SNAKEPIPE MUSEUM #54 Michelle Avery Konczyk

【制作中の様子が分かる映像】

SNAKEPIPE WROTE:

数日前、就寝のため横になった時、SNAKEPIPEを襲ったのは猛烈な「めまい」だった。
体が180度回転するような感覚に悲鳴を上げてしまう。
SNAKEPIPEの身に一体何が起こったのか?
靴紐を結ぶためや目薬をさすためなど、頭の位置を変えることで「めまい」が起こることが判明。
早速耳鼻科に行き、検査してもらうことにする。
視界を完全に塞ぐゴーグルをあてがわれ、椅子の背もたれが少しずつ倒されていく。
「うぎゃあ〜!目が回る〜!気持ち悪い〜!」
あまり耳鼻科で叫ぶ患者はいないのではないだろうか。 
SNAKEPIPEは、ぎゃーぎゃーうるさかったけどね。(笑)
そして診断結果は「良性発作性頭位めまい症」とのこと。
簡単に言うと「耳石の移動」が原因らしい。
デスクワークなどで体が一定の状態に固定され、首(頭部)を回す運動をしていないのが良くないんだとか。
最近増えている病気とのことなので、皆様もお気を付けくだされ!
処方された薬に加え、「エプリー法」という耳石を戻すための運動を並行して行うのが一般的な治療法なんだって。
完全な治癒には少し時間がかかりそうだけど、SNAKEPIPEは頑張ります!(笑)
そしてそんな病にも負けず、今週もブログを書いているよ!

前置きが長くなったけれど、今週は「SNAKEPIPE MUSEUM」をお届けしよう。
今回紹介するのは、自らを「Watercolorist」(水彩画家)と呼ぶ「Michelle Avery Konczyk」だよ!
毎度ながら人名をカタカナ表記するのが難しいんだけどね。
ミッシェル・エイブリィ・コンチックで良いのかな。
コンチックという名前は東欧系なのかもしれないけれど、現在ミッシェルはペンシルベニア州ピッツバーグにお住まいのようだよ。
どうやらミッシェルは独学で水彩画をマスターしたらしい。
そのためなのか、アーティストにある「◯◯美術大学卒業」などの経歴が、検索しても出てこないんだよね。
何年生まれで年齢はいくつなのか、なども不明な状態。
唯一出ているのがトップに載せた制作中の動画だけなので、勘弁してね!
それでは早速作品を観ていこうか。

ミッシェルの作品は、シュールレアリスムということになるのかな。
「暗闇のない光、醜さなしの美しさはあり得ない」
この言葉を心に刻み、制作をしているというミッシェル。
この作品のタイトルである「And They Drip Red」は、直訳すると「そして彼女たちは赤く滴る」。
蓮の葉のように見える植物の上に、ゴロゴロと少女の首が転がっている。
花のように咲くはずだったのに、両頬から血を流し、固く目を閉じている。
よく観察すると、2人の少女が描かれているみたい。
もしかしたら、金髪の少女はミッシェル自身かもしれないな。
眠っているのか、それとも?
中央に佇んでいる首なしの人物には手が3本あり、1人には多く、2人分には足りない数なんだよね。
2人の少女に一体何があったんだろう。

切り取られた少女の頭部。
あらぬ方向を見つめている目には、生命の光が感じられないね。
タイトルは「Asphyxiate」、訳すと「窒息」だって。
口からはみ出しているのは、人間の指だよね?
どんな心象を描いているのか想像するのが難しいよ。
不気味だけど惹かれてしまう、ミッシェルの思惑通りかな。(笑)
作品の縁取りがアール・ヌーヴォー風で、より一層不気味さを引き立てているように感じる。

この作品もまたアール・ヌーヴォー風に縁取っているよね。
「Until You’re Nothing」は2019年の作品だという。
直訳すると「あなたがなくなるまで」だよ。
正面に座り、こちらを挑戦的に見つめるのは、恐らくミッシェル本人だろうね。
そしてその手に持つのもミッシェル自身の首。
目から出ているのは一体何だろう。
周りの植物にも目が付いているんだよね。
タイトルをヒントにすると、ミッシェルと「あなた」との間に何か嫌なことがあって、消そうとしても消せない記憶として残っているわよ、という執念を描いているのではないかと想像する。
いつまでも恨んでいるわ、あなたが消え去るまでね!
という宣言をしているのかもしれないね。
怖いなあ、ミッシェル。(笑)
ちなみに「Until You’re Nothing」は$350、日本円で約4万円で購入可能だよ!

「The Gatekeepers」は2019年の作品で、訳すと「門番たち」だね。
どうやら心に深い闇を抱えているように見えるミッシェル。
きっとタイトルにある「門」とは閉ざしている心、なんだろうね。
まるでホラー映画のワンシーンのように見える、森の様子はとても好きだよ。
この作品も購入可能で、$975、日本円で約10万5000円ほど。
縁がユニークにカットされていて、雰囲気も良いので、SNAKEPIPE MUSEUMで購入してみようか。(笑)

この写実的な作品を観てよ!
これが水彩画とは驚いちゃうよね。
2019年の作品、「Until Nothing」ってまたもや「なくなるまで」ってタイトルだけどさ。
絵だけ観てると、そこまでネガティブな感情を引き起こさないように思うけど、どうだろう。
女性にとって手というのは「年齢が出る部分」として認識されることも多いけどね。
そうして観てみると、この手の持ち主は決して若くないかもしれない。
ミッシェルの経歴が不明のため、この手がミッシェル本人かどうかも分からないんだよね。
ただ、この絵からは「今後生きていくための決意」のような、前向きな姿勢を感じるSNAKEPIPEだよ!
お値段は$1,000、日本円で約10万7000円だって。
この絵は手元に置いて、じっくり観てみたいな!

女流アーティストというのは、ネガティブな感情をエネルギーにして創作することが多いよね。
フリーダ・カーロ、(結婚前の)松井冬子、塩田千春など、ブログで取り上げたことがある女性たちは、皆どこか闇を抱えて生きているように見える。
今回特集したミッシェル・エイブリィ・コンチックにも同様の傾向が感じられて、ちょっと心配になってしまう。
トップに載せた制作中のミッシェルが、にこやかにしているので安心したよ。
更に年齢を経て、ミッシェルがどんな作品を描いていくのか。
モチーフの変化にも注目だね!

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