インディゲリラ Cosmic Waltz 鑑賞

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【会田誠展の時と同じ構図だね。ワンパターン!】

SNAKEPIPE WROTE: 

2021年8月に鑑賞した「会田誠展 愛国が止まらない」で初めて訪れたミヅマアートギャラリー
SNAKEPIPEのウォーキング・ルート途中にあるギャラリーと分かったので、サイトを定期的にチェックすることにした。
まこっちゃんの展示の後は何をやってるんだろう?
インディゲリラという、ちょっと物騒な名前のアーティストが個展を開催している模様。
タイトルは「Cosmic Waltz」だって。
散歩がてら、寄ってみようか? 

本来は定員制を採って、1時間に入場できる人数を決めているミヅマアートギャラリーだけれど、人数に達していなかった場合には飛び込みでの受付も可能とのこと。
行くだけ行ってみよう、と扉を開けてみる。
「予約していないのですが、入場可能ですか?」
と聞いてみると
「もちろんです!どうぞ!」
快く受付の男性が応じてくれる。
予約の際に必要だった名前や電話番号を提出して会場へ。
タイミングが良かったのか、お客さんはSNAKEPIPE一人だった。
やったー!貸し切りで鑑賞だー!(笑)
撮影についての許可を得たので、バシバシ撮らせてもらったよ!

まずは最初に、インディゲリラについての説明をサイトから一部抜粋して転用させていただこう。

ミコ(1975年インドネシア、クドゥス生まれ)とサンティ(1977年インドネシア、スマラン生まれ)夫婦によるアーティスト・ユニット。
1999年にグラフィックデザイン・オフィスとして立ち上げられたインディゲリラは、「新たな可能性を見出すために常にゲリラでいる」という自身の哲学により、2007年にフルタイムのアーティストとなる。

伝統的な価値観と現代文化とのユニークな繋がりが注目され、世界中で数々の重要な展覧会に参加。
現在、インドネシアのジョグジャカルタで活動。

インドネシアのアーティストなんだね。
夫婦で活動なんて、羨ましい限り!(笑)
かつてSNAKEPIPEも旅したことがあるジャワ島出身のアーティストとは、驚いてしまうよ。
SNAKEPIPEが知っているのは、かれこれ四半世紀以上前(!)のジャワ島なので、現在は全く別の状況になっているんだろうな。 (遠い目)
そして旅行していた時は、ジャカルタ郊外の田舎町で過ごしていたんだよね。
地元の人と同じ生活をすることが目的だったので、美術館に行ったりアートに触れる機会は皆無。
SNAKEPIPEは、地元の人や風景を撮影していたけどね。(笑)

当時見た風景や人々を思い出しながら鑑賞を始める。
原色が目に飛び込んでくる奇抜な作品だよね。
何が描かれているのかを理解するのに、しばらく時間が必要かも。
じっと観ていると、バリ島でよく見かける仮面のバロンのように見える顔(?)を発見する。
全体にポップな印象だけど、こうした部分にインドネシアらしさが出ているのかも?

丸いキャンパスいっぱいに描かれているのは、人や鳥?
なんともいえない「ぐねぐね」した流線と手や足に見えるモチーフ。
ホアン・ミロをパロディ化したようにも見えるよね。
インディゲリラいわく、「作品中のキャラクターたちが皆、魂のダンスを踊るかのように、宇宙のリズムに合わせて自発的にうねり、流れるように動いている」様子を描いているとのこと。
それでタイトルが「Cosmic Waltz」なんだね!

現在46歳の旦那さんと44歳の奥様はどんな役割分担で作品を作ってるんだろうね。
サイトに載っているご夫婦の写真は、ライダースジャケット着て、緑色に染めた髪という姿!
とんがってて、共感しちゃう雰囲気なんだよね。
やっぱりSNAKEPIPEが知っていたインドネシア人とは全く違うよ。(笑)
インディゲリラは、「ぐねぐね」の次にどんな作品を見せてくれるんだろう。
今から楽しみだね!

