佐藤可士和展 鑑賞

20210328 top
【毎度お馴染みの構図で看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

「すごく有名な人なんだよ。知らないの?」
長年来の友人Mの発言である。
現在、国立新美術館で開催されている佐藤可士和展についての会話なんだよね。
SNAKEPIPEは佐藤可士和という人物を全く知らなくて。 
せっかくなので、経歴を調べてみようか。 

1965年 東京生まれ
1989年 多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン科卒業後、博報堂に入社
2000年 独立し、株式会社サムライ設立
2007年〜 明治大学客員教授
2008年〜 多摩美術大学客員教授

博報堂に入社して独立とは、エリート中のエリート!
ROCKHURRAH RECORDSではグラフィックやタイポグラフィに関する記事を書いてきているつもりだったけれど、佐藤可士和は全く知らなかったよ。(笑)

気温が上昇し、初夏の陽気になるという快晴の日、六本木に向かう。
なんとこの日、SNAKEPIPEに珍しく待ち合わせに遅刻してしまったんだよね!
1時間勘違いしていたことが原因なんだけど、友人Mはショップ巡りをして優雅な時間を過ごしていてくれたので良かった。
もちろんランチをご馳走して、お詫びしましたとも。(笑)
桜が満開で、とてもキレイ!
会場である国立新美術館を撮影してみたよ。 

国立新美術館は、コロナ対策のため予約制が原則とのこと。
事前に友人Mが手配してくれたので、距離をとって列に並ぶ。
入場を待っている客層は、全体的に若いよ。
SNAKEPIPEが命名した「国立系(高齢者のアート好き)」とは 違うことに気付く。

いよいよ入場となる。
人数をカウントしている係員の指示に従って入ったけれど、会場入口から密な状態になっていた。
今回の展示は、ほとんど全て撮影オッケー。
そのためスマホを片手にしたお客さんが立ち止まるんだよね。
佐藤可士和が手がけたパルコの広告(2000年)がこれ。
今年の1月に鑑賞した石岡瑛子展で目にした石岡瑛子版を彷彿させる作品だよね。

佐藤可士和が手がけたロゴマークの一部。
セブンアンドアイ、ツタヤ、ユニクロ、そして会場となっている国立新美術館もあったよ。
これらのロゴは1mくらいの大きさで、壁にかけられていたんだよね。
そんなに大きくしなくても。(笑)
あまりに有名過ぎて、撮影することに躊躇してしまうほど。

その他のロゴが一覧になっている。
どこかで目にしたことがあるロゴもありそうだけど、企業名と一緒に展示していないので、謎のロゴも見受けられるよ。
四角4つが横並びとか、横棒2本は、どんな会社なんだろう?
正解は、会場でもらったマップに記されているよ。
見ただけで全問正解の方はいるかな?(笑)

セブンイレブン商品のパッケージ・デザインもやっているんだね。
佐藤可士和の名前を知ったのも初めてだけれど、「クリエイティブ・ディレクター」という肩書も初耳だよ。
コンセプトを開発し、アイデアを具現化するための指針を決定する責務を担い、各分野の専門スタッフを指揮する中心的な立場の人物(wikipediaより)を指すという。
トータルプロデュースする人、という理解で良いのかな。

順路に従い歩いていくと、大きなパンダを発見!
これは「佐藤可士和展オリジナル お買いものパンダ」だって。
かわいいものには目がない、10代くらいの4人組女子が、かわるがわるパンダと一緒に撮影している。
時間がかかりそうだから、次に行こうとすると
「写真撮りたい」
と4人組女子が立ち去るまで待つという友人M。
そうだった!
友人Mが大のパンダ好きだったことを失念していた!(この記事参照)
女子達を待っていると
「撮影お願いしても良いですか」
と声をかけられてしまった!
SNAKEPIPEが快く応じ、パンダと女子4人をパチリ。
喜んでもらって良かった。(笑)
友人Mも思い切りパンダの撮影ができて良かったね。

展覧会のポスターになっている作品「LINES」。
上のパンダが着ているTシャツも赤白青のボーダーだよね。
このボーダーの太さが変化したり、格子状になったりして様々なパターンがあったよ。
この作品はムービーだったけれど、動画撮影は禁止されていたので画像で記録したよ。

「LINES」が有田焼になって展示されていた。
とても美しくて、販売されていたら欲しかったなあ!
きっとかなりの高額になるだろうけど。(笑)
飾皿としても良いけど、実際に使用するお皿だったら素敵だよね。
一体どんな料理を盛り付ければ良いのか考え中!(うそ)

