大人社会科見学—アド・ミュージアム東京—

20220918 top
【アド・ミュージアム東京を外から撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

近場で行ってみたい場所として、以前より候補に上がっていたのが、汐留にある「アド・ミュージアム東京」だった。
ここは公益財団法人 吉田秀雄記念事業財団が運営している施設で、入場無料なんだよね!
事前予約を済ませ、汐留に向かったのである。

アド・ミュージアム東京は、汐留駅直結のカレッタ汐留というビルの地下2階なので、道に迷うことはないよ。
予約時間の12時少し前に到着すると、すでに入場を待つ列ができていた。
お客さんのほとんどは10代の女の子達で、ちらほら年配者が混ざっている状態だよ。
行ったときは夏休み期間だったせいもあるし、入場無料も影響してるだろうね。
入り口で名前を確認され、会場へ。

「ニッポン広告史」として、江戸時代の広告からスタート。
江戸時代が想像以上に進んだ文化を持った時代だったことは、NHKの「浮世絵 EDO-LIFE」などを観て知ったROCKHURRAH RECORDS。
当時の人たちは、美味しいご飯食べたり、オシャレをしたり、旅行に出かけたりして現代人と、それほど違いがない暮らしぶりだったみたいだよね。
載せた画像はお店の看板だったのかな。
左から「櫛屋」「鍵屋」「かつら屋」「両替屋」「あめ屋」だって。
ここで驚くのが、江戸時代に「かつら屋」があったこと!
調べてみると、歌舞伎役者などが使用していた以外に、お侍さんも使っていたらしいよ。
看板が残されてるくらいだから、愛用者が多かったのかもね?

続いては明治時代の広告コーナーへ。
浮世絵の中に洋装の人物が描きこまれた「木村屋」の宣伝や、商品のポスターが並んでいた。
「味の素」や「アサヒビール」のレトロな広告は、入場者にも大人気。
ガラス面で光ってしまうため、斜めからの角度で撮影してみたよ。
この中にあった「ミツワ練歯磨」のポスターが鏡になっていたので、ミュージアム・ショップで衝動買い!(笑)
大正時代のデザインって好きなんだよね。

戦中〜戦後の広告では、標語のようなポスターが多かった。
大正時代までの商品を宣伝するために作られた広告とは、まるで性格が違っているよね。
左上の「買わないですませる工夫」は、現代でも通用する工夫で、納得しちゃう。
「何がなんでもカボチャを作れ」も、かなりインパクトが強いポスターだよ。
「必勝食糧」になっているカボチャは、代用食として栽培が奨励されたという。
戦後の広告では、少しずつ現代に近づいてきて、ホッとしちゃうね。

広告がライフ・スタイルをリードする、というコーナーでは、懐かしい80年代の広告が並んでいたよ。
2021年1月に鑑賞した「血が、汗が、涙がデザインできるか」の石岡瑛子の手によるポスターもあったね。
確かに80年代は広告が面白かった!
大好きなニュー・ウェイヴの音楽がCMに採用されていたり、遊び心に溢れた広告が多かったように記憶しているよ。

昭和初期に発行されていたポスター研究雑誌や、お菓子のパッケージなどが観られるコーナーで発見したのが不二家のミルキー。
いつ頃販売されていたパッケージなのか記録するのを忘れてしまったよ。
舌をペロッとさせているところは今でも同じだけど、顎のラインがいびつ。
なんといっても目が怖い!(笑)
ペコちゃんは誰でも知ってるキャラクターだけど、こんな顔で売り出されていたこともあるとは。
強い衝撃を受けたSNAKEPIPEだよ。(笑)

隣のブースでは「ほほ笑みをとりもどす世界の広告-Good Ideas for GoodⅢ-展」という、世界の面白いCMが展示されていたよ。
SNAKEPIPEが面白いと思った2作品を載せてみよう。
残念ながら日本語字幕付きは探せなかったよ。

メキシコ最大の航空会社・アエロメヒコ航空が実施した驚きのキャンペーン広告なんだよね。
なんとメキシコのDNAの割合によって、航空券を割引くんだって!
恐らく一般的には、メキシコの血が濃いというのは歓迎されないように思うけど?
CMでは「私はもっとメキシコの血が濃いはずよ」などと逆ギレするんだよね。(笑)
アメリカ人へメキシコへの旅行を促すためのキャンペーンだったとはいえ、逆転の発想で話題をさらうところが素晴らしいと思ったよ。

ブラジルでは「This Coke is a Fanta(外側コーラでも中身はファンタ)」という言葉がLGBTQを揶揄しているんだとか。
その言葉通り、コーラ缶の中身をファンタにした商品を売り出し、ゲイ・パレードとコラボ。
LGBTQへの偏見を逆手に取ったコカ・コーラの作戦勝ちだね!
紹介した以外にも、わざとスペルを間違えたロゴで正規品を販売した、ファッション・ブランドのディーゼルのCMなども企業側のアイディアに感心させられたよ。
結構ドギツいCMもあったけれど、世界レベルになるとさすがに面白かった!(笑)
日本の企業だったら、恐らくゴー・サインが出ないようなキワドい内容に触れるCMを率先して制作し、好感度をアップさせているんだもん。
日本のCMとはレベルが違うように感じたよ。

アド・ミュージアム東京は、予想していたよりも「こじんまり」していたけれど、浮世絵のように4回押すと絵葉書が完成するスタンプが配置されていたりして、楽しめる工夫がされていた。
SNAKEPIPEの個人的な好みは大正時代や昭和初期のポスターやデザインなので、もう少しミュージアム・ショップのアイテムが多かったら良かったかもしれないと思ったよ。

またどこか近場で社会科見学行ってみよう!

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