映画の殿 第48号 Netflixドラマ編 part4

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【ドラマに登場したあの顔、この顔!】

SNAKEPIPE WROTE:

ほとんど毎日、何かしらのドラマを鑑賞しているROCKHURRAH RECORDSなので、Netflixドラマ編は約3ヶ月おきに更新していることになるね。
備忘録を兼ねて、今回も韓国ドラマをまとめておこう!

まず最初に、長年来の友人Mから強力に進められた「秘密の森(原題:비밀의 숲 2017年)」 から始めよう。
2017年に、米ニューヨーク・タイムズが「国際TVドラマTOP10」に韓国ドラマで唯一選定したドラマだというから期待しちゃうよね!(笑)
まずはあらすじを書いておこうかな。 

子供時代に脳手術を受けた影響で感情を失い、理性だけで行動する冷徹で孤独な検事ファン・シモク。
日常のように目の当たりにする検察の内部不正を断ち切ろうとしていたシモクの前に、現れた第一の死体。
その後、相次ぐ第二、第三の死体。
検察の内部不正を覆い隠すために相次いで起こる殺人の中で、周りの人すべてが殺人の動機を持つ容疑者として次々と浮上する。
時には全員が犯人のように、時には全員が無実であるように感じられる…。
シモクとは対照的に、人情味あふれる性格のハン・ヨジン刑事協力のもと、シモクはだんだん犠牲者たちの共通点に気付き始める…。
(BS-TBS公式サイトより)

続いてトレイラーね。

初対面ではぎごちなくて感情表現がほとんどない検事と熱血女刑事のペアリングが、回を追うごとに良いタッグに変化していくところが良かったよ。
そして冷徹な反応で、的確に謎を解いていくファン・シモクへの信頼感が増していく。 
こういうドラマを観ていると、韓国は不正だらけなのかと思ってしまうよね。(笑) 
強く記憶に残っているのは、ハンジョ・グループの会長イ・ユンボムが、日本のヤクザと一席設けた際に発した乾杯の音頭。
花は桜木
人は武士
という謎の言葉の後、楽しそうに祝杯をあげていたところ。
この言葉は、日本のことわざのようだけど、ここで使う必要あったのかな?(笑)

「秘密の森」は目が離せない展開にハラハラさせられ、続きが気になったエキサイティングなドラマだったよ。
シーズン1が面白かったので、期待してシーズン2を観たROCKHURRAH RECORDS。
1に比べて少し地味でゆっくりしたペースで進行していたため、盛り上がりには欠けたかも。
ハン・ヨジン刑事とのタッグ・シーンが少なかったのも原因かもしれない。
ファン・シモクに、少しずつ表情が出てきたのは、良かったね!

ファン・シモクを演じているチョ・スンウのファンになったから、というわけではないけれど、たまたま同じ主演俳優が続いてしまった「シーシュポス:The Myth(原題:시지프스: the myth 2021年)」。
シーシュポスといえば、カミュの「シーシュポスの神話」だよね! 
SNAKEPIPEの高校時代、何故かこの本が課題図書になっていた。
「永遠に終わらない、というのは最も残酷なことだ」
と倫理社会の先生が話していたことを思い出すよ。(遠い目)
韓国ドラマ「シーシュポス」のあらすじとトレーラーを続けてどうぞ! 

舞台は2020年の韓国。
10年前に事故で兄を失った天才工学者ハン・テスルは、不測の事故でこの世界には「密入国者」という謎の存在が正体を隠して生きていることを知ってしまうことに。
敵なのか味方なのかも不明な彼らの秘密を明らかにし、兄の死の真実を追いかけるなかで、テスルは彼のために危険な道を遡ってきた救援者カン・ソヘに出会い……。
(シネマトゥデイより)

「秘密の森」の後に観ているため、「ファン・シモクがナンパしてる!」とか「ファン・シモクが笑った!」など、別人の設定なのにおかしな比較をしてしまったよ。
天才工学者の役も似合ってたよ、ファン・シモク! (笑)
未来からやってくるカン・ソヘを演じるパク・シネの、アクション・シーンが迫力満点。
銃を構える姿が様になっていたよ!
「シーシュポス」の印象としては、以前ROCKHURRAHが書いた「俺たちダーク村」で紹介されたドイツのドラマ「DARK」に近い雰囲気だったね。
「シーシュポス」の場合は、未来/現在/過去に、そこまでのスパンがないので、どの時点の話なのか分かりづらい時があるのが注意かな。
韓国でSFというのは珍しい気がするけど、最近はこうしたジャンルにも力を入れてるみたいだね。
廃墟の表現など、映画さながらの素晴らしい出来栄えに驚いたよ。
これからもっと発達していくジャンルになりそうだね。