インドネシアのアートで思い出したのが、2017年9月に鑑賞した「サンシャワー:東南アジアの現代美術展」。
東南アジア10ヶ国からアーティストが出品していた展覧会だったんだよね。
インドネシアからはHeri DonoFX Harsonoが参加していて、感想をブログに書いているSNAKEPIPE。
死や拷問をテーマにしていて、 印象に残った作品だったよ。
もう一人、紹介していなかったインドネシア人アーティストがいたことを思い出した!
2021年7月に鑑賞した「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」 に出品していたヌヌンWS(Nunung WS)について書いておきたい。

ヌヌンWSは1948年ジャワ州ラワン生まれの73歳。
小学生の時、すでに画家になることを決心していたという。
1967年、19歳で絵画を学び始め、現在も精力的に活動を続けている、インドネシア唯一の女性抽象画家とのこと。
載せた画像は「織物の次元1番」で2019年の作品ね。

1960年代に生まれた「ミニマリズム」という表現スタイル。
それは、必要最小限まで要素を切り詰めた様式で、美術の世界では「ミニマル・アート」として定着しているね。
 ヌヌンWSは、「豊かな情感や深い精神世界を描いている」点が「ミニマル・アート」との大きな違いなんだとか?
SNAKEPIPEには感情の有無がよく分からないよ。(笑)
もしかしたらアーティストの表明による解釈なのかな。
画像は2011年の「門」。
マーク・ロスコを彷彿させるよね!

ジャワ島の伝統的な織物であるバティックについての研究をしているというヌヌンWS。
その情報を知ってから作品を鑑賞すると、布に見えてくるよ。(笑)
画像は「アチェの次元」で2019年の作品ね。
バティックは美しい柄が多くて、SNAKEPIPEもかつて大量に買い込んだものよ。
今でも所持していて、「のれん」みたいに使っている。
バティックぽい作品を観ると、情感が込められているというのも理解できるね。
インドネシアで抽象絵画を描く女性画家がいるとは驚きだよ。
これからも活動を続けて欲しいね!

今回はミヅマアートギャラリーのインディゲリラとヌヌンWSについて特集してみたよ。
どちらもインドネシアのアーティストで、はっきりした原色が特徴的だよね。
もしかしたら、それは赤道直下のギラギラした太陽を浴びているせいかもしれないね?

今まで知らなかった国のアート、気になるよね!
また探して行きたいと思う。
最後にROCKHURRAHのマネをして締めくくろうか。
Sampai jumpa lagi!(インドネシア語でまたね!)

映画の殿 第46号 生きのびるために+スウィング・キッズ

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【2つ映画をミックスした画像だよ!】

SNAKEPIPE WROTE: 

今回は最近鑑賞した映画2本についての感想をまとめてみよう。

最初はカナダ、アイルランド、ルクセンブルクの3ヶ国で製作された「生きのびるために (原題:The Breadwinner 2017年)」というアニメーション映画から。
原作はデボラ・エリスのベストセラー小説とのこと。
タイトルからして命の危険がありそうだよね。
あらすじとトレイラーを載せてみよう。
 ※ネタバレしている可能性がありますので未鑑賞の方はご注意ください

タリバン政権下、争いによって荒廃したカブールの町で、11歳のパヴァーナは、家族と小さな部屋に暮らしている。
足の悪い父は、アフガニスタンの歴史を美しい伝説になぞらえて話してくれていた。
ある日突然父親がタリバンに連行され、家族の暮らしは一変する。
タリバンは女性のみの外出を禁じているため、残された者だけではお金を稼ぐことも、食料を買いに行くこともできない。
家族のために、パヴァーナは髪を切り少年になりすまし町に出て、父親を救いだす方法を探そうと決意する。(Filmarksより)

アフガニスタンが舞台のアニメということで気になったんだよね。
主役のパヴァーナは、両親と姉、小さい弟との5人家族で、貧しい暮らしをしている。
一つのお皿で家族が米を食べているシーンで、困窮ぶりが分かるよね。
2001年のタリバン政権下というのが、人々の暮らしにどんな影響を与えていたのか知る手がかりになりそう。

あらすじにあったように、一家の大黒柱である父親が拘束されたため、パヴァーナが少年のふりをして生活を始める。
現在は変わってきているようだけど、当時の政権下では、女子には教育を受けさせず、一人での外出や買い物は禁止といった性差別がまかり通っていたんだね。
父親以外男性がいない家庭では、少女が「なりすます」しか方法がなかったのかもしれない。
隣に座っている緑のベストを着た子も、実は女の子。
「生きのびるために」かわいい少女時代を捨てざるを得ない環境なんだね。

パヴァーナが幼い弟に物語を聞かせるシーンが印象的だった。
少年が村人を救うために、象の怪物と戦うというファンタジー。
戦いに勝つためには、3つの道具を揃えなければいけないという、おとぎ話によくあるパターンかな?(笑)
ファンタジーだと思っていたのに、だんだん話が変わってくるところに驚く。
タリバン政権下に生きている少女の口から紡ぎ出された物語なんだ、と改めて気付くんだよね。

連行された父親を助けに向かう決心をするパヴァーナ。
タリバン側ではない、良い人がいることも分かって少し安心する。
国が変わればルールや常識が違うことは当たり前かもしれないけれど、この時代のタリバンはあまりに非人道的だと感じるよ。
アニメ映画は子供向けのイメージがあるけれど、「生きのびるために」は社会派なんだよね。
考えさせられる映画だったよ!

