ペルソナができるそうな

【あれれ、フォクすけがフォクSKAにペルソナ効果で大変身しちゃったよ!】

SNAKEPIPE WROTE:

SNAKEPIPE が通常使っているブラウザはFirefoxである。
これは以前「それでもやっぱりIE派?」でも書いたことがあるよね。
Firefoxには機能を追加するための「アドオン」という仕掛けがあり、好きなスキン(テーマのことね)に切り替えたりすることができるのである。
見た目を変えることができるってことね。
今回はそのアドオンの一つ「ペルソナ」について書いてみようか。

まず初めにやらなきゃいけない作業は「Personas Plus」というアドオンをインストールすること。
これが入ってないと「ペルソナ」が使えないからね!
インストール後には画面左下に「フォクすけ」アイコンが登場するので、そこをクリックすることで作業ができる寸法。

「ペルソナ」とは日本語でいうと「仮面」になるのかな。
その言葉通りに「ペルソナ」機能を使うと非常に簡単にブラウザの着せ替えができるようになる。
Firefoxには昔から好きなテーマをインストールして外観を変えられる機能があったけど、これは人が作ったテーマを使うだけで自分で作るのは難しかった。
詳しい説明は「Firefoxアドオン」などのページを参照してもらったほうが、SNAKEPIPEの拙い言葉よりいいよね!(笑)

Personas ギャラリー」には世界中の人が作った「私だけのオリジナル」ペルソナがいっぱいあって、見てるだけでもとても楽しい。
この記事を書いている段階で約2000種類のペルソナがあるとはすごい人気ね!
ポインターを画像の上に乗せるだけで、「こんな感じですよ」と実際に自分のブラウザが着せ替えられていく様子はとても面白い!

そしてこの画像はとても簡単に自分でも作れることが判明。
Personas について」というページに「Personas の作り方」と「自分だけが使える独自の Persona デザイン」が作成できる説明がされている。
ペルソナを作ってFirefoxのギャラリーに投稿しないでも、自分だけのローカル環境で同じことができるとのこと。
ギャラリーへの投稿には当たり前だけど、いくつかのガイドラインや著作権の問題などがあるためちょっと面倒・・・と思っていた矢先の朗報。
これは実験してみたいね!(笑)

実際のペルソナ画像も用意してみたので、よろしければペルソナプラスを使って着せ替えしてみて!

【Thorns Of The Pink】

一番初めに思いついたのが上の画像。
パンクらしくトゲトゲ感のある写真を使ったブラウザにしてみたかったわけ。
そして色は好きなピンク。
初めて作ったにしては上出来、と自画自賛しているがどうだろう?
写真の設定が「3000×200」と決められているため、どうしても無理が出てくる。
本当はもっと痛そうなツンツン具合にしたかったんだけど!(笑)

【Shining Silver Metal】

これもまた大好きなピカピカ光るシルバーの写真を使用。
上の写真と同じで、やっぱりどうしても切り取りになってしまうとイマイチ分かり辛いのが難点。
初めから長細い写真だったら問題なんだろうけどね?
ブラウザにしてみたら「割とカッコいい」感じになったよ!
ただし文字の色を考えないと見辛くなるので注意!

【Purple Obscure】

これもまた切り取ったらこんなんなっちゃった写真を使用。
なんだか分からないところがいいよね?(笑)
鏡に反射してるような部分もあったと思うんだけど、ここまで色を加工するとそんなことはどうでもよくなっちゃう。
「なんとなく色合いがキレイ」ということで許して!(笑)

【Murder In A Green Room】

ここからはROCKHURRAHが制作したペルソナ。
大好きなDEMENTED ARE GO!のロゴマークをワンポイントに置いた作品。
そう、ペルソナは右側にポイントを置くか、もしくは全体にまんべんなく画像を散りばめるのが有効。
シンプルなほうがカッコいいのかも、と気付かされたSNAKEPIPE。(笑)

【Eno des Eno】

最後はロック・ミュージシャン時代のブライアン・イーノをモチーフにしたペルソナ。
「Personas ギャラリー」の中にはなさそうだったので、作ってみたらしい。
この時代のイーノらしいアート感覚に溢れたジャケットのセンスは、今見てもカッコいいよね。
ブラウザにイーノでいいの?(プッ)

