SNAKEPIPE MUSEUM #59 Eva Redamonti

20210221 13
【マス目に区切られた美しい色合いの「wander」】

SNAKEPIPE WROTE:

今回のSNAKEPIPE MUSEUMはEva Redamontiというイラストレーターを紹介しよう。
読み方はエヴァ・レダモンティで良いのかな?
どんな人物なのか、まずは経歴を調べてみよう。 

1995年 コネチカット州生まれ
2015年〜 グループ展に参加
2017年 バークリー音楽大学作曲学士
2021年 ニューヨークのEquity Galleryにて初個展

1995年生まれということは、現在26歳くらいなのか?
バークリー音楽大学は超難関大学らしいので、その大学を卒業したというだけでも輝かしい経歴だよね。
渡辺貞夫やゴタイゴのミッキー吉野も卒業しているみたいだよ。(笑)
エヴァ・レダモンティが作曲の勉強をしていたところに注目してしまう。
絵画は独学なのかもしれないね?
絵画と音楽の二刀流、という器用なアーティスト。
まるで敬愛するデヴィッド・リンチ監督みたいだわ。(笑)
早速作品を紹介していこう。

「Like My Father」は2019年の作品。
「私の父のよう」ってどういうことなんだろうね?
NHKの番組「英雄たちの選択」に出てくる、「心の内に分け入ってみよう」みたいな感じで、脳内の様子が描かれているんだけど。
特に何もないんだよね。(笑)
浮かない表情で、頭の中は空っぽ。
中央辺りに倒れ込むような人物が、助けを求めているように声を上げている様子が描かれている。
色調も控えめなので、精神状態が心配になっちゃうよ。
お父さん共々エヴァも暗かったのかなあ。
インクだけで描かれているモノクロタイプは$1,000、日本円で約105,000円で販売されているけど、この絵をずっと眺めていたら気分が滅入るかも。

上の作品と対になる「Like My Mother」(私の母のよう) も同じく2019年の作品なんだね。
中央にいる人物の目線が上向きなので、こちらの絵には希望の光が感じられるよ。
えっ、単純過ぎ?(笑)
様々な要素が描かれていて、一つ一つに意味が込められているんだろうけど、勝手に想像するしかないんだよね。
この作品は$900、日本円で約95,000円だって。
14 x 11インチということは、横幅約35cmの小さめな作品なんだね。

「If You Don’t See Me Ahead」は直訳にすると「あなたが私を先に見ないのなら」になるのかなあ。
意訳なら「私を一番最初に見つめて」ということになるのか。
骸骨が上から迫ってくる構図といえば歌川国芳の「相馬の古内裏」を思い出すけれど、どことなく雰囲気が似てるよね?
そしてタイトルを作品の中に書いてるところはリンチを思わせる。(笑)
タイトルとモチーフの関連は分からないね。
自分でストーリーを考えるのも面白いかも。
SNAKEPIPEが考えたのは、親子の愛情についてかな。
子供時代に愛情に飢えた経験から、悪夢や幻をみるようになってしまったという物語。
陳腐か?(笑)
この作品も14 x 17インチと小さめ。 
お値段は$450、日本円で約47,000円とはお手頃だよね!

まるでコロナ下の現在を表しているような作品。
タイトルは「Desire」(欲望)とのことだけど、トゲトゲした物体がまるでウイルスのように見えるんだよね。
目から口から鼻から悪い物が入ってくるようで。
どちらにしても「邪悪な存在」として題材にされているんだろうな。
それにしても耳の数、多いよね?(笑)
ここでもまたリンチを思い出すSNAKEPIPE。(笑)
縦が25cmというから、これも小さめの作品だね。
プリントはエヴァのサイトで$40(約4,200円)で入手可能だよ!