現代の日本を代表する企業名が揃い踏み!
今まで目にしていたロゴ・デザインが、佐藤可士和の手によるものだったと知り驚く。
現代日本の消費を促す立役者、ということになるのかな。
客層が若いのも納得だよ。
確かに友人Mの言う通り「有名な人」だね。(笑)

対峙する眼/2021年宇宙の旅 鑑賞

20210307 09【岡本太郎記念館の入り口を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

3月6日は我らが鳥飼否宇先生のお誕生日!
鳥飼先生、おめでとうございます!
SNAKEPIPEも先日、誕生日を迎えましたよ。(笑)

月に一度は、長年来の友人Mと約束をして、何かしらの展覧会を一緒に回っている。
今回はどこに行こうかと相談したところ、
岡本太郎記念館に行きたい」
という提案があった。
岡本太郎の展覧会といえば、2011年に東京国立近代美術館で開催された「生誕100年 岡本太郎展」で感動したことを思い出す。
今から10年も前のことだったとは、月日が経つのは早いものよ。
青山にある記念館のカフェに行ったことはあるけれど、内部は初体験なんだよね!
せっかくなので、表参道のジャイルギャラリーも観ることにする。

夕方からは雨になるけれど、気温は高いという予報の日、ジャイル前で待ち合わせる。
気温が高いは嘘でしょ、というくらいの寒さ。
友人Mも服装を失敗した、と嘆いている。
建物に入れば寒さがしのげるよ、とジャイルに入ろうとすると
「OPEN 11:00」
の看板が出ていて、ドアが閉ざされている。
10時からのオープンだとばかり思っていたのに、勘違いだったか?
岡本太郎記念館を先に鑑賞することに決め、少し早足で歩いて向かうことに。
こちらは10時開館だったからね!

岡本太郎の伝記ドラマ「TAROの塔」を見ているSNAKEPIPEは、アトリエの様子などをある程度は知っていた。
実際に岡本太郎が活動していた場所に足を踏み入れることができるなんて、嬉しい限り!
ドアを開けるとチケット売り場があり、その後方にはグッズが並んでいる。
靴を脱いでスリッパに履き替え、入館する。
そうだよね、ここは岡本太郎の家なんだもんね。

2階の会場へ階段で上る。
まず目に飛び込んできたのは、「太陽の塔」の縮小版彫刻。
そして少し照明を落とした会場に並んでいたのは、「対峙する眼」という展覧会名通り「眼」をモチーフにした作品群だった。
載せた画像は「顔の花」。
まるでメラメラと燃える炎のように見えるけど、花だったんだね。
どの作品も勢いがあって、一目で「岡本太郎だ」と分かるインパクトの強さだよ。

会場の中央に置かれていた作品「愛」。
とても抽象的だけれど、男性(左)と女性(右)だと分かるね。
岡本太郎の顔がない作品をあまり見たことがないような?
それでも特徴的な曲線で、やっぱり岡本太郎だなと気付く。
エネルギッシュな作品が多い中、この「愛」という作品には穏やかな眼差しを感じたSNAKEPIPE。
静と動でいうと、静なんだよね。
岡本太郎の別の側面を見た気がしたよ。

かわいい立体作品群に目が釘付け!
「ひゃーかわいい!」
友人Mと叫んでしまう。
ユーモラスな表情を見て、思わず笑顔になる。
「午後の日」と題された頬杖をついた右奥の作品は、ミュージアム・ショップでペンダント・ヘッドとして販売されていたんだよね。
本気で購入を考えてしまうほど、気に入ってしまった!
ただしシルバー製なので、お値段約3万円ほど。
もう少しお値打ちだったらなあ!
作品の下に敷かれている布も素敵なんだよね。
スカーフにしたいくらい。

1階に戻り、別の会場に入る。
「ギャッ、びっくりした!」
まさか岡本太郎自身がお出迎えしてくれるとは思っていなかったので、非常に驚いてしまったよ。(笑)
庭に面した明るい部屋には、所狭しと岡本太郎の手によるありとあらゆる物があふれていた。
どれか一つ欲しいと思ってしまうよ。(笑)
こんな部屋で庭を眺めながらお茶を飲んだら、リラックスできるだろうね。

ミュージアム・ショップで散々迷った末、友人Mとお揃いでキー・カバーを購入。
これは「太陽の塔」の顔が裏と表になっているタイプで、とてもかわいい!
玄関の出入りの度にご対面できるのは嬉しいね。(笑)
最後に庭を散策してみる。
大きなバナナの木に負けないくらいの存在感を示す彫刻が、あちらこちらに点在している。
植物の影に隠れているのを見つけるのが楽しい!(笑)
ここにもいるよ、などと声を掛け合いながら作品を鑑賞する。
作品数はそんなに多くなかったけれど、建物内部に入っただけでも貴重な体験だったよ。
今度はまたカフェでお茶も良いな!

