マーダー・カーテン7980円(うそ)

【サイコをサイコビリーで再現。これが本当のサイコだね!(笑)】

SNAKEPIPE WROTE:

引越してから1ヶ月が経過。
実はまだ全てが完了してないんだよね。
荷物の片付けは終わったけれど、装飾の部分についてはこれからなのである。
例えばポスター貼ったりするような一番楽しい作業が残ってるの!
やっぱりパンクとミリタリー精神を全面に打ち出した部屋にしたいよね。(笑)

ここで忘れちゃならないのがカーテン!
カーテンって面積が広いから色やデザインによってガラリと家全体の雰囲気が変わるアイテムだよね?
布のカーテンにするか、ブラインドカーテンにするかでも大きく印象が違ってくるし。
でも意外とおざなりにされてるような気がするけど、皆さんはいかが?
SNAKEPIPEも前の家では「とりあえず」下げ、そのまま使い続けていた。
今回の家では気分を一新、思い切って新調することに決めた。
そう決めてはみたもののネットで検索しても、店に行って見ても「これは」と思うようなカーテンがなかなか見つからないんだよね。
オリジナル重視の六波羅家では、やっぱりここは手作りだよね!(笑)
頑張って作ってみようと思う。
今回のブログは世界の素晴らしいカーテンについて語ろうかな!
というのはウソで(笑)カーテンが印象的だった映画について書いてみよう。

SNAKEPIPEがカーテンと聞いてまず一番初めに思いつくのは、敬愛するデヴィッド・リンチ監督の「ツインピークス」(原題:Twin Peaks 1990年~1991年)。
やや黒味がかった赤いカーテンは、ツインピークスの象徴と言えるよね。
パイロット版で観た時の衝撃は未だに忘れられない。
カーテン越しに何かヒラヒラ動く影もあったね。
カイル・マクラクラン扮するデイル・クーパー捜査官がブラックロッジで赤いカーテンで仕切られた部屋を行き来するシーンもあったね。
あの仕切りは「あちら」と「こちら」を表現してるのかな。
ただのカーテンではない、かなり重要な意味があると思われるんだけど。
SNAKEPIPEはいつか自宅をあれと同じ赤いカーテンとくさび形ジュータン(とでもいうのか)にしてみたいな。
まだ叶わないけどね。(笑)
そうそう、ツイン・ピークスの中で音のしないカーテンレールを発明しようと躍起になってたネイディーンという黒眼帯の女性がいたっけ。
カーテンはリンチの偏愛的アイテムなのかもしれないね。

続いては、カーテン・映画で連想される世界で最も有名な映画じゃないかな。
アルフレッド・ヒッチコック監督の「サイコ」(原題:Psycho 1960年)ね!
カーテン越しに映る不気味な人影。
多分あの映画を観た人なら、みんな「サイコごっこ」やったよね?えっ、やってない?
SNAKEPIPEは当然のようにカーテン越しにナイフを持ってるフリをしてマネて遊んだことがあるよ!(笑)
シャワーを浴び、全く無防備な状態でいきなり襲われるヒロイン。
絶命寸前にシャワーカーテンを掴み、カーテンが外れていくシーンは、今観てもかなりスリリング!
1960年の作品ということは、もうすでに50年以上前の映画なんだよね。
サイコ・サスペンス映画の原点、「サイコ」最高!(プッ)

SNAKEPIPEがカーテンをキーワードにパッと思い付いたのがアンジェイ・ワイダ監督の「灰とダイヤモンド」(原題:Popiół i diament 1958年)なんだよね。
ありゃ、時代がさかのぼってしまったよ!
高校時代、SNAKEPIPEが良く観に行ってたのが早稲田や高田馬場近辺のミニシアター。
靴脱いで座布団に座るような、本当に小さい劇場もあったなあ。
別に映画研究会に入ってたわけじゃないけれど、その当時は昔のモノクロ映画を観るのが趣味だったんだよね。
その時期にアンジェイ・ワイダ監督作品「灰とダイヤモンド」や「地下水道」、セルゲイ・エイゼンシュテイン監督「戦艦ポチョムキン」、アラン・レネ監督「去年マリエンバートで」など古典中の古典というような作品を多く観たものだ。
うーん、懐かしい。
「ぴあ」で一生懸命上映スケジュール確認して出かけたっけ。
あ、「ぴあ」が7月21日発売号で休刊というニュースを知ったよ。
今はもうネットで情報得られるから紙媒体は弱いんだろうね。
昔は大変お世話になったからちょっと寂しい気がする。

