草間彌生 我々の見たこともない幻想の幻とはこの素晴らしさである 鑑賞

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【画像左:ノーマル /画像右:草間彌生美術館の外壁に色を着けてみたよ】

SNAKEPIPE WROTE:

何年も前から友人Mに誘われていた2つの計画があった。
一つは有名中華料理店での食事。
そして草間彌生美術館に行くことである。

草間彌生美術館は新宿区弁天町にあり、東京メトロ東西線早稲田駅、都営地下鉄大江戸線牛込柳町駅から徒歩で行くことになる。
早稲田駅は大昔にミニシアターに通ったことがあったくらいで、ほとんど利用したことがないSNAKEPIPE。
映画行ってたのは10代の頃だもんね。(笑)
牛込柳町駅は一度も降りたことがない駅だよ。
草間彌生美術館には当日券がなく、チケットはネット予約するシステムを採用している。
日時指定して人数制限を行っているため、混雑することはないんだよね。
SNAKEPIPEがチケット予約をしたのは1ヶ月以上前のこと。
せっかくなので、以前からお勧めされている中華料理店で食事をしようということになった。
その中華も予約をしておかないと席の確保が危うい、とのこと。
友人Mも1ヶ月以上前に中華を予約。
単なるランチなのに、大げさだけどね。(笑)

当日はお腹を空かせて来るように、と友人Mから指示を受ける。
どうやらその店は、いわゆるランチ・メニューがなくて、全て一品料理を出すとのこと。
2人で行った時には、通常4品から5品注文し、お腹いっぱいに食べるという。
今回も結局2人で4品選び、ペロリと完食!
中華なのにこってりしていなくて、胃もたれもしない。
SNAKEPIPEが一番気に入ったのは前菜の蒸し鶏だった。
山椒が効いたソースは、いわゆる中華料理という枠を超えていたよ。
以前から話に聞いていた料理を堪能できて、大満足だった!(笑)

腹ごなしに散歩をしながら草間彌生美術館方面へ。
この日はピカピカの日差しはなくて雲が多かったけれど、湿度がマックス。
少し歩いただけでも汗だくになる不快な天気だった。
もっと涼しかったら、散歩も楽しかっただろうに。
大江戸線に乗り、牛込柳町駅を目指す。
何度もブログに書いていることだけど、SNAKEPIPEは大の方向音痴!
それに引き換え地図を完璧に読むことができる友人Mは、初めて降りた駅からでも難なく目的地を目指すことができるツワモノ。(笑)
今回も友人MがGoogle Mapを活用しながら、道案内をしてくれる。
いつもありがとう!(笑)

「多分向こうに見える建物だと思うけど」
友人Mが指差す方角に歩いていくと、見えてきた草間彌生美術館!
建物の周囲にはぐるりと、お馴染みの水玉模様が描かれている。
トップに載せた画像は、左が撮影したもの、右が水玉に色を着けたもの。
草間彌生だったらモノトーンより、カラーかなと思ったからね。(笑)
こういうこと勝手にやっちゃいけないのかな。
ダメだったらごめんなさい!

入り口で購入したチケットを表すQRコードを提示すると、係員がコードを読み取る。
前述したように日時指定されているチケットなので、この方法だと間違いがないよね。
確認が取れた段階で「y」と書かれたシールを見える場所に貼るように指示される。
これで入館できるってことなんだね。
入り口がある1階は草間彌生グッズの販売スペースとなっていて、展示は2階からだった。
ここは階段を使って上のフロアに上がるシステムなので、足腰に自信がない人は注意しないとね。(笑)
草間彌生美術館では明確に撮影可能と不可が明示されていたので、以下に載せる画像では1枚を除き、撮影することができたのは良かったよ!

2階に上がると、拙い感じの歌が聴こえてくる。
そして鏡に写って彌生、やよい、ヤヨイ、、、、と連なる草間彌生のお姿がっ!
歌っていたのは、草間彌生作詞作曲の「マンハッタン自殺未遂常習犯の歌」。
詩を紹介してみよう。 

抗鬱剤のんで去ってしまう
錯覚の扉撃ち破る
花の煩悶(もだえ)のなかいまは果てなく
天国への階段 優雅(やさし)さに胸果ててしまう
呼んでいるきっと狐空(そら)の碧さ透けて
幻覚(まぼろし)の影 抱擁(いだ)きわきあがる雲の色
芙蓉いろ食べてみて散るなみだの音
わたしは石になってしまう
時 永遠(とこしえ)でなく 自殺(は)てる 現在(いま)は

