時に忘れられた人々【15】◯◯になりたい編

20121014【憧れのパンク有名人をフォトモンタージュしてみたよ】

ROCKHURRAH WROTE:

世界の旬じゃない人々に焦点を当てた「時に忘れられた人々」シリーズ。こういう企画自体は悪くないとは思うが、ROCKHURRAHの表現方法がヘタなのか、毎回ワンパターン化してるのは本人にもわかりきっている。 80年代ニュー・ウェイブ・ネタばっかりだしね。 が、週末に1日か2日くらいで何とかまとめるというペースなので「新しい展開」などは期待出来ない状態だな。あまり深く考えずにやってゆくか。

さて、今回は自分以外の何かになりたいという変身願望のようなものについて語ってみよう。コスプレとかに近いのかも知れないが、何かのマネをするというよりは、自分の好きな世界観の主人公になりきるという感覚ね。ん?言ってる事大して変わらないか?

Adam & The Ants / Stand And Deliver
「パイレーツ・オブ・カリビアン」や「ワンピース」の例を出すまでもなく、物語になる海賊というのはいつの時代でも人気のアウトローだが、この海賊の衣装を自身のスタイルに取り入れて大成功したのが1980年代はじめに一世を風靡したアダム&ジ・アンツだ。 60年代にジョニー・キッド&ザ・パイレーツという眼帯男が中心となったバンドによる海賊ルックが存在しているが、アダム・アントの場合は70年代グラム・ロックの世界で大成したギンギラ男、ゲイリー・グリッターの影響が最も強い。 実際の海賊がこんな衣装だったのかは知らないが、誰にでもわかりやすいド派手な金ピカ衣装にインディアンなどの要素を加えたメイク、そして2人のドラマーによるズンドコなリズムはこの時代には唯一無二の個性だったのは間違いない。子供だましのようにバカにする人も多いが、ROCKHURRAHは彼らのこけおどしのような音楽がずっと大好きだ。後の時代はさておき、この時代のアダム・アントは本当にカッコ良かったと思っているよ。

アダム・アントはデレク・ジャーマンのパンク映画「ジュビリー」にも出演していたし、大ヒットする前も個性的なパンク・バンドをやっていた。早くから才能を認められてたという事だね。 他にもロキシー・ミュージックやヴァイブレーターズでも活躍したベースのゲイリー・ティブス、 数多くのバンドのドラマー、プロデューサーとして活躍したメーリックことクリス・ヒューズなど、優れたミュージシャンが参加していて、音楽的に見てもかなり刺激的。

この曲は彼らの大ヒット曲で英語力がないROCKHURRAHにはよくわからんが「身ぐるみ置いてゆけ」というような意味の盗賊用語?しかしプロモ映像見る限り、海賊というよりは山賊に近い設定なのかな?という疑惑が残るがまあいいか。

Yip Yip Coyote / Pioneer Girl
「カウガールになりたい」と思う日本人女性はあまりいないと思われるが、アメリカの田舎町には必ずウェスタン酒場があり、トラック野郎とカウガールが酒を酌み交わすという勝手な印象がある。前に観た映画「テルマ&ルイーズ」もその辺が舞台だったな。 というようにウェスタンなスタイルはモードの世界では時代によって廃れる事もあるけど、自信を持って着ればどんな時代でもカッコイイのは間違いない。 そんなカウガール願望の夢を叶えたのがこのイップ・イップ・コヨーテだ。80年代に流行ったカウ・パンクというジャンルで語られるが、それにダンス・ミュージックをミックスした点がこのバンドの個性と言えるのか。彼らが活躍した80年代半ばより前にマルコム・マクラーレンがすでに実践していたスタイルなんだけどね。

このバンドについては不明な点が多く、手元にレコードも所持してないが、ちゃんと日本盤も出ていたように(シングルだったか?)記憶する。まあアルバム・ジャケットといい映像といい、完璧なまでのウェスタンなルックス。

女性がフロントの(あるいは女性だけの)カウ・パンク・バンドはいくつか存在してるんだが、イップ・イップ・コヨーテほどウェスタンな格好が似合っていたバンドは他にないんじゃなかろうか? 男のカウパンク、あるいはラスティックの場合は例えるならばクリーンで正義な感じのハリウッド映画のウェスタンではなく、どちらかと言うとルーズでダーティなマカロニ・ウェスタンの方が主流だが、女子の場合はやっぱり正統派ウェスタンをきっちり着こなしていた方が見栄えもいいね。相変わらずROCKHURRAHのセンテンスも長いね。

Crime / Piss On Your Dog
水野晴郎の例を出すまでもなく、警官あるいはポリスマンのコスプレが大好きな人は世の中に案外いそうだが(あの人の場合は単なるマニアではなく半分本職だったが)、これをロックの世界で取り入れたのがサンフランシスコのパンク・バンド、クライムだ。

このバンドは1970年代当時のアメリカのバンドにしては見た目に非常にこだわっていて、まるでギャング映画から抜け出たような決まりすぎな格好をしてみたり「乱暴者」のマーロン・ブランドのようにロッカーズ風だったり、ルックスだけでも惚れぼれするものがあった。そしてメンバーも札付きの不良っぽい顔立ちでバンド名もズバリ「犯罪」。反体制的で権力とかが嫌いそうなパンクとなぜかポリス・ルックという逆説的な結びつきがインパクトありますなあ。

