逸品制作日誌 レザー・シャツジャケット


【SNAKEPIPEが試着したところ。さすがにサイズぴったり!】

SNAKEPIPE WROTE:

オリジナルの洋服や雑貨を制作し、それを発表する「逸品制作日誌」を最後に書いたのが、なんと2013年7月のこと!
実に4年も前のことと気付いて愕然とする。
その間何も制作していなかったのかというと、そんなことはない。
大抵の場合、制作というよりはリフォーム作業をしていたようで…。
このブログには「劇的ビフォ→アフター」というリフォームについて特集するカテゴリーがあるけれど、そこで書くまでもない程度の作業しかしていなかったみたい。
今までも何度か書いているけれど、大好きだったバンド、ROBINが解散してしまってからというもの、ライブに行く機会は皆無になり、それと同時に制作にも熱が入らなくなってしまった。
あの頃はライブに行くため、という目的が制作意欲を掻き立てていたんだよね。

そんなSNAKEPIPEが久しぶりに作ってみたいと思ったのは、ROCKHURRAHが着ているレザー・シャツが羨ましかったから!
それはウエスタン調のレザー・シャツで、とてもカッコ良いんだよね。
もちろんROCKHURRAHにとても似合っているから余計なんだけど。(笑)
レディスには、そんなレザー・シャツってなかなかないと思う。
よおし、それならば作ってしまえ!
と意気込んで柔らかい革を手に入れたのが、2015年の年末近く。
ROCKHURRAHに付き合ってもらい、一緒に選んでもらった。
そしてシャツの裁断をしたのが、2016年の正月。
そう、去年の1月なんだよね!

洋服の場合はいつもそうなんだけど、この裁断という作業が一番苦労する。
型紙置いて、印付けてカットするだけなんだけどね。(笑)
素材がレザーだからなのか、この裁断まで済んでしまえば、ほとんど完成したと言っても良いくらい。
もちろん実際はそうじゃないんだけど、それくらい裁断の作業は大変なんだよね。
腰が痛くなりながらも、なんとか裁断し終わり、あとは縫うだけ。
左は裁断してパーツになった革の様子。
最初は順調だったはずなのに。
ああ、それなのに。(笑)
なんでこんなに時間がかかっちゃったんだろうね?

原因の一つは、 シャツの作り方そのままを参考にしてしまったから。
レザーと布では厚みが違うのに、同じように作ろうとして苦労してしまった。
例えば襟とかね。
右は非常に時間をかけて作った襟部分の画像。
レザーで裏表を作っているため、少し不格好なんだよね。
もう一つは裏地を付けてしまったこと。
ROCKHURRAHのレザー・シャツには裏地が付いていなくて、シャツの中に着る素材によっては、滑りが悪くて着づらいことがあるとのこと。
この話を参考に、裏地を作ろうと計画したのが更に苦労の元になってしまった。
シャツを作ったこともないのにも関わらず無謀だったのかもしれない。

そしてSNAKEPIPEが胸ポケットの素材にこだわってしまったのも原因かな。
同じレザーではなく、ハラコにしてはどうだろうと想像してしまったのである。
そしてその考えが素晴らしいと思い、また素材を調達することになってしまった。
ここでまたタイムロスだ。(笑) 
左はハラコのポケットを付けた身頃を撮影した画像。
ここまでで何ヶ月かかったんだろう?

去年の冬には間に合わず、結局今年中持ち越しそうになってしまった。
いや、今年の冬はこのレザー・シャツジャケットを着たい!
そう決心して再び制作を始める。
襟、袖、身頃と完成させたら、あとはそれら全てを合体させるだけ!
右は合体させて、残るは袖のカフス部分を作るだけとなった画像。
裏地が少し見えているのがおわかり頂けるだろうか。
これは古着屋で手に入れた70’sのブラウスを使用している。
ちょっとサイケっぽい柄が気に入って、何かで使おうと買っておいたものだ。
「開くとすごいんです」
って感じにしたかったんだよね。(笑)
この画像からは見えないけれど、内ポケットも付けて好みの状態にしてある。
レディスの洋服って、ポケット少ないのが多いんだよね。

カフスを作り、シャツの裾部分を縫って完成!
これでやっと今年デビューすることができたよ。
計画からということになると、約2年をかけて完成にこぎつけた逸品。
今年中に仕上げることができて、本当に良かった。(笑)

次回の逸品制作日誌はいつ書けるだろう?
まさかまた4年後?
オリンピックみたいだね。(笑) 

逸品制作日誌 ベルトポーチ

【今年のROCKHURRAHへのプレゼント!】

SNAKEPIPE WROTE:

7月5日はROCKHURRAHの誕生日である。
おめでとう、ROCKHURRAH!
今年が何回目の誕生日なのかは秘密。(笑)
お互いの誕生日には何かしらのプレゼントをするのが習慣になっていて、毎年何にしようか悩んでしまう。
3月のSNAKEPIPEの誕生日には、温泉旅行をプレゼントしてもらった。
さて、ROCKHURRAHには何を贈ろうか?

