LOOKIN THROUGH THE WINDOW/ANIMITAS II 鑑賞

20190811 06
【GYREギャラリーの入り口を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

約2ヶ月ぶりに長年来の友人Mと約束をした。
待ち合わせたのは表参道。
まずは早めのお昼を頂くことにする。
フレンチ風中華、という一風変わったスタイルだったけれど、さすがは友人Mのお勧めだけあって、とても美味であった。
価格もお手頃で、雰囲気も良かったよ!

友人Mとは前回の「トム・サックス」と「横尾忠則」も展覧会のハシゴをしているんだよね。
なんと今回もまた同じ経験をしてしまったよ。(笑)
そこまで大規模な展覧会ではなかったけどね!
最初に向かったのは表参道GYREギャラリー
ここは今年2019年のゴールデンウィークに「デヴィッド ・ リンチ 精神的辺境の帝国展」を鑑賞した場所なんだよね。
リンチ関連の企画でお馴染み、キュレーターの飯田さんが絡んでいない日本人の写真展とのことだけど、どうだろうね?

タイトルは「LOOKIN THROUGH THE WINDOW」、訳すと「窓ごしの眺め」って感じか?
撮影可能だったので、作品の感想を添えて紹介していこうか。
白塗り暗黒舞踏集団だっ!
山海塾?白狐社?正解は大駱駝艦だって。(笑)
大駱駝艦といえば、麿赤兒!
この手の舞踏ダンサー(変な言葉か?)は、裸体を晒していることがほとんどなので、着衣に違和感があるよね。
しかもモデルとして撮影されているから余計だよ。
この写真を撮影したのは、小浪次郎という写真家。 

小浪次郎は1986年東京生まれ。
2010年、東京工芸大学芸術学部写真学科研究生課程修了している。
卒業前から展覧会に参加していたようで、2009年に富士フォトサロンの新人賞を受賞しているという。
現在はニューヨーク在住で、商業写真を撮っているようだね。
この画像は雑誌「VOGUE」に掲載された一枚とのこと。

タイトルが「KUMAGAYA」となっているので、埼玉県の熊谷と思われる。
気温が高い地域として有名だよね。
そこに住んでいる「バッド・ボーイ」をモデルにしているということなのか。
和彫りのモンモンが入った男性の写真が、何枚も使用されている。
最近はファッション雑誌などでも、こういった組写真を採用しているよね。
見慣れてしまったせいか、新鮮さはないけれど、色がキレイだったよ。

こちらは水谷太郎の作品。
やや、次郎に続いて太郎だよ!(笑)
順番を逆にするべきだったか?
水谷太郎は1975年、東京都生まれの写真家。
東京工芸大学芸術学部卒業後、写真家としてファッション、コマーシャルフォト撮影を中心に活動しているという。
大きなモノクロームの岩肌をバックに、小さめの写真が組み合わされている。
ネイチャー・フォトとでも言うのか、地層研究している気分になるね。
意味は分からなかったけど、色合いはキレイだったよ。

石田真澄の作品は壁一面を使用した大型の組写真だった。
一人のモデルだけを撮影しているので、夜の2時間程度の散歩風景といった感じかな。
同じ写真を重ねたり、別の角度や場所で撮影した写真を組み、ギザギザに貼り付ける手法はデヴィッド・ホックニーが有名だよね。
今から30年以上も前に発表されている「ジョイナー・フォト」が素晴らしいので、この作品が稚拙に見えてしまうのは仕方ないかもしれない。
目の覚めるような赤の色合いは鮮やかだったよ!

やはりキュレーターが飯田さんじゃない展覧会は物足りないね、と話しながら次の会場に向かう。
目指すのは、同じ通りにある「エスパス ルイ・ヴィトン東京」である。 
モノグラムで有名なフランスのブランド、ルイ・ヴィトンのアート・スペースなんだよね。
フォンダシオン ルイ・ヴィトンが所蔵する作品を展示していて、入場料は無料!