ランチ後、再び表参道ジャイルに戻る。
友人Mと約束すると、長い時間歩くことが多いんだよね。
デスクワークのSNAKEPIPEには、良い運動かも。(笑)
今回のジャイルギャラリーは「2021年宇宙の旅 モノリス_ウイルスとしての記憶、そしてニュー・ダーク・エイジの彼方へ」という非常に長いタイトルの展覧会を開催中。
企画はリンチアン(デヴィッド・リンチ愛好家)の飯田高誉さんなので、期待してしまうよ!

タイトルを見て分かる通り、今回の展覧会はキューブリック監督の「2001年宇宙の旅(原題:2001: A Space Odyssey 1968年)」を意識した展覧会なんだよね。
入り口入ってすぐの左手には、ドーンとモノリスが!
もし触ったら、何か変化が起きたのかも?(笑)
展覧会のサイトには、飯田高誉さんが難解な文章で、展覧会の趣旨について説明しているよ。
「人類の膨大な記憶を蓄えた装置」がモノリスだって。
つまりアカシックレコードってことなのかな。

続いてはアニッシュ・カプーア の「Syphone Mirror Kuro」。
このアーティストについては、2008年の「ターナー賞の歩み展」で、感想を書いているSNAKEPIPE。
作品の前に立った時、吸い込まれそうな不思議な感覚になったんだよね!
そして鳥飼否宇先生の「中空」について感想を書いた時、その作品の画像を載せたことがあったっけ。
今回は日本の漆を使った作品だったんだよね。
以前鑑賞した時とは違って、漆の光沢のせいで自分や後方の景色が映ってしまい、幻惑させられることがなかった。
「ターナー賞」の時みたいな感覚に陥らなかったのが、非常に残念だよ!

森万里子の作品「トランスサークル」は、淡い光の色合いがとても美しかった。
時間の経過で色が変化していく。
たまに全く光を発してないこともあるので、写真を撮るタイミングに注意が必要だよ!
縄文と太陽系惑星群の運行や輪廻転生などの説明がされている作品だけれど、そうしたことを理解しなくても、印象に残る作品だね。
森万里子はあの森ビル創設者を祖父に持つ、森一族のお嬢様なので、その出自が羨ましいと友人Mと話す。
お金には全く苦労しないアーティストだろうと想像できるからね!

2019年12月の「未来と芸術展」で印象的だったのは、火星に移住するためのシミュレーション動画だった。
中でも3Dプリンターを使って、住居を組み立てるシーンは、観ているだけでワクワクしてしまったSNAKEPIPE。
3Dプリンターが欲しくなっちゃたもんね。(笑)
ネリ・オックスマンの作品「流離う者たち」も、地球以外の惑星で生活するための人工臓器を3Dプリンターで作成するシミュレーション動画だった。
なんでも作れちゃうんだね!
そしてこのネリ・オックスマンという方の経歴がすごい。
イスラエル出身の女性で、ヘブライ大学医学部、イスラエル工科大学建築学科、英国建築協会付属建築学校、マサチューセッツ工科大学で博士号取得、同大学で准教授として勤務、現在はメディアラボで研究を続けながらアーティスト活動をしているというスーパー・ウーマン!
医学と建築とアートを結びつけることができるんだもんね。
違う作品も観てみたいよ。

プロトエイリアン・プロジェクトの「FORMATA」という作品。
エイリアンを作ってみよう、という企画なんだって。
地球外生命体と聞くと、UFOに乗った宇宙人を作るのかと想像してしまうけれど、それは違うんだよね。(当たり前か)
水や酸素がない実験装置の中で、液状物質の状態変化の観察と考察がテーマらしい。
こうした試みをアートとして発表するのが最近の流行なのかな?
2020年7月に鑑賞した「ヒストポリス」も、飯田高誉さん監修で、似た雰囲気の展覧会だったもんね。
今回もやや観念的な展覧会だったけれど、鑑賞できて良かったと思う。
次はどんな企画なのか、楽しみだよ!

