「造形遺産054-067」,「HAZY HUE」未鑑賞

20191020 top
【10月だというのに汗ばむほどの陽気だったよ】

SNAKEPIPE WROTE:

約2ヶ月ぶりに長年来の友人Mと待ち合わせした。
特にこれといった展覧会を思いつかなかったSNAKEPIPEは、ランチでも食べながら近況報告しようと考えていた。
ところが、友人Mからは「末広町に行かない?」という提案があった。
末広町って秋葉原と上野の中間辺りだよね?

どうやら末広町に「3331 Arts Chiyoda」というアートの複合施設があるとのこと。 
そしてこの施設、元は練成中学校という学校をリノベーションして造られているというから、興味深い!
さすがは情報収集能力に長けた友人Mだよね。
とは言っても、オープンは2010年とのことなので、SNAKEPIPEが疎いのかな。(笑)

末広町で降りて、ほんの数分で「3331Arts Chiyoda」に到着する。
まるで自分の足で歩いたように書いているけど、方向感覚に優れた友人Mのおかげで、すんなり着いたんだよね。(笑)
友人Mと一緒の時には、付いていくだけのSNAKEPIPE。
一度歩いた場所を記憶したり、地図が読める能力は、本当に羨ましい限りだよ。

元校舎に行くまでの敷地は、公園になっていて大きな木々が影を作っている。
そこまで大きな公園ではないけれど、やっぱり緑があるのは良いね!
入り口はガラスの自動ドアになっていて、カフェやミュージアムショップがあった。
この空間だけ見ると、元学校という印象はない。

2Fのギャラリーに向かおうとした時、見つけたのがこれ。
手洗い場なんだよね!
SNAKEPIPEや友人Mが小学生や中学生だった頃も、こんな感じの手洗い場だった記憶が蘇る。
蛇口の首部分にネットに入った石鹸があったっけ?
確かあれはレモン石鹸と呼ばれていたような。
調べてみると、まだ売ってるんだね!
昭和の懐かしい思い出と思ったのに、現役でいらっしゃるとは。(笑)

友人Mが「3331 Arts Chiyoda」に来たかったのは、好きな作家の展覧会があったからだという。
大原舞は1986年東京生まれのアーティスト。
2010年に武蔵野美術大学造形学部油絵科を卒業しているという。
友人Mは大原舞の作品である人形を観たことがあり、本気で購入を検討していたらしい。
この展覧会が目的だったのに、結果はこの画像の通り「CLOSED」!
出かけた月曜日は、どうやら「Gallery OUT of PLACE」の定休日だったようで。
ギャラリー前に貼ってあるDMに近付いてみると、月・火・水が定休日だって!
週3日連続休廊とは、驚き桃の木山椒の木だよね。(意味不明)

次に目指したのはKYOTO Design Lab 東京ギャラリーで開催されている「造形遺産」というタイトルの展覧会。
この企画は京都工芸繊維大学が主催しているとのこと。
国立大学だという京都工芸繊維大学、とても気になるよね。
建築やデザイン以外に、生物学や情報工学などの学部があり、大学院では繊維学について学ぶことができるらしい。
「実在する使うことも捨てることもできなくなった道路やダム、高架線などの構造物を造形遺産と呼び、それらを再生する道を提案します」
会場前まで行ってみると、ここも休み…。
一体どんなアイデアが提示されていたのか。
友人Mとがっかりしてしまう。

その隣のGallery KIDO Pressで開催されているのはJohn Currin(ジョン・カリン)の版画展だった。
ジョン・カリンは1962年生まれのニューヨークを拠点に活動している画家だという。
美術手帖の解説によると「古典的な絵画特有の技法を用いて、現代社会で論争を招くような性的タブーなイメージを取り入れた肖像画を描き、美しさとグロテクスの完璧な均衡を探求するアメリカを代表する画家のひとり」であるという。
これは楽しみ!
と思ったのも束の間、やっぱり休廊だったんだよね。
ここも月・火はやってないんだ。
月曜日に来たのが間違いだったね、と言いながら廊下を進む。