フォンダシオン ルイ・ヴィトンは現代アートとアーティスト、そして現代アーティストのインスピレーションの源となった重要な20世紀の作品に特化した芸術機関です。
フォンダシオンが所蔵するコレクションと主催する展覧会を通じ、幅広い多くの人々に興味を持っていただくことを目指しています。

なんて素晴らしい理念なんでしょう!
EAMES HOUSE DESIGN FOR LIVING」を鑑賞した、竹中工務店が支援する公益財団法人ギャラリーエークワッドも同じような理念に基づいて運営していたよね。
大きな企業は余裕があって良いですな!(笑)

エスパス ルイ・ヴィトン東京に行くのは、今回が2度目になるSNAKEPIPE。
2014年4月から8月にかけて展示されていたスティーブ・マックィーンの映像作品「Ashes」を鑑賞してるんだよね。
あの時から5年も経過していたとは…。(遠い目)
この展覧会についてはブログに書いてなかったみたいだね。
今回はなんと、クリスチャン・ボルタンスキーの「ANIMITAS II 」の展示だという。
つい先日、国立新美術館で「Lifetime」 を鑑賞したばかり。
友人Mは、未鑑賞だという。
「もう少し空いてから行く」とのこと。
SNAKEPIPEにとっては復習、友人Mには予習となるボルタンスキーだね。(笑) 

ハイ・ブランドのショップに入ることは滅多にないけれど、店の前を通りかかると大抵のショップでドア・マンが待ち構えているのを見かけるんだよね。
ルイ・ヴィトンもご多分に漏れず、ドアの前には白い手袋したドア・マンがおいでなすったよ。(笑)
最上階にあるギャラリーに行くためには、そのドアを開けてもらう必要がある。
友人Mは慣れているのか、すんなり開けてもらったドアを通ってエレベーター前へ。
SNAKEPIPEは「買い物するわけじゃないのにスミマセン」オーラを発しながら、急ぎ足で友人Mに続く。
サービスでドアを開けてくれるのは分かっているけど、なんとなく居心地が悪いんだよね。(笑)

エレベーターを降り、会場に入ると目に飛び込んできたのは大きなスクリーン。
全く同じ大きさのスクリーンが向かいあわせにもう一つ設置されている。
スクリーン前の床は藁や草、野花などで埋め尽くされている。
自然の中にいる疑似体験ができるような仕組みなんだよね。
ボルタンスキーの作品「アニミタス(ささやきの森)」の映像とつながっているように錯覚してしまうよ。
「ささやきの森」が撮影されたのは、瀬戸内海の豊島らしいね。
日本が舞台だったとは知らなかったよ。
撮影許可が取れたので、友人MもInstagram用にバシバシ撮り始める。

こちらはもう一つのスクリーンで上映されていた「アニミタス(死せる母たち)」である。
場所はイスラエルの死海とのこと。
先日国立新美術館で鑑賞したのは「アニミタス(白)」だったので、ケベックのオルレアン島バージョンだったんだね。
これは死者を祀る路傍の小さな祭壇へのオマージュとして、制作されているという。
ボルタンスキーが生まれた日の星座の配列をなぞるように、細い棒を大地に突き刺している。
その棒の先で300個の日本の風鈴が揺れるインスタレーション、と説明されているよ。
説明の文章がなくても、微かな風鈴の音色とガランとした風景で、厳粛な気分になること間違いなしだよ。
ガラス張りのギャラリーなので、外に教会が見えるのもイメージに合っていたね。

会場を後にし、帰ろうとした時にもう一点展示があることに気付く。
ボルタンスキーのインタビューを交えた作品紹介の映像だった。 
これこそ先日鑑賞した「ボルタンスキー 50年の軌跡」を復習するのに、最も適した教材といったところか。(笑)
初見の友人Mは感嘆の声を上げながら、一生懸命撮影している。
「それは撮影可能エリアにあった作品」
「これは撮影できなかった作品」
などと横で情報を与えるSNAKEPIPE。

撮影をしながら「あっ!そうだ」と声を出したのはSNAKEPIPE。
この作品紹介のビデオを見るためのヘッドフォンまで含めて、一枚の写真としたほうがボルタンスキーらしさが表現できるんじゃないか。
ボルタンスキーの特徴は、黒い電源コードを写真の顔部分などにかけた状態で作品となっているわけだからね。 
こうして撮影した祭壇の作品とヘッドフォンを組み合わせた画像がこれ。
「いかにもボルタンスキー」になったよね?(笑)

表参道で鑑賞した2つの無料展覧会について感想をまとめてみたよ!
GYREギャラリーは、是非ともキュレーターの飯田さんに登場して頂き、素敵な企画をお願いしたいね。
エスパス ルイ・ヴィトン東京には、ドア・マン対策を強化してから出かけよう。(笑)
都内には無料も含め、たくさんのギャラリーがあるので、これからもいろんな作品を鑑賞していきたいね!

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