石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか 鑑賞

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【東京都現代美術館とgggの正面を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

東京都現代美術館で開催されている石岡瑛子の「血が、汗が、涙がデザインできるか は、以前より長年来の友人Mと話題にのぼっていた展覧会だった。
別会場で同じアーティストを特集するのが最近の流行なのか、ギンザ・グラフィック・ギャラリーでも「石岡瑛子 グラフィックデザインはサバイブできるか」も開催されているんだよね。
せっかくだから両方鑑賞して、その日を「A子デー」にしようと目論む。
まずは東京都現代美術館から行くことにする。

当日は晴れていたけれど、とても風が強く寒い日だった。
駅から歩いて美術館に向かったSNAKEPIPEだけれど、友人Mは寒さのためタクシーを使ったらしい。
なんともリッチですな。
そしてSNAKEPIPEの分まで足用ホカロンを準備してくれるとは、ありがたや~!(笑)
石岡瑛子展は昨年11月から始まっているはずだけれど、会場には意外と多くのお客さんがいたよ。
会場内は一切撮影禁止!
森美術館などは動画も含めてオッケーなのに、非常に残念だよね。 
東京都現代美術館の次に向かった会場である、ギンザ・グラフィック・ギャラリー(通称ggg)で撮影した画像を使って紹介していこう!

まずは石岡瑛子の年表を書いておこうか。

1938年 東京に生まれる
1961年 東京芸術大学美術学部卒業後、資生堂入社
1970年 独立し、パルコや角川書店の広告を担当する
1980年 ニューヨークに拠点を移す
1983年 「石岡瑛子風姿花伝EIKO by EIKO」を出版
1987年 マイルス・デイヴィス『TUTU』のジャケットデザインでグラミー賞受賞
1993年 フランシス・コッポラ「ドラキュラ」でアカデミー賞衣装デザイン賞受賞
2000年 ターセム・シン「ザ・セル」で衣装デザインを担当する。
その後、ターセム・シンの作品3本にも衣装デザインとして参加する
2002年 紫綬褒章を受ける
2012年 死去。享年73歳

駆け足で書いてみたけれど、石岡瑛子の偉業はこんなに簡単には語り尽くせないよ。
資生堂の宣伝部に所属する時に「男性と同じ仕事と待遇」を希望したというエピソードから、エネルギッシュな石岡瑛子が良く分かる。
世間をあっと言わせた仕事が前田美波里を起用したポスターで、力強い女性像を打ち出したというのが、石岡瑛子自身を象徴していたように感じる。
載せた画像はパルコの広告で、「あゝ、荒野」。
写真は藤原新也なんだよね。
アートディレクターとして強いメッセージ性のある広告作りをする石岡瑛子像が見えてくる。

かつて目にしていたであろうポスターの数々が展示されている。
沢田研二との仕事が多かったのかもしれないね。
パルコのポスター以外にも沢田研二の写真集や、日本未公開の映画「Mishima」 での美術監督、そしてザ・タイガースのレコード・ジャケットにも携わっていたようで。
石岡瑛子がポスター制作の時、仕上がった原稿に赤文字で修正箇所を指示している展示に目が釘付けになる。
モデルの目に力がない、顔の輪郭がぼやけているからシャープにするように、フォントを大きく、などの細かい指示内容が書かれているんだよね。
プロフェッショナルな仕事を垣間見た気がするよ。
グラフィックを目指す人じゃなくても、勉強になる展示なんじゃないかな。

会場にはずっと石岡瑛子の声が流れていたんだよね。
仕事をする上での信念だったり、デザインの世界で生きていくためには何が必要か、みたいな話をしていたよ。
gggではその言葉を切り取って展示していたので、撮影してみたよ。
・Timeless(時代にとらわれず)
・Originality (真似ではない)
・Revolutionary(革新的な作品作り)
この3つの言葉をマントラのように唱えていたという石岡瑛子。
アスリートのように厳しい鍛錬を自らに課し、闘っていた女性だったんだね。

ポスター類は見ていたのかもしれないけれど、石岡瑛子という存在を知らなかったSNAKEPIPE。
ROCKHURRAHも同様にポスターには見覚えがあるという。
初めて石岡瑛子を認識したのは、映画の衣装デザインだった。
2000年の時点で石岡瑛子は62歳だけど、パワフルな仕事ぶりが素晴らしいね!
ターセム・シン監督の「ザ・セル(原題:The Cell 2000年」や「落下の王国(原題:The Fall 2006年)」 は、映像の美しい映画で、石岡瑛子の衣装デザインが印象的。
映画で使用された衣装も展示されていて、興味深かったよ。
撮影禁止だったのが、本当に残念でならない。
また改めてターセム・シンの映画を鑑賞したいね、と友人Mと話す。
映画にとどまらず、オペラやシルク・ドゥ・ソレイユ、オリンピックのユニフォームまでデザインしていたというから驚いた。
ビョークから仕事を依頼されたという「コクーン」のミュージック・ビデオは、シンプルなのに不思議な世界が広がっていて、強烈な印象を残していたよ。
映像が見つからなかったので載せられないのが残念!

