映画の殿 第37号 ベルヴィル・ランデブー

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【ベルヴィル・ランデブーの登場人物をコラージュ】

SNAKEPIPE WROTE:

2019年1月以来、久しぶりに更新するカテゴリー「映画の殿」!
古い映画を鑑賞し、感想を記録するのが目的なんだよね。
備忘録の意味もある。
だってほら、書いておかないと忘れちゃうから。(笑)

長年来の友人Mから「この映画知ってる?」と連絡を受けたSNAKEPIPE。
友人Mは海外のインスタグラムから様々な情報を得ているようで、その中に気になる画像があったそうだ。 
ネットで検索してみるとフランスのアニメ映画「ベルヴィル・ランデブー(原題:Les Triplettes de Belleville 2003年)」だと判明した。
早速DVDを借りて観ることにしたROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
今回は「ベルヴィル・ランデブー」について感想をまとめてみよう!
※ネタバレしていますので、未鑑賞の方はご注意ください

まずはトレイラーを載せようか。

簡単なあらすじをシネマトゥデイから転用させて頂こう。

内気で孤独な少年シャンピオンは自転車レーサーに憧れていた。
やがて、成長して世界最高峰の自転車レース、ツール・ド・フランスの出場選手となるまでに至った彼は、晴れのレースの最中、謎のマフィアに誘拐されてしまう。

少年シャンピオン。
全く説明はされないけれど、どうやら両親は亡くなっているようだ。
おばあちゃんと2人暮らしのようで、大事に育てられている。
まるまる太っているので、あまり外では遊んでいないのかもしれない。
おばあちゃんから子犬をプレゼントされ、ずっと一緒にいるんだよね。
シャンピオンが一番喜んだのは、自転車をプレゼントされた時。
両親の写真に自転車が写っていたのが、理由なのかもしれないね?

シャンピオンの相棒である、犬のブルーノ。
子犬の状態から、月日が流れて登場した時には、こんなに大きなサイズに大変身!
家の近所を走る電車に向かって吠えるのが日課、というバカ犬。(笑)
ただし時計が読めるようで、時間に正確なところはエライのかな。
映画の後半では大活躍しているので、主人思いの良い犬ともいえる。
ブルーノは、パルム・ドールならぬパルム・ドッグ賞を受賞しているんだよね!

シャンピオンと共に暮らすおばあちゃん。
おばあちゃんに名前はなかったのかなあ。
ほとんどセリフがない映画の中で、おばあちゃんは表情すら、ほとんど変えない。
老眼鏡を直したり、編み物したり、シャンピオンの世話をしているシーンも、すべて淡々を行っている。
シャンピオンを可愛がる気持ちが一番のようで、愛する孫のためなら危険を顧みず行動に出る。
こんなおばあちゃんがいたら心強いだろうね!

映画の冒頭で登場するシンガー、トリプレット。
スウィング・ジャズは軽快で、気分がウキウキしてくるよ!
このサントラは、ブノワ・シャレのオリジナルだという。
音楽がより一層映画を効果的にしていて、素晴らしかったよ。
トリプレットの歌声に合わせて、有名人がカメオ出演しているのも面白い演出だよね。

「あっ!ジャンゴ!」 
と声を出したROCKHURRAH。
昔からファンだったというジャンゴ・ラインハルトがアニメになっているんだよね。
まだパンク少年になる前に、兄からギター教材代わりに勧められ、練習したけれどジャンゴのようにできるわけもなく(笑)今に至っているそうで。
これを教材にしようとする発想が、最初から違っているように感じてしまうけどね?
ジャンゴの曲を聴かせてもらうと、ギターは運指がなめらかで、とても表現力が豊かだなと驚いた。 
やっぱり教材にはならないね。(笑)

時は流れ、成長したシャンピオンとおばあちゃん。
ありゃ?シャンピオンの様子が子供時代とはかけ離れているよ!
どうやら自転車にのめりこみ、ツール・ド・フランスの選手になるために猛特訓を積んでいるようなんだよね。
ストイックな生活を送り、すべて自転車のために生きている。
そんなシャンピオンを支えるおばあちゃん。
おばあちゃんの風貌は全然変わってないんだね。(笑)