続いては韓国映画で「スウィング・キッズ (原題:스윙키즈 2018年)」。
どうやらこの映画は韓国のミュージカル「ロギス」が原作になっているとのこと。
朝鮮戦争当時に撮影された一枚の写真にヒントを得て創作された物語と聞くと、事実が基になっているみたいなんだよね。
まずはトレイラーを載せてみよう。
※ネタバレしている可能性がありますので未鑑賞の方はご注意ください

捕虜たちとダンスチームを作ったらどうだ?
1951年。
朝鮮戦争当時、最大規模の巨済(コジェ)捕虜収容所。
新しく赴任した所長は収容所の対外的なイメージメイキングのために、戦争捕虜たちによるダンスチーム結成プロジェクトを計画する。
収容所で一番のトラブルメーカー:ロ・ギス、4か国語も話せる無認可の通訳士:ヤン・パンネ、生き別れた妻を捜すために有名になることを望み、愛に生きる男:カン・ビョンサム、見た目からは想像できないダンスの実力を持った栄養失調の踊り手:シャオパン、そして彼らのリーダーであり元ブロードウェイのタップダンサー:ジャクソンまで、紆余曲折の末、一堂に会した彼らの名前はスウィング・キッズ!
それぞれ異なる事情を抱えてダンスを踊ることになり、デビュー公演が目前に迫っていた。
国籍、言葉、イデオロギー、ダンスの実力、全てがちぐはぐな寄せ集めダンスチームは前途多難でしかないが・・・。(オリジナルサイトより)

主役であるロ・ギスを演じたのは、K-POPグループ「EXO」のメインヴォーカルを務めるD.O.。
韓国物は映画とドラマ、あとは料理(笑)しか知らないので、音楽関係は未知の世界よ。
ただ映画やドラマで韓国の俳優を見ていると、体は鍛えてるわ、歌も歌えるわ、演技もするわ、ダンスもするわみたいに、いくつもの技を持ってるみたいなんだよね。
ロ・ギスが見よう見まねでタップダンスを覚えていく様子は、ものすごくリアルだったよ。
この映画の出演が決まってからタップを習ったと聞いて驚くほどの腕前、いや足前?(笑)
坊主頭が似合う俳優っていうのも珍しいよね。

米軍下士官のジャクソンを演じたのは、ダンサーで俳優のジャレッド・グライムス。
この方は元々ブロードウェイで踊っていたらしいので、本物のダンサーだから、上手なのは納得だね!
映画の中では、日本人の彼女と結婚して沖縄で暮らすことが夢と語っていたっけ。
1950年代の韓国、北朝鮮、アメリカや日本の情勢を知らないと理解できないかも。
東洋人にダンスは無理、と決めつけていたジャクソンだったけれど、ダンスチームのメンバーと行動を共にするうちに見方を変えていく。
ジャクソンの指導が良かったから、ダンスチームも団結していくんだよね。

チームの紅一点、韓国語はもちろん、英語、中国語、日本語の4ヶ国語を話すことができるヤン・パンネを演じたのはパク・ヘス。
他の韓国女性に通訳の才能を知らせなかったのは、身の危険を感じたからかもしれないね。
バンドを率いてロカビリーを歌うシーンもなかなか!
そして女性ながら、他のメンバーに負けないダンス・パフォーマンスもみせる。
ヤン・パネとロ・ギスは惹かれていくけれど、それぞれ北と南に別れた国の2人。
収容所だったから出会えたんだよね。
2人の情熱を表した映像がこちら。

デヴィッド・ボウイの「モダン・ラブ」をBGMに走るシーンといえば、まっさきに思い出すのがレオス・カラックス監督の「汚れた血」だよね!
ある年代より上の人にとっては、青春時代に観た思い出の映画じゃないかな? (笑)
監督であるカン・ヒョンチョルは1974年生まれの47歳。
レオス・カラックスに感銘を受けていてもおかしくないかも。
それにしても1951年を舞台にした映画に、80年代の音楽を合わせるというセンスはすごいよね!(笑)

