時に忘れられた人々【03】リヴァプール御三家

【最近話題にもならない御三家モーフィング、ROCKHURRAH制作】

ROCKHURRAH WROTE:

今回書こうとしているあまり旬じゃない人はズバリ、リヴァプール御三家の事だ。とは言ってもこれは誰でも「ああ、あの三人ね」と知ってるようなもんでもなく、リヴァプール地方のニュー・ウェイブを多少かじった事があるような人にしか通用しない御三家だと言える。

あの世界一有名なバンドを例に出すまでもなくマージービートなどという言葉があるくらいだから、リヴァプールが世界的に誇れる音楽の産地なのは音楽に疎いおやっさんでも小娘でも、何となく想像は出来るだろう。
この地は70年代以降も良質のポップ・ミュージックを生み出してきた。特に盛んだったのは70年代半ばに登場した大所帯バンド、デフ・スクール以降、俗に言う「リヴァプール・コネクション」とか「リヴァプール・ファミリー・ツリー」と呼ばれた時代・・・ん?わかりにくいかな?単純に言うなら「80年代リヴァプール」の時代だと個人的には思える。

ROCKHURRAH RECORDSのオンライン・ショップでもリヴァプール物は有名無名に関わらず色々扱ってるが、このブログでデフ・スクールやビッグ・イン・ジャパンといったバンドについて説明してると長くなり過ぎて御三家が書けなくなってしまうので残念ながら省略させて頂く。後のパンク、ニュー・ウェイブの時代に活躍した人々が多数在籍していたのが上記2つのバンドで、80年代に大活躍したプロデューサー、クライブ・ランガーやイアン・ブロウディ(キングバード)もこれらの出身。この辺が80年代リヴァプールのルーツとされる。

さて、ようやく御三家だ。その三人とはイアン・マカラック、ピート・ワイリー、ジュリアン・コープの事だ。三人が1977年にクルーシャル・スリーなるバンドを始めてすぐにやめてしまった事は割とどこにでも見てきたように書かれている。が、これは伝説的なバンドでも何でもなく、単に勢いで始めたけど、あまりウマが合わなかったから続かなかった学生バンドみたいなもんだろうと推測出来る。というわけで御三家とは言っても三人は全然別々の活動をしてゆく。

イアン・マカラックはその後のエコー&ザ・バニーメンを率いる英国一のタラコくちびるの持ち主。イアン・マッカロクと表記するのが正しいようで最近はこの呼び方になってるみたいだがROCKHURRAHは80年代通りにマカラックと呼ぶことにする。
この三人が別れても独自の道として選んだのはネオ・サイケと呼ばれるような音楽の範疇になる。
アメリカのサイケデリックとは少しニュアンスも違うんだが、簡単に言えばヴェルベット・アンダーグラウンド、ドアーズあたりから影響を受けた80年代初頭の英国を象徴するような音楽だ。どちらかと言うと暗くて内省的、生真面目な音楽が多い分野だから普通のヒットチャートではあまり受けないタイプの音楽だと言える。
その中でもエコー&ザ・バニーメンは頑張って音楽雑誌の表紙にもよく登場、ネオ・サイケの中ではかなり有名なバンドへと成長してゆく。御三家の中では日本での知名度も最も高い。

彼らの魅力はもちろんバンドとしての完成度の高さ、曲の良さもあったが、やっぱり何と言ってもイアン・マカラックのヴォーカリストとしての声の通りの良さにあったんじゃなかろうか。ものすごく特徴的なわけでもないのに彼の声はどこで聴いてもすぐにわかってしまう。まるで雛鳥みたいなツンツンの頭に古着コート、あるいは迷彩服といったスタイルで唇を除けば少女漫画に出てきそうなか細い少年っぽい風貌のイアンくんなんだが、これがソリッドで力強いエコバニの演奏に乗って歌えば天下無敵というのが80年代初頭のネオ・サイケの代表的なもの。
80年1st「クロコダイルズ」から84年4th「オーシャン・レイン」くらいまでが全盛期だったけど、似たようなもどきバンドが大量に現れ、このくらいからネオ・サイケは質も低下して面白みがないものとなってしまった。先駆者であった彼らも一緒に失速してしまい、ドラマーの事故死などもあり、エコー&ザ・バニーメンはいつの間にか消えてしまったとさ。90年代後半に復活したけどその後はどうなんだろう?ROCKHURRAHもサイケからサイコに変わってしまったので消息はよくわからない。同じような起点から始まったU2とかがより大げさなロック・バンドに変貌して面白くなくなったのと違い、彼らはいつまでも80年代ニュー・ウェイブ、80年代リヴァプールを感じさせていて欲しいもんだ。