この映像はそんな警官ルックで行った刑務所ライブの模様。本物の看守と受刑者が見守る中のライブでこのスタイルとは恐れいったよ。

The Adicts / Viva La Revolustion
スタンリー・キューブリックの傑作映画「時計じかけのオレンジ」に出てくる不良少年グループで有名になった、あのボーラーハットにステッキ(でいいのか?)、白いパンツとドクターマーチンのような編上げ靴といった独特のスタイル。これをそのまま真似るんじゃなくてピエロ、もしくは「バットマン」のジョーカーのような白塗り化粧をプラスして出来上がったのがアディクツの個性的なファッションだ。

去年くらいボーラーハットが流行した事があったけど、それを着用した人々のどれくらいがこの映画やこのバンドの事を知っていたんだろうか?まあこれらがボーラーハットの唯一の元ネタというわけじゃなかろうが、もし知らなくてかぶってる人がいたら是非知ってもらいたいものだ。

このアディクツのユニークなスタイルは日本でもハット・トリッカーズに影響を与えたな。同じような見た目だったらやっぱりアディクツの方が断然曲もいいけどな。

まだいくつか書く予定だったけど、意外と長くなってしまったので今回はこの辺で一旦やめるとしよう。本当はアレもコレも書きたかったんだけどね。まだ他にも「なりきったバンドども」は色々登場するので乞うご期待。

CAMOのマイハウス2012

【世界各国の美人兵士を集めた画像より。迷彩の参考になるかな?】

ROCKHURRAH WROTE:

前に同じようなタイトルで似たような記事を書いたけど、何と2年も経ってパート2を書いてみようと思い立った。前の「ROCKHURRAH視察団」も2年ぶりだったし、まさに因果は巡る糸車(NHK「八犬伝」にこんなセリフあったなあ。覚えてる人いるかな?)。

前回は比較的古典的だったりメジャーな迷彩だったけど、今回は前に書ききれなかったもの。誰も知らないような国の超マニアック迷彩とかは書かないから大丈夫。

ミリタリーにある程度詳しい人以外は街中とかで変な迷彩見かけて「変わった柄だな」とは思っても名前もわからないだろうし、あまり調べようもないよね。「変な迷彩」などと画像検索しても出てくるわけもなし。 そういうビギナーだけど興味ある、という人が一番好ましいしROCKHURRAHも全然「通」じゃないから、ミリタリーおたくのディープな考察が知りたい人は他で探して欲しいCAMO。 そして一番のポイントはサバゲーとかじゃなくて普通に街着としてどうか、という視点で書いてゆきたい。 さて、いつも前置き長過ぎるからあっさりと始めるとするか。

これはアメリカ海軍のNWUというパターンで、Navy Working Uniformの略だそうだ。古い世代の人間としてはウッドランドやタイガーストライプみたいに端的に迷彩柄を表す名称の方がわかりやすいんだけど、最近の米軍は何でも略称で言いたがる傾向にあるな。ACU(Army Combat Uniform)とかABU(Airman Battle Uniform)とか、一般に町中でどの程度普及してるのかリサーチしてみたいくらいだよ。民間発の迷彩マルチカムが案外普及してるのに比べてネーミングがわかりにくいと思うのはROCKHURRAHだけか? 名前はアレだが、この迷彩は薄ぼんやりしたACUよりは個人的に好きな感じ。見ての通りデジタル・パターン、単に青色強くしてコントラストをはっきりさせたACUと言えなくもないが、ACUよりずっと強く戦闘的に見えてしまう。青くしたのは海バックで着る事が多いからなのかね? あまり市場に出まわってもいないし、本物はやたらと高いのが残念。民生品ではTRU-SPECがこの柄を出しててたまに見かけるね。かくいうROCKHURRAHもこの柄のブーニーハットを愛用。ACUやMARPAT(海兵隊の茶色派手な迷彩)よりは街着に似合うかな。え?そうでもない? あまり面積多いと主張し過ぎる気がするのでリュックとか袖だけこの柄とかおしゃれCAMO。海だから海パンの柄でもいけそうだし、「瀬戸のほんじお」のパッケージで採用すれば大ヒット間違いなし(短絡的)。

では街着に似合わなさそうなこれ。MARPAT(Marine Patternの略)は海兵隊の迷彩だが緑茶色っぽいウッドランド・マーパットとこのデザート・マーパットのヴァリエーションがある。要するに活動する場所によって違うわけだが、これは見てわかる通りどう見ても砂迷彩。もともと砂漠用迷彩は色数によっていわゆる6Cデザートとか3Cデザートとか存在していたが、それのデジタル版という位置なのかね。砂漠地帯と言えば近年最も戦いの多かった場であり、普及率も活躍率も高いのは当たり前。こないだ見た映画「Navy Seals」でも大活躍していたな。割と見かけるし夏っぽい感じはするが、全身に取り入れない限りは他のアイテムとはちょっと合わせにくい気がする。服だけじゃなくベストや装備までトータル・コーディネートしたら格好はいいだろうね。中途半端はいかんぜよ。

お次は数年前に登場して話題となったA-TACSなる迷彩。Advanced TActical Concealment Systemの略だとの事だが、よくも大まじめに語呂を考えるよな。瓦礫の中や岩場での迷彩効果もバツグン。ACUの次に陸軍に正式採用されるCAMO、などという噂があったのが2年ほど前だが、現在の進捗状況はどうなのかね?いつまでも「次世代」と言われ続けてるような気がするが、最初に書いた通りROCKHURRAHはマニアではないもんで最新情報には疎いのじゃ。 さて、この柄はACU系列のデジタル・カモにはあまり見えないが、実はモザイクが詳細になっただけでれっきとしたデジタル迷彩らしい。しかし正直言って何だか薄汚いしどろんこ遊びした後のように見えてしまう。女性ウケはしなさそう。迷彩に関する理解度は日本最大級だと思われるSNAKEPIPEも「着る気はしない」とキッパリ(笑)。 話題になった迷彩だし最近はフォリッジ・グリーンのヴァージョンも出てきた。ミリタリー・アパレルの大手プロッパーが強力にこの柄を推進してるから、普及率も今後増えてゆきそうな気配はする。がしかし、ヘタに流行って町中がドロ柄、コケ柄(フォリッジ・タイプはそんな感じに見える)だらけになったら恐ろしいな。

