ニッチ用美術館 第4回

【音楽とアートの狭間を埋める連載記事、久々の第四弾!】

ROCKHURRAH WROTE:

2017年の春から始めたシリーズ企画「ニッチ用美術館」なんだが、トップ画像を動画にするのがちょっと面倒な事もあって、なかなか新しい記事が書けないでいた。要するに記事の下準備に時間がかかるってわけね。

ちなみにタイトル見ればあのTV番組のパロディなのはすぐにわかるが、何でニッチなの?という説明が毎回必要なのがさらに難点。 まあ前回までの記事の冒頭にしつこく説明が書いてあるので律儀に読んでもらえればウチの方針もわかるだろう。
で、やってる事はROCKHURRAHの得意分野、70年代パンクや80年代ニュー・ウェイブの時代のレコード・ジャケットを展示して、それをアート的視点から語ってみようという試み。しかし語るほどアート界に詳しくないというパラドックスに満ち溢れた記事になっていて、何だかよくわからん趣向になってるな。これがROCKHURRAHの底の浅いところ。

今回はちょっと趣向を変えて、ウチのブログでも話題の「バッドアート展」風にしてみようと思う。
年末にSNAKEPIPEと2人で東京ドームシティまで行って観てきたんだが、それより前からウチでは注目していた美術館なんだよね(この記事)。 
要するに大真面目に美術的制作を行った結果、ちょっと方向性を間違えてしまったようなアートの事なんだけど、ROCKHURRAHが大好きな70〜80年代のパンクやニューウェイブにもその手のジャケット・アートが存在してるはず。ウケ狙いとか笑わせようとして、というのとは違うしアートの分野で語る以前のものも多かったから選考も難しかったが、とりあえず膨大な数のレコードを検索して集めてみたよ。 
バッドアートかどうかの判断は感覚的なものだろうから誰でも理解出来るというわけじゃないけど、いわゆる爆笑ジャケットというのではないから期待しないでね。
では時間もあまりない事だし、早速第4回目の展示を見てみるか。
尚、今回はジャケットのレコードに収録されているトラックと動画が一致してない場合があるけど、マイナー=動画が少ないのが多いから仕方ないと思ってね。 

ROOM 1 廻天の美学 

廻天とは「物や人を満足できる状態に回復する行為」だそうだが、一般的な人はたぶん一生のうちに使う機会はない言葉だと思う。
ROCKHURRAHが知らないだけで、どこかの業界では常識的に使うのかも知れないが。

何でこのジャケットに廻天なのかと言うとこのバンド名にある。
Wirtschaftswunder は前にも何度かウチのブログでも書いたけど80年代ドイツのニュー・ウェイブ(ノイエ・ドイッチェ・ヴェレ)のバンド。「読めん」という特集で書いた通り単語を目の前にしてもちょっと考え込んでしまうが、ヴィルツシャフツヴンダーとは「経済の奇跡」と訳されるのだ。この言葉がひとつの単語になってるだけでもドイツ語、すごいと思ってしまうけどね。
「第二次世界大戦後の西ドイツとオーストリアにおける、社会的市場経済に基づくオルド自由主義を採用した経済の、急速な再建と成長を誇張した表現である。(Weblioより)」などと書かれててもよくわからないが、それをバンド名にした意図も不明。
戦争に負けても早く復興したドイツ国民のパワーというような意味合いなのかな?

それはともかくこのジャケット、しょっぱなからひどすぎるな。
ROCKHURRAHが大昔に書いた記事には載せてなかったけど、売る気があって採用したジャケットとは思えないよ。
四人並んでるからメンバーなんだろうけど全員口からびよーんと伸ばしてるのは何?何かくわえてるのか?色も品がないしこれをジャケ買いする人は滅多にいないと思える。
ドイツの変な大御所デア・プランが主宰していたワーニング・レーベル、これが名を変えノイエ・ドイッチェ・ヴェレの名門アタタック・レーベルになるんだけど、そこから1980年にデビューしたのがヴィルツシャフツヴンダーだ。
ROCKHURRAHは早くからノイエ・ドイッチェ・ヴェレに興味を持ってたからこのシングルを中古レコード屋のワゴンセール、たぶん50円か100円くらいで買った時には心の中で快哉を叫んだものだ。
まあ何も知らずにワゴンセール担当になったらこのジャケットならそのくらいの価格にしてしまうのも無理ないなあ。

割と奇抜なバンドがひしめいていたこのジャンルでも、かなり変でエキセントリックなパフォーマンスを得意とするバンド。
上に挙げたジャケットのシングル曲ではないけど、どういうバンドなのかわかりやすいと思ってこの動画にしてみたよ。
YouTubeとかの動画サイトが発達したから今は軽く観られるけど、その当時は日本で紹介されないこういうバンドの動いてる姿を見るだけでも、大変な苦労をしたものだった。
一時期明らかにメジャー志向の音楽に変貌したけど1984年くらいまでしか消息がわからなかったので、売れてたのかどうかも不明。
こんな不気味なジャケットでデビューしたとは思えないほど演奏も歌も堂々としてて、冒頭でずっこけるコミカルな動きのギタリストも狙ってやったとは思えない。
まさにバッドアートの趣旨にピッタリだね。

ROOM 2 虚心の美学  

虚心とは「わだかまりを持たない心。先入観を持たない、すなおな態度。」だそうだがそういう境地になるとこんな絵を受け入れるんだろうか?