話を「灰とダイヤモンド」戻そうね。
上の写真はカーテンじゃなくて、干してある白いシーツなんだけどね。
まるでカーテンのように主人公マチェックの姿をくらますのに役立つ。
白いシーツに赤い血のコントラストが鮮やかだ。
もうすっかりストーリーを忘れてしまったけれど、このシーンだけが強く記憶に残ってるんだよね。

もう一本、カーテンが印象的だった映画はアレハンドロ・アメナーバル監督の「アザーズ」(原題:The Others、Los Otros 2001年)かな。
アレハンドロ、という文字を見て「ホドロフスキー」と勘違いして小躍りしそうになったSNAKEPIPE。
「ホ」じゃなくて「ア」だったんだよね。(笑)
映画には陽射しを浴びてはいけない色素性乾皮症という病気にかかっている子供二人が設定されていて、日中でもカーテンを締切り薄暗い室内が表現されている。
怖い映画にはもってこいのシチュエーションだよね。(笑)
子供のことを思い、カーテンに関してヒステリックに反応するニコール・キッドマン演じるヒロイン、グレイス。
時代が1940年代ということでクラシカルなワンピースや髪型が美しいね。
この監督は「アザーズ」の脚本と音楽を手がけていて、原作も構想も自身によるものとのこと。
多彩な監督なんだね!
この逆転の発想とでもいうべき手法は、なかなか面白かった。
観てない方には是非お薦めの映画だよ!

今回はカーテンから思い付くままに映画を4本紹介してみたよ。
映画に登場する小道具をキーワードにした括りでまとめる企画も面白いね。
また何か浮かんだら特集してみようかな!

がっちりBUYましょう!vol.3 引越し作業中発掘編

【家ごと引越すとはさすがアメリカ!こんなだったら楽でいいなあ。】

SNAKEPIPE WROTE:

先週ROCKHURRAHが「告知」として書いていたように、現在ROCKHURRAHとSNAKEPIPEは引越し作業に追われているところである。
なんでこんなにあるの!って嫌になるくらいの物であふれ返っている状態。
山積みダンボールに囲まれて、毎日のように大量のゴミを出している。
だったら買わなきゃいいのにね?(笑)
それでも好みの物があるとつい購買意欲が掻き立てられてしまう。
買ったら捨てること、なんて整理整頓の達人の言葉があったけど、なかなかうまくいかないのが人情だよね。
今日はそんな引越し作業中に出てきた「とっておきのお宝」についてご紹介しよう。
「なんでそんなのがお宝なの?」と言われてしまうかもしれないけど、本人にとって大事な物ということで許してね!

まずはSNAKEPIPEの自慢の逸品から。
このビデオテープはSNAKEPIPEが尊敬する映画監督、デヴィッド・リンチに手による歌姫ジュリー・クルーズのミュージックビデオである。
ジュリー・クルーズはツインピークスでもロードハウスで歌ってたね。
このビデオは「インダストリアル・シンフォニーNO.1」というタイトルからしてインダストリアル好きのSNAKEPIPEにはグッと来るんだよね。
NO.1だったから続きがあるのかと期待していたけれど、この1作品だけで終わっていた。(笑)
このビデオの発売が1991年とのことで、今からなんと20年前!!!
ぎゃー、また昔の思い出を語ってるわい。
ということで残念ながら内容については、ジュリー・クルーズが天使のような服装で上から吊り下がって歌ってたことくらいしか覚えていない。
また観たいと思ってもビデオデッキがないし。
ビデオはアメリカのamozonでは手に入るみたいで、中古なら400円程度とのこと。(とほほ)
いや、値段じゃなくてやっぱりファンなら例え観られなくても手放せない作品だよね。
DVDはどうやらイタリア版で手に入るみたいだけど、イタリア字幕じゃ余計に分からないよね。(笑)
日本版は出してくれないのかなあ?
SNAKEPIPEのお宝は1点だけなので、これから先はROCKHURRAHに語ってもらいましょ。

ROCKHURRAH WROTE:

というわけで続きを書くハメになってしまった。先週ネタがない&引越し作業で大忙しという状況で無理して書いたばかりなのに、トホホ。

ROCKHURRAHが引越し作業の中で見つけたのはあまり面白い話題ではないかも知れないけど、古本の類い。珍しいかどうかは退役古本屋のROCKHURRAHにはよくわからないが、自分にとっては有意義なもので充分お宝だと思える。では中から変なところで共通点がある三点をピックアップしてみよう。

怪傑蜃気楼+女戦士セアラ/谷弘児
大谷弘行、陰溝蝿児というペンネームでも知られる漫画家&イラストレーター。70年代〜80年代に月刊ガロ誌を中心に活躍していた。 劇画とアメリカン・コミックのダイナミックなペンタッチ、そして江戸川乱歩の通俗スリラー小説(具体的には明智小五郎シリー ズ)と50年代のB級SF、怪獣映画などの世界が全部一緒くたになった独特のナンセンス世界が素晴らしい傑作だと言える。復刻も出て るようだけど、これは桜井昌一(辰巳ヨシヒロの 兄)が出していた桜井文庫というところからのもの。水木しげる作品を主に出版していたマイナー出版社だが、いかにも昔の貸本といった風情の装丁が これまたノスタルジックだな。

新岩窟王/谷譲次
上の谷弘児と単純に名前が似ているというだけでなく、これまた複数のペンネームを使い分けていたという共通点を持つ器用な人気作家だ。長谷川海太郎という役者のような本名なんだが、牧逸馬の名前で犯罪小説、怪奇実話などを書いていて、林不忘の名前で大ヒット時代劇「丹下左膳」を産み出して、谷譲次名義では「めりけんじゃっぷ」という人気シリーズを持っていた。1920年代の売れっ子作家だったわけだ。「新岩窟王」はデュマの「岩窟王」を下敷きにしながらも、登場人物を日本人にしてよりわかりやすく現代的(あくまでこの当時の現代だが)にした翻案小説だ。何と70年以上昔の小説なんだが、スピーディで言い回しもうまく、今読んでもあまり古臭さは感じない。会話の軽妙さは何となく国枝史郎を思わせるな。この本が現在 珍しいかどうかは不明だが、教養文庫版の初版第1刷で比較的きれいな状態で出てきたのが嬉しい。ヒマが出来たら再読してみるか。

肌色の月/久生十蘭
「新岩窟王」は連載中に谷譲次が亡くなったため、別の作家が引き継いで完結したという作品だが、この「肌色の月」も久生十蘭の遺作であり、結末を(作家ではない)奥さんが代筆した事でファンにとっては有名な作品だ。久生十蘭と言えば昭和初期の大衆文壇きっての名文家であり ROCKHURRAHも大好きな作家(ちなみにフェイバリットは「海豹島」と「魔都」)なんだが、考えた文章を奥さんに清書させるという、いわゆる口述筆記による文体のリズムを重んじた人だ。だから本作は結末になるととたんに十蘭っぽい文章でなくなるとか、色々な評もあるんだが、それでも個人的には心に残る作品で地味だけど好きと言える。涙なくして読めない奥さんのあとがきも必見。これは中公文庫初版のもの。

以上、全然つながってないようで妙な共通項がある作品を偶然選んでしまった。
今回は引越し直前でてんやわんやの時。軽く書きなぐったようなぞんざいな文章で申し訳ない。

SNAKEPIPE WROTE:

ということで今回は二人の共著になってしまったよ。
本当はSNAKEPIPE一人で書く予定だったんだけど、お宝がほとんどなかったので仕方あるまい。(笑)
来週は引越し本番になってしまうためブログはお休み。
また最来週には新居からお届け出来る予定!
無事に引越し完了すればいいな。

SNAKEPIPE MUSEUM #10 Katherine Westerhout

【最近では珍しく一目惚れした写真。よだれダラダラ~!】

SNAKEPIPE WROTE:

自分の記憶を辿って印象に残っている「あの一枚」を紹介してきたSNAKEPIPE MUSEUMだけれど、今回はふと目にした写真をコレクションに加えたい。
観た瞬間に「欲しい!」と思い、「こんな場所に行かれてズルイ!」と歯ぎしりまでする始末。(笑)
それが上の、大好きなジャンルである廃墟写真。
この色合い、光の入り方、崩れ落ちている天井、すべてバッチグー!
自分だけ撮影するなんて悔しいとか、SNAKEPIPEもそこに行きたい、などという感情が伴う写真こそがまさしく琴線に触れた廃墟写真、ということになるんだよね。
さて、こんな素晴らしい一枚を撮影したのはどんなお方なんでしょ?