軽く遊びっぽく作ってみた5つのペルソナだけど、画像編集ソフトさえあれば誰にでも簡単にできるのでお薦め!
今度はもっと本格的に頑張ってみるかな。

逸品制作日誌 シルバー・バッグ

【今回制作したシルバー色の革を使用したバッグ(私用)】

SNAKEPIPE WROTE:

以前「ライブは手ぶらで」の記事でも書いたことがあるけれど、どこに出かける時でも両手が空いている状態が好きだ。
そこでバッグは必然的にヒップバッグか斜め掛けにできるタイプに限られてしまう。
ところがなかなか「これは」と思えるバッグにめぐり合うことができないSNAKEPIPE。
丁度良い大きさやデザイン、機能に素材と数えあげたらキリがないほどポイントがあるからね。
しかも「どんな服装の時にも持つことが出来るように」なんて考えたらもうダメ。
とても市販品で満足できるものなんて見つからない。
自分でオリジナルを作るしかないね!(笑)

そしてこれまでにもいくつかのバッグを制作してきたSNAKEPIPEだけれど、やっぱりまだ満足できないのよ!
この冬困ったのは、丁度良い大きさだと思ってたバッグが使えなかったこと。
厚着してるせいで斜め掛けのストラップの長さが足りなかったのが原因。
決してSNAKEPIPEが太ったせいじゃないからね!(笑)
「もっとストラップが長いバッグを作ろう」
と思い立ったのが去年の11月頃だったかな。
ところが腰が重いのなんの!
全然制作する気がなくてねー・・・。
いや、何があったというわけじゃないけど気力が湧かない時ってあるよね?
この冬はずっとそんな状態が続いてしまい、砂をかむような毎日の連続・・・。
あはは、それはちょっと言い過ぎにしても制作にまで気が回らなかったのは事実。
やっとここに来てイマジネーションが復活してきた!

そしてついに制作開始。
始まると速いSNAKEPIPEなので、あっという間に仕上がってしまった。
上の写真のバッグである。
今回はシルバー色の光るタイプの革を使ってみた。
これならどんな時でも使用可能!
フロント部分に黄色のハラコで作ったフラップ付きのポケット。
今まで黄色ってほとんど無縁だったSNAKEPIPEなので、かなり新鮮な気分!
これから黄色い服とかグッズが増えたりして?(笑)

ここで中の写真を載せなかったので説明だけすると、なんと裏地は浮世絵柄!
江戸時代のべっぴんさんたちがいっぱいプリントされてて面白い。
ただし、大きなポケットをつけてしまったためあまり良く見えないんだよね。(笑)
ま、自己満足ってことでいいかな。

折りたたみの傘が横にして入る充分な幅があるから、色々使えそう。
すっかり春になってしまったけど、これからのお出かけが楽しみである。

3月4日に生まれて

【3月4日生まれの有名人たち】

SNAKEPIPE WROTE:

3月4日はSNAKEPIPEの誕生日。
おめでとうSNAKEPIPE!(笑)
以前ROCKHURRAHが「7月5日に生まれて」という自分と同じ誕生日の人をネタにしたブログを書いたことがある。
それに対抗して、というわけではないがSNAKEPIPEも同じような企画にしてみようかな!
えっ、ただの2番煎じ?(笑)

調べる前から知っていた3月4日生まれの有名人は写真家・作家の藤原新也氏!
その事実を知った時には小躍りせんばかりに喜んだSNAKEPIPEである。
同じ星の元に生まれた、同志のような気がして嬉しかったのだ。
なぜなら藤原新也氏はこのブログの「ABOUT US」にも尊敬するアーティストとして名前を挙げさせて頂いている一人だからである。
最近の数冊は抜けてるかもしれないけれど、氏の著作はほとんど読んでいる。
ちょっとカッコつけ過ぎ、と思うくらいの気障な文章を発見するとニヤッとしてしまう。
斜めから観察してるようなシャープで辛辣な文章は「只者ではないな」と思わせる。
定期的に覗くHPはそんなに多くないSNAKEPIPEだけれど、藤原新也氏のサイトはその数少ないうちの一つである。
「Talk & Diary」というページがブログになっていて、それを読むのが楽しみだ。
ほとんどが時事ネタで、政治のことを書かれたりするとあまり良く理解できないSNAKEPIPEだけどね。(笑)
これからも藤原氏の動向は見つめて行きたいと思う。

