ユキヒョウでゆきまひょう

【あまり速いパソコンは疲れるにゃー】

ROCKHURRAH WROTE:

2009年8月28日、埴輪の日として名高いこの日にAppleファン待望のMac新型OS10.6 Snow Leopardが発売された。

ほんの10年前くらいにはマッキントッシュなどと言っても一般的には何だかよく知らないパソコンの名前、という程度の認知度で実にマイナーだったもんだが、iPodやiPhoneのヒット以来、昔からのMac好きが思ってる以上にアップル社は有名になってしまったなあ。

まあそんな硬い話は抜きにしてROCKHURRAHもこのSnow Leopardを早速インストールしてみたので、その感想などを雑文にしてみよう。と言ってもまだ触り出したばかりで書ける事は非常に少ないんだが。

流行遅れが大好きなROCKHURRAHとしては「この今という時期にわざわざMac OS10.5 Leopard(前のヴァージョン)を定価で買ってインストールしてみました」などという間抜けな記事が書きたかったという衝動はあったんだが(笑)、さすがに自分のパソコンを使ってまでネタには出来なかった。

そう、実は今までMacのOSを最新型リアルタイムで体験した事がなかったというわけだ。直前まで使っていたのはMac OS10.4 TigerだったのがLeopardをすっ飛ばしてSnow Leopardに豹変した。つまり珍しく旬のものを手に入れたという事を回りくどい書き方してしまった。

Macの人以外にはわかりにくいので初心者やウィンドウズの人のためにまず過去を振り返ってみよう。とは言っても歴史の最初から語るのも面倒だ。この辺は Wikiにでも任せる事にする。

アップルの歴史は1970年代に遡るわけだが、美しいとかスマートさとか楽しげなギミックとかに対するこだわりようは大変面白く、創業者たちの魅力がこのコンピューターには詰まっていたもんだ。簡単に言えば「フロッピーの排出ボタンはダサいからやめよう」などとスティーブ・ジョブス(アップル創業者の一人)が提唱するとそれが実現してしまうようなパソコンがMacだった。今はあんまりやらないけど昔はCDとかをエジェクトする時はゴミ箱にドラッグしていたもんだ。実用性だけを求める人には関係ないような事だが。

端折り過ぎてて過去を振り返るどころではないが、こういうMac OSは2001年から次世代型Mac OS Xとして生まれ変わった。それが以下の通り。数字はヴァージョンね。

10.0 Cheetah
10.1 Puma
10.2 Jaguar
10.3 Panther
10.4 Tiger
10.5 Leopard
10.6 Snow Leopard

というわけで最近のMac OSはネコ科の名前が付いている。ウィンドウズも7とかありきたりじゃなくてハイエナとかヤブイヌとか付けてくれればもっとわかりやすいのに。ちなみにパンサー、タイガー、レオパルド・・・このネーミングと言えば子供の頃に好きだったタミヤの戦車ドイツ軍シリーズ(と言うかプラモデルじゃなくて現物も当然この名前なんだがドイツ語読み)とセンス一緒じゃない?タイガーの次は好きだったハンティング・タイガー(ヤークト・タイガー)もしくはキング・タイガーにして欲しかったなあ。
それにしても買いに行ったパソコン屋でも言われたが、Leopardをレパードと言うのは自分的にはどうもしっくり来ない。やっぱり昔ながらの読み方レオパルドでいいじゃないかと思ってしまう。

前置きが長くなりすぎて続き書くのが嫌なくらいだが、ROCKHURRAHは大まかに2つヴァージョンが上がるくらいでOSをアップグレード、もしくは本体を買い替えてる事になる。

直前に使ってたTigerは何の問題もなくて愛着もあったんだが使ってみたいアプリケーションで「動作環境10.5以降」などと書かれているものが多くなって、悲しくなってたもんだから仕方なくLeopardにでも変えてみるか、などと思っていた矢先に次のSnow Leopardが出てしまった次第。
時流に疎く遅れすぎて「珍しく旬のものを手に入れてしまった」のが実情だ(笑)。