ついに憧れのツール・ド・フランスに出場するシャンピオン。
おばあちゃんとブルーノが何故、救護車の屋根にいるのかは不明だけど、応援にかけつけているんだよね。
ツール・ド・フランスについて詳しくないSNAKEPIPEなので、少し調べてみよう。

毎年7月にフランスおよび周辺国を舞台にして行われる自転車ロードレース。
23日間の日程で行われるステージレースで距離にして3300km前後、高低差2000m以上という起伏に富んだコースを走り抜く。
賞金総額は2015年の場合で約203万ユーロ、うち総合優勝者に45万ユーロとなっている。

23日間、自転車で走り続けるレースとは!
FIFAワールドカップ、オリンピックと並んで、世界3大スポーツイベントとされるだけあって、街をあげてのお祭り騒ぎになるのも納得。
上の画像を観ても、観客が大騒ぎしてるもんね! 
ツール・ド・フランスといえば、この曲を忘れちゃならないよ。
クラフトワークの「ツール・ド・フランス」お聴きください!

レースの最中、シャンピオンはマフィアに誘拐されてしまう。
元々セリフがほとんどない映画だけど、特にシャンピオンは何を考えているのか分かりづらかった。
誘拐された後も、拉致の境遇に対して不満を持っているようには見えなくて、黙々と指示に従っていたのが不思議だよ。
それでもおばあちゃんにとっては、大事な愛しい孫なんだよね。

シャンピオンに比べて、活発で人間味のあるおばあちゃん。
ブルーノをお供に、シャンピオン探しに出かけるんだもん、元気だよね!
あてもなく、お金もなく、ブルーノの嗅覚だけが頼りなのに。
おばあちゃんは迷うことなく、今やるべきこと、できることを判断し行動していく。
この姿勢は、すごいよね!
全く年齢を感じさせないんだもん。
「女だからダメ」「年寄りだからできない」なんて言い訳を一切しない、強さに感心するよ!

そんなおばあちゃんに救いの手を差し伸べる女性3人がいる。
3人の老婆は美しい歌声を聴かせるじゃないの!
まさか、この3人は?
やっぱり冒頭のモノクローム・シーンに出ていたトリプレットだ!(笑)
いつの間にか年を取り、見かけはすっかり老人だけど、この3人におばあちゃんが加わった老婆4人チームは、なかなかどうして!
マフィアも手こずるほどなんだよね。
「ベルヴィル・ランデブー」の原題は「ベルヴィルのトリプレット」なので、主人公はトリプレットだということがわかる。
3人の老婆は、いつでも人生を楽しんでいるように見えるんだよね。

身近にある物を使ってショーを行うトリプレット。
新聞紙、冷蔵庫、掃除機を楽器代わりにするとは!
まるで大道芸人のようだけど、ROCKHURRAHに聞くとそんなスタイルのバンドは実際にいるという。
フランスのLes VRPは日用品を使用して演奏しているとのこと。
トリプレットの演奏法は、そこまで意外ではないのかもしれない。
この音楽もとてもカッコ良かったよ!

「ベルヴィル・ランデブー」の面白さに「デフォルメ」があるんだけど、マフィア達の表現がその最たるものかもしれない。
全員同じ体型と顔をしていて、背中部分が四角いんだよね。
まるで将棋の駒が歩いているようで、動きが面白かった。
ボスだけは丸い顔をしていて、背も低い。
全く威厳を感じないボスだったけれど、子分達は絶対服従しているんだよね。
そんなマフィア達を翻弄するトリプレットとおばあちゃんの4人組に拍手を贈ること間違いなし!
いくつもの映画賞を獲得したのがよく分かる、鑑賞できて良かった映画だよ。
情報をくれた友人Mに感謝だね! 

老人が活躍する映画について、2017年5月に「映画の殿 第24号 ハッスル老人」という記事を書いているSNAKEPIPE。
ハッスル自体が死語だし、老人と組み合わせた謎の熟語については良しとして。(笑)
老人Z(1991年)」は大友克洋が原作・脚本・メカデザインを手がけ、キャラクターデザインを江口寿史が担当したアニメ映画で、ブログ記事に少しだけ書いているんだよね。
「ベルヴィル・ランデブー」ではトリプレットとおばあちゃんが肉弾戦でマフィアに対抗しているけれど、「老人Z」に登場する老人達はハッキングによる頭脳戦を繰り広げる。
ハッキングできるレベルの老人が3人も同室にいる看護病棟なんて、通常はあり得ないけどね。(笑)
この老人達の活躍により物語が進行して行くところが面白い!
久しぶりに鑑賞してみて、一番懐かしく感じたのは江口寿史のキャラクターかな?