共感することは難しいけれど、統合失調症を患った草間彌生らしい詩なのかもしれない。
なんとも不思議な空間だったけれど、草間彌生に慣れている人は驚かないよね。(笑)

3階に上がると2009年から続いている「わが永遠の魂」シリーズがあった。
展示されていたのは、2018年以降に描かれた最新作だという。
(この1枚だけSNAKEPIPE撮影ではない画像)
2017年3月に新国立美術館で鑑賞した「草間彌生 わが永遠の魂」で、初めて鑑賞したシリーズだったね。

まるで南米の古代文明みたいな原始的な雰囲気もあるし、幻覚剤を使用したサイケデリック・アートのようにも見えるし。
もしくは邪心のない子供の落書きのようにも見えてしまう原色の世界に、思わず笑いがこぼれてしまう。

などとSNAKEPIPEが感想を書いているよ。
今回の展示は、2017年の時よりも少しサイズが小さかったのかな。
スカーフやハンカチになっていたらほしいよね、と友人Mと話す。
どうやら2017年にも同じ会話をしていたような?(笑)
「わが永遠の魂」シリーズは、タイトルにも注目なんだよね。
 SNAKEPIPEが「ハンカチにして欲しい」と思った一番下の列、右から2番めの作品のタイトルは「我々の知るすべての造形色がもたらしたわが心の無限の讃美」。
友人Mが気に入ったのは、その2つ上の「宇宙に降っている崇高なる魂たち」という具合なんだよね。
2017年に鑑賞した時にもファブリックになったら良いのに、と切望しているんだけどグッズとしてショップに置いているのは好みの作品じゃないのが残念!

3階にはもう一点作品の展示がされていた。
コロナ対策として1組4名までと制限をされ、扉を開けて鏡張りの部屋に入り鑑賞する。
同様の作品を一番最初に鑑賞したのは、2004年に森美術館で開催された「クサマトリックス」だったんじゃないかな。
調べてみると作品名は「水上の蛍」だったようで。
あの時に受けた新鮮な驚きと感動に比べてしまうと、 「無限の鏡の間」はイマイチな印象になってしまった。
「水上の蛍」を一緒に体験した友人Mも同様だったようで、少しだけ撮影するとお互いに感想を述べ合うこともなく次に向かった。

4階にも階段で上る。
友人Mはスタスタ上っていくけれど、だんだん足が重たくなってきたSNAKEPIPE。
遅い、と叱られてしまった!(笑)
4階では最近多い「体験型」の作品が展示されていた。
「フラワー・オブセッション」は、入り口で造花もしくは花のシールを手渡され、展示室の好きな場所に花を貼っていくというもの。
ちなみに花の持ち帰りはしないで、とのこと。
シールを壁に貼って、撮影する。
この手のアートって、ちょっと安直な感じがするんだよね。
今回の場合は花が部屋を覆い尽くすことで 「オブセッション(強迫観念)」としているのは解るけど。
特に感慨もなく、次に進む。

最後は屋上に置かれたブロンズの花。
このタイプの花も2017年の新国立美術館で鑑賞したっけ。
今回展示されていたのは2018年の作品で「天空にささげたわたしの心のすべてをかたる花たち」だって。
タイトルに「〜たち」と複数形を付けるのが、今の草間彌生のスタイルなのかも。
屋上にはベンチがあって、しばし休憩することができる。
3階辺りで遭遇した女性2名がどっかりとベンチ真ん中を陣取り、迷惑なことこの上ない。
この2名は4階でも係員から追い出されるまで写真を取りまくり、友人MとSNAKEPIPEは待たされていたんだよね。
こういう女性客がいると、1名で来館している男性客がかなり遠慮しながら鑑賞することになり気の毒だった。
SNSに画像をアップするために、他のお客さんの迷惑になることはやめてもらいたいものだよ。

この日はSNAKEPIPEにとって「初めてのことが2つ」ある日になった。
中華料理店と草間彌生美術館ね!
まだまだこれからも初体験を楽しんでいきたいと思うよ。(笑)

SNAKEPIPE MUSEUM #56 Charles Sheeler

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【1940年、雑誌「フォーチューン」誌に掲載された作品「Fugue」】

SNAKEPIPE WROTE:

好みのアーティストはいないか、と検索を始める。
なかなか自分の求めるタイプは見つからないけれど、ドンピシャの作品やアーティストを発見した瞬間、歓喜する。
まるで宝物を掘り起こした気分なんだよね!(笑)