続いては、2021年8月に公開されたばかりの「D.P.─脱走兵追跡官─」ね。
ドラマの中で「D.P.」は何の略かと尋ねるシーンが出てきたけれど、明確な答えは返されてなかったよ。
Deserter Pursuitの略で、日本語では「軍隊離脱者追跡」だって。
韓国は兵役義務がある国なので、実際にイジメや家庭の事情などで、軍隊を抜け出したいと思う人が多いんだとか。
デビュー作が「コインロッカーの女(原題:차이나타운 2015年)」の監督ハン・ジュニが監督を務めたという「D.P.」。 
あらすじとトレイラーを載せてみよう。 

兵役義務により入隊した青年が、軍の脱走兵を追跡する部隊に配属されることに。
任務にあたるなかで、脱走した兵士たちがそれぞれ抱える過酷な現実が見えてくる。
(Filmarksより) 

先輩後輩という上下関係がここまでとは、驚きだよね。
そうとうリアルに描かれているらしく、韓国はもちろん海外でも高い評価を受けているという。
イジメや暴力が日常化している軍隊ってどうなんだろう。
国を守るための組織なのにね?
そして主役が「刑務所のルールブック」で、兵隊を暴力で死に至らしめたとされている「悪魔のユ大尉」を演じたチョン・ヘインだったことも注目だったね。
坊主頭の兵隊役のイメージになってしまうよ。(笑)
どうやらシーズン2も予定されているというので、続きが気になるよ。

上の「D.P.」もそうなんだけど、ウェブ漫画が原作の韓国ドラマが多いんだね。
悪霊狩猟団: カウンターズ(原作:경이로운 소문 2020年)」も漫画が原作とのこと。
「シーシュポス」を観ている時から、「早く観て!」と友人Mから催促されていたドラマだよ。
あらすじはこちら。 

昼は知る人ぞ知る人気店「姉貴麺屋」の従業員、夜は悪霊と戦う特別な力を与えられたカウンターと呼ばれる人たちの活躍を描く。
幼いころに両親を事故で亡くした高校生のソ・ムンは、カウンターの一員となり、強い力を持つ悪霊と戦うことになる。
(シネマトゥデイより)

トレイラーも載せておこう。

主役の高校生を演じたのは、「SKYキャッスル~上流階級の妻たち~」で熱心過ぎる父親からスパルタ教育を受けていた双子の高校生だったチョ・ビョンギュ、25歳(!)。
韓国ドラマを観ていると、似た役柄を演じる俳優が多いんだけど、チョ・ビョンギュはいくつまで高校生役ができるだろうね?(笑)
「カウンターズ」で気になったのは、 「姉貴麺屋」の看板メニューである「ククス」という料理だよ。
友人Mが食べられる店を探してくれて、一緒に食べに行ったSNAKEPIPE。
とても美味しかったよ!(笑)

おそろいの赤いジャージを着て活動するカウンターズの面々は、みんな良い味出してたね。
中でも注目していたのは、治癒能力を持ったチュさんを演じたヨム・ヘラン!
「トッケビ」では「がめつい」おばさん役、「椿の花咲く頃」での弁護士役など、印象に残る名バイプレーヤーなんだよね。 
実際の年齢より老けた役までこなしていて、「カウンターズ」では会長とのロマンスも微笑ましかった。(笑)
シーズン2の制作が決定したらしいので、楽しみに待っていよう!

最後はこちら! 
世界的なヒットを記録した「イカゲーム(原題:오징어 게임 2021年)」 。
こちらも漫画が原作、更に上の「カウンターズ」と続けて観たため、ジャージつながりとなってしまった。(笑)
世界94ヶ国で1位になり、Netflixに多額の利益をもたらし、コスプレ衣装も売れたという。 
確か「ヴィンチェンツォ」が配信された時は2021年はこれ!みたいな宣伝をされていたように記憶しているけど、「イカゲーム」に奪われちゃった感じだね。
世界中の人を熱狂させたドラマのあらすじを書いておこう。

ある日謎のゲームへの招待状が、お金に困り、崖っぷちに立たされる人々の元に届く。
年齢・職業もバラバラな456人の参加者は、悲惨な現状から抜け出すべく、賞金456億ウォンを目指し、子供の頃に遊んだゲームを想起させる「命懸けのサバイバルゲーム」に挑むことに……。
謎の人物が統べる、全てが不可解な空間の中で、「だるまさんがころんだ」などを思わせるゲームに挑戦する参加者の姿が描きだされるが、子供時代に遊んだゲームと違うのは、敗者には容赦ない死が待っていること。
果たして勝ち残るのは誰か、そしてこのゲームに隠された目的とは?
(FILMAGAより)