老人が主人公の映画は、弱者であるはずという思い込みが裏切られ、逆転劇が展開する様が痛快なんだろうね。
平均寿命が延びてシニアと呼ばれる人口が増えているので、将来的にはもっと老人が主役の物語が増えていくのかもしれない。

「ベルヴィル・ランデブー」の監督であるシルヴァン・ショメは、元々バンド・デシネの作家だったんだね。
アニメーション作家としての作品が他にもあるようなので、是非鑑賞してみたいと思う。

未来と芸術展 鑑賞

【未来と芸術展の紹介映像】

SNAKEPIPE WROTE:

「面白そうだから、行ってみようよ」
長年来の友人Mから誘われたのは、森美術館で2019年11月19日から開催されている「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」である。
森美術館の企画はいつも注目しているので、SNAKEPIPEも気になっていたんだよね。
2011年12月に鑑賞した「メタボリズムの未来都市展」を彷彿させる内容なのかなと予想したけど、実際はどうだろう。
開催日の次の日、友人Mと待ち合わせたのである。

チケット購入に30分以上並んだことがある森美術館だけれど、この日はすんなり!
受付の女性が「今日はシティビューがキレイですよ」と教えてくれる。
森美術館のチケットは展覧会鑑賞に加えて、ビルの52階にある屋内展望台に入場できるセットなんだよね。
いつもはシティビューに興味を示さなかったけれど、お勧めに従い行ってみることにする。
森ビルを中心とした東京を一望することができるんだよね。
東京タワーも新国立競技場も、くっきりキレイに見えるよ!
展望台をぐるりと歩いていくと、あっ!
富士山だっ!(笑)
上に雲がかかっているけれど、山頂付近に雪がかかった様子もよく分かるね。
受付の方に教えてもらわなかったら、この景色とのご対面はなかったかも。
受付の方に感謝だね!

展望を満喫した後、いよいよ「未来と芸術展」へ。
展覧会の紹介をHPより一部抜粋させて頂こう。

本展は、「都市の新たな可能性」、「ネオ・メタボリズム建築へ」、「ライフスタイルとデザインの革新」、「身体の拡張と倫理」、「変容する社会と人間」の5つのセクションで構成し、100点を超えるプロジェクトや作品を紹介します。
AI、バイオ技術、ロボット工学、AR(拡張現実)など最先端のテクノロジーとその影響を受けて生まれたアート、デザイン、建築を通して、近未来の都市、環境問題からライフスタイル、そして社会や人間のあり方をみなさんと一緒に考える展覧会です。

アートだけではなくて、様々な分野に範囲を広げているようだね。
一体どんな展示がされているんだろう?
会場に入ると、以前観た「メタボリズム建築」に似た雰囲気の建築物の模型や写真が展示されている。

そんな建築物の中でひときわ目を引いたのがこれ!
パリを拠点にしているXTUアーキテクツの設計による「エックス・クラウド・シティ」。
まるで現代アートのオブジェみたいなんだけど、れっきとした建築の提案なんだよね。
大気汚染により、地表に住めなくなった時、雲の上の大気圏内に居住空間を作るというもの。
3Dプリンターでモジュールを作り組み立てるらしい。
垂れ下がっている植物の浄化作用を利用して環境負荷を軽減させているという。
モジュールの構造がどうなっているのか、よく分からなかったけど、実用化されたら非常にユニークだよね!
どうやって大気圏にとどまらせるのかも疑問だよ。
アイディア、ということで良いのかな?