考えに考えた挙句、ベルトポーチを制作することに決定。
冬にはスマートフォンなどの小さな持ち物をジャケットに収納することができるけれど、夏は軽装になるため持ち運びに困ると聞いていたのである。
そして丁度良いベルトポーチを探しているけれど、なかなか気に入った物が見つからないとも言っていた。
それならば!
SNAKEPIPEがROCKHURRAHの好みに合わせたポーチを作ってみようじゃないの!(笑)

大体の大きさやポケットの数など、リクエストを聞いてからまずは試作品を作ってみることにする。
前回の「逸品制作日誌」で作ったエコバッグの残りの革を使用してみる。
ROCKHURRAHはかなり明確な好みがあったようで、裏地や縫い方にもこだわっていた。
それら全てを満足してもらうように頑張ったSNAKEPIPE。
苦心の末、試作品は完成したのである!
が、なんと!
何故だか形がいびつ…。
使えなくはない、というレベルにSNAKEPIPE自身が愕然としてしまう。
こんなはずではなかったのに…。
色合いが良かった革も、試作品だけでなくなってしまった。
オリーブ色が良いというリクエストがあったので、革を仕入れに行くことにする。

運良くとても良い革が手に入ったので、改めて制作に取り掛かる。
今度こそ失敗は許されない本番である。
試作品の段階で更にいくつかのリクエストがあったので、それらもプラスして制作を進める。
試作品で苦労したり失敗した点を踏まえての2回目になると、意外とすんなり出来上がってきた。
型紙を作って裁断してから約3日。
なんとか完成させ誕生日に間に合ったのである。

「欲しかったデザインにしてくれてありがとう!」
とROCKHURRAHが喜んでくれた。
良かった~!(笑)
一生懸命作った甲斐があったよ。(涙)
出来上がったのがトップの写真のポーチである。
表面にはジッパー付きポケット、裏にもポケット、本体の内側にも2つのポケットがある、非常に収納力のあるタイプに仕上がった。
機能性とデザイン性の融合が目標なので、大満足だね!

ここでふと、試作品に目をやる。
いびつな形になってしまったのは、マチの取り方が悪かったことに気付いたため、マチさえ手直しすれば試作品も使えるのではないかと思う。
せっかくなので、試作品をもう一度やり直しマチを変更してみる。
本番のプレゼントは完成しているので、試作品には少し遊び心を加えてみよう。
革だけのほうが強いしお値段が高そうに見えるだろうけど、試作品にはあえて布を加えてみる。
革の表面に布を縫い付け、強度を補強。
ミリタリー好きのROCKHURRAH RECOREDSなので迷彩柄の布にしてみよう。
ウッドランド、タイガーストライプ、フレックターン、マルチカムのどれが良い?の問いに「マルチカム」が返ってくる。
こうしてオリーブ×マルチカムのベルトポーチも完成。
こっちのタイプもオシャレな感じで気に入ったよ!(笑)
ええい、こっちもオマケでプレゼントだー!

革×迷彩のポーチはSNAKEPIPEも欲しくなったよ。
2回も作っているので、3回目はもっとすんなりキレイに仕上がるはず。
自分用のが一番良い出来になっちゃったらごめんなさい、だね。(笑)

逸品制作日誌 エコバッグ

【このバッグの背景は、やっぱり爆発だね】

SNAEKPIPE WROTE:

作れる物は大抵の場合、既に作品を制作しているSNAKEPIPE。
作れない物は例えば靴!
一時期本気で靴職人に弟子入りしようか、と思ったほど靴好きなSNAKEPIPEだけれど、実現しなかったため靴を自作したことはない。
木型制作とか圧着する技術とか、とても楽しそうなんだけどね!
ミシンで縫えるタイプだったら、帽子に始まり、アウター、ジャケットなどの洋服類、そしてバッグも好んで制作する。

以前、ブログで記事にするまでもないような、ナイロン素材のエコバッグを作ったことがある。
それは何の変哲も無い、小さく折りたたむことができることが最大の特徴というような、いわゆるフツーのエコバッグであった。
実際、小さく畳めて持ち運びに便利であり、重さを感じさせないというのは何より大事なポイントである。
そんな理由から、かつて作ったエコバッグには何の不満もなく毎日持ち歩くのが当たり前の持ち物の一つになっていた。
特別な思い入れはなく、単なる必需品という感じである。