中国人捕虜のシャオパンを演じたのは、韓国人のキム・ミノ。
中国語を喋ってたから、訓練したのかもしれない。(笑)
シャオパンがSNAKEPIPEのツボで、非常に気に入ったんだよね!
アイズレー・ブラザーズの「シャウト」で踊りまくるシーン、保存版だよ。(笑)
書きながら気付いたけど、やっぱりSNAKEPIPEがファンになる俳優って小太り系が多いみたいね。
スペイン映画にドップリの時、ハビエル・カマラとかカルロス・アレセスという小太り系ばかり追いかけていたもんね?
キム・ミノもそれに近い感じじゃない?(笑)
これからも注目の俳優だね!

最後のメンバーはオ・ジョンセ演じるカン・ビョンサム。
乗る車を間違えてしまったため、強制収容所に来てしまったという運の悪い人物。
はぐれてしまった妻を探す目的でダンスチームに入るとは、なんとも泣かせる話だよね。
オ・ジョンセといえば、ドラマ「椿の花咲く頃」や「サイコだけど大丈夫」で、ROCKHURRAH RECORDSでは既にお馴染みの俳優。
高い演技力が話題になっているけれど、タップダンスまでこなすとは!
次はどんな役で登場してくれるのか、注目の俳優だよ。

戦争が背景にある映画は、最初から「ある心構え」をして鑑賞しているような気がする。
「ハッピーエンドにはならないだろう」という予想のため、何があってもガッカリしないように、という心構えだ。
スウィング・キッズのメンバーは北と南だけではなく、中国とアメリカという国や思想が違う人種の混合だから尚更だよね。
その時のその場所だったから出会えた5人だったけれど、違う時代にチームを組んで欲しかったよ。
みんな良い味出してるんだよね。
朝鮮戦争は現在でも終結していない事実にも改めて気付かされたし。 
未だに国が分断されているのは朝鮮半島だけなのかな?
国際情勢に疎いSNAKEPIPEなので、違っていたらごめんなさい!

今回特集した「生きのびるために」と「スウィング・キッズ」、どちらも戦争が背景にあったね。
記憶に残る印象的な映画だったよ。
これからもまたお勧め映画を特集していくので、お楽しみに!

SNAKEPIPE MUSEUM #61 Elizabeth McGrath

20210905 06
【拳銃持って自分の作品との記念撮影しているエリザベス】

SNAKEPIPE WROTE:

今週は久しぶりにSNAKEPIPE MUSEUMをお送りしよう。
自分でも驚きの約5ヶ月ぶりのカテゴリー更新なんだよね!

今回紹介するのはElizabeth McGrath、読み方はエリザベス・マクグラスで良いのかな。
彫刻とアニメーション、そしてバンドのヴォーカルとしてマルチな活躍をしている女性アーティストなんだよね。
そして画像でもお分かりの通り、美貌まで兼ね備えているんだもの。

彼女の略歴を調べてみようか。

1971年 カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ
1984年 ヴィクトリー・クリスチャン・アカデミーに入学
1988年 パサデナ・シティ・カレッジ卒業
1991年 イーストLA・シティ・カレッジ卒業
1995年 ハードコア・パンク・バンドTONGUEのシングル・レコード発売
1998年 ロサンゼルスにてグループ展に参加
2000年 ミス・デリンジャーのヴォーカルを務める(2011年まで)

現在50歳のエリザベス。
バンドとしての活動が2011年までとなっているので、載せている本人の画像は10年以上前の物かもしれないね?
そして出身校しか記載されていないので、大学でアートを学んでいたのかは不明だよ。
レコード・デビューの方が先みたいだけど、アート作品でのグループ展もほぼ同時期から始まっているみたい。
エリザベスのドキュメンタリー動画があったので載せてみようね。

作品制作と音楽活動の様子が分かる動画だったね。
途中で出てきたライアン・ゴズリングは、かつてのご近所さんで友人なんだって。
有名人が知り合いっていうのは強いよね!
それでは作品を見ていこうか。

エリザベスの作品の特徴は、グロテスクとカワイイが同居した、いわゆる「キモカワ」。
画像は矢で射られ、血の涙を流しているシカちゃんだね。
キラキラしたシカの彫刻といえば、2021年1月に表参道GYREギャラリーで鑑賞した「名和晃平 Oracle」を思い出す。
光り輝くシカは、犠牲となった後、聖なる存在に変化したのではないか、という考察をしたSNAKEPIPE。
今回紹介したエリザベスの作品は、まさに考察を具現化しているように見えてくるよね?

