CAMOのマイハウス

【タイトルにちなんで作った樹海の我が家。目立ち過ぎだって】

ROCKHURRAH WROTE:

ありきたりなタイトルで情けないが今回はROCKHURRAHが好きだけど滅多に着られないという迷彩柄について書いてみよう。
迷彩、カモフラージュ、カモなどと呼び名は色々で世の中に溢れかえってるアレの事だ。当たり前だが本来は樹木や砂漠、市街地などの背景の中に紛れ込んで目立たなくするという目的で作られたパターンであり、TPOに合わせたコーディネイト(?)が肝要だったが、現在ではそんなことに関係なく非常にポピュラーな柄物として出回っている。これに対する思想もウンチクも特になく、何も考えずに進めてみようか。註:パロディなタイトルにするんだったら「CAMOなマイハウス」じゃない?と言われたがスパークスの「キモノ・マイ・ハウス」をもじってるので、これでいいのだ。

最初に書いた通りROCKHURRAHはこの迷彩柄とあまり相性が良くなく、今どきの若者としては珍しく・・・あ、いっけなーい、若者じゃなかった。まあ迷彩柄の服所持率はとても低いのだ。本当の意味で似合う日本人はわずかだし嫌いな人は一着も持ってないだろうが。
ROCKHURRAHの場合は嫌いなわけじゃなく似合わないわけでもなく、これを着用すると即座に本気の人、もしくはライト・ウィング系の人みたいになってしまうからだ。全ては顔だちや雰囲気のせいね。これに比べてSNAKEPIPEは非常に迷彩が似合う女性なのでいつも羨ましく思っているのだ。SNAKEPIPEが特別に迷彩の似合う顔立ちなわけではなく、いくらやっても本気の人には見えないからファッションとして似合うという意味だろう。とは言えSNAKEPIPEのミリタリー度合いは女性では珍しいのは確か。

さて、一口に迷彩と言っても実に多くの種類が出回っているわけだが、その全ての明細書を書くほどの気力もないので、テキトウに書いてみよう。

まずは最もありふれたパターンだと言えるウッドランド。昔は迷彩と言えばこれくらいしか出回ってなかったもんだ。その来歴はよく知らないが名前からしてジャングル用のパターンだと思える。樹木や森は国、場所によってもさまざまだから、この代表的なパターン以外にも亜流(?)が数多く存在している。ミリタリーショップや古着屋でも最も良く見かけるな。この柄を見るとかつて福岡のシーサイドに住んでいた頃の話を思い出す。ROCKHURRAHとは縁もゆかりもないサーファーが住みたがるような場所であり、何と駅から30分くらい歩かないと帰りつけないような僻地だった。「ドグラマグラ」にも登場するな。単に家賃が安かったからこんな場所に住んだわけだが、人里離れた土地なのをいいことに、上の部屋の住人がドッタンバッタンと毎日うるさい事。
ある日、たまりかねて怒り心頭のROCKHURRAHはこのウッドランド迷彩の見るからに戦闘的なつなぎをわざわざ着用、そして前述したような本気の人の顔立ちにサイコ刈り、サングラスという迫力あるいでたちで怒鳴り込みに行ったというだけの話。それから上の住人は大人しくはなったがこの海際にウッドランドというのはカモフラージュ本来の目的とはかけ離れているな。
派生型として色調をビルやアスファルトのグレイに合わせたモノトーンのアーバン・カモというのも割とポピュラー。

次は淡い色彩が特徴のデザート・カモ。名前の通り砂漠地帯での使用を目的としたパターンで湾岸戦争の際に一躍メジャーになったな。見た目からチョコチップとも呼ばれるが確かにミスター・イトウ風。本来は自然の中に隠れるカモフラージュなんだが、ファッションの世界では着て存在感をなくしてしまいかねないこの柄、逆にあまり人気ないのカモ。ROCKHURRAHはなぜかこのチョコチップ柄のBDU(バトル・ドレス・ユニフォーム)ジャケットを所有していて一時期は好んで着ていたがやはりこんな茶色ベージュといったナチュラルな色柄は似合わない。砂漠地帯という暑い場所向けでどうしても薄着メインになってしまうから、防寒機能的ミリタリーを志すROCKHURRAHの琴線に触れるような商品もないんだろうね。