次はどうなるの?とハラハラドキドキしながら鑑賞していたよ。
もしかしたら大金をつかめるかもしれないとしても、危険な賭けだもんね。
ちなみに456億ウォンは、日本円で約44億円だって!
ドラマ鑑賞中、「嫌なのにやらなければいけない」というような悪夢に、何度もうなされたSNAKEPIPE。
すぐ夢に出てきちゃうからね。(笑)
日本の漫画に似ている、という記事があるけれど、この2021年にあれほどの残酷描写を実写で制作した「イカゲーム」は、やっぱりすごいよ!
世界中の人が熱狂したというのは、逆に考えると怖い感じもするけどね。
こちらもシーズン2の制作は確実みたい。
次はどんな展開になるのか、待ち遠しいね!

いつの間にか韓流ドラマばかり観ているROCKHURRAH RECORDS。 (笑)
俳優層の厚さ、ストーリー展開の面白さ、撮影技術の高さなど、感心することが多いよ。
次々と新しいドラマが配信されるので、これからも見逃せないね! 

映画の殿 第47号 生きのびるために+スウィング・キッズ

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【2つ映画をミックスした画像だよ!】

SNAKEPIPE WROTE: 

今回は最近鑑賞した映画2本についての感想をまとめてみよう。

最初はカナダ、アイルランド、ルクセンブルクの3ヶ国で製作された「生きのびるために (原題:The Breadwinner 2017年)」というアニメーション映画から。
原作はデボラ・エリスのベストセラー小説とのこと。
タイトルからして命の危険がありそうだよね。
あらすじとトレイラーを載せてみよう。
 ※ネタバレしている可能性がありますので未鑑賞の方はご注意ください

タリバン政権下、争いによって荒廃したカブールの町で、11歳のパヴァーナは、家族と小さな部屋に暮らしている。
足の悪い父は、アフガニスタンの歴史を美しい伝説になぞらえて話してくれていた。
ある日突然父親がタリバンに連行され、家族の暮らしは一変する。
タリバンは女性のみの外出を禁じているため、残された者だけではお金を稼ぐことも、食料を買いに行くこともできない。
家族のために、パヴァーナは髪を切り少年になりすまし町に出て、父親を救いだす方法を探そうと決意する。(Filmarksより)

アフガニスタンが舞台のアニメということで気になったんだよね。
主役のパヴァーナは、両親と姉、小さい弟との5人家族で、貧しい暮らしをしている。
一つのお皿で家族が米を食べているシーンで、困窮ぶりが分かるよね。
2001年のタリバン政権下というのが、人々の暮らしにどんな影響を与えていたのか知る手がかりになりそう。

あらすじにあったように、一家の大黒柱である父親が拘束されたため、パヴァーナが少年のふりをして生活を始める。
現在は変わってきているようだけど、当時の政権下では、女子には教育を受けさせず、一人での外出や買い物は禁止といった性差別がまかり通っていたんだね。
父親以外男性がいない家庭では、少女が「なりすます」しか方法がなかったのかもしれない。
隣に座っている緑のベストを着た子も、実は女の子。
「生きのびるために」かわいい少女時代を捨てざるを得ない環境なんだね。

パヴァーナが幼い弟に物語を聞かせるシーンが印象的だった。
少年が村人を救うために、象の怪物と戦うというファンタジー。
戦いに勝つためには、3つの道具を揃えなければいけないという、おとぎ話によくあるパターンかな?(笑)
ファンタジーだと思っていたのに、だんだん話が変わってくるところに驚く。
タリバン政権下に生きている少女の口から紡ぎ出された物語なんだ、と改めて気付くんだよね。

連行された父親を助けに向かう決心をするパヴァーナ。
タリバン側ではない、良い人がいることも分かって少し安心する。
国が変わればルールや常識が違うことは当たり前かもしれないけれど、この時代のタリバンはあまりに非人道的だと感じるよ。
アニメ映画は子供向けのイメージがあるけれど、「生きのびるために」は社会派なんだよね。
考えさせられる映画だったよ!