今回やっと展覧会を鑑賞できることになったのが「AKIBA TAMABI21」で開催されていた「できるだけ感情のないように(あるけど)」だった。
「アキバタマビ」の意味も分からず鑑賞したけれど、帰宅後調べることにした。
このギャラリーは多摩美術大学が運営する、若い芸術家たちのための作品発表の場だという。
原則40歳未満の多摩美術大学卒業生が企画代表者となり、作家による自己プロデュースを基本としたグループ展を年間8回開催するギャラリーとのこと。
秋葉原が近いから名前に付けたんだろうね。
作品を発表するのは多摩美関係者ではなくても良いみたい。
若手アーティスト支援が目的だという。

中学校の机と椅子をそのまま利用した展示がされていた。
懐かしかったので、友人Mと一緒に椅子に座ってみる。
とても座り心地が良い。(笑)
子供の頃は、こんな机で授業受けてたんだね。
かつて教室だった壁や、机の上に作品が展示されている。
それぞれのアーティストについて調べてみようか。

落花生をモチーフに版画作品を展示しているのは、安齋歩見。
1986年、福島県いわき市生まれだって。
落花生だけに、てっきり千葉県出身だと思ったのにね?(笑)
2009年、女子美術大学芸術学部絵画学科洋画専攻版画コースを卒業し、2014年、武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻版画コースも修了しているとは!
2つも美大に通っているんだね。
今回展示されていた「ピーナッツ戦争」というシリーズは、シルクスクリーン写真製版で制作されているという。
浮世絵のように、複数枚を組み合わせて一つの作品が完成しているものもあったよ。
黒が強い作品は観ていて、とても落ち着いたよ!

大坂秩加は1984年東京生まれのアーティスト。
2009年、東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業し、2011年には東京藝術大学大学院美術研究科も修了しているというから、アート界のエリートってことだね。
版画、油彩、水彩など技法にこだわらずに描いているらしい。
今回の展覧会では、紙のままの作品が椅子の上に無造作に置かれていたため、湾曲していて見づらかったのが残念!
HPで他の作品を観ると、非常に面白いんだよね。
ブラックユーモアを含んだ独特の視点と、世界観を持っているアーティストみたい。
他の作品も観てみたいと思った。

結局観られたのは「AKIBA TAMABI21」の展覧会だけになってしまった。
せっかく来たのに、がっかりだね、と言いながら1Fのミュージアムショップに向かう。
3331 CUBE shop&galleryを物色していると、ふと目に留まったのは映像作品だった。
冠木佐和子というアニメーターの作品は、不思議な魅力を持っていて、その場から動けなくなるほど。
友人Mも「面白い!」と大絶賛している。
アニメ大国の日本の中でも、冠木佐和子の世界は珍しい部類に入るんじゃないかな。
載せて良いのか迷いながらも、YouTubeにアップされている菅原信介「MASTER BLASTER」のミュージックビデオを紹介させて頂こう。
アニメーションを担当しているのが冠木佐和子なんだよね。

好き嫌いが分かれるタイプの作品かもしれないね?
冠木佐和子の経歴を調べてみると、多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業後、アダルトビデオ制作会社に就職をしているんだよね。
そこを退職してから、再び多摩美術大学大学院に通い、修了しているという。
どうしてアダルトビデオの世界に入ったのか、不思議!
彼女自身の受け答えも変わっているので、インタビュー記事もお勧めだよ。(笑) 
こういう日本人が増えると面白い国になりそうだけどね?

今回は「鑑賞できなかった展覧会」を特集する、という今までにはなかったスタイルで書いてみたよ。
鑑賞はできなかったけれど、アーティストについて調べて、作品を検索することで新しい知識が増えたことは嬉しいね!
今後の教訓としては、展覧会の開廊(もしくは閉廊)日時を調べてから出かける、ということかな。(笑)

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