アメリカ中心に書いてきたけど、ちょっと毛色の違ったものも挙げておこう。これはカナダ軍のデジタル迷彩で通称CADPATと呼ばれるもの。Canadian Army/Airforce Disruptive Patternの略だそうだ。うーん、覚えられん。 理由は特にないが我が憧れの国カナダなのは当ブログで何度か書いたから、全部読めばそういうROCKHURRAHの嗜好もわかってもらえるだろう。そんなカナダの迷彩は近年のデジタル迷彩の中ではかなりハッキリした輪郭で、ところどころがピンクっぽくなってるのがポイント。もし今まで見た事なくても、この柄見た瞬間に好きになった人も多いのではなかろうか。MARPAT柄と基本は似ているがアメリカとは気候風土が違うし、森の色合いとかも違うから、随分と印象が違って見える。実は迷彩服にデジタルを取り入れたのはカナダが世界初との事だが、その割には知名度も低くて流通してないなあ。個人的にはどの米軍迷彩よりも好きCAMO。 と言いつつ似合わない迷彩も多いROCKHURRAHだが、これは是非着用してみたいと思った。写真のようなソフトシェルは日本ではなかなか見かけないけど、あったら欲しくなりそう。袖通して「やっぱり似合わない」とSNAKEPIPEに言われそうだけどね。

最近の米軍迷彩がデジタル・パターンになってるのに対して、ヨーロッパはまだアナログ的なものが多く残ってて、これに風情を感じる人も多かろう。写真はイギリスのDPM迷彩と呼ばれるもの。これまたよくわからんけどDisruptive Pattern Materialの略だそうな。ウッドランドと似た色合いで迷彩に興味ない人だと、これが別物だとは気づかないCAMO知れない。よく見ればこちらはウッドランドよりさらに筆っぽくてダイナミック、実はアート界の巨匠がデザインしました、と言っても信じてしまいそうな柄だね。 近年は冬場にスナグパックやバッファロー・システムのアウターを着る事が多いが、これらはどちらも英国製で英国軍でも採用されている防寒着だ。そういうのを着た時にはやはり米国迷彩は似合わないと思われるので、DPM柄のカーゴ・パンツを穿きたいものだ。 そういう伝統的迷彩が主流だった英国軍も最近ではMTP(Multi Terrain Patern)と呼ばれる柄に移行しているらしい。米軍のマルチカムとは兄弟柄で、制作元も一緒のクレイ・プレシジョン、パッと見にはほとんど見分けがつきません。

最後はSNAKEPIPEの大好きなドイッチェランド迷彩、フレクターカモと呼ばれるもの。ドイツ風に読むとFlecktarn、ウッドランドやタイガーストライプと並んで世界的に最もポピュラーな迷彩だと思える。色の使い方もいかにもヨーロッパの山岳地帯っぽくて深みがある渋い柄だな。しかしこの色数と柄だから、おしゃれに着こなすのは至難の業だとも言える。全体にこれを着用すると一気に怪しくなってしまうし、大好きだと言うSNAKEPIPEでもバッグやキャップ、傘をこの柄にしてる程度。んがしかし、一度も外で着用してないが何とフレクタンのツナギを所有しているツワモノだ。一体いつ着るんだよ、全身これだと目立ちすぎないか? これの色違いといった雰囲気のデンマーク迷彩(全体的に緑)だと随分シックになるし、日本の自衛隊のJSDF迷彩も結構似た柄を採用している。色合いが違うんだけど、自衛隊の近くに住んでる人はいかにフレクタン好きでこだわってても、一般の人から見れば自衛隊にしか見えないので注意が必要CAMO。

本気じゃなくて迷彩好きの人も多数いるだろうけど、いつまでもウッドランドばかりじゃなくて、1ランク上を目指して近代迷彩に染まってみるといいだろう。

ROCKHURRAH視察団/ARC’TERYX編

【向こう側でよくわからんが下町に佇むアークテリクスの本拠地】

ROCKHURRAH WROTE:

ROCKHURRAHとSNAKEPIPEが興味ある場所に出かけてレポートする、ちょっと潜入記事っぽいコーナー、などと紹介していた「ROCKHURRAH視察団」シリーズだが、何と2年近くも書いてなかった。
あまり書けるような場所に出かけてないから仕方ないとも言えるが、ROCKHURRAHたちが一番楽しかった時代と比べると格段に興味を引くようなところが減ったなあという印象があり、それもまた寂しい。何だか全然元気ないぞ、日本。

今回も近場にちょっと行ってきた程度だからそこまで気合も入ってないけど、前にもチラホラ書いていたアークテリクスについてまとめてみよう。

ARC’TERYX、ヒカリエにも専門店が出来たそうだからファッション雑誌とかでもお馴染みなのかも知れないけど、カナダのアウトドア・ブランドだ。
当ブログ「がっちりBUYましょう!vol.4」でここのバッグについて少し語った事があるかな。