今回紹介するアーティストも、そんな検索で見つけたのである。
それは写真家であり画家のチャールズ・シーラー
まずは経歴を調べてみよう。

1883年 米国ペンシルベニア州フィラデルフィアに生まれる
1900〜03年 ペンシルベニア博物館工芸学校に通う
その後ペンシルベニア美術アカデミーに参加する
1908年 マクベスギャラリーに作品が展示される
1909年 パリを訪れた後、アメリカに帰国
5ドルでブローニーを購入し、独学で商業写真家となる
1939年 最初の妻と死別してから6年後、2度目の結婚をする
1942〜45年 メトロポリタン美術館の出版局に勤務し、
芸術作品や歴史的建造物を撮影する
1965年 死去

なんと!
写真の教科書に載っていても不思議ではないシーラーのことをシーラーなかったなんて。(プッ)
それにしても「画家では生活できないから商業写真だ!」と、すぐに切り替えるとは先見の明があるよね。
実際には写真でも絵画でもお金を稼ぐことができたようなので、良かったよ。
マルセル・デュシャンと友情を育み、1950年代にはアレン・ギンズバーグとの親交もあったらしい。
1920年代から1930年代にかけて、アメリカでプレシジョニズム(精密派)と呼ばれる絵画様式の第一人者としても名前が出てくるシーラー。
プレシジョニズムとは都市の風景や工場、倉庫、機械などの建造物を題材にして、写実的に描写する特徴を持つという。
この様式については、ものすごく興味があるよ。

検索していて最初に目に入ったのがこの画像。
インダストリアル好きの心を刺激する一枚だよ!
交差した鉄骨の向こうに見える煙突。
SNAKEPIPEが写真撮影に熱中していた頃、目指していたのはこんな風景を撮影することだったからね。
「Criss-Crossed Conveyors, River Rouge Plant, Ford Motor Company(交差コンベア、リバールージュ工場、フォードモーターカンパニー)」は1927年の作品で、フォード・モーター社の依頼により撮影されたようだね。 
近代の工場生産による技術を見せるための商業写真だったようだけど、記録写真というよりはアート作品だと思うよ。
こういう作品に巡り合うと、本当にワクワクしてくるんだよね!(笑)

他の作品も検索してみる。
工場の一部をクローズアップで撮影した作品。
「Ford Plant, River Rouge, Blast Furnace and Dust Catcher(フォード工場、リバールージュ、高炉、ダストキャッチャー)」も1927年の作品なので、撮影経緯は同じだろうね。
2010年11月に「SNAKEPIPE MUSEUM #06 Margaret Bourke-White」で特集したマーガレット・バーク=ホワイトが、雑誌「LIFE」の創刊号で表紙を担当したダムの写真を撮影したのが1936年。
シーラーはバーク=ホワイトより約10年前に、インダストリアルな写真を撮っていたことになるね。 
やっぱり1920年代は憧れだなあ!

分かるーーーっ!
煙突からの煙!
そして円筒に見える、並んだビス!
撮るわ、見たら絶対撮るわっ!
興奮気味のSNAKEPIPEはもうよだれタラタラだよ。(笑)
タイトルは「Industrial Study No.2」で1935年の作品だって。
やっぱりインダストリアルなんだね!
ちなみにこの作品、クリスティーズで$106,250、日本円で約1,120万円で落札されたらしい。
一体どんな部屋に飾られているんだろうね?

建造物を撮影するためなのか、どうしても縦位置が多くなるんだろうね。
SNAKEPIPEも縦位置が得意だったよ。
1952年に撮影された「Meta-Mold, Cedarburg, Wisconsin(メタモールド、シーダーバーグ、ウィスコンシン)」も、恐らく工場関係の写真だと思うけど、まるでパルテノン神殿みたいじゃない?(笑)  
表現が大げさか。
デヴィッド・リンチも似た雰囲気の写真を撮っていたことを思い出すね。
きっとリンチもシーラー好きだろうと想像する。
2人とも写真も撮れば絵も描くところも共通してるしね。

「Self-Portrait」と題された1923年の作品。
紙にクレヨン、ガッシュ、鉛筆で描かれているという。
この時、シーラーは40歳くらいかな?
後方に上半身がなんとなく見えているけれど、これがシーラー本人ということなんだろうね。
手前の電話機(?)がメインに見えてしまうので、最初はこれを擬人化してセルフポートレートと言ってるのかと勘違いしたのはSNAKEPIPEだけ?(笑)
自画像と呼ぶには、一風変わった趣向だよね。