さて、格別に面白いネタでもないからどんどん先に行ってみよう。次はフロッグスキンと呼ばれる迷彩。第2次世界大戦の時に開発されたけど場所によっては逆に目立ってしまうからあまり普及しなかったような話を聞いたことがある。たしかに沼地とかでは有効かも知れないが、移動してしまえば単なるでかい蛙にしか見えない。リオレイアにすぐに見つかってしまいそう。後年はダックハンターという名称でも知られているな。名前はちょっとイヤだが柄的には割と好きだ。街路樹でよく迷彩柄っぽいプラタナスを見かけるが、このフロッグスキンの色褪せたものとはよく調和しそう。この柄のメッセンジャーバッグをかなり大昔から所有しているがいつまでたっても真新しいような素材で全然味が出ないぞ。

これはタイガーストライプと呼ばれるもので東南アジアの兵士が着ているのをよく見かけるな。確かにこんな色合いのジャングルは他にはあまりないかも。浅黒い顔立ちには似合いそうだが迷彩の中でもチンピラ度はかなり高いシロモノ。命を粗末にするなよ。色合いはかなり違うがROCKHURRAHはこれまたなぜかよりによってこの柄のTシャツを持ってる。迷彩マニアならまだしも唯一持ってるのがこれとは、似合わないものをわざわざ選んでるとしか思えない。自分でも恐れ入ったよ。

ちょいと色調補正間違えた気がするが、これは米軍ネイテック研究所とクレイ・プレジション社というのが共同開発したマルチカムという迷彩らしい。迷彩柄も人の知らないところで随分進化したようで、まあ簡単に言えばどんな場所にでも対応出来る汎用性の高い迷彩という感じだろうか。過去の迷彩のいいとこ取りのような複雑なパターンと色合いで人気も高いはず。何だかこんなものを大真面目に秘密裏に仕事としてやってる研究所員になってみたいという気はする。魅力的な柄なんだけど・・・。

もう飽きてきたしコメントも尽きたのでこれで最後にする。これはACUと呼ばれるものでユニバーサル・カモフラージュ・パターンを取り入れた迷彩服の総称らしい。デジタル・カモとも呼ばれるドット絵のようなパターンが特徴。2004年から米軍が正式採用しているが上のマルチカムはACUの採用により正式採用されなかったとか。この辺は専門家ではないから熾烈な争いを繰り広げて勝ったの負けたのというような物語を勝手に想像するしかない。実はブログ発表する前の日(妙な言い回ししたが昨日のこと)に迷彩研究を兼ねて上野にある中田商店に行ってきたのだが、この柄の普及率は確かに高かった。しかし個人的な感想として何だかハッキリしない薄ぼやけた柄にしか見えないACUにはあまり魅力は感じなかった。究極にいい迷彩とは何だかハッキリしない薄ぼやけたシロモノというのが最も実用的だという事だね。みんな同じような格好で同じようなアイテムを持って満員電車に乗る日本人こそが究極の都市型サバイバル迷彩なのではないだろうか?などという新聞の社説みたいな事は言わないが、そう言いたくなる人はたくさんいるだろうね。

以上、米軍迷彩を中心に書いたけど本当はヨーロッパとかの独特な迷彩の方が好みに合っていた。次はもうやらないと思うけど。

この後、2030年くらいには光学迷彩も実現するような世界になるんだろうが名前からして高額そうなのは確か。何者に対しても隠れなくていい世界になって欲しいよ。あ、珍しく真っ当なまとめだな。

SNAKEPIPE MUSEUM #01 Henri Cartier-Bresson

【川沿いで日光浴しながらのランチタイム。おいしそうだね!】

SNAKEPIPE WROTE:

4月に入ってもまだまだ寒い日が続き、先週のお花見はあまりの気温の低さのためお弁当を広げることができなかったほど。
やっと今日あたりから春らしくなってきたかな。

さて今度のブログは何にしよう、と考えた時に「何か春にちなんだもの」にしたいと思ったSNAKEPIPE。
春らしい雰囲気、と考えた時にパッと頭に浮かんだのが上の写真である。
おおっ!大御所!アンリ・カルティエ=ブレッソン
奇天烈好きなSNAKEPIPEからブレッソンの一枚が浮かぶとは自分でもびっくり!(笑)

ここで新たな企画を思い付いた。
SNAKEPIPEの琴線に触れた写真や絵などを紹介する
「SNAKEPIPE MUSEUM」
を書いてみたいな、と。
SNAKEPIPEは当たり前だけど評論家じゃないから、好き勝手な解釈やら感想をまとめたものになるだろうけどね!(笑)

