逸品制作日誌 シルバー・バッグ

【今回制作したシルバー色の革を使用したバッグ(私用)】

SNAKEPIPE WROTE:

以前「ライブは手ぶらで」の記事でも書いたことがあるけれど、どこに出かける時でも両手が空いている状態が好きだ。
そこでバッグは必然的にヒップバッグか斜め掛けにできるタイプに限られてしまう。
ところがなかなか「これは」と思えるバッグにめぐり合うことができないSNAKEPIPE。
丁度良い大きさやデザイン、機能に素材と数えあげたらキリがないほどポイントがあるからね。
しかも「どんな服装の時にも持つことが出来るように」なんて考えたらもうダメ。
とても市販品で満足できるものなんて見つからない。
自分でオリジナルを作るしかないね!(笑)

そしてこれまでにもいくつかのバッグを制作してきたSNAKEPIPEだけれど、やっぱりまだ満足できないのよ!
この冬困ったのは、丁度良い大きさだと思ってたバッグが使えなかったこと。
厚着してるせいで斜め掛けのストラップの長さが足りなかったのが原因。
決してSNAKEPIPEが太ったせいじゃないからね!(笑)
「もっとストラップが長いバッグを作ろう」
と思い立ったのが去年の11月頃だったかな。
ところが腰が重いのなんの!
全然制作する気がなくてねー・・・。
いや、何があったというわけじゃないけど気力が湧かない時ってあるよね?
この冬はずっとそんな状態が続いてしまい、砂をかむような毎日の連続・・・。
あはは、それはちょっと言い過ぎにしても制作にまで気が回らなかったのは事実。
やっとここに来てイマジネーションが復活してきた!

そしてついに制作開始。
始まると速いSNAKEPIPEなので、あっという間に仕上がってしまった。
上の写真のバッグである。
今回はシルバー色の光るタイプの革を使ってみた。
これならどんな時でも使用可能!
フロント部分に黄色のハラコで作ったフラップ付きのポケット。
今まで黄色ってほとんど無縁だったSNAKEPIPEなので、かなり新鮮な気分!
これから黄色い服とかグッズが増えたりして?(笑)

ここで中の写真を載せなかったので説明だけすると、なんと裏地は浮世絵柄!
江戸時代のべっぴんさんたちがいっぱいプリントされてて面白い。
ただし、大きなポケットをつけてしまったためあまり良く見えないんだよね。(笑)
ま、自己満足ってことでいいかな。

折りたたみの傘が横にして入る充分な幅があるから、色々使えそう。
すっかり春になってしまったけど、これからのお出かけが楽しみである。

3月4日に生まれて

【3月4日生まれの有名人たち】

SNAKEPIPE WROTE:

3月4日はSNAKEPIPEの誕生日。
おめでとうSNAKEPIPE!(笑)
以前ROCKHURRAHが「7月5日に生まれて」という自分と同じ誕生日の人をネタにしたブログを書いたことがある。
それに対抗して、というわけではないがSNAKEPIPEも同じような企画にしてみようかな!
えっ、ただの2番煎じ?(笑)

調べる前から知っていた3月4日生まれの有名人は写真家・作家の藤原新也氏!
その事実を知った時には小躍りせんばかりに喜んだSNAKEPIPEである。
同じ星の元に生まれた、同志のような気がして嬉しかったのだ。
なぜなら藤原新也氏はこのブログの「ABOUT US」にも尊敬するアーティストとして名前を挙げさせて頂いている一人だからである。
最近の数冊は抜けてるかもしれないけれど、氏の著作はほとんど読んでいる。
ちょっとカッコつけ過ぎ、と思うくらいの気障な文章を発見するとニヤッとしてしまう。
斜めから観察してるようなシャープで辛辣な文章は「只者ではないな」と思わせる。
定期的に覗くHPはそんなに多くないSNAKEPIPEだけれど、藤原新也氏のサイトはその数少ないうちの一つである。
「Talk & Diary」というページがブログになっていて、それを読むのが楽しみだ。
ほとんどが時事ネタで、政治のことを書かれたりするとあまり良く理解できないSNAKEPIPEだけどね。(笑)
これからも藤原氏の動向は見つめて行きたいと思う。