こちらもシカをモチーフにした作品「DeerHeart BlackStag」だよ。
しっかりした角があるので、大人のシカだね。
角の上に、まるで難破した海賊船の帆のようなボロボロの布がみえる。
そして画像では分かり辛いけれど、胸にはシカの心臓が剥き出しになっている。
シチュエーションは分からなくても、黒いシカ、角、布のバランスが素敵で、いつか部屋の壁に飾りたい作品だよね。
もちろん、この作品が似合うのはゴシック様式の家!
まずはその家を用意しないとね。(笑)

この作品のタイトルは「White Beaver」で2016年制作とのこと。 
フワフワの毛並みで、まるでぬいぐるみのような可愛らしさ!
なのに、何故?
ポッカリとお腹に穴が開いているよ。
中にはアフタヌーン・ティー・セットのようなケーキ類が見える。
この作品を見た時に、「家畜人ヤプー」を思い出してしまったよ。
人間を改造してバッグや便器にしてしまうエピソードに近い感じがしたからね。
エリザベスの意図は不明だけど、 グロテスクとカワイイの融合は良く分かるよ!

これも不気味な作品だね。
ネズミのように見える白い動物が大事そうに抱えているのは、人面蛇?
顔の部分が、まるでヒンズー教の神様みたいなんだよね。
キバがあるところが、エリザベス流だけど。(笑)
この人面蛇の顔を、金色の舌で舐めている白い動物。
愛おしいためなのか、食べるためなのか?
鑑賞者が思い思いに物語を作ることができるね。
この作品も非常に気に入ったよ!

ドレスに身を包み、小さなステージに立っているのは、2匹の蚊?
昆虫を着飾らせる作品なんて、今まで見たことないよ。
自称蚊アレルギーのROCKHURRAHは、見たくない作品かも。
エリザベスの特異さを示すために選んでみたんだけどね。
こうした小さなステージを作り、中に不気味なモチーフを登場させる作品も多いみたい。
映画「イレイザーヘッド」に出てくる、ラジエーター内部のステージを思い出してしまうのは、SNAKEPIPEだけかしら?(笑)

エリザベスの作品は販売もされているようで、現在は売れてしまったネコちゃんを紹介してみよう。
痩せたボソボソの毛をした黒猫、とてもカワイイんだけど、、、顔が不気味! 
「キモカワ」の代名詞といった雰囲気の作品だよね。
名前が「Juniper」、ジュニパーというのかな。
販売されていた時のお値段は$450、日本円で約5万円ほど。
ジュニパーも欲しくなってしまったSNAKEPIPEだよ!

エリザベスが2011年まで活動していた、ミス・デリンジャーのMVを載せてみようか。
サイコビリーとゴスロリをミックスしたような服装だけど、音は60年代風のポップスといった雰囲気。
何曲もビデオが残っているので、人気があったバンドだったんだろうね。

音楽とアートの世界で活動をしていたエリザベス・マクグラス、とても面白かったよ!
ハード・コア・パンク・バンドのスタートから、好きなものが一貫している姿に共感が持てたし。
現在はどんな活動をしているんだろう?
パンク精神を忘れずに作品制作を続けて欲しいよね!(笑)

会田誠展「愛国が止まらない」鑑賞

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【ギャラリー入口のポスター】

SNAKEPIPE WROTE:

「まこっちゃんの展覧会行かない?」
長年来の友人Mは、まるで知り合いのように現代アーティストである会田誠を「まこっちゃん」と呼ぶ。
会田誠の展覧会なら是非とも鑑賞したいよ!
会場はどこなんだろう?

調べてみるとミヅマアートギャラリーという、今まで一度も訪れたことがないギャラリーだった。
場所は市ヶ谷だって。
地図で確認すると、今まで何度かウォーキングで通った道沿いじゃないの!
ギャラリーを素通りしていたとは、SNAKEPIPEの嗅覚は全然駄目だね。(笑) 

1時間に12名までの入場制限が実施されているため、早速予約を取る。
気温はそこまで高くないけれど、湿度マックスの蒸し暑い日、友人Mと市ヶ谷で待ち合わせたのである。
駅から徒歩5分程度の距離なのに、ギャラリーに着いた時にはすでに汗だく。
喉も渇いて、危ない状態になっている。
近くにある「肉のハナマサ」で飲み物を購入し、がぶ飲みしてからギャラリーへ。
2人揃って、ここまで暑さにヤラれるのは初めてかも?

