CULT映画ア・ラ・カルト!【08】Robert Rodriguez

【ロドリゲス監督の次回作「マチェーテ」。主演は大注目のダニー・トレホ!】

SNAKEPIPE WROTE:

今回のCULT映画ア・ラ・カルト!はロバート・ロドリゲス監督。
最近には珍しくこの監督の作品を観たい、と選んでいるのがロドリゲス作品。
全てを網羅しているわけではないけれど、かなりの本数を観ているので簡単にまとめてみようかな。

ロバート・ロドリゲス監督は1968年、テキサス州生まれのメキシコ系アメリカ人。
まだ42歳と、とても若いのである。
テキサスという土地とメキシコの血がそうさせるのか、ど派手なアクションが得意である。

ロドリゲス作品を一番初めに観たのは「デスペラード」(原題: Desperado 1995年)だった。
この作品はアントニオ・バンデラスが主役で、ギターケースの中に銃を隠し持ちギャングのボスに立ち向かう映画である。
ウエスタン調の雰囲気と残酷描写、そして馬鹿馬鹿しいまでに派手なアクション!
盟友であるタランティーノ監督も俳優として出演している。
タランティーノらしく、オチがかなり後にくる話を延々を喋り続ける役。
しかもそのオチがあまり面白くない。(笑)
いかにもウエスタン映画でありそうなバーのシーンで、いかにもありそうな殺され方が恐らくタランティーノの気に入ったんだろうな。
「ウエスタン映画で殺されてみたい」願望なのかもしれないね。
この映画の中で一番興味を持ったのは刺青を入れたナイフ投げの男。
一言もセリフがない役だったけれど、非常に存在感があった。

デスペラードは3部作になっていて、ぞの元ネタとなったのが「エル・マリアッチ」(原題:El Mariachi  1992年)である。
この映画で出演しているのは無名の俳優ばかり、予算もかなり低く、そういう意味では話題性に乏しい映画のはずである。
ところがぎっちょん!(笑)
この映画、すごく面白かったんだよね!
キレのあるカットやアクションシーン、話の面白さ。
「お金がないからできない」
「いい役者がいないから難しい」
なんてことはないんだね。(笑)
撮りたいから撮る、というガッツ(死語?)が存分に伝わってくる。
言い訳せずに、自分ができる範囲で充分人を納得させる面白い映画が作れるんだなと感心してしまった。
やっぱりいるんだねえ、真剣に映画作りをする人って!
これじゃあ出世するはずじゃわい。(笑)

そして「デスペラード」後編の「レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード」(原題:Once Upon a Time in Mexico  2003年)。
3部作とはいっても、全てのストーリーが連続しているわけではなくて、ギターケースを持った主人公という設定が同じなんだよね。
またもやこの映画の主役はアントニオ・バンデラス。
「デスペラード」がヒットしたせいだろう、準主役としてジョニー・デップも登場している。
SNAKEPIPEはジョニー・デップである必然性はあまりないなあ、という感想を持ったけどね。(笑)
予算が高くなったせいで、アクションはより派手になり火薬の量も増えている。
話もちょっと複雑になっていて、誰が味方で誰が敵なのかよく判らなくなる感じ。
お金をかければいいってもんじゃないんだなあ、という感想を持った。
低予算だと褒められるけど、予算が高く組まれると「それでこの出来?」と言われてしまう映画人って辛いねえ。(笑)

ロバート・ロドリゲスってどうやらかなりゾンビ映画が好きみたい。
フロム・ダスク・ティル・ドーン」(原題:From Dusk Till Dawn 1996年)と「プラネット・テラー in グラインドハウス」(原題:PLANET TERROR in Grindhouse  2007年)はホラー映画といっていいと思う。
ジョージ・A・ロメロ監督の特殊メイクでもお馴染みのトム・サヴィーニが俳優として両方の映画に出演しているのも、ホラー映画好きにはニヤッとさせられる。
とてもいい味出してるんだよね!