このジャケットがこの人の描いた自画像なのか人に描いてもらったのかは不明だけど、よくぞまあジャケットとして採用したもんだ、という出来。

カレン・マンテロというシンガーがデニス・ジェノベーゼなる人物と70年代に米国グリニッジ・ヴィレッジで弾き語りみたいな活動してたのがはじまりらしいんだが、そもそもROCKHURRAH RECORDSのブログで取り上げるようなジャンルではない人物なのは確か。でもこのジャケット見たとたんにジャンルの垣根を超えて紹介するしかないと思ったよ。これぞ虚心って事なのか?
グリニッジ・ヴィレッジと言えば60〜70年代にはアートや文化が栄えたところらしいけど、個人的にアメリカに行きたい用事もないROCKHURRAHには特に憧れはない土地だなあ。かつてニューヨークでカルチャー・ショックを受けたというSNAKEPIPEには勧められているけどね。

さっぱり知らないから書きようもないがカレンらしき女性が登場するビデオもあったので、ウチが知らないだけのシンガーなのかもね。途中でパートナー、デニス・ジェノベーゼらしき人も登場するがどこの出身なのか不明の風貌。名前の通りイタリア系なのか?バスクベレーみたいなのかぶってるからバスク人、あるいはイスラム系にも見える便利な顔立ち。
カレンは可憐な女性という感じは全くしないものの、いかにもこの時代のアメリカンな雰囲気でサイドカーの横でも違和感はないね。ジャケットそのままの人だったらどうしようかと思ってたよ。
あのレコード・ジャケットは悪く描きすぎたからジャケ買いする人は稀だろうけど、そこそこファンがついてもおかしくはないシンガーなんだろうね。うーむ、よくわからん時はコメントもぞんざいだな。

ROOM 3 堅靭の美学

堅靭(けんじん)とは「かたくて、弾力のあるさま。強くてしなやかなさま。」だとの事。これまた現代では日常的には使わない言葉だろうな。

ROCKHURRAHが少年の頃、江戸川乱歩や横溝正史、夢野久作、小栗虫太郎などの作品との出会いをきっかけに戦前の探偵小説と呼ばれていたものに傾倒していった。
ただ作品を読むだけでなく、評論や研究書まで買ってたくらいだから相当のめり込んだ趣味だったのは間違いない。
北九州(故郷)あたりでそんなに掘り出し物があるとは思えないのに、何か探し当てるのを楽しみに古本屋を巡ってたな。
数多くの作家の探偵小説を読んだし、いくら探しても見つからず悔しかった本もたくさんあった。
いわゆる本格物という謎解き小説も好きだったが、変格と呼ばれた既存のジャンルからは外れてしまった作家の小説も好きで、さらに伝奇小説や冒険小説など、興味の幅も広くなっていったもんだ。
その頃、何編かは読んで気になっていたものの入手出来なかった作家に押川春浪があった。「海底軍艦」と言っても今どきの子供には通じないかも知れないが日本のSFの草分け的な作品で、当時の少年漫画雑誌とかでたまに絵物語化されていたように記憶する。
あまり記憶にないくせに段原剣東次(明治日本最大のアクション・ヒーロー?)をモチーフにした曲なども自作したもんだ。誰からも評価されなかったけど。だんばら、名前の響きがいいよね。

今年のNHK大河ドラマ「いだてん」に出てくる変なバンカラ運動集団、天狗倶楽部の創始者でもあったのが押川春浪だが、スポーツ大好きな春浪だったらきっと堅靭という言葉が好きに違いない。
うーん、たったこれだけを書きたかっただけで無駄な自分の回顧に十数行も費やしてしまった・・・。 

そんな堅靭好きの人の目に止まりそうなジャケットがこれ。
どこかよその国にも同名バンドがあったからUKを名乗ってるけどスクイーズの1stアルバムだ。パンクからパワーポップが派生した1978年頃から活動していたバンドだが、ROCKHURRAHはレコードを一枚も持ってなくてほとんど知らないと言っていい。インターネットの80’sニュー・ウェイブ専門のチャンネルとか流してると頻繁にかかるから聴けば「あ、この曲がスクイーズだったのか」と曲だけは知ってる場合が多いんだが、次回聴いた時にはすでに忘れてる事が大半。
グレン・ティルブルック、ポール・キャラック、ジュールズ・ホーランドなどといった(何で名前を覚えてるのか個人的に不明な)豪華メンバーがいたというのに、やっぱりROCKHURRAHの路線とはちょっと違うんだろうな。