受付で予約の確認をされ、会場へ。 
すでに数人が会場で鑑賞中だったよ。
受付の方に撮影の可否を尋ねると、大丈夫とのこと。
早速スマホで撮影を始める。
と、その様子に気付いた他の鑑賞者達も、次々とスマホで撮影を始めるじゃないの!
今まで誰も撮ってなかったのに。
恐らく撮影について誰も確認しなかったんだろうね。(笑)

「これはっ!」 
思わず声が出てしまったのは、この作品を目にした時のこと。
巨大な手と骸骨を思わせる不気味な顔面、そして乱杭歯が恐ろしい立体作品は、日本兵の亡霊だって。
「MONUMENT FOR NOTHING V〜にほんのまつり〜」という2019年の作品だという。
驚いた後から、帽子や兵隊さんのシャツに気付く。
この迫力は、実際に観ないと分からないかもね!
手前には国会議事堂と、なぜかお花。(笑)
会田誠は、政治的なメッセージ性を含む作品も発表するアーティストなので、何か意味があるんだろうな。

日本兵は、ねぷた祭りでお披露目される山車燈籠の技法を参考に制作されたという。
制作過程が受付横に動画再生されていて、苦労の様子を観ることができる。
こうした日本の伝統文化と現代アートの融合は面白いよね!
同様の手法で、制作された他の作品も観たいなあ。
会田誠が何を題材にするのか、とても興味あるよ。

日本兵の周りの壁には、新作シリーズの《梅干し》が展示されていた。
全部で何枚あったんだろう。
数を数えるのを忘れたけれど、こんなに「梅干し」を描き続けるのってすごいよね。
偏執狂的な凄まじさを感じてしまう。
どうして「梅干し」か、という疑問には、ギャラリーのサイトに答えがあったよ。

会田は高橋由一の《豆腐》(1877年)を「日本で最初にして最良の油絵」と公言しており、《梅干し》はそれを念頭に置いて制作された、油絵具による写生画です。
美術家としての会田個人は、今このタイミングで、日本の近代の始まりにもう一度真摯に遡行してみる必要性を感じました。
日本人にのみ偏愛され、外国人に最も理解されにくい日本食の代表でもある梅干しに、会田はアーティストとしての自分も含めた、諸々のものを託したのでしょう。(ミヅマアートギャラリーのサイトより)

高橋由一とは、日本で最初の「洋画家」と言われ、本格的な油絵を描いた最初の人とのこと。
そして文中に出てきた《豆腐》がこの作品なんだよね。
高橋由一は油絵を世に広めるために、身近な素材を描いたという。
美術の教科書で見たことがある「鮭」も、同じ理由で描かれた一枚なんだろうね。
この《豆腐》へのオマージュとして発表された《梅干し》、説明を知らないで鑑賞すると巫山戯ているように感じてしまう。
というよりむしろその「おふざけ」が目的なのかもしれないね?

漬物選手権を観ると、やっぱり「おふざけ」なのかな、と感じるよ。
1位が韓国のキムチ、2位が中国のザーサイ、3位が日本の糠漬けという順位になっている。
SNAKEPIPEだったら、糠漬けを2位にするなあ。(笑)
実家では江戸時代から続く糠床を使った、美味しい糠漬けを食べていたので、スーパーで売ってる物やお店で食べる糠漬けに感動したことはないんだよね。
居酒屋で注文するなら、最初から浅漬けにするし。(笑)
2015年に鑑賞した「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」 に展示されていた「檄」と似た雰囲気の「北東アジア漬物選手権の日本代表にして最下位となった糠漬けからの抗議文」がこれ。
糠漬けの素晴らしさを訴え、審査のやり直しを求める内容になっている。
他に韓国語、中国語、英語のバージョンも展示されていたよ。
思わず「プッ」と吹き出しそうになる作品展示は、いかにも会田誠らしいね。

調べて初めて知ったのは、会田誠がミヅマアートギャラリー所属のアーティストだということ。
アーティストがどこのギャラリーに所属してるかなんて、鑑賞する側には分からないもんね。
画像は2016年にミヅマアートギャラリーで展示された「ランチボックス・ペインティング」シリーズ。
こうした展覧会についても全く知らなかったので、これからミヅマアートギャラリーもチェックだね。
今後の「まこっちゃん」の動向にも注目だよ!