ROCKHURRAH視察団/ARC’TERYX編

【向こう側でよくわからんが下町に佇むアークテリクスの本拠地】

ROCKHURRAH WROTE:

ROCKHURRAHとSNAKEPIPEが興味ある場所に出かけてレポートする、ちょっと潜入記事っぽいコーナー、などと紹介していた「ROCKHURRAH視察団」シリーズだが、何と2年近くも書いてなかった。
あまり書けるような場所に出かけてないから仕方ないとも言えるが、ROCKHURRAHたちが一番楽しかった時代と比べると格段に興味を引くようなところが減ったなあという印象があり、それもまた寂しい。何だか全然元気ないぞ、日本。

今回も近場にちょっと行ってきた程度だからそこまで気合も入ってないけど、前にもチラホラ書いていたアークテリクスについてまとめてみよう。

ARC’TERYX、ヒカリエにも専門店が出来たそうだからファッション雑誌とかでもお馴染みなのかも知れないけど、カナダのアウトドア・ブランドだ。
当ブログ「がっちりBUYましょう!vol.4」でここのバッグについて少し語った事があるかな。

総合的に何でも扱ってるわけじゃないが有名なのは防水性の高い高機能なアウターとバックパック類だろう。
前にも書いた通り、ROCKHURRAHはここのミストラルというバッグの機能性と質感に魅せられて以来いくつか所持していたが、他のアウトドア・バッグと比べると格段にスマートな印象があるな。
特にアウトドアにこだわってなくて、日常ミリタリーな服装が多いROCKHURRAHが背負っても違和感ないところが良い。それどころか例えばスーツ姿で背負っても違和感ない本物のアウトドア・バッグはアークテリクスくらいしか見当たらないかも知れない。ブランドのロゴとかマークがそこまで原色ギンギンじゃないからいいのかもね。

話を戻すがミリタリー好きの人にとってアークテリクスはLEAFと呼ばれるミリタリー・ラインのアウターやバックパックを製造していて、軍に納入している実績がある事でもおなじみ。
Law Enforcement & Armed Forcesの略なんだが、簡単に言えば軍隊・警察関係者御用達という事だ。
マニアックなミリタリー屋で扱ってるバーテックスというメーカーのデザインもアークテリクスらしいし、米軍納入の大手、プロッパーの生産するバックパックのデザインも一部手がけているようだ。てなわけでROCKHURRAHにとっては単なるアウトドア・ブランドとしてのアークテリクスよりもそっちの方面に興味あるというわけ。
ミリタリーもアウトドアもハイテク素材&高機能を重視する傾向にあって、その辺は通じるものがある。パタゴニアのM.A.R.Sシリーズ、グレゴリーのSPEAR、カリマーSF、ケルティCOTS、ワイルドシングスにスナグパック、ミステリー・ランチなどなど、ミリタリーと密接な関係にあるアウトドア・ブランドも数多いから、アークテリクスだけが特別なわけでもないけど、その辺はまた別の機会に。

そんなアークテリクスの魅力を間近で見ていたSNAKEPIPEだが、女性が背負ってもゴツくならずに違和感ない本格派のバッグとして注目して、購入を決意(大げさ)。
カタログから容量、用途に向いてるかどうか、そしてデザインなどを吟味してあらかじめいくつか候補を挙げておいた。SNAKEPIPEの目的は通勤で使える20リッター以下の小型でスマートなリュック、と明確なため、あまり迷うことなく候補を絞る事が出来た。ミリタリーの話をしたから勘違いされそうだが、戦地行かないし一般的な方のアークテリクスね。

というわけでせっかく首都圏(近く)に住んでるわけだから、その辺のアウトドア屋じゃなくて正規代理店の本店に行ってみましょうぜ旦那、という事になって見に行ったのが今回の話というわけ。

アークテリクス本店=日本国内で唯一のフラッグシップストアは東京、銀座にある。昔、東京で住んでいたのは世田谷代田や豪徳寺で、下北沢を活動の拠点にしていたROCKHURRAHは恥ずかしながら銀座はほとんど知らない土地。
百貨店や高級店が多い印象で個人的にはあまり縁がなかったからね。
ところがSNAKEPIPEはこの近辺での勤務も多く、銀座である程度の土地勘があるという。
今回は別の目的もあったから先にそこに行ってから向かうという、ちょっとだけ複雑な道のりだけど、大丈夫か?SNAKEPIPE。実はかなりの方向音痴なんだよね。
しかしさすが銀座通(?)だけあって、そこまで迷う事なくアークテリクスの本拠地を探し出した。メデタシ。