ジュリアン・コープはこの三人の中では最年長にも関わらず、自由奔放な変人というイメージが強く、個性という点では際立っていた。彼がクルーシャル・スリーの後、いくつかのバンドを経て始めたのがティアドロップ・エクスプローズだ。
エコー&ザ・バニーメンを正統派とするならこのバンドは既成の枠に入らない変格派とも言えるネオ・サイケを持ち味にしていた。何だかニュー・ウェイブには見えないヒゲオヤジや海兵隊みたいなのがメンバーにいるしトランペットやキーボードが活躍する音楽も曲によって随分印象が違っているし、声はこもっているし、マジメなのかふざけてるのかよくわからん。極端に変というわけじゃなくて総合的にちょっと歪んでいる独特の世界が魅力だった。例えて言うなら80年代のシド・バレットというような役柄なのかね。

ティアドロップ・エクスプローズは素晴らしく良い曲も残してはいるんだがシングルで選んだ曲がよりによってこんな単調な曲か、という不可解な傾向もあり、日本での知名度はイマイチ、ジュリアン・コープの個性が完全に活かし切れてない部分も目立つバンドだった。
そんな彼が84年あたりからはソロ活動となり、本当にやりたい事を自由気儘にやった世界が素晴らしい。前述のイアン・マカラックよりもさらに80年代少女漫画に出てきそうなルックスは申し分なかったんだが、そういうカッコいい部分を敢えて売り物にせずに作った2ndアルバム「Fried」では、何と裸に亀の甲羅を背負った奇妙なジャケット。ジュリアン・コープの奇妙な個性を最も端的に表した写真かも知れない。

しかしこの亀人間の後に聖なるロックスターに鮮やかに転身して、ファンとしてはそっちの方が仰天したもんだ。亀でもロックスターになれるのか?この後のコープの活動はあまりよく知らないんだが、なぜか古墳の研究をしたり日本のロックについての本を書いたり、やっぱり興味の方向性もちょっと変。

ピート・ワイリーはジュリアン・コープの変な部分とは少し違っているが、これもやはり変人の部類に入るのは間違いない。
コープ同様にいくつかのバンドを経てたどり着いたのがWah!というバンドなんだが、Wah! Heat、 Shambeko Say Wah!、 J.F.Wah! 、Mighty Wah! などとレコード出すたびに出世魚並みに名前を変えてゆく。そしてネオ・サイケからブラック・ミュージック、果てはアフリカン指向というあまり結びつかない音楽へ傾倒していったり、初期と後期ではまるで違う事をやっている。
何やらよくわからないのだが、強い熱いメッセージがあるのは確かなようで三人の中では最も理解するのが厄介な人だ。
音楽が難解というわけではないんだがどこを弾いてるのかよくわからない抽象的とも言えるギター・プレイも少し不可解で、三人の中では日本での知名度も一番低いというのもうなずける。少しロッカー風な見た目でマカラックやコープのように女性ファンがつきそうな部分はあまりないね。

初期はカッコいい曲よりも地味な曲が目立っていたが82年くらいからいわゆるバラード的な大作名曲指向になって一気にヒットチャートを賑わせる・・・というわけでもなく、やはり不人気のまんま(日本での話)だった。名曲を作る才能は素晴らしく、ひいき目に見ればスタイル・カウンシルあたりの線で受けたかも知れないのに、やはり妙な改名マニア、ややわかりにくいメッセージゆえか。

数多くのバンドが過去の栄光よ再び、というような再結成をしている。この三人が過去のいきさつは水に流して手を取り合い、世に出る事がなかった幻のバンド、クルーシャル・スリーとして再結成してくれれば・・・うーん、今でもまだ追いかけて熱狂してくれるファンもいるのかな?

