金沢初上陸続編!KAMU kanazawa 鑑賞

20220703  01
【温泉旅館から見えた風景】

SNAKEPIPE WROTE: 

先週書いた「金沢初上陸!金沢21世紀美術館 鑑賞」の最後に予告していた、金沢観光2日目を書いていこう!
SNAKEPIPEの希望は金沢21世紀美術館に行くことだったけれど、ROCKHURRAHは追加の企画を立てていてくれた。
それは山中温泉にある鶴仙渓の散策と、金沢21世紀美術館近くにある私設現代アート美術館「KAMU」に行くこと!
温泉旅館を山中温泉に決めたのは、鶴仙渓が目的の一つだったからなんだよね。

金沢観光初日は、旅館の夕食に舌鼓を打ちすぎてしまい、お腹が破裂するくらい食べ過ぎてしまったROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
更に「利き酒セット」という日本酒3種の飲み比べもしたため、早目に床につくことに。(笑)
露天風呂付きの部屋を取っていたので、早起きした翌朝、ゆっくり湯に浸かってから鶴仙渓の散策に出かけたのである。

朝から日差しが照りつけているのに、宿の方からは傘を持つように勧められる。
晴れているけれど念の為、宿の傘を借りて歩き始める。
地図を見ながら歩いていたはずなのに
「遊歩道ってゆうほどうの道じゃないよね」
バカなダジャレに大笑いするROCKHURRAH。
確かこのダジャレは、10年以上前にも使ったはずだけどね。(笑)
ここで道を間違えていたことが判明し、正しい道を見つけて一安心。
大聖寺川に沿って遊歩道があり、気持ちの良い朝の散歩になった。

前日の夜に雨が降ったのか、木々の葉から雫が落ちる。
晴れているのに傘が必要、に納得するSNAKEPIPE。
傘をさしていなかったら、全身濡れてしまったはずだからね。
朝靄が川や木々を薄いベールで包むような風景の中を歩き続ける。

遊歩道とはいっても、予想以上のアップダウンがあるので、奥多摩に雰囲気は近いと思ったよ。
朝の時間帯を選んだせいか、誰もいない空間はとても気持ちが良かった!

「あやとり橋」という、S字型の赤い橋も見事で、木々の緑に映える。
橋の中央から川を見下ろすと、かなりの高さに驚く。
実はROCKHURRAHとSNAKEPIPE、高所恐怖症なんだよね。(笑)
「あやとり橋」から折り返して、宿に戻ることにする。
1時間ほどの散策だったけれど、清々しい気分になったよ!
早起きして良かった。

昨日の食べ過ぎを警戒しながらも、やっぱり旅館のごはんが美味しくて!
お昼がいつになるか分からないからね、などと言い訳しながら、「おかわり」してしまう。
お米がおいしい、というSNAKEPIPEに、「水が良いから」と答える宿の方。
こんなにおいしいごはんを毎日食べていたら、絶対太っちゃうよね。(笑)

宿の送迎で加賀温泉駅まで戻る。
昨日から気になっていたのが、道路脇の電柱に貼ってある「娘娘饅頭」という広告だった。
どうやら山中温泉名物のお饅頭のようだけど、「娘娘」を「にゃあにゃあ」と読むところが可愛い!
これはお土産に買って帰らなければ、などと話しながら金沢へ。
金沢21世紀美術館方面に行くバスに乗るところで、JRバスが走っていることに気付く。
ICカードが使える!(笑)
北陸鉄道バスでは小銭が必要だったので、JRバスを見つけてラッキーだったよ。

私設現代アート美術館KAMUは、金沢21世紀美術館からすぐの場所にあった。
この美術館は6つの異なる会場で展示を行うタイプとのこと。
すべての会場は徒歩圏内なので、アートと街巡りを楽しむことができるという。
最初に向かったKAMU Centerでチケットを購入し、会場のマップを手に入れる。
Centerは3F建で、フロアごとに1人のアーティストがフィーチャーされている。
作品保護のため、すべての荷物をロッカーに預けよう指示される。
小さいポシェットまで禁止と言われるのは初めてかも。

