石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか 鑑賞

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【東京都現代美術館とgggの正面を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

東京都現代美術館で開催されている石岡瑛子の「血が、汗が、涙がデザインできるか は、以前より長年来の友人Mと話題にのぼっていた展覧会だった。
別会場で同じアーティストを特集するのが最近の流行なのか、ギンザ・グラフィック・ギャラリーでも「石岡瑛子 グラフィックデザインはサバイブできるか」も開催されているんだよね。
せっかくだから両方鑑賞して、その日を「A子デー」にしようと目論む。
まずは東京都現代美術館から行くことにする。

当日は晴れていたけれど、とても風が強く寒い日だった。
駅から歩いて美術館に向かったSNAKEPIPEだけれど、友人Mは寒さのためタクシーを使ったらしい。
なんともリッチですな。
そしてSNAKEPIPEの分まで足用ホカロンを準備してくれるとは、ありがたや~!(笑)
石岡瑛子展は昨年11月から始まっているはずだけれど、会場には意外と多くのお客さんがいたよ。
会場内は一切撮影禁止!
森美術館などは動画も含めてオッケーなのに、非常に残念だよね。 
東京都現代美術館の次に向かった会場である、ギンザ・グラフィック・ギャラリー(通称ggg)で撮影した画像を使って紹介していこう!

まずは石岡瑛子の年表を書いておこうか。

1938年 東京に生まれる
1961年 東京芸術大学美術学部卒業後、資生堂入社
1970年 独立し、パルコや角川書店の広告を担当する
1980年 ニューヨークに拠点を移す
1983年 「石岡瑛子風姿花伝EIKO by EIKO」を出版
1987年 マイルス・デイヴィス『TUTU』のジャケットデザインでグラミー賞受賞
1993年 フランシス・コッポラ「ドラキュラ」でアカデミー賞衣装デザイン賞受賞
2000年 ターセム・シン「ザ・セル」で衣装デザインを担当する。
その後、ターセム・シンの作品3本にも衣装デザインとして参加する
2002年 紫綬褒章を受ける
2012年 死去。享年73歳

駆け足で書いてみたけれど、石岡瑛子の偉業はこんなに簡単には語り尽くせないよ。
資生堂の宣伝部に所属する時に「男性と同じ仕事と待遇」を希望したというエピソードから、エネルギッシュな石岡瑛子が良く分かる。
世間をあっと言わせた仕事が前田美波里を起用したポスターで、力強い女性像を打ち出したというのが、石岡瑛子自身を象徴していたように感じる。
載せた画像はパルコの広告で、「あゝ、荒野」。
写真は藤原新也なんだよね。
アートディレクターとして強いメッセージ性のある広告作りをする石岡瑛子像が見えてくる。

かつて目にしていたであろうポスターの数々が展示されている。
沢田研二との仕事が多かったのかもしれないね。
パルコのポスター以外にも沢田研二の写真集や、日本未公開の映画「Mishima」 での美術監督、そしてザ・タイガースのレコード・ジャケットにも携わっていたようで。
石岡瑛子がポスター制作の時、仕上がった原稿に赤文字で修正箇所を指示している展示に目が釘付けになる。
モデルの目に力がない、顔の輪郭がぼやけているからシャープにするように、フォントを大きく、などの細かい指示内容が書かれているんだよね。
プロフェッショナルな仕事を垣間見た気がするよ。
グラフィックを目指す人じゃなくても、勉強になる展示なんじゃないかな。

会場にはずっと石岡瑛子の声が流れていたんだよね。
仕事をする上での信念だったり、デザインの世界で生きていくためには何が必要か、みたいな話をしていたよ。
gggではその言葉を切り取って展示していたので、撮影してみたよ。
・Timeless(時代にとらわれず)
・Originality (真似ではない)
・Revolutionary(革新的な作品作り)
この3つの言葉をマントラのように唱えていたという石岡瑛子。
アスリートのように厳しい鍛錬を自らに課し、闘っていた女性だったんだね。

