場合は完全に無料で楽しめるから、興味ある人はやってみてくんなまし(死語)。