では一回目、前述したように写真界の大御所アンリ・カルティエ=ブレッソンブレッソンについて軽くご紹介。
ブレッソンは1908年生まれのフランスの写真家。
2004年に95歳で亡くなっている。
ブレッソンの写真、とは知らなくてもポストカードやジグソーパズルなどで目にすることがあるほど世界的に有名な写真家の一人である。
代表的な写真の多くはいわゆるスナップ写真。
瞬間をとらえるのが非常に上手な方なのね。
有名な1952年に出版された写真集「決定的瞬間」は、その後の写真の方向を決めたような写真の教科書的存在と言える。

2004年京都の何必館で開催されていたブレッソン展にROCKHURRAHと一緒に行った。
わざわざ京都まで行ったというとすごいファンのようだけれど、当時京都在住だったROCKHURRAHを訪ねたため予定の中に組み込んだというのが真相である。(笑)
ほとんど知っている写真だったけれど、やっぱりオリジナルを観ることができたのは嬉しかったな!

上の写真は川沿いで日光浴しながらのピクニック。
とてものどかで楽しそうだよね。
2組のカップルなのか家族なのか関係はよく分からないけれど、気兼ねのない仲の良い雰囲気が伝わってくる。
バスケットから皿に料理を取り分けて、ちゃんとナプキンを膝の上に広げて。
一番手前の山高帽の男性がワインを注いでいるところに動きがあるよね。
休日なのか、昼間からお酒飲んだりしていい感じ。
いいねえ!こんなにゆったりしたランチタイムを取りたいなあ!(笑)
SNAKEPIPE憧れの贅沢な時間が写された一枚である。

好き好きアーツ!#09 Dennis Hopper

【いかにもホッパーらしい写真だよね!イージー・ライダーより】

SNAKEPIPE WROTE:  

先日「めざましテレビ」を観ていたら、「デニス・ホッパーさんハリウッド殿堂入り」なんてニュースをやっていた。
おめでとう、我らがデニス!(笑)
その時に少しだけ映像も公開されていたけれど、どうやらデニス・ホッパーはガンで余命わずかなどと言われているらしい。
ひどく痩せて痛々しくまるで別人。
病気になっていたことも知らなかったし、まさかあの「ハリウッドの反逆児」だったホッパーが殿堂入りを果たすというのもびっくりした。

思い返すとホッパーの出演、もしくは監督した映画はかなり観ているなあ。
それに「狂気からの帰還」という伝記本まで所持してるし!
自分でも意識しないまま、実はよく知っている俳優の一人のようである。
デニス・ホッパーには主演作ってほとんどないけれど、個性派俳優として記憶に残る作品が多いんだよね。
今回はそのデニス・ホッパー出演、もしくは監督した印象に残っている映画について書いてみようかな。

今回の「ハリウッド殿堂入り」の時も「イージー・ライダー」で有名なホッパーさん、と言われていたようにやっぱりホッパーと言えば「イージー・ライダー」が代表作になるのかな。
イージー・ライダー(原題:Easy Rider 1969年)はデニス・ホッパーが監督し自ら出演。
低予算作品なのに世界中で大ヒットしたインディーズ映画の先駆けである。
デニス・ホッパーの存在感はもちろんだけれど、恐らくハーレー好きなら影響を受ける人物はピーター・フォンダ演じるキャプテン・アメリカ!
バイクで自由きままな旅をする、なんて当時の若者じゃなくても皆が憧れるスタイルだと思う。
ただし現実は甘くないよ、というラストだったけど。
この映画にもドラッグがたくさん出てくるけれど、その前年に出演している「白昼の幻想(原題:The Trip 1967年)」も原題が示している通りに、LSDを飲んだ時の視覚変化を映像化したような作品だった。
この映画の監督はロジャー・コーマン。
ジャック・ニコルソンが脚本で、ピーター・フォンダと共に出演という「イージー・ライダー」につながるほとんど同じ人員で撮影。
かなり昔に観た映画なので詳しくは覚えてないけれど、ラリったまま笑い町に繰り出していた様子と万華鏡のような映像だけ記憶している。
デニス・ホッパーがどんな役だったのか忘れてるなあ。(笑)