この方も誕生日が同じ、と自慢したくなるのが俳優・歌手の天知茂氏!
「土曜ワイド劇場」で放映されていた「江戸川乱歩の美女シリーズ」での明智小五郎役が最も有名な役なのかな。
天知茂氏についてはかつてROCKHURRAHが「ビハインド・ザ・マスク」という記事を書いているので、そちらを参照してもらうともっと詳しく知ることができるよ!
あのバリバリバリと変装の顔を剥がす時のゾクゾクする快感。
分かっちゃいるのにたまらないお決まりのシーン。(笑)
ダンディで苦みばしった渋い魅力はもちろんのこと、ちょっとコミカルなおとぼけの表情もお茶目でナイス!
1985年に54歳という若さでお亡くなりになっているのが非常に残念だ。
天知茂氏の時代劇は観ていないので、機会があったら是非観たいな!

女性で同じ誕生日は?と調べてみたところ山本リンダがいた!
全盛期は一世を風靡した美貌と腰使い。(笑)
実はSNAKEPIPEの持ち歌にもリンダの曲がある。
KARAOKE万歳!」に書いてるね。
現在はどんな様子なのか分からないけど、ちょっと前にテレビに出ているのを観た時には「外国人っぽい派手なおばちゃん」みたいになっていたっけ。
オーバーアクションでテンションが高くて、周りから浮いてる!
若い頃の自分に成り切ろうと必死で努力しているような悲しさを感じてしまった。
良い年の取り方、その年代ごとの魅力の持ち方の難しさが特に女性にはあるからね。
ん?なんか自分への教訓のように話してないか?(笑)

浅野温子も3月4日生まれ。
浅野温子も一時期一世を風靡したことがあったよね?
浅野ゆう子と一緒にドラマやってたり、「101回目のプロポーズ」とか。
げっ、調べてみたら1991年って約20年前じゃん。(笑)
最近は何やってるのかなと思ったら國學院大學客員教授だって!びっくり!
日本神話とか古事記とかの研究やってるみたいですごいね。
「浅野温子に似てる」と言われたことがあるSNAKEPIPEだけど、何が似てるって髪形だけだね。(笑)

日本の俳優では佐野史郎が同じだね。
佐野史郎を初めて観たのは大昔の深夜番組「FMTV」だったように記憶してるけど、昔過ぎて違うかも?(笑)
ドラマの冬彦さんが1992年だって。
んー、もうテレビの話になると全然ダメね。(笑)

海外の有名人では元エイス・ワンダーのヴォーカル、パッツィ・ケンジットが同じ誕生日だね。
オアシスのリアム・ギャラガーが旦那だと思ってたら、今はまた違う人と4度目の結婚をしている模様。(笑)
今の写真を観ると元(再結成?)ゴーゴーズのベリンダ・カーライルみたいな四角い顔に!
がっしりしたアメリカ人のようだよ。
若い頃は痩せた透明感のある少女だったのにね。

海外の有名人では他にフランスの作曲家ポール・モーリア
チャラララララ~ン、とマジシャンがハンカチをヒラヒラさせる時のBGMでお馴染みのあの曲ね!(わかるかなあ)
ポール・モーリアもイージーリスニングの世界で大活躍したっけ。
最近イージーリスニングって聞かない言葉だよね!(笑)

イギリスの作家アラン・シリトーも同じ誕生日。
どんな著作があるかって?
そんなの知りとーない!(うぷぷ)

因みに昨日3月6日は作家、鳥飼否宇先生の誕生日。
2日違い、惜しい!(笑)
鳥飼先生、お誕生日おめでとうございます!

こうして並べてみると俳優、作家が多いように感じるね。
魚座は直観力を生かした職業が向いているようなので、アート系が合ってるのかも?
今からでも遅くない、SNAEKPIPEも頑張って人生やり直してみるのもいいかもしれないね。(笑)

春色ジャケット大特集(なわけない)

【ROCKHURRAH制作の意味不明なレコード・ジャケット】

ROCKHURRAH WROTE:

短い2月も最終日、先週などは最高気温18℃以上などという日もあり、すっかり春らしくなってしまったな。前にブログで「夏嫌い」と書いた(「マルワランド・ドライブ」参照)ROCKHURRAHだが風が強くて寒いのか暑いのかハッキリしない、花粉の舞い散るこの春という季節も大嫌いなのだった。大好きな革パンもムートンも防寒フライトジャケットもまた晩秋までおあずけになってしまうしなあ。
とにかく春物なんてあまり持ってないから毎日が楽しくない。
しかし世間は着実に春物になってゆくだろうし、春らしいカラフルな服も出回っている。そこで思いついたのが今回のテーマ、レコード(またはCD)ジャケットに使われるさまざまな色について。しかし毎回このブログ読んで下さる方にはおなじみだけど、相変わらず何も考察はしない、思いつきだけの浅はかな記事になるに違いない。またまた相変わらずだけど世の中に出回ってるレコード・ジャケットではなくて、あくまで個人的な持ち物だけを語るから実はあまり色のヴァリエーションもなかったんだよね。しかもやっぱり音楽全体ではなく70〜80年代のパンク、ニュー・ウェイブのみ。こんなんだけで商いやってて飽きない?と聞かれそう。

赤とか黄色とかでも細かいニュアンスの違いが言葉ではわかりにくいので今回はこういう色見本みたいなの用意してみた。見る人の環境によっても随分違うだろうなあ。さらに今回の青色リンク文字はジャケットが拡大するので、記事と一緒に見てね。


まずはもしかしたら最も多いかも知れないこの白黒の基本的な組み合わせ。
季節に関係なくこれを基本カラーにしている人も多い事だろう。
この色合いで最も印象深かったのはやはり70年代後半から80年までの変革期に活躍したジョイ・ディヴィジョンだろうか。少なくとも自分の中では真っ先に思い出される。とにかく最もありふれた色だから思いつくと言えばいくらでも出てくるだろう。例えば同時期のバウハウスなども白黒を基調としたイメージなんだけど、1stが黒白、2ndが白黒というジョイ・ディヴィジョンの方が明確。曲の方も多少ヴァリエーション豊富なバウハウスに比べて完璧なモノトーンであり、ポップな曲も難解で理解不可能な曲もない。あまり演奏力のあるバンドではなかったからというのもあるがシンプルこの上ない音楽。ムダなものは一切なし。
タイトルがそのものズバリ「Black And White」というストラングラーズの3rdアルバムもこの配色の代表的なものだろう。彼らのアルバムでどれを好きかと聞かれれば即座にこの作品を挙げる人も多いはず。ホワイトサイドが比較的聴きやすくてブラックサイドが実験的、とかそんな事はどうでもいいくらいに、もうストラングラーズにしか出せない音が高密度で詰まっている。「Tank」や「Sweden」といった攻撃的な音楽に痺れて、ピストルズやクラッシュよりも聴き狂っていた時期もあった。


個人的に白い服が苦手で最も似合わない色だと思えるROCKHURRAHはむしろこのような色合いのコーディネートの方が好きだ。チャコールグレーに朱色とでも言うべきか?このシックな色をジャケットに使ったのがオランダのメカノというバンドだ。と言ってもこのジャケットのは再発盤らしい。
メカノというのは穴がたくさん開いた金属製の板をボルトやネジで組み合わせて好きな形に作る欧州発のおもちゃなんだが、我が家もコーナンで買ったスチールラックを所狭しと合体させた大型メカノと言えなくもないようなやや奇妙な部屋作りを基本としてるので、メカノ好きの心情もよくわかる。メカノの実物を見た事ないSNAKEPIPEもあればきっと珍妙なオブジェを作るはず。
その本物のメカノは置いといて、これはディック・ポラックという人物を中心としたオランダのニュー・ウェイブ・バンド、メカノの話。やはりまたジョイ・ディヴィジョン以降・・・と呼ばれるようなモノトーンな音作りのバンドに属する。しかしレコード・ジャケットの単調さとは裏腹に意外とダイナミックでスケールが大きな音楽を展開していて、ジョイ・ディヴィジョンというよりはむしろニュー・ウェイブ世代のドアーズとかに近い雰囲気がたまらない。どう考えても影響受けてないように感じるけどなぜか偶然、後の世代のスカコアとかを思わせる速い曲も80年代前半にやっていて侮れない。ROCKHURRAHは所有してない作品が多いがオリジナル盤は前述のおもちゃ、メカノをコラージュしたようなちょっとシュールでかわいいジャケットも魅力。スペインかどこかに似ても似つかぬラテン系ポップス・バンドのメカノが存在してるので要注意。


この色を見た瞬間にわかる人は絶対にわかる。そう、それは70年代後半に登場したディス・ヒートの1stアルバムで有名な配色だ。
レコード盤に針を落とすとモールス信号のような音がいきなり始まる。「何じゃこりゃ?レベル低いな」と思い音量を上げるとその直後にこれまで聴いた事のないような不協轟音(貧困な語彙力でごめん)が突然襲ってきて飛び上がるという寸法。伝説となった「Horizontal Hold」のイントロだ。
個人的にはロック史上で衝撃的だったイントロのベスト3に入るだろう。一般的なノイズ・ミュージックとは全然違うし歌もわずかだし、この後の展開も眠くなる人続出だから万人には決してオススメ出来ないし興味本位で買ってはなりませぬ。



世界的に著名な配色、この色と言えば誰でも連想するセックス・ピストルズの伝説的名盤「Never Mind The Bollocks」で決まりだろう。と思ったがあまりにも有名なので何も書けない。なので世間的には格段にマイナーと思われるペル・ユビュのこのジャケットを挙げたい。同じピンクx黄色でも若干色合いが違うだけで随分印象が変わるもんだ。
アメリカのオハイオ州クリーブランド出身のRocket From The Tombs、知ってる人も多いだろうがこれがデッド・ボーイズとペル・ユビュの母体となったバンドだ。
70年代当時のニューヨーク・パンクとは一線を画する派手なアクションとロンドン・パンクに近いルックスで人気だったデッド・ボーイズとデブ・ヴォーカリストによるノイジーでアヴァンギャルドな音楽性のペル・ユビュが同じルーツだというのも意外だな。
本作はペル・ユビュの入手困難な初期のシングルを収録した再発もので、素っ頓狂とも言えるデヴィッド・トーマスのヴォーカルが英国の渾沌音楽と比べるとよりギリギリ感に溢れていて好きな人には堪らない。


上に挙げたペル・ユビュの1stアルバムは工場地帯をバックに工場労働者がバレエを踊っているという奇妙なものだったが、このDAFの1stアルバムも機械そのものの中にいるプリマドンナという不思議に一致したコンセプトのもの。デザイン的に大好きなタイプのジャケットだ。
DAFと言えば男二人のちょいマッチョで単調なエレクトリック・ボディ・ミュージックの元祖というイメージがあるが、この1stではまだそういうスタイルにはなってなくてフリー・スタイルかつアヴァンギャルドなインストのバンドだった。曲目クレジットも何もなくて細切れのような演奏の断片がコラージュされている本作はニュー・ウェイブが「変な音楽デビュー」という若輩には理解が困難。これはジャーマン・クラウト・ロックの難解な音楽の延長線だと考えればそれほど遠いものではないかな。どちらにしても今回の記事はたかがロックだけど万人受けしない系統の音楽(最後の2つ除く)が多いので色々な音楽を聴きまくった後で辿り着いてね。


同じドイツつながりでAbwartsのこの派手なジャケットのアルバムも紹介しよう。アプヴェルツと読むのか?読めん。無学のROCKHURRAHはアブワルツと長年読んでいたよ。赤と黄色に黒が入ればドイツの国旗だね。ジャケットのイラストも戦争風?
アインシュタルツェンデ・ノイバウテンのF.M.アインハルトとマーク・チャンが在籍していた事でも知られるバンド。ジャケットはカラフルだが音の方はちょっと実験的風味も持たせたパンク・バンドという事になるのかね。随分前に売れてしまったので記憶もあやふや、あまり詳しくないのでアッサリしたコメントでごめん。今風の略語にするとアサコメ(意味不明)。


続いてはオレンジとレモンイエローのきれいなジャケット。英国リーズ出身の長い経歴を誇るメコンズのシングルだ。
70年代パンク・バンド達とほぼ同じ頃のスタートでずっとやってるというから驚きじゃありませんか。80年くらいから85年くらいの作品しか知らないが明るくも暗くもなく、何だかわからんくらいに抑揚のない音楽やってて個人的にはこのバンドの面白みとか良さが全くわからない(笑)。「んなもん紹介すんなよ」と言われてしまうけど、今回はあくまでジャケットの色についてのみなので。と言うか色についてもあまり語ってないな。


赤x黄に加えてターコイズ・ブルーのような色を組み合わせた三色使いはリヴァプール出身のワー!ヒート、79年作2ndシングルだ。知ってる人は知ってるけど知らない人も数多いバンドなんだが、元々はエコー&ザ・バニーメンのイアン・マカラック、ティアドロップ・エクスプローズのジュリアン・コープと共にクルーシャル・スリーという世に出なかったバンドをやっていたピート・ワイリーによるバンドだ。この人は同じリヴァプールのピート・バーンズ(後のデッド・オア・アライブ)ともバンドやってて、これほど有名人と共演したにも関わらず日本ではほとんど無名というのも珍しいほど不運なタイプ。
詳しくも書いてはいないけど過去記事「リヴァプール御三家編」も参照してみてね。ワー!という冠名だけ同じでバンド名を次々に変えてゆき、それによって音楽性も大きく変わるという柔軟かつ不可解なスタイルで一部有名。この曲はワー!の中でも最もドラマティックでエモーショナルな傑作。アルバムとはヴァージョンも違ってこちらの方が恰好良い。


いわゆるラスタ・カラー+紫というこの組み合わせは非常に有名なXTCの3rdアルバムより。大きく描いたXTCという文字が顔になってるというところが当時斬新だった、という程でもないか。
「Making Plans For Nigel」などヒット曲も入っていてこれまでにないポップな出来の本作は彼らにとって出世作となったわけだけれど、その前の二作のような勢いと若気の至りがなくなってROCKHURRAHとしてはもの足りないアルバムだ。やっぱり今聴いても元気になれるのは1stであり「Radios In Motion」であり、この後のポップ職人芸みたいな上級の完成度は個人的に求めてないのだ。リュースケ・ミナミならこの気持ちわかってもらえよう。


何だこの色合いは?横に並べるとかなり品がないぞ。がしかし色使いはアレだがこのジャケットは妙に大好きなブラム・チャイコフスキーの1stアルバム。絵の感覚はほとんど文化屋雑貨店か宇宙百貨か大中か、というより駄菓子屋のメンコ、軍人将棋のパッケージ?どれもこれも今の子供には通じない世界かも、というのが悲しいがこのレトロなジャケットで想像したような音楽とは全然違った極上のパワーポップ職人芸が本作だ。
元モーターズという以外には日本でほとんど知られてなかったブラム・チャイコフスキーだがこの時代にジャケ買いした人はみんなラッキーだったと言える。

まあそんなこんなで書いてる文章も本店オンライン・ショップのコメントと大差ないし「ジャケットの色で性格占い」などという興味深い記事にもならなかった。特に春らしい色も選んでないからタイトル通りかな。ただひとつ、ROCKHURRAHが全く身につけない黄色という色をレコード・ジャケットとしては案外好んでいるという隠れた傾向がわかっただけ。カラー・コーディネイト大好きなSNAKEPIPEにこういう記事書いて欲しかったよ。ではまた来週。