この方も誕生日が同じ、と自慢したくなるのが俳優・歌手の天知茂氏!
「土曜ワイド劇場」で放映されていた「江戸川乱歩の美女シリーズ」での明智小五郎役が最も有名な役なのかな。
天知茂氏についてはかつてROCKHURRAHが「ビハインド・ザ・マスク」という記事を書いているので、そちらを参照してもらうともっと詳しく知ることができるよ!
あのバリバリバリと変装の顔を剥がす時のゾクゾクする快感。
分かっちゃいるのにたまらないお決まりのシーン。(笑)
ダンディで苦みばしった渋い魅力はもちろんのこと、ちょっとコミカルなおとぼけの表情もお茶目でナイス!
1985年に54歳という若さでお亡くなりになっているのが非常に残念だ。
天知茂氏の時代劇は観ていないので、機会があったら是非観たいな!

女性で同じ誕生日は?と調べてみたところ山本リンダがいた!
全盛期は一世を風靡した美貌と腰使い。(笑)
実はSNAKEPIPEの持ち歌にもリンダの曲がある。
KARAOKE万歳!」に書いてるね。
現在はどんな様子なのか分からないけど、ちょっと前にテレビに出ているのを観た時には「外国人っぽい派手なおばちゃん」みたいになっていたっけ。
オーバーアクションでテンションが高くて、周りから浮いてる!
若い頃の自分に成り切ろうと必死で努力しているような悲しさを感じてしまった。
良い年の取り方、その年代ごとの魅力の持ち方の難しさが特に女性にはあるからね。
ん?なんか自分への教訓のように話してないか?(笑)

浅野温子も3月4日生まれ。
浅野温子も一時期一世を風靡したことがあったよね?
浅野ゆう子と一緒にドラマやってたり、「101回目のプロポーズ」とか。
げっ、調べてみたら1991年って約20年前じゃん。(笑)
最近は何やってるのかなと思ったら國學院大學客員教授だって!びっくり!
日本神話とか古事記とかの研究やってるみたいですごいね。
「浅野温子に似てる」と言われたことがあるSNAKEPIPEだけど、何が似てるって髪形だけだね。(笑)

日本の俳優では佐野史郎が同じだね。
佐野史郎を初めて観たのは大昔の深夜番組「FMTV」だったように記憶してるけど、昔過ぎて違うかも?(笑)
ドラマの冬彦さんが1992年だって。
んー、もうテレビの話になると全然ダメね。(笑)

海外の有名人では元エイス・ワンダーのヴォーカル、パッツィ・ケンジットが同じ誕生日だね。
オアシスのリアム・ギャラガーが旦那だと思ってたら、今はまた違う人と4度目の結婚をしている模様。(笑)
今の写真を観ると元(再結成?)ゴーゴーズのベリンダ・カーライルみたいな四角い顔に!
がっしりしたアメリカ人のようだよ。
若い頃は痩せた透明感のある少女だったのにね。

海外の有名人では他にフランスの作曲家ポール・モーリア
チャラララララ~ン、とマジシャンがハンカチをヒラヒラさせる時のBGMでお馴染みのあの曲ね!(わかるかなあ)
ポール・モーリアもイージーリスニングの世界で大活躍したっけ。
最近イージーリスニングって聞かない言葉だよね!(笑)

イギリスの作家アラン・シリトーも同じ誕生日。
どんな著作があるかって?
そんなの知りとーない!(うぷぷ)

因みに昨日3月6日は作家、鳥飼否宇先生の誕生日。
2日違い、惜しい!(笑)
鳥飼先生、お誕生日おめでとうございます!