そんなドラッグ系映画に出演してるだけじゃなくて、実生活でも薬物中毒になっていたと前述した「狂気からの帰還」に書いてあったような。
地獄の黙示録 (原題:Apocalypse Now 1979年)」の時もまだまだ中毒状態だったようで、セリフを覚えられなかったとWikipediaに書いてある。
ランブルフィッシュ (原題:Rumble Fish 1983年)」ではミッキー・ロークとマット・ディロン兄弟のアル中の父親役だった。
静かな役だったけど、妙に目がすわってて本当にアル中みたいに見えたもの。(笑)

ホッパーが完全に復帰したのは「ブルーベルベット 原題:Blue Velvet 1986年)」。
この映画はSNAKEPIPEが一番好きな映画、デヴィッド・リンチ監督作品!
この時のホッパーは狂気を孕んだフランクという人物になりきっていた。
「フランクは俺だ」と自ら売り込んだと読んだことがあるけれど、あの役をホッパー以外の人が演じるなんて考えられない。
実際にあんな人が近くにいたらとっても迷惑だけれど、映画の中の存在感は抜群である。
世界には表と裏があり、裏側ではこんなことが起こってるんだよと教えてくれる映画。
変態的世界を垣間見たい人には絶対お薦めの一本である。

「ブルーベルベット」と同じ年にホッパーはもう一本「悪魔のいけにえ2 (原題:The Texas Chainsaw Massacre 2 1986年)」に出演している。
「チェーンソーを振り回したかったから出演したのではないか」と思ってしまうほど、なんだかノリノリのホッパー。
「悪魔のいけにえ」の雰囲気とは大きく違ってコメディ要素が強い「悪魔のいけにえ2」は「良質なホーム・ムービー」とまでは言わないけれど、ちょっと笑えるホラーなので面白く観られる作品である。

ホッパーが監督した「イージー・ライダー」以外の作品も数多くある。
カラーズ 天使の消えた街(原題Colors 1988年)」はロスのギャング抗争を描いた映画で、SNAKEPIPEの大のお気に入りだった。
BGMはほとんどヒップホップ。
サントラもとても良い出来で、ホッパーの耳の良さがわかる。
ギャングを色で分ける方法は、恐らくその後の世代にかなり影響を与えたんじゃないかな。

「ハートに火をつけて (原題:Catchfire 1989年)」はジョディ・フォスター主演のサスペンス映画。
ホッパーとジョディ・フォスターということで非常に期待して観たけれど、殺人事件を目撃してしまったジョディをホッパーがかくまう程度しか覚えていない。(笑)
ジョディ・フォスターがインタビューに答えて「なんであんな映画に出ちゃったのかしら」と後悔している記事を読んだことがある。
ただこの時のジョディが(記憶が正しければ)アート関係の仕事に就いている役で、実際に出てくる現代アートがホッパーのコレクションだったはず。
ホッパーはコレクターでもあるんだよね。

「ホット・スポット(原題:The Hot Spot 1990年)」と、ここまで3年連続で作品作ってるホッパー。
すごい意欲的だったよね!
実は観たはずなのにこれもはっきり覚えてない映画。
確かジェニファー・コネリーの全裸シーンがあったような?
サントラを買ってるので、好きだったのかな。(笑)

ホッパーは俳優、監督以外にも写真を撮ったり絵を描いたりもしているアーティストである。
ホッパーが撮った写真にはとてもカッコいいのがいっぱいあるんだよね。
やっぱり欲しい写真集「OUT OF THE SIXTIES」!
ネットで検索すると値段はなんと¥18,000くらいから¥29,800までと幅があり、しかも高額ときた。
いつの日か手に入れたいものである。(弱気)

個性的で印象に残るタイプの俳優は、非常に稀有な存在だと思う。
ホッパーのような毒のある怪しい魅力のある役者には、なかなかお目にかかれないだろうな。
今回の「ハリウッド殿堂入り」で公共の場に姿を現すのは最後でしょう、とニュースはしめくくっていた。
うーん、非常に残念!