これらの文章とは全然関係ないがとりあえずROCKHURRAH一味はゴールデン・ウィークの楽しみ、REZILLOS初来日公演(ROBINが共演)に行ってきます。詳しいレポートはまたSNAKEPIPEが書いてくれるだろう。
ではまたsee you next week!

ROBIN LIVE DVD 先行発売LIVE参戦!

【お馴染みライブ告知看板と入手したDVDとオマケのシート】

SNAKEPIPE WROTE:

昨年12月26日「ROBIN 4THアルバム発売記念ワンマンライブ」の時に告知されていたROBINのDVD発売記念ライブに行ってきた。
場所は渋谷CLUB CRAWL

今回は残念ながら(?)ワンマンではなく、他に3つバンドが出るとのこと。
そしてDVDの販売はライブ会場での物販かネット通販のみ、との情報を知る。
更に今回の会場で先着50名にオリジナルカッティングシートのオマケがあるらしい。
DVDは必ず手に入れたい!と思っているSNAKEPIPEなので、これは是非ともオマケ付きがいいなー!

久しぶりに会った友人達との会合もそこそこに
「オマケのために先に行ってるから!」
と早々に会場入りしたROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
OPEN18時、に合わせて行ったのに予定変更で30分程度待たされてしまう。
がっ、待ってる間に収穫あり。
「ファンです!」
と話しかけたROCKHURRAHのおかげでROBINのベース・YASU氏に握手してもらった!
以前のHELL-RACERの時もROCKHURRAHが写真のお願いをしてくれて記念撮影が実現したし、なかなかやってくれるなROCKHURRAH!(笑)
カメラマンのSHIGEO JONES氏も何度も行ったり来たりしてて、知り合いの人とロメロ監督の話をしてるのが聞こえた。
ホラー好きのROCKHURRAHが「俺も話に参加したい!」と言ってたのもうなずける。

そんな感じで30分の待ち時間は観察してるうちに終わり、やっと開場。
1番でDVDをGET!
オマケも手に入れることに成功!(笑)
待ってた甲斐があったね!

30分程度遅れてライブがスタート。
最初はHAT TRICKERS
メンバーだと情報を得ていたHELL-RACERのギター・CHIYO-Xが会場をウロウロしてる。
あれ、ライブに出ないのかな?
などと思っているうちにスタート。
なんとなくバンドメンバーの人数が少なくなっているような?
お客さんの入りもまだ半分以下という状態だったし、大抵の場合がそうだけどトップは難しいことが多いよね。
会場全体がまだ全然盛り上がってないし。
特に今回のHAT TRICKERSは一度もスポットライトを浴びることがなく、薄暗い赤い光にモクモクとスモークを焚く演出だったため、余計にノリにくかった。
トーンが一定になっちゃうというのかな。
ほとんど盛り上がることがなく終了。
ちょっと残念だった感じ。

2番目、LINK13。
以前はLINK13企画のライブに年に4、5度は必ず参加していたので、毎回トリを飾るLINK13を観ていたけれど、企画が終わってしまってから2年以上が経過しているため久しぶりのLINK13である。
そして千葉ルック以外の場所でLINK13を観た記憶がないため、なんだかとても新鮮に感じてしまう。
おや、登場の曲がお馴染みのROLLING STONES「悪魔を憐れむ歌」から「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」になってる。
前にもこんなことあったかな?
身長の高いベース・TEZUKA氏とギター・MITOME氏は後方からでもバッチリ確認ができる存在感。
LINK13はいつもよりも更に音のキレが良かった。
全くMCはなく曲から曲へと連続していくうちに、観客もノッてきた。
さすがだね、LINK13!
そして3曲目の後にお決まりの「後ろ向きでのTEZUKA氏へアセット」も観られて大満足。(笑)
今回のLINK13ものすごく良かった!