マッチョなジャケットからはかけ離れたような面々がメンバーなんだが、この辺の初期の曲はいかにもニュー・ウェイブ真っ只中でいいね。なんかどうでもいい甘ったるい曲を先に知ってしまったから興味なかったんだよね。

ROOM 4  蚊喰鳥の美学

これまた一般的には馴染みのない言葉。蚊喰鳥と言われてもピンと来ないがコウモリの別名らしい。
わざわざ異名で書く意味はないが、この企画のチャプター・タイトルはなぜか「あまり馴染みのない漢字」で書くという変な決まりを勝手に自分で作ってしまい、それを考える方が画像集めたりするよりも遥かに難しいという状況なのだ。
難しい単語や言い回しなんてそんなにどこにでも転がってないから探すのが辛いよ。
一度、簡単な表現に戻してみたんだけど自分の中で何かしっくり来なくて、また使い慣れない言葉を探す始末。
「ニッチ用美術館」があまり書けないのは、そういう変なこだわりでがんじがらめになってるせいだね。
これもまたROCKHURRAHの美学かな。

さて、その蚊喰鳥を手なづけて一体化してしまったジャケットがこれ。斜線の入り方や劇画調のタッチは何となく達者なのに、女性の顔の残念な描写のせいで「誰がこれを見てジャケ買いする?」というレベルにまでなってしまったところがバッドアートの面目躍如だね。

この売る気がなさそうなジャケットで活動したおそらく一発屋のバンドがサウンド・フォースというオーストリアのバンドだ。1982年にこの一枚のみ出してた模様で、このバンドの事を書いた日本人もおそらくROCKHURRAHが初だろう。とにかくジャケット以外に情報が全く無いので何とも書きようがないんだよ。
こんなバンドでもYouTubeがあって、動画がいつ削除されるかわからんが一応載せておこう。 

聴いてみたら歌も演奏もちゃんとしてて、Haunschmidt Ursula(読めん)嬢のヴォーカルも60年代ガールズ・グループをパンクのフィルターに通したような雰囲気で気に入ったよ。エイプリル・マーチあたりの先輩という感じ。
ジャケットがもう少し良かったら人気出そうなバンドだっただけに残念だったね。
しかしこのイラストがHaunschmidt Ursulaを忠実に描写したものだったらと考えると恐ろしいね。

ROOM 5 靉靆の美学

最後はとっておきの読めない、書けない漢字にしてみたよ。うーん、これは一生使う事なさそうだな。

靉靆と書いて「あいたい」と読む。意味は①雲や霞(かすみ)などがたなびいているさま。②気持ちや表情などの晴れ晴れしないさま。陰気なさま。との事でこのジャケットとは関係なさそうだが、名詞としてはメガネを表すらしい。これで意図が通じたね。名詞と形容動詞で意味が大幅に違うのが気にかかるが。

しかしレコード屋でこれに直面したら何もコメントのしようがないくらいにひどいジャケットだな。
Photoshopを使い始めた人がお遊びで友達の顔をレタッチして作ったかのようなレベルで、今どきではそんな事をする人さえいないように思うよ。

このどう考えても売れそうにないジャケットはフィンランドで活動していたSielun Veljetというバンドのもの。
1983年にデビューして何枚もレコード出してるから人気はあったんだろうが変なジャケットが多いから、その路線で行きたいバンドなんだろうな。上の顔ジャケットは88年のもの。
ジャケットだけで選んだから今回は知らないバンドもいくつかあったけど、これまた今まで全然知らなかったな。
最近「80年代世界一周」という色んな国のニュー・ウェイブを探す企画をやってるから、この辺の英米以外のバンドはまた違う機会に語る事もあるかもね。

この変な顔ジャケットに収録されてないが、同じくらいの時代のモスクワでのライブ映像があったので載せておこう。
二階席まであるからその辺のライブハウスよりは大きい会場だと思うけど、一杯の観客を前に堂々としたライブを披露してて、「こんなジャケットだから三流バンドだろう」という予想は裏切られた。
今回は全体的にジャケットに見合ったトホホなバンドがいないぞ。

タイトル動画まで作らなきゃいけないから時間ないし、知らないバンドばかりだったからコメントのしようもなく、いつもよりは短いブログとなったけど、探せばまだまだ出てくるバッドアートなレコード・ジャケット。
またいつの日か第二弾もあるかもね。

ではまたサ・タ・プメ (ギリシャ語で「また会いましょう」)。 

SNAKEPIPE MUSEUM #50 Pasha Setrova

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【人形はもちろん、背景もオシャレ!】

SNAKEPIPE WROTE:

今回のSNAKEPIPE MUSEUMはロシア出身のアーティスト、Pasha Setrovaを特集しよう。
検索していて一目惚れした作品を制作している女性だよ!
読み方はパシャ・セトロヴァで良いのかな?