ぶるった果実

【ROCKHURRAHプロデュースの新バンド? 果樹グーグー】

ROCKHURRAH WROTE:

この前の三連休はまさかのような春の嵐、SNAKEPIPEが負傷するという災難に見舞われてしまった。交差点を自転車で横断しているさなかに突風に襲われ、横転・・・はしなかったが無理な体勢だったので腰を痛めてしまったのだ。一週間で何とか元通りになってきたが改めて自然の力の強大さを思い知った。と言うより日頃の鍛練不足かもね。

三月も終わりだってのにこのブログを書いてる現時点ではまだまだ寒い。桜の開花が、などと話題にのぼっていても夜桜見物などした日にゃ白い息しか見えないありさま。東照宮でも凍傷人続出か?
さて、この凡庸な前フリから「春と言えば花見、それでは花の名前にちなんだ楽曲(またはバンド名)を列挙してみましょう」などというどうでもいい記事を書いてみようと考えたんだが、実はそんなにスラスラと思いつくものもなくて困ったもんだ。それで花じゃなくて春とはあまり関係ないかも知れない果物にちなんだバンド名を思い出してみたのが今回の記事。例によってROCKHURRAH恒例の原則(70〜80年代のパンクやニュー・ウェイブ限定)を踏まえてのセレクト、しかも最近かなり同じパターンばかりでやってる方も飽きるよ。

画像クリックすると例によって音や映像出ますので注意。

  Strawberry Switchblade
まずは先日「めざましテレビ」でも特集になっていた2娘1(ニコイチ)ファッションをいち早くやっていた80年代グラスゴーの女性二人組、ストロベリー・スイッチブレイドから書いてみようか。直訳すればイチゴの飛び出しナイフ。うーん、よくわからんネーミングだなあ。バンド名でピンと来なかった人も映像見れば「ああこれか」と納得出来るはず。そもそも2娘1などをやっておる者たちが生まれるより遥か昔のバンドにルーツがあるとは本人たちも知らないだろうな。唯一の大ヒット曲「ふたりのイエスタディ」は80年代一発屋特集でもおなじみ。

余談だが1982年に伊藤さやかが歌ってあまりヒットしなかった曲「天使と悪魔」のイントロと「ふたりのイエスタディ」のイントロはクリソツ。時代的には「天使と悪魔」の方が数年早かったので日本の勝ち。というか伊藤さやかなんて今どき誰も知らないだろうなあ。
このストロベリー・スイッチブレイドの方はもう一曲くらいヒットしたはずだが、あっという間に消えてなくなった感じがする。何とメンバーの片割れはスロッビング・グリッスル、サイキックTVのピーター・クリストファーソンがやっていたコイルのメンバーと後に結婚したそうでカレント93やデス・イン・ジューンなど錚々たるインダストリアル系列のバンド達と活動していたらしい。音楽的には対極、というか接点などありそうもないが意外なところと繋がっているもんだなや。

Orange Juice
次は上記のグラスゴーからたぶん近いエディンバラ出身のオレンジ・ジュース。パンク以降に無数に発生したインディーズ・レーベルのひとつ、ポストカード・レコードよりデビューしたバンドでその頃はポール・ヘイグのジョセフK、ロディ・フレームのアズテック・カメラと共にエドウィン・コリンズのオレンジ・ジュースはこのレーベルの御三家的な扱いを受けていた。イルカのジャケットで有名な1stアルバム、そして「キ・ラ・メ・キ・トゥモロー」などという不可解に恥ずかしい邦題が非常にインパクト大だった2ndアルバムは大ヒットして当時の音楽雑誌の表紙を飾ったりもしていた。ただしネオ・アコースティックという言葉から連想されるような音楽とはちょっと違っていて、このエドウィン・コリンズは相当に粘着質の独特にこもった声の持ち主だ。代表曲の「Rip It Up」や「I Can’t Help Myself」などは80年代初期に大流行したファンカ・ラティーナなどの流れをくんだ曲で本人達もモータウンとかその辺の影響を受けているのはわかるが、失礼ながらよくこんな歌い方でヒットしたものだとずっと思っていた。

  Lemonheads
今度はアメリカ、ボストン出身のレモンヘッズだ。ギター・ポップとパワー・ポップとパンクの中間点あたりにあるバンドで、そういう細分化があまりされてないアメリカでは単なるインディーズ・ロックというようなくくりになるのかね。「Alison’s Starting To Happen」などはなかなかノリが良くて好きだが個人的に嫌いな曲やどうでもいい曲も多く、実はあまりコメント出来ないんだな。ヴォーカルのイヴァン・ダンドが何かの映画に出たのは覚えてるけど何の映画だったか思い出せないほど。好きな人にとっては宝物のような存在なんだろうけど、わざわざ名前出しておいてこの程度のコメントしか書けなくて申し訳ない。

