ビザール・ガーデン選手権!52回戦

20231029 top
【印象的な庭といえば「去年マリエンバートで」だね!】

SNAKEPIPE WROTE:

ROCKHURRAH RECORDS事務所移転のため、2週を空けてのブログ更新になったね。
心配していた荷物の運搬は、ROCKHURRAHの丁寧な梱包とプロの業者のおかげでスムーズに完了!
そこまでは良かったけれど、現在もまだ開梱されていないダンボールが山積みの状態で頭が痛いよ。
新事務所が完全に機能するまでには、まだ時間がかかりそう。

今回は庭をテーマにした記事を書いてみよう。
ROCKHURRAH RECORDSの新事務所は庭付きなんだよね。
生まれてこの方、庭いじりの経験がないので、他人の庭が気になって。(笑)

最初はこちら!
場所や持ち主などの情報が見つからなかったので、画像だけの感想を書いてみよう。
ジッパー好きにはたまらないデザインだよ。
真ん中の池には金魚がいたりして?
前方の木と一直線に配置されているのも面白いね。
こんな庭を考えたのは一体誰なんだろう?
遊び心あるよね!

次もくり抜き型の庭だよ。
これはニュージーランドのクライスト・チャーチにある「フレンチ・キス」という庭園とのこと。
ランドスケープ・デザイナー、Ben Hoyleの作品だって。
とても美しくて癒やされる空間だよね!
クッションを背にして池の中央に座るのはどんな気分だろう。
くるくるした道を進むのは楽しそうだよね!

スコットランド・ダンフリースにある「The Garden of Cosmic Speculation(宇宙を推測する庭)」は、30エーカーという広大な庭だという。
毎年5月3日の半日だけ一般公開される、ランドスケープ・デザイナーであるCharles Jencksの作品とのこと。
なんとジェンクスの自宅だというから驚いちゃうね。
庭は中国の庭園哲学に基づき、現代物理学の原理に触発されたSF映画のようだ、という説明があったよ。
画像を2枚載せてみたけれど、他にも見どころ満載の庭。
5月3日、スコットランドに行くことがあったら、是非足を運びたいね!

最後はこちら!
トンネルのような奥行きを感じる場所に、色鮮やかな花が咲き誇っている。
とても幻想的で好きな雰囲気だよ!
調べてみると、これはロンドンのテムズ川の下にある下水道建設が80%完了したことを記念して作られた庭だという。
「Loo Garden」と呼ばれた庭は、プラスチック製の植物やテムズ川のゴミから作られた花で装飾されているとは驚き!
地下50mまでクレーンで降りないと観ることができない庭は、数日間のみ展示され、すぐに解体されてしまったそうで。
こんなインスタレーションがあったら素敵なのに、残念だよ!

今回の庭特集、スケールが大きくて面白かったね。
個人宅のユニークな庭も探してみたいよ。
そしてROCKHURRAH RECORDSの庭も、少しずつ手を付けていこう。
どんな庭になるのか楽しみだよ!(笑) 

ふたりのイエスタデイ chapter23 /Nina Hagen

20231008 03
【ニナ・ハーゲン・バンドの1stアルバム】

SNAKEPIPE  WROTE:

NHKで放送された「映像の世紀バタフライエフェクト」という番組を録画したまま、ずっと観ていなかったROCKHURRAH RECORDS。
数々のエピソードの連鎖が織り成す歴史的な瞬間を紹介するドキュメンタリー番組なんだよね。
「ベルリンの壁崩壊 宰相メルケルの誕生」を先日やっと鑑賞したよ。
メルケルとは、2005年から2021年までの16年間という長きに渡りドイツの首相だった女性のこと。
ドイツ史上初の女性首相であり、51歳での就任は最年少だったという。
そのメルケルにスポットを当てた番組だったんだよね。
番組の解説を引用させていただこう。

冷戦下の東ドイツ。
抑圧された社会で生きる3人の女性がいた。
見えない将来に絶望していた物理学者のアンゲラ・メルケル。
体制への批判を歌にこめた歌手ニナ・ハーゲン。
デモで自由を訴えた学生のカトリン・ハッテンハウワー。
1989年、政府報道官のひとつの失言から始まったベルリンの壁崩壊は、巨大な嵐を巻き起こし3人の女性の運命を変えていく。
宰相メルケル誕生に秘められた、絶望の中から希望をつかんだ女性たちの物語。

全く予期していなかったニナ・ハーゲンの登場にびっくり!
ニナ・ハーゲンといえば、2009年6月の「個性派女流アーティスト大集合!」や2010年7月の「実物観たよ!80年代ライブ特集」などで書いてきたように、ニナ・ハーゲンの1985年のライブに行っているSNAKEPIPE。
ひゃ〜、今から約40年も前のこととは!(笑)
これまでにも書いてるけど、記憶に残っているのはブラック・ライトに浮かび上がったニナの唇と、レオタードの股間についてたハート(?)みたいな飾りだけ。
それでも貴重なライブ体験をしたことになるんだろうね。
当時、愛聴していたレコードが、トップに載せたアルバムだよ!

YouTubeでアルバム1曲目の「TV-Glotzer (White Punks On Dope)」をかけていると、「それはTubesのカヴァーだね」とROCKHURRAHが言う。
ROCKHURRAHは、ニナ・ハーゲンはほとんど聴いたことがないらしい。
ニナ・ハーゲンの曲だと思っていたのに、元ネタがあったのね!
Tubesってどんなバンドなんだろう?