「フロム・ダスク・ティル・ドーン」はジョージ・クルーニーと、また俳優として登場のタランティーノが犯罪者兄弟という役どころ。
この二人が兄弟って設定自体ちょっと有り得ないけどね?(笑)
前半と後半で全く別のジャンルになってしまうところが斬新な映画である。
前半は犯罪者兄弟が人質を取って逃亡するアクション映画。
後半はタランティーノの血を見たダンサーがバンパイアに変身するところから、急にホラー映画になってしまうのだ。
この滅茶苦茶ぶりがたまらない!(笑)
そして人質と犯罪者が揃ってバンパイアに立ち向かう、という本来の筋とはかけ離れた物語になっていく。
ホラー映画なのに笑ってしまうのもなかなかない経験だよね。

「プラネット・テラー in グラインドハウス」は初めからアクション・ホラー映画って書いてあるよ!(笑)
SNAKEPIPEが知らないだけかもしれないけど、アクション・ホラーなんてジャンルあったのかな?
これもまた「んな馬鹿な!」連発のど派手な映画である。
ゴーゴー・ダンサーが事故に遭遇し、失った片足の代わりにマシンガンを装着して街に溢れたゾンビと戦う話である。
と書いたけど、これだけでもその滅茶苦茶ぶりがよくわかるよね。(笑)
丁度同時期に「片腕マシンガール」という映画があったので、それの足バージョンだね!
それにしてもあの片足の撮影はどうやったんだろう?
ものすごくリアルだったんだけどね。
あの女性がロドリゲス監督の婚約者だっていうから驚くじゃありませんか!
ま、あそこまで徹底してロドリゲス世界を表現できる女性なら上手くいくか!(笑)
そしてこの映画にもタランティーノが俳優として出演。
かなり情けない役だったけど、やっぱり出たいんだね。(笑)
かつてSNAKEPIPEがそうだったように、ゾンビ映画と聞くだけで嫌悪感を感じる人が多いと思うけど、この映画は絶対お薦めよ!

子供向けだからやめようかと思ったけれど、一応観てみた作品が「スパイキッズ」(原題: Spy Kids 2001年)。
さすがにファミリー向け映画だけあって、ロドリゲス特有の(?)毒気はほとんど感じられない。
大活躍する2人のお父さん役、アントニオ・バンデラスがあんなにコミカルな役を演じるとはびっくりした。
子供達が手に入れるスパイ・グッズ屋さんのオーナーが「デスペラード」のナイフ男!
バンデラスの兄、という役どころである。
今まで観たロドリゲス映画の中に彼は必ず出演しているけれど、笑った顔を見たのはこの映画が初めて!
子供向け映画ではいい人になってるんだ、とびっくりしちゃったよ!
皆さん、今までのイメージとは違ってるのね。

「シン・シティ」(原題: Sin City 2005年)はアメリカン・コミックが原作の映画化。
ミッキー・ローク、ブルース・ウィリス、ルトガー・ハウアーと知っている俳優がクレジットされているけれど、特殊メイクされているため判り辛い。
話が3つのパートに分かれているため、話の区切りがはっきりしない時があって苦労したのはSNAKEPIPEだけ?(笑)
コミックが原作なだけあって、結構エグい描写があったけれど、モノクロームだからそこまで酷く見えなかったね。
血の色は白になってたし。(笑)
2つめのエピソードに出てきた娼婦の防衛隊がカッコ良かったな!

「プラネット・テラー in グラインドハウス」には偽の予告編が入っていて、そのタイトルが「マチェーテ」(原題:Machete 2010年)である。
グラインドハウスはジョークで作ったような部分があって、「マチェーテ」予告編もいかにもありそうなB級映画らしい作りになっていた。
そしてその主演が「デスペラード」の時から注目していた俳優、ダニー・トレホ
調べてみるとダニー・トレホ、ロドリゲスの従兄弟だって。(笑)
傷だらけの顔と鍛え上げられた筋肉、そして刺青!
一度見たら忘れられない俳優だよ。
こんなに存在感のある従兄弟だったら出演依頼したくなるよね!
初めは偽の予告編だったはずなのに、「マチェーテ」本編を本当に作ったらしい。(笑)
これは非常に楽しみ!
1987年公開のアーノルド・シュワルツェネッガー主演「プレデター」のリメイク版、現在公開中の「プレデターズ」もいつか観てみたい。
ど派手アクションとB級っぽさプンプンのロドリゲスからは目が離せない!(笑)

大人社会科見学—NHKトップランナー観覧—

【ここに集合!と出された看板】

SNAKEPIPE WROTE:

「大変!」
とROCKHURRAHが叫びながら走ってきた。
「当たったよ!NHK!」
「うそーーーー!」

話は少々さかのぼる。
「お願いがある」
と長年来の友人Mから電話があったのは、忘れもしない7月12日のことだ。
友人Mとはこのブログに何度か登場している、アート系好きの情報収集能力に優れた才能を持つ女性である。
「今度NHKのトップランナーという番組に松井冬子が出演するから、その観覧希望に応募して欲しい」
とのこと。
松井冬子とは日本画の手法を使って心象(内面世界)を描くアーティスト。
内臓や幽霊など、人によっては目を背けたくなるようなモチーフも描いている。
その題材や作品自体も話題だけれど、ご本人の美貌にも注目が集まっている。
友人Mは松井冬子の作品にもご本人にも心酔している大のファン。
本人以外に2名を申し込めるので、ROCKHURRAHにも協力してもらいそれぞれがMを含めた3人の名前を記載し応募した。
それから1時間も経たないうちにSNAKEPIPEのパソコンが壊れたのである。
だから忘れもしない日、なんだけどね。(笑)

そして初めの話、7月20日になるのである。
どのくらいの応募があるのか分からないけれど、見事当選!
頼まれただけの、しかも一番松井冬子に興味がないROCKHURRAHが当たるとは!(笑)
好き好きアーツ#3 松井冬子&金村修」で記事にしているけれど、あの時も3人で松井冬子のトークショー行ってるんだよね。(笑)
収録予定は7月25日なので渋谷のHNKスタジオまでお越しください、とのこと。
応募した時に申し込んだ人数と名前の人以外はダメですよ、とも書いてあった。
早速友人Mに連絡すると飛び上がらんばかりに喜んでいる。
当日は予定があったらしいけれど、それをなんとかクリアして3人でNHKに向かったのである。

トップランナー観覧希望の方と書かれた看板が出るのは17時です、と案内には書かれていたけれど、ちょっと早めに着きたいというMの強い希望により行動する。
Mは普段から早足しかも気が急いているため、ものすごいスピードで前方を歩いている。
SNAKEPIPEとROCKHURRAHは鉄板入りのブーツで行ったので、足が重たくてMを見失わないようにするのがやっと。(とほほ)
なんとかNHKまで到着。
でもまだまだ先があったのだ。
NHK郵便局の近くが集合場所らしいけど、この場所とっても分かり辛い。
あんまりNHKに用事なんてないよね?(笑)
テレビが好きな人はいざ知らず、ROCKHURRAHとSNAKEPIPEはテレビをほとんど観ないし、テレビ局にも縁はないからね。

またもやMが早足で駆け回り、看板が出そうな場所まで調べて手を振って待っていた。
ふー。暑い日にあんなに速く歩きたくないよー。
周りにはほとんど人がいなくて、歩いているのはNHK関係者ばかり。
そこでじっと待つこと約30分。
やっとトップランナー関係者が看板を持って登場したのである。

Mがどこからか聞き込んできた情報通り、3人で待っていた場所バッチリに看板が出され
「トップランナー観覧希望の方はこちらに2列でお並びください」
と関係者のにこやかな声。
Mの希望通りになんと1番で並んだのである。(笑)

ちょっと意外だったのが、関係者がみんな若いこと!
SNAKEPIPEの勝手な思い込みかもしれないけど、なんとなくNHKには年配のスタッフしかいないような気がしちゃって。
服装もかなりラフで首からIDカード下げてなかったら、誰がスタッフで誰が観覧希望者なのか判断できないほど。
実際に一日だけのアルバイトのようなスタッフも見受けられたしね。
スタッフやお客さんを仕切っていたドリカムの吉田美和似の女性に感心してしまった。
多分元々の素質に加えて様々な訓練を受けているのだろう。
人前で話をする訓練や的確に指示を与える教育、とかね。
あの女性だったら恐らく職にあぶれることはないだろうな。(笑)

並ばされた後、名簿で名前を確認、観覧者と判るステッカーを腿に貼らされたりして、NHK敷地内に入るまでに相当の時間がかかっている。
玄関からスタジオに行くまでは、ちょっと迷路のような作りになっていて、方向音痴のSNAKEPIPEは一人では無理。(笑)
NHK内部は思ったよりも殺風景で、まるで役所とか学校みたいな感じ。
テレビ局ってあんな感じなのかな?