我らが「まこっちゃん」こと会田誠も出品していたよ。
 「NEO出島」は2018年2月に「会田誠展 GROUND NO PLAN」で鑑賞している作品だったね。
霞が関や国会議事堂の上空に都市空間を作る、というもの。
会田誠は実現可能な計画を提案するというより、批判的な精神から作品を作っているようだよ。
説明文を読んで、やっと意味を理解したSNAKEPIPEなので、昨年観た時にはイマイチ、ピンとこなかったんだけどね。(笑) 

この作品だけ、作者名と作品名を記録するのを忘れていたSNAKEPIPE。
森美術館は、ほとんどの作品の撮影許可を出しているんだけど、WEBにアップする際の注意があるんだよね。
それは必ず作者名と作品名、更にライセンスに関する明記も必要なんだけど。
巨大なスクリーンに映し出される都市の様子は、色が変化していき、観ていて飽きない。
都市と色の関係については、よく分からなかったけれど美しかったよ!
もう一度行くとしたら、必ず作者名等記録しておかないとね。(笑)

ハッセル・スタジオ+EOSの作品「NASA 3Dプリンター製 住居コンペ案」は、まるでSF映画を観ているような気分になった。
火星に移住するために住居を建設する、というアイディアなんだよね。
3Dプリンターって、そんなに強度があるの?
この映像を観ていると、すぐにでも実現しそうだよ。
動画は1分なら撮影可能とのことなので、載せてみたよ!
ん?1秒過ぎてるかな?(笑)

圧倒的な美しさを誇っていたのが、この作品。
ミハエル・ハンスマイヤーの「ムカルナスの変異」ね。
観た瞬間から「すごい!」と息を呑むこと間違いなし!(笑)
円形の中に入ると、様々な長さのパイプが連なっているんだよね。
そのパイプに光が当たって、得も言われぬ美しさにうっとりするSNAKEPIPE。
シルバー色でピカピカ光る物が大好きだからね!(笑)
ハンスマイヤーはアルゴリズムアーキテクチャ技術などを使ってコンピューテーショナル・デザインを行っているという。
この作品もイスラム建築で使用される幾何学模様を参照し、コンピューターで作図した後、ロボットアームがパイプを切り組み合わせたという。
人間が出る場面は「ここからアイディアを持ってこよう」と考える部分だけ?
アートという概念を覆す制作方法だよ。
さすがに「未来と芸術展」だよね!

「未来と芸術展」のフライヤーにもなっている作品。
エコ・ロジック・スタジオがオーストリアのインスブルック大学と共同で開発したバイオ技術を使った彫刻「H.O.R.T.U.S.XL アスタキサンチンg」とのこと。
この作品にも3Dプリンターが使用され、ブロックには微細藻類ミドリムシが埋め込まれているという。
ミドリムシのせいだったのか、元々のブロックだったのかは分からないけれど、この作品は独特のにおいを放っていたんだよね。
食用になることはわかっているんだけど、あのにおいは好き嫌い分かれるだろうな。
本当はもう少しじっくり観たかったけど仕方ない。

とても美しいエイミー・カールの「インターナル・コレクション」シリーズ。
繊細なカットのドレスは、人体の組織である「神経系」や「靭帯と腱」を3D CADでデザインしたものだという。
これはもう「人体の不思議展」の世界じゃない!
あの展覧会で「神経だけ」や「血管だけ」の標本があったことを思い出す。
エイミー・カールのHPでは、このドレスを身に纏っているモデルさんがいる。
身体の内部にある組織と同じ形状の物を身に着けるということは、皮膚がサンドイッチされてるってことだよね。
なんともシュールな世界だなあ!(笑)
エイミー・カールは他にも3Dプリンターで制作した心臓の作品も展示していたね。

「未来と芸術展」での一番の話題は、もしかしたらこの作品だったのかもしれない。
この作品を手がけたのがディムート・シュトレーベ。
印象派の画家として有名なファン・ゴッホの左耳を再現したものなんだよね。
ゴッホが1888年に自ら左耳を切り落としていることは、ご存知だろうか。
失われた左耳を、ゴッホの親族のDNAを基にバイオ技術で再現したものだという。
もうそんなことができる時代になっているのね!
この作品にはマイクが付いていて「話しかけてください」と書いてある。
外国人の女性が「Hello!」とマイクに向かって話すと、ゴッホの耳が漬け込まれている液体がパイプを通して動きだしたんだよね!
SNAKEPIPEも友人Mも試してみたけれど、残念ながら耳には届かなかったようで、動きがなかったよ。