こうして並べてみると俳優、作家が多いように感じるね。
魚座は直観力を生かした職業が向いているようなので、アート系が合ってるのかも?
今からでも遅くない、SNAEKPIPEも頑張って人生やり直してみるのもいいかもしれないね。(笑)

CULT映画ア・ラ・カルト!【06】JOHN WATERS part2

【Cecil B Demented Are Go!(音が出ますので注意)】

SNAKEPIPE WROTE:

さて今回はジョン・ウォーターズ監督の第2弾!
CULT映画ア・ラ・カルト!JOHN WATERS part1」でも書いたけれど、ジョン・ウォーターズの映画を入手しようと思ってもなかなか難しい昨今。
今回も仕方なく紹介する3本のうち2本は字幕なしの状態で鑑賞。
以前観たのは随分昔だから記憶はあやふや。
しかもSNAKEPIPEのヒアリングに問題があるため完全に理解したとは言い難いまま書いてみようと思っている。
かなり無謀かな?(笑)

クライ・ベイビー」(原題:Cry-Baby)1990年。
ジョニー・デップ演じるクライベイビー率いる不良チーム「ドレイプス」といい子ちゃんチームの「スクエアズ」の対立と恋を描いたミュージカル映画。
実はSNAKEPIPEは観たことないんだけど、恐らく「ウエストサイド物語」に近いみたいね。
それをパロディ化してるのかもしれない。
途中で出てくる「肝試しレース」は「理由なき反抗」にあった「チキンレース」みたいな感じだったしね。
ヘアスプレー」と似た雰囲気で、結局ジョン・ウォーターズもデヴィッド・リンチと同じく50年代が大好きなんだろうね。(笑)
ストーリーはどーってことないし結末も予想通りだけれど、俳優の個性がイカしてる。
なんとジョニー・デップの(多分)おじいさん役がイギー・ポップ
途中でウサギの着ぐるみ姿で登場するシーンもあり、あのパンクの帝王が!と笑ってしまう。

クライベイビーはロカビリーバンドをやっていて、ジョニー・デップが裏声使いまくりで(ヒーカップね)歌うのはさすがにミュージシャン!
聴かせてくれます!
ウッドベース担当してる俳優さんがストレイ・キャッツの人によく似てること!
当然違う人だけどね。(笑)
バンドのメンバーとしてトレイシー・ローズがいたけど、彼女も本当にサイコビリーの女性版みたいでかなりきまってていい感じだった。

脇はしっかり個性派でまとめているのに、何故かヒロイン役が凡庸な女優。
これだけが納得いかなかったな。

セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ」(原題:Cecil B. Demented)2000年。
この映画だけは字幕ありで鑑賞したため完全に理解できている一本。(笑)
アングラ映画を撮ることを誓い合ったチーム「スプロケット・ホールズ」が命がけで映画を完成させる物語。
今回はヒロインとしてハリウッド女優のメラニー・グリフィス
シリアル・ママ」のキャサリン・ターナーの時もびっくりしたけど、メラニーもよくウォーターズ作品の出演を決心したものだ。
やっぱりこれも「経験」とか「幅を広げる」ためだったのかな?
映画の中でもハリウッド女優役で初めはとても性格の悪いタカビー(死語?)だったけれど、「スプロケット・ホールズ」に誘拐されて無理矢理アングラ映画に出演させられていくうちに女優魂に火が点く。
よーやるわ、と思うほど弾けまくってたメラニーもやっぱりウォーターズ・マジックにかかっていたのかな?(笑)

一番笑ったのは「スプロケット・ホールズ」のメンバー紹介のシーン。
アングラ映画をこよなく愛する彼らは崇拝する映画監督の名前を刺青しているのである。
監督:セシル・B・ディメンテッドはオットー・プレミンジャーの刺青
俳優:チェリッシュはアンディ・ウォーホールの刺青
俳優:ライルはハーシェル・ゴードン・ルイスの刺青
撮影:パムはサム・ペキンパーの刺青
録音:シャルドネはスパイク・リー刺青
美術:ルイスはデヴィッド・リンチの刺青
衣装:フィジットはウィリアム・キャッスルの刺青
メイク:レイヴンはケネス・アンガーの刺青
ヘア:ロドニーはペドロ・アルモドバルの刺青
運転手:ピーティはライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの刺青
プロデューサー:ダイナはサム・フラーの刺青
刺青を見せながら一人一人が名前と役割を自己紹介の形で語る。
その時にバックに流れる音楽がそれぞれの監督の作品で使用された音楽になっているところが凝った演出かな。
SNAKEPIPEも敬愛するデヴィッド・リンチの紹介の時にはツイン・ピークスの音楽が流れていた。
そしてデヴィッド・リンチの名前が彫られている箇所は指だったのだけれど、DAVID LYNCHと5文字ずつあるため一本の指にIDとCHが小さく彫られているのが笑える。
よく見かけるようなLOVEとHATEだったら4文字だからおさまりがいいんだけどね!(笑)

