がっちりBUYましょう!vol.12 MAGFORCE編

【今回のスリングバッグの魅力を熱く語る外人の長編レビュー】

ROCKHURRAH WROTE:

9月前半は東京地方でも雨が降り続き、ジメジメの湿度で毎日イヤな日が続いたよ。梅雨時にそこまで大したまとまった雨もなかったように感じるから、ここまで降り続いたのも久々の体験。
個人的に台風直撃の被害を受けるようなところに住んでなかったから、自然の猛威については人並み以下の体験しかないけど、この雨と湿気には参ってしまったよ。

長らく愛用していた5.11のRUSH MOAB10というスリングバッグ(いわゆるワンショルダーのリュック)が連日の雨ですっかり濡れてしまい、帰宅後のメンテナンスを怠ったためにカビ臭いような、ぞうきん臭いようないやな臭いに成り果ててしまった。週末に洗って干して、臭いが取れたと思ってたのにまた雨に濡れるとぞうきん臭い。
自分で臭うくらいだから電車やバスで周りにいた人間にはもっと臭かっただろうと容易に想像はつく。

こりゃいかんと思って、代替でアークテリクスのQuiverというスリングバッグに荷物を入れてしのいでた。
5.11よりは雨には強いけど、大雑把にしか荷物が入らないので、色んなものを色んなポケットに入れたがるROCKHURRAHにとってはちょっと使い勝手が良くないバッグになる。とても軽いし見た目は大好きなんだけどね。
リュックは区別がつかないくらいに多くの種類を出しているアークテリクスだが、この手のスリングバッグはクイバーの一種類しか出してないようなので、それが残念。せめて大きさのヴァリエーションが欲しかったよ。

ちなみにこれらのバッグについてはこのシリーズ記事「がっちりBUYましょう!」のvol.4vol.6で書いてるから参照してみてね。
その記事でも書いたけどどうせリンクを辿ってまで読んでくれてる人はいないだろうからもう一度軽くおさらいしてみよう。

5.11は警察やFBI、特殊部隊などに広く親しまれてるアメリカのタクティカル・アパレル&装備品メーカーだ。開発している商品は多岐にわたっていて、上から下までひと通りこのメーカーで揃える事も可能なくらい。
リュックやバッグ類も定評あり、SNAKEPIPEも女性としてはかなり珍しい部類だが、ここのバッグを数種類愛用しているほど機能性が高い。

ROCKHURRAHは両肩からかけるリュックはどうしても馴染めず、ワンショルダー型のスリングバッグばかりを愛用してきた。これのいいところはすぐに後ろから前に回して中のものが素早く取り出せるという点に尽きる。
RUSH MOABはそういう意味では好みにピッタリのバッグだった。シンプルな見た目とは裏腹に「これでもか」と言わんばかりにどこのポケット開けても中にビッチリと小分けのポケットがついており、どんな小物でも適所に収納出来てしまう作りは感動してしまう。欠点は非常に少ない傑作バッグだと思うが、見た目の割にはメインの収納スペースがやや小さく、そこまで多量の荷物は入らないのが難点。
通常の男のバッグとしては充分な収納力なんだろうけど、片側だけかけるバッグとしてはこの大きさが限度なのかもね。
それと今回の記事の冒頭にも関係してくるが、防水的な機能はほとんどなく、底に空気穴みたいなのが開いていて、もしも濡れたらそこから排水せよ、というくらいの男気溢れる造りになっている。ぞうきん臭くなるのも当たり前。ん?そんなことない?単に干し方が悪かっただけか。
意外な事にタクティカル、ミリタリー系のバッグで防水性を謳ったものは少ないので、これは仕方ない。

軽くおさらい、と言った割には延々と書いてしまったが、 要するに5.11のRUSH MOABの代わりに別のバッグを買ったのが今回の主題。相変わらず長い前フリで自分でも呆れてしまうよ。

スリングバッグは本格的なリュックに比べると需要が少ないのか、そこまで出しているメーカーが多くないのが現状だ。出来ればミリタリーかアウトドア系で探したいと思って今回選んだのがマグフォースというメーカーの出しているこれ、Archerというもの(写真左)。

右がRUSH MOABだけど、並べるとほとんど一緒くらいの大きさに見える。特に興味ない人には同じものの色違いに見えてしまうだろうね。
あえて違う色にしてみたが、ダークな色の服装が多いROCKHURRAHでもそこまで違和感はない感じだった。
元々Max Peditionというメーカーでバッグやポーチなどの装備品を出していたらしいが、日本やアジアではなぜかマグフォースという別名になっているようだ。ミリタリーのオタクではないから詳しくは知らないが、とにかく質実剛健の強度を誇る値段が安めの装備品として、ミリタリーショップでも比較的容易に手に入る。
スリングバッグもMonsoon、HumbergとこのArcherという形の違う三種類があるので、よそのメーカーよりも選択肢は多い。
ROCKHURRAHは観たことないがドラマ「24」や映画「トランスフォーマー」などでMax Peditionのバッグが使われていたそうで、そういう方面のファンが買い求めたりするのかな?
とにかく最新のバッグというわけじゃなくて、むしろ「何をいまさら」というくらいの古い型なので今どき記事にするのもあれなんだが、ちょうど手頃な大きさのバッグがなかったのでこれに決めたよ。