1Fにはレアンドロ・エルリッヒの「インフィニティステアケース」が展示されている。
前日の金沢21世紀美術館では、1週間前に予約をして、代表作である「スイミング・プール」を鑑賞したROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
KAMUでは、予約の必要もなく、入り口入ってすぐに鑑賞することができるよ!
降りて行くはずの螺旋階段が横向きに展示され、鏡による効果も加わり、自分がどこにいるのか分からなくなってしまうんだよね。
エルリッヒのトリックアート、面白かった。(笑)

2Fではステファニー・クエールの彫刻作品が展示されている。
1982年イギリスのマン島生まれというから、現在40歳になるのかな。
作品はすべて粘土で作られている。
クエールの作風なのか、粘土でキッチリ形を作り上げているのではなく、少し溶けたように見えるところがユニーク。
それなのに動物の種類が特定できる出来栄えなんだよね。
小さな作品が会場の階段に配置されていて、とてもかわいかった。

3Fには桑田卓郎の陶芸作品が並んでいた。
1981年広島生まれ、現在は岐阜在住とのこと。
桑田卓郎の作品、ものすごく気に入ったよ!
いわゆる陶芸とはまるで別物。
ポップで色鮮やかな作品は、岡本太郎にも通じる遊び心にあふれている。
調べてみるとロエベの2020年秋冬コレクションに、桑田卓郎の作品が使用されていたみたい。
伝統工芸とファッションの融合とはね!(笑)

最初に受付を訪れた時、12時から13時は展示を取りやめているギャラリーがあるけれど、よろしいですか?と確認される。
訪れたのが11時半頃だったからね。
Centerの次に、12時までに余裕で行かれるのはKAMU k≐kですね、と受付の方に勧められ、行ってみることにする。
MAPに記載されたQRコードを読み取ると、Googleマップが表示され、現在位置から目的地までの道のりを知ることができる。
無事に会場に到着することができたのは、ROCKHURRAHのおかげだね。(笑)
ここでは諏訪綾子の「TALISMAN in the woods」が展示されていた。
白山で間伐された杉の枝葉が中央にモニュメントとして吊り下げられている。
暗い室内には杉の香りがたちこめ、原始に帰るような印象の音が鳴っていた。
作者の思いがあることは理解できるんだけど、作品として見ると難解系だね。

次の会場は13時まで開かないので、その間にランチを取る。
金沢来たからには、やっぱり寿司だよね!(笑)
朝ごはんを「おかわり」してたらふく食べたのに、まだ食べるつもりか!
量が調整できるから回転寿司にしよう、と近くの店に入ってみる。
適当に何皿か注文すると、これがすべて美味しいの!(笑)
「のどぐろの炙り」、目ン玉飛び出るくらい美味で感動してしまう。
回転寿司でこのレベルとは、金沢すごいよ!

13時を過ぎたので、次の会場に向かう。
KAMU Lでは森山大道のインスタレーション「Lip Bar」が常設展示されているという。
さすが森山大道だけあって、会場は裏通りの夜の街にあった。
ちょっとわかりづらくて、暑い中を何度も行ったり来たりしながらたどり着く。
入ってみると、一面赤い唇、唇、唇!(笑)
口がポカンと開くほどのインパクトで、圧巻の一言だよ。
室内のエアコンまで唇柄になっていて笑ってしまった。
20時〜24時はバーとしても営業しているようで、メニューを見せてもらうと「オリジナルカクテル Lip」やジン、ラム、ウォッカなどが記載されている。
Lipがラベルになった日本酒も置いてあったよ。
サイン入りの限定100本が、通販でも手に入るみたい。
お値段は27,500円なので、ちょっとお高めだね。
「Lip Bar」で飲むから良いのかもしれないし?

次はKAMU BlackBlackへ。
受付に入ると、表の注意事項を確認してから中に入るよう指示される。
光の点滅に関する注意喚起などが書かれていたので、読んでから再び会場へ。
ここでは黒川良一の作品「Lithi」を鑑賞できる。
黒川良一は1978年大阪生まれ、現在はベルリンで活動を続けるビジュアルアーティスト。
テート・モダンやポンピドゥー・センターで展示されたという国際派なんだって。
ビジュアルと音を体感するアートなので、ここは動画を載せておこうか。

KAMUには、他に2つ展示会場があるけれど、新幹線の時間などを考えて、これにてアート鑑賞は終了!
初めての場所を地図を頼りに歩いて鑑賞するのも楽しかった。
歩きやすい気候の時だったら、もっと良かったのかもしれないね?