3番目、名古屋のバンドNEW DAWN
初めて観るバンド。
見かけがスキンヘッド集団でOi!のようだけど、音は全く違っていた。
日本語を重視したメロディアスなヘヴィメタル、とでも言おうか。
わざと逆らって長髪やめて坊主にしたような印象。
今回のセレクトはどういう基準だったのかよく分からないけれど、かなり浮いてたように思った。

そしてROBIN。
もちろんお目当てはROBINだったので、ステージ近くに移動。
バッチリ観られる良い位置を確保し安心、安心。(笑)
いよいよROBIN登場。
登場の曲が以前の曲に戻ってて良かった。(去年12月には違う曲だった)
最初の曲が「My Way」とはびっくり!
通常ならアンコールでやる曲だよ!
そして新旧織り交ぜての曲展開。
相変わらずのパンチ合戦、ものすごい盛り上がり!
前のほうで観て(聴いて)いたせいかもしれないけど、YASUのウッドベースがよく聴こえてとても迫力があった。
後で確認してみると今回の曲はほとんど発売されたDVDに収録されているもので、「発売記念」ということを意識してセレクトしてあるようだった。
そしてラストの曲は「Never Mind」。
ワンマンじゃないため、ちょっと物足りなさを感じながらも「腹八分目」ってことで納得。(笑)

やっぱりROBINのライブは汗だくになっちゃうね!(笑)
強い風の中、急に重たくなった足や冷えていく汗を感じながら渋谷に向かうROCKHURRAHとSNAKPIPE。
春はもう少し先だね!

【追記&訂正 3/23】
ROBINのライブ1曲目が「My Way」と書いてしまったけれど、「BATTLE GOES TO BLACKOUT」だったことが判明。(ROBINのHPで確認)
そうだった…。間違っていたので訂正の追記です。

潜入!モッズ集会緊急レポ!

【お馴染みのライブ会場入り口の告知】

SNAKEPIPE WROTE:

バンドをやってる友人がいる。
今までに何度も今度ライブ行くよ、と言ってきたのに口約束だけ。
実際に足を運んだことがなかった。
ジャンルがいつも行くようなパンク系やサイコ系ではなくモッズ系のため余計にライブ行きを見送っていたのかもしれない。

先日その友人からメールが届いた。
十数曲のMP3が添付されていて、それぞれの曲についての正直な感想を聞かせて欲しいとのこと。
全然ジャンルが違うSNAKEPIPEが感想言っていいのかな、と思いながらも抜き打ちテストのようなハプニングを楽しんだ。
メールにはMP3以外に曲名もバンド名も付与されていなくて、全く何の情報もない。
友人のバンドの曲も入っているらしいが、何曲目なのかも分からない。
思うままに感想を言ってしまって、友人のバンドをけなしてしまうかもしれない。
非常にスリリングな体験になりそうだ。
この年になっても本音と建前の使い方をよく知らないSNAKEPIPEは、詳しい内容は割愛するが素直に感想を書き連ねメールを返信。
友人からは非常に感謝され、実はそれらのMP3の曲はモッズのコンピレーションアルバムに入る曲だったこと、今度レコ発ライブがあるので招待したいとの返事をもらった。
なんと!初めてのモッズ集会!モッズ・ライブ参加決定!(笑)
パンクやサイコなら分かってるけれど、モッズのライブの予想ができない。
モッシュなら知ってるし、モップスも分かるんだけど。(苦しい)
何を着て行こうか悩んでしまう。
そもそもモッズ(男)の服装はなんとなく知ってるけれど、モッズ(女)について知らないし。
友人に相談してみるといつも通りのパンクの服装でいいんじゃない?とのこと。
そうね、ジャンルに合わせることもないか。
と思いつつ、ちょっとモッズに変身してみたかったなとも思う。