さて、前のLeopardはインストール前に再起動してDVDから起動しなければならなかったが、今回のヴァージョンではそのまんまインストール出来るみたい。必要最小限のOSをまずインストールしてから残りのファイルを処理するというような事になってるらしい。こりゃ楽だ。ちょっとTV見てる間に終わってしまった。システム容量もかなりダイエットしてるようで、インストール後にハードディスクの空き容量が増えていた体験は初めてかも。

そして楽しみにしてた新型OSは・・・うーん、Tigerとは確かに違うけどもLeopardとは大して変わってないという印象だ。アップル曰く、外見じゃなくて中身だぜよ、との事だが革新的新機能大好きのジョブスのジョブにしてはやや地味な印象がある。大人になってしまったのかな?

まだインストールして間もないから機能の全てを使ったわけでもないし、主要アプリケーションの具合をサラッと確かめたくらい。起動は前より速いしキビキビ感もある。特にアップル純正ブラウザ、Safariの起動は間違いなく世界最速。ほとんど一瞬で画面が出てくるのは感動させられる。アップル社純正のソフトどもは差別化して速くチューンアップしてるみたいだね。ROCKHURRAH ご用達のブラウザ、SeaMonkeyも初回だけもたつくが二回目以降は快速で立ち上がる。
Photoshopでおなじみ、アドビ社の製品は現行のCS4から劇的に起動が速かったからこれはもともと。ウチが特に良く使うBias社の波形編集ソフト、Peak Proも問題なし。

うーん、全体的に特に問題ないとかばかりで書いてても読んでても別に面白くもないな。今のところ順調だとしか言いようがない。

ただひとつだけ・・・。新しくなって手放しで喜ばしいかと言えばそうでもなくて、ウチの環境では大きな問題もあった。

Safariや他の一部のアプリケーションで文字入力する時にROCKHURRAHがいつも使ってるインプット・メソッドであるEGBRIDGEがなぜか使えない、これには困った。
インプット・メソッドとはウィンドウズにおけるIMEとかATOKみたいなもので文字入力を司る最も根幹的な部分。
Macには昔から「ことえり」という漢字変換インプット・メソッドが付いているんだが、これが実はあまりよろしくない。で、Macユーザーはシステムに無料で付いてることえりを使わず、わざわざ有料のこのEGBRIDGEを好んで使っている人が多いというわけだ。ROCKHURRAHもその一人だったんだがこの開発元エルゴ・ソフト(ちなみにゲーム好きにはおなじみ光栄の子会社)がソフトの開発を終了してしまい、ヴァージョン・アップもサポートももうなしというありさま。 Leopard対応で一度ヴァージョン・アップがあったらしいんだが、こないだまでTigerだったROCKHURRAHは当然そのヴァージョン・アップはしてない。
長く使って馴染みの深いシステムだっただけに使えないのは非常に残念だ。Safariで検索しようとする時は強制的にことえりになってしまう。今までほとんど使ってなかったことえりをこれから馴染みになるように鍛えていかなければならないのはまるでパソコン初心者に戻ったみたいで辛い。 Snow Leopardにしようと思ってるEGBRIDGE使いの人はご注意を。

なんだか書いてると良くなった部分よりも悪くなった部分が多いように感じてしまうが気のせい?便利になろうが不便になろうがROCKHURRAHはこれからもずっとMacを使い続けるつもりだし他に変える気はしない。他のMacユーザーもきっとそうだろう。特にLeopard(で元からことえり)の人はたったの3300円でアップグレード出来るチャンスだから是非ともチャレンジしてみよう。

Mac OSの将来に対して不安があるとすれば今後ヴァージョンが上がるたびにつけるネコ科の名前が他にあまり残ってないような気がするという点のみか。あと残ってるメジャーなネコ科と言えばライオンくらいか?究極に小回りがきくコンパクトさという点では単なるキャットが最終型という気もする。そうなったら猫好きのSNAKEPIPEも Mac派になってくれるかな?