総合的に何でも扱ってるわけじゃないが有名なのは防水性の高い高機能なアウターとバックパック類だろう。
前にも書いた通り、ROCKHURRAHはここのミストラルというバッグの機能性と質感に魅せられて以来いくつか所持していたが、他のアウトドア・バッグと比べると格段にスマートな印象があるな。
特にアウトドアにこだわってなくて、日常ミリタリーな服装が多いROCKHURRAHが背負っても違和感ないところが良い。それどころか例えばスーツ姿で背負っても違和感ない本物のアウトドア・バッグはアークテリクスくらいしか見当たらないかも知れない。ブランドのロゴとかマークがそこまで原色ギンギンじゃないからいいのかもね。

話を戻すがミリタリー好きの人にとってアークテリクスはLEAFと呼ばれるミリタリー・ラインのアウターやバックパックを製造していて、軍に納入している実績がある事でもおなじみ。
Law Enforcement & Armed Forcesの略なんだが、簡単に言えば軍隊・警察関係者御用達という事だ。
マニアックなミリタリー屋で扱ってるバーテックスというメーカーのデザインもアークテリクスらしいし、米軍納入の大手、プロッパーの生産するバックパックのデザインも一部手がけているようだ。てなわけでROCKHURRAHにとっては単なるアウトドア・ブランドとしてのアークテリクスよりもそっちの方面に興味あるというわけ。
ミリタリーもアウトドアもハイテク素材&高機能を重視する傾向にあって、その辺は通じるものがある。パタゴニアのM.A.R.Sシリーズ、グレゴリーのSPEAR、カリマーSF、ケルティCOTS、ワイルドシングスにスナグパック、ミステリー・ランチなどなど、ミリタリーと密接な関係にあるアウトドア・ブランドも数多いから、アークテリクスだけが特別なわけでもないけど、その辺はまた別の機会に。

そんなアークテリクスの魅力を間近で見ていたSNAKEPIPEだが、女性が背負ってもゴツくならずに違和感ない本格派のバッグとして注目して、購入を決意(大げさ)。
カタログから容量、用途に向いてるかどうか、そしてデザインなどを吟味してあらかじめいくつか候補を挙げておいた。SNAKEPIPEの目的は通勤で使える20リッター以下の小型でスマートなリュック、と明確なため、あまり迷うことなく候補を絞る事が出来た。ミリタリーの話をしたから勘違いされそうだが、戦地行かないし一般的な方のアークテリクスね。

というわけでせっかく首都圏(近く)に住んでるわけだから、その辺のアウトドア屋じゃなくて正規代理店の本店に行ってみましょうぜ旦那、という事になって見に行ったのが今回の話というわけ。

アークテリクス本店=日本国内で唯一のフラッグシップストアは東京、銀座にある。昔、東京で住んでいたのは世田谷代田や豪徳寺で、下北沢を活動の拠点にしていたROCKHURRAHは恥ずかしながら銀座はほとんど知らない土地。
百貨店や高級店が多い印象で個人的にはあまり縁がなかったからね。
ところがSNAKEPIPEはこの近辺での勤務も多く、銀座である程度の土地勘があるという。
今回は別の目的もあったから先にそこに行ってから向かうという、ちょっとだけ複雑な道のりだけど、大丈夫か?SNAKEPIPE。実はかなりの方向音痴なんだよね。
しかしさすが銀座通(?)だけあって、そこまで迷う事なくアークテリクスの本拠地を探し出した。メデタシ。

アークテリクスの近くにはなぜか東京では全く進出してないと思える西鉄のビルがあって福岡出身のROCKHURRAHを驚かせた。福岡では知らぬ人はいない電鉄会社で福岡の至る所を通っているのが西鉄バスなのだ。んがしかし東京では西鉄を見た事はないなあ。一体なぜ?と疑問が膨らむが、その先にアークテリクスが見えた瞬間、疑問を一瞬で忘れてしまう。
アークテリクスのすぐ近くにはこれまた福岡ゆかりのラーメン店、一風堂があり、何だかこの辺だけリトル福岡という感じがしてしまう。
とんこつラーメン大好きのSNAKEPIPEはそちらの方に反応したらしく、満場一致(2人だけだが)で帰りに食べてゆくことに決定(笑)。

さすが日本の一等地に店舗を出すだけあるアウトドア界のトップ・ブランド、店構えも何だか高級感溢れてて「エグゼクティブ」などとROCKHURRAHには最も似合わない言葉が脳裏をよぎる。店内の壁には大きな始祖鳥の化石マークがあり、専門店なのを強調している。店内はそれほど広くないんだが、カタログに載ってる品揃えは少なくともほとんどある模様。これだけのアークテリクス商品を実際に試着してみて買える店は日本では他にないだろう(推測)。

SNAKEPIPEが欲しかったのはFLY13という小型のリュックで軽量、そして縦長のスマートなデザインが特徴。値段はアークテリクスのバッグの中ではかなり安価な方だが、このメーカーの最も人気バッグであるARRO22と似たタイプのもの。安いとは言ってもショルダー・ストラップも背中のクッションもちゃんとしていて、妥協した感じは全然しない。質感がいいんだよね。安く出来る=粗悪じゃなくて金の使い方がうまいんだろう。日本や中国の自称大企業とは大違い。