「American Landscape」は1930年の作品。
これは油絵なんだよね。
これぞまさにプレシジョニズムといったところなのかな。
工場を描いているのにタイトルが「アメリカの風景」というところがポイント。
シーラーにとって見慣れた風景であり、恐らく対岸からの眺めを好んでいただろうと予想する。
SNAKEPIPEも同じ場所に立ったら、佇んで煙の行方を追うだろうな。(笑)

直線と影がくっきりして、まるでイラストのようじゃない?
「Cat-walk」は1947年の作品だって。
工場のクローズアップを絵画で表現している油絵なんだよね。
大きさは24 x 20 in. (61 x 50.8 cm)というから、そこまで大型ではないよね。
これにはかなりグッと来たSNAKEPIPE。
SNAKEPIPE MUSEUMに是非所蔵したいよ!
ちなみにクリスティーズのオークションで$1,332,500、日本円で約1億4,100万円だって。
それは残念。
いいな、と思ったら億超えかー!(本気で買うつもりか?)

チャールズ・シーラーを知ることができて本当に嬉しい。
「今頃知るなんて、本当に写真の勉強してたの?」と呆れ顔の方もいるかもしれないけどね!
日本での個展などは開催されていないみたい。
川村記念美術館あたりで大回顧展やってくれないかな。
没後55年ってことでどうだろう?

映画の殿 第39号 ユーロビジョン歌合戦

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【FIRE SAGA「VOLCANO MAN」のプロモーションビデオより】

SNAKEPIPE WROTE:

Netflixに入会して早3ヶ月。
ドラマや映画など充実のコンテンツを楽しんでいるROCKHURRAH RECORDS。
新作情報などは担当というわけではないけれど、ROCKHURRAHがチェックをしてくれてリストに入れておいてくれる。
休日にそのリストからチョイスして鑑賞するという寸法だ。
先日ROCKHURRAHが新作チェックをしていると、突然血相を変えて「大変!」と大声を出すではないか。
何事かと思いきや、我らがアイドル「ウィル・フェレルの新作がNetflixで公開されている」とのこと!
これにはSNAKEPIPEも悲鳴に近い声を上げてしまった。

ウィル・フェレルについては2014年9月の「映画の殿 第12号 ウィル・フェレル04」まで、特集記事を4回も書いている。
あれから約6年の間、実はウィル・フェレル関連の映画は複数本観ているんだよね。
ゲットハード/Get Hard (原題:Get Hard 2015年)」 、「パパVS新しいパパ  (原題:Daddy’s Home 2015年)」、「ズーランダー NO.2 (原題:ZOOLANDER 2 2016年)」、「カジノ・ハウス (原題:he House 2017年)」、「パパVS新しいパパ2  (原題:Daddy’s Home 2 2017年)」、「俺たちホームズ&ワトソン (原題:Holmes & Watson 2018年)」と列挙しただけでも6本?(笑)

本当はウィル・フェレル特集第5弾も書けるんだけど、それはまたの機会にして。
今回はNetflix制作の「ユーロビジョン歌合戦 〜ファイア・サーガ物語〜 (原題:Eurovision Song Contest: The Story of Fire Saga 2020年)」について感想をまとめようか。
まずはトレイラーね。

んも〜!この動画だけでも面白さが伝わってくるよねっ!(笑)
大ファンのウィル・フェレルがおかしな扮装してるだけでワクワクしてくるよ。
それにしても公開されたのが2020年6月26日だったというのに、気付いたのが遅過ぎるかも。
いや、鑑賞できたから良しとしよう!

では簡単なあらすじを書いておこう。

ラースは若い頃から歌手になることを夢見てきたが、その夢は周囲から理解されず、父親との仲違いの原因にすらなっていた。
そんなある日、ラースが率いるバンド、ファイア・サーガがユーロビジョン・ソング・コンテストのアイスランド代表に選出された。
ラースは夢を叶える最後のチャンスがやって来たと喜び、長年の相棒、シグリットと共に会場へと乗り込んだ。
しかし、ヨーロッパの優れた才能が集う大会で見せ場を作るのは、ラースの想像以上に難しいことであった。(Wikipediaより)

