インポッシブル・アーキテクチャー 鑑賞

20190310 top
【冷たい雨を感じながら看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

埼玉県立近代美術館で2019年3月24日まで開催されている「インポッシブル・アーキテクチャー」展を鑑賞した。
なぜだかこの美術館に行こうと提案してくれるのは、いつもROCKHURRAH。
もしかして埼玉好きなのか?(笑)
ROCKHURRAHは、SNAKEPIPEの誕生祝いとして美術館行きを計画してくれたんだね!
もう誕生日のプレゼントはもらっていたのに、展覧会鑑賞まで考えていてくれたとは。
ありがとう、ROCKHURRAH!(笑)
そして鳥飼先生もお誕生日おめでとうございます。

この美術館に行くのは2017年の3月以来のこと。
おや、どうやらROCKHURRAH RECORDSが埼玉に出向くのは春先ばかりだね。
この日はかなり気温が低い冷たい雨が降り続く日だった。
北浦和では天候に恵まれないのもいつものパターン。
しかもランチは必ずイタリアン!(笑)
今回はパスタじゃなくてピザにした点が、前回とは違ってたけどね!
おいしいピザ、ごちそうさまでした。(ROCKHURRAHへ)

タイトルにある「インポッシブル・アーキテクチャー」とはどういう意味なんだろう?

建築の歴史を振り返ると、完成に至らなかった素晴らしい構想や、あえて提案に留めた刺激的なアイディアが数多く存在しています。
アンビルト/未完の建築の不可能性に焦点をあてることによって、逆説的にも建築における極限の可能性や豊穣な潜在力が浮かび上がってくる-それこそが、この展覧会のねらいです。
(MOMASの説明文より抜粋と少し改変)

この説明だけを読む限りでは、2011年に森美術館で鑑賞した「メタボリズムの未来都市展」に近い感じかな?
会場の様子がわかる動画を載せてみようか。 

会場を一通り滑るように見せてくれてる動画だけど、ちょっと素っ気ないと思ってしまうね。(笑)
音楽もなければ、興味をもたせるような工夫もなし。
「ありのまま」で良いとも言えるけど?

雨だからお客さんが少ないかもね、と言い合いながら会場に入る。
チケットもぎりの場所には「撮影禁止」の看板があった。
なんてこった!
最近の展覧会は撮影オッケーで、できればネットに写真をアップして宣伝して欲しいという場所が多いのに。
アンビルドの建築なので、なおさらのこと撮影させて欲しかったなあ。
何故ダメだったのか理由を知りたくなるよ。
前回鑑賞した「カッサンドル展」も撮影禁止だったね。
そのためブログに載せている画像は自分で撮影したものじゃないんだよ。
大きく失望しながらも、すぐ目に飛び込んできたのがウラジミール・タトリンの「第三インターナショナル記念塔」(1919年)の模型だった。
これがなんともカッコ良い!(笑)
画像はタトリンが描いたスケッチなんだよね。
ロシア語ってどうしてこんなにデザイン的なんだろうか。
紙の色が変色のせいなのか元々こんな色なのか不明だけど、バウハウスを彷彿させるベージュと黒と赤の3色が素晴らしい!
このポスターがあったら欲しかったよ。

この「第三インターナショナル記念塔」は建築可能な設計だったようだけど、実際には完成されなかったもの。
これを「もし実際に建築されていたなら」という視点でCGを使った映像作品を会場で鑑賞した。
YouTubeに30秒ほどの映像を見つけたので載せておこう。

会場で観たのは3分を超える長い映像で、実在する建築物を見ているようだったよ。
このCGは長倉威彦の作品ね。
すごく面白かったので、全編観られると良いのになあ!
YouTubeで調べていたら別の人が同じコンセプトで制作している映像があったので、それも載せちゃおう。
今回の展覧会とは関係ないけどね。 

実際の映像を混ぜて作っているところは長倉威彦と同様だけど、後半になるに従ってちょっとギクシャクしたチープな動きの飛行物体や船が登場するあたりが良いね!(笑)
世界中の人が「リアルな第三インターナショナル記念塔を見たかった!」と望んでいることがよく分かるよね。
ほんとに、もし現実に記念塔が存在していたらSNAKEPIPEも見たかったな!