現在はニューヨークで活動しているようだけど、子供時代はシベリアで遊牧民として生活していたこともあるという。
各地を転々とする生活を送っていたらしい。
アメリカに渡ったのは2011年というので、まだ8年しか経っていないんだね。
ロシアにいた頃から既に人形作家として評価されていたようだけど、詳しいプロフィールは分からなかった。
ただパシャ本人の写真は多く出回っていて、その多くは露出過多のもの。
これはSNAKEPIPEの推測だけど、ロシアよりアメリカのほうがヌードになりやすかったからアメリカに移住したのかもしれないね?(笑)
そしてそんな「見せたがり症候群」系のパシャが作る人形も、本人の嗜好が投影されたセクシーなタイプが多いんだよね。
早速紹介していこう!

まるで金子國義のイラストが人形になったようなレトロな雰囲気を持つ「Purple Winter」。
これは2014年の作品で、この時代はまだ球体関節人形ではなかったのかもしれない。
パシャの人形の特徴は、とにかくファッショナブルだということ!
ファッション雑誌の中から飛び出してきたような装いなんだよね。
人形制作だけじゃなくて、衣装に対してのこだわりが素晴らしい。
こちらの人形はスパンコールをあしらったガウンの上に毛皮のショールを付けた高級娼婦?
貴族というには化粧が「どぎつい」ので、夜の蝶を連想させる。
背丈が40インチ、およそ100cmあるというので、結構大きさがあるよ。

まるで研ナオコをモデルにしたのではないかと思ってしまう顔立ち!(笑)
「Smokey Eyes」も2014年の作品なんだよね。
見事なのは煙の表現。
毛糸のような素材を使用しているんだけど、どうやってこの形をキープしてるんだろうね?
実物を観てみたいよ。
この頃のパシャの人形は、全体的に細長い体型で、異常に長い首と手足が特徴なんだよね。
そのため人の形はしているけれど、人間ではない別の生物のように感じてしまう。
SNAKEPIPEが一目惚れしたのは人間に近くなって、カッコ良さが増した作品なんだよね!

外国のファッション雑誌を見ている気分になる一枚。
ちょっと不機嫌そうな顔立ち、長い脚を見せつけるようなポーズ。
日本人にはなかなかできない、ルーズなカッコ良さが上手く表現されているよね。
日本人がやると「だらしない」にしかならないからね。(笑)
髪の毛はドレッドヘアに見えるように毛糸が使用されている。
レザージャケットの細かい細工も秀逸で、素晴らしい!
彼女たちは「When I Close My Eyes Colour Fade To Gray」というタイトルがついている。
意訳すると「目を閉じると世界は灰色」って感じで、意味不明だけどね。(笑)
球体関節人形なので、様々なポーズを取らせることができるのも魅力!
彼女たち、欲しくなっちゃうね。(笑)

今度は双子に登場してもらいましょう。
2人共スタイルバツグン!
美しい金髪が印象的で、もし本当にこんなモデルがいたら大人気だろうね。
パシャの人形は、全体的に明よりは暗、昼間よりは夜、太陽よりは月といった雰囲気なので、健康的でスポーツが大好きな女性たちではない。
そこがSNAKEPIPEの好みにも一致するんだよね!
ミステリアスな双子も飾ってみたいな。

パシャの音楽の好みはよくわからないんだけど、人形の服装だけ見るとパンクが好きなのかもしれないと思ってしまうね。 
ショートカットで目の周りを黒く縁取った人形は、70年代オリジナルパンクを連想させる。
彼女の名前は「SELENA」。
何か辛くて悲しいことがあったから、涙で黒いラインが崩れたのか。
それとも初めからこのメイクアップにしたのか。
ビスチェにライダースジャケットを羽織り、挑戦的に見つめる視線の強さが良いね!
パシャの人形は全部欲しくなっちゃうよ。

続いてもショートカットの女性。
全身シースルーのワンピースとゴージャスなアクセサリーを身に着けている。
この画像には写っていないけど、実はバッグも揃えてあるんだよね。
細かいところまで作り込んでいて、本当に感心するよ!
実際に全身シースルーの服を着て出歩くことはないと思うけど、世界中で開催されているファッションショーに登場しても不思議ではない出来栄え。
例えばバービー人形も素敵な衣装を身に着けていると思うけど、パシャのダークなイメージとは違うよね。
そもそもバービー人形にショートカット・バージョンってあるのかな?(笑)