主人公ラースを演じるのがウィル・フェレル。
あらすじにもあるように子供の頃からの夢が「 ユーロビジョン・ソング・コンテスト」に出場し、優勝することなんだよね。
そのきっかけになったのがABBA! 
大人(中年)になった今でも、ラースにとってのアイドル。
部屋には年季の入ったポスターが飾られているよ!
そして映画にも登場した、ABBAが「ユーロヴィジョン」で歌っていた映像がこれ。 

ABBAがヒットチャートを賑わせたのが1970年代後半。
懐かしいと感じる人は、ある程度年齢を重ねた人だよね。
SNAKEPIPEが好きだったのは「ヴーレ・ヴー」かな!(笑)

「ユーロヴィジョン」について、ほとんど知識がないSNAKEPIPEなので、少し調べてみたよ。
正式名称は「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」で、1956年から始まり60年以上の歴史がある毎年恒例の大会だという。
欧州放送連合加盟放送局によって開催される、国別対抗の歌合戦といったところか。
長い歴史の中で、優勝した有名アーティストは1974年のABBAと1988年のセリーヌ・ディオンみたいね。

何十年も心に描いた夢を追いかけて、成長した(というより年を取った)ラース。 
共に時を過ごしているのが、幼馴染のシグリット。
演じているのはレイチェル・マクアダムス。
2人はずっと生まれた故郷である、アイスランドのフーサヴィークを離れずにいる。
フーサヴィークについて調べると、アイスランドの北に位置し、ホエール・ウォッチングなどの観光業や漁業などで成り立っている小さな町とのこと。
画像でもバックに漁船が並んでいるよね。 

夢の実現のためにモチベーションを持ち続けるのは、非常に大変なことだと思う。
ラースとシグリットは、協力し合いながらオリジナル・ソングを制作していく。
画像は2人の脳内ミュージック・ビデオなんだよね。
土地に根ざした曲作りをしているという設定なのか、この時のタイトルは「VOLCANO MAN(火山男)」!(笑)
この手のコスプレをさせたら、ウィル・フェレルはノリノリよ!
「VOLCANO MAN」は、父親の乱入により中断されてしまうんだけど、このミュージック・ビデオの完成版が観たいんだよね。
素晴らしい出来だったから!(笑)

乱入してきたラースの父親であるエリックを演じたのがピアース・ブロスナン。
鑑賞し終わって調べるまで、全然気付いてなかったよ!
ブロスナンと言えばジェームズ・ボンドだよね。
1995年から2002年まで5代目ジェームズ・ボンドとして活躍していたっけ。
現在67際とのことだけど、年齢よりは老けて見えるようにしてたのかも。
ウィル・フェレルが53歳で、その父親だから。(笑) 

自立するように諭されても、やっぱり夢を捨てきれないラース。
そのラースを支えるシグリットは、ラースの願いを聞いてもらおうとエルフの元に参上する。
嘘みたいな本当の話らしいけど、アイスランド人の60%以上がエルフは存在すると信じているらしい。
エルフというのは、ゲルマン神話に起源を持ち、日本語では妖精あるいは小妖精と訳されることも多い、北ヨーロッパの民間伝承に登場する種族であるとのこと。(Wikipediaより)
日本でいうなら座敷童子みたいな感じ?違う?(笑)
シグリットは完全にエルフを信じていて、お願い事がある度に軽食や飲み物を捧げ、お祈りしているようなんだよね。
そのおかげなのか、ラースとシグリットは「ユーロヴィジョン」参加資格を得る。
やっぱりエルフの力も関係してるのかな?
様々なアクシデントに見舞われながらも、本戦まで勝ち進んで行くところはミラクルだったね。(笑)

地元であるフーサヴィークにあるパブに、とても気になる人物がいたよ。
ニールスという役で、ラースとは腐れ縁といった関係のようで。
演じていたのはオラフル・ダッリ・オラフソン。 
気になるので調べてみると、やっぱりそうだ!
2015年5月にROCKHURRAHが書いた「映画の殿 第14号 映画の中のニュー・ウェイブ01」の中で紹介したベン・スティラー主演の映画「LIFE!(原題:he Secret Life of Walter Mitty 2013年)」で、ヒューマン・リーグの「Don’t You Want Me (愛の残り火)」をカラオケで歌っていた酔っぱらい!(笑)
かなり大ウケだったシーンに出演していたのが、このオラフルだったんだね。
今回もオラフルは、怖いような真顔で強烈な印象を残している。
「ヤォ・ヤォ・ディン・ドンを演れ!」

民謡調の曲に、パブのお客さんたちはノリノリ!
「ディン・ドン!」
と言いながら拳を振り上げる。
いつの間にかSNAKEPIPEも一緒に歌っていたよ。(笑)
みんなが大好きな曲なんだよね。