続いては韓国映画で「スウィング・キッズ (原題:스윙키즈 2018年)」。
どうやらこの映画は韓国のミュージカル「ロギス」が原作になっているとのこと。
朝鮮戦争当時に撮影された一枚の写真にヒントを得て創作された物語と聞くと、事実が基になっているみたいなんだよね。
まずはトレイラーを載せてみよう。
※ネタバレしている可能性がありますので未鑑賞の方はご注意ください

捕虜たちとダンスチームを作ったらどうだ?
1951年。
朝鮮戦争当時、最大規模の巨済(コジェ)捕虜収容所。
新しく赴任した所長は収容所の対外的なイメージメイキングのために、戦争捕虜たちによるダンスチーム結成プロジェクトを計画する。
収容所で一番のトラブルメーカー:ロ・ギス、4か国語も話せる無認可の通訳士:ヤン・パンネ、生き別れた妻を捜すために有名になることを望み、愛に生きる男:カン・ビョンサム、見た目からは想像できないダンスの実力を持った栄養失調の踊り手:シャオパン、そして彼らのリーダーであり元ブロードウェイのタップダンサー:ジャクソンまで、紆余曲折の末、一堂に会した彼らの名前はスウィング・キッズ!
それぞれ異なる事情を抱えてダンスを踊ることになり、デビュー公演が目前に迫っていた。
国籍、言葉、イデオロギー、ダンスの実力、全てがちぐはぐな寄せ集めダンスチームは前途多難でしかないが・・・。(オリジナルサイトより)

主役であるロ・ギスを演じたのは、K-POPグループ「EXO」のメインヴォーカルを務めるD.O.。
韓国物は映画とドラマ、あとは料理(笑)しか知らないので、音楽関係は未知の世界よ。
ただ映画やドラマで韓国の俳優を見ていると、体は鍛えてるわ、歌も歌えるわ、演技もするわ、ダンスもするわみたいに、いくつもの技を持ってるみたいなんだよね。
ロ・ギスが見よう見まねでタップダンスを覚えていく様子は、ものすごくリアルだったよ。
この映画の出演が決まってからタップを習ったと聞いて驚くほどの腕前、いや足前?(笑)
坊主頭が似合う俳優っていうのも珍しいよね。

米軍下士官のジャクソンを演じたのは、ダンサーで俳優のジャレッド・グライムス。
この方は元々ブロードウェイで踊っていたらしいので、本物のダンサーだから、上手なのは納得だね!
映画の中では、日本人の彼女と結婚して沖縄で暮らすことが夢と語っていたっけ。
1950年代の韓国、北朝鮮、アメリカや日本の情勢を知らないと理解できないかも。
東洋人にダンスは無理、と決めつけていたジャクソンだったけれど、ダンスチームのメンバーと行動を共にするうちに見方を変えていく。
ジャクソンの指導が良かったから、ダンスチームも団結していくんだよね。

チームの紅一点、韓国語はもちろん、英語、中国語、日本語の4ヶ国語を話すことができるヤン・パンネを演じたのはパク・ヘス。
他の韓国女性に通訳の才能を知らせなかったのは、身の危険を感じたからかもしれないね。
バンドを率いてロカビリーを歌うシーンもなかなか!
そして女性ながら、他のメンバーに負けないダンス・パフォーマンスもみせる。
ヤン・パネとロ・ギスは惹かれていくけれど、それぞれ北と南に別れた国の2人。
収容所だったから出会えたんだよね。
2人の情熱を表した映像がこちら。

デヴィッド・ボウイの「モダン・ラブ」をBGMに走るシーンといえば、まっさきに思い出すのがレオス・カラックス監督の「汚れた血」だよね!
ある年代より上の人にとっては、青春時代に観た思い出の映画じゃないかな? (笑)
監督であるカン・ヒョンチョルは1974年生まれの47歳。
レオス・カラックスに感銘を受けていてもおかしくないかも。
それにしても1951年を舞台にした映画に、80年代の音楽を合わせるというセンスはすごいよね!(笑)

中国人捕虜のシャオパンを演じたのは、韓国人のキム・ミノ。
中国語を喋ってたから、訓練したのかもしれない。(笑)
シャオパンがSNAKEPIPEのツボで、非常に気に入ったんだよね!
アイズレー・ブラザーズの「シャウト」で踊りまくるシーン、保存版だよ。(笑)
書きながら気付いたけど、やっぱりSNAKEPIPEがファンになる俳優って小太り系が多いみたいね。
スペイン映画にドップリの時、ハビエル・カマラとかカルロス・アレセスという小太り系ばかり追いかけていたもんね?
キム・ミノもそれに近い感じじゃない?(笑)
これからも注目の俳優だね!