ポスター類は見ていたのかもしれないけれど、石岡瑛子という存在を知らなかったSNAKEPIPE。
ROCKHURRAHも同様にポスターには見覚えがあるという。
初めて石岡瑛子を認識したのは、映画の衣装デザインだった。
2000年の時点で石岡瑛子は62歳だけど、パワフルな仕事ぶりが素晴らしいね!
ターセム・シン監督の「ザ・セル(原題:The Cell 2000年」や「落下の王国(原題:The Fall 2006年)」 は、映像の美しい映画で、石岡瑛子の衣装デザインが印象的。
映画で使用された衣装も展示されていて、興味深かったよ。
撮影禁止だったのが、本当に残念でならない。
また改めてターセム・シンの映画を鑑賞したいね、と友人Mと話す。
映画にとどまらず、オペラやシルク・ドゥ・ソレイユ、オリンピックのユニフォームまでデザインしていたというから驚いた。
ビョークから仕事を依頼されたという「コクーン」のミュージック・ビデオは、シンプルなのに不思議な世界が広がっていて、強烈な印象を残していたよ。
映像が見つからなかったので載せられないのが残念!

デザインと名のつく仕事はほとんど手がけているんじゃないか、というほどありとあらゆる展示があった。
えっ、これも?と驚いたのが山本海苔のパッケージ・デザイン!
尾形光琳の描いた波をモチーフに、日本のグラフィックデザイナーの草分けであった父、石岡とみ緒が商品名の書を、妹で同業の石岡怜子がグラフィック・デザインをしたという家族総出のアートワークだったという。
父親も妹も同業者だったという事実を初めて知ったよ。
当ブログには「ROCKHURRAH紋章学」というカテゴリーがあって、デザインに関する特集記事を書いているけれど、日本のデザインについては書いていなかったからね。

東京都現代美術館の展示は素晴らしくて、友人Mと興奮気味に会場を後にする。
ランチ後、gggに向かう。
すでに現代美術館で鑑賞した作品が、撮影可能な状態で展示されているんだよね。
この違いは一体なんだろう?
納得がいかないよね。
画像は「EIKO by EIKO」。
ターセム・シンがバイブルにしていたという作品集だよ!
SNAKEPIPEも見てみたいと思い、中古価格を調べてみる。
Amazonの中古品で51,999円だって。
すぐには手が出せないなあ。

日本の広告業界において第一線で成功していたのに、マンネリを嫌い、渡米するエピソードにグッと来たSNAKEPIPE。
その時、石岡瑛子42歳なんだよね。
そしてニューヨーク大学に入っているのを美術館の年表で知る。
「年だから」
「女だから」
そんな言い訳を一切しない強い精神力と行動力!
いつまでも挑戦し続ける、パワフルな女性だったんだね。
会場に流れていた石岡瑛子の言葉、もう一度聞きたいと思う。
パワーをもらえそうで。
73歳の死は早過ぎるよ。 
2つの会場で、石岡瑛子の作品を鑑賞することができて大満足だった。
世界に通用するアートワークの創造者の実像に触れられる機会はそうそうないからね。
稀代の逸材だった石岡瑛子の3つの言葉、SNAKEPIPEも記憶しておきたいと思う。

ビザール・ツール選手権!42回戦

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【イタズラ目的で購入?30インチ(約76cm)の大型ワニもAmazonで購入可能】

SNAKEPIPE WROTE:

2020年3月の「ビザール・ツール選手権!38回戦」では、米国Amazonで購入できるビザールなアイテムを紹介する記事を書いた。
見た目だけでは使用目的が分からないグッズが多かったので、クイズのように楽しんだ方も大勢いらっしゃったのではないだろうか。(笑)
定期的にAmazonのサイトに入って検索すると、ビザールな逸品があるのが嬉しい。
また新たな発見があったよ。
早速紹介していこう!

最初のグッズはこちら!
まるで武器のようで、手裏剣の新型とか?
投げつけると刃が回転しながら攻撃力を増すアイテムだったりして。
そこまでの物騒なアイテムは、Amazonで売ってないか。(笑)
正解はこちら。
Charcoal Companion CC1132 Slash & Serve BBQ Meat Pulled Pork Shredder Claws / Set of Two Barbecue Tools  は、 画像で観てもらっている通り、肉を細かくするための物なんだよね。
マーベル・コミックに登場する「ウルヴァリン」というキャラクターの手には、 こんな感じの爪があるらしく、「ウルヴァリンになれます」という謳い文句まで書いてあるよ。
ステンレス製で頑丈、取扱も楽とのことなので、バーベキューが趣味の方には欠かせない逸品じゃないかな?
残念ながら、現在は取扱なしとのこと。
武器にもなりそうなので、手に入れた時は注意して使おうね!