そしてついにライブ当日である。新宿JAMって初めてかも?
東新宿駅が一番近い、と調べ新宿から歩くこと約20分。
今までほとんど歩いたことがない地域。
しかもガランとしてて寒い!
開場時間前には新宿JAMに到着して、いつも通りに看板を撮影。
おや?貼り紙がされている。
なんとリハーサルが遅れているため開場時間も遅くなるとのこと。
仕方なく近くでお茶を飲んで待つことに。
1時間程歓談した後ドキドキしながら再びJAMへ。
今度は入れた。良かった!(笑)

まだ演奏は開始されていなくてDJタイムだったため、照明は明るいまま。
ROCKHURRAHとSNAKEPIPEは二人共鋲ジャンに革パンという、まるで
「モッズの集会に殴りこみに来たロッカーズ」
のよう。
非常に冷たい視線を浴びてしまった。(笑)
演奏開始になる前にお決まりの観客チェック!
男性はモッズコートじゃこの時期寒いせいかスーツの上にモッズコート(M51)じゃなくてN3、ポークパイのような服装。
もしくはGS系の古着ファッション。
女性はほぼ8割が古着ワンピース(もしくは古着風の)で60年代の雰囲気。
パンク・サイコ系ライブの観客に比べるとかなり地味。
すごいお洒落だな、と思える人は残念ながらいなかった。
革ジャン率は5%くらい、鋲ジャンは皆無。(当たり前か)
ロンドンナイトのDJやってる稲葉さんも来てるな。
前に挨拶したことあるけど、覚えてないだろうな。(笑)
観察してるうちに時間通り19時に演奏が開始された。

Little Soul Drip
The Mammals
SNATCH’
pamplemousse
THE HAMMONDO CONNECTION
THE FAVE RAVES
the hair

上記の7つのバンドが出演したけれど、全て初めて観るので名前が分からないため、出演順に感想を書き連ねてみたいと思う。(上の順番でいいのかもしれない)

1番目に出たバンド。
ネオGS系。
初期のストライクスを思わせるビートルズ風のスーツ。
一名だけ服装が違うのが気になる。
SNAKEPIPEも知ってる曲「 ウォーキング・ザ・ドッグ」を演奏。
うーん、やっぱりダイナマイツのカヴァーにはかなわないなあ。(笑)
演奏がもっと上手くなってキレが良くなれば割と好きかも。
               
バンド交替のDJタイムにスルスルと滑るように踊り狂ってる観客を発見。
あのダンスに名前を付けるならば「ムーンウォークダンス」とでも言おうか。(笑)
本人はノリノリで「見て!見て!」と言わんばかりに披露していたけれど、他ではあまり見かけたことがないダンス。
観たことがあるとすれば「薔薇の葬列」の中に似たダンスがあったかも。(笑)
そのうちにムーンウォークダンスが波及していき、第2、第3のムーンウォーカーが出現してきた!
あの踊りってモッズでは当たり前なの?
変わった見世物だったな。

2番目、The Mammals
これは前に聴いた時にライブが良さそうなバンドだなと感想を持っていた通り、かなり迫力がある。
ヴォーカルの声量がすごいが、ルックスがちょっと不気味。
しかも時々意味もなく笑ったりするので怖い。
ギターの人はパンクに転向したほうが良さそうなポールシムノンばりのスタイル。
SNAKEPIPEの好みとしては、もっと70年代ロック色を打ち出してハードでワイルド、パワフルの3拍子を打ち出したほうがファン(特に男性の)が増えそうな気がする。

3番目はインストバンド。
この手のジャンルに関しては全く無知のSNAKEPIPE。
ある程度演奏が上手いのは当たり前だし、どの曲を聴いてもどこかで聴いたように思えてしまう。
特にこれといった特徴もなく、BGMとして聴き流してしまった。

4番目は女性ギター/ヴォーカルと女性ベースのバンド。
フレンチポップスみたいなのに、最初の3曲全ての最後がクラッシュの「トミー・ガン」のイントロそっくりで終わる。
そのことに気付いてROCKHURRAHと笑っていたら
「おかしいですよね!おかしいですよね!」
と全然知らない観客の一人も笑いながら話しかけてきた。
「なんでトミーガンなんだろうね?」
「そうそう、おかしー!」
と知らない人と盛り上がってしまった。(笑)
最後の曲だけがまるでエゴラッピンみたいで、他の曲に関してはトミーガンのバンド、としての印象しか残らなかった。

5番目。
またもや全員スーツでメガネ、という1番目に出たバンドと同じようなスタイル。
人気があるバンドだったみたいだけど、SNAKEPIPEには何がやりたいのかよく分からなかった。
スタイル・カウンシルのカヴァーをやってたらしいけど、ROCKHURRAHに言われるまで気付かなかった。
いや、そう言われても分からなかったSNAKPIPE。
原曲は知ってるはずなのにね!            