展覧会の最後に展示されていたのは巨大な作品だった。
実験音楽のような音と共に映像が流れていく。
不規則で目まぐるしい映像に酔いそうになる。
これは一体何だろう?
世界最古の遺跡とされるトルコのギョベクリ・テペ
紀元前1万年前の遺跡に残された図像などをAI解析して、抽象的な映像に変換したという。
なんとも壮大な発想じゃない!
1万年以上前の人類の記憶を、最新技術を駆使して現代に蘇らせるとは。
そしてタイトルのモノリスは、キューブリック監督の作品「2001年宇宙の旅(原題:2001: A Space Odyssey 1968年)」に登場する物体のこと。
わざわざ説明するまでもないかな?(笑)
今から50年以上も前に公開された映画の影響力が、未だに続いていることにも驚いてしまうね。
「データモノリス」と名付けられた作品は、観るというより流れを体感するアートになるのかもしれない。
ずっとその場に留まっていたい欲望に駆られたSNAKEPIPEだったよ。

他にも面白い作品はたくさんあって、かなりボリュームのある展覧会だった。
人間とAIの境界について考えさせられる展示が興味深かったな。
どこまでをアートと呼び、作者は誰になるのか。
友人Mも大満足だったとのこと。
ROCKHURRAHと一緒に、もう一度訪れようかな!(笑)

「陸の海ごみ」鑑賞

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【ギャラリー前の看板を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

鑑賞したのに、記事にするのをすっかり忘れていたSNAKEPIPE。
1ヶ月以上も放置していたとは!
最近は活発になっているROCKHURRAHとSNAKEPIPEなので、他のイベントを記事にすることに忙しかったんだよね。
自分で撮影した写真を観ていて思い出した展覧会は「陸の海ごみ」。
竹中工務店のギャラリーであるギャラリーエークワッドで開催されていた。
過去形なのは、すでに展示が終了しているせい。
宣伝にならない記事でごめんなさい!

ギャラリーエークワッドといえば、以前イームズ夫妻の家を鑑賞したことがあったね。
2019年3月に「EAMES HOUSE DESIGN FOR LIVING 鑑賞」としてまとめているので、ご参照ください。
入場無料なのに、素敵なフライヤーがあったり、展示も充実してたんだよね。
さすが竹中工務店、と思ったものよ。(笑)
そのギャラリーでの展覧会なので、期待して出かけたROCKHURRAHとSNAKEPIPE。 
「陸の海ごみ」とは、一体どんな作品なんだろうね? 

10時のオープニング直後に到着。
調べたわけではないけれど、恐らくギャラリーは会社の一角に設置されていて、他のフロアは竹中工務店のオフィスじゃないのかな。
前回もそうだったけど、入り口から入る時にちょっとだけ戸惑うんだよね。
「ここで良いのかな。入って良いのかな」
って感じでね。(笑)
目の前にガードマンが立っているから余計かも。
意を決して会場に足を踏み入れる。(大げさ)
ありゃ?受付の女性以外、誰もいない!
ROCKHURRAH RECORDSの貸し切りとして、ゆっくり鑑賞することができるよ。(笑)

ここでギャラリーエークワッドに載っていた作者である藤元明の経歴を転用させて頂こう。
1975年東京生まれ。
東京藝術大学美術学部大学院デザイン専攻修了。
FABRICA (イタリア)に在籍後、東京藝術大学先端芸術表現科非常勤助手を経てアーティストとして活動。
都市における時間的/空間的余白を活用するプロジェクト「ソノ アイダ」を主催。
人間では制御出来ない社会現象をモチーフとして、様々な表現手法で作品展示やアートプロジェクトを展開。
主なプロジェクトに「TOKYO 2021」「NEW RECYCLE®」、広島-New York で核兵器をテーマに展開する「Zero Project」など。
2016年より開始した「2021」プロジェクトは現在も進化中。
社会現象をモチーフにしていると書いてあるので、今回の企画もその一環なのかな。

会場で最初に目にしたのは、巨大なスクリーンに映し出された万華鏡のような映像だった。
しばらく眺めていると、それが「海のごみ」だと分かる。
漁業の方が使う網とか、ロープの類なのか。
色合いが美しいので、タイトルを知らないと「ごみ」とは思わないだろうね。
「海のごみ」を使った環境アート、といったところか。
万華鏡状態の「ごみ」映像は、他にもたくさん流れていた。