デザインと名のつく仕事はほとんど手がけているんじゃないか、というほどありとあらゆる展示があった。
えっ、これも?と驚いたのが山本海苔のパッケージ・デザイン!
尾形光琳の描いた波をモチーフに、日本のグラフィックデザイナーの草分けであった父、石岡とみ緒が商品名の書を、妹で同業の石岡怜子がグラフィック・デザインをしたという家族総出のアートワークだったという。
父親も妹も同業者だったという事実を初めて知ったよ。
当ブログには「ROCKHURRAH紋章学」というカテゴリーがあって、デザインに関する特集記事を書いているけれど、日本のデザインについては書いていなかったからね。

東京都現代美術館の展示は素晴らしくて、友人Mと興奮気味に会場を後にする。
ランチ後、gggに向かう。
すでに現代美術館で鑑賞した作品が、撮影可能な状態で展示されているんだよね。
この違いは一体なんだろう?
納得がいかないよね。
画像は「EIKO by EIKO」。
ターセム・シンがバイブルにしていたという作品集だよ!
SNAKEPIPEも見てみたいと思い、中古価格を調べてみる。
Amazonの中古品で51,999円だって。
すぐには手が出せないなあ。

日本の広告業界において第一線で成功していたのに、マンネリを嫌い、渡米するエピソードにグッと来たSNAKEPIPE。
その時、石岡瑛子42歳なんだよね。
そしてニューヨーク大学に入っているのを美術館の年表で知る。
「年だから」
「女だから」
そんな言い訳を一切しない強い精神力と行動力!
いつまでも挑戦し続ける、パワフルな女性だったんだね。
会場に流れていた石岡瑛子の言葉、もう一度聞きたいと思う。
パワーをもらえそうで。
73歳の死は早過ぎるよ。 
2つの会場で、石岡瑛子の作品を鑑賞することができて大満足だった。
世界に通用するアートワークの創造者の実像に触れられる機会はそうそうないからね。
稀代の逸材だった石岡瑛子の3つの言葉、SNAKEPIPEも記憶しておきたいと思う。

名和晃平 Oracle 鑑賞

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【ジャイルギャラリーの入り口を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

2021年最初のブログは、年末に鑑賞した展覧会について書いていこう。
表参道にあるジャイルギャラリーで2020年10月から開催されているのは、 名和晃平の「Oracle」である。
この展覧会には、かなり前から長年来の友人Mに誘われていたSNAKEPIPE。
なるべく年内に鑑賞しよう、と都合をつけて出かけたのである。

連日のようにコロナ感染者数が増加しているというニュースを聞いているので、細心の注意をして出かけることにする。
予想に反して表参道には、普段ほど人が多くない。
原宿や表参道にあるショップは、ほとんどが11時オープン。
ジャイルギャラリーのオープンも同じなので、その時間に友人Mと待ち合わせる。 
オープンしたばかりのせいか、MoMAやギャルソンのショップにも人が少ない。

ギャラリー入り口向かって左、輝くカラスを発見する。
このカラスがトップに載せた画像ね。
照明が当たってキラキラしているよ!
SNAKEPIPE MUSEUMに陳列したくなる作品だね。
受付で念の為、撮影が可能かを確認し中に入る。
ジャイルギャラリーは、いつでもオッケーしてくれるんだけど、一応聞いておかないとね。
ということで、今回の画像は全てSNAKEPIPE撮影のものだよ!