金沢駅に戻り、お土産を物色する。
絶対に買って帰りたかった「娘娘饅頭」は、お土産屋の受付嬢に場所を訪ね、探し当てることに成功!
帰宅後食べてみると、普通のいわゆる温泉まんじゅうだったよ。
これはネーミング勝ちだね。(笑)

アートあり、温泉あり、渓谷散策ありと大満足の金沢旅行だった。
ひとつ失敗だったのは、KAMUに行く前に、リュックをロッカーに預けておくべきだったこと。
二人揃って、わざわざ大きな荷物を背負って、暑い中歩き回ってしまった。
特にROCKHURRAHには、旅館で飲むはずだった酒類が入っていたため、余計に重かったんだよね。
その後数日は背中に痛みが残ったというので、申し訳ないことをしてしまった。
旅慣れていないとはいえ、もっと楽になる方法を考えないとね!
次回の旅へ教訓としておこう。(笑)

金沢初上陸!金沢21世紀美術館 鑑賞

20220626 top
【加賀温泉駅に設置されていた販売機。Lady Kagaに大笑い!】

SNAKEPIPE WROTE: 

3月に誕生日を迎えたSNAKEPIPEに、プレゼントとして旅行を提案してくれたROCKHURRAH。
どこにしようかワクワクしながら考えていたけれど、当時はまだコロナのため、遠出できる状況じゃなかったんだよね。
もう少ししてからと言い続けているうちに、桜が咲き、つつじの鮮やかな色に目を奪われ、あじさいの季節になっていた。
月日が経つのは速いよね。(笑)
来月にはもうROCKHURRAHの誕生日が控えているので、2人の誕生祝を同時に執り行うことに決定!
せっかくなので、今まで行ったことがない場所を旅してみようということになった。

SNAKEPIPEには以前から密かに実現したいことがあった。
それは金沢にある金沢21世紀美術館に行くこと!
現代アートの展覧会情報などでもよく目にするので、一度行ってみたい美術館なんだよね。
ROCKHURRAHに提案すると快く承諾してくれる。
せっかくなので温泉旅館に宿泊し、日頃の疲れも癒やす計画を立てる。
そうと決まれば新幹線や宿、美術館のチケットなどの予約を素早く完了させるだけ!
あっという間に出発の日を迎えたのである。

朝早くに家を出て、東京駅から新幹線「かがやき」に乗車。
約2時間半で金沢に到着する予定である。
ROCKHURRAHも金沢に行くのは初めてとのこと。
東京駅で朝ごはんを買い、新幹線で食べると旅行気分が高まるよね!(笑)
少し眠ったり、景色を眺めているうちに金沢に到着。
テレビの旅番組などで目にするシンボル的存在の「鼓門」は、圧倒的な迫力。
「もてなしドーム」と呼ばれる幾何学模様のガラスの屋根もカッコ良くて、ここだけで何枚も写真を撮ってしまったほどだよ。(笑)
そしてバス乗り場の配置が非常にわかりやすくて、初めて訪れた人でも迷わない構造なんだよね。
到着した瞬間から「金沢、素晴らしい!」とROCKHURRAHとうなずきあったよ。(笑)

どのバスに乗っても、たいていは金沢21世紀美術館近くまでは行くことができるようなので、最初に来たバスに乗ってみる。
乗車の時にICカードをタッチしようとすると「SuicaなどのICカードは使用できません」と書かれているじゃないの!
えー?使えないの?
仕方なく整理券を取り、小銭を用意する。
調べてみると、どうやら北陸鉄道バスでは独自のICカードのみ対応とのこと。
JRバスの場合は問題ないようだけど、走ってるバスはほとんど北陸鉄道バスなんだよね。
金沢行く時は、100円玉を大量に用意しないと駄目かも!
そうこうしているうちに見覚えがある建物が見えてきた。
金沢21世紀美術館だ!(笑)