プラスチックのカゴ(?)とコップが配置されている。
これもじっくり観ないと分からないんだよね。(笑)
2015年8月に記事を書いた「ここはだれの場所?」で鑑賞したヨーガン・レールの作品を思い出す。
ヨーガン・レールも石垣島で拾った漂流ゴミを使って、美しい作品を展示していたんだよね。

ここまでくると、サイケデリックー!(笑)
幻惑させられるようで、頭がクラクラしてくるよ。
BGMはジェファーソン・エアプレインか?(笑)
これらの映像が流れる画面が10点程並んでいるのは、壮観!
色合いと形が勝負なので、シンメトリーの構図だけの展開では少し弱いかもしれないとも感じた。

プラスチックのごみが海洋を漂っている様子をシミュレーションした映像もあった。 
これは海洋研究開発機構で開発された海洋循環モデルを使用しているとのことなので、藤元明の作品ではない。
日本も相当プラスチックごみが漂流していることが分かる。
いつの間にか生活していく上で、なくてはならない素材になっていたプラスチック。
2069年までの予想映像だったけれど、これから海はどうなっていくんだろう?と不安になってしまうね。

漂流物で作成されたオブジェ。
なんとなくまとめて、なんとなく形にしたような安易さを感じる。
同じような素材を扱い、素晴らしい作品を世に送り出した人もいるわけだから。
写真家・東松照明が海岸に漂着したプラスチックを撮影したのが、1988年から89年のこと。
「プラスチックス」として発表されることになるけど、この完成度の高さったら!
構成と色が素晴らしい作品に魅せられたSNAKEPIPEにとっては、藤元明の立体作品は物足りなかった。

その気持ちが、ブログにアップするのを躊躇させた理由かもしれない。
えっ、単なる物忘れ?(笑)
ギャラリーエークワッドは、とても良いギャラリーなので、また別の企画を楽しみにしたいと思う。

大人社会科見学—夢の島熱帯植物館—

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【ススキが秋を感じさせる一枚】

SNAKEPIPE WROTE:

夏が終わり、すっかり秋めいてきた今日この頃。
俄然活動的になっているROCKHURRAHとSNAKEPIPE!
2015年以来、ご無沙汰となっていたブログのカテゴリー「大人社会科見学」を、これほど頻繁に更新することになるとは。
インドア派からアウトドア派に変わりつつあるみたいだね。
夏以外は、だけど。(笑)

以前よりROCKHURRAHから誘われていたのが「夢の島熱帯植物館」だった。
熱帯、と名付けられているだけあって、館内は暑いくらいの気温設定がされているらしい。
そのため「行くなら寒くなってから」と話し合っていたのである。
そして機が熟した。(おおげさ!)
11月のキレイな秋晴れの日、「夢の島熱帯植物館」に向かったのである。

夢の島、と聞いて「あのゴミの?」と連想してしまったSNAKEPIPE。
同じように思ってしまった方は、それなりに歳を重ねてるはず。(笑)
1978年(昭和53年)に東京都立夢の島公園として開園しているんだよね。
その当時の映像があったので、載せさせて頂こう。 

ほんとに昭和54年には大人気スポットになっていたんだね!
そんなに昔から公園になっていたのに、どうして「ゴミ」のイメージのままだったのか。
ROCKHURRAHは昔観た映画か漫画に、ゴミ処分場としての夢の島が出てきた、薄い記憶があるそうだ。
SNAKEPIPEは、恐らくドキュメンタリー番組か何かで観たのかもしれないな。
同じようにゴミのイメージを払拭していない人、どれくらいいるんだろうね?
夢の島公園には「熱帯植物館」以外に「アーチェリー場」や「陸上競技場」があるんだって。
面積43ヘクタールというから、相当広いよね。(笑)
東京ドーム約9個分だもん。

夢の島公園に到着。
午前の早い時間だったせいか、人の姿はほとんど見えない。
道幅は広くて、とてもゆっくり歩くことができる。
ここは自転車で公園内を巡るのも気持ち良さそう!
熱帯植物館を目指して歩いていると、来年に迫った東京オリンピックに向けた工事について書かれた看板をみつける。