最後のメンバーはオ・ジョンセ演じるカン・ビョンサム。
乗る車を間違えてしまったため、強制収容所に来てしまったという運の悪い人物。
はぐれてしまった妻を探す目的でダンスチームに入るとは、なんとも泣かせる話だよね。
オ・ジョンセといえば、ドラマ「椿の花咲く頃」や「サイコだけど大丈夫」で、ROCKHURRAH RECORDSでは既にお馴染みの俳優。
高い演技力が話題になっているけれど、タップダンスまでこなすとは!
次はどんな役で登場してくれるのか、注目の俳優だよ。

戦争が背景にある映画は、最初から「ある心構え」をして鑑賞しているような気がする。
「ハッピーエンドにはならないだろう」という予想のため、何があってもガッカリしないように、という心構えだ。
スウィング・キッズのメンバーは北と南だけではなく、中国とアメリカという国や思想が違う人種の混合だから尚更だよね。
その時のその場所だったから出会えた5人だったけれど、違う時代にチームを組んで欲しかったよ。
みんな良い味出してるんだよね。
朝鮮戦争は現在でも終結していない事実にも改めて気付かされたし。 
未だに国が分断されているのは朝鮮半島だけなのかな?
国際情勢に疎いSNAKEPIPEなので、違っていたらごめんなさい!

今回特集した「生きのびるために」と「スウィング・キッズ」、どちらも戦争が背景にあったね。
記憶に残る印象的な映画だったよ。
これからもまたお勧め映画を特集していくので、お楽しみに!

映画の殿 第46号 Netflixドラマ編 part3

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【蘇る数々の名シーン。個性的な役者さんがたくさんいるよね!】

SNAKEPIPE WROTE: 

2021年5月に書いた「映画の殿 第44号 Netflixドラマ編 part2」 の後から、今まで鑑賞したドラマについてまとめていこう。
タイトルにあるようにNetflixで観られるドラマ限定でね!
今回もまた韓国ドラマだけになってしまったよ。
現在ROCKHURRAH RECORDSは韓流ブームなんだよね。(笑)

韓国ドラマ、と検索すると必ずオススメ上位にランクインするのが「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜」 。
2016年に韓国で、日本では2017年に放映されたドラマなので、今から5年程前の作品ということになるんだね。
実はあまりROCKHURRAH RECORDSらしくないかも、と思いながら観始めたんだっけ。(笑)
予告映像を載せておこうかな。 

あらすじはこちら。

幽霊が見える女子高生チ・ウンタクは幼いころ母を失い、意地悪な叔母とその息子・娘のもとで暮らしていた。
ところがある日”トッケビ”と出会い、自らが”トッケビの花嫁”であることを知る。
トッケビは一千年の昔、謀反の冤罪で処刑された武将キム・シンが神の悪戯で、処刑に使われた剣を胸に刺したまま現世に留まっているのだった。
この世界でただひとり、トッケビの花嫁だけがその剣を抜くことができるのだが、それはトッケビがこの世から消えることを意味する。(Wikipediaより)

900年以上生きている主人公トッケビと女子高生との恋愛モノと言ってしまえば簡単だけど、そこはさすがにドラマ。
様々な要素が含まれているんだよね。
このドラマのファンという友人Cさんは、トッケビのロケ地であるカナダに行きたかった!と話した。
「せつないラブ・ストーリー」には、多くの女性が胸キュンしたことだろうね。(笑)
一番印象的だったのは、音楽かな。
イントロだけで「あ、トッケビだ」と分かる、この曲は強く耳に残っているよ。 

「鬼」を意味するトッケビ以外に、死神が登場し、幽霊達が会話している超常現象的な設定なのに、笑いもあって楽しめたよ。
SNAKEPIPEは、トッケビに宝くじの当選番号教えてもらいたいな!(笑)

続いてのドラマ「コーヒープリンス1号店」にもトッケビを演じたコン・ユが登場するんだよね。
「トッケビ」と時期が重なっていたので、まさに「コン・ユ祭り」状態!(笑)
たまたまだったけれど、ものすごいファンみたいだよね。
「コーヒープリンス1号店」は2007年に放映されていたというので、今から14年も前のドラマとは!