オラファー・エリアソンの「カラー・アクティヴィティ・ハウス」が見えてくる。
2020年9月に東京都現代美術館で「ときに川は橋となる」を鑑賞したアーティストだよね。
「あなたに今起きていること、起きたこと、これから起きること」という黄色、緑色、青色3色のハロゲンランプを使用した作品は、自分の影が壁に投影されることで表情が変化する作品だったっけ。
「カラー・アクティヴィティ・ハウス」も同様にシアン、マゼンタ、イエローの色ガラスの壁が渦巻のように立っていて、その中を歩くと色が重なり、自分や外の風景が変化していく「参加型」の作品だった。
画像で観ているだけでは分からない面白さがあったよ!

金沢21世紀美術館ではいくつかの企画展が同時に開催されていて、今回は「ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ:どこにもない場所のこと」を鑑賞することにした。
SNAKEPIPEは全く知らないアーティストなんだけど、韓国を代表する2人組とのこと。
また韓国になってしまったか。(笑)
ユニットを結成した当初の2009年より「現代世界における芸術の社会的機能と役割は何か」と問い直すプロジェクト「News from Nowhere」(ウィリアム・モリスの小説からインスピレーションを得て名付けられた)を展開しているという。
なんだかちょっと難しそうじゃない?

ほとんどの作品がいわゆるビデオ作品で、最初に鑑賞したのが2012年の作品「世界の終わり」。
2つの画面で進行している「現在(左)」と「未来(右)」。
未来のほうに出てくる小道具が面白かったよ。
物語そのものは、そこまで突飛ではないので、まるで映画を鑑賞しているようだった。
これからは、電飾見る度に、この作品を思い出すはず。(笑)

「どこにもない場所のこと:エクリプス」は2022年の作品だって。
小さな船の中で、漂流する孤独な男を描いているんだよね。
時々表示される升目のせいで、男の船はプールに浮いているだけに見える。
SNAKEPIPEは、漂流や孤独が男の心の内側を描いているだけで、実際に大海原を漂っているわけではないように感じたよ。
韓国人ユニットの作品を一通り鑑賞したあと、いよいよ金沢21世紀美術館一の有名作品に移動する。

レアンドロ・エルリッヒの「スイミング・プール」は、今まで何度テレビで観たことか。
2018年3月に森美術館で鑑賞した「見ることのリアル」も、最初のエリアソンと同じように参加型のアート作品が多かったよね。
感想を書いた記事にも「エルリッヒの最も有名な作品は、金沢21世紀美術館にある『スイミング・プール』」だって。それはテレビで観たことある!(笑)」と書いているよ。
ついに今回、初めて鑑賞することができた!
「スイミング・プール」は、展覧会チケット購入とは別に、プール用の予約をする必要があるんだよね。
5人くらいまでをワンセットにして、5分のみ入場が許されている。
タイミング良く、ROCKHURRAHとSNAKEPIPEの2人だけの時間があったので、夢中になって撮影する。
日差しが出てきたので、プールの底に光の美しい模様と影が写ってキレイ!(笑)
プールの上に人がいなかったのが残念だけど、楽しい時間を過ごすことができたよ。

無料展示コーナーにジェフ・クーンズのバルーン・シリーズが並んでいた。
バルーン・シリーズは、風船でできているように見せかけたステンレスの作品だけど、今回展示されていたのは、フランスの磁器ブランド、ベルナルドとのコラボなので、素材が磁器だったとは!
SNAKEPIPEは説明見るまでてっきり従来のステンレス素材だと思っていたよ。(笑)
ジェフ・クーンズの作品は高額取引されることで有名だけど、自分の作品を高く売り、自分の価値を高めようとするジェフ・クーンズの姿勢や行動がアート行為なのかなと勘ぐったりもする。
パッと観ただけで「ジェフ・クーンズだ」と分かるところは、すごいしね。