ある日のこと。
とあるショップで目に止まったアイテム。
それがレザー素材のバッグだった。
折り畳むことができる、非常に柔らかいレザーで作られている。
持ち運ぶことができるバッグ!エコバッグだ!
こんなにレザーが大好きなSNAKEPIPEなのに、なんで今までレザー素材のエコバッグを制作しなかったんだろう?
小さく畳むことばかりに気を取られていたせいだろうね。
このアイテムとの邂逅は、目からウロコが落ちるほどの衝撃だった。(大げさ)
早速、自作することに決めたのである。

ただの頭陀袋のように作っても面白くない。
何か一つヒネリが欲しい、と考えたのが前面部分に文字を入れること。
これも手法としてはありきたりなので、レザーにパンチングすることにした。
パンチングにて文字を浮かび上がらせるのは、とある有名ブランドが「H」と型取っていた方法だから、これもパクリといえるのかな。(笑)
SNAKEPIPEバージョンは、物騒な文字をパンチングしてるから良しとするか!

悩んだ末、今回は「BOMB」に決定。
エコバッグ型にレザーを縫うだけなら、とても簡単な話だったはず。
今回の制作で一番苦労したのがこのパンチング部分。
キッチリと等間隔でパンチングするために、設計図まで用意したもんね。(笑)
そして手作業でのパンチング。
全部で何個の穴を開けたんだろう。
最後の「B」が完了した時には、手はしびれているわ、腰は痛いわで散々だった。
ただし、そのおかげでSNAKEPIPEらしくなったように思うよ!

裏地は、パンチングした文字がハッキリ出るように、真っ赤なキュプラを使用。
レザーの色がグレーがかったモスグリーンなので、赤との相性はバッチリ。
レザーがかなり柔らかいので、4つ折りにして持ち運びも可能。
なかなか良い仕上がりになって、大満足!

一つ注意があるとすれば、このバッグは空港や皇居の周りに持って行ってはいけないことかな?
わざわざ「中に爆弾入ってます」とアピールするテロリストはいないと思うけどね?
本当に危ない人は、一般人に紛れて平凡な服装で何かをやらかしたり、逃げていたりするんだけどね?
解ってないガードマンが多過ぎるよ!
迷彩服に反応するガードマンは、自衛隊員もマークするんだろうか?

4 letter wordsを使用したエコバッグは、違うバージョンも作ってみようかな。
リクエストがあったらお応えします。
販売価格は、相談ということでよろしく!(笑)

逸品制作日誌 レザーベスト

20120902_top【制作したベスト(私用】

SNAKEPIPE WROTE:

前回逸品制作日誌を書いたのはいつだったろうか。
調べてみると既に約2年も前のことだと判った。
それまでの間、全く制作をしていなかったわけではないのだけれど、記事にできるモノは作っていなかったかも。(笑)

今回珍しく一枚の革から制作してみようと思ったのがベスト。
実はSNAKEPIPE、ベストが前から大好きなんだよね。
カメラマンベストとでもいうのか、ポケットが前面にたくさん付いているタイプ、ミリタリータイプ、スーツの三つ揃いにあるようなドレスアップタイプ、ウエスタンで使うようなフリンジの革タイプなど様々なタイプを所持している。
それぞれ用途が違うけれど、昔から集めるのが大好き!
そういえばウサギの毛皮とレザーでも作ったっけ。
あの時は細かい毛が目やら鼻やら口に入って、それはそれは大変だったなあ。
仕方なく、頭にタオル、メガネ・マスクなどを使用して、ハタからみたら変な人状態で制作したものさ。(笑)

今回の制作はそんな苦労はほとんどなくて、レザーと裏地を裁断して縫製するという従来の方法。
苦労したとおいえば革のどの部分をどんな風に使うか、という程度。
制作時間おおそ20時間。
最近の中では短いね。

今までのSNAKEPIPEだったら大好きなジッパーを使ったはずだけれど、今回は珍しく前立て部分にボタンを使ってみた。
なんと、ボタンホール手作りよ!
本当はミシンで作るボタンホールに挑戦したかったけれど、何故だか何度やってもうまくいかない。
レザーと裏地の関係なのかもしれない。
仕方ないので、ボタンホールは手縫いで対応!
ここまでくると根性だね。(笑)

レザーはリザードのような型押しがされていて、実は濃い焦げ茶色なんだよね。
ちょっとオシャレな感じね!
前面に4つポケットを配置して、簡単な物なら収納可能、更に裏にも隠しポケットを作ってみた。
レディスの洋服には内ポケットがほとんどないので、自分で作るしかないんだよね。
あると便利なのに、なんで作らないんだろ?

そうして出来上がった逸品。
これからの季節に活躍しそうだよね。
楽しみ、楽しみ!