そのFLYだが、探すどころか店内に入った途端に全色壁にかかっていたので少し拍子抜け。が、一応他の候補とも比べてみようじゃありませんか。しかし20リッター以下というのはアウトドアの世界ではもしかしたら極小なのかもね。一番小さいので7リッター、これじゃ小さすぎ。FLYの13リッターはその次くらいで魚で言えばタナゴ・クラスかね?
せっかく来たんだから、と他のも背負ってみたけど、やはりSNAKEPIPEの体には大きく見えるものが多い。横幅がなくて縦長のデザインが全体的に多いんだよね。
結局そこまで粘る事もなく、最初の予定通りFLYを背負ってみて、これが一番SNAKEPIPEに似合ってる気がした。真ん中がパックリ開くデザインと薄型・軽量のかわいさが決め手になった模様。
安いのでついでに小型ウェストポーチのMAKA2というのも一緒にお買い上げ。これ、実はROCKHURRAHが所有してて非常に使い勝手が良いのでオススメ商品だったんだよね。ストラップ伸ばしてたすき掛けにも出来るし、安いのに細部までこだわった作りで、本当に良い質感。服装も似たり寄ったりだしペアルックと言われてもいいもんね。
アークテリクスのロゴが入ったいかにも高級紙袋にオリジナル・ロゴ入りキャンディまで貰って、さすがフラッグシップストアと唸らせるだけのことはある。
帰りに久々に食べた一風堂もうまかったよ。しかし汗だく。

話がここで終わると思ったら大間違いで、この後日、視察団はアークテリクスのショールームにも出向くのだった。何のことはない、ROCKHURRAHはアークテリクス銀座とショールームが同じところだと勝手に勘違いしてたのだ。
SNAKEPIPEの目的は既に達成してたわけだが、話の種にここも覗いてみようという事になって出かけた。

アークテリクスのショールームは銀座とは全然違って、京成金町線というローカルな下町の線路沿いにある。近場の人以外には馴染みないだろうけど、寅さんで有名な葛飾柴又の近くと言えばわかるだろうか。実はROCKHURRAHも全然知らないところ。家の近くにも京成通ってるし、そんなに遠くはないので行ってみよう。

その日は朝からあいにくの雨。前の視察団が「豪雨の古着屋倉庫編」だったのでまたもやすごい話になるかと思ったけど、今回は割と駅近く、しかも小雨程度になってしまい全然ドラマ性がない展開。
初めてのところは迷う、探すが当たり前の視察団チームだが、結論から言うと電車の窓からバッチリ見える。これなら誰でもすぐに行けるでしょうという距離。ドラマ性皆無だなあ。SNAKEPIPEと2人でテクテク歩いてあっけなく着いてしまったよ。

しかし噂には聞いてたがショールームを見て唖然。線路沿いにある木造(と言うよりトタンか)古アパートの正面を改造して、無理やり店舗っぽくしただけでねーの?しかも下町。「何となく高級」というアークテリクスのブランド・イメージとはかけ離れたビックリ外観だな。上に人住んでるのか?
80年代原宿とか下北とかにはよくあったパターンなので仰天はしなかったが、仰天と唖然は似たようなものではないか?と問われればそれまで。

このショールームは土日だけの営業で予約ない人は昼からしか入れないらしい。結構限定的で職業によっては行けない人も多いかも。見るだけでなく普通に買う事も出来るから、銀座店とさほど変わらないかな。

店内はたぶん3つに分かれていて、中央はアークテリクス商品のサンプル?みたいなものとMISSION WORKSHOPなるバッグ・ブランド。関係者や業界人じゃないから知らないが、普段はディーラーとかがやってきて、ここで商談とかするのかね。まだ販売してないような商品まで見られるので、ファンならば一見の価値はありそう。
MISSION WORKSHOPはコロラド発のメッセンジャー・バッグのメーカーとの事だが、クロームとかと似た感じに見えた。

それで左側がウチの目的、アークテリクスのコーナーとなっておる。このブランドに精通してるわけでもないからよくはわからんが、どうやら前シーズンまでのモデルで型落ちしたものや廃番モデル、そしてちょっとしたダメージのあるアウトレット品を安く売っている模様。

バックパックもあちらこちらに無造作にかけられている。
SNAKEPIPEがFLY13を買う前にもうひとつ候補としていたのが、容量が少し多いSILO18というバックパックだった。実はROCKHURRAHが目をつけてたんだけど、個人的にワンショルダーの使い勝手に慣れてたので、両肩からかけるこのタイプは敬遠してたんだよね。SNAKEPIPEは逆に両肩からかける方がいいというので、それならピッタリというのがこのモデルだった。が、前に銀座に行った時は好みの色が品切れで比較出来なかったのがここには普通に売ってた。
大きさの割には細身で黒とオリーブドラブのような、ちょっとミリタリーっぽい感じがカッコイイ逸品。後でわかったけど今年のカラーにはないらしい。このバッグはFLYより定価も高く、リュックとしての機能性もより高い。上から下にかけて細くなってゆくというスタイル、そして後ろから見ると横に2本ストラップが配置されていて、ここで上着などを引っ掛ける事が出来る。
スタッフがさりげなく声をかけてきて「こちらの商品は3割引となっています」との事。おお、こりゃ安いと2人で喜ぶ。
ただ見に来ただけ、とか言いながらもうすっかり買う気満々でいるよ(笑)。

半額というアウトレット品も見てROCKHURRAHも何か欲しかったけど、ちょうどいいのが見当たらないんだよな。ゴアテックスやソフトシェルの薄手のジャケットが欲しかったんだけど、原色の派手なアウトドアっぽいのしかなくて残念、断念。
アウター類はアークテリクスよりももっと戦闘的なものを好むROCKHURRAHだから、好みのがないのも仕方ないけどね。
結局、常連みたいなのが結構うるさかったし我が物顔だったので、あまり長居もせずにSILOだけ購入して店を出た。FLYと同じ金額だったので得した気分。

しかし短期間でアークテリクスを3つも所持してしまったSNAKEPIPE。気に入ったのが手に入って良かったね。嬉しかったと見えて帰り道には「サイロ」「フライ」などと奇声を発しているよ(笑)。

出た後で実はメイン・スペースの右側、カーテンというかのれんのような布がかかっていた場所もあったと気付いた。もしかして予約の人以外には入れないというアークテリクスの秘密コーナーみたいなものか?もう買って満足したからそのまま帰ったけど、一体何だろう?