無料スペースにAKI INOMATAの展示もあったよ。
Acting Shells」というタイトルで、真珠貝をモチーフにした作品が並んでいた。
AKI INOMATAといえば、2022年6月にジャイルギャラリーで鑑賞した「世界の終わりと環境世界」で作品を鑑賞したアーティストだったね。
この前は南部馬で、今回は真珠ということは、動物系アートということか?(笑)
展示室が暗かったので、あまりよく見えなかったけれど、真珠に彫刻されてたみたいだね。
監視員の高齢女性が、全くアートとは無縁なタイプの方のようで、
「ロープありますから、そこから中へは入らないでくださいねっ」
と大声で注意する。
いやいや、あなたの大声と傲慢な態度のほうが、よほど迷惑に感じるんですけど?(笑)

2018年5月に「SNAKEPIPE SHOWROOM 物件13 建築家設計の物件編」で初めて名前を知ったジェームズ・タレル。
記事の中で「金沢21世紀美術館などには常設展示されている作品もあるみたい」と書いているよ。
ついに!
その展示を目にすることができたんだよね。(笑)
1,117cm四方の何もない部屋の天井部分にポッカリと広がる空間。
タレルの作品は、長く滞在して空や壁に映る色の変化を感じることだとは知っていたけれど、この日の金沢の気温は35℃!
少しの間だけど、「ブルー・プラネット・スカイ」を体験することができて感動したよ。
パシャパシャ撮影して、開口部を見上げて撮ったのがこの画像。
右上の画像と比べてみても全く別物。
まるでQRコードのように見えた空、面白いね!(笑)

大型の立体作品が多いせいか作品数自体は少なめだけれど、憧れの場所に行くことができて本当に嬉しかった!
こんなにワクワクしたのは久しぶりかもしれないよ。
この後、ROCKHURRAHと温泉旅館に向かい、夕食を苦しくなるほど食べて翌日に備える。
金沢観光、翌日の話は次週に続くよ!(笑)

Mariage −骨董から現代アート− 鑑賞

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【展覧会の看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

2022年4月に青山のスパイラルで鑑賞した「OKETA COLLECTION: THE SIRIUS」で、「Mariage」という展覧会が開催されるチラシを手にしていた。
会場は天王洲アイルにあるWHAT MUSEUM
SNAKEPIPEは一度も行ったことがないんだよね。
スパイラルの桶田コレクションが素晴らしかったので、天王洲も面白そう!
ROCKHURRAHと一緒に出かけることにしたのである。

以前、仕事の関係で何度かモノレールに乗った時、天王洲アイルを通過したことはあったけれど、天王洲アイル駅で降りるのは初めてのこと。
ROCKHURRAHも同様だという。
方向音痴のSNAKEPIPEは、siriに話しかけ「WHAT MUSEUMまでの道を教えて!」と、何度も話しかけるけれど、教えてもらえなかったよ。
発音が悪かったのか?(笑)
ROCKHURRAHが道順を調べてくれて、あっさり到着!
ありがとう、ROCKHURRAH!

最近はweb予約が普通になっていて、メールで送信されたQRコードを受付で読み取ることで入場可能になる。
受付に行った時に、ログインしていないとQRコードまでたどりつけず、更に今回は表示されたQRコードを相手の端末に読み取らせる必要があった。
美術館によっては、受付の方がスキャンしてくれるので、あっさり通過できるのに、WHATの場合は入場者が操作する必要があるため難易度高めに感じたよ。
もしかしたらSNAKEPIPEが下手なのかもしれないけど。(笑)
こうした変化に付いていかれなくなるのは怖いので、いろんな経験して訓練しておかないとな、と改めて思ったよ。

展覧会は1Fと2Fに分かれていて、1Fは「建築模型展」、2Fで桶田コレクションを展示していた。
まずは2Fからスタート!
すべての作品の撮影が可能とのことで、良かった。(笑)
作品は全部で40点ほど展示されているとのこと。
気になった作品を選んで感想をまとめていこう!

チャバララ・セルフの「Wash N’ Set 2」というネオンアート作品がかわいらしい!
どうやら桶田コレクションでは初出展とのこと。
3人の顔が順繰りに光り、最後に全員の顔にライトが点く仕掛けなんだよね。
なんといっても魅力的なのは、女性の顔じゃないかな。
チャバララ・セルフは1990年アメリカ生まれの女性アーティストだって。
他の作品も観てみたいね!