この映画の中ではジョン・ウォーターズには珍しく(?)強烈なハリウッド批判や映画のマナーに関するメッセージなどが盛り込まれていた。
そのためか撮影はヨーロッパで行われたとか。
あら、今回はボルチモアじゃなかったんだね。(笑)
「映画の最中に喋るなんて」
「映画が始まってから入場するとは」
という実は当たり前のことなのに、実際にはまだまだマナー違反の人がいっぱいいる現状に腹を立てる「スプロケット・ホールズ」の面々。
ま、これはジョン・ウォーターズを代弁してるんだろうけど。
ほんとに映画館で不快な思いをすることって多いもんね。
SNAKEPIPEも大きくうなずいちゃったよ!

この映画ではウォーターズの映画の嗜好がよく分かる。
「良質なファミリー映画」はダメだけど「アクション映画」や「ポルノ映画」はオッケー。
パゾリーニ映画祭にお客さんが一人も来ないなんて!」
というセリフもあって笑ってしまった。
完全に「フォレスト・ガンプ」を馬鹿にしたシーンまで出てきて、痛烈に批判。
ただし、SNAKEPIPEもROCKHURRAHもその手のハリウッド映画ってほとんど観ないからパロディなのかどうかが分からなかったけど。(笑)

テーマが明確で脇の俳優の個性がはっきりしていて、とても面白い映画である。
音楽も毎度のウォーターズの好みとはかなり違っていて、ヒップホップやハードコアな音を取り入れていたところも斬新だった。
テロリズムにスウィートな50年代風ポップスは合わないか!(笑)

ア・ダーティ・シェイム」(原題:A Dirty Shame)2004年。
この映画、なんと日本未公開作品!
実はSNAKEPIPEもジョン・ウォーターズについて調べていた時に初めて知ったのである。
もう6年も前の新作を知らなかったとはSNAKEPIPE、ウォーターズファン失格だよ!
それにしても今までウォーターズ作品が日本で公開されなかったことがないので、未公開とはとても不思議だ。
ということでこの作品も字幕なしで鑑賞。
主演がなんと「ブレイクアウェイ」でブレイクしたトレイシー・ウルマン
「ヘアスプレー」の主人公もトレイシー。
「クライベイビー」に出演したトレイシー・ローズ。
これで3人目のトレイシーである。
余程ウォーターズが気に入ってる名前なのかもしれないね。(笑)

トレイシー・ウルマン演じる主人公シルヴィアが突発的な事故で頭を強打。
その事故がきっかけで貞淑な妻から一転、淫乱女になり町中の人を巻き込んでいく話である。
トレイシー・ウルマンの変貌ぶりが見事で、「よーやるわ!」と感心してしまうほどノリノリの演技に笑わされる。
トレイシー・ウルマンはコメディが得意みたいだから、この程度の弾け具合はへっちゃらだったのかもしれないね。
トレイシー・ウルマンとウォーターズのコンビネーションは全く想像できなかったけれど、ここまでやる気マンマンのトレイシーなら第二のディバインも夢じゃないかも?(笑)

なんともチープな作りで、ストーリーにひねりもなく
「Let’s Go Sexy!」
を合言葉に町中の人々が官能の世界に行くこの映画が新作とは!
1964年から始まるウォーターズの映画人生40年、未だにこのジャンルの作品を作り続けるその精神力!
SNAKEPIPEとしてはさすがウォーターズ、と拍手したい気分である。(笑)
一般ウケはしないと思うので、日本未公開だったのもうなずけるけどね。

どうやらウォーターズの新作は2010年「Fruitcake」のようなので、今からとても楽しみだ。

CULT映画ア・ラ・カルト!【06】JOHN WATERS part1

【ジョン・ウォーターズ監督をROCKHURRAHがアニメ化。a-haのPVみたいね!】

SNAKEPIPE WROTE:

ついにこの「CULT映画ア・ラ・カルト!」にカルト映画の大御所、ジョン・ウォーターズが登場!
本当は「カルト」なんてジャンルができるよりずっと前から活動している監督だけどね!
ジョン・ウォーターズには非常に思い入れが強いSNAKEKPIPEなので、何回かに分けて書いていきたいと思う。

まずはジョン・ウォーターズについて簡単に説明してみようかな。
ジョン・ウォーターズはアメリカ合衆国メリーランド州ボルチモア出身の1946年生まれの映画監督。
この出身地ボルチモアをこれほど愛している映画監督は他にいないはず。(笑)
映画の舞台はほとんどボルチモアだからである。
ジョン・ウォーターズの名前を世に知らしめたのは「ピンクフラミンゴ」だと思うけれど、これはかなり好き嫌いがはっきりする映画だろう。
この映画を評する時に使われるのが「至上最低の悪趣味映画」だからである。
いつの間かこの「悪趣味」というのを「バッドテイスト」と読み替えて、宣伝文句に使われるようになっているけれど。
その「悪趣味」で「下品」で「最低」の三拍子を揃えた元祖がジョン・ウォーターズ、ということになるのかな。
ぷぷぷ!そのウォーターズに思い入れが強いSNAKEPIPEとはね。(笑)
ブラック過ぎるジョークが大好きだからね!
今回はそのジョン・ウォーターズの映画の中でも割と毒が薄い(?)3本についてまとめてみようかな。
思いつくままに書くつもりなので年代などは無視してるけど許してね。

1本目は「ヘアスプレー」(原題:Hairspray)1988年。
この映画2002年にはミュージカルになり2007年にはそのミュージカルを映画化したものがあって(監督はアダム・シャンクマン)、最近ではなかなかオリジナルを手に入れることが少ないと思う。
オリジナル版は調べてみると中古で安くても8500円!(2010年2月現在)
ぎょっ、そんなに高いとはびっくり!
ジョン・ウォーターズの映画って今は手に入りにくくなっているみたいね。
それでもどうしても観たかったので、仕方なく字幕なしバージョンで鑑賞。

ヘアスプレーのオリジナル版にこだわりたかったのは、この映画がディバイン最後のウォーターズ作品だからである。
ウォーターズ作品の核とも言うべきディバインは、圧倒的な印象だったためその後の不在はとても残念だ。
そのディバインは主人公トレイシーの母親役で登場。
太めトレイシーと並ぶと本当に親子みたいに見えてしまう。
その後のウォーターズ作品の常連になるこのトレイシーを演じたリッキー・レイクはリズム感が良く上手いダンスを披露。
ヘアスプレーは映画の1/3がダンスシーンといってもいいほど、いつでも踊りまくりなのだ。
1960年代初頭に流行ったダンスを良く知ることができる寸法!
とても楽しそうなのでSNAKEPIPEも参加したくなっちゃう。(笑)

かつてダンスの女王だったというベルマ役をブロンディのデビー・ハリーが演じていて、かなりいい味出している。
他にはカーズリック・オケイセック(ボルチモア出身!)もビートニク・キャットという名前で出演。
ヘンな画家という役どころで面白かった。
ジョン・ウォーターズの映画にはちょっとしたゲストが出ることがあって、見つける楽しみがあるね。
出演したいと名乗りをあげる人、多いんじゃないかな?
この映画にはウォーターズ自身も精神科の医師の役で出演してた。
先生が一番怪しげだったけど。(笑)

映画はダンス以外に差別問題(人種や体型など)なども入っていて、教育指導的要素もある。
さすがにメジャー作品だけあるね。
毒気は少なかったけど、最後に「あー面白かった」とすっきりできる映画。
いつの日か2007年版も観てみるかな。

続いては「シリアルママ」(原題:Serial Mom)1994年。
後にシリアルママ(連続殺人ママ)として有名になる主婦ベヴァリーをキャサリン・ターナーが熱演。
キャサリン・ターナーがよくこの役を引き受けたもんだ、と当時はびっくりしたものだった。
改めて今回鑑賞してみたけど、やっぱりキャサリン「はまり役」ね!
俳優という職業は「演じることができる役の幅」で勝負が決まるだろうから、こういう経験は大事だろうね。(笑)