逸品制作日誌 スカート流用バッグ

【今回制作したバッグの前、後、中の写真】

SNAKEPIPE WROTE:

いつの間にかもう9月に入ってますな!
時が経つのは本当に速いよね!(笑)  
今年も残りわずか4ヶ月。
苦手な暑さも一段落してきた今日この頃なので、そろそろ動くか。

ということで始めたのが制作。
今回はROCKHURRAHのリクエストによりバッグを作ってみた。
3年くらい前にROCKHURRAH自身が制作しようと材料だけはすでに購入済みだったもの。
ずっと手をつけずにいたのでSNAKEPIPEが引き継いだ。

SNAKEPIPEもROCKHURRAHも古着屋に行き自分が着るための洋服も探すけれど、後に何かの制作に使える材料として店内を物色することも多い。
かつてSNAKEPIPEも自分用のバッグ制作に真っ赤な革のスカートを使ったことがある。
今回使った革も実はレザーのタイトスカートである。
うまい具合にサイドに付いているポケットもそのまま利用できるようにしたい、というROCKHURRAHのリクエストを取り入れるために苦労した。
ポケット部分まで使うことになると意外と横幅が広くなる。
全体のバランスなどを考えなんとかカタチにしてみたけど!

裏地部分(中身)のポケットを充実して欲しい、というリクエストもあった。
そう、SNAKEPIPEもそうだけどROCKHURRAHも大のポケット好きなのである。
小分けにする場合にポケットって絶対重要だもんね!
女性モノのバッグには外ポケットが一切付いていないタイプも多いので不満を感じることが多いため自分で制作するようになったSNAKEPIPEにはその気持ちはよく解る!
ということで今回はROCKHURRAH向けにサングラスケースが入れられるポケット、A4サイズのファイルが入る大型ポケットやペットボトルホルダーになるような細工など使い勝手も考えた設計にしてみた。
外ポケットも前2つ後2つとかなり大きさのあるタイプで収納力アップ。
これだけあれば困らないであろう。(笑)

元々ROCKHURRAHが黒の革にピンクのジッパーを想定して材料を用意していたため、そのまま流用。
裏地の色はそれに合わせて発色の良いキウイグリーン。
うーん、このピンク×キウイグリーンってウチのHPのテーマカラー!
バッチリだね!(笑)

さてあとは最後に上部のジッパーを縫ってしまえば完成!
そして縫い終わり「できた!」と思ったのもつかの間。
なんと今回はサイド部分にマチを付けたため、ジッパーを閉めるとバッグ全体に歪みが出ることが判明。
なんで「いびつ」になっちゃうの~!えーん。
サイドにマチがある場合は上部ジッパー部分にもある程度のマチが必要なんだね。(言葉じゃ伝わりにくいな)
仕方ないのでもう一度やり直し。
制作している途中で想像していた通りにならない時は諦めずにやり直すことにしている。
何故かというと、結局そのまま「まあ、いっか」で終わらせても後で気に入らなくて使わなくなるからだ。
特に今回は自分用じゃないし。

そこもなんとかクリアし、無事に制作完了!
ROCKHURRAHも気に入ってくれたようで良かった。
なんと言っても3年越しで待ちわびたバッグだしね!(笑)

もう一つ活動再開、ということではなんと2年も手をつけずにいた「九相墟写巻」を更新したこと!
あのシリーズを始めた当初はシリーズが終わったら次は何にしようかな、などと考えていたのに。
そしてかなり好評だったのにもかかわらず、6回目まででストップさせてしまってました。
ファンの皆様、申し訳ございませんでした!(笑)
※現在SNAKEPIPEの写真ページは公開していません

そして一つお知らせ!
ROCKHURRAH RECORDSのオンラインショップ第1号店は新ショップと統合することにしました。
というか今まで2店舗あったことに気付いてなかった?(笑)
新ショップに統合した理由はそちらのショッピングカートのほうが手早くお買い物できて好評だったため。
ただしMac好きのROCKHURRAHが設置したのにもかかわらず、Macの方はFlashの仕様で住所入力がし辛いかも・・・ごめんなさい!
メンテナンス的にも新ショップが楽に感じたのもある。
オンラインショップ第1号店は8月いっぱいのため、ブックマーク登録されている方は新ショップへ変更お願いします。
新ショップはこちら→http://rockhurrah.com/webshop/

KARAOKEぞんざい?