縦長の作品は目を引くね。
色合いもキレイだし、エヴァが女性のヌードを描くのも珍しい。
「Hard Pill to Swallow」(飲みにくい薬)も、タイトルとモチーフの関連が不明だね。
女性とか魚が泳いでいる、このカプセル自体がピルなのかも?
一体、誰がこれを飲むんだろうか。
またお話を作ってみようかな。(笑)
エヴァの作品には、ヒモ状のモチーフが描かれることが多いのが気になるんだよね。
へその緒だったり、人との「つながり」や「しがらみ」を表しているのかなと想像する。
SNAKEPIPEの連想なんて、こんな程度さ!

初個展のためにアニメーション作品も制作したようで、YouTubeにアップされている動画を載せてみよう。

アニメーションの音も担当しているようだよ。
「What Happens at Night」(夜に何が起こるの?)というのが個展のタイトルとのこと。
シンプルな線で表現されているせいか、 おどろおどろしい雰囲気ではない。
メッセージ性は感じるけれど、言葉にするのは難しいよ。
これも個人がそれぞれ感じることができれば良いのかな。

平凡で面白みのない田舎町で、一人の時間を過ごすことが多かったというエヴァ。
インタビューによれば、どうやら家庭環境が不健康だったらしく、エヴァ自身も学校ではなく家で勉強していたようで。
その時間が長かったせいで、創造性が身に付いたみたいだよ。
現在はニューヨークのブルックリンに生活と仕事の場を置いているというので、刺激的で面白い光景を毎日楽しんでいるんじゃないかな?
これからの活躍に期待だね!

SNAKEPIPE MUSEUM #58 Fritz Kahn

20210110 12 pg
【フリッツ・カーン「腺の洞窟に入る」1924年】

SNAKEPIPE WROTE:

今回のSNAKEPIPE MUSEUMはフリッツ・カーンを特集してみよう。
たまたまROCKHURRAHが作品を目にして、これはすごい、と教えてもらったのがきっかけである。
初めて知る名前だよ!
少し調べてみようか。 

1888年 ドイツのハレに生まれる
誕生直後、一家はアメリカに移住
その後再びドイツに戻る
1907年 ベルリン大学で医学を学び、州の試験に合格して医学博士号を取得
1914-22年 産科助手として働く
「Die Milchstraße」(天の川)を出版
1922年 図解された5巻シリーズ「Das Leben des Menschen」(人間の生活)を出版し、ベストセラー作家となる
1930年 パレスチナと北極圏への地質探検に出かける
1932年 砂漠を研究するためにサハラ砂漠に旅行
1933年 家族と一緒にパレスチナに移住
1937年 最初の妻と離婚後、2度目の結婚をしてパリに移る
1940年 敵国人としてフランスで抑留されるも、夫婦はスペインとポルトガルに逃げる
1941年 アインシュタインの助けを借りて、米国に移住
1948-50年 ヨーロッパでの生活後、ニューヨークに定住
1960年 スイスに住み、出版を続ける
1968年 スイスのロカルノで死去。

フリッツ・カーンの情報はそれほど多くなかったので、苦労してしまった。
経歴を調べていると、あまりに様々な国名が出てきて驚いちゃうよ。
フリッツ・カーンがユダヤ系ドイツ人だったため、迫害を受け亡命する必要があったことも理由なんだよね。
ここに書いていない国名もまだあるんだけど、主要な部分だけにとどめたよ。(笑)
そしてフリッツ・カーンを一躍有名にしたのが、1922年の図解された科学書「Das Leben des Menschen」(人間の生活)や、1926年に制作された等身大のポスター「Der Mensch als Industriepalast」(工業宮殿の男)だという。
全ての作品の邦題が分からないので、SNAKEPIPEが勝手に訳して使用するのでよろしくね。(笑)
画像がフリッツ・カーンのトレード・マークになったポスターね!
人間の体内を工場に見立てて、どんな働きをしているのか可視化したもの。
非常にユニークで、勉強にもなる一石二鳥の作品だよね。
このポスターを更に発展させ、アニメーションにしたのがHenning Lederer。
2009年の作品だというから、 80年以上の時を経てもフリッツ・カーンの影響力が強いことが分かるね。