今度は犬と一緒にいるレザー・ワンピースの女性ね!
こんなにスタイリッシュな服装で散歩をするとは、なんともゴージャス。(笑)
犬の制作もするんだ、と驚いてしまったSNAKEPIPE。
利口そうで可愛いワンちゃんたちだよね。
パシャのサイトには数枚の画像が載っているんだけど、犬のシリーズの一番最後は、レザーの女性も首輪をして犬と一緒に四つん這いでポーズを取っている。
もしかしたら飼い主だと思っていたら、彼女も飼われていたのかしら?
そうしてみると、お揃いの青いスカーフもしてるもんね。
物語を想像するのも楽しいかもしれない。

最後はまるでドロンジョ様かキャットウーマンのようなセクシー人形ね。
かぶりものは取り外し可能なようで、仮面を外すとレトロなピンカールの黒髪が現れる。
装飾の細かさに圧倒されるよね。
パシャのページでは、好きなタイプの組み合わせで人形を購入できるシステムがあるんだよね。
今まで紹介してきたのはパシャが制作した作品だけど、例えばキャットウーマンの髪をロングにして、靴は真っ赤にして欲しいといったようなオーダーができるみたい。
洋服だけも購入可能なようなので、本当にお人形さん遊びができちゃうんだよね!

人形のサイズはオリジナルが高さ54cm、スモールタイプは43cm。
10cm小さく作るのは何故なのか不明だけど、お値段はどちらも$900、日本円で約98000円ね!
これは頭と全身の金額なので、ここにメイクアップや髪の毛、ファッションを決めて完成させて行くことになるね。
メイクアップに$80、体の彩色に$100、下着$35、靴$55、髪の毛$90、レザー・ジャケット$50、シャツ$50、レザー・スカート$50、手袋$25、帽子$45、サングラス$25。
これで総額$1505、約16万円也!
手が届かない金額じゃないんだよね。
真剣に購入を考えたくなっちゃうね!

どうやら偽物が出回っているようで、「証明書がない人形は買わないで」とパシャが訴えている。
中国で作られているようだ、とまではっきり書いてあるので間違いないだろうね。
表面だけなぞるような偽物には意味がないよ。
やっぱり買うならパシャのサイトから買うことにしよう。
さて、どの子にするかな。(笑)

SNAKEPIPE SHOWROOM 物件16 眺めの良い物件編

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【隙間からでも見えると嬉しい富士山】

SNAKEPIPE WROTE:

先日電車に乗っていた時のこと。
窓からくっきりと富士山が見えるじゃないの!
一緒に乗っていたROCKHURRAHに伝え、きれいな富士山を鑑賞する。
どうして富士山が見えるとご利益がありそうな気持ちになっちゃうんだろうね?(笑)
富士山が見える地域にお住まいの方には日常的な光景だと思うけど。
毎日素敵な風景の中で生活できたら心が洗われ、煩悩から解き放たれるかも?
今回はそんな物件を選んでみたよ!
早速いってみよう。

最初はこちら。
2018年8月にも「SNAKEPIPE SHOWROOM 物件14 山を臨む物件編」 として、山の風景を日常に取り込むことができる物件を紹介しているんだよね。
その時にも「山といえばスイス」と書いていたSNAKEPIPE。
雄大な景色を見たいなら、やっぱりスイスなのかなあ。
この物件はサンモリッツに建てられた360㎡のアパートメントなんだよね。

ベルニナ山群をデッキから一望できるなんて最高のロケーション!(写真①)
ゆったりとした時間を過ごせそうだよね。
憧れのオーブンがあるキッチン。(写真②)
これだけ設備が整っていたら、料理の腕が上がりそうだよ!
どの部屋からも山を臨むことができるとは素晴らしいよね。(写真③④)
映画を観たり、読書をしたり。
この物件には絵を飾る必要はないかもしれないよ。
バスルームからも山が!(写真⑤)
もしこのお風呂が温泉だったりしたら、もう言うことないね。(笑)
6つのベッドルームを完備し、なんとスタッフ用のスペースまで確保されているという。
ということはお手伝いさんが雇えるくらいのお金持ち用ってことね!
残念ながら金額の記載はなかったけれど、かなり高額だろうと予想するので問い合わせは控えておこう。(笑)