続いてはこちら!
これはもう何の説明も要らないアイテムだよね。
Umbrella Hatは両手が自由になる便利グッズとのこと。
雨や日差しから身を守ってくれるというんだけど、モデルの男性が似たような銀色素材のレイン・ジャケットを着ているせいで、 科学実験を行っている人に見えてしまうのはSNAKEPIPEだけだろうか。(笑)
小さく折り畳めてコンパクトに収納可能、などと宣伝文句が並んでいるんだけど、固定させるのは首の下にあるヒモとは。
結局のところ日本に昔からある三度笠と同じ作りなんだよね。(笑)
三度笠の始まりは飛脚が使用していたこと、という歴史まで調べてしまったよ。
5点中3.9点を獲得して、62人以上の人が購入しているアイテム。
現在は取扱なし、とのこと。 
もし手に入れたとしても、これを身に着けるのは勇気がいるだろうね。 (笑)

スマホ依存症の人って多いらしいね。
そしてこれは全世界的な問題のようで、 Amazonにあったのがスマホを監禁するためのアイテム!
Mobile Phone Jail Cell Phones Prisonだ!(笑)
この中にスマホを入れることが楽しい、なんてコメントもあって比較的高評価を得ているみたい。
特に子供には人気があるみたいね?
お値段は$12.89、日本円で約1,400円。 
ここまでしないとダメ、ということ自体が問題だけど、プレゼントにしても面白いかもしれないね?

以前ポテトチップスの売上が落ちた原因が、食べると指が汚れてスマホがしずらいから、というニュースを聞いたことがあった。
そこまでしてスマホをいじるのか、と驚いたSNAKEPIPEだけど、このアイテムを使えば問題解決するのかもしれないね?
Finger Coversは手のベタつきや、手につくニオイから開放してくれるスグレモノ、とのこと。
熱い物にも対応するというので、ミトンほど大きさが要らない熱い皿を持つ時にも重宝しそう。
食器洗い機の使用も可能で、熱湯消毒もできるというのはお手入れ簡単だよね。 
シリコン自体のニオイは大丈夫なのか気になるところだけど、5点中4.4点という評価を獲得しているよ。
お値段は3本指用で$18.99、日本円で約1,980円。
これは高いのか安いのか?(笑)

ソファで寝落ちしちゃう人、必見!
いつも眠くてたまらない、そこのあなた!
OSTRICH PILLOWを使えば、いつでも素敵な夢の世界にいざなってくれるはず。
頭をすっぽりと包み込む優しい安定感は、周囲の音や光を遠ざける役割を果たし、柔らかい繭の中で安心した眠りを提供してくれるという。
それにしても、もし会社の昼休みや飛行機の中に、このアイテムを使用している人がいたらギョッとしそうじゃない?(笑)
使用している本人は夢見心地でも、周囲の人からは冷たい目で見られてしまうかも。
枕で睡眠の質が問われることが多いので、このアイテムを試してみたくなるよね!
残念ながら現在は取扱なしだけど、ニトリあたりで販売して欲しい逸品だよ。

最後はこちら!
世界中の人がそれぞれペットを飼育しているけれど、こんなアイテムが販売されているってことはニワトリを飼ってる人もいるんだよね?
まるで女性物のセクシー・ショーツのように見えてしまうけど、Chicken Harnessと商品名にもちゃんと明記されているので、ニワトリの散歩用の商品に間違いない!(笑)
そして驚いたことに5点中4.2点を獲得し、133人以上の人が購入しているアイテムなんだよね。
ニワトリをペットにするのは伊藤若冲くらいのものか、と思っていたのでビックリだよ。(笑)
現在取り扱いなしとのことだけど、似たアイテムを見つけたので続けて紹介しよう。

ハムスターやモルモットをペットにする人は多いと思うけど、散歩に連れていくことはあるのかな?
Guinea Pig Harnessは、モルモットだけじゃなくてウサギやフェレットなどにも使用可能とのこと。
そうした小動物を連れて散歩している人を見かけたことがないけれど、海外では普通なのかも?
サイズが難しいというコメントが多かったけれど、5点中3.5点の評価を獲得しているよ。
2個セットでお値段は$9.99、日本円で約1,000円程度だというからお手頃だよね。
小動物を飼っている人にお勧めアイテムだよ!