とても面白い!
きっとフリッツ・カーンが観たら喜んだだろうね。

「70年で、人間は自分の体重の1,400倍を食べる」。 
上の「工業宮殿の男」と同じ1926年の作品だという。
これだけの量を食しているということをわかりやすく描いているんだけど、かなりシュールな絵だよね。(笑)
この年代といえばドイツではバウハウス真っ盛りじゃないの!
バウハウスの名付け親であるヴァルター・グロピウスやバウハウスの教官だったヘルベルト・バイヤーなどがフリッツ・カーン信奉者だったということを知り、ゾクゾクしちゃうよ。
新しいことを始めようとする人々の交流は当然だったのかもしれないね。
ROCKHURRAH RECORDSが憧れている時代を生きていた先進的な人たちは、どんな会話を楽しんだんだろうなんて想像するだけで嬉しくなっちゃう!(笑)

少し時代が遡って、1924年の作品「Support Structures」。
フリッツ・カーンの作品、と書いているけれど、どうやらフリッツ・カーン自身が描いたものではないらしいんだよね。
アイディアを提供し、フリッツ・カーンの指示に従って、出版社のデザイン部門で作成されたとのこと。
より複雑な画像の場合は、フリーランスの画家、建築家、グラフィックデザイナーに依頼し、独自のスタイルでアイデアを実装したという。
きっと頭の中には絵が完成していたんだろうね。
それを形にしてもらうためには助けが必要だったということだろうから、やっぱりフリッツ・カーンの作品と断言しちゃって良いんだろうね。
人体をテーマにしているだけではなく、シュールレアリズムの作品としての鑑賞も可能!
左右の隅にアルファベットが描かれているところに注目してしまったよ。
教材として活用していたのかな? 

「人間の生活」の第5巻は1931年に出版された。
第1巻が1922年だというから約9年かけてシリーズが完結したことになるね。
これは5巻にある作品で、視覚に関する説明をしているという。
美女として誉れ高い第18王朝エジプト王妃、ネフェルティティの写真を観ているシーン。 
網膜について勉強するための資料のようで、 桿体と錐体の働きを図解しているとのこと。
人体についてほとんど知識がないSNAKEPIPEだけど、「人間の生活」を教科書にして勉強したら知識が身につきそうじゃない?(笑)

「Die Entfaltung der Insektenflügel (The unfolding of insect wings)」(昆虫の翅の展開)は1952年の作品だという。
パラシュートの広がり方と、脱皮後のトンボの羽を比較して見せているんだね。
昆虫についての説明に、落下傘部隊が登場するとは思わなかったよ。(笑)
教材としてだけではなく、ポスターにして飾りたくなる美しい作品だよね!

グロテスクになりがちな体内組織の図だけど、フリッツ・カーンのグラフィックではアート作品になっているよね。
まるでサイケデリック・アートみたいだもん。
2010年1月に記事を書いた「医学と芸術展 MEDICINE AND ART」 に出品されていなかったのか確認すると、残念ながら展示されていなかったみたい。
フリッツ・カーンの作品を観てまっさきに思い浮かんだのが、まさに医学とアートのミクスチャーだったんだけどね。 
フリッツ・カーンの著作を手に入れて、全ての挿絵を鑑賞したくなってしまう。
手に入れることができるのかな、と調べてみるとお手頃価格で販売されていることが判明!
すぐに購入してしまったよ。
到着が楽しみだ。(笑)
 

SNAKEPIPE MUSEUM #57 Kim Joon

20201108  08
【2015年の作品、crash-white day】

SNAKEPIPE WROTE:

「ちょっとこれ見て」
ROCKHURRAHから示されたのは、極彩色の画像だった。
手足がバラバラになって配置されている。
猟奇趣味的な美しさに圧倒される。
これは一体誰の作品なんだろう?