中に入ってからも待たされる、待たされる!
収録前にすっかり疲れてしまったSNAKEPIPE。
ROCKHURRAHも同じだったようで、眠たそうな顔。
一人Mだけが元気いっぱいで目がギラギラしていた。(笑)
敷地内に入ってからは注意事項が示されて、携帯の電源は切って欲しいと言われたので実際どれくらい待たされたのかはっきり分かってないけどね。
他の注意事項は撮影、録音は禁止、収録内容についてブログなどで公開するのはやめて欲しいというのもあった。
なので、今回書いているこのブログも、収録内容については触れないからね!

やっと会場入り、というところまで来た。
ここでもまた注意事項。
貴重品以外の手荷物はすべて別の場所に置いて欲しい、とのこと。
ペロンと畳が数枚置かれた場所に全員がバッグや傘を置いていく。
せめてコインロッカーくらいあってもいいのにな、と思ったSNAKEPIPE。
どこの誰が来ていると分かってるかもしれないけど、貴重品以外の盗難だって考えられなくはないからね。
高級ブランドのバッグを持ってる人だっているだろうから。

そしてついに収録会場に入る。
右手に4段左手に3段の白い大きな階段のような作り。
そこに小さい座布団が人数分置かれている。
スタジオの中ってこんな風になってるんだね!
いつもそうなのか今回だけなのかは分からないけど、全部で64人分。
7割が女性、という感じか。
「最前列は女性の方でお願いします」
と指示をされた。
一番で入ったMは当然のように最前列に座ったため、SNAKEPIPEもその隣へ。
ROCKHURRAHは2段目に座り、離れてしまった。
しばしの別れじゃ、ROCKHURRAH!(笑)
それにしてもこの座布団だけで、背もたれがないので腰が辛い!
なるべく背筋を伸ばすようにしてたから余計に疲れそう。(笑)
やっぱりROCKHURRAHと同じように2段目あたりが良かったのかも?

周りを見渡すと、テレビカメラが3台。
遠隔操作で動く上方からのテレビカメラが1台。
スチール写真担当のカメラマンが一人。
このカメラマン以外はまたみんな若いスタッフばかり。
みなさん、あんまり面白くなさそうに仕事してるように見えたけど勘違いかな?(笑)

司会者、箭内道彦田中麗奈登場。
田中麗奈は思っていたよりも背丈があって、顔の印象は全体が吊り上ってる雰囲気。
結構キツい顔立ちなんだね
箭内道彦はいかにもカタカナ職業の人って感じ。
1964年生まれだから年代的にいっても80年代風なんだよね。(笑)
さすがに頭の回転が速いのか、話も上手く場をなごませていた。
松井冬子の登場が少し遅れたので、お客さんを飽きさせないようにアドリブでつないだりしていた。

(ここからは番組の核心に触れるような話はあえて書かないようにするので、ご了承を。)
そしていよいよ松井冬子登場!
相変わらず艶やかで美しく、とても華やか。
2008年7月ナディッフでのトークショーは知ってる人との対談だったから、上手いリードで割りと自然だったけれど、今回はちょっと違ってたかな。
緊張のためなのか、場に馴染んでない感じ。
元々声のトーンが低い松井冬子だけど、今回はもっと低くなってる。
マイク通してるはずなのに、会話がよく聴き取れない!
SNAKEPIPEの耳が悪いのかな?(笑)

あまり弾まないながらも番組は進行していき、
「はい、ありがとうございました!」
を合図に小休止。
その間にメイクや髪型の点検。
松井冬子にはなんと3人ものヘアメイクさんが駆け寄り、顔やら髪が直されていく。
扇子で扇ぐ係までいてびっくり。
大丈夫だよ、全然崩れてないから!(笑)

収録途中でちょっとしたトラブルが発生し、待たされてる時間があった。
お客さんに悪いと思ったのか、司会の箭内道彦が気さくに話しかけてくれる。
なんと箭内道彦、いきなりROCKHURRAHに質問してるよ!
派手な色の服だったのと、やっぱり目立ってたからだろうね。
それにしても普通に返答してたROCKHURRAH、恐るべし!(笑)

番組終了近くになると会場の雰囲気にも慣れてきたのか、松井冬子も饒舌になってきた。
笑顔も見えてきて、なごやかなムード。
箭内道彦は自然に人を笑わせる才能があるみたいだね。

そしてついに終了。
お土産に「TOP RUNNER」とプリントされた黒いトートバッグをもらう。
トートバッグとはいってもTSUTAYAの貸し出し用袋のような素材の、小さいバッグ。
記念品だね!