続いての物件もスイスの同じ地域なんだよね。
まるで想像上のUFOのような印象的な外観。(写真①)
Sir Norman Fosterによって建てられた約550㎡のアパートメントだという。
こちらもデッキから山脈の連なりを眺められるんだよね!(写真③)
奥行きがあるデッキだから洗濯物も干せそう!
スイスだったら乾燥機使うのかな。(笑) 
キッチンがまるでSF映画に出てきそうなハイテクな雰囲気だよね。
ここでの調理は宇宙食か?(笑)
外観の円形に呼応させているのか、丸い家具が多いよね。
広さがあるからできる配置だよ。
5つのベッドルーム、5つのバスルームを完備しているというこちらの物件も、残念ながら金額の記載がなかった。
ここがいいかな、と思っていたのにね?(笑)

食材の入手が大変だろうと思いながらも、辺鄙な場所を選んでしまうんだよね。
こちらは売り出されている物件ではなくて、スコットランドにある賃貸用の物件。
どうやら旅行者向けの物件のようで、 3日以上の滞在から予約できるという。
近くには湖や滝、山などがあるというので、ここを拠点にして行動できるんだろうね。
まるでコンテナのような四角い建物。(写真①)
Black Hという名前だけあって、建物が黒いんだよね。
大きな窓は開放感あるよね。
遠目から見るBlack H。(写真②)
周りに何もないガランとした風景って憧れるんだよね。
ゆっくり休暇を楽しみたいなら、こんな場所を借りるのは最適かも。
コンドミニアムタイプなので、キッチンも完備されている。
もしかしたら目の前の湖で釣りをして、その魚を調理するとか?(笑)
もし釣れなかった時のために、準備はしておいたほうが良さそうだけどね。
一泊£225、日本円で約35,000円。 
3泊はする必要があるので、約10万円ってところだね。
ホテルでは味わえない記憶に残る休日を過ごすことを考えたらお手頃かも?

最後も四角い物件にしようかな。
これは輸送用のコンテナを組み合わせた物件なんだよね。
実はコンテナとかトレイラーを使用した物件には、前から憧れがあるんだよ。
土地さえ確保できれば、まるでレゴ・ブロックを積み重ねるように、自分の好みで家が作れるなんて最高だからね!
トラックで枠組みを運び(写真②)、中身の部分をはめ込んで。(写真⑤)
森の中に建てることもできるのは素晴らしいよ。(写真①、④)
組み合わせ次第では3階建てにもなるんだね。(写真⑥)
こうした建築を請け負っている会社がアメリカにはいくつもあるみたいで、明確な金額設定がされていたので、紹介しておこうかな。
これはMEKAという会社の場合だけれど、2.4m☓6mという広さのコンテナを住居用にした場合で基本料金$62,900、日本円で約680万円。
写真⑥のような3階の場合で$357,000、3900万くらい。
178㎡のマンションを日本で購入しようと思ったら、この金額で手に入れることは不可能だろうね。
非常に気になるコンテナ・ハウス!
次回のSNAKEPIPE SHOWROOMは、コンテナ・ハウスを特集してみよう!
どんな物件があるのか、今から楽しみだ!(笑) 

映画の殿 第36号 何がジェーンに起ったか?

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【ROCKHURRAH作成2大女優の怖い顔!】

SNAKEPIPE WROTE:

あけましておめでとうございます。
2019年初のSNAKEPIPEのブログだよ!
今年もアート系を中心にした記事を書いていく予定なので、どうぞお付き合いくださいまし。(笑)

新年にふさわしい映画の紹介と考えたけれど、「正月だから時代劇だよね!」といったルールは我らROCKHURRAH RECORDSにはない。
クリスマスも同様でディズニー映画は観ないんだよね。(笑)
今回紹介するのは1962年公開のアメリカ映画「何がジェーンに起ったか?(原題: What Ever Happened to Baby Jane?)」である。
NHKのBSで放映されたものをROCKHURRAHが録画しておいてくれたんだよね。
どうやら有名な映画らしいけれど、2人共鑑賞するのは初めてのこと。
1962年というと57年も前の映画なので、観る機会がなかったのは当然かもしれない。

まずはトレイラーを載せてみようか。

主演がベティ・デイヴィス!
名前は聞いたことあるけれど、映画を観たことはないよ。
代表作は「イブの総て(原題:All About Eve 1950年)」で、タイトルは知っているけれど未鑑賞。
これはアルモドバル監督「オール・アバウト・マイ・マザー」が元にしているタイトルだよね。
それにしても、このトレイラーで観るだけでも、かなり強烈なインパクトのベティ・デイヴィス! 

80年代に流行ったキム・カーンズの「ベティ・デイヴィスの瞳」ね!
この曲によって名前だけは知っている人、多いんじゃないかな?
それにしてもこの曲、カヴァーだったとは知らなかった!
オリジナルは1974年にジャッキー・デシャノンが歌っているんだけど、全く別の曲に聴こえてしまう。
カヴァー・バージョンのほうが断然グッドだと思うね!
「女ロッド・スチュワート」と言われたキム・カーンズのハスキー・ボイスが耳に残る名曲だよ。
この曲を聴くと当時を思い出すなあ。(しみじみ)
1990年に発売されたマドンナの「ヴォーグ」にも「Bette Davis, We Love You」という詩(というかラップ)が入っていたっけ。
歌詞に名前が登場するほど有名なベティ・デイヴィス主演の映画、これは楽しみだ!