調べてみると「Kim Joon」というアーティストの作品だと分かった。
漢字でどう書くのか分からなかったけれど、読み方は「キム・ジュン」で良いみたいだね。
ここからはキム・ジュンと書いていこう。
サイトに載っている経歴を紹介しようか。
1966年韓国ソウル生まれ。
弘益美術大学絵画学科美術学修士取得。
韓国の大学事情に詳しくないので検索してみると、この大学は韓国を代表する美大のようだね。
日本でいったら藝大みたいな感じかな?
大学卒業後、兵役に就く。
韓国は徴兵制があるため、21ヶ月以上軍隊に入隊することが義務とのこと。
日本の自衛隊とは性質が違うよね。

1994年、初の個展を開催。
この時点で28歳、ということは順当に大学に入り26歳で軍隊に入隊したんだね。
軍隊への入隊は好きな時期に設定できるのかな。
SNAKEPIPEの勝手な想像だけど、軍隊に入るなら強靭な肉体創造のために、なるべく若いうちのほうが良いように思うんだけどね?
20代後半だと訓練がキツくなりそうだし。(笑)
キム・ジュンは初個展以降、年に2,3回のペースでコンスタントに展覧会を開催しているみたい。
現在もソウル在住で、国立公州大学校にて教授職に就いているという。

韓国出身のアーティストについてブログで特集するのは、今回で2回目。
2012年に森美術館で鑑賞した「イ・ブル展~私からあなたへ、私たちだけに~」の感想にも、韓国人アーティストについて詳しくない、と書いているね。(笑)
韓国映画やドラマは観ているけれど、アートに関しては未だに未知の世界かも。
Kポップと呼ばれる音楽の世界でも人気がある韓国なので、きっとアートも盛んなんだろうね。

では初期の作品から紹介していこうか。
1995年の作品「tattoo-guys」。
タトゥーをほどこした男性の腕を切り取って並べたように見える。
これは「ミクストメディア」と「針」を使用した作品とされているよ。
この「ミクストメディア」という表記は、非常に曖昧なので、実際のところ何を材料にしているのか分からないんだよね。
もしかしたら本当に人の皮膚かもしれないわけだ。(笑)
それやっちゃったらシリアル・キラーだけど!
ヘルス・エンジェルスのようなバイク乗りが好みそうなタトゥーだよね。
ドアーズのジム・モリソンもあるよ!

キム・ジュンはタトゥーの意味を社会現象として考察しているという。
タトゥーや刺青は、最近ではファッション的な意味合いが多いけれど、古代から身分や所属などを示す個体識別の手段として用いられてきたもの。
犯罪者を表すための刺青や兵士が血液型を彫る場合もあったという。
禁止と執着の二元論とミッシェル・フーコーが「力と喜びのゲーム」と表現する「強制、威圧、強迫、制約」などを例に、キム・ジュンの刺青を語っている専門家の文章がサイトに載っていたよ。
言ってる意味よく解るよね?(笑)
SNAKEPIPEは、刺青と聞くと単純に「反社会性」という単語が浮かぶ。
日本では未だに刺青禁止の温泉施設が多いしね。
載せた画像は「hell」で1997年の作品ね。
この肉片(に見えるもの)がぎっしりと詰め込まれた作品は、猟奇としか言いようがないよ。
体のどの部位なのか想像するだけで怖いよね。

「kiss-mac」は2007年の作品。 
どういった経緯で、キム・ジュンがデジタル・アートに転向したのか不明なんだけど、ミクストメディアを使用した立体作品から8年後にはパソコンを使った制作を始めている。
顔面全体に刺青が描かれているので、キム・ジュンの考察は続いているんだね。
この2人の顔が、2019年に「つないでみる/ユーモアてん。」で鑑賞した「機械人間オルタ」に似て蝶!
そのため「機械人間が育む愛」のように見えてしまったSNAKEPIPEだよ。

鮮やかな色合いに目が覚めるよね!
「bird land-chrysler」 は2009年の作品だよ。
一体何人の女性が描かれているんだろうね?
左のバスト以外は全身刺青の裸体と赤い腕を見ていると、まるで江戸川乱歩の「盲獣」に出てくる触感芸術の部屋みたいじゃない?
ミクストメディアで肉片を詰め込んだ作品とは、まるで別物になっているよね。

2009年に発表した3Dアニメーションを載せてみたよ。
サイトには2017年の作品があって、本当はそっちのほうが「うねうね」した動きが不気味で良かったんだけどね。
国立公州大学校で教えているのがアニメーションだというので、これを専門にしているのかも?