アークテリクスの近くにはなぜか東京では全く進出してないと思える西鉄のビルがあって福岡出身のROCKHURRAHを驚かせた。福岡では知らぬ人はいない電鉄会社で福岡の至る所を通っているのが西鉄バスなのだ。んがしかし東京では西鉄を見た事はないなあ。一体なぜ?と疑問が膨らむが、その先にアークテリクスが見えた瞬間、疑問を一瞬で忘れてしまう。
アークテリクスのすぐ近くにはこれまた福岡ゆかりのラーメン店、一風堂があり、何だかこの辺だけリトル福岡という感じがしてしまう。
とんこつラーメン大好きのSNAKEPIPEはそちらの方に反応したらしく、満場一致(2人だけだが)で帰りに食べてゆくことに決定(笑)。

さすが日本の一等地に店舗を出すだけあるアウトドア界のトップ・ブランド、店構えも何だか高級感溢れてて「エグゼクティブ」などとROCKHURRAHには最も似合わない言葉が脳裏をよぎる。店内の壁には大きな始祖鳥の化石マークがあり、専門店なのを強調している。店内はそれほど広くないんだが、カタログに載ってる品揃えは少なくともほとんどある模様。これだけのアークテリクス商品を実際に試着してみて買える店は日本では他にないだろう(推測)。

SNAKEPIPEが欲しかったのはFLY13という小型のリュックで軽量、そして縦長のスマートなデザインが特徴。値段はアークテリクスのバッグの中ではかなり安価な方だが、このメーカーの最も人気バッグであるARRO22と似たタイプのもの。安いとは言ってもショルダー・ストラップも背中のクッションもちゃんとしていて、妥協した感じは全然しない。質感がいいんだよね。安く出来る=粗悪じゃなくて金の使い方がうまいんだろう。日本や中国の自称大企業とは大違い。

そのFLYだが、探すどころか店内に入った途端に全色壁にかかっていたので少し拍子抜け。が、一応他の候補とも比べてみようじゃありませんか。しかし20リッター以下というのはアウトドアの世界ではもしかしたら極小なのかもね。一番小さいので7リッター、これじゃ小さすぎ。FLYの13リッターはその次くらいで魚で言えばタナゴ・クラスかね?
せっかく来たんだから、と他のも背負ってみたけど、やはりSNAKEPIPEの体には大きく見えるものが多い。横幅がなくて縦長のデザインが全体的に多いんだよね。
結局そこまで粘る事もなく、最初の予定通りFLYを背負ってみて、これが一番SNAKEPIPEに似合ってる気がした。真ん中がパックリ開くデザインと薄型・軽量のかわいさが決め手になった模様。
安いのでついでに小型ウェストポーチのMAKA2というのも一緒にお買い上げ。これ、実はROCKHURRAHが所有してて非常に使い勝手が良いのでオススメ商品だったんだよね。ストラップ伸ばしてたすき掛けにも出来るし、安いのに細部までこだわった作りで、本当に良い質感。服装も似たり寄ったりだしペアルックと言われてもいいもんね。
アークテリクスのロゴが入ったいかにも高級紙袋にオリジナル・ロゴ入りキャンディまで貰って、さすがフラッグシップストアと唸らせるだけのことはある。
帰りに久々に食べた一風堂もうまかったよ。しかし汗だく。

話がここで終わると思ったら大間違いで、この後日、視察団はアークテリクスのショールームにも出向くのだった。何のことはない、ROCKHURRAHはアークテリクス銀座とショールームが同じところだと勝手に勘違いしてたのだ。
SNAKEPIPEの目的は既に達成してたわけだが、話の種にここも覗いてみようという事になって出かけた。

アークテリクスのショールームは銀座とは全然違って、京成金町線というローカルな下町の線路沿いにある。近場の人以外には馴染みないだろうけど、寅さんで有名な葛飾柴又の近くと言えばわかるだろうか。実はROCKHURRAHも全然知らないところ。家の近くにも京成通ってるし、そんなに遠くはないので行ってみよう。

その日は朝からあいにくの雨。前の視察団が「豪雨の古着屋倉庫編」だったのでまたもやすごい話になるかと思ったけど、今回は割と駅近く、しかも小雨程度になってしまい全然ドラマ性がない展開。
初めてのところは迷う、探すが当たり前の視察団チームだが、結論から言うと電車の窓からバッチリ見える。これなら誰でもすぐに行けるでしょうという距離。ドラマ性皆無だなあ。SNAKEPIPEと2人でテクテク歩いてあっけなく着いてしまったよ。

