CULT映画ア・ラ・カルト!【08】Robert Rodriguez part2

【新しいヒーロー登場?祝・初主演!ダニー・トレホ万歳!】

SNAKEPIPE WROTE:

ついにこの日がやってきた!
待ちに待ったロバート・ロドリゲス監督最新作「マチェーテ」の公開である。
以前「CULT映画ア・ラ・カルト!【08】Robert Rodriguez」で書いてるね。

プラネット・テラー in グラインドハウス」には偽の予告編が入っていて、そのタイトルが「マチェーテ」(原題:Machete 2010年)である。
グラインドハウスはジョークで作ったような部分があって、「マチェーテ」予告編もいかにもありそうなB級映画らしい作りになっていた。

そう。
本当は偽の予告編の「マチェーテ」だったのに、どうやらそれが好評だったせいで映画化したという、なんともロドリゲス監督らしいエピソード。
主演は大注目の俳優、ダニー・トレホだにー。(笑)
アメリカではヒットしたという情報を「めざましテレビ」で観たけど、日本で公開されるのかなと心配していた。
そのため公開が決定した知らせには飛び上がるほど喜んだSNAKEPIPEである。
しっかり座席も予約して公開初日の初回に観てきただにー!(笑)

最近はほとんど「絶対観たい」と思う映画に巡り合わず、映画館に足を運ぶことが少なくなっていたため「新宿バルト9」という映画館は初めて。
ここはオンラインチケット予約ができて、しかも座席も前持って自分で選べるというシステムを採用しているのである。
これなら並ぶことなく、しかも好きな場所で観られるから安心ね!
行ってみると意外なことに(?)「マチェーテ」の初回は満席とのこと。
えっ、こんなに人気があったんだー!
「バルト9」は雛段形式(というのか)になっているため、満席でも前の座席の人の頭が気にならずに鑑賞できる。
いい映画館で良かった!
一つだけ最悪だったのが、映画が始まってから入場してきた隣のカップル。
飲み物買ってる時間があったら5分早く入れっつーの!
映画館でのマナーって前から言われてるけど、まだいるんだね、知らないお馬鹿が。
最初の数分は不快な思いをしたけど、ともあれ「マチェーテ」の始まりである。

そもそも「マチェーテ」って何?
ROCKHURRAHに聞いてみたら「山刀だよ!」と軽く返事が返ってきた。
ゲームのアイテムとして出てくることがあって、知ってたんだとか。
「マチェット」「マシェット」は英語読みで「マチェーテ」がスペイン語なんだって。
一つ勉強になったね!
そして今回の映画ではマチェーテ(山刀)を武器に持つ主人公の通称が同じくマチェーテ、なのである。
山刀みたいに粗野で荒々しいイメージを重ねてるのかもしれないね。

伝説的な凄腕メキシコ連邦捜査官だったマチェーテことダニー・トレホ。
麻薬王トーレス(スティーブン・セガール)の仕組んだ罠にかかり、妻や子供を殺され自らも殺されかかるマチェーテ。
そして3年後。
街角での賭けケンカでの強さをブース(ジェフ・フェイヒー)に見初められ、不法移民嫌いの政治家マクローリン上院議員 (ロバート・デ・ニーロ)暗殺を依頼されたせいで、追われる身になってしまう。
ただし移民・関税執行局職員サータナ(ジェシカ・アルバ)や移民ネットワークを指揮する伝説の革命家”SHE”ことルース(ミシェル・ロドリゲス)、そしてロドリゲス映画ではお馴染みの俳優チーチ・マリン演じるマチェーテの兄の牧師が味方になる。
ついに怒りを爆発させて敵地に乗り込むマチェーテ一味。
さて、復讐は果たせるのか!?

というのがあらすじなんだよね。(笑)
映画が始まって10分もしないうちに、いきなりの惨殺シーン。
ダニー・トレホがマチェーテ(山刀)を持ち一回転すると、周りにいた4、5人の首がゴロゴロっと落ちるのにはびっくり!
うっひゃー!相変わらずド派手アクション満開ですな!
「すごーい!」と手を叩いてしまったSNAKEPIPEである。(笑)
もう一つすごかったのが「腸ロープ」。
これは詳しくは書かないけど、他では観たことがないアクションだったね。
残酷だけど何故か笑えてしまうところが、さすがロドリゲス!