実は数年前、5.11のRUSH MOABを買った時もマグフォースは選択肢にあって、どっちにしようか悩んだ末に「人とかぶる可能性が低い」5.11に決めたという経緯がある。今はファントム(横田や渋谷、秋葉原あたりに展開する老舗ミリタリー・ショップ)で普通に売ってるRUSH MOABだが、買った頃はなかなか売ってる店がなく、米国から取り寄せて二ヶ月近く入荷待ちしていたという苦労があったなあ。

マグフォースは比較的どこでも取り扱っていたが、ファントムで去年くらいに実際にかけてみたら思ったより使いやすそうで、ずっと気になっていたのだ。ネットショップの画像で見た限りは「固そう、重そう」という分厚いバッグにしか見えなかったけど、こういうのはやっぱり実店舗で試着するに限るね。このどちらも1000デニールを超える分厚いナイロンで出来ていて、空の状態でも1kgを超えるというシロモノ。とにかく頑強さが売りなわけだけど、例えば軽くて薄くて強い新素材が開発されて、ミリタリーの世界でも進んだらこの手のヘビーデューティなバッグは過去の遺物となってしまうかもね。
使い始めての感想は同じくらいの形の5.11よりは重さを感じない造りになっていて、個人的にはこちらの方が優秀だと感じた。たぶんストラップ部分が広いから肩への負担が軽減されているのと安定性の違いだろうね。

 RUSH MOABとの大きな違いはないけど、くるりと回すとこのように真横になる。内容物は横から取り出すことを前提としているのでポケット類も全て横向きについているのが5.11と違うところ。何か前面にコード類やストラップなどがごちゃごちゃしていて、案外使いづらい印象があるけど、日常の用途ではそもそもあまり使う予定のない機能なのでこの辺は街中ではただの飾りみたいなものだ。本気で戦場やアウトドアで使う人には至れり尽くせりだと思うよ。開閉のしやすさ、中身を素早く取り出すという点については5.11の方がROCKHURRAHの好みだった。あの隠しポケットは優秀だったからね。
代わりにこちらは横にボトルポーチのようなものが付いていて、ここにナルゲンボトルや水筒、ペットボトルなどが収納出来る。アウトドアのリュックでは定番の機能だけどこれは便利。ROCKHURRAHはここに折りたたみ傘を入れている。

中はこのようにしつこいくらいのポケットで区切られていて、それでもメインのコンパートメントは結構マチがあって荷物が入れやすい。同じくらいの大きさだけど5.11よりは荷物入れた時でもパンパンに膨れない。これが良かった点だ。しかしフタが閉められる小さなポケットは5.11の方が多くて、小分け整理マニアの人だったらこちらより5.11の方がオススメと言える。バッグをかけるポジションが違うと荷物が90度傾くわけだから、ものによってはポケットから出てきてしまう。
ミリタリー用途ではなく普段使いだから、細かいものはやっぱりフタ付きの方がいいかな。

Molleと呼ばれる軍用ではおなじみのシステム。前面などを見て貰えればわかるだろうが等間隔で縫い付けてあるベルトに取り付ける、あらゆる用途のポーチ類が存在していて、使う人が好みのセッティングでバッグの横などにデコレーション(?)してゆく。PALSなどと略される場合もあるが(Pouch Attachment Ladder System)お好みでこれらを取り付けろ、という事でこのベルトも至る所にあしらわれてる。
ROCKHURRAHはあまりジャラジャラつけるのが好きじゃないけど、この辺のカスタマイズしやすさはさすが軍用系の合理的なもので、ただのファッション・ブランドが作ったバッグとはここが大きく違う点だ。
最近はメンズ物とかでもミリタリーの影響で実用性と機能美を備えたアイテムが数多く出てきてるし、そこまでの違いもなくなっては来ているが、本格的で本物なのに格好いいというものにやっぱりROCKHURRAHは惹かれるよ。

実にどうでもいいけどかわいらしいギミックとして、このアーチャーのバックル部分に一箇所だけ、緊急時に吹くホイッスルが隠しアイテムとして搭載されていて、なかなかファニーな魅力。この武骨なバッグをかけて似合う女性はめったにいないだろうけど、暴漢に襲われた時などに役立つに違いないよ。

結局、5.11のRUSH MOABとマグフォースのアーチャーは細かい違いはあるものの大差ないという当たり前の感想になってしまったが、価格面でも大体同じこの二つのバッグ、永遠のライバルでしのぎを削り合って欲しいものだ。
よくもまあこんなに前回と大差ない記事を書けるよな、と自分で読み返してみてもトホホだが、こんなんでいいのか?
使い込んで柔らかさが出ればいい味出そうだし、5.11と併用して愛用してゆこう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です