  Mighty Lemon Drops
レモンつながりで必死に思い出したらこんなバンドもあった。ウチのブログ記事「時に忘れられた人々【03】リヴァプール御三家」で書いたマイティ・ワー!とティアドロップ・エクスプローズをレモン風味でミックスしたというようなバンド名と音の方はエコー&ザ・バニーメン直系の叙情派ネオサイケ。要するにいいとこ取りをしたバンドのつもりだったわけだろうが、悲しいほどに亜流の域を出ず、曲さえもほとんど覚えてないありさま。だったらなおさら書くなよ、とファンから怒られてしまうね。ヴィデオの曲はロクなカヴァーが存在しないことで有名なティアドロップ・エクスプローズのカヴァー。やっぱりろくでもないカヴァーだった。

  Lemon Kittens
画像しつこい?果実の名前がついたバンドとは言っても、ない果実はない、非常に読みにくい果実名もバンド名にはならない。これは当たり前のこと。ビワとか柿とか外国のバンドではたぶんないだろうからなあ。でもってレモンは外人も日本人も発音しやすいからまたまた出てきたよ。レモン・キティンズは後にソロとして活躍するダニエル・ダックス嬢とショック・ヘッデッド・ピータースになるカール・ブレイクによるアヴァンギャルド系のバンド。そこまで革新的だったわけではないが実験的な音楽と聴きやすさが魅力だったな。それにしてもアヴァンギャルドやインダストリアルを志すのは妙に美女が多いものだ。

  The Apples In Stereo
果物の名前を使ったバンドということからみずみずしい、爽やかという先入観になるのは仕方なく今回はどうしてもネオ・アコやギター・ポップ系列が多くなってしまうな。
次のアップルズ・イン・ステレオもやはりギター・ポップに分類されるアメリカのバンド。大ファンというわけでもないのにこのブログでも数回その名前が登場しているな。
現在や最近はどうなのか知らないけど90年代後半に登場して珠玉のポップス・センスを発揮しまくったのは記憶に新しい。え?90年代はもう大昔?まあ好き嫌いに関わらず曲作りは素晴らしいんだが前も書いた通りヴォーカルの見た目に少し問題があって、ダイエット・ピラティスをオススメしたくなってしまう。紹介したプロモではROCKHURRAHも愛用しているダン・エレクトロのギターを使っていて個人的なポイントは高い。

  Bananarama
80年代前半のニュー・ウェイブ男子を魅了したかどうかはわからないが取りあえずガールズ・グループとしては王道の三人組。最初の頃は元スペシャルズの三人が結成したファンボーイ・スリーと一緒にやってたり、この手の三人娘としてはちょっと面白い活動をしてたが、大ヒットした「Venus」あたりになるとROCKHURRAHにはあまり興味ない世界。特に思い出もないから何も書けないな。だったら最初から書くなよ、としつこいほどに怒られそう。今回のブログは完全に企画失敗したなあ。

  Fred Banana Combo
バンド名はなぜか知ってるし中古レコード屋で見かけたこともあるけど彼らの事はそんなに知らない。どうやらドイツのバンドらしくてデアKFCやMittagspause(読めん)などと同時期くらいにやってた模様。パンクとは言っても英米のものとはちょっとニュアンス違うんだがビートルズの「Yesterday」を妙な具合にカヴァーしてたり(カヴァーには聴こえないくらい)、結構面白いものがある。誰でも知ってるような果実バンドばかり特集してしまったから個人的には全部このくらいマイナーなものを探して来たかったよ。

  Virgin Prunes
ラストを飾るのはポジパン特集でも書いたヴァージン・プルーンズだ。何だかみずみずしくない画像でスマン。ホラー寸前のいかがわしいメイクに女装趣味、そして一度聴くとやみつきになる独特のいやらしい声を武器にしたアイルランドのバンドだ。たまに西洋を通り越してむしろ日本の民謡、演歌に近いテイストまで感じるような奇妙な曲まであって、独創性という点ではかなり素晴らしい。U2の幼なじみとしてくらいしか知られてないのが残念だが個人的にも大好き。

以上、意外とヴァリエーションが少なくて不満足な結果となってしまったがまあこんなところで許して。果物の名前のついたバンドなんて世の中にはたくさんあるが思い出すのに結構苦労したな。もう第2弾はないだろうから安心して。