調べてみるとKatherine Westerhoutという女流写真家のよう。
初めてカメラを手にしたのは6歳か7歳というから早熟なお子様だったようで。
1975年サンフランシスコ州立大学で芸術の学位を取得。
1990年代後半から個展を開催しているらしい。
去年の個展情報も載ってたから、現在も活動中みたい。
キャサリンご本人の情報についてはこれくらいしか得られないんだよねー。
写真で拝見すると初老の女性のように見えるんだけど、おいくつなのかしら?
もしご年配の女性で、こんな写真を撮ってるのだとしたら益々憧れちゃう!
最近気付いたんだけど、SNAKEPIPEって自分より年上の素敵な女性が好きみたいなんだよね。
で、当然ながら自分が年を取ってくると、更にご年配の女性に目が行くみたい。(笑)
日本では残念ながら、目標にしたい年上の女性が少なくてねえ。
こういう外国人女性にめぐり合うと元気になるよね!
いいぞ!キャサリン!GO!GO!キャサリン!(笑)

キャサリンのHPには惜しげもなく、アメリカの廃墟写真がいっぱい載っている。
う~ん、どれも色合い、構図、崩れ具合文句なし!
SNAKEPIPEお気に入りの畠山直哉の雰囲気に似て、静謐で崩壊の美を感じさせてくれる写真群。
「解るっ!解るわよっ!」
と握りこぶし作って独り言を言いながら鑑賞するSNAKEPIPE。
ほとんどの写真が2000年代の物なんだけど、アメリカは広いから廃工場とか廃病院とかいっぱいあるんだろうなー!
羨ましい環境ですな!
まだまだ知らない好きなタイプの写真家がいることも分かって大満足。
写真集あったら絶対買おう!(笑)

CULT映画ア・ラ・カルト!【09】黒蜥蜴

【SNAKEPIPEオリジナル黒蜥蜴ポスターを切り貼りで作ってみたよ!】

SNAKEPIPE WROTE:

ひと月に何本もの新作映画が封切られ、それに合わせてDVD化されているため仕方がないのかもしれないけれど、
「あの映画をもう一度観たい」
と切望しても叶わぬことが多い。
古い映画はどんどん新しい映画に入れ替わってしまうようだ。
DVDが出る前のビデオ時代の作品になると尚更である。
もしかしたらSNAKEPIPEがややマイナー作品を好む傾向があるせいかもしれない。
残念なことにメジャーから外れた作品はDVD化されず、排除されてしまうようである。

今回ご紹介する1968年深作欣二監督の「黒蜥蜴」もそんな映画の中の一本。
随分昔にビデオで観た記憶があり、もう一度鑑賞したかった作品なのである。
ROCKHURRAHが苦労して手に入れてくれたおかげで、再び観ることができた。
ありがとうROCKHURRAH!と涙を流して喜んだSNAKEPIPEである。(←本当?)

「黒蜥蜴」とはご存知の方も多いと思うけれど、我らが江戸川乱歩先生原作の推理小説である。
その小説を元にした戯曲が書かれ、舞台化や映画化が何度もされているらしい。
戯曲で有名なのが三島由紀夫の作品とのこと。(未読)
今回の深作欣二監督版の映画も三島版の戯曲を元に作られているようだ。
「黒蜥蜴」のあらすじは簡単に言うと、宝石泥棒の女と明智小五郎との対決である。
「黒蜥蜴」とは宝石泥棒の女が使っている、怪盗ルパンやキャッツアイなんかと同じような感じのペンネームだね。
見所は好敵手としての明智と黒蜥蜴の駆け引きや、ちょっと恋愛要素が入るあたり?(笑)
明智小五郎シリーズで恋愛問題が語られることは非常に稀だと思うので、この作品は珍しいんじゃないかな。