日本人の作品も多く展示されていたけれど、気になったのは川喜田煉七郎! 
モホリ=ナギの「von material zu architektur 1929」(邦題「材料から建築へ」)の翻訳をした人で、国際的に知られた日本人建築家として最初の人だという。
画像は音楽堂ホール計画案「霊楽堂」(1926年頃)の内部ドローイング。
絵もうまいんだよね。(笑)
今まで知らなかった川喜田煉七郎、ROCKHURRAH RECORDSの好みだよ!
「建築工芸アイシーオール(I SEE ALL)」という雑誌を創刊するなど、教育にも力を入れていたという。
その雑誌、読んでみたかったな。

ヤーコフ・チェルニホフの「建築ファンタジー 101のカラー・コンポジション」(1933年)も良かったね。 
建築としても面白かったし、色彩が美しかったよ。
どうしてこういう作品をミュージアム・ショップで扱わないのか不思議でならないよ。
せめてポストカードにでもなってたら買うのにな。
撮影を禁止するなら、ショップに頑張ってもらわないと。
県立の美術館の場合は図録くらいしか扱わないのかな。

今回の展覧会のポスターになっていた作品がこれ。
マーク・フォスターゲージのCG作品「グッゲンハイム美術館」ね。
まるで動物や人が強い熱で溶かされて、どこからどこまでが個体なのか分からないまま、建物に取り込まれてしまったような不思議な形状。
ちょっと不気味な印象を受けたよ。
実在したら怖いもの見たさで行ってみたい、と思ったかもしれないね?

後日、散歩していたらまるでマーク・フォスターゲージかと思ってしまう木を発見! 
かなり不格好に枝が折れて(切れた?)ゴツゴツした状態が「グッゲンハイム美術館」に似て蝶。(笑)
ROCKHURRAHが発見し、「ほんとだ、似てる!」と興奮気味に写真を取るSNAKEPIPE。
展覧会に行って色んな作品を観ると、道端にもアート作品「もどき」を見出したりして面白いよね!

先にも書いた2011年に鑑賞した「メタボリズムの未来都市展」でも展示されていた菊竹清訓の海上都市(1963年)。
予想していた通り、1960年代の日本人建築家の作品は「メタボ〜」とかぶっていることが多かったね。
説明文に「日本住宅公団の初代総裁である加納久朗が、1958年に『東京湾埋立による新東京建設提案』を提唱したことから海上都市の構想が始まった」とある。
この発言により、名だたる建築家達が海上都市の提案をしたんだね。
「房総半島を核爆弾で爆破して埋め立てる」という加納久朗の提唱に、SNAKEPIPEとROCKHURRAHは目を見張ってしまった!
その地域に住む人のことは考えてなかったんだろうか?
今だったら人道的にも環境的にも決して発言すら許されないだろうね。
それなのに加納久朗、1962年に千葉県知事になってるみたい。
在任110日で急逝とも書いてあるよ!
これにも驚いちゃうね。

建築物を撮影するのが好きだったSNAKEPIPEだけど、ただ単に「カッコ良い!」とか「好き」という感覚的に捉えるレベル。
現代アートを鑑賞する時と同じで、勉強したことも知識もないので、建築不可能なのかどうかも実は分からない。
2014年にアツコバルーで鑑賞した「野又穫 展」を思い出したよ。
野又穫の絵にも、実在したらどんなにカッコ良いだろうと思う建築物が描かれていて、ワクワクしたからね!

今回の展示物でSNAKEPIPEとROCKHURRAHが反応したのは、やっぱり1920年代や30年代近辺の作品だったよ。
シュルレアリスムやバウハウス、ロシア構成主義といった大好きなジャンルはこの時代だからね。
返す返すも、撮影禁止が無念でならない。
図録を売るためだったのかもしれないけど、2,900円はちと高い!
面白い企画を立てる埼玉県立近代美術館なのに、サービス精神には欠けているみたい。
せっかく良い美術館なのに、残念だ。

2 Comments

  1. 鳥飼否宇

    あ、ありがとうございます。SNAKEPIPEさんもお誕生日だったのですね。いい一年にしてください。
    それにしても、おふたりともデザインや建築まで興味が幅広いですね。只管感心するばかりです。

  2. SNAKEPIPE

    鳥飼先生、コメント頂きありがとうございます。
    拙い感想を書いている当ブログにお付き合い頂き、感謝しております。

    ROCKHURRAHとSNAKEPIPEが面白いと感じるままを書き綴っているだけですので、興味の幅が広いなんてお褒め頂くのは恐縮です。(笑)

    これからもどうぞよろしくお願いいたします!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です