「何がジェーンに起ったか?」のあらすじを書いておこうね。

かつてベビー・ジェーンという名で子役として活躍したジェーン。
そして美しいスターだったが、事故で不具となったその姉ブランチ。
年老いたふたりは古い屋敷で隠遁生活を送っていた。
ジェーンは酒に溺れ異常な行動を繰り返し、そのあげく体の不自由なブランチに暴力を振るうようになる。
追い詰められていくブランチに、やがてジェーンは……?(映画.comより)

※ネタバレしていますので未鑑賞の方はご注意ください

ベビー・ジェーンという名前で歌と踊りを披露しているジェーン。
絶大な人気を誇り、ベビー・ジェーン人形まで売り出されるほど。
この人形と一緒にポーズを取っている画像がこれね。
子役が大成しないで消えていくというのは芸能界ではよく聞く話だけど、ジェーンもその例に漏れず、華やかだったのは子供時代だけだったようだ。
子供の頃にちやほやされてしまうと、我儘な子になるだろうというのは予想できるよね。
ジェーンも身勝手で自分の言うことは何でも許されると思うような生意気な子供に育ってしまったようだ。

拍手喝采を浴びるジェーンを無表情で見つめる姉のブランチ。
きっとあなたの時代が来るからね、と母親に言われると「絶対にそうなるわ!」と強い意志を露わにする。
おとなしそうに見えるけれど、実は内心穏やかではなくメラメラと炎が燃え、ジェーンに対して闘志を燃やす少女時代のブランチ。
これらのエピソードで姉妹の性格がよく分かるよね。

そして少女の頃宣言した通り、ブランチは女優として脚光を浴びる。
大女優として絶好調の最中、車による事故のシーンが映し出されるのである。
まるで誰かが故意にアクセルを踏んでひき殺そうとしたかのような?
女性の足元しか映っていないので、殺意を持って運転していたのが誰で、被害者が誰なのか不明なまま!
そして現在の2人の様子をカメラがとらえる。
車椅子の女性は黒髪なので、姉のブランチだとわかる。
被害者は当時人気を博していたブランチで、恐らく大根役者として姉の足を引っ張っていたジェーンがアクセルを踏んだだろうと想像するのが自然な流れだよね。

金髪を縦巻きロールにしているこの女性がジェーン? 
きっとそうだよ、子供時代も縦巻きだったもんね。
少女の頃から一体どれくらいの年月が経っているんだろう。
欧米人は老けてみえがちだけれど、60代くらいだと推測する。
ベビー・ジェーンから50年くらいが経過したという計算ね。
実際のベティ・デイヴィスはこの時54歳。
わざとメイク・アップで老けさせていたのかもしれないね?
そして曲のタイトルにもなった印象的な目は、確かにすごい。
この写真でも分かるよね! (笑)

ちっとも仲良さそうには見えない姉妹だけれど、長年2人は一緒に暮らしているようだ。
事故で足が不自由になったため、負い目のあるジェーンが世話をしているということか。
大女優だったブランチには気品が感じられる。
昔自身が主演した映画を観てうっとりしているところをジェーンに邪魔され、訪ねてきたファンもジェーンによって追い返される。
とことん姉を憎み意地悪をするジェーンと涙するブランチという対比が描かれるんだよね。
どうしてこんなに仲が悪いのに一緒に生活しているのか不思議に思ってしまうよ。

ジェーンは若い頃から酒好きで、今ではほとんどアル中状態。
アルコールが原因なのかもしれないけれど、感情の起伏が激しいんだよね。
酒の勢いで余計にブランチに辛くあたっているのかもしれない。
ブランチが可愛がっていた小鳥を殺してブランチの食事として提供するあたりから、ジェーンの意地悪な行動はエスカレートしていく。
ゲラゲラ笑いながら残酷な仕打ちを繰り返すジェーンは、迫力があって怖かったよ!
そしてブランチが歩けないことをいいことに、財産をアルコールや自分自身の夢であるベビー・ジェーンの復活に向けて浪費するのだ。