ユーロヴィジョンのロシア代表として参加するアレクサンダー・レムトフが、物語の重要人物として登場する。
演じているのはダン・スティーヴンスで、ベン・スティラーが主演した「ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密(原題:Night at the Museum: Secret of the Tomb 2014年)」にも出演していたようだけど、あまり覚えていないよ。 
またもや関連映画としてベン・スティラー主演が出てきたね。(笑)
「ファイア・サーガ物語」ではシグリットを誘惑する、ラースのライバルという役どころ。
ウィル・フェレル映画の黄金パターンを支える感じだね。

歌唱力のあるウィル・フェレル、他の出演者たちに混ざっても引けを取ってなかったね。
SNAKEPIPEは「ユーロヴィジョン」について知らなかったけれど、日本でも放映されているようなので、大会について詳しい方も多いんじゃないかな?
「ファイア・サーガ物語」では、「ユーロヴィジョン」の過去の優勝者たちが出演していたようだよ。
かなり個性的な面々もいて、強烈な印象を残している。
当たり前だけど、みなさん本当に歌がうまい!(笑)

 ウィル・フェレルの黄金パターンとはダメダメ人間が頑張って栄光を掴む、というスポ根系のストーリー展開のこと!
これは大抵の主演映画で採用されていて、初めから分かっちゃいるけどやめられない。(笑)
ウィル・フェレルのダメ男ぶりが最高なんだよね!
今回も当然のように同様の展開だったけれど、なんともハートウォーミングな(死語?)エンディングにホッとしたよ。
みんなハッピーになって良かった、良かった!

「ファイア・サーガ物語」は大人気のようで、関連商品が販売されているみたい。
ロゴがデザインされたTシャツは$13、約1,400円。
カラー展開は驚きの27色、サイズはSから5XLまでと充実のラインナップ!
実際ウィル・フェレルがFIRE SAGAのTシャツを着ている映像もあったので、アメリカでは気軽に手に入るグッズなのかも? 
他にもマグカップやステッカーなどもあり、欲しくなっちゃったよ。(笑)

ウィル・フェレルの新作を存分に楽しんで、とても幸せな気分!
まだまだこれからもコメディ映画の帝王として君臨して欲しいね。 

シリーズ現代の作家 横尾忠則/ピーター・ドイグ展 鑑賞

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【国立近代美術館前の看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

「見つけてしまった!これは行かねば!」
長年来の友人Mからメッセージが届く。
何を見つけたんだろう、とメッセージに貼ってあるリンクを開いてみる。
そこには横尾忠則の版画展が載っていた。
2009年5月の「好き好きアーツ!#07 横尾忠則」や2019年6月の「B29と原郷-幼年期からウォーホールまで」などで熱く語っている横尾忠則。
確かに観てみたい展覧会だよね!
場所はどこだろうと目を走らせる。
えー!町田なのー?
かなり遠い場所なので、数年前にも諦めた美術館だったことを思い出した。
あの時も横尾忠則展だったような?

今まで一度も行ったことがない町田。
せっかくなので出かけてみようか、ということになった。
そして友人Mとは定番になりつつある、展覧会のハシゴは今回も実行する予定。
かなりの距離を移動することになりそうだね。(笑)

梅雨がまだ明けていないけれど、少し気温が低い曇天は、歩くのには丁度良いね。
小田急線の快速に乗ると代々木上原から町田まで約30分。
そこまで遠くはないのかな?
友人Mも町田は初めてだという。
展覧会が開催されている町田市国際版画美術館は、町田駅から徒歩15分とのこと。 
方向音痴のSNAKEPIPEとは違い、地図が読める友人Mにとっては、初めて歩く場所も怖くないんだよね。(笑)

いくつかの大通りを渡りながら歩くこと約10分。
こっちの方角だと思う、と友人Mが指す道を見てびっくり!
立っている場所から、完全なつま先下がりの急勾配が広がっているじゃないの!
山を切り拓いて宅地にしたような場所で、ここを毎日歩く人は登山しているみたいな感じだろうな。
足腰が鍛えられること間違いなし。(笑)
「ひーーー!」
叫びながら転げるように坂を下り切ると、ようやく美術館の入り口が見えてきた。
森の中にひっそりと佇むような外観に「いいねー!」と声を上げる。
帰宅後調べて知ったけれど、美術館は芹ヶ谷公園という大きな公園の一角にあったんだね。
天気が良い時には、公園の散策も楽しそうだよ。