今回明智小五郎を演じたのは木村功
「美女シリーズ」で天知茂版明智小五郎に見慣れているSNAKEPIPEにはかなり物足りない配役。
印象が薄いし、セリフも聞き取り辛いんだよね。
そして黒蜥蜴役は美輪明宏(当時は丸山明宏)!
美輪明宏は舞台の「黒蜥蜴」も有名だけど、映画版も存在するんだよね。
これが本当にハマリ役。
恐らく美輪明宏版を観てしまったら、他の配役が考えられなくなるように思う。
気高く美しく、欲しい物は絶対に手に入れる強い意志と知恵を持つ。
ヨーロッパのマダムを思わせる、妖艶で少し残酷な黒蜥蜴。
日本人女性ではなかなか難しい役柄だよね。
「貞淑で従順」というのが日本女性の姿だろうから。
えっ、今は違う?(笑)
そんな強さと美貌を兼ね備えた妖しげな黒蜥蜴とぴったりマッチしている美輪明宏。
惚れ惚れしちゃうよ、ほんと!(笑)

映画の中で感心しながらも笑ってしまったのは黒蜥蜴一味の暗号。
通常ならば「山、川」くらいだろうけど、さすがに三島由紀夫の戯曲が元ではそういうわけにいかないんだな。
【暗号1】
女:美しい空は夕焼けで紫色になりました。
  猿達は牛の背中に蝋燭を飾り、朱肉のような吐息を漏らします。
男:山の中で人が燃え、人の中で海が燃える。
【暗号2】
女:黄色い獅子!黄色い獅子!夜の髭と朝の尻尾の…。
男:柘榴の帽子が硝子のように粉々になった。

いやはや、暗号とは言っても非常に詩的でしかも長い!
覚えるのも大変だろうね、これ!(笑)
紫色と黄色、という色が入っているところと動物の組み合わせが特徴か。
こういう点からも女賊・黒蜥蜴がエレガントで美的である、と言いたいんだろうね。
美輪明宏の有名な自叙伝も「紫の履歴書」で、やっぱり紫色だしね。(笑)
ちなみに江戸川乱歩の原作ではどうだったのかを読み返してみたけれど、黒蜥蜴一味が暗号を言い合う場面は登場していなかった。
三島由紀夫の創作なんだね。(笑)


深作欣二版「黒蜥蜴」の目玉は、前述したような美輪明宏の魅力と共に、戯曲を手がけた三島由紀夫本人の出演だろう。
黒蜥蜴の「人間コレクション」の中の一体として登場する三島由紀夫。
この「人間コレクション」は「美しい人間をそのままの状態で保持したい」という黒蜥蜴の願いにより人間剥製が展示されている。
三島由紀夫はケンカで刺され、ナイフが腹に埋まったまま剥製化されている設定。
それで上のような顔になっているんだよね。(笑)
肉体美を褒められ、更に美輪明宏から接吻を受ける役どころ。
自分のためにこのシーンを戯曲に加えるとはね!(笑)

「黒蜥蜴」の他のバージョンでは、黒蜥蜴役を小川眞由美が演じた「美女シリーズ版黒蜥蜴」、サブタイトルは「悪魔のような美女」を観たことがある。
明智小五郎は天知茂なので言うことナスだけど、やっぱり小川眞由美では黒蜥蜴の気高さが表現し切れてないように思った。
本当はできれば明智を天知茂、黒蜥蜴を美輪明宏で映画化して欲しかったなあ!
舞台では共演があったようだけど、残念ながら今となってはもう観ることができないからね。

京マチ子が黒蜥蜴を演じた「ミュージカル版黒蜥蜴(1962年)」が存在するようだけど、こちらは残念ながら未鑑賞。
京マチ子だったらイイ線いってるんじゃないかな?
いつの日か鑑賞したいものである。
岩下志麻が黒蜥蜴を演じたテレビドラマ版もあるらしい。
この時の明智小五郎はなんと伊武雅刀だって!
かなりハチャメチャみたいだから、これも観てみたいね。(笑)

深作欣二監督は翌年の1969年、再び美輪明宏を主演にした「黒薔薇の館」という作品を手がけているようだ。
現在手に入れられるのはVHSビデオのみ。
お値段なんと15000円也!(笑)
こちらもいつの日か鑑賞してみたいね。
またROCKHURRAHにお願いしてみようかな。(笑)