テンポの良いアクションとストーリー展開。
マカロニ・ウエスタン映画の王道ともいえる裏切りと復讐がメインだから、決して新しいとは言えないのにね。
移民問題を絡めたり、映像を記録してDVDに焼いたりするような部分があったために、現代風の仕上がりになっているのかな。
今回の「マチェーテ」ではテキサス州が舞台になっているけど、アメリカ南部には根強い差別意識があるみたいだからね。
イージー・ライダー」ではマルディグラに行くために南部(ニューオリンズ)に行って、差別され殺されてたし。
恐らくロドリゲス監督自身もメキシコ系アメリカ人なので、差別に関して嫌な思い出があるんじゃないかと想像する。
ただし、ロドリゲス監督の作品では「差別問題」と言葉にするほど重くはなく、さらっと触れているだけのような印象を持った。
映画の中で悪党をバシバシやっつけていくことで監督自身も復讐してるのかもしれないね。
確かに観ていてスッキリしちゃったし。(笑)

SNAKEPIPEやROCKHURRAHは大ファンだから喜んだけど、普通に考えたらダニー・トレホが主役って有り得ないよね?
ロバート・デ・ニーロやスティーブン・セガールを追いやっての主役ってところが更にすごいよね。。
かなりの強面だし、刺青だし、筋肉だし。(笑)
1944年生まれの今年66歳!
60代のアクション俳優って…あまりいないよね?
実際に刑務所に長く入っていた経歴を持ってるらしいし。
いやあ、やっぱりあの迫力は「本物」の人だから出るんだね!
映画の中で軽くパソコンは使っていたけど、携帯メールは打てないというお茶目ぶりには笑わせてもらった。(笑)
今回の映画で益々ファンになったダニー!(まだ言うか)

エイプリル役で出演していたリンジー・ローハンもルース役のミシェル・ロドリゲスもダニー・トレホと同じく「ムショ仲間」なのには恐れ入る。
刑務所経験アリの役者が3人もいるなんて、すごい映画だよね。(笑)
ミシェル・ロドリゲスは「怖い顔の女優だな」と「バイオハザード」を観て思っていたので、今回の役どころはとても似合っていたと思う。
顔といえば、移民局職員役だったジェシカ・アルバが「にじいろジーン」で「じぃちゃん!ばぁちゃん!唯が行ぐがらな~」を担当している佐藤唯に似て蝶だったんだよね。
いつ山形弁を喋り出すかと思ってヒヤヒヤしちゃったよ。(うそ)

期待以上の出来に大満足だった「マチェーテ」。
エンディングで「続・マチェーテ」の文字が出たのを観てまた笑った。
本気なのか冗談なのか分からないよね。
続編作ってくれるの、ロドリゲス監督?
どうなるのか乞うご期待!だね。(笑)

超驚愕現代アートコレクション

【山下信一のフィギュア達】

SNAKEPIPE WROTE:

「面白そうな企画があるんだけど、一緒に行かない?」
と友人Mから電話があった。
友人Mとはこのブログに何度か登場している、映画やアート鑑賞に同行する情報通の友人である。
このMから「一緒に行こう」と誘われる催し物は、大抵SNAKEPIPEの琴線に触れることが多くハズレがない。
好みのタイプが似ているせいだろう。

今回誘われたのは六本木ヒルズ内にある森アーツセンターで開催されている「北原照久の超驚愕現代アートコレクション」。
「北原照久って知ってるでしょ?」
と聞かれたけれど、恥ずかしながらSNAKEPIPE、その方のことなんにも知りましぇん!
ROCKHURRAHに聞いてみると
・ブリキのおもちゃのコレクター
・「開運!なんでも鑑定団」に出演している鑑定士
・海まで自分の家、というような豪邸に住んでいる
とスラスラ答えるではありませんか!
えー、そんなに有名人なのー?
「知らないほうがおかしい」
とMにまで言われてしまった。
勉強し続け、テレビも見ないし雑誌も読まないために
「ピンクレディって誰ですか?」
とインタビュアーに問う東大生の話を聞いた時には
「えっ、世の中にはそんな人がいるんだ!」
とびっくりしたことがあったけど、今回のSNAKEPIPEはまさにその状態。
マズイねえ、これ!
いや、何がマズイってピンクレディの話で年代が判るってことが。(笑)

今回の企画は、その北原照久が館長を務める箱根の「北原ミュージアム」には展示されていない「もうひとつのコレクション」が展示されているとのこと。
ROCKHURRAHも口にしていたように、この方はブリキのおもちゃの世界的なコレクターだとか。
それ以外のコレクションとは何ぞや?
うーん、とっても楽しみ!
この時期がハロウィーンと重なっていたため「仮装して来館された方は半額」、って書いてあるよー。
本気で仮装して行こうかと思ったSNAKEPIPEだけど、友人Mが一緒なのでやめることにした。(笑)
とは言っても普段着はミリタリー系が多いので、それも一種の仮装(コスプレ)と言えるかもしれないけど?