アーティスト、名和晃平について調べておこうか。 

1975年 大阪府高槻市生まれ
1998年 京都市立芸術大学美術学部美術科彫刻専攻卒業
英国王立美術院(Royal College of Art,Sculpture course)交換留学
2003年 京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程彫刻専攻修了博士号取得
京都府美術工芸新鋭選抜展 最優秀賞
キリンアートアワード2003 奨励賞
2005年 アジアン・カルチュラル・カウンシル (ACC)日米芸術交流プログラム ニューヨーク滞在
京都府芸術文化特別奨励者
2006年 ダイムラー・クライスラー・ファウンデーション・イン・ジャパン芸術支援活動プログラム「アート・スコープ2005-2006」ベルリン滞在
平成18年度京都府文化賞 奨励賞
2008年 六本木クロッシング2007 奨励賞
京都造形大学 准教授に就任
2010年 第14回アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ 2010 最優秀賞
2012年 平成23年度京都市芸術新人賞受賞
2018年 京都府文化賞功労賞受賞

様々な賞を受賞して、何度も海外で活動する機会を得ていたことが分かるね。
交換留学だったりアートプログラムとして選出されて渡航しているところが素晴らしいよ。
現在は教授になっているようで、アート一色の人生を送っているんだね!
作品は観たことないなあ、と思っていたら!
2019年5月に鑑賞した「百年の編み手たち〜ただいま/はじめまして」に名和晃平の作品が出品されていたことが判明!
とはいっても、「百年の編み手たち」の記憶が残っていないんだよね。(笑)
図録も購入しなかったので、どんな作品だったのか不明だよ。
今度こそ、しっかりと作品を目に焼き付けることにしよう!

輝くカラスの後方にあったのは黒い作品「Black Field」。
厚めに塗った油絵具と油を混合させて、表面に起こる経過や状態まで含めて作品だという。
こうした説明は受け取ったパンフレットで初めて理解するんだけど、観た瞬間に好き!って思ったSNAKEPIPE。
年齢を重ねると、こうした抽象的な作品に興味が湧くのなんでかな?
生きていく上で遭遇する全ての事象が、くっきりとした輪郭が取れるわけじゃないことに気付いたからだろうね。(意味不明)

「Rhythm」という作品。
SNAKEPIPEはカビとか胞子をイメージして、どんどん膨らんだり増殖する物体じゃないのかなと思ったけど、違うみたいね。(笑)
影の入り方が面白くて、照明の当て方で印象が変わるのかもしれない。
こうした無機物にも勝手に意味を見出し、自分なりに解釈してしまう。
「袖触れ合うも多少の縁」に代表される、どんなに小さな出来事にも因縁があり、大事にしましょうという教えを体現するようになったのは、いつの頃からだろうか。(全く意味不明)

人によって何に見えるのか違ってくるであろう、抽象の世界。
よくYahoo!の下のほうに「何に見える?」という心理テスト載ってるよね?
ロールシャッハ・テストに代表される、想像した物から性格判断を行う分析方法と同じなんだろうね。
さて、この作品名は「Dune」というらしいので、思い浮かぶのは「砂の惑星」だよね。(笑)
敬愛する映画監督デヴィッド・リンチの失敗作とされる「デューン」だけど、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督版が近々公開されるというのは気になるね。
予告編を観た限りでは、リンチ版を踏襲しているように見えるけど。
話を作品に戻そう。
SNAKEPIPEはこの作品を観て、夜の荒れた海だと思ったよ。
えっ?陳腐?(笑)
あえて陳腐な表現を厭わなかったのは、特別な人生など多くはない、と悟ったせいかもしれない。
ありきたりな小さなことに喜びを感じることこそが日々の糧ではないか、と思う今日このごろである。(益々意味不明)

次の展示室に移ろうとした時、動きが止まってしまう。
中央に鎮座ましますのは、光り輝くバンビちゃん。
「聖なる存在」とはまさにこのことではないか、と思ってしまうほどの神々しさ!
あのバンビちゃんには、きっと何か宿っているに違いない。
絶対そうだよ!

バンビといえば思い浮かべるのはSex Pistolsの映画「The Great Rock’n’Roll Swindle」でかかった「Who Killed Bambi」かな。

ギリシャ人の監督ヨルゴス・ランティモスの映画「聖なる鹿殺し(原題:The Killing of a Sacred Deer 2017年」なんていうのもあったよね。 
バンビとか鹿というのは弱い存在で、犠牲になることが多い動物ということなのか。
そんなバンビちゃんが光り輝いているということは…まさか!
霊的な存在になっているという解釈も成り立つのかもしれない。
載せた画像がバンビちゃんを構成しているビーズのアップ。
小さな一粒一粒ごとに色鮮やかな光を見出すことができる。
バンビちゃんは、複数の霊的な存在の集合体と考えることができるのかもしれないね?
普段のSNAKEPIPEとは別人格が出るほど、様々なことを考えさせられた展覧会だったよ。(笑)

2021年も当ブログをよろしくお願いいたします!