コ・ウンチャンは亡くなった父の代わりに家計を支える勤労少女。
それなのに失業。
ある日知り合った御曹司ハンギョルに男と思い込まれ、イケメンしか雇わないカフェ「コーヒープリンス」に採用され、男のフリをし続けることになる。(Wikipediaより)

女の子が男のフリをしているというのは、漫画などで読んだことがある設定かもしれないよね。
「コーヒープリンス」でウンチャンを演じているユン・ウネが、本当に男にしか見えないような食べっぷりやがさつな演技を見せるところに驚いた。
この先ユン・ウネは、女として、女優として大丈夫か?と心配するほど。(笑)
さすがに昔のドラマだけあって、途中で中だるみしていたのは仕方ないのかな?
コン・ユの従兄弟として、「マイ・ディア・ミスター」でドンフンを演じていたイ・ソンギュンが出演していたところにも注目していたよ。
イ・ソンギュンが若いの!(笑)

続いては、友人Mから強力に勧められた「ミスティ」。
2018年に放映されていたドラマだというので、今から3年前になるんだね。
主演のコ・ヘランを演じたキム・ナムジュの美しさとカッコ良さに惚れ惚れしながら鑑賞したものよ。(笑)
アイメイクが気になり、ちょっと真似したくなったSNAKEPIPE。
友人Mもコ・ヘランみたいになりたい、と似た色のアイシャドウを買いに行ったと聞き、笑ってしまったよ。
同じところに反応してるんだよね。(笑)

ある夜、自動車事故が起きる。
参考人として警察に召喚されたのは人気キャスターのコ・ヘラン。
刑事からある男の写真を見せられたヘランの記憶は事故の1か月前に遡る…。
ジャーナリスト大賞を5年連続受賞するという栄冠を手に入れたヘランだったが、後輩にメインキャスターの座を譲るよう、上層部から迫られていた。
その座を守ろうと、ヘランはマスコミ嫌いで有名な世界的ゴルファー、ケビン・リーの独占取材を宣言する…。(「Oricon」データベースより)

何枚も仮面をかぶっているような女に見えるコ・ヘラン。 
仮面を一枚乗せるごとに過去を、男性との記憶を塗りつぶしているような。
タイトル通り「ミスティ」で「愛の真実」だね。(笑)
それにしてもPGAゴルフツアーで優勝したケビン・リーを、あの俳優に決めたのが謎だよ。
目元がニヤけていて嫌なり。ケビン・リー!(笑)

サイコだけど大丈夫」は2020年の作品で、一度聞いたら忘れないタイトルだよね。
太陽を抱く月」で王様を演じていたキム・スヒョンが主演、「花郎」で王女役だったソ・イェジがヒロインとして登場している。
椿の花咲く頃」でギュテを演じていたオ・ジョンセが自閉症スペクトラム症という役なんだよね。

人が傷つくことを理解せず愛を知らない人気童話作家コ・ムニョンと、精神病棟で献身的に働きながら、自らも自閉スペクトラム症の兄ムン・サンテと静かに暮らすムン・ガンテ。
それぞれ辛い思いを抱え生きる2人だが、その運命が交錯する時、互いの心と人生に変化が生まれていく。(TVログより)

とにかくすごいのがオ・ジョンセの演技!
本当に障害を持っている人みたいに見えるんだよね。
そしてソ・イェジのスタイルの良さにも驚いてしまう。
「花郎」は時代劇だったため、体の線が出る服装じゃなかったからね。
傍若無人で自分勝手な役どころがピッタリ合っていたよ。
ハートウォーミングなだけではなく、殺人事件が絡んだり、童話にちなんだストーリー展開もドラマの幅を広げるのに効果的だったね。
精神科に入院している患者の妄想を映像化するシーンがすごかった!
それにしても、本当にあんなゴシック建築が韓国にあるのかなあ?(笑)

続いての「ハイバイ、ママ!」 は、「刑務所のルールブック」でハニャンを演じたイ・ギュヒョン目当てで観始めたんだよね。
「ハイバイ、ママ!」は2020年に放映されたドラマとのこと。
ドラマを観ていると、どんどんファンになる俳優が増えて、その人が出演している別のドラマを探してしまう。
このループが、韓国ドラマを連続して鑑賞する理由の一つかも。(笑)
どんな内容なのかも確かめず、ハニャン出演だけで観ることを決めてしまったよ。

ある日事故に遭って命を失ってしまった妊娠中のユリ。
亡くなったあとは無事生まれてきたソウと夫ガンファのもとに幽霊として見守っていた。
ユリが生まれたころからソウのことを見守っていたせいでソウは幽霊が見えることを知りショックを受ける。
娘を心配するあまり成仏しなかったことで娘を危険な目にさらしていたと知り、神に不幸を訴える。するとユリはなんとまた人間の姿として生き返ることとなる。
更に生き返った49日間にもとにいた場所に戻ることができればそのまま人間として生き返ることができるのだが。(Wikipediaより)