どうやらアーチェリー場がオリンピック会場として使用されるみたいだね?
NHKの大河ドラマ「いだてん」では、1964年に開催された東京オリンピックの裏話が披露されている。
オリンピックにかける熱意や情熱が語られているけれど、来年のオリンピックって盛り上がってる?
どこでどんな競技が行われるのかも知らないのは、ROCKHURRAH RECORDSだけかしらん。
そんな話をしていると、いつの間にか周りには木々がいっぱい!
ここって都内だよね、と聞いてしまいたくなるほど自然豊かに感じてしまう。
1978年から今年で40年以上経過して、今ではこんなに植物が根付いているんだね。
ゴミのイメージを持ってしまってごめんなさい!

植物館近くに植えられていた植物に目を奪われる。
なんて鮮やかな色なんだろう!
これ、花じゃなくて葉なんだよね。
植物館に入る前なのに、すでに興奮状態。
ROCKHURRAHと一緒に、競うように写真を撮る。
植物について詳しくないので、名前は表示されてないと分からないのが残念だよね。

これが熱帯植物館だ!(笑)
チケットは大人250円。
さすが東京都の施設だよね、この値段は嬉しい!
青空をバックに正面入口を撮影。
初めて見た熱帯植物館は、とても大きくて3つのドームが印象的。
館内は暑いだろうから、ここでジャケットを脱ぐことにする。

植物館は植生地域によって3つに分かれていた。
最初に入ったのがAドームで、ここでは主に熱帯の水辺に生える植物を鑑賞することができる。 
モワッとした熱気に加えて、ガラス越しの日光の影響もあり、少し汗ばむほど。
滝が流れる音が聞こえ、まるでジャングルに迷い込んでしまったように錯覚する。
水やりのあとだからなのか、それとも湿った空気のせいなのか、葉が濡れている。
それが余計にジャングルっぽいんだよね。

かつてジャワ島のジャングルを歩いたことがあるSNAKEPIPE。
植物が思い思いに根を張り、枝を伸ばし、葉を茂らせている様子を見た。
夜降ったスコールのせいで、濡れた葉が光を受けてキラキラ輝いていた。
大量の水から栄養を摂った木々は、益々元気いっぱいで、もっと大きくなろうとしているようだった。
高い木の枝から垂れるランの長い根。
ランというのは、本来こういうものなんだ、と知ったことを思い出した。 
あの時のジャングルと違うとすれば、昆虫や爬虫類がいないことかな。(笑)

写真を撮りながら30分程歩いたところで、休憩できる小屋を発見。
いかにも南方にありそうな造りで、雰囲気にぴったり!
ベンチがあったので、少しだけ休憩しようと座る。
途端にROCKHURRAHが「うわっ」と叫ぶ。
なんと蚊に刺されたという。
昆虫はいない、と先に書いたけれど、蚊はいたんだね。
そう聞くと急にSNAKEPIPEも、手の甲がかゆい気がしてくる。
次回熱帯植物館行く時には、虫除けスプレーして、ムヒを持参しないとね!(笑)

赤や黄色、ピンクの花が咲き誇っていた。
真上から見ると、とってもパンクな花を発見!
トゲトゲしててウニみたいなスパイキーヘア!(笑)
帰宅後調べてみるとエクメア・ファスキアタというブラジル原産の植物とのこと。
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEは、観て「カッコ良い!」と感じると写真を撮っていた。
花が美しいのはもちろんなんだけど、2人共「葉」のほうに興味を持つことが多かった。
不思議な色や形、まるで現代アートのような造形美に圧倒されたんだよね。

同じ葉なのに、どうして下だけ色が違うんだろう?
そして葉脈がピンク色って、あまり見かけない気がするんだけどね。
植物館では植物の名前をプレートにして展示しているんだけど、プレートが見える場合とそうではないことがあった。
見えないほうが圧倒的に多くて、植物に詳しくないSNAKEPIPEには調べる手立てがないよ。
知ったからどう、ということもないんだけどさ。(笑)
熱帯植物は観ていて飽きなかった。
時間が許すなら、虫除けスプレーしてもっと眺めていたかった風景だよ!

