CULT映画ア・ラ・カルト!【01】邦画編

【「盲獣」での緑魔子写真展作品より。アングラ最高!(笑)】

SNAKEPIPE WROTE:

以前の記事で、週に2、3本の映画を観ていると書いたことがあるが、それはいつの間にか習慣になってしまった。
「不況の影響のため自宅でDVD鑑賞する家庭が増えている」なんて記事を読んだので、世の中全体の傾向なのかもしれない。
毎週観たことがない好みの映画を見つけるのは意外と大変な作業である。
好みの、という部分がポイントだからだ。
二人が着手してこなかったのが日本映画、その中でもB級モノはほとんど知らない。
面白そうな映画はないかと調べ、入手してくれるROCKHURRAHの苦労のお陰で、なんとかその難題もクリア。(笑)
日本映画にもカルトと呼べるような作品があるのね!
そこで今回はシリーズ1回目として3本の作品について書いてみたい。(シリーズ化するのか?)

地獄最初は中川信夫監督1960年の作品「地獄」。
主演は我が家のアイドル天知茂
天知茂の学生服姿にびっくり!若いっ!(笑)
知らなかった、天知茂ってSNAKEPIPEと同じ誕生日!
やったー!うれしい!(笑)
調べてみたら当時28歳くらいか。
ちょっと学生役には無理がある?
あの「苦みばしったダンディーさん」とは違う雰囲気の役どころ。
共演者に三ツ矢歌子と来れば、これは「美女シリーズ」の元祖か、と期待してしまう。
がっ!内容は想像していたのとは大きく違っていた。

前半は何故地獄に行くことになってしまったのか、が延々と語られる。
この部分が非常に長い。
交通事故で死んだヤクザの身内の話。
天知茂をしつこく付け狙う死んだ友人の描写。
恋人だった三ツ矢歌子の気が違ってしまった両親のくどくどしさ。
あまり意味がない異常なまでに長い宴会シーン。
関わり合った人々は不慮の事故、他殺もしくは自殺などで全員が亡くなってしまう。
「これでもか」という程嫌な雰囲気が続き、現世こそが地獄のようである。
それにしてもあまりにも単調で二人共映画途中で眠くなってしまった。

そしてついにお待ちかね(?)の地獄行き。
生前に犯した罪によって様々な責め苦を与えられる。
「地獄」という言葉から容易に連想できる三途の川、閻魔大王などが登場。
前半で語られた話に登場した人々全員に地獄で再会。
恋人だった三ツ矢歌子もいる!
ところが後半はもうストーリーがメチャクチャ。
ラストも意味不明で観ているこっちが地獄の責め苦を味わったような気分。(笑)

天使の恍惚続いては若松孝二監督の1972年の作品「天使の恍惚」。
若松孝二というと「ピンク映画の監督」というイメージを持っていたし、タイトルからも「そっち系」かと思いきや内容は全然違っていた。
日本で革命を計画している過激派テロリストの話だったのである。

米軍基地から武器を略奪するところから話は始まる。
ところが米兵に見つかり、仲間が射殺されたり、リーダーが失明したりと大失態。
このあたりから仲間を季節、月、曜日などのコードネームで呼び合ってることに気付く。
「10月はもうダメだ。ここから先は冬が動く」
「水曜日、大丈夫か?」
などと言われても意味不明。(笑)
なーんかこれって「ワンピース」の中に出てきた「バロック・ワークス」みたい。

冒頭や途中で入るのがクラブでの歌。
後から知ったけれど、歌っていたのは「新宿泥棒日記」でヒロインを演じた横山リエ
あるようなないようなよく分からないメロディに字余りの歌詞。
「ここは静かな最前線」
などとこれまた革命に関する内容を無表情で淡々と歌い続けるシーンが長い!
横山リエ演じる「金曜日」は、仲間を裏切らず決して口を割らない強固な信念を持ち、最後には国会議事堂に突っ込む幻想をしながら自爆する。
女だてらにすごいテロリストだ!