ここは一般的にはあまり流通してないLEAFと思われるバックパックやアウターなども置いてあるみたいだし、本国製であるメイド・イン・カナダの商品まである(最近のはフィリピン製)ので、マニアの人ならば楽しめる事間違いなし?

写真は今回購入したリュック2点。右のSILOは実際はもう少し渋いグリーンかな。右下は小さすぎて全然わからないけど噂のアークテリクス・キャンディだ。こういう細かいところに洒落っ気があっていいね、さすが我が憧れのカナダ。え?日本製なのか?

というわけで、長く書いた割にはアークテリクスのメイン商品に全然肉迫してない内容だったけど、実際のショップに行った事ない人には少しくらい参考になったのではなかろうか?

また何か興味深いところがないか探して、視察団も続けてゆきます。

がっちりBUYましょう!vol.6 5.11 Tactical編

【製品の丈夫さを強調し過ぎてバカバカしく面白い、5.11のCM】

ROCKHURRAH WROTE:

この企画のvol.4で「ミリタリーもやっているアウトドア・ブランドのバッグ(でも完全ミリタリーじゃない)」という妙な特集してしまったが、今回はその最後に登場したブランド、5.11について書いてみよう。
あの時はまだ購入前だったから、その使用感レビューも書けなかったもんな。

この5.11について格別詳しいわけじゃないし、プロでもマニアでもないんだが、持ってるものについてくらいは書けるはず。

5.11とは元々ロック・クライミングにおける難易度をあらわす数字だそうで・・・などという話は大半の人にとっては面白くないだろうからすっ飛ばしてみよう。え?割愛しすぎ?

ミリタリーの服装が好きでそれ系のサイトをチェックしてる人だったらこの5.11のロゴを割と良く見かけるんじゃなかろうか?そう、5.11の創始者(?)ロイヤル・ロビンスは元々アウトドア・ブランドを展開していたのだが、アウトドアの世界ではなくてFBIとか警察、軍事関係者に好まれてビッグネームとなってしまったという経緯がある。そういう特殊な任務の人が身につけるマニアックなものを作りまくっているのが5.11というわけだ。ちなみにROCKHURRAHの故郷、小倉にはニューロビンロイヤルという洋服屋があるが、もちろんロイヤル・ロビンスとは何も関係ない(当たり前)。
いわゆる軍モノというのとはちょっとニュアンスが違うけど、限りなく近い位置にある民生品(一般人が買えるモノ)という感じ。
ただしネットショップでは良く見かけるけど、これを実際の店舗で在庫として持ってるところは限りなく少ない。ROCKHURRAHもさんざん探してようやく取り扱いしてる店舗を見つけたけど、すべての色やサイズがあるわけではなくて、ややガッカリしたもんだ。このメーカーを買うんだったら海外から直接通販した方がいいのかもね。


RUSH MOAB 10

さて、前回にレビューを書けなかったバッグがこれだ。無事に届いたはいいけど、結局2ヶ月半くらいは待たされた。何度も買ってる人なら「これくらいは当たり前だよ」と言えるかも知れないけど、船便じゃあるまいし、このご時世にこんなに待たせる商売があるとはビックリ。
バッグは申し分ないくらいに機能的で気に入ってるけど、代理店の対応がイマイチだったなあ。

このバッグについての名前の由来は前にvol.4で書いたけど、簡単に言えば要人警護とかの特殊任務の人が街中に潜んで目立たない、という目的のバッグらしい。斜め掛けのスリング・バッグだから、背中に背負った姿は微妙に傾いたリュックのよう。これを素早く前に回すと中身をすぐに取り出せるようになっている。メインの収納とその上の大きなポケットとの間に秘密の隠しポケットがついていて、そこから武器を一瞬で取り出して犯人に対抗する、という用途のために計算された仕様だが、一般人はただの便利ポケットとして使用して下さい。人の三倍の速さでSUICAが取り出せるとか・・・。
ちなみに肩掛けストラップは右でも左でもかけられるようになっている便利機能。左利きの人も大丈夫なのがさすが。使わない方のストラップは本体にきれいに収納出来るのが素晴らしい。この手のバッグは余ったストラップがでろんでろんに垂れてしまいがちだからね。

前の小さいコンパートメントは様々なものが入るように小分けされてて便利。これはこのバッグに限らず、最近のアウトドア系のバッグでは常識だね。メインの方は底の方に巾着風のポケットがついていて、荷物が動きにくいようになっている。さらにメインのフタの裏側にこれでもか、と言わんばかりのメッシュ・ポケットが多数付いてて、薄手のものはかなり収納出来る。ごちゃごちゃした小物が多いROCKHURRAHにはうってつけだと思ってたが、フタを完全に開かないとアクセスしにくい場所にあるため、実際はあまり活用してないのが残念。整頓好きの人には理想的なバッグかもね。

写真ではわかりにくいけど、一番上の取っ手の下はサングラスなどを入れるケースになっている。ずっとサングラスを装着しっぱなしというROCKHURRAHはここに自転車用のライト前後を2つ入れてる。ストラップの一番上にはiPodや携帯など入れられるポーチが付いてるんだけど、これがクセモノ。後ろにかけた状態では首の真後ろ、前に回した状態だと脇の真下という変な部分に位置するため、中のモノを取り出すのが非常に困難なのだ。こんなところにすぐ手が届く人間がいるのか?
というわけでこの部分を活用した事は一度もない、無用のポーチという結果になった。取り外し自由で好きな部分に取り付け出来たらどんなに便利だったろう。これだけは開発者の意図が理解出来ないよ。