6番目、オヤジバンド。
現代のキングトーンズか、と思うような高音のヴォーカルはすごい声量の持ち主。
R&B要素が強いこの手のバンドは演奏もヴォーカルも上手くて当然だと思うので、あえて特徴的とは言えない気がする。
もしこのバンドが「イカ天」に出たとしたら、恐らく審査員の伊藤銀次あたりから
「完成度高いけど、まとまり過ぎてて面白くない」
って言われるだろうな、って感じ。(古い!)
ちょっと暑苦しく、しつこい雰囲気なのでSNAKEPIPEは「一度でお腹いっぱい」と思ってしまった。

ラスト、the hair登場。
スタートはすでに23時を超えていて、ちょっと電車の時間が気になりだした。
初めて観るので、ヴォーカルが女性なのも知らなかった。
正統派モッズ、というのかな。
ソフトな曲からR&B要素が入った曲、いかにもモッズという曲があり、さすがにキャリアの長さを感じさせる貫禄の演奏。
ギター・あいさとうさん、すごい上手い!
ヴォーカルがまるでジッタリン・ジンみたいにどんな時でも無表情なのが気になる。
いや、彼女に笑顔は似合わないかな?
あいさとうさんのボソッと呟くようなMCがもっと聞きたかったな。
6番目のバンドあたりから気になってたんだけど、ヴォーカルの音が割れて聴き辛くなっていたような。
PAがいまいち?
そのためthe hairの時も同じように音が割れていたのが非常に残念だった。

今回のモッズ集会の感想をまとめてみようかな。
モッズ、と聞いて思い浮かべるのはThe WhoThe Jamだけど(というよりそれしか知らないかも)、その2つのバンドのルーツとなるような黒っぽい音楽を踏襲したバンドが多かったかな。
もっと進化させたり、ミクスチャ要素が入ってくると面白くなりそうだけどね?
温故知新という言葉にあるように古いものを求めるのもアリだけど、新しきを知るところには来てない気がして少し残念。
音楽も服装もネオじゃなくてオリジナルのカヴァーなんだね。
現代に持ってくるならば、プラスアルファのスパイスが欲しい。
そんなに詳しくないSNAKEPIPEが言うのは失礼かもしれないけどね!

最後に、友人F君、ご招待&ゴチありがとう!
しかも奥様のAさんからもゴチしてもらっちゃって!サンキューです!
この場を借りてお礼を言わせてもらうね。
また今度ゆっくり話したいね!

HELL-RACERミニアルバム到着

【超山田堂から届いたCDと手作り封筒。関連フライヤーまでありがとう!】

SNAKEPIPE WROTE:

今年も例年通り、またもや福岡物産展にて数々の名産品を手に入れ舌鼓を打ち、知り合いの写真展を観に新宿に行く、という恒例になりつつある行事を無事に済ませた今週。何故だかとても不思議なんだけど、物産展と写真展が全く同じ時期に被るんだよね。
もしかしてセット?(笑)
相変わらずおいしかった「かしわめし」や「ふくやの明太子」、焼きたての「梅ヶ枝餅」。
千葉県にいながら旅行気分を味わってしまった。
チープだけどお得感満点!
写真展はこれまた相変わらず精力的に活動されてるのがよく判る2会場を使っての展示。
それぞれを違うテーマで構成。
なかなかテーマを2つにしての写真展なんてできないよね。
さすがに燃えてますな!(笑)