主人公ユリが幽霊の状態で話が始まるんだよね!
ところが生き返ってしまうという驚きの展開になるとは。 
ユリが生き返ってからは、ドラマの半分以上の時間に誰かが泣いているシーンが続く。
一度死んだ人間が生き返り、家族や親友と時を過ごすことは通常あり得ないので、ちょっと冷めた目で鑑賞してしまったSNAKEPIPE。
「サイコだけど大丈夫」にも出演していた女優が、「ハイバイ、ママ!」ではユリの母親役で出演していて、どちらのドラマでも「膝が痛い役」を演じ、同じ薬を飲んでいるところに大注目してしまった!(笑)
そしてソウを演じた子役が、実は男の子だった事実を先程知り、驚いているところ。
女の子にしか見えなかったんだけどね?

最後は、友人Mから「早く観て!」と毎日のように催促された、お勧めドラマの「ヴィンチェンツォ」。
2020年は「愛の不時着」で、2021年は「ヴィンチェンツォ」と評されている大人気ドラマという情報は得ていたけれど、上に書いた「サイコだけど大丈夫」と「ハイバイ、ママ!」を観終わってからの鑑賞となる。
「ヴィンチェンツォ」は2021年のドラマなので、今年の作品だね。
友人Mを熱狂させたドラマ、早速観てみよう! 

イタリアマフィアの顧問弁護士を務める韓国系イタリア人のヴィンチェンツォ・カサノは、マフィア間の抗争の末に韓国のクムガ・プラザという雑居ビルに向かった。
その目的はビルの地下に眠る金塊を手に入れることであった。
しかし、クムガ・プラザは違法な手段で地域の開発を進めるバベル建設の手に渡ってしまう。
ヴィンチェンツォはクムガ・プラザの個性的な住人たちとともに数々の悪事に手を染める巨悪の企業に対し、悪をもって悪を制するべく、立ち向かう。 (Wikipediaより)

ヴィンチェンツォとは韓国系イタリア人の名前なんだよね。
ほとんどの人が正確な発音ができず、ヴィンチェンツォの肩書である「コンシリエーレ」も別の呼び方になっていて笑いを誘う。
「ヴィンチェンツォ」は社会派な筋が根底にあるけれど、笑いの要素を多く含んでいる点が魅力なんだよね。
クムガ・プラザの住民が、とても良い味出していたよ!
国際安保情報院のアン君、最高だったね。(笑)
梨泰院クラス」で憎々しい会長を演じたユ・ジェミョンが、人道的な弁護士役で出演していたし。
ブライアン・デ・パルマの「キャリー」やヒッチコックの「」、そしてデヴィッド・リンチへのオマージュがドラマの中に散りばめられていて、ニヤリとさせられる。 
「ゴッド・ファーザー」に因んだ内容も出てきたしね!
友人Mのお勧めに間違いはないよ。(笑)

今もまた別のドラマを鑑賞中なので、近いうちにパート4を計画しよう。
お家時間、Netflixのおかげで楽しく過ごせるね!(笑)

映画の殿 第45号 ビューティー・インサイド

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【ビューティ・インサイドに出演した面々】

SNAKEPIPE WROTE:

Netflixでお家時間を楽しんでいる話は、今まで何度も書いてきたよね。
そしてドラマに夢中になっていることも「映画の殿 第41号 Netflixドラマ編」や「映画の殿 第44号 Netflixドラマ編 part2」で記事にしてきたSNAKEPIPE。
最近は韓国ドラマを観ることが多いんだよね。
映画でも韓国物を選ぶ傾向が強くなっている今日このごろ。
今回は「ビューティ・インサイド(原題:뷰티 인사이드 2015年)」という韓国映画についてまとめていこう。
まずは予告映像ね!

あらすじはこちら。

家具デザイナーのウジンは18歳のときから目覚めると姿、性別、国籍等の全てが変わるようになってしまった。
男、女、老人、子ども、外国人・・・。
人に会う仕事ができないため、才能とインターネットを活かして活躍している。
そんな彼の「病気」のことを知っているのは母と親友だけ。
ある日、アンティーク家具専門店で働く美しいイスに出会い、一目で恋に落ちてしまう。
彼女に会いたい一心で、毎日初めてきた客のようにお店に通う。
彼女に告白する「見た目」になる日を待って、ついにデートに誘い、ふたりはロマンティックな3日間を過ごす。
しかし、同じ姿でいるため3日間徹夜をしたウジンは、うっかり電車で寝てしまい起きると全く別の顔に・・・。