結局待たされた時間を含めて約4時間。
疲れたな~!
放送は8月28日とのこと。
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEは映ってるかな?(笑)
どんな風に編集されているのか楽しみである。

ROCKHURRAH RECORDS暑中見舞い2010

【太陽を狙ってもらいましょ!】

SNAKEPIPE WROTE:

うひゃ~、暑い暑い!
こうも毎日のように猛暑日が続くと、参っちゃうよね。
ちょっと動いただけですっかり汗だく。
冷え性で冷房嫌いのSNAKEPIPEですら、今はエアコンのありがたさが身に沁みてるほどだもん。
暑がりの方にとっては地獄だろうね。

ということで今回は暑中お見舞いをROCKHURRRAHと共同制作してみたよ!
「太陽を狙撃せよ!」
と、かなり単刀直入。
ストレートで分かり易いね。(笑)

手前でライフル構えてる方がかぶってるのと全く同じシュマーグを購入したSNAKEPIPE。
まさか頭巾状態で使うことはないけれど、どんどんミリタリーグッズが増えてきて楽しいね!
顔を覆うリーコンラップも日焼け防止用に購入したんだよね。
だだし、警察の前を通り過ぎる時にはちょっと緊張しちゃうんだよね。
顔半分マスク状態は、危険人物みたいだからね。(笑)
ミリタリーグッズはテロリストと間違われないように、上手に使いましょ!

熱中症対策して暑い夏を乗り切ろうね。
早く涼しくなって欲しいですなあ!

CULT映画ア・ラ・カルト!【07】ピンキー・バイオレンス編

【女番長シリーズに出演のスケバン達】

SNAKEPIPE WROTE:

7月12日の月曜日はこの数年の中で最もツイてない日だったように思う。
1.風の強さのために朝一番で傘が壊れる。
2.日頃使っているロッカーの鍵が開かなくなる。
3.そして極めつけはなんとパソコンが壊れてしまったのである。
いきなり「バツッ」と変な音がしたかと思うと、急に電源が落ちてしまった。
何事かと思って電源を入れても「キューン」とすぐに落ちる。
恐らく電源系統の不調のせいだと思うけれど、中身を探って修理するなんて技は持ち合わせてないしね。
4年前に買ったパソコンなので買い替えてもいいか、とあっさり決断。
バックアップは外付けHDDに保存しているので、データがどうのという問題もなし。
日進月歩の世界だから当たり前だけど、前回の機種よりハイスペックなパソコンを手に入れることができた。
これでついにSNAKEPIPEもWindows7になっちゃったね。(笑)

前フリは全く内容とは関係なくて、今回は70年代に流行した東映ピンキー・バイオレンスについて書いてみようと思う。
とはいっても70年代初頭の映画がほとんどなので、今では手にすることができないものが多いんだよね。
いろんなシリーズ物になっていて面白そうなのに残念!
今日はその中から、観ることができた3本についてまとめてみようかな。

「女番長ゲリラ」(1972年)
杉本美樹が主役のスケバン映画。
新宿赤ヘル団という4人のバイクチーム。
映画が始まってすぐに男4人に絡まれると、いきなり片乳を出し刺青を見せる杉本美樹。
全く必然性のないヌードは70年代にはよくあるパターンだよね。(笑)
東京の赤ヘル団vs京都のスケバングループの対決で、東京の勝ち。
杉本美樹が京都で番を張る(死語)ことになる。
そこに暴力団や杉本美樹の恋愛話などが絡んできて、スケバンの愛と友情、そして悲しみなどが綴られているのだ。(変な説明か)。

この映画の中にはいろんなゲストが出演している。
岡八郎鳳啓助京唄子といった当時人気があった芸人がほとんど映画の内容とは関係がなく、ただ笑いを取るためだけに登場する。
あがた森魚も「赤色ブルース」を劇中で歌い、役名も「あがた森男」とほとんどそのまんま。
遠目で見ると「ずうとるび」の新井か野村よっちゃんか、という風貌だね。(笑)

それにしても主役の杉本美樹は普通なら主役になれるような女優じゃなかったように思うけど、他に誰もいなかったのかしら?
途中から池玲子と杉本美樹が並ぶと「女王と小間使い」くらいの差が出てしまっていたように思う。
赤ヘル団の中に杉本美樹より絵になりそうな女性がいたけど、彼女じゃダメだったのかしらね。
池玲子の後ということで堂々主役の座を勝ち得たみたいだけど、どうも腑に落ちないSNAKEPIPE。
どんなシーンでも撮影OKというガッツが認められたのかな?