植物館の3つのドームを約1時間かけて歩いたROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
鑑賞中、出会った他のお客さんは約5名程度。
すれ違ったのはほんの一瞬のことなので、ほとんどの時間をROCKHURRAH RECORDS専用の植物館として過ごしたことになる。
このストレスの無さ!良いね!(笑)

ドームを抜けてオーストラリア庭園へ。
ここで咲いていたのはエパクリス・ロンギフロラ。
赤と白からイメージして、クリスマス用に吊るした靴下みたい、と連想したSNAKEPIPE。
とても不思議な形だったよ!
ROCKHURRAHは「新生姜みたい」と言う。
なんでそんな連想になるかね?(笑)

食虫植物温室には粘着式、落とし穴式、はさみわな式など、様々なタイプの植物が展示されていた。
画像は落とし穴式のウツボカズラ。
実際に捕食シーンを見ることはできなかったけれど、その特異な形状には驚いた。
これら食虫植物をドーム内に設置すれば、蚊の被害は減るのかも?(笑)
枯れかかっているように見えるのもあり、全体的に食虫植物に元気がなかったのが残念だったよ。

この日は丁度「エチオピア展~人類の起源の地~」でのイベント「エチオピアのコーヒーセレモニーの実演」が開催されていた。
エチオピア連邦共和国大使館の方が来館されて、エチオピア・コーヒーを振る舞ってくれるという。
ドームに入る前に、案内係の方から参加を促されたけれど、所要時間が30分から1時間と聞いて遠慮する。
本当は「大人社会科見学」としては、絶好のイベントだったのかもしれなかったね?
ドームを出ると、庭には巨大カボチャがゴロゴロ転がっていた。
これは「ハロウィン・パーティ」の企画で、かぼちゃを転がして遊ぶためのものだったらしい。
子供用のイベントでお客さんを呼ぼうとしてるのかな?
企画には参加しなくても、植物鑑賞だけでも充分満足だったよ!

植物館を出て、夢の島公園内にある「都立第五福竜丸展示館」に向かう。
第五福竜丸とは、1954年にマーシャル諸島ビキニ環礁でアメリカがおこなった水爆実験により被爆した、静岡県焼津港所属の遠洋マグロ延縄漁船のこと。
ROCKHURRAHは以前から、第五福竜丸の存在を知っていたらしいので、夢の島公園に展示されていることに驚いたらしい。
どうして知っていたのか聞いてみるときっかけはゴジラからだという。
ゴジラは水爆実験により放射能を浴び、突然変異した恐竜という設定だったんだね。
1954年に初めて登場したゴジラのポスターには「水爆大怪獣映画」って書いてあったよ。
映画で直接というよりは、少年雑誌の特集で現実の水爆実験を知ったようだけどね。
第五福竜丸の被爆とゴジラ映画の公開年が同じとは!
そんな話をしながら道なりに進んでいくと、展示館が見えてきたよ。

展示館に入ると、いきなり第五福竜丸が眼前に迫る。
パネルの展示もされていて、アメリカがマーシャル諸島で1946年から1958年まで67回も核実験をしていたこと、被爆した人々の様子などを知る。
第五福竜丸は1967年に廃船となって、夢の島の埋立地に放置されていたところを保存されたという。
アメリカが約60年前まで核実験が公然と行っていたことを改めて知ることになった。
被爆した第五福竜丸に、独特の匂いをかいだSNAKEPIPE。
負の歴史を体験した船からは、強い悲壮感が立ち上っているようだった。
見えない壁が張り巡らされた中に、重たい何かが漂っているようで、息苦しさを感じてしまう。
強い印象を残す、この展示館も鑑賞できて良かったよ。

東京都立の施設なので、料金はリーズナブルな250円!
新木場駅からの徒歩、もしくは都バスで楽々到着できる。
たまたまだったのかもしれないけど、お客さんが少なめでゆったり鑑賞できるのも良かった。
そして植物の生命力から、エネルギーをもらったように感じられて、リフレッシュできたことが一番の収穫かな!
お気に入りの場所が増えて嬉しいね。
また寒い時に、是非訪れてみたいよ!
虫除けスプレーとムヒを忘れずに。(笑)