がっちりBUYましょう!vol.3 引越し作業中発掘編

【家ごと引越すとはさすがアメリカ!こんなだったら楽でいいなあ。】

SNAKEPIPE WROTE:

先週ROCKHURRAHが「告知」として書いていたように、現在ROCKHURRAHとSNAKEPIPEは引越し作業に追われているところである。
なんでこんなにあるの!って嫌になるくらいの物であふれ返っている状態。
山積みダンボールに囲まれて、毎日のように大量のゴミを出している。
だったら買わなきゃいいのにね?(笑)
それでも好みの物があるとつい購買意欲が掻き立てられてしまう。
買ったら捨てること、なんて整理整頓の達人の言葉があったけど、なかなかうまくいかないのが人情だよね。
今日はそんな引越し作業中に出てきた「とっておきのお宝」についてご紹介しよう。
「なんでそんなのがお宝なの?」と言われてしまうかもしれないけど、本人にとって大事な物ということで許してね!

まずはSNAKEPIPEの自慢の逸品から。
このビデオテープはSNAKEPIPEが尊敬する映画監督、デヴィッド・リンチに手による歌姫ジュリー・クルーズのミュージックビデオである。
ジュリー・クルーズはツインピークスでもロードハウスで歌ってたね。
このビデオは「インダストリアル・シンフォニーNO.1」というタイトルからしてインダストリアル好きのSNAKEPIPEにはグッと来るんだよね。
NO.1だったから続きがあるのかと期待していたけれど、この1作品だけで終わっていた。(笑)
このビデオの発売が1991年とのことで、今からなんと20年前!!!
ぎゃー、また昔の思い出を語ってるわい。
ということで残念ながら内容については、ジュリー・クルーズが天使のような服装で上から吊り下がって歌ってたことくらいしか覚えていない。
また観たいと思ってもビデオデッキがないし。
ビデオはアメリカのamozonでは手に入るみたいで、中古なら400円程度とのこと。(とほほ)
いや、値段じゃなくてやっぱりファンなら例え観られなくても手放せない作品だよね。
DVDはどうやらイタリア版で手に入るみたいだけど、イタリア字幕じゃ余計に分からないよね。(笑)
日本版は出してくれないのかなあ?
SNAKEPIPEのお宝は1点だけなので、これから先はROCKHURRAHに語ってもらいましょ。

ROCKHURRAH WROTE:

というわけで続きを書くハメになってしまった。先週ネタがない&引越し作業で大忙しという状況で無理して書いたばかりなのに、トホホ。

ROCKHURRAHが引越し作業の中で見つけたのはあまり面白い話題ではないかも知れないけど、古本の類い。珍しいかどうかは退役古本屋のROCKHURRAHにはよくわからないが、自分にとっては有意義なもので充分お宝だと思える。では中から変なところで共通点がある三点をピックアップしてみよう。

怪傑蜃気楼+女戦士セアラ/谷弘児
大谷弘行、陰溝蝿児というペンネームでも知られる漫画家&イラストレーター。70年代〜80年代に月刊ガロ誌を中心に活躍していた。 劇画とアメリカン・コミックのダイナミックなペンタッチ、そして江戸川乱歩の通俗スリラー小説(具体的には明智小五郎シリー ズ)と50年代のB級SF、怪獣映画などの世界が全部一緒くたになった独特のナンセンス世界が素晴らしい傑作だと言える。復刻も出て るようだけど、これは桜井昌一(辰巳ヨシヒロの 兄)が出していた桜井文庫というところからのもの。水木しげる作品を主に出版していたマイナー出版社だが、いかにも昔の貸本といった風情の装丁が これまたノスタルジックだな。

新岩窟王/谷譲次
上の谷弘児と単純に名前が似ているというだけでなく、これまた複数のペンネームを使い分けていたという共通点を持つ器用な人気作家だ。長谷川海太郎という役者のような本名なんだが、牧逸馬の名前で犯罪小説、怪奇実話などを書いていて、林不忘の名前で大ヒット時代劇「丹下左膳」を産み出して、谷譲次名義では「めりけんじゃっぷ」という人気シリーズを持っていた。1920年代の売れっ子作家だったわけだ。「新岩窟王」はデュマの「岩窟王」を下敷きにしながらも、登場人物を日本人にしてよりわかりやすく現代的(あくまでこの当時の現代だが)にした翻案小説だ。何と70年以上昔の小説なんだが、スピーディで言い回しもうまく、今読んでもあまり古臭さは感じない。会話の軽妙さは何となく国枝史郎を思わせるな。この本が現在 珍しいかどうかは不明だが、教養文庫版の初版第1刷で比較的きれいな状態で出てきたのが嬉しい。ヒマが出来たら再読してみるか。

肌色の月/久生十蘭
「新岩窟王」は連載中に谷譲次が亡くなったため、別の作家が引き継いで完結したという作品だが、この「肌色の月」も久生十蘭の遺作であり、結末を(作家ではない)奥さんが代筆した事でファンにとっては有名な作品だ。久生十蘭と言えば昭和初期の大衆文壇きっての名文家であり ROCKHURRAHも大好きな作家(ちなみにフェイバリットは「海豹島」と「魔都」)なんだが、考えた文章を奥さんに清書させるという、いわゆる口述筆記による文体のリズムを重んじた人だ。だから本作は結末になるととたんに十蘭っぽい文章でなくなるとか、色々な評もあるんだが、それでも個人的には心に残る作品で地味だけど好きと言える。涙なくして読めない奥さんのあとがきも必見。これは中公文庫初版のもの。

以上、全然つながってないようで妙な共通項がある作品を偶然選んでしまった。
今回は引越し直前でてんやわんやの時。軽く書きなぐったようなぞんざいな文章で申し訳ない。

SNAKEPIPE WROTE:

ということで今回は二人の共著になってしまったよ。
本当はSNAKEPIPE一人で書く予定だったんだけど、お宝がほとんどなかったので仕方あるまい。(笑)
来週は引越し本番になってしまうためブログはお休み。
また最来週には新居からお届け出来る予定!
無事に引越し完了すればいいな。

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