調べてみると、どうやら「東映のドル箱ポルノ女優」だった池玲子が歌手に転向する、というので女優を一度辞めたらしい。
その時に撮影されたのが杉本美樹を主演にした女番長シリーズだったみたいね。
池玲子がまた映画に復活して、杉本美樹と共演になった様子。
なるほど納得ね!(笑)

「恐怖女子高校 暴行リンチ教室」(1973年)
まずはタイトルからしてすごいよね。(笑)
恐怖、暴行、リンチ、と三拍子揃ってるし。
主演は杉本美樹。助演に池玲子。
全国の女番長が集められる「希望学園」という女子高が舞台。
風紀委員を務める女子高生チームが学校側とグルになって、総括の名の元に気に入らない女子高生をリンチをする。
リンチの場所は化学実験室。
いろんな器具がありそうだもんね。(笑)
そのリンチの方法がすさまじい。
初めに出てくるリンチは「血を抜く」というもの。
しばりつけ、注射器を使って大量の献血状態。
「人はね、血が1/3なくなったら死ぬんだよ」
なんて笑いながら言う風紀委員長。
スプラッター系が苦手なSNAKEPIPEは、このシーンでちょっとめまいが…。

殴る蹴る、は当たり前。
体に電流を通したり、大量の水を飲ませてトイレに行かないようにする、なんていうのもあった。
ひや~、本当にこんなことを女子高生が考えるかと思うと恐ろしいね!
といっても風紀委員側もその他のズベ公(笑)も全然女子高生には見えないんだけどね。

悪い大人が牛耳る高校とその手先となっている風紀委員を杉本美樹らのグループが一網打尽、めでたしめでたしのラストになるんだけどね。
それにしてもこの番長シリーズって人気があったのかかなりの数、制作されてるみたいなんだよね。

「女番長ブルース 牝蜂の挑戦」(1972年)
我らが池玲子主演の女番長シリーズ。
実はこれがシリーズ2作目で、1作目の「女番長ブルース 牝蜂の逆襲」(1971年)は残念ながら未見なんだよね。
機会があったら是非観たい作品!

この映画は池玲子がリーダーの京都のパール団と大阪の黒百合団の抗争、そこに絡んでくる暴力団との話である。
上述した3本共に共通するんだけど、女番長が「サシで勝負」する前に必ず仁義を切るのが特徴なんだよね。
あの、「おひかえなすって」のポーズ、右手を差し出し腰を落として
「ワタクシ、生まれは○○、育ちは××、~の、XX、です」
とヤクザ映画さながらの挨拶。
しかも書いたように句読点の付け方が変わってるの。
あれが正式な仁義の切り方なのかな?

結局、最後はスケバン(女)と暴力団(男)との戦いになり、女が勝つ。
悪だくみする暴力団がいて、最初は必ず痛い目に遭うスケバンが復讐するというもの。
スケバンシリーズは全体に同じパターンが多いね。
ストーリーだけを追ってしまうと単純なんだけど、70年代映画は今よりもタブーが少なかったようで窮屈さがないところが好きだな!

ファッションの歴史は巡るといわれるけど、この映画の中の黒百合団の服装はとてもカッコいい。
革ジャンにスリムのジーンズをロールアップ、そしてブーツという70年代にアメリカで流行したガールズ・バイカー物をアレンジしたかのような服装。
今でも十分通用しそうだね。

以前書いたブログ「CULT映画ア・ラ・カルト!<05> 恨み・女任侠編」にも書いたけれど、SNAKEPIPEとROCKHURRAHはすっかり池玲子ファン。(笑)
スケバン、というとやっぱり有名なのは梶芽衣子の「野良猫ロック」シリーズだけれど、どうもこちらは何本か観てもピンとこなかった。
梶芽衣子の良さが上手く伝わっていないように感じたからね。
まだまだ池玲子の出演の作品があるので、観られる時を楽しみにしたい。