平日だったためか、非常に人が少なくてガランとした森アーツセンター。
アート鑑賞はこれくらいがいいねー!
「もぎり」の女性が
「今回の展示は一部を抜かして撮影オッケーです」
と案内してくれる。
ぐがーーー!この時に限ってカメラを忘れてしまったSNAKEPIPE。
携帯もロッカーに入れてきちゃったし。
ええぇぇっ、とその女性の前で崩れてしまった。うーん、残念!
但し悔しいから言うわけじゃないけど、誰でも撮影オッケーな作品をあえてSNAKEPIPEが撮らなくてもいいかな、とも思ったのも事実。
脳内記録装置あるし。(笑)

一番印象的だったのは、恐らく今回の目玉だと思われる山下信一のフィギュア達。
高さ約60cmの箱の中に入った半裸の少女がズラリと並んでいる。
箱はアクリルケースもあれば、バービー人形が入っているようなパッケージもある。
一つ一つの人形の表情や衣装などがあまりに精巧に造られていて、観れば観るほど様々な発見があった。
背景になる箱も凝っていて、箱まで含めて作品なんだなとよく判る。
人形達はレトロな雰囲気も素敵だけれど、未来的なタイプのフィギュアのほうに惹かれた。
まるで「攻殻機動隊」の中に出てくるような人形達。
「フィギュア・コンプレックス」なんてタイトルが付いてたから余計にそう感じたのかもしれないね。
人形好きのMも圧倒されたようで
「ずるいと思わない?これ全部北原さんの物なんだよ!」
とお怒りモード。
「一体よこせって感じ!」
って結局欲しいだけじゃん。(笑)
いや、でも良く解るよその気持ち。
SNAKEPIPEも家に飾りたいと思ったからね。

北原照久という方は昭和の香りが好きなんだろうね。
昭和30年代をイメージした架空の風景を描いた毛利フジオの作品群は、経験したことがない時代のはずなのにどこか懐かしさを感じさせる。
平和でのどかな明るい日本の姿。
本当に昭和30年代ってこんな雰囲気だったのかなあ?
毛利フジオが憧れて描いているから色調が明るいのかしら?
故・今敏監督「妄想代理人」の中にも昭和30年代っぽい書き割りの風景が出てきたことを思い出す。
やっぱりあの時もどこか懐かしくて良い時代だな、と感じたっけ。

昭和の時代をジオラマで表現していたのが山本高樹
新宿ゴールデン街や有楽町ガード下など、とても庶民的な風景を精巧に再現している。
ミカン箱くらいの空間に存在している世界。
その中で本当に生きているような表情をした、ほんの数センチの人々。
じーっと観ていると、その世界の中に入って行かれそうである。
隅々までこだわって造られていて、これらの作品群も奥のほうまで観れば観るほどに発見がありとても楽しかった。

昭和の代表と言えば、やはりこの方横尾忠則先生!
SNAKEPIPEが敬愛するアーティストであり、何度か個展に足を運んだこともある。
作品ももちろん大ファンだけれど、浮世離れした横尾氏本人にも魅力を感じるのだ。
前述した山本高樹の作品「新宿ゴールデン街」にも横尾氏のポスターが作品内作品としてミニチュアで登場していたね。
横尾忠則氏本人の作品としては今回は油絵が一枚と、他にはポスターが展示されていた。
今までほとんどのポスター作品を観たと思っていたのに、今回初めて観る物がありびっくり。
どうやら個人や企業などが依頼して作られた作品だったようで。
県の観光案内から結婚した記念などに横尾氏のポスターとは!
ちょっと贅沢だけど、横尾氏の独特の構図と色彩は確実に観る者を捉えるはずなので宣伝効果は抜群なんじゃないかな?