そして今週は待ちかねていたCDが到着!
HELL-RACERの手作りCDRである。
以前FUK来日公演の際に一緒に出演していたHELL-RACERと記念撮影させてもらい、その写真を家宝にしている話を書いた。
あの時にエディ氏に話かけたのはCD売ってないんですか?であった。
これから出るのでよろしく、の言葉をもらい楽しみに待っていた。
ライブ後はHELL-RACERのHPチェックをおこたらなかったのだが、すでに気付いた時は完売御礼、とのこと。
初売りがThe Spanish Barrow’in Guitarレコ発にエディ氏がギターで参加した11月の新宿ロフトだったようなので、あまりに遅過ぎ。
しかもメンバーが自宅で手作りしてる、という本当のインディーズらしい。
うーん、残念。
フルアルバムももちろん楽しみだけど、手作りCDも興味あったなあ!としょげていた。
ではフルアルバムは一体いつ発売なんだろう、とまたHPを開いたのが2月上旬のこと。
なんとそこには手作りCDを追加生産したこと、通販で現在も手にいれることが可能、の情報が載っていたのである。
こ、これは!
エディ氏がいる、原宿にあるアトラクションで直接購入する方法もあるが、特に原宿に用事もない。
通販での購入を決める。
委託先として載っていたのは国分寺にある超山田堂というお店。
HPを見るとなんとも不思議なサイケな色彩のサイト。
CD以外に古着なども扱ってる実店舗のようだ。
実は今まで国分寺には一度も行ったことないんだよね!
新宿より西は吉祥寺までかもしれない。(笑)
超山田堂のサイトでは通販に関してまずは在庫を問い合わせて欲しい、と書いてあったのでメールを出してみた。
翌日ちゃんと返事が来たのだが、差出人が「やまだちゃん」となっていて笑ってしまう。
ま、「超山田堂」だから山田さんがやってて不思議じゃないんだけど。
自ら「やまだちゃん」と名乗る(恐らく)店主は只者じゃないよ!(笑)

在庫は無事にあるようなので、早速注文。
到着を楽しみに待つこと約5日間。
届いた封筒はなんと手作り!
「手作り封筒にて失礼いたします」
なんて走り書きまでされている。
中はダンボールをあてた梱包がされていて、
「今回はどうもありがとうございます。また今後ともよろしくお願いします」
という手書きメッセージまで入っていた。
これはエディ氏の手書きなのか「やまだちゃん」からのものなのか?(笑)
HELL-RACERのCDも手作りとは思えないほどキレイに仕上がっていて、あまりの上手さにビックリ。
みんな手作り派なんだな、と感心。

ROCKHURRAH RECORDSも手作り推進派で、オリジナルブランドを作ったりしてるけれど、封筒まで手作りの「超山田堂」には恐れ入った。
通販というとパソコンや携帯に入力して、印刷もすべてプリンターでされているため、相手先に人がいることを忘れてしまいがち。
以前「手作りについて」書いた時にもそのことに触れたことがあるが、これは好みの問題で「誰かが触ったと思うと気持ち悪い」と感じる人もいると思う。
今回の「超山田堂」から届いた荷物には「先にやまだちゃんがいる」というのが分かって、SNAKEPIPEはとても好感を持った。
同じ通販をやっている端くれとして、大変勉強になった。
勝手に記事にさせてもらってごめんなさいね、超山田堂様!

はいはい、そしてなんといっても一番重要なのはHELL-RACERのCDの中身!
今回は5曲入りのミニアルバム!
HELL-RACERというとインストの印象が強かったけれど、今回は4曲にヴォーカルが入っていてノリがグンバツ!(笑)
イイッ!HELL-RACER、イイッ!サイコー!
一人踊り狂ってしまったSNAKEPIPEである。
ほとんどがライブで聴いた記憶がある曲で、こうして音源が手に入ったのは嬉しい限り!
ガレージ、サーフ、ホットロッド、パンク要素が入り混じったとってもゴキゲンなチューン!(古いか)
フルアルバムも楽しみ!
ありがとう、やまだちゃん!
ありがとう、HELL-RACER!

いつか国分寺の「超山田堂」に遊びに行きたいな!(笑)