どのアイテムも購入している人がいて、評価をつけたり、コメントを残したりしているんだよね。
コメントの数が日本よりずっと多いのが特徴的。
「やらせ」もあるのかもしれないけどね?(笑)
通販サイトで購入できるアイテムについては、今後も定期的に紹介していこうと思う。
次はどんな逸品が待っているのか、お楽しみに!(笑)

SNAKEPIPE MUSEUM #58 Fritz Kahn

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【フリッツ・カーン「腺の洞窟に入る」1924年】

SNAKEPIPE WROTE:

今回のSNAKEPIPE MUSEUMはフリッツ・カーンを特集してみよう。
たまたまROCKHURRAHが作品を目にして、これはすごい、と教えてもらったのがきっかけである。
初めて知る名前だよ!
少し調べてみようか。 

1888年 ドイツのハレに生まれる
誕生直後、一家はアメリカに移住
その後再びドイツに戻る
1907年 ベルリン大学で医学を学び、州の試験に合格して医学博士号を取得
1914-22年 産科助手として働く
「Die Milchstraße」(天の川)を出版
1922年 図解された5巻シリーズ「Das Leben des Menschen」(人間の生活)を出版し、ベストセラー作家となる
1930年 パレスチナと北極圏への地質探検に出かける
1932年 砂漠を研究するためにサハラ砂漠に旅行
1933年 家族と一緒にパレスチナに移住
1937年 最初の妻と離婚後、2度目の結婚をしてパリに移る
1940年 敵国人としてフランスで抑留されるも、夫婦はスペインとポルトガルに逃げる
1941年 アインシュタインの助けを借りて、米国に移住
1948-50年 ヨーロッパでの生活後、ニューヨークに定住
1960年 スイスに住み、出版を続ける
1968年 スイスのロカルノで死去。

フリッツ・カーンの情報はそれほど多くなかったので、苦労してしまった。
経歴を調べていると、あまりに様々な国名が出てきて驚いちゃうよ。
フリッツ・カーンがユダヤ系ドイツ人だったため、迫害を受け亡命する必要があったことも理由なんだよね。
ここに書いていない国名もまだあるんだけど、主要な部分だけにとどめたよ。(笑)
そしてフリッツ・カーンを一躍有名にしたのが、1922年の図解された科学書「Das Leben des Menschen」(人間の生活)や、1926年に制作された等身大のポスター「Der Mensch als Industriepalast」(工業宮殿の男)だという。
全ての作品の邦題が分からないので、SNAKEPIPEが勝手に訳して使用するのでよろしくね。(笑)
画像がフリッツ・カーンのトレード・マークになったポスターね!
人間の体内を工場に見立てて、どんな働きをしているのか可視化したもの。
非常にユニークで、勉強にもなる一石二鳥の作品だよね。
このポスターを更に発展させ、アニメーションにしたのがHenning Lederer。
2009年の作品だというから、 80年以上の時を経てもフリッツ・カーンの影響力が強いことが分かるね。

とても面白い!
きっとフリッツ・カーンが観たら喜んだだろうね。

「70年で、人間は自分の体重の1,400倍を食べる」。 
上の「工業宮殿の男」と同じ1926年の作品だという。
これだけの量を食しているということをわかりやすく描いているんだけど、かなりシュールな絵だよね。(笑)
この年代といえばドイツではバウハウス真っ盛りじゃないの!
バウハウスの名付け親であるヴァルター・グロピウスやバウハウスの教官だったヘルベルト・バイヤーなどがフリッツ・カーン信奉者だったということを知り、ゾクゾクしちゃうよ。
新しいことを始めようとする人々の交流は当然だったのかもしれないね。
ROCKHURRAH RECORDSが憧れている時代を生きていた先進的な人たちは、どんな会話を楽しんだんだろうなんて想像するだけで嬉しくなっちゃう!(笑)

少し時代が遡って、1924年の作品「Support Structures」。
フリッツ・カーンの作品、と書いているけれど、どうやらフリッツ・カーン自身が描いたものではないらしいんだよね。
アイディアを提供し、フリッツ・カーンの指示に従って、出版社のデザイン部門で作成されたとのこと。
より複雑な画像の場合は、フリーランスの画家、建築家、グラフィックデザイナーに依頼し、独自のスタイルでアイデアを実装したという。
きっと頭の中には絵が完成していたんだろうね。
それを形にしてもらうためには助けが必要だったということだろうから、やっぱりフリッツ・カーンの作品と断言しちゃって良いんだろうね。
人体をテーマにしているだけではなく、シュールレアリズムの作品としての鑑賞も可能!
左右の隅にアルファベットが描かれているところに注目してしまったよ。
教材として活用していたのかな? 