2018年6月なので、今から4年前に渋谷のNANZUKAギャラリーで鑑賞したダニエル・アーシャムの作品も展示されていた。
SNAKEPIPEとROCKHURRAHが鑑賞したのは白い石膏シリーズだったけれど、今回は黒いウサギ。
黄鉄鉱、セレナイト、ハイドロストーンを使用した作品だという、
ところどころに鉱石らしきものが見えていて、かわいいウサギと無機物のミクスチャーのような雰囲気なんだよね。
ジェフ・クーンズのパロディなのかなとも思ったけど、どうだろう?

次もまたウサギなんだけど、観た瞬間に「ひゃー!かわいい!」と叫んでしまったSNAKEPIPE。
「もういいや」みたいな不貞腐れる具合。
手足の伸び方に表情まで、すべて気に入ったよ!(笑)
陶磁器だというので驚いてしまうね。
アーティストはクララ・クリスタローヴァというチェコ生まれスウェーデン育ちの女性のよう。
今回の展覧会で一番の作品になったよ!
複製があったら購入したかったほど。(笑)
調べてみると、東京にある複数のギャラリーで作品を展示していたようだね。
チャンスがあったら他の作品を鑑賞したいよ!

佐倉にある川村記念美術館で鑑賞した「五木田智央 THE GREAT CIRCUS」を鑑賞したのが、今から8年前の2014年11月だったとは驚き!
月日が経つのは速いねえ。(しみじみ)
五木田智央の作品は、一瞬ですぐに分かるところがすごい。
個性的ってことだもんね。
今回のタイトルは「Lady DADA」で、2016年の作品とのこと。
レディ・ガガをおちょくってるようで、相変わらずだよね。(笑)

ラッシード・ジョンソンの「I’ve Known Rivers」はミラータイルを使用している作品なので、正面に立つと自分が写り込んでしまうんだよね。
素材に黒石鹸と書かれていてびっくり。
アーティストはいろんな材料を集めて作品作りに取り入れるみたいだけど、作品観た時には石鹸が使われているなんて思っていなかったよ。
シンプルだけど、黒い線が効果的でカッコ良かったね!

1982年生まれのアメリカ人アーティスト、セイヤー・ゴメスの作品も気になったんだよね。
「Smile」という文字が違っていたら、もっと面白かったかもしれないとも思うよ。
アートに文字は必要ないってことなんだろうね。(笑)
特に今回は鍵が付いたチェーンも装着されているから余計かも。
古い看板を模造するパターンは続けてないのかな。
違うバリエーションがあったら、観たいよ!

ジェニファー・ロックリンの作品も気になったよ。
「viva Las Vegas」というタイトルのセラミックなんだよね。
エルヴィス・プレスリーをモチーフに50’sっぽさ全開で、とってもキュート!
ターナー賞の歩み展」で観たグレイソン・ペリーほどの衝撃はなかったけれど、やっぱり立体作品に惹かれる傾向があるSNAKEPIPEなんだよね。

名和晃平の「PixCell-Deer#48」は、黒いバックの室内に一点だけ展示されていた。
圧倒的な存在感!
光を反射して神々しいほどだよ。
2021年1月にジャイルギャラリーで鑑賞した「名和晃平 Oracle」にも展示されていたシカちゃんだけど、あの時よりもサイズ大きめだったような?
シカちゃんまでコレクションに加わっているとは、桶田さんが羨ましい。(笑)
今まで知らなかったアーティストの作品がたくさんあって、予定されている第二弾も楽しみだね!