しかし噂には聞いてたがショールームを見て唖然。線路沿いにある木造(と言うよりトタンか)古アパートの正面を改造して、無理やり店舗っぽくしただけでねーの?しかも下町。「何となく高級」というアークテリクスのブランド・イメージとはかけ離れたビックリ外観だな。上に人住んでるのか?
80年代原宿とか下北とかにはよくあったパターンなので仰天はしなかったが、仰天と唖然は似たようなものではないか?と問われればそれまで。

このショールームは土日だけの営業で予約ない人は昼からしか入れないらしい。結構限定的で職業によっては行けない人も多いかも。見るだけでなく普通に買う事も出来るから、銀座店とさほど変わらないかな。

店内はたぶん3つに分かれていて、中央はアークテリクス商品のサンプル?みたいなものとMISSION WORKSHOPなるバッグ・ブランド。関係者や業界人じゃないから知らないが、普段はディーラーとかがやってきて、ここで商談とかするのかね。まだ販売してないような商品まで見られるので、ファンならば一見の価値はありそう。
MISSION WORKSHOPはコロラド発のメッセンジャー・バッグのメーカーとの事だが、クロームとかと似た感じに見えた。

それで左側がウチの目的、アークテリクスのコーナーとなっておる。このブランドに精通してるわけでもないからよくはわからんが、どうやら前シーズンまでのモデルで型落ちしたものや廃番モデル、そしてちょっとしたダメージのあるアウトレット品を安く売っている模様。

バックパックもあちらこちらに無造作にかけられている。
SNAKEPIPEがFLY13を買う前にもうひとつ候補としていたのが、容量が少し多いSILO18というバックパックだった。実はROCKHURRAHが目をつけてたんだけど、個人的にワンショルダーの使い勝手に慣れてたので、両肩からかけるこのタイプは敬遠してたんだよね。SNAKEPIPEは逆に両肩からかける方がいいというので、それならピッタリというのがこのモデルだった。が、前に銀座に行った時は好みの色が品切れで比較出来なかったのがここには普通に売ってた。
大きさの割には細身で黒とオリーブドラブのような、ちょっとミリタリーっぽい感じがカッコイイ逸品。後でわかったけど今年のカラーにはないらしい。このバッグはFLYより定価も高く、リュックとしての機能性もより高い。上から下にかけて細くなってゆくというスタイル、そして後ろから見ると横に2本ストラップが配置されていて、ここで上着などを引っ掛ける事が出来る。
スタッフがさりげなく声をかけてきて「こちらの商品は3割引となっています」との事。おお、こりゃ安いと2人で喜ぶ。
ただ見に来ただけ、とか言いながらもうすっかり買う気満々でいるよ(笑)。

半額というアウトレット品も見てROCKHURRAHも何か欲しかったけど、ちょうどいいのが見当たらないんだよな。ゴアテックスやソフトシェルの薄手のジャケットが欲しかったんだけど、原色の派手なアウトドアっぽいのしかなくて残念、断念。
アウター類はアークテリクスよりももっと戦闘的なものを好むROCKHURRAHだから、好みのがないのも仕方ないけどね。
結局、常連みたいなのが結構うるさかったし我が物顔だったので、あまり長居もせずにSILOだけ購入して店を出た。FLYと同じ金額だったので得した気分。

しかし短期間でアークテリクスを3つも所持してしまったSNAKEPIPE。気に入ったのが手に入って良かったね。嬉しかったと見えて帰り道には「サイロ」「フライ」などと奇声を発しているよ(笑)。

出た後で実はメイン・スペースの右側、カーテンというかのれんのような布がかかっていた場所もあったと気付いた。もしかして予約の人以外には入れないというアークテリクスの秘密コーナーみたいなものか?もう買って満足したからそのまま帰ったけど、一体何だろう?

ここは一般的にはあまり流通してないLEAFと思われるバックパックやアウターなども置いてあるみたいだし、本国製であるメイド・イン・カナダの商品まである(最近のはフィリピン製)ので、マニアの人ならば楽しめる事間違いなし?

写真は今回購入したリュック2点。右のSILOは実際はもう少し渋いグリーンかな。右下は小さすぎて全然わからないけど噂のアークテリクス・キャンディだ。こういう細かいところに洒落っ気があっていいね、さすが我が憧れのカナダ。え?日本製なのか?

というわけで、長く書いた割にはアークテリクスのメイン商品に全然肉迫してない内容だったけど、実際のショップに行った事ない人には少しくらい参考になったのではなかろうか?

また何か興味深いところがないか探して、視察団も続けてゆきます。

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