いよいよ美術館へ。
その前に看板を撮影する。
インスタグラムで画像をアップしている友人Mも撮影。
以前は撮影するのはSNAKEPIPEだけだったのに、最近では場所取りの順番を待つことがあるんだよね。(笑)
展覧会は企画展と常設展という構成になっていて、横尾忠則は常設展だった。
企画展はインドネシアの版画家の作品が展示されていたよ。

お客さんは友人MとSNAKEPIPEだけという完全な貸切状態!
これは前回友人Mと鑑賞した「森山大道展」と同じ状況じゃないの!
しかも、横尾忠則の作品は撮影オッケー。
しかもしかも!なんと無料だったんだよね!(笑)
横尾忠則の作品は、ほとんどが観たことがあったけれど、遠路を来た甲斐があったよ。
画像は「W Wonderland Ⅱ」 。
ショッキングピンクに目を奪われる。

「入れ墨男」と題された作品は、同じスクエア型の3作品と共に「風景」として組まれていた。
それぞれの作品にはクローズアップされた人物が一人だけ登場する。
朝日なのか夕日なのかは定かではないけれど、太陽を背にした入れ墨男の輪郭が光に包まれている様が美しい。 
横尾忠則は高倉健のポスターも作成していたので、「紋々系」をテーマにするのは得意という印象があるよ。
「入れ墨男」は1969年の作品というので、高倉健の作品と同時代じゃないかな?

インドをテーマにした作品も展示されていたよ。
1977年から1979年に放映されていたドラマ「ムー」や「ムー一族」のタイトルバックを思い出すね。
ROCKHURRAH RECORDSではつい最近「ムー」を観終わって「ムー一族」にしようかって時に、Netflixに入会しちゃったもんで。(笑)
Netflixには面白そうなドラマがいっぱいあるんだよね。
またいつかチャンスがあったら、70年代のドラマも観てみようかな。
画像は「水其天」(だったと思う)で1974年の作品だよ。
上下に海が配されているシンメトリー構図で、3つの円が描かれた中央には交合しているような男女の姿。
横尾忠則の魅力はコラージュの面白さと色彩だなあ、と改めて認識する。
行って良かった展覧会だったよ!

ランチを済ませてから、続いて向かったのは東京国立近代美術館
昨年末にも友人Mと「窓展」を鑑賞した美術館だね。
この美術館は、他では観たことがない企画を立てることが多い印象があって、いつも楽しみなんだよね!
今回はスコットランドの画家、ピーター・ドイグの展覧会だという。
実はピーター・ドイグの名前を耳にするのは初めてのSNAKEPIPE。
経歴について調べてみようか。 

1959年 スコットランドのエジンバラに生まれる
1962年 カリブ海の島国トリニダード・トバゴに移る
1966年 カナダに移る
1979〜80年 ウィンブルドンスクールオブアートで学ぶ
1980〜83年 セントマーチンズスクールオブアートで学ぶ
1989〜90年 チェルシースクールオブアートで修士号を取得
1994年 ターナー賞にノミネート
2000年 友人であるクリス・オフィリと共にトリニダード・トバゴに戻る
2002年 活動拠点をポート・オブ・スペイン(トリニダード・トバゴ)に移す

テート(ロンドン)、パリ市立近代美術館、スコットランド国立美術館(エジンバラ)、バイエラー財団(バーゼル)、分離派会館(ウィーン)など、世界的に有名な美術館で個展を開催し、ドイツのデュッセルドルフにある美術アカデミーの教授にも就任している。
作品はクリスティーズやサザビーズなどで高額取引されている、世界的に有名な画家だという。

年表を見て気が付くのは、スコットランドで生まれてからトリニダード・トバゴ、カナダに行き、再びロンドンで学んだ後、またトリニダード・トバゴに戻っていること。
友人としてクリス・オフィリの名前が出てきたことにも驚いた。
2015年5月に「SNAKEPIPE MUSEUM #32 Chris Ofili」として紹介していた画家だったからね。
クリス・オフィリには注目していたのに、ピーター・ドイグは全く知らなかったのが残念ですな!(笑)

ピーター・ドイグについて少し勉強したところで、展覧会の感想をまとめていこうか。
「撮った写真をシェアしよう!」などと看板があったほど、作品撮影に対して寛容なのが嬉しい。
もちろんバシバシ撮らせてもらったよ!
たくさん撮った割には、曲がった写真が多かったのが玉にキズだけど!(笑)