その他、ROCKHURRAHが使う事はないけどハイドレーション用のポケットも完備していて、雑誌や書類なども入れられる。さらにバッグの下にはストラップが付いてて、シュラフや着ない上着などをちょっとしばっておく事も出来る。写真見てわかる通り、軍用で使われるMOLLEシステムによってほぼ全面にポーチとかカラビナとか引っ掛けられるようになっていて、拡張性も申し分ない。

ストラップ上部のポッケはあまり意味なかったけど、もうとにかく、この機能性と無骨なデザインには惚れ惚れするバッグだ。潜入捜査とかが目的なのでかなり目立たない5.11のロゴしかないのも渋い、江戸っ子みたいだね。

弱点というか、見た目と機能性の割には防水性能は大したことなく、大雨の時には水が侵入してしまうのがイマイチなところ。完全防水ってほどの価格じゃない(この手のバッグとしてはかなり安い方)し、そんなに期待はしてなかったけどね。一番下に排水のための穴が開いてるから、濡れてもすぐ乾く、というような男らしいポリシーなのかね?

防災グッズとかが売れてる時代だし、そういう目的でこのバッグを購入したいと思った人も多いだろう。ただ、これが試着出来る店はほとんどないのが現状なので、苦労して入手してもらいたいものだ。似たような機能と見た目のバッグをマックス・ペディション(日本ではマグフォース)というメーカーが作ってるけど、こちらは比較的入手しやすいみたい。なぜか東急ハンズでも売ってるから、5.11にこだわらない人はそちらの方がいいかも。


CHAMELEON SOFT SHELL JACKET

こちらはカメレオンのように色が変わるソフトシェル、というわけでなくて、街中にさりげなく溶けこむ潜入捜査官の上着として開発されたもの。5.11にはコバートというシリーズの商品があるが、これはひそやかな、隠されたというような意味合いのもの。例えばコバート・カーゴ・パンツには隠しカーゴ・ポケットが付いてるとか、そういうシリーズだと考えてもらえれば良い。「俺は戦闘的な格好で武器だって持ってるぜ」というミリタリーな服装とは別の視点だね。カメレオン・ソフトシェルはコバートのシリーズかどうかは不明だが、目指してるのはそういう世界だ。

ソフトシェルとはゴアテックスなどの完全防水衣料ほどの防水性はない代わりに、適度な撥水性があり、伸びる素材によって着やすく、動きやすく、通気性があるアウターの事だ。軍モノ、アウトドア関係で大人気のアイテムだが、近年は普通の街着ブランドでも使っているものが多いな。個人的にもハイテク新素材大好きだよ。

ジャージとかアウトドアっぽいツートンカラーのものも出てるが、ROCKHURRAHのは黒一色のとても素っ気ないもの。表側には5.11のロゴも一切ついてない。かなり薄手のソフトシェルで裏側はメッシュと薄いフリースになってる。外人向けに作られたとは思えないほどスリムで丈も短く作られてて、実はROCKHURRAHには短すぎるほど。買おうと思ってる人はワンサイズ大きめの方がいいかもよ。

このカメレオンの最大の特徴は胸の二箇所と背中にある大きなジッパー・ポケット。
パッと見には普通の地味なソフトシェルで何の変哲もないんだが、この三箇所を開けて中のIDパネルを取り出すと「FBI」とか「POLICE」とか書いてあるという仕組みになっているのだ。IDパネルは無地の布が付いてるだけなので本気の人は別途FBIロゴを用意してね。FBI捜査官がイザとなったらこれを出して、身分をアピールするという使い方が正しいようだ。犯人と間違われて発砲されちゃ困るからね。
「日本人で一般人だから意味ないよ」と思うかも知れないけど、例えば自分でパッチとか貼って使うことも出来るから、そういう用途以外でも活躍出来るよ。こんな機能使わない人はベルクロ(マジックテープ)ですぐに取り外せるのも嬉しい。取ってしまえば普通のポケットとして使える。しかも背中はかなり大型ポケットだからチラシとかも余裕で収納出来てしまう。ライブ会場の入り口でフライヤー貰って、入れるところも捨てるところもなくて困った人もこれで安心。タクティカル商品なのにパンクでも使えるとは、5.11恐るべし。

こんな薄っぺらいジャケットなのに胸✕2、腰✕2、背中✕1、内側✕1(少し小分け出来る)と合計6箇所も収納部分があるし、密閉度が高いので見た目よりは暖かい。特に風が強い日などには最適だ。ライダース・ジャケット、いわゆるロンジャンと呼ばれる形でもお馴染み、後ろが少し長くてラウンドしたフォルムも素晴らしい。雨も多少は大丈夫だから、カッコよくて気軽に羽織れる高性能アウターを探してる人にはオススメ。
ただし、やっぱりどこでもは売ってない商品で、しかも着丈を確かめたい人は現物試着出来る店はほとんどないかも。短すぎ、小さ過ぎにご注意を。


PUSH+R BAG

ここからはROCKHURRAHではなくSNAKEPIPEの持ち物となる。ブラック&レッドの組み合わせ大好きなSNAKEPIPEが見た瞬間「これかわいい!」と一目惚れして買ったのがこのバッグだ。
本当はSNAKEPIPE本人がモデルの方が良かったけど、ムサい背中(しかも小太りに見える)でごめんなさい。