2Fの桶田コレクションを観終わったので、1Fに向かう。
先にも書いたように、ここでは「建築模型展」が開催されている。
WHAT MUSEUMは、アートと建築の展覧会が多いのかな。
過去の記事を見ると、2段構えみたいな企画をしているみたいなんだよね。
今回は「文化と思考の変遷」だって。
建築にも興味があるROCKHURRAH RECORDSなので、どんな展示があるのかワクワクしながら入場したよ。

「高床建物」の復元模型だったり、「東京都新都庁舎計画」の模型などが展示されていて、ROCKHURRAHとSNAKEPIPEが目をキラキラさせるタイプの建築とは違っていたみたい。
画像は「町田芹ヶ谷公園’芸術の杜’プロジェクト」とのこと。
2020年8月に「横尾忠則版画展」を鑑賞した町田市国際版画美術館は、芹ヶ谷公園の中にある美術館だったよね。
歩いたら気持ち良さそうな公園だったことを思い出す。
コロナの時期に珍しく「触ってよい作品」だったことも注目だね。

ROCKHURRAHがとても面白かった、と話していたのが瀧澤眞弓の「山の家」。
1921年にあんな設計をしていたとは!と驚嘆の声を上げていたけれど、SNAKEPIPEは見覚えがあったんだよね。
2019年3月に埼玉県立近代美術館で鑑賞した「インポッシブル・アーキテクチャー」に、「山の家」は展示されていたから。
あの時の展覧会は、どの展示も素晴らしかったので、ど忘れしちゃったのかも?(笑)
瀧澤眞弓も参加していた、1920年に発足した「分離派建築会」については、勉強したほうが良さそう。
素敵な建築に出会えるはずだからね!

初めて出かけたWHAT MUSEUM、そこまで遠くない場所なので、また行ってみたいと思う。
天気が良い日を選んで運河沿いの散歩もしたいね!

赤と黒/世界の終わりと環境世界 鑑賞

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【岡本太郎記念館入り口から看板と庭を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

表参道にあるジャイルギャラリーでは「世界の終わりと環境世界」という展覧会が開催されている。
デヴィッド・リンチのファンであることを公言している飯田高誉氏がキュレーターを務めているので、気になっていたんだよね。
ちょっと足を伸ばして岡本太郎記念館にも行ってみることにした。
ROCKHURRAHは初めて行くことになるよ。
開館時間を考えて、まずは岡本太郎記念館へ。

薄曇りの、少し蒸し暑い日に表参道に向かう。
梅雨の晴れ間というほどの日差しはないけれど、雨ではない日は貴重だからね!(笑)
駅から岡本太郎記念館までの道のりは、少し前にも歩いたはずだけど、解体工事が始まっているビルや通ったことがある店舗がクローズしていたりと、変化が見られたよ。

岡本太郎記念館はオープンしたばかりの時間だったけれど、ちらほらお客さんの姿があった。
今回は「赤と黒」というテーマの展覧会で、記念館2階は「赤の間」と「黒の間」に仕切られていた。
最初は赤の間から鑑賞する。
「この血の色こそ、生命の情感であり、私の色だ」
とは岡本太郎の言葉である。
確かに岡本太郎の絵には赤色が印象的に使われているよね。
会場には植物も一緒に展示されていて、生命の息吹を強調しているようだった。
赤色のバックに全く引けを取らない、作品の力強さも際立っているよね。
血湧き肉躍るような、岡本太郎からパワーを分けてもらっている気分!
画像の「遊ぶ時間」は、ユーモラスでとてもかわいかった。
自由を謳歌している雰囲気がよく出ているよね。

一方こちらは「黒の間」。
照明が落とされ、仄暗い部屋に足を踏み入れる。
闇の中からボワッと浮かび上がる物の怪か、はたまた妖怪か?
岡本太郎の作品は、照明によって印象が変化するんだね。
黒の間も非常に効果的で、SNAKEPIPEは恐ろしさを感じたよ。
黒に対する岡本太郎の言葉は「己を滅びに導く、というより死に直面させるような方向、黒い道を選ぶのだ」が採用されていた。
赤は生、黒は死という根源的な話だけではなく、恐怖と隣合わせに魅力も感じていたみたい。
なんとなくその気持ちは分かる気がするよ。
岡本太郎版土偶と呼びたくなる「喜び」という作品の存在感も抜群だった。
黒の部屋も堪能できたよ!
庭には「ゼルダの伝説」のコログの元ネタみたいな、かわいい作品がたくさんあって嬉しくなる。
どれもみんなかわいいんだよね!(笑)
ROCKHURRAHも気に入ったようで良かった。
また訪れたい記念館だよ。