「Swamped(のまれる)」は1990年の作品。
年表で確認するとチェルシーの学校に行っていた頃に描いていたことになるのかな?
湖だろうか、水面に映る木々の様子が描かれているように見える。
夜なのかもしれない。
枯れた木が骨のよう。
なんとも言えない魅力的な絵で、今回SNAKEPIPEが一番気に入ったのはこの作品だよ!
所蔵しているのは「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展」で、素晴らしいコレクションを見せてくれたヤゲオ財団!
ちなみに落札額は約30億円らしいよ。(笑)

ピーター・ドイグは年表にもあったように、少年期に国をまたいで引っ越しているんだよね。
そのせいなのか、年代によって絵の雰囲気が違い、同じ画家の作品に見えないことがあったよ。
「Canoe-Lake(カヌー=湖)」は1997〜98年の作品だという。
緑色のカヌーに乗っている女性も緑色。
生きていないように見えてしまうのはSNAKEPIPEだけかな?
13日の金曜日(原題:FRIDAY THE 13TH 1980年)」の第1作目に、よく似たシーンがあるのをROCKHURRAHが教えてくれたよ。
この作品もヤゲオ財団の所蔵品だって。
もしかして好みが似てるのかも。(笑)

「この絵が一番!」
と興奮していた友人M。
「ラペイルーズの壁」は2004年の作品で、ドイグが撮影した写真をもとに描かれているという。
日傘から暑い日だということは想像できるけれど、陽気な明るさよりも物悲しさを感じるんだよね。
遠い記憶を呼び起こされるような、甘ったるい懐かしさも同時に味わう。
もうあの時には戻れない、という悔しい気持ちも入り交じる。
様々な感情が噴出する作品に巡り合うことは稀な経験だったよ。

作品のタイトルは「影」。
改めてじっくり鑑賞しても、この作品の人物がよく分からないんだよね。
顔だけ横向きの後ろ姿なのか?
「ギターを持った渡り鳥」(古い!)がテーマではないと思うけど?(笑)
彼方に見える船はおぼろげで、杭も本当に存在しているのか不明な描かれ方だよ。
SNAKEPIPEには、ギターの男が埠頭をさまよっている魂のように感じるんだけどね。
もしくはもぬけの殻になった男の心情なのか。
東京国立近代美術館では「ドイグ作品で物語を作ろう!」という子供向けの夏休み企画を立てているようだけど、この作品からはどんな物語ができるだろう?
入選作品はHPに掲載されるというので、楽しみに待っていよう。

ピーター・ドイグは自分のスタジオで映画の上映会を行っているという。
「スタジオ・フィルム・クラブ」は2003年から、誰でも無料で参加できるプロジェクトとして始まったんだって。
その開催を告知するポスターが多数、展示されていたのが興味深かった。
恐らくピーター・ドイグによってセレクトされた映画が上映されるだろうから、映画の好みも分かるってことだよね。
デヴィッド・リンチの「ブルーベルベット(原題:Blue Velvet 1986年)」も上映されたようで、これはそのポスター。
デニス・ホッパーやイザベラ・ロッセリーニを描かずに耳だけとは!(笑)
この思い切りの良さには脱帽だね。

ストレンジャー・ザン・パラダイス(原題:Stranger Than Paradise 1984年)」もチョイスされたんだね。
まるで一冊の写真集のような映画だったことを思い出す。
いとこのエヴァが描かれているね。
映画の上映後は、作品について話し合ったりするらしい。
文化サロン的な役割を担っているという上映会には、どんな人が参加するんだろうね?
トリニダード・トバゴについてよく知らないSNAKEPIPEなんだけど、アート関係の方が多いのかな。
楽しそうだよね!

こっ、これはっ!
「ZATOICHI」って書いてあるから、まさかと思うけど「座頭市」?
キャプションを確認すると間違いないみたい。
ということは、描かれているのは勝新太郎か。
このぞんざいにも見える絵に思わず笑ってしまったよ。(笑)
ドイグは日本映画にも興味があるようで、小津安二郎の映画にも影響を受けていると話しているという。
いや、それにしてもこの座頭市はどうだろう、、、。

ピーター・ドイグは初めて知ったアーティストだったけれど、とても面白かった!
作品のほとんどが大型なのも迫力があったよ。
年代や描いた場所によって全く印象が違う作品の存在を知ることができるのも、個展ならでは。
鑑賞できて良かったよ!