ブランチが所有している小切手を、ブランチのサインを真似て勝手に使っているのである。
何度もブランチのサインを真似て書いた紙が出てきたけれど、これはまるでアラン・ドロン主演の「太陽がいっぱい(原題: Plein soleil 1960年)」みたいだよね。
ジェーンは復活に向けて着々と準備をする。
新聞に伴奏者を募る広告を出し、舞台で着るための衣装を揃える。
ジェーンを駆り立てたのは、鏡を見てからなんだよね。
しっかりと鏡を見た瞬間キャーと叫び、顔を両手で覆う。
こんなはずじゃないわ、私はこんなにおばあちゃんじゃないはずよ!
まだまだ返り咲けるはずだもの。

パパが才能はいつまでも消えないって言ってくれたもの。
そうだ、ベビー・ジェーンの時の衣装を着て、またあの歌を歌うのよ。
ほら、まだこんなに歌えるんだもの!
自己評価が高いといってしまえば聞こえが良いかもしれないけれど。
若い頃の栄光にすがり老いを認めず、少女時代と今の違いに気づかないフリをすることの、なんと恐ろしいことか!
ブランチに意地悪しているジェーンよりも、このシーンが一番怖かったSNAKEPIPE。
これ、恐らく全ての人間が体験することになる課題だと思うんだよね。
老人は老人らしくしようと言っているわけではないので、勘違いしないで欲しい。
現実を見つめることが必要と言ってるんだよね。

新聞広告を見て伴奏者がやってくる。 
作曲家として活動しているピアニストのエドウィンである。
ジェーンの歌を聴き、ダンスを見て実際にはどう思ったんだろう? 
素晴らしい!と褒めていたけれど、それは本心だったんだろうか。
食事を共にしたり、会合を重ねていくうちにジェーンに惹かれていたのだろうか。
エドウィンは母親と2人暮らしの独身男のようなので、女性と知り合いになれることが嬉しかったのかもしれない。
ジェーンに冷たくされる度に泥酔していたので、好きになっていたのかもしれない。
SNAKEPIPEは、このエドウィンの心境が掴みきれなかったなあ。

そのエドウィンに、一番見られてはいけない状況がブランチの監禁だったのに。
ブランチの機転によって物音が聞こえ、エドウィンは監禁部屋を開けてしまうのである。
エドウィンは家を飛び出し、警察に通報する。
一方ジェーンは、錯乱状態に陥って監禁したブランチに助けを求めるのである。
どうしたら良いのかわからなくなると人に頼る、幼児程度の精神レベル。
ジェーンは少女の頃から全く精神的な成熟を果たせなかったのかもしれないね?
だからこそベビー・ジェーンとして復活したかったのかもしれない。

死の淵にいるブランチを連れて逃げるジェーン。 
子供の頃からずっと好きだった海に行けば、きっと何か良い方法が見つかるはずだもの。
日焼けしながら砂遊びして、好物のアイスクリームを食べるのよ。
ジェーンの内面は完全に退化し、ベビー・ジェーンに戻っている。 
大友克洋の「AKIRA」に出てくる「子供なのに外見が老人」とは逆なんだよね。
最後にブランチから衝撃的な告白をされるジェーン。
観ているこちらも驚いてしまう内容なので、今までこの映画を観てきて持った感想がひっくり返されるほどの衝撃を受けるのである。
ジェーンとブランチが話していた内容の真偽を確かめたくなってしまう。
告白の際にはジェーンは一時正気に戻ったようだけれど、またすぐにベビー・ジェーンになったようだった。
もしかしたらもう現実逃避して、そのままベビー・ジェーンとして生きたほうが幸せなのかもしれない。
大勢の観客の前で歌い踊り、パパに褒めてもらう少女のジェーンの心のままで、ね。

この映画は「精神的に不安定な(あるいは狂った)高齢の女性を主人公とする、サイコ・ビディ(Psycho-biddy)というジャンルの元となった(Wikipediaより)」という。
サイコ・ビリーならぬ、サイコ・ビディとはね!(笑)
そんなジャンルがあることを知ることができたことも収穫だよ。
57年も前の映画だけれど、前のめりになって鑑賞してしまったSNAKEPIPE。
公開当時はもっとショッキングだっただろうね。
2017年にはドラマとしてリメイクもされているようで、今でも人気があることが分かるよ。

調べて知ったことだけれど、ジェーン役のベティ・デイヴィスと姉ブランチを演じたジョーン・クロフォードは実際に仲が悪かったらしい。
お互いに心から嫌い合っていたからこそ、あの演技に結びついたのかもしれない。
ベティ・デイヴィスの悪女ぶり、すごかったからね! 
よくもまあ、こんなひどい役を引き受けたものだと感心していたSNAKEPIPEだったけれど、ベティ・デイヴィスが有名になったのは「 史上最低最悪のヒロインと呼ばれたほどの悪辣な女性像」を演じたからだという。
その映画「痴人の愛 (原題:Of Human Bondage 1934年)」もいつか鑑賞してみたい。
相手を射すくめる、あの特徴的な目をもう一度見たいからである。