「人間の生活」の第5巻は1931年に出版された。
第1巻が1922年だというから約9年かけてシリーズが完結したことになるね。
これは5巻にある作品で、視覚に関する説明をしているという。
美女として誉れ高い第18王朝エジプト王妃、ネフェルティティの写真を観ているシーン。 
網膜について勉強するための資料のようで、 桿体と錐体の働きを図解しているとのこと。
人体についてほとんど知識がないSNAKEPIPEだけど、「人間の生活」を教科書にして勉強したら知識が身につきそうじゃない?(笑)

「Die Entfaltung der Insektenflügel (The unfolding of insect wings)」(昆虫の翅の展開)は1952年の作品だという。
パラシュートの広がり方と、脱皮後のトンボの羽を比較して見せているんだね。
昆虫についての説明に、落下傘部隊が登場するとは思わなかったよ。(笑)
教材としてだけではなく、ポスターにして飾りたくなる美しい作品だよね!

グロテスクになりがちな体内組織の図だけど、フリッツ・カーンのグラフィックではアート作品になっているよね。
まるでサイケデリック・アートみたいだもん。
2010年1月に記事を書いた「医学と芸術展 MEDICINE AND ART」 に出品されていなかったのか確認すると、残念ながら展示されていなかったみたい。
フリッツ・カーンの作品を観てまっさきに思い浮かんだのが、まさに医学とアートのミクスチャーだったんだけどね。 
フリッツ・カーンの著作を手に入れて、全ての挿絵を鑑賞したくなってしまう。
手に入れることができるのかな、と調べてみるとお手頃価格で販売されていることが判明!
すぐに購入してしまったよ。
到着が楽しみだ。(笑)
 

名和晃平 Oracle 鑑賞

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【ジャイルギャラリーの入り口を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

2021年最初のブログは、年末に鑑賞した展覧会について書いていこう。
表参道にあるジャイルギャラリーで2020年10月から開催されているのは、 名和晃平の「Oracle」である。
この展覧会には、かなり前から長年来の友人Mに誘われていたSNAKEPIPE。
なるべく年内に鑑賞しよう、と都合をつけて出かけたのである。

連日のようにコロナ感染者数が増加しているというニュースを聞いているので、細心の注意をして出かけることにする。
予想に反して表参道には、普段ほど人が多くない。
原宿や表参道にあるショップは、ほとんどが11時オープン。
ジャイルギャラリーのオープンも同じなので、その時間に友人Mと待ち合わせる。 
オープンしたばかりのせいか、MoMAやギャルソンのショップにも人が少ない。

ギャラリー入り口向かって左、輝くカラスを発見する。
このカラスがトップに載せた画像ね。
照明が当たってキラキラしているよ!
SNAKEPIPE MUSEUMに陳列したくなる作品だね。
受付で念の為、撮影が可能かを確認し中に入る。
ジャイルギャラリーは、いつでもオッケーしてくれるんだけど、一応聞いておかないとね。
ということで、今回の画像は全てSNAKEPIPE撮影のものだよ!

アーティスト、名和晃平について調べておこうか。 

1975年 大阪府高槻市生まれ
1998年 京都市立芸術大学美術学部美術科彫刻専攻卒業
英国王立美術院(Royal College of Art,Sculpture course)交換留学
2003年 京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程彫刻専攻修了博士号取得
京都府美術工芸新鋭選抜展 最優秀賞
キリンアートアワード2003 奨励賞
2005年 アジアン・カルチュラル・カウンシル (ACC)日米芸術交流プログラム ニューヨーク滞在
京都府芸術文化特別奨励者
2006年 ダイムラー・クライスラー・ファウンデーション・イン・ジャパン芸術支援活動プログラム「アート・スコープ2005-2006」ベルリン滞在
平成18年度京都府文化賞 奨励賞
2008年 六本木クロッシング2007 奨励賞
京都造形大学 准教授に就任
2010年 第14回アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ 2010 最優秀賞
2012年 平成23年度京都市芸術新人賞受賞
2018年 京都府文化賞功労賞受賞