映画はその主婦ベヴァリーの持つ基準にそぐわない、ルール違反をしたと思う人物を次々と殺していく話である。
それは自分の子供たちを守るためだったり、「勤労感謝の日」を過ぎているのに白い靴を履いているからだったり、と理由は様々。
どうやらこれは夏物と冬物の区別を示しているみたいだけど、アメリカでの昔ながらの習慣なのかもしれないね。
ベヴァリーのルールに反していない人とはとても良い人間関係を持つところが面白かった。
ベヴァリーは極端過ぎだったかもしれないけど、言いたいことはとてもよく理解できるね。
外に出ればいくらでも似たような出来事に遭遇するし、ルール違反を指摘したくなることって多いからね。
ベヴァリーが人気者になっていくのもうなずける。(笑)

この映画ではアメリカのお騒がせ女性ロックバンド「L7」が登場。
ライブ会場にシリアルママが来るという設定ね。
この時のL7のメンバーが穿いていた白いパンツのデザインがすごい。
多分売ってないよね、特注かな?
そしてこのバンドを選んだウォーターズはさすが、だね。(笑)

映画の中でシリアルママの無実を訴えるためにバッジやらTシャツを裁判所前で販売してるシーンに目が釘付け。
あまりデザインがよく見えなかったけど、もし実際売ってたら欲しかったな!(笑)

最後まで「気に障ったらシリアルママに殺されるかも」というドキドキ感が持続されていたのが良かった。
にっこりしていた次の瞬間には武器を手にしているママの変貌ぶりは最高だったよ!


3本目は「I Love ペッカー」(原題:Pecker)1998年。
主役は「ターミネーター2」で子役だったエドワード・ファーロング
ここでもまた有名俳優を起用してるウォーターズ監督だけれど、ウォーターズ・マジックとでも言うのかやっぱり溶け込ませちゃってるんだよね。
エドワード・ファーロングがちょっとヘンな人に見えてくるから不思議。(笑)

このエドワード・ファーロング演じるペッカーは写真を撮るのが大好きな役どころ。
いつでもどこでもパシャパシャシャッターを切っている。
知らない人のことも平気で撮影。
相手も全然嫌がっていないところがすごいんだけど!
最近の傾向としては「肖像権」の問題があるため、相手の承諾なく勝手に撮影(撮影した写真の発表も)してはいけないことになってるからね。
ちょっと羨ましい環境のペッカー。
とても生き生きとした人々の表情が撮られていて、映画の中といえどもさすがだよね。

ペッカーの家族や周りだけでも相当な数の個性派がいる。
知り合いの写真を撮るだけでも充分なネタになっちゃうんだよね。
ペッカーのおばあちゃんのバレバレの腹話術。
ペッカーのお姉さんが働くゲイバーでの撮影。
砂糖中毒の妹がねぼけたところ。(最後には野菜中毒に変化)
ペッカーのガールフレンド(クリスチーナ・リッチ)の写真、などなど。
ボルチモアにはこんなにたくさん個性的な人がいるのかな?(笑)

あれよあれよという間に有名アーティストになってしまうペッカーだけれど、自分が都会に出て行かないで「我がボルチモアにようこそ」とアート関係者を地元に呼ぶところが面白かった。
そうそう、そのアート関係者の中に本物のシンディ・シャーマンが本名で出演してるんだよね。
シンディ・シャーマンはスチール写真のようなセルフポートレイトで有名になったアメリカの女流写真家ね。
シンディ・シャーマンだったらウォーターズ映画のファンだろうな。(笑)

記憶があやふやだけどこの映画には「ファインダーを通すと全てが素晴らしいんだ!」みたいなキャッチコピーが付けられていたはず。
確かに撮影シーンがとても楽しそうでSNAKEPIPEも一眼レフで撮影したくなっちゃったよ!
ウォーターズ監督の自伝的映画なんて書いてあるから、きっと楽しい少年時代を過ごしてたんだろうね。
この映画もあまり毒気が強くないし、ほのぼのしたサクセスストーリーなので写真好きの人にお薦めかな!

軽く3本をまとめてみたけれど、ウォーターズ監督作品についてはまだまだ書き足りないSNAKEPIPE。
また近いうちに違う映画も特集してみたい。