注意:別ウィンドウで開いて音が出ます。みんなで拳を振り上げて歌おう】

ROCKHURRAH WROTE:

先日のSNAKEPIPEによる記事「KARAOKE万歳!」にインスパイアされたというわけじゃないがROCKHURRAHもふと思いついた事があって、カラオケについて書いてみようと思う。

今どき珍しい人種なのかどうかも自分ではわからないが、実はROCKHURRAHはカラオケというものに数回しか行った事がなくて、歌う方はほとんど未経験と言ってもいいくらい。音痴とか友達がいないとか色々な要因はあるだろうけど、カラオケに行かない決定的な理由は好きで歌えそうな曲がぜーんぜんなかったから、という点にある。

そこで今回思いついたのが、カラオケ屋になさそうな曲を自分で加工してみてはどうだろうか?という事。とは言ってもカラオケ屋の膨大な曲リストにどんな曲がありそうかなさそうか、行ってもいないのに本当にわかるはずもなし。絶対にないはずの曲はわかるが、そんなマニアックなカラオケを作ってもブログを読んだ大半の人に理解不能だからなあ。その辺のバランスはなかなか難しいものがある。
まあ世の中は広いから、もしかしたらディス・ヒートの「Makeshift Swahili」とかレジデンツの「Constantinople」とか(両方とも難解かつ歌いにくい曲だと思える)案外カラオケ屋で熱唱してる輩もいるかも知れないか?
そういうわけで「ROCKHURRAHが夏休みの課題としてカラオケ曲作りに挑戦」という趣向で気軽に始めてみたわけだが、結果としては意外と難しく非常に不本意なものとなってしまった。まあこれで食ってるわけじゃないし、この程度で許して。

使ったのは以前に書いた記事「MacでRec」の中にも登場した波形編集ソフトとプラグインのみ。さあて、うまく出来ますかどうか。

カラオケというのは要するにヴォーカル部分を抜いた楽曲だからヴォーカルだけ消してしまえばいいわけだ。スタジオとかでレコーディングした曲はギターとかヴォーカルとか1トラックずつにわかれたデータだから、その中のヴォーカル部分のみを無音にすれば簡単にカラオケになる。が、それは製作者側の話で、それをまとめて2トラックのステレオにしてしまったCDとかレコードの場合は1トラックの中に複数の楽器が渾然と入っていて、そこから完全にヴォーカルのみを抜き去るのは難しかった。というか「うまく出来ますかどうか」などと書いた矢先で情けないがROCKHURRAHは出来なかった。
何だか毎回「うまく出来なかった」系の記事書いてる気がするな。レベル低いな。

まあ、色々と実験してみて何とかカラオケっぽくなったものがいくつか、その中から夏らしくパンチの効いた熱い曲を選んでみた。聴いてみてもし歌えるものがあったら歌ってあげてね。


まずはエクスプロイテッドの名曲「Dead Cities」から。個人的にUKハードコア・パンクの中でも別格に好きなバンドだし80年代初頭のこの曲で今でも全身の血が沸き立つ。ピストルズやクラッシュやダムドが今でも色褪せなくて有効なのと同じだ。まさにPunks Not Deadという奇跡。典型的にハードコアな曲も数多くあるバンドだが、この曲は70年代パンクをただ速くしてみましたという感じの曲調が好ましい。今の時代が好きじゃないから言える事だけど、2000年くらいに作られた曲で30年後まで色褪せない曲なんてあるのかね?さて、この曲はカラオケで歌うとどうだろうか。早口だから噛んでしまったらもうアウト。曲も短いから体勢を建て直す前に終わってしまいそうだね。と言うか本当にカラオケでないのかどうかあまり調べずに書いてるんだが、実は今どきありそうな気もする。