トレイラーとあらすじで、どんなストーリーなのか分かるよね。(笑)
毎日違う自分と対面することになる主人公なんて、聞いたことないよ!
そんな病気はないと思うけど、この発想力で映画を作ってしまう韓国ってすごいね。
※ネタバレしているかもしれないので、未鑑賞の方はご注意ください

主人公ウジンが一目惚れしてしまう女性イスを演じたのは、ハン・ヒョジュ。 
ROCKHURRAH RECORDSでは韓国物を観始めて日が浅いため、他の作品で観たことがない女優なんだよね。
「嫁として連れてきてほしい女優」の第一位で、清純派女優なんだって。
イスはアンティーク家具店で働いているんだよね。
家具デザイナーのウジンは客として店を訪れるんだけど、通っても毎回違う顔だからお得意様として認識されることはない。
届け先の住所は同じはずだけど、その点はどうしたんだろう?(笑)

ウジンとして出演している俳優は、全員で123人だったとか?
このキャスティングだけでも大変だっただろうね。
そんなウジンを演じた俳優で気になったのは、「ミセン」でキム代理を演じていたキム・デミョン
ウジンは毎朝自分の顔を鏡で確認するんだけど、喜ぶ時とがっかりする時があるんだよね。
残念ながらキム・デミョンの時はハズレだったのかな?

イスに告白するために、カッコいいルックスになる日を待っていたウジンが、「勝負顔」として選んだのがこの顔。
梨泰院クラス」以来、すっかりパク・セロイとして認識しているROCKHURRAH RECORDSだけど、名前はパク・ソジュンね。
この顔を維持するためにウジンは徹夜する。
眠ってしまうと別の顔になっちゃうからね。(笑)
それでも限界は3日で、イスとの約束前に眠ってしまうウジン。

起きたらこの顔になっていたんだよね! (笑)
イスとデートの約束をしていたのに、これでは行かれない、とガッカリするウジン。
映画として中身はウジン1人と考えれば、気持ちは分かるけど、この役を演じている役者さんの立場で考えると気の毒に思ってしまう。
一度変わった顔に再び出会うことはないのかな?

トッケビ」で死神役を演じていたイ・ドンウクもウジンとして出演していたよ。
まだ「Netflixドラマ編part3」を書いていないけれど、次は「トッケビ」も書くつもりなんだよね。(笑)
きっとこれから先、イ・ドンウクを観たら、「あ!死神!」と叫ぶこと間違いなし。
ウジン役はコロコロ変わるから、毎日別の顔に会うイスは苦労するよね。

新しい一日の始まりには新しい顔になるウジンなので、観ている側も混乱してくるよ。
観たことがある役者だった場合、どのドラマや映画だったか思い出そうとする。
画像は「ミセン」で、いやな課長役を演じていたキム・ヒウォン。
もしこの顔で「ROCKHURRAHだよ」と挨拶されたらどうしよう。(笑)
自分や相手がウジンのような病気だったら、と想像するだけで怖くなるよね。

パーティで恋人を紹介する場面で登場したのが、画像左のイ・ジヌク
イスの同僚である女性陣が「素敵!」と目を輝かせていたので、ウジン大成功だったね。(笑)
SNAKEPIPEも意図していたわけじゃないんだけど、どうやら「当たり」と「ハズレ」の画像を交互に使用していたみたいだよ。
こんな毎日じゃウジンも疲れるだろうなあ。

男性になるとも限らないから驚くよね。 
画像は日本人女優の上野樹里
日本映画もドラマもほとんど知らないので、演じている上野樹里も初めて観たと思う。
性別や国籍なども関係なく、もちろん外見も無視して、ウジンという人間に対峙することができるのか?

 LGBTや国際結婚、年の差など様々な愛の形態があるからね。
外見を重要視する人もいるはずだし。
そうした全てを乗り越えて「ウジン」を好きでいられるのか試されるイス。
最初は奇をてらった映画だと思って観ていたけれど、だんだん深いテーマに気付く。
ウジンやイスを自分に置き換えて想像してみるとよく分かるね。

映画に出てきた家具も素敵で、アイディアを形にできるウジンも素晴らしかった!
ビザール・グッズ選手権!」で 何度も椅子を特集しているSNAKEPIPEなので、家具にも注目だったね。
実際に受注販売している家具デザイナーがどれくらい存在するのかわからないけど、そんな技術があって生活できるのは羨ましいと思ったよ!(笑)

単純なアイディア勝負で映画にしたのかと思いきや、深いテーマに考えさせられた「ビューティ・インサイド」。
もしかしたらお目当ての俳優がどこかに出演しているかも?(笑)
とても印象に残った映画だったよ!