SNAKEPIPE MUSEUM #06 Margaret Bourke-White

【巨大なコンクリートの建造物。フォート・ペック・ダムだって。カッコいい!】

SNAKEPIPE WROTE:

フォトジャーナリスト、と聞いてまず初めに思い浮かべるのは誰だろう。
ロバート・キャパユージン・スミスセバスチャン・サルガドとか?
日本人だったら沢田教一桃井和馬、雑賀辰巳(SPEED GRAPHER!)もしくは現在流行りの(?)戦場カメラマン・渡部陽一あたりか。
例外はいるけれど、有名なのはほとんどが1970年より前に活躍したカメラマンだろうね。
今回、具体的に取り上げたいと思うのは1930年代から1950年代までにフォトジャーナリズムの世界で評価が高かった人物についてである。

百聞は一見にしかず、の言葉通りに一枚の写真が力を発揮した時代。
テレビも、ましてやインターネットなんて存在しなかった頃に画像の魅力は計り知れなかったに違いない。
1936年にアメリカで創刊された写真を中心にした雑誌「LIFE」はその象徴的な存在と言えるだろう。
「LIFE」紙面を飾った錚々たるカメラマンはほぼ全員が男性。
ま、カメラ’マン’だし。(笑)
フォトジャーナリストって世界中を飛び回り、危険な場所で目を覆いたくなるような悲惨な状況などを写真におさめる職業というイメージだよね?
まさに「男の世界」って感じ。
ところがそんな「男の世界」で大活躍した女性がいたからたまげちゃうよね!

随分前のことだからタイトルは失念してしまったけれど、恐らく「ライフ」に掲載された写真を集めたような写真集を観ていたんだと思う。
ドキュメンタリー要素が強い写真群に混ざって、インダストリアルで構成美を感じる写真がある。
「これ、いい!」「これも好き!」
と思って作者の名前を確認すると必ずMargaret Bourke-Whiteと書いてある。
マーガレット?えっ、女性?
いやあ、まさかこんな男性的な写真を女性が撮るなんてことはないよね。
と思っていたのに、本当に作者は女性だったのである。

上の写真を撮影したのがマーガレット・バーク=ホワイト女史。
「ライフ」の創刊号表紙を飾った写真である。
マーガレット・バーク=ホワイトは1904年ニューヨーク生まれ。
紹介文を読んでいると「the first female」という言葉がズラリと並ぶ。
「女性初」の「ライフ」写真家、「女性初」の従軍記者、「女性初」の戦場写真家、そして「世界初」ソ連の工場写真を撮った人物、という次第。
なんたって20世紀初頭に「男の世界」へ行ったパイオニアだもんね!
ちょっと前に「ガテン系」に行く女性が話題になったことがあったけど、もっとずっと前にやっちゃってたんだね、マーガレット!(笑)

どうやらマーガレット女史は初めから写真に夢中だったようで。
写真を勉強したいがために大学をいくつも渡り歩いたらしい。
ものすごい情熱家だよね!
最初は商業写真の世界に入ったようなんだけど、その時のお得意様が製鉄会社。
おお!鉄!スティール!インダストリアルーーー!(笑)
それを知って大きくうなずいてしまう。
だってマーガレット女史の写真には無機質な物が多いから。
だからSNAKEPIPEの好みなんだなあ、と納得。

いろいろ写真観てたら、なんと戦闘機と共に写っているマーガレット女史を発見!
左の写真1943年、第二次世界大戦中に撮影されたセルフポートレイトらしい。
(多分)B-3の上下を着込んで、左手にはゴーグル付きの飛行帽、右手には大型カメラを持っている。
40年代に兵士じゃないのに女性がミリタリーファッションを着てたなんて、更にびっくり!
きっと飛行機に乗って写真撮りまくってたんだろうな。
くーっ、やってくれるね、マーガレットったら!
写真家としても素敵だけど、ミリタリーファッションの着こなしまでお見事。
しかも女優か、というようなルックスだし!
益々憧れちゃうよね!
ワンピース」のルフィが「すっげえ!」と言いながら目をキラキラさせてる、あんな状態のSNAKEPIPEなのである。(笑)

マーガレット女史はカッコいい写真いっぱい撮ってるんだよね~。
コレクションできるなら、きっと何枚も購入しちゃうな!
とは言っても、マーガレット女史の全ての写真を購入したいというわけではない。
やっぱり前述したように、無機質でインダストリアルな構成美を誇る作品がお目当て!

今後もジャーナリズム寄りの作家について書くことがあるかもしれないけれど、SNAKEPIPEはジャーナリズムの是非や倫理、ましてやテロリズムや戦争そのものについて言及したいわけではないことを付け加えさせて頂く。
あくまでも作家の作品について書きたいだけだからね!

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