続いてジャイルギャラリーへ。
ジャイルに向かう道の途中から、長い行列ができていて何事かと驚く。
キディランドの制服着た人が整列させていたので、何かグッズを買い求めるための順番待ちみたいだけど、皆さん並ぶの好きだよね。
ROCKHURRAH RECOREDSが目的のジャイルでの行列じゃなくてホッとしたよ。
SNAKEPIPEが前回ジャイルに来たのはいつだっただろう、と調べると2021年3月の「2021年宇宙の旅」だったみたい。
そしてこの時も、岡本太郎記念館とのはしごだったことが分かったよ。(笑)

ジャイルギャラリー入ってすぐ、まるで本屋の「おすすめコーナー」みたいな展示が続く。
理論家の飯田高誉氏の蔵書なのかもしれないね?
「人間中心主義」から離脱し我々がすべて異なる「環境世界」に生きていることへの認識に到達できるのかを問い掛けていく、というのが展覧会のテーマとのこと。
テーマにちなんだと思われるタイトルが並んでいるよ。
恐らく、どの本も何回読んでも難解そう!(笑)
飯田高誉氏のツイッター見ても、世界情勢とアートの話が多いので、興味の幅が広い印象だよ。

本の次に展示されていたのはフランス人アーティスト、リア・ジローの作品だった。
説明を受けないと理解できないタイプだね。
「アルゲグラフィック(algægraphique)」という光に反応する微生物(微細藻類)を使用しているんだとか。
微生物を国立自然史博物館チームとリア・ジローが共同で開発したというから、アートと科学の融合なんだね。
生物学的現象、テクノロジー、画像システムのミクスチャーで作品を発表しているというリア・ジローのようなアーティストは、これからもっと増えそうだね。

先月2022年5月に、六本木のSCAI PIRAMIDEで鑑賞したばかりのアニッシュ・カプーア。
ジャイルギャラリーにも展示されていたよ!
「1000の名前」という1979年から80年にかけて制作されたという作品で、顔料を使っているという。
アニッシュ・カプーア自身の解説は「潜在意識から突き出た氷山のように、表面の下に何かがあることを意味します」だって。
飯田高誉氏は「あたかも核爆弾の爆発によって降り注がれる『死の灰』を想起させる」と書かれている。
SNAKEPIPEは月の表面を連想したけど、それぞれに解釈があって楽しいね!(笑)

「ギャロップする南部馬」 はAKI INOMATAの作品。
絶滅した日本固有種である南部馬を骨格標本から彫刻・3D出力後凍らせ、透き通った馬にしたという。
こういう手間のかけ方とデジタル化の組み合わせが、今のスタイルなのかな。
童話のようなかわいらしさを感じていたけれど、喪失感や懐かしさなどをテーマにしていたとは、知ってびっくりだよ!
説明があったほうが良いのか、悩むね。

草間彌生の映像作品も展示されていた。
1967年の「草間の自己消滅」は、タイトルだけは知っていたけれど、観るのは初めて!
意味を理解することは難しいけれど、かなりショッキングな映像だったよ。
撮影禁止だったので画像は載せられず残念だけど、当時の人は驚いたんじゃないかな?
「花脅迫」という2000年の作品は、ひまわりの花に埋もれる草間彌生本人の映像だった。
これも自己消滅になるんだね。

今回の展示で一番気に入ったのは大小島真木のインスタレーション「ウェヌス」だった。
革を継ぎ接ぎしたトルソーに、銀河とプランクトンの映像のコラージュが円形に投影される作品、と説明されている。
その文章がなくても、目が釘付けになっちゃったよ!
ROCKHURRAHが映像を撮ってくれたので載せておこう。

今回は2つの展覧会をはしごしてみたよ!
近くにたくさんの会場があると、短時間で鑑賞できて良いね。
最近の飯田高誉氏企画の展覧会は観念的なので難しいけれど、付いていきたい気持ちもあるんだよね。
理解できなくても観ておきたいって感じ。
また近いうちにどこか行きましょ!