次はニューヨーク・ドールズの必殺ロックンロール・ナンバー「Pills」だ。これは素人がテキトーにやった割には比較的きれいにヴォーカルが小さくなってくれたガルボ。下品でチープでアブノーマルなこのバンドは大好きだったジョニー・サンダースのルーツでもあるし、30年どころか40年近く経った今でも不滅だと思える。有名なバンドだからカラオケになっててもおかしくはないけど、知らない者勝ちという事で作ってみた。


さて、次は逆に絶対カラオケでは存在しないと思える。五月に最高の来日公演を果たしたレジロスの代表曲「Somebody's Gonna Get Their Head Kicked In Tonight」だ。タイトル長いなあ。ウチのブログでもこの来日の時、記事は書いてるんだけど、本当にパワフルなライブだった。あまりヴォーカルは消えてないけど元気よくみんなダミ声になって歌おうぜの巻。


さあ、最後にとっておきの曲を歌って終わりにしよう。ROCKHURRAHもSNAKEPIPEも大好きなこのバンド、ロビンの「Insane」だ。典型的なサイコビリーではないがパンクとサイコビリー要素がガッツリと盛り込まれたロビンのライブはいつでも最高。近場でライブやる時はぜひ見に行ってそのパワーを確かめて欲しいバンドだ。などと関係者でもないくせに宣伝したくなってしまうくらい素晴らしい。この曲はメイン・ヴォーカルがベーシストのヤスによるもので、実はロビンの曲を色々カラオケ化試してみたんだがヤスのヴォーカルだけは結構きれいに消えるという事が判明。おそらく声の周波数とかの問題なんだろうが、ヤスだけに易々と消えるのか?さて、ライブでもパンチ合戦が飛び交うこの危険な曲は委細構わず野太い声で歌って欲しい。横にヒロシ役の刺青男がいればなお良し。

時間と波形編集のテクニックがあればもうちょっとはうまくカラオケ化出来たんだろうが、今回は全体的に勉強不足の結果となってしまった。正月休みにでもまた再挑戦してみるかな。

CULT映画ア・ラ・カルト!【03】ILSAシリーズ

【どのポスターもダイアン・ソーンが仁王立ちの構図。全部同じパターン?】
SNAKEPIPE WROTE:

今回はカルト映画「ILSA」シリーズについてまとめてみたい。

ILSA ナチ女収容所 悪魔の生体実験」は1974年に制作されたアメリカ/カナダ映画。
タイトルからしてすでに危ない雰囲気を漂わせているけれど、内容もそのまんま!
ナチスの医療収容所での残酷な実験を描いている映画である。
医療収容所の女所長の名前がイルザ、その後のシリーズもすべてダイアン・ソーンが演じている。
このダイアン・ソーンの存在感が映画の要であり、彼女のおかげで映画が大ヒットしたといえるだろう。

なんといってもダイアン・ソーンの魅力はその肉体美!
グラマラスボディの持ち主で、いかにもアメリカ版プレイボーイのグラビアに出てきそうなタイプ。
そのグラマーさんがナチスの制服をピチピチ状態で着こなし、冷たい美貌で怖い命令を下すとは!
さて一体何が起こるのだろう、と期待に胸を膨らませること間違いなし!(笑)

結局グラマー所長はどのくらいまでの熱や圧力に耐えられるか、病気に対する抵抗力など「人の限界」のようなデータを取ることが目的だったようで。
そのデータを取るシーンだけが残酷かな。
それ以外は収容所とは言っても、建物は掘っ立て小屋みたいだし、収容されている人達は部屋を自由に歩いているため厳重に管理されている収容所というイメージとは程遠い。
あとは所長の趣味に多少の問題があるくらいなので、恐る恐る指の間から覗き見しなくても大丈夫な映画である。(全員がオッケーとまでは言わないけど!)
最後はその「趣味」がきっかけで転落する所長。
やっぱりこんな人体実験、許す国はないよね?