ジャンルでいうとグラム・ロックになるのかな?
かなり「きわどい」衣装を着け、ロンドンブーツよりも高いヒールを履いて、イメージは「ロッキー・ホラー・ショー」だよね。(笑)
どちらも1975年の作品だから、流行だったのかも?
ニナ・ハーゲン版は1978年に発売されていて、オリジナルを意識しながらもニナ流に歌い上げられていて好きな曲なんだよね!

NHKの番組に話を戻そう。
ニナ・ハーゲンは東ドイツ出身で、1974年に出した「カラーフィルムを忘れたのね(Du hast Den Farbfilm Vergessen)」という曲が大ヒットしたらしい。
19歳だったニナ・ハーゲンが歌うのは「一緒に旅行した彼氏がカラーフィルムを忘れ、記念写真が全て白黒になってしまったことに怒る女性」の気持ち。
ダブル・ミーニングとして「単調で灰色の社会主義東ドイツへの批判」があったという。
サンハウスの「レモンティ」みたいだよね!

女優を目指していたというニナ・ハーゲン、ちょっと演技も入れて可愛らしいね!
発売から約30年経った2003年の調査で、東ドイツの40%の人が歌うことができる曲と判明したとか。
メルケル首相が退任式典で選んだ曲としても有名になったらしい。
「この曲は青春時代のハイライトだった」とコメントしたんだとか。
ドギツイ化粧を施したニナ・ハーゲンのイメージとは違い、国民的な人気がある歌手だったとはね!
NHKの番組で知ることになったことにも驚いちゃうよ。

ニナ・ハーゲンは現在も活動中で、今年のクリスマスにも新曲を発表するらしい。
化粧やド派手なイメージもそのままで嬉しくなるよ。
元気に活動を続けて欲しいね!

ここでお知らせ!
2週間ほど、ROCKHURRAH RECORDS事務所移転に伴い、ブログの更新をお休みする予定だよ。
楽しみにしていてくれる皆様、しばしお待ちください。
移転後にまたお会いしましょう!

SNAKEPIPE MUSEUM #68 Kirsten Stingle

20231001 11
【まるで仏像のような彫刻だね!】

SNAKEPIPE WROTE:

今回のSNAKEPIPE MUSEUMは、Kirsten Stingleという女流彫刻家を特集してみよう。
読み方はキルスティン・スティングルで良いのかな?
コロンビア大学演劇学部を卒業していて2児の母親、というくらいの情報しか確認することができなかったよ。
演劇からどうして彫刻の道を目指すことになったのかなどは不明なんだよね。
作品に興味を持ったから、他に知らなくても良いのかな。(笑)

一番最初に目にしたのがこちらの作品。
特にタイトルがついているわけではないようで、スティングルのサイトには画像Noしか載っていなかったよ。
頭に針(?)を刺した「おどけた」表情の左の女性を見て、笑っているような右の女性。
双生児のようにも見える繋がった体も気になるよね。
秀ちゃん吉ちゃん(孤島の鬼)と思ってしまうよ。(笑)
他の作品を調べてみたいと思ったきっかけになったよ!

「Awakening(覚醒)」と題された作品。
頭に載っているのはサボテン?
口にも痛そうなトゲトゲが入っているよね。
しかめっ面をする女性。
上の作品でも感じたけれど、スティングルの内面を表しているのかもしれないね。
拷問を受けているような苦しい表情、筋がたった首筋などは、直視するのをはばかるほど。
SNAKEPIPEが、自分の内面と重ねて見てしまうのかもしれないなあ。(笑)

年代物の陶器ですよ、と言われたら信じてしまいそうな古めかしい印象の作品だよね。
箱の中に入っているのはサーカスの団員かな。
箱の作品というと、ジョセフ・コーネルを思い出すね。
人形を操っているような手付きの女性はバレリーナ?
オルゴールの音色が似合いそうな雰囲気だよね。
美しさにシュールが加わって、とても好きな作品だよ!

こちらもダブル・イメージの作品なのかな。
本体と内面みたいな区分けと解釈するのは陳腐かもしれない。
手足をもぎ取られ、空を見つめる本体と、無表情な操り人形の組み合わせだから、そう感じてしまうのも無理はないよね。
ところがスティングル御本人の画像を見ると、「私はいつでもハッピー!」といった感じで明るく笑っているんだよね。
こうした内省的な作品を制作するようなタイプには見えないなあ。
人は見かけによらない、のかな。

この作品を観て、合田佐和子の「イトルビ」を思い出したSNAKEPIPE。
こんなブローチがあったら欲しいよ!
「イトルビ」も欲しいと言ってたっけ。(笑)
ブルーが垂れている、フランスの貴族みたいな帽子かぶってる真ん中のがいいなー!
勝手に「ミッシェル」と名前付けたくなるね。
何故ミッシェル?(笑)

「Journey Through Wonderland(不思議の国の旅)」というタイトルはピンとこないけれど、作品はとても素敵だね。
不気味で可愛い、相反するイメージが混ざり合っているよ。
この女性もサーカス団員、もしくはバニーガール?
骨のトナカイに引いてもらって行く先はどこだろう。
この作品から物語を作ってみたくなるね。

頭に刺さっているのはネジ?
キリキリとハンドルを回すと、ネジが少しずつ頭部に埋もれていく。
逆回しにして、ネジを抜いているところかもしれない。
周りに飛んでいるのは蝶なのかな。
この作品からイメージしたのは「ライ麦畑でつかまえて」だよ。
頭の中がお花畑みたいって思ったからね。

スティングルの作品を間近で鑑賞してみたいね。
そこまで小さな作品ではないようなので、細部までじっくり観たいよ。
会場はヴァニラ画廊でお願いします!(笑)