「drunken-romanee conti」は2011年の作品で、この頃から磁器と人体をモチーフにしたデジタル・アートに取り組んでいるんだよね。
テーマは「記憶、欲望、若さ」だって。
3ds Maxという3次元コンピュータグラフィックス作成用のソフトを使用しているらしい。
ツヤツヤした質感と色合いの美しさで、人体がバラバラになっている残酷さを忘れてしまいそうだね。

「island-alligator」では、ついに刺青ではなくて、全身をワニ革で包んだ女性が登場してるね。
これも何人分の体なのか分からなくなる、人体パーツの組み合わせ。
SNAKEPIPEは、キム・ジュンの立体作品があったら観てみたいよ!
前に書いた人体磁器シリーズも、ワニ革の女体アイランドもね!

キム・ジュンのサイトでは、何故だか2017年までの作品しか載っていなくて、その後の消息もつかめなかった。
展覧会も2016年までの情報しかなかったし、現在はどんな活動をしているのか気になるところだね。
韓国人アーティスト情報も、調べていきたいと思う。 

SNAKEPIPE MUSEUM #56 Charles Sheeler

20200823 08
【1940年、雑誌「フォーチューン」誌に掲載された作品「Fugue」】

SNAKEPIPE WROTE:

好みのアーティストはいないか、と検索を始める。
なかなか自分の求めるタイプは見つからないけれど、ドンピシャの作品やアーティストを発見した瞬間、歓喜する。
まるで宝物を掘り起こした気分なんだよね!(笑)

今回紹介するアーティストも、そんな検索で見つけたのである。
それは写真家であり画家のチャールズ・シーラー
まずは経歴を調べてみよう。

1883年 米国ペンシルベニア州フィラデルフィアに生まれる
1900〜03年 ペンシルベニア博物館工芸学校に通う
その後ペンシルベニア美術アカデミーに参加する
1908年 マクベスギャラリーに作品が展示される
1909年 パリを訪れた後、アメリカに帰国
5ドルでブローニーを購入し、独学で商業写真家となる
1939年 最初の妻と死別してから6年後、2度目の結婚をする
1942〜45年 メトロポリタン美術館の出版局に勤務し、
芸術作品や歴史的建造物を撮影する
1965年 死去

なんと!
写真の教科書に載っていても不思議ではないシーラーのことをシーラーなかったなんて。(プッ)
それにしても「画家では生活できないから商業写真だ!」と、すぐに切り替えるとは先見の明があるよね。
実際には写真でも絵画でもお金を稼ぐことができたようなので、良かったよ。
マルセル・デュシャンと友情を育み、1950年代にはアレン・ギンズバーグとの親交もあったらしい。
1920年代から1930年代にかけて、アメリカでプレシジョニズム(精密派)と呼ばれる絵画様式の第一人者としても名前が出てくるシーラー。
プレシジョニズムとは都市の風景や工場、倉庫、機械などの建造物を題材にして、写実的に描写する特徴を持つという。
この様式については、ものすごく興味があるよ。

検索していて最初に目に入ったのがこの画像。
インダストリアル好きの心を刺激する一枚だよ!
交差した鉄骨の向こうに見える煙突。
SNAKEPIPEが写真撮影に熱中していた頃、目指していたのはこんな風景を撮影することだったからね。
「Criss-Crossed Conveyors, River Rouge Plant, Ford Motor Company(交差コンベア、リバールージュ工場、フォードモーターカンパニー)」は1927年の作品で、フォード・モーター社の依頼により撮影されたようだね。 
近代の工場生産による技術を見せるための商業写真だったようだけど、記録写真というよりはアート作品だと思うよ。
こういう作品に巡り合うと、本当にワクワクしてくるんだよね!(笑)