2009年の現在観ても「ナチスで生体実験」とタイトルにあるような映画はマズいんじゃないか、と感じるので制作された1974年などはもっと危なかっただろうね。
キャストの中に「この作品のみ変名」と書かれている俳優が多いので、お金欲しさで出演はしたけれど、できれば出演したことは知られたくないという意味だろう。
まあ、代表作として堂々といえるのはやっぱりダイアン・ソーンのみだろうね。(笑)

それにしても「ILSA」にはモデルがいた、と書いてあってびっくり!
イルゼ・コッホという女性らしい。
本当にそんな残虐な女性がいたとは驚きだね!
一文字違いにして「イルザ」なのか、と納得。

イルザ アラブ女収容所 悪魔のハーレム」は1976年の作品。
主演は同じくダイアン・ソーン。
今回はタイトル通りアラブの石油王国が舞台で、国王専用ハーレムの守備隊長を任されているイルザ。
主人が国王で命令を受けて行動するため、前作のようにイルザが絶対の命令権を持っているわけではないところが違うんだよね。
そして今回はあまりダイアン・ソーンの脱ぎっぷりもよくなくて、ほんの数シーンでその肉体を披露しているのみ。
前作の「これでもか」というほどの肉体誇示はないので要注意。(意味不明)

石油王国の国王がポール・マッカートニーに似てる。
うっ、「に」を3回も書いてしまった。(笑)
そのポール国王のハーレムは誰しもが思う通りの「いかにもアラブのハーレム」状態。
美味しい料理にお酒、美しいダンサーがくねくね踊る宴。
周りに侍る訓練された女性達。
みんな国王のための演出。
背いたら罰が待っている、命がけのご奉仕。
アラブ編では前作よりもグロさがプラスされている。
今回は顔をそむけてしまうシーンもあったので、グロさを求める人にはいいかもしれない。
そしてアラブ社会ってこんな習慣あるんだっけ?と信じてしまうような不思議なエピソードがいくつか挿入されている。
お客様への最高のもてなし料理とか泥棒に与える罰について、など。
本当なのかどうかアラブの人に聞いてみないと。(笑)

今回のイルザは、普通の女みたいにアメリカ人スパイに恋する設定で。
国王のためにハーレムを維持・守備している冷徹な女隊長とは随分イメージが違ってきて、とまどってしまう。
最後はやっぱりイルザが笑って終わるようにはできてないんだな。
というか、そういうラストにはできないのかもね?

「女体拷問人グレタ」は1977年の作品。
この映画では名前はイルザじゃなくてグレタになっている。
グレたからかな?(ぷっ)
ここでも大筋はさほど変わらず、病院の院長になっているダイアン・ソーン。
治療と称して、前作と同様に自分の好き勝手をやっている。
そして警察関係者と手を組み、テロリストに自供をさせるために拷問を繰り返す役割も果たしている。

今回は病院に入ったまま行方が分からなくなった姉を探して、実態をあばくため妹が潜入するストーリーになっている。
最後は姉に会えたけれど、この手の映画の中で感動的な再会シーンは期待できないよね。
結局はグレタ院長が微笑みながら残酷なことをして終わってしまった。
なんの作戦も練らないで潜入すること自体が無謀だったともいえるけど。

ラストで手下だと思っていた男の裏切りや、グレタが復讐を受けるシーンが衝撃的だった。
今回はジェス・フランコという先の2本とは違うスペインの監督なので、ちょっと雰囲気が違っていたのかもしれない。

本当はイルザシリーズにはもう一本「イルザ シベリア女収容所 悪魔のリンチ集団」(1977年制作)があるのだけれど、今の時点ではまだ入手できていない。
それにしても「~収容所」で「悪魔の~」って、全部同じパターン!
ちょっとマンネリ気味?(笑)
暑い国の次は寒い国にしたってことか。
設定その他は同じだろうけど、いつか観られる日を楽しみにしたい。