調べてみると監督の若松孝二という人は「警官を殺す映画を作ってやる」という動機から映画監督になったという筋金入りの反体制派らしい。
この映画の中でも警察に爆弾を投げ込む、という無差別テロを決行してたな。
映画で復讐、というわけか。(笑)
監督の経歴を読んでいたら「プロデューサーを殴り倒し解雇」なんていうのもあって、かなり過激な人なんだな、とニンマリしてしまった。

映画自体は時代背景を知らないとストーリーが解り辛いし、特別映像美に優れているというわけでもない。
ただその時代を真剣に生きた若者群像、文化、風俗のような雰囲気はよく出ていて興味深い。
カルトな映画というわけではないけれど、横山リエの歌と存在感はなかなかB級度高いね。(笑)

盲獣ラストを飾るのは「盲獣」、増村保造監督1969年の作品である。
原作はご存知我等が江戸川乱歩!(笑)
いつの頃からか乱歩原作の作品を映画化するのがブームになり、一応念のため鑑賞はするものの「やっぱり思った通りイマイチだった」と感想を持つことが多かった。
ところがっ!
増村監督の「盲獣」は違っていた。

盲獣役が若かりし船越英二!
えっ、あの温和な校長先生役などで有名なのに盲獣って。(笑)
そして盲獣に狙われるモデル役に緑魔子
名前だけは知ってても実際に演じてるところを観るのはこの映画が初めて。
そして盲獣の母親役として千石規子
なんとこの映画の中の登場人物は上に書いた3人のみ。
まるで舞台みたいだね!

なんといっても素晴らしいのは美術。
映画冒頭で緑魔子をモデルにしたヌード写真展が開催されている様子が出てくるのだが、この写真がいい!
いかにも60年代後半というアングラでアンニュイなエロティシズムにあふれた作品群。
このポスターがあったら欲しいくらいである。
そして盲獣のアトリエ。
乱歩の原作をそのまま忠実に再現したかのような出来に、ROCKHURRAHと共に「すごい!」と声をあげてしまった。
69年の作品でここまでやってくれるとは!(笑)
触感芸術、なる「触ることで感じる芸術」を提唱する盲獣のアトリエは、今まで触ったことがある女性の様々なパーツから構成されている。
大小の目、耳、手、足、などパーツの群生が所狭しと並ぶ。
いやあ、よく作ったよねえ。(笑)

原作をなぞった部分もあるかと思えば、原作には全くなかった設定が母親の存在である。
上述したように母親役として千石規子がキャスティングされていて、盲目の息子を産んでしまった罪悪感から息子の言うことは何でもきく。
モデル緑魔子誘拐や監禁生活を手伝ったりする。
割烹着姿の千石規子はいかにも「おっかさん」で現実的な感じだ。
この「現実」であった母親が不在になることで、映画は非現実的な方向に向かってしまうのだ。

ネタバレになるから詳細は割愛するけれど、船越英二と緑魔子の「二人だけの世界」には限界が訪れる。
やっぱり人は同じことを続けていると飽きるのね。
進化なのか退化になるのか分からないけれど、二人はエスカレートし過ぎてしまった。
そして衝撃のラストになるのだけれど、SNAKEPIPEは痛いのダメなので途中から映画を放棄!(笑)
ここまでいったらこうなるだろう、という予想通りの結末に落ち着いていた。
うーん、もっと二人でいい道探して欲しかったなあ。

上述したように設定にない母親がいたり、原作とは違った方向に話が飛んでいたりしたけれど、映画としての見ごたえは充分!
そしてとてもチャーミングな緑魔子の魅力がいっぱい。
機会があったら是非どうぞ、とお薦めしたい一本である。

今回紹介した3本のうち本当にカルトといえるのは「盲獣」だけで、残りの2本は「変わった映画」という感じか。(笑)
まだまだこれからもB級映画を探して観ていきたいと思う。
面白そうなのがあったらまた紹介しましょ!

好き好きアーツ!#07 横尾忠則

【ROCKHURRAH RECORDSのポスターを横尾忠則風に制作。なんか中途半端。(笑)】

SNAKEPIPE WROTE:

今回は好き好きアーツの7回目として、画家横尾忠則氏について書いてみたいと思う。
画家、と言ってみたけれど元々はグラフィックデザイナーであり俳優業や著作も数多くマルチな活躍をしている横尾氏。
何回か回数に分けて書かないと横尾忠則の全貌については語り尽くせないので、SNAKEPIPEの気になったことを書いていきたいと思う。

恐らくSNAKEPIPEが一番初めに横尾作品を目にしたのはTVドラマ「ムー」のタイトルバックであろう。
子供だったので、当時はそれが横尾作品とは知らずに観てたけど。(笑)
今では「You Tube」でも観られるので、改めて鑑賞してみた。
ものすごく斬新!
続編の「ムー一族」のタイトルも横尾氏によるもので、これも面白い。
70年代は実験的なことをやってたんだなと感心してしまう。
続いては横尾忠則の出発点であるポスターