ROCKHURRAH紋章学 ペントアワード編2

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【ジョルジオ・デ・キリコがデザインしたビール缶(うそ)】

SNAKEPIPE WROTE:

世界的に有名な国際的パッケージング・デザイン・コンペティションである「pentawards(ペントアワード)」で、特賞であるダイヤモンド賞を受賞した作品を特集する第2弾!
ペントアワード編 第1弾は2007年から2012年までの6作品を紹介したよね。
今回は2013年から始めよう!
どんなデザインが登場するかな?

スウェーデンのアブソルート ユニーク ウォッカは、色鮮やかで目を引くね。
このパッケージ・デザインには大きな秘密があるんだよ!
注意深く編成された無作為性を作り出すために、生産ライン全体を再設計したという。
スプラッシュガンと色を生成する機械が設置され、配置アルゴリズムのプログラミングを行ったらしい。
35色、51種類のパターンにより完全にユニーク性(単独性)が実現されたパッケージ・デザインと聞いて驚くよね!
2つ同じ商品がない、というのは魅力的。
日本でも購入できるようなので、手に入れてみたいね。
パイナップルジュースとジンジャーエールで割り、ミントの葉で香りを加える飲み方が紹介されていて、とてもそそられるよ。(笑)

2014年はエビアンが受賞。
世界で最も有名なミネラル・ウォーターだよね。
「Pure Drop」と名付けられた、ぷっくりと丸いデザインがキュート!
200mlという飲みきりサイズで、片手で折り畳めるエコ商品だという。
こんなにカワイイから潰すのは勿体ないと思ってしまう、貧乏性のSNAKEPIPEだよ。(笑)
「革新的で、ミニマリスト。モダンでオーガニックかつシックなデザイン」と審査員の評価を得たという。
これ以上ない、というほどの賛辞だよね。
デザインを手掛けたフランスのGrand Angle Designについて調べてみたけど、ウェブサイトが閉鎖されていて詳細は不明。
受賞は10年前になるので、「世の中変わっているんだよ(日吉ミミ)」ってことなのかな。(古過ぎ!)

2015年はマーク・ジェイコブスのコスメ・デザインがダイヤモンド賞を受賞している。
まるで弾丸のような形をしたピカピカ光るシルバー色!
バッグから、わざと落として人目を引きたくなるよね。(笑)
口紅を塗り直しているだけで、オシャレな人に見られること間違いなし!
これはSNAKEPIPEも欲しくなってしまったよ。
デザインを手掛けたのは、ニューヨークを拠点にしているEstablished
インダストリアル・デザインを学んだSam O’Donahueとケンブリッジ大学卒で弁護士の妻Becky Jonesが2007年に設立した会社だという。
夫婦二人三脚というと爪に火をともすイメージだけど、Establishedは大手の顧客をたくさん持っていて華々しいよ。(笑)
ペントアワードでの常連になっている会社なんだね。
頭もセンスも良い人達って、鬼に金棒だわ。(笑)

2016年はドミノ・ピザ!
ROCKHURRAH RECORDSの事務所から徒歩圏内に店舗があるためなのか、赤と青の看板は見慣れてしまったかも。
ピザを注文したことがないSNAKEPIPEですら、この2色を見たら、すぐにドミノ・ピザだと分かるし。
ちなみにROCKHURRAH RECORDSでは、ROCKHURRAHがピザ生地を担当して、ピザは自作しているんだよね!(笑)
ドミノ・ピザを象徴する赤青の2色は、今から8年前にロンドンを拠点とするJones Knowles Ritchieによってデザインされたという。
ドミノ・ピザは96%の人が2枚注文することが、赤と青の箱にした理由なんだって。
「シンプル・イズ・ベスト」がペントアワードのモットーとのこと。
ピザの箱自体は変化していないのに、視覚効果抜群だったってことだね!

2017年に受賞したStarck Parisはフランス製の香水なんだね。
フランスの建築家であり様々なデザインを手掛けるフィリップ・スタルクが、香水業界に進出し、新しいコレクションを発表したのが、この商品だって。
スペインのPerfumes y Diseñoが制作したんだね。
男性用、女性用、ユニセックスという3種類の香水は、3つのパッケージを並べると流れる彫刻のように見える仕掛けになっているんだとか。
画像でみると確かに「つながって」いるよね!
その美しさと精巧さが評価され、受賞にいたったという。
「美しく柔らかく洗練されている香り」らしいので、一度かいでみたいね!(笑)

今回は2013年から2017年のダイヤモンド賞受賞作品を紹介してみたよ!
エビアンやドミノ・ピザなどの世界的に有名な企業が、デザインに力を入れていることが分かる。
パッケージ・デザインはブランド・イメージに重要な要素であり、視覚からの情報は売上に直結するからね!
気づいていないだけで、SNAKEPIPEもブランド情報の刷り込みされているんだろうな。(笑)
2018年からの続きは次回にしよう。
どうぞお楽しみに!

高木由利子 カオスコスモス 弐 —桜— 鑑賞

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【ジャイルギャラリーの入口を撮影】

SNAKEPIPE WROTE:

表参道のジャイルギャラリーで高木由利子の写真展「カオスコスモス 弐 —桜—」が開催されている。
これは2022年11月の「カオスコスモス 壱 氷結過程」に続くシリーズ企画なんだね。
モノクロームのカッコ良い写真展だったことを思い出す。
カオスコスモス・シリーズ第2弾も是非鑑賞しよう!
ゴールデン・ウィークの初日、ROCKHURRAHと一緒に表参道に向かったのである。

家を出た時には少し雨がパラついていたけれど、表参道に着いた時にはやんでいた。
最近では、ROCKHURRAHは雨男という噂が消えつつあるよ。(笑)
以前は出かける度に雨だったからね。

今回はROCKHURRAHがApple Storeに用事があったので、先に立ち寄る。
店内に入ったのは初めてかも?
早い時間からお客さんがいっぱい。
店員の数もかなり多くて、受付から完了するまでに4人の店員が入れ替わりながら対応してくれた。
プロセス毎に担当が決まってるみたい。
この方式のほうが効率が良いのか疑問だけど、ひとまずROCKHURRAHの心配事が解決して良かったよ!

原宿方面に向かい、少し歩いてみる。
気温と湿度が高めだったけれど、日差しがないので歩きやすい。
散歩していると、以前あったはずの店が閉店していたり、全く別の店がオープンしていたりして変化を感じるね。
気に入っていたお店がなくなっているのは寂しいけれど、原宿近辺は弱肉強食の世界だもんね。
ランチに良い店を探しておかないと。(笑)

ジャイルギャラリーに向かうと、受付の女性以外にもう一人、白髪が混ざった長い三つ編みを垂らした女性がいる。
なんと高木由利子ご本人がいらっしゃるとは!
アーティストご本人が会場にいる、というのは2020年3月の「生命のインテリジェンス展」での河口洋一郎以来かも。
河口洋一郎にも記念撮影のお願いをしなかったように、高木由利子にも話しかけることはできなかったよ。
ROCKHURRAHもSNAKEPIPEも、意外とシャイなんだよね。(笑)

作品を観ていこう。
展覧会のポスターにもなっている大型作品は、会場入ってすぐの目立つ場所に展示されていた。
桜と聞かなければ、遥か彼方にある惑星を撮影したように見えてしまう。
もしくは海に浮かぶ無人島を俯瞰したような。
桜をモノクロームで見せることも新鮮だよね。

4枚の組写真は、展示方法が斬新だった。
床に直接作品を置く展示方法は、2020年2月に東京オペラシティアートギャラリーの「白髪一雄展」にもあったっけ。
白髪一雄の作品は非常に見辛かったけれど、今回の高木由利子展では効果的だと思ったよ。
組写真のためなのか、連続性と作品の広がりを感じたSNAKEPIPE。
横断歩道に舞い落ちた桜の花をモチーフにして、角度を変えて切り取ったのかなと想像する。
構図と見せ方がとても好きな作品だよ!

桜の木がダイナミックに表現されている作品。
よく見ると、表面がボコボコしているんだよね。
横125cm縦200cmという大型の作品が5枚並んでいる様は圧巻!
表面のボコボコが気になって、キャプションを確認すると「UVプリント、布:KONBU」と書かれていた。
調べてみると、どうやら小松マテーレが開発した「KONBU®」というナイロン素材を使用していたみたい。
印画紙にプリントしたら印象が違うんだろうね。
立体感が面白かったよ。

モノクロームに「ほんのり」ピンク色が足された作品。
これも惑星、もしくは台風や雲の様子を衛星から見ているよう。
ボコボコした表面から分かるように、こちらも「KONBU®」にプリントしているんだね。
桜の開花を待ち望む日本の文化とは違い、高木由利子は散る時に興味があるという。
そして樹齢150年の山桜と共に生活しているというエピソードが紹介されていた。
山と桜に一目惚れして移住を即決するなんて、パワフル!
そのフットワークの軽さが作品創りにもつながっているんだろうね。

まるで葛飾北斎の「富嶽三十六景」のように見える作品。
シルバーの台座の右寄り、もしくは左寄りに配置されているためなのか、浮世絵っぽいんだよね。
竹を使った和紙にピエゾグラフ・プリントをしているという。
ピエゾグラフはエプソンの商標名で、一般的にはジークレー・プリントというデジタル版画のことだとか。
リトグラフやシルクスクリーンは、ジークレーに移行しているんだって。
新しい素材や技法について調べて、勉強になったよ。(笑)

高木由利子の「カオスコスモス」シリーズ第2弾の桜、とても良かった!
今まで見たことがない桜の作品は、ROCKHURRAHとSNAKEPIPEの知覚を広げてくれたと思う。
きっと来年の花見で、影響を受けた写真を撮るはずだからね。(笑)
「カオスコスモス」第3弾の開催を楽しみに待っていよう!

ROCKHURRAH紋章学 ペントアワード編

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L’Anjub Breweryのベラ・チャオはMarçalデザインのインパクトがあるパッケージ!】

SNAKEPIPE WROTE:

約3ヶ月ぶりに更新するカテゴリー「ROCKHURRAH紋章学」。
今回は、世界的に有名な国際的なパッケージング・デザイン・コンペティションである「pentawards(ペントアワード)」を特集していこう。

ペントアワードは、2007年に設立され、賞の運営本部はベルギーのブリュッセルに置かれているという。
優れたパッケージング・デザインを称賛し、業界のイノベーションとクリエイティビティを奨励することを目的としているペントアワード。
受賞作品は、世界中のデザイン・コミュニティやメディアで注目され、国際的な認知と名声を得る機会となっているというから、デザイナー垂涎の的だろうね!
毎年数千を超えるエントリーがある中、ダイヤモンド、プラチナ、金、銀、銅という受賞作が決定される。
なんだか楽天会員のレベルみたいだね。(笑)
2023年の受賞作は全部で392あるけれど、ナンバーワンのダイヤモンド受賞は1作品のみ。
毎年1作品だけ、もしくは該当なしとなっている厳しい審査が待っているようだね。
2007年からのダイヤモンド受賞作を古い順に見ていこう!
世界トップレベルのデザイン、楽しみだね。(笑)

2007年ペントアワード初回のダイヤモンド賞受賞作品はこちら。
デザインブリッジ・アムステルダムがデザインしたSwinckelsというビールだよ!
オランダのビールといえばハイネケンを思い浮かべてしまうけれど、スウィンケルズも知名度が高いビール・メーカーとのこと。
創業1680年というから340年以上の歴史があるんだね。
画像で見ているだけでは、ダイヤモンド賞受賞の決め手になる優れたデザイン性を感じることができないSNAKEPIPE。
今から17年前には斬新だったデザインが、今では特別感がなくなっているのかもしれない。
実物を見てみたいよね!

2008年の受賞作品は、フランスのPiper Heidsieck (パイパー・エドシック)。
パイパー・エドシックは1785年に創業したシャンパーニュ・メゾンで、なんとあのマリー・アントワネットに献上されたという。
マリリン・モンローは「毎晩1滴のシャネルNo.5を纏って眠り、毎朝一杯のパイパー・エドシックで目覚める」と語っていたとか。
シャネルの話には続きがあるとは知らなかったよ。(笑)
ダイヤモンド賞を受賞した限定版のシャンパンをデザインしたのは、フランスのSleever International
ボトルを完全に逆さまにしてるんだよね!
格式高いブランドが面白さを売りにしただけではなく、品質にも文句なしと太鼓判を押す商品に仕上げている点が評価されたのかな。
コルクの部分がどうなっているのか謎だね!

2009年はティッシュでお馴染みのクリネックスが受賞。
三角形のボックスに描かれたジューシーな果物は、見ていて楽しいよね!
アメリカでは、このクリネックスが大ヒットしたみたいだよ。
日本では四角い箱のタイプしか販売されていないので残念。
「スライス・オブ・サマー」と名付けられたパッケージのイラストを描いたのはヒロコ・サンダース
今にも果汁が流れ出してきそうなリアルな仕上がりだよね!
ヒロコ・サンダースのサイトには、イラスト以外にも商品化されたパッケージ・デザインが載っていて、日本の商品も手掛けていたことがわかる。
コンビニやスーパーで目にしていたかもしれないよね!

2010年のダイヤモンド賞には、日本のメーカーであるホーユー株式会社の3210(ミニイレ)のパッケージが選ばれたんだね。
日本のデザインが世界のトップに輝くとはすごい!
ホーユーはヘアカラーで有名な会社だよね。
受賞した作品は美容室で使用されるプロ用のスタイリング剤とのことなので、一般には流通していないんだね。
デザインを手掛けたのは株式会社アサツー ディ・ケイ(ADK)。
くにゃっとした不思議な形は、手に馴染むように工夫されているという。
心地良い重さも重視し、ガラスが採用されているんだって。
美容室で見かけたら触らせてもらいたいね!

2011年はスウェーデンのミネラルウォーター・ブランドであるRamlösa(ラムローサ)がトップの座に。
ラムローサは北欧で人気のある発泡性の高級ミネラルウォーターとのこと。
炭酸ミネラルウォーターといえばペリエを思い浮かべるけど、ラムローサは日本でも販売されているのは不明だよ。
受賞作はGROWがデザインしたという。
ここまで書いて、2019年10月の「ROCKHURRAH紋章学 ウォーター・ボトル編」でも特集していたことを思い出したよ!(笑)

PETボトルでこのカッティングとは!
二酸化炭素排出量を大幅に削減し、デザイン・アワードも受賞したというから大成功だよね。
このスパークリング・ウォーター飲んでみたいよ!

以前書いていたことと同じことを言おうとしてしまった。
書いていたことを思い出しただけでもエライ、ということにしておこう。(笑)

2012年はコカ・コーラのダイエット・コークがダイヤモンド賞を受賞。
担当したのはTurner Duckworthという1992年創業のロンドン、ニューヨーク、サンフランシスコに拠点があるデザイン事務所だという。
ターナー・ダックワースのサイトを見ると、世界的に有名な企業がクライアントになっていることがわかるよ。
ダイエット・コークのデザインは、シルバーをバックに黒と赤だけを使用し、フォントだけで勝負して非常にシンプルだよね。
このズバッと切り取ったところが潔くてカッコ良い!
缶の形などは変わってないのに、新鮮に見せるところがテクニックなんだろうね。

今回は2007年から2012年までの6作品を特集してみたよ!
世界レベルの優れたパッケージ・デザインは見ていて楽しいね。
2023年までの受賞作を紹介するのは、次回以降にしよう。
続きをお楽しみに!

ビザール・ポスター選手権!54回戦

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【1922年10月に刊行されたポピュラー・サイエンス紙の表紙。悪魔が車に悪さしているシーンだって】

SNAKEPIPE WROTE:

2024年3月の「箱根初上陸!ポーラ美術館」をはじめ、今まで何度も1920年代への憧れについて語ってきたことは、皆様ご存知のはず。
シュルレアリスム、ロシア構成主義、バウハウス、ダダやアール・デコなど、現代アートの礎を築いた年代だからね!
一般庶民の生活はどうだったんだろう?
フランスではカッサンドル、ロシアではロトチェンコリシツキーの作品が街を彩っていたようなので、文化的な意識が高かったことが想像できるよ。
今回の「ビザール・グッズ選手権」では、1920年代(一部は1930年代)の庶民向けポスターを特集しよう。
生活に密着したポスター類、早速見ていこう!

電話で楽しげに話す女性が描かれている。
電話の宣伝なのかと思いきや「JELL-O」と「America’s Most popular dessert(アメリカで最も有名なデザート)」の文字が!
これはジェローというゼリーの宣伝用ポスタだったんだね。
日本でいうところのゼリエースみたいな感じ?
調べてみるとジェローは1897年に商標登録され、1904年には「アメリカで最も有名なデザート」のキャッチフレーズが採用されているという長い歴史があるという。
女性が誰に対してジェローを注文しているのかは謎だけど、商品そのものを載せない広告として斬新!
それほどまでにジェローが一般家庭に普及していた証なんだろうね。

続いては帽子の広告だよ!
これはデントン・ハットのアッタボーイ・ソフト・フェルト・ハットという商品らしい。
1702年に、イングランドのマンチェスターにあるデントンで初めてフェルトの帽子が製造され、それ以来デントンは帽子産業で栄えたという。
300年以上も歴史があるとは、さすがイングランド!(笑)
イギリス製のソフト帽は、1920年代の身だしなみには欠かせないアイテムだよね。
強風に飛ばされる帽子を描いた広告、情緒があって素敵だよ!

続いてはアンリ・モリニエのグラフィック作品ね。
このポスターは、1932年の物らしい。
ステラというフランスの家具メーカーが「不動の椅子」として特許を申請したのは、1922年のことだというから、こちらも歴史のあるメーカーなんだね。
ル・コルビュジエはん(安藤忠雄風の呼び方)と同世代のレオン・リュイソーによって発明された「LUCETA」という椅子は、「誰も分解できない」強度が高い商品として絶賛されたという。
そうした技術に関する特許取得だったんだね。
ポスターは椅子を壊そうとしている人物が描かれ、虫眼鏡で構造をアップして見せる技法が採用されている。
「こんなことではびくともしませんよ」と強調しているところが面白い!
現在もステラは存続していて、このポスターがロゴになっていることを知り嬉しくなったよ。
今でも当時の椅子を使い続けている人も多いだろうね!

次はちょっとセクシー系の広告だね。
これはMUM(マム)という制汗剤の宣伝とのこと。
「男性が決して口にしないが、すべての女の子が知っておくべきこと」や「清潔さを怠る女の子は人気者になれない」など、扇状的な文章が並んでいるという。
唇に指を当てている女性が、何か秘密にしておきたいような、悪巧みする表情に見えてしまう。
「マム」は、脇の下と「その他の場所」に使用するよう指示されているというので、広告の女性の表情と併せて「いかがわしい」想像を膨らませてしまうよ。
この制汗剤を買う時には、勇気が必要だったかもね?(笑)

最後はこちら!
THO-RADIA」というフェイシャル・クリームのポスターだよ。
化粧品の広告なのに、下からの光源により、まるでホラー映画みたいに見えてしまうよ。
調べてみると、どうやら光源はラジウムを表しているんだとか。
「循環を活性化し、組織を引き締め、油分やしわを取り除くなどの効果がある」として実際にラジウムを含んだ商品が販売されていたという。
2023年9月に刊行された京極夏彦17年ぶりの長編小説「鵼の碑」にも、何度となく出てきたワードがラジウムだったよ。
「鵺の碑」の文中にもあったけれど、ラジウムは放射性物質と認定される以前は、むしろ健康に良いとされていたという。
フランス製のクリームは、1937年に規制が変わるまで同じ配合で製造されていたみたい。
使用した人はどうなったのか、怖くて調べられないよ。
研究が進むと、信じられてきた常識が覆されることがあるという例になるポスターだね。

今回は1920年代と30年代の広告を特集してみたよ。
当時の人たちがどんな生活を送っていたのか、少しは垣間見ることができたかもしれない。
1920年代についてもっと知りたいので、今回の続編を検討してみよう。
次回もお楽しみに!