他の作品も検索してみる。
工場の一部をクローズアップで撮影した作品。
「Ford Plant, River Rouge, Blast Furnace and Dust Catcher(フォード工場、リバールージュ、高炉、ダストキャッチャー)」も1927年の作品なので、撮影経緯は同じだろうね。
2010年11月に「SNAKEPIPE MUSEUM #06 Margaret Bourke-White」で特集したマーガレット・バーク=ホワイトが、雑誌「LIFE」の創刊号で表紙を担当したダムの写真を撮影したのが1936年。
シーラーはバーク=ホワイトより約10年前に、インダストリアルな写真を撮っていたことになるね。 
やっぱり1920年代は憧れだなあ!

分かるーーーっ!
煙突からの煙!
そして円筒に見える、並んだビス!
撮るわ、見たら絶対撮るわっ!
興奮気味のSNAKEPIPEはもうよだれタラタラだよ。(笑)
タイトルは「Industrial Study No.2」で1935年の作品だって。
やっぱりインダストリアルなんだね!
ちなみにこの作品、クリスティーズで$106,250、日本円で約1,120万円で落札されたらしい。
一体どんな部屋に飾られているんだろうね?

建造物を撮影するためなのか、どうしても縦位置が多くなるんだろうね。
SNAKEPIPEも縦位置が得意だったよ。
1952年に撮影された「Meta-Mold, Cedarburg, Wisconsin(メタモールド、シーダーバーグ、ウィスコンシン)」も、恐らく工場関係の写真だと思うけど、まるでパルテノン神殿みたいじゃない?(笑)  
表現が大げさか。
デヴィッド・リンチも似た雰囲気の写真を撮っていたことを思い出すね。
きっとリンチもシーラー好きだろうと想像する。
2人とも写真も撮れば絵も描くところも共通してるしね。

「Self-Portrait」と題された1923年の作品。
紙にクレヨン、ガッシュ、鉛筆で描かれているという。
この時、シーラーは40歳くらいかな?
後方に上半身がなんとなく見えているけれど、これがシーラー本人ということなんだろうね。
手前の電話機(?)がメインに見えてしまうので、最初はこれを擬人化してセルフポートレートと言ってるのかと勘違いしたのはSNAKEPIPEだけ?(笑)
自画像と呼ぶには、一風変わった趣向だよね。

「American Landscape」は1930年の作品。
これは油絵なんだよね。
これぞまさにプレシジョニズムといったところなのかな。
工場を描いているのにタイトルが「アメリカの風景」というところがポイント。
シーラーにとって見慣れた風景であり、恐らく対岸からの眺めを好んでいただろうと予想する。
SNAKEPIPEも同じ場所に立ったら、佇んで煙の行方を追うだろうな。(笑)

直線と影がくっきりして、まるでイラストのようじゃない?
「Cat-walk」は1947年の作品だって。
工場のクローズアップを絵画で表現している油絵なんだよね。
大きさは24 x 20 in. (61 x 50.8 cm)というから、そこまで大型ではないよね。
これにはかなりグッと来たSNAKEPIPE。
SNAKEPIPE MUSEUMに是非所蔵したいよ!
ちなみにクリスティーズのオークションで$1,332,500、日本円で約1億4,100万円だって。
それは残念。
いいな、と思ったら億超えかー!(本気で買うつもりか?)

チャールズ・シーラーを知ることができて本当に嬉しい。
「今頃知るなんて、本当に写真の勉強してたの?」と呆れ顔の方もいるかもしれないけどね!
日本での個展などは開催されていないみたい。
川村記念美術館あたりで大回顧展やってくれないかな。
没後55年ってことでどうだろう?