5.11が出してる赤や青の鮮やかなカラーのものはFIRE/EMSシリーズとの事で、消防隊や緊急医療チームが主に使うのを目的に作られている。要人警護や特殊部隊みたいに戦ったり潜んだりする目的とは違うから、その便利さも違った方向性というわけ。コバート系のように人目から隠すのではなく、むしろ消防、医療関係者ですよ、というのを強烈にアピールするための赤なのかね。5.11のロゴも目立つなあ。

写真ではわかりにくいけどストラップ以外の黒い部分は全て簡易MOLLEシステム状になっている。ここにポーチ類をあしらうも良し、何かを引っ掛けるも良し、という具合に使う人のセンスで色々と拡張出来るのがまず機能的なところ。公式サイトなどでは医療用のハサミやペンなどをこの部分に引っ掛けてたな。パッチを取り付けるためのベルクロも完備。

パッと見には小型のバッグだけど実は意外と収納力があって、マチの厚みもあるので結構色々なものが入る。これもRUSH MOABと同じく、細かく色んな場所に色んなモノを収納出来るのが素晴らしい。
メッセンジャーバッグのようにフラップを開けるとメイン・コンパートメントになる。中は仕切りやベルクロのポケットになっていて、やはり整頓好きにはたまらないだろうね。フラップの上にもジッパー・ポケット、さらに一番上のポコッと出た部分には小物やサングラスが入るポケットがある。至れり尽くせりだなや。

そしてこのバッグの一番の優れポイントは、両サイドに500ml程度のボトルが収納出来るポケットを完備している事だ。アウトドア系のバッグでは珍しくない機能だが、5.11のはそこが単なるメッシュ・ポケットとかじゃなくてジッパー開閉式のビッチリとしたもの。真ん中の取っ手を引いたら両方のジッパーが開閉出来るというギミックが非常に優秀でSNAKEPIPEもこの部分が大変お気に入り。カタログなどをざっと見たところ、このシステムを導入している5.11のバッグは他にないようだが、全てのバッグに採用して欲しい便利機能だ。

背中に直接当たる部分にどういう用途で使うのか不明な細いストラップとフックが付いているのだけが不可解。腹に回してバッグを固定、というようなものではないようだが、誰か知ってる人がいたら教えてもらいたいものだ。

弱点はRUSH MOABと同じで水に弱い事。やっぱりこちらも下に排水用の穴アリだよ。まあこれだけ隙間の多いバッグだから、撥水性のある布地に作る自体がナンセンス。「緊急事態に雨も雪も関係ないぜよ」という思想なのはわかるが、応急処置される側としては濡れた包帯イヤでしょうな。

ウチは赤がかわいいという理由でこのバッグにしたが、普通に黒、サンドベージュ、オリーブドラブなどのミリタリー・カラーも出ている。SNAKEPIPEの一押しバッグで、値段も手頃だから、今度ROCKHURRAHも色違いを買ってみたいものだ。しつこいようだが、実店舗で売ってる店はこれまた少ない。大人気で品薄というのとはまたちょっと違う世界だから、仕方ないのかね。


TACLITE 8 WATERPROOF BOOTS

これまたSNAKEPIPE所有のブーツ。誕生日にプレゼントしたものだ。本来なら本人が履くのが当たり前だが、撮影用にROCKHURRAHが無理やり履いたのが左の写真。1〜2サイズ小さめなのにかなり無理して着用したよ。でも履けてしまうのもすごくないか(笑)?

バッグとかなら男性女性関係なく持つ事が出来るが、服やブーツとなると別。通販じゃなくて実店舗で試着して確かめてから購入したいものだ。
というわけで探して買ってきたのがこのブーツ。アメリカでは4インチ(22cm)から販売してるので女性でも買う事が出来るのに、日本では大抵7インチ(25cm)くらいからしか売ってないのだ。日本でこんなブーツを好んで履く女性がほとんどいないから、販売店も男性客しか考えてないんだろうね。嘆かわしい。SNAKEPIPEには少し大きかったみたい。
しかし足首の部分はかなり狭くて、靴紐をキュッと閉めると脱ぎ履きが困難になるらしい。確かにROCKHURRAHが愛用しているベイツのタクティカル・ブーツと比べると、かなり細身でシャープな印象がある。個人的には履きやすさ抜群のベイツだけど、見た目はやっぱり5.11の方がカッコ良いなあ。人によって好みは色々だからこんな意見は参考にもならないね。

5.11はブーツにも力を入れていて何種類も出しているが、これは軽量で防水性を売り物にした新し目の商品。タックライトという軽量のカーゴパンツを出してるので、そのシリーズの一環なのだろう。見た目は全然防水に見えないが、裏地がちゃんと浸水を防ぐようで、雨でもひとまず靴下が濡れる事はない模様。ROCKHURRAHは自分の持ってるものから推測して、5.11はあまり防水が得意ではないと勝手に判断してるが、豪雨の時はどうだろうね?

この手のタクティカル・ブーツはとにかく機動性に優れたものが良い。本当だったら強度の面でダメなんだろうけど、脱ぎ履きが楽という点でサイドジッパーがやはり便利だ。靴紐を結んだ後にすっきり収納出来るのもスマートな機能でいいな。
足首の横の方にナイフ入れるための隠しポケットがついてるあたりも特殊すぎ、さすが5.11。


あまり調べず書けてラクそうだから選んだ今回の企画、思ったよりもずっと長くなってしまったな。その割には一般的には興味ない、面白くないの世界だろうから、この労力も報われない事になってしまう。
ROCKHURRAHお得意の「後半駆け足で文章がぞんざいになってしまう」という本ブログの特色は今回なかったな。いいかげんで中途半端を売り物にしてるのも問題だけど、あまりみっちりもヨロしくないなあ。これからもほどほどを目指してやってゆこう。