もう一人昭和、という括りというよりはファッションの興味から書きたいのは岡本博。
この方はイラストレーターであり「トイズ・マッコイ」というバイク系アパレルメーカーの創始者だそうで。
岡本博の名前を言っても知らなかったROCKHURRAHだけど、スティーブ・マックィーンのイラストを見せたら
「あぁ、この人か。」
と分かった模様。
リアル・マッコイズの頃からスティーブ・マックィーンがテーマだった、とROCKHARRAHは知ってたようで。
今回展示の油彩画(イラストだったのか?)はモチーフがバイクとB-3ジャケットとはさすが!
ムートンの質感が良く出ていて感心してしまった。

今回のアートコレクションは、とても興味深く面白い展示がいっぱいで楽しかった。
恐らくブリキのおもちゃだけだったら、SNAKEPIPEは同じ感想を持たなかったかもしれないね。(笑)
SNAKEPIPEは現代アートを観る時にいつも
「その作品を欲しいと思うかどうか」
を基準にして良し悪しを決めている。
もちろん本気で「絶対家に持って帰る」とまでは思わないし、アート作品を買うなどと大それたことを考えたこともない。
それを実践しているのが北原照久という人なんだね。
「家に飾って、心ゆくまで眺めたくて購入しました」
みたいに書いてあるし!
これだけの作品を買うって一体どれだけのお金持ちよ?
好きな物を追い求めて収集するコレクター気質は誰でも持っている願望なんだろうけど、それを極めて職業にまでしてしまった人は少ないよね。
ユイスマンスの「さかしま」や江戸川乱歩の小説でも描かれるように、自分にとっての楽園を構築することがライフワーク。
そんな生き方ができたら楽しいだろうね!

がっちりBUYましょう!vol.1 レディース・サイズ実物ミリタリー編

【M-65を愛用する有名人(一部不適切?)】

SNAKEPIPE WROTE:

自分の好きなモノを制作するのも好きだけど、上手な買い物ができた時も非常に嬉しい。
古着屋での買い物では多少のキズや汚れ、サイズの大きさなどは自分の好みに修正することもあるけれど、稀に程度も良くてサイズもぴったりのモノが手に入ることもある。
たまたま見たサイトでお値打ち品を発見、最後の一点を購入したり。
そしてワクワクしながら配送を待ち、実際に手にした時に思った以上の出来栄えにうっとり!
こんな時は本当に「出会った」気がして、運命まで感じてしまうほど。(大げさ)
今回はそんな運命的な出会いをした逸品を紹介してみたいと思う。

ネットのミリタリー系通販サイトを見ていたROCKHURRAHが
「これ、サイズ小さそうだよ」
とフライトスーツを指さしている。
そう、ミリタリー物はメンズ仕様が当たり前の世界だから、少しでも小さいサイズがあると見入ってしまうSNAKEPIPE。
ジャケットやパンツなら多少大きくてもベルトで締めたり直したりするけれど、「つなぎ」になるとなかなか難しいことが多い。
日常的に着用することはほとんどないけれど、なぜだか「つなぎ」が好きで複数所持しているSNAKEPIPEである。
もちろんどれもダボダボで、子供が大人用を着ているような感じなんだけどね。(笑)
そのため「小さめのつなぎ」という語句は唾をゴクッと飲み込む程魅力的な言葉。(ぷっ)
書いてあるサイズを見ても、ミリタリー物としてはかなりの小ささであることが判る。
米軍や特殊部隊の服飾に興味ある人なら誰でも知ってる納入メーカー、アトランコ社製(TRU-SPEC)のCWU-27/Pがびっくり価格!
ええい、ダメで元々、買うっきゃないでしょ!と注文してみることに。
数日後、配送された商品を着用してみると、驚くほどのぴったりサイズ!
こんな「つなぎ」が欲しかった、と夢見ていた通りの逸品!
どれどれ、と手に取ったROCKHURRAHがミルスペックを見て
「ええっ!」
と叫ぶじゃありませんか!
何事かと思いきや、どうやらサイトに紹介されていたTRU-SPECとは違う商品だったよう。
悪い知らせかと思うとその逆で
「グリーンブライアー…本物だ!」
なんと80年代くらいに実際に米軍に納入していた実績を持つメーカーらしいのだ。
高級品じゃないけど、N-3Bの後期型などで後に「ホープ」のブランド名として有名なメーカーである。
SNAKEPIPEが無造作に開けてしまったビニール袋には、正式な軍支給品である証明のラベルが貼ってあった。
耐熱アラミド繊維100%!
摂氏400度の熱に耐えるハイテク素材で、一般的にはCWU-45/Pなどのフライトスーツに使用されることが多い。
今回購入したCWU-27/Pは同じシリーズなので、パイロット用の「つなぎ」なのね。
これでどんな火の中でもへっちゃら!
やったね、SNAKEPIPE!(笑)
ポケットもやたらにいっぱいあるし、意味不明(本当は意味があるんだろうけど)のヒモが付いてたりして本格的!
ほんの数千円で、ものすごい良い物が手に入って嬉しい限り。
それにしても、こんなに小さいサイズの「つなぎ」を着るアメリカ人パイロットが本当にいるんだろうか?