様々な賞を受賞して、何度も海外で活動する機会を得ていたことが分かるね。
交換留学だったりアートプログラムとして選出されて渡航しているところが素晴らしいよ。
現在は教授になっているようで、アート一色の人生を送っているんだね!
作品は観たことないなあ、と思っていたら!
2019年5月に鑑賞した「百年の編み手たち〜ただいま/はじめまして」に名和晃平の作品が出品されていたことが判明!
とはいっても、「百年の編み手たち」の記憶が残っていないんだよね。(笑)
図録も購入しなかったので、どんな作品だったのか不明だよ。
今度こそ、しっかりと作品を目に焼き付けることにしよう!

輝くカラスの後方にあったのは黒い作品「Black Field」。
厚めに塗った油絵具と油を混合させて、表面に起こる経過や状態まで含めて作品だという。
こうした説明は受け取ったパンフレットで初めて理解するんだけど、観た瞬間に好き!って思ったSNAKEPIPE。
年齢を重ねると、こうした抽象的な作品に興味が湧くのなんでかな?
生きていく上で遭遇する全ての事象が、くっきりとした輪郭が取れるわけじゃないことに気付いたからだろうね。(意味不明)

「Rhythm」という作品。
SNAKEPIPEはカビとか胞子をイメージして、どんどん膨らんだり増殖する物体じゃないのかなと思ったけど、違うみたいね。(笑)
影の入り方が面白くて、照明の当て方で印象が変わるのかもしれない。
こうした無機物にも勝手に意味を見出し、自分なりに解釈してしまう。
「袖触れ合うも多少の縁」に代表される、どんなに小さな出来事にも因縁があり、大事にしましょうという教えを体現するようになったのは、いつの頃からだろうか。(全く意味不明)

人によって何に見えるのか違ってくるであろう、抽象の世界。
よくYahoo!の下のほうに「何に見える?」という心理テスト載ってるよね?
ロールシャッハ・テストに代表される、想像した物から性格判断を行う分析方法と同じなんだろうね。
さて、この作品名は「Dune」というらしいので、思い浮かぶのは「砂の惑星」だよね。(笑)
敬愛する映画監督デヴィッド・リンチの失敗作とされる「デューン」だけど、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督版が近々公開されるというのは気になるね。
予告編を観た限りでは、リンチ版を踏襲しているように見えるけど。
話を作品に戻そう。
SNAKEPIPEはこの作品を観て、夜の荒れた海だと思ったよ。
えっ?陳腐?(笑)
あえて陳腐な表現を厭わなかったのは、特別な人生など多くはない、と悟ったせいかもしれない。
ありきたりな小さなことに喜びを感じることこそが日々の糧ではないか、と思う今日このごろである。(益々意味不明)

次の展示室に移ろうとした時、動きが止まってしまう。
中央に鎮座ましますのは、光り輝くバンビちゃん。
「聖なる存在」とはまさにこのことではないか、と思ってしまうほどの神々しさ!
あのバンビちゃんには、きっと何か宿っているに違いない。
絶対そうだよ!

バンビといえば思い浮かべるのはSex Pistolsの映画「The Great Rock’n’Roll Swindle」でかかった「Who Killed Bambi」かな。

ギリシャ人の監督ヨルゴス・ランティモスの映画「聖なる鹿殺し(原題:The Killing of a Sacred Deer 2017年」なんていうのもあったよね。 
バンビとか鹿というのは弱い存在で、犠牲になることが多い動物ということなのか。
そんなバンビちゃんが光り輝いているということは…まさか!
霊的な存在になっているという解釈も成り立つのかもしれない。
載せた画像がバンビちゃんを構成しているビーズのアップ。
小さな一粒一粒ごとに色鮮やかな光を見出すことができる。
バンビちゃんは、複数の霊的な存在の集合体と考えることができるのかもしれないね?
普段のSNAKEPIPEとは別人格が出るほど、様々なことを考えさせられた展覧会だったよ。(笑)

2021年も当ブログをよろしくお願いいたします!