何故だか昔から胸ポケットのあるジャケットが好きなSNAKEPIPE。
肩章が付いているデザインも大好き!
古いデザインで言うと、例えばサファリジャケットとかね。
ミリタリージャケットの中ではやっぱりM-65!
「これ、欲しい!」
と一目惚れしたジャケットなのである。
前にポケットが4つ。
肩章も付いてるしね。
欲しくてたまらなかったのに、M-65は大きなサイズしか見当たらない。
ちょっと細くて丈が短い、と思うと「なんちゃって」のミリタリーテイスト系。
それじゃダメだわっ!本物が欲しいのよっ!
というSNAKEPIPEの執念が実ったのか。
なーんとミリタリーショップではなく、一般的な古着屋でSNAKEPIPEサイズのM-65を発見!
とは言ってもまたもや見つけたのはROCKHURRAH。
「これ、サイズ小さそうだよ」
と全く前述のフライトスーツと同じセリフ。(笑)
小さいサイズ、という言葉に弱いSNAKEPIPEはあまり期待せずに試着してみた。
だってほら、M-65の小さいサイズに出会ったことがなかったからね。
ところがっ!今回のジャケットは本当に小さかった!
X-SMALL、X-SHORTという今まで見たことがない極小物!(笑)
袖丈や着丈もぴったり!
古着だけど程度も良いし、お値段もお手頃なので早速購入。
前からずっと欲しかった物が手に入って本当に嬉しい!
これでウッドランドを上下着用、ブーニーハットで本格派ベトナムヴァージョン。
髪を長くおろしてジーンズを合わせると70年代風!
モヒカンにすればタクシードライバーヴァージョン!(んな馬鹿な)
これでまたお気に入りが増えたね。
またいろんな「出会い」があるといいな!

痛くて怖い物語

【「28日後…」でチンパンジー教育用に使用されていた映像より】

ROCKHURRAH WROTE:

今まで滅多に映画鑑賞記みたいなものを書かなかったROCKHURRAHが久々に映画について書いてみよう。
映画に関してはROCKHURRAHサイトのキーワードとも言える「70〜80年代の・・・」限定というわけにはいかないが、そもそも昔はよく見かけた定番の映画(と言ってもちょいマニアックなもの)でさえ大手レンタル屋チェーンとかでは見事に姿を消しているという嫌な時代。仕方なく入手しやすい映画ばかり観ているけど、ブログで感想書きたくなる程の作品は少ないなあ。しかも面白いのはSNAKEPIPEの「CULT映画ア・ラ・カルト」シリーズでもう書いてしまってるから、それ以外の「地味な映画」担当になっちまった(笑)。まあそんな映画の中から何とか探して書いてみましょう。微妙にちょっと前の映画なのがROCKHURRAH流時代遅れのススメというわけ。

さて、今回はありそうでなさそうな怖い話というような括りでいくつかピックアップして軽く書いてみようか。ROCKHURRAHが書く時はいつもなんだが、相変わらず考察も批評も特になくて、単にこんな映画もあったなあ、という程度だから何も期待しないで。
また、ネタバレにならないように書いてるつもりでもうっかりバレてしまったらごめん。


まずはクエンティン・タランティーノが製作総指揮でイーライ・ロス監督の「ホステル」から。この世界では若手と言ってもいいのかな?作品数も少ないからこの「ホステル」が代表作となる。結構話題になってたから知ってる人は知ってるだろうが、監督の名前を聞いても知らない人も多いかも。この人はタランティーノ監督の「イングロリアス・バスターズ」に俳優として出てたのも記憶に新しい(劇中に出てくるナチス映画もイーライ・ロスが監督)。
ストーリーは単純なものだが、3人組のバックパッカーがヨーロッパで無軌道な旅をしている最中の怖い話。旅先で紹介されたスロバキアにあるホステル、そこが問題の場所なんだが最初は楽しい天国のような歓待を受ける3人。それが一転して次々と・・・とまでは行かない少人数だな。2人いなくなれば次は3人目だって事くらいは誰でもわかる。
まあ世にも恐ろしい目に遭ってしまうわけだ。古典的すぎて涙が出てしまう展開だが、オーソドックスでも怖いものは怖いのよ、という自信に充ち溢れた作品。ジャンルとしてはものすごく痛い系列かな?
「SAW」や「マーターズ」なども似たタイプで得体の知れない敵という存在はあるんだが、こちらは割と直球勝負。というか勝負したくないタイプ。いやあ、絶対こんな目に遭いたくないものだ。


この映画はヒットしたために続編「ホステル2」も同監督で2007年に公開された。前作ラストの後日談が映画の冒頭で出てきていきなりショッキング。今度は女子美大生3人組プラス1名で発端も展開も同じようなもの。やっぱりまんまとスロバキアに誘われてしまう。途中まではここまで前作を踏襲した2も最近では珍しい、とまで思ったが最後だけ大どんでん返し。いや、その展開も充分読めるけどね。
タランティーノ監督の「デス・プルーフ in グラインドハウス」にも似たラストの爽快感はあるものの、この主役以外だったら全く救いようのない映画だったろうね。
前作では少しだけしか説明されてなかった得体の知れない組織もある程度全貌が明らかになってゆく。こういう組織が現実にあってもちっともおかしくはないという気がする点がこの映画の恐ろしい部分かな。

しかしこの2本の映画を観て「絶対にスロバキア行きたくねー」と思った人は数知れずいるに違いない。実在する国で観光による収益もあるだろうにねえ。スロバキアの人にとっても別の意味で背筋の凍る映画だと言えよう。


さて、次はダニー・ボイル監督の「28日後…」について。「トレインスポッティング 」や「スラムドッグ$ミリオネア 」など大ヒットした映画を撮っているから、90年代以降のイギリスを代表する監督と言ってもいいだろう。
ストーリーとしてはこれまた割と単純なもの。感染症にかかった猿に噛まれた事によりレイジ・ウィルスなるものが人間の間であっという間に大流行。噛まれるとわずか数秒で凶暴なゾンビのような人間となり、見境なく人を襲って次々と感染者が増えてゆく。そしてロンドンは死者と感染者ばかりの街になってしまい、イギリスは壊滅状態となる。それから28日後に病院で目覚めた男が主人公だ。同じように何らかの理由で感染せずに生き延びた仲間に出会い、感染者から必死に逃げてゆくというサバイバル・ホラーだ。
「ナイト・オブ・ザ・リビンデッド」や「ゾンビ」「バイオハザード」などのパターンを踏襲してはいるもののさすがイギリス映画。上記のアメリカ物に比べるとずっとダークで主人公たちのバイタリティが低い感じがする。もっとうまい逃げ方もあるだろうに、と何回も思うもどかしさがある。逆に感染者たちの凶暴具合、その勢いは大変なもので、こんなのに追いかけられたらたまったもんではない。
この監督の特色なのか「トレインスポッティング 」「スラムドッグ$ミリオネア 」などと同じく冒頭に全力疾走するというスピーディな映像効果(上記の感染者から逃げる図)が印象的だ。
見た目も冴えず最初はダメ男に見えた主人公が愛する女のためにランボー(古い)並の活躍をするのはちょっと有り得ない展開だが、よくわからないウィルスによる感染の恐怖というのは誰にとっても非現実的なものではないはず。その辺の潜在的な弱点をよく捉えた映画だと思える。
また、映画の内容とは関係ないがイギリスを舞台としている事からイギリス軍のDPM迷彩服がふんだんに登場するのも個人的にはポイント高い。


この「28日後…」もヒットしたのでファン・カルロス・フレナディージョ(長い)なる別の監督でダニー・ボイルが製作総指揮という続編「28週後…」が2007年に公開された。
前回と同じ舞台設定だがこれは別なエピソード。しかも前作よりは格段に複雑な話。
28日後と同じ頃(変な表現)、別の土地で生き延びた夫婦と一時的な仲間たちがいた。しかし隠れ家に子供を匿った事から追ってきた感染者集団の襲撃を受けてしまう。そして全滅してしまうエセ・コミューンなのだが、この時に妻を見捨てて逃げた非道な夫が物語のキーマンとなる。
28日後騒動の後(変な表現)、壊滅したイギリスはアメリカ軍の統治により復興が進んでいて「まあ、もう大丈夫なんじゃない?」という程度の安全宣言が出された。これが28週後というわけ。生き延びた人たちは安全区域で米兵に守られて生活していて、最初に一人だけ逃げた夫も外国にいた二人の子供を引き取り、とりあえずはメデタシ。当然の展開だが「お母さんはどうしたの?」という問いかけに自分だけが生き延びたウソの顛末を語り、保身を図る嫌なおやじ。悲しむ子供は立ち入り禁止となっている自宅に戻り、それが元でまたしてもレイジ・ウィルスがあっという間に再発してしまう・・・。そして米軍は事態を鎮圧するために地区内の人間も感染者も全部焼いてしまおう、というコード・レッドなる非常手段を発令する。
主人公は二人の子供でサバイバル生活に突入してゆくが、それを助けるのが後に「ハート・ロッカー」で戦争ジャンキーみたいな爆発物処理人役を演じるジェレミー・レナーだ。しかしこちらでもあちらでも米軍の軍曹役という事でACU迷彩着用のどちらも同じ姿。巷ではACU迷彩が最も似合う俳優という事で通っているのかね?どちらかと言えば軍人のキリッとしたタイプではないしSNAKEPIPEによると「デュラン・デュランのサイモン・ル・ボンをふくよかにしたような顔」とのこと。この3人ともう一人女性兵士を加えた一団で感染者や米軍から逃げたり戦ったりするというのが大まかなあらすじだ。

前作では一旦助けてもらったイギリス軍こそが感染者よりも恐ろしい存在だったが、この続編ではアメリカ軍兵士でプロのスナイパーが味方、という事で多少の希望がある。がしかし、この兵士は軍の脱走者と同じ扱いという事で、敵の強大さという点では遥かにスケールアップしている。やっぱりね、と思う救いようのなさは「ゾンビ」や「サンゲリア」などと同類だね。


最後はジャウム・コレット=セラというあまり知名度はないと思われる若い監督の作品で「エスター」。この映画自体は結構怖いという評判だったので観た人も多いはず。

両親と2人の子どもがいる家庭。一見幸せに見えるが三人目の子供を流産したという悲しみが一家の影になっている模様。両親は孤児院に行き、養女に出来そうな子供を物色する。そこで偶然に出会った少女がエスターというわけだ。絵を描くのがうまく聡明な少女で、この子を引き取る事にする。兄妹の妹は難聴なんだが、エスターはすぐに手話を覚えて妹とも仲良くしてメデタシ。が、兄の方はどうやらこのエスターが気に入らなくて家にやってきた他人扱いする。エスターの服装が今風ではなくて一緒にいるのが恥ずかしいというような思春期にありがちなものだろう。それなりに馴染んできたエスターだったが、学校ではイジメに遭っていて家では母親や兄ともちょっとうまくいかないところがある。
まあそういう感じのはじまりでエスターの理解者は優しい父親と難聴の妹だけとなる、という部分が割ときめ細かく描写されていて、後半になってからはこのエスターの怖い部分が徐々に明らかになってゆく。

今時珍しいほど古典的ホラー要素を踏襲していて「最近のホラーは派手でショッキングなばかりで面白いのがないねぇ」などと思ってたROCKHURRAHもビックリのずっしりとした王道ホラーだった。今回ピックアップした中では最も飛躍がなくて、現実的な恐怖を追求した作品だと言える。しかし全然子供がいなくて寂しい夫婦というわけではなくて2人もちゃんと子どもがいるのに、それでもなおかつ、充分に物心ついた子供をさらに欲しがるこの両親の気持ちはちょっと理解出来ないなあ。

こんな感じでちょっと怖い映画を選んでみたが、最近は「ホラー映画苦手」と言っていたSNAKEPIPEも普通に平気で観れるようになって喜ばしい。変態サイコキラーが街中を脅かすような映画は大好きのくせにね(笑)。また書けるような題材があったら映画についても書いてゆこう。

尚、来週はrockhurrah.comのサーバーが大掛かりなメンテナンスを行うため、ブログは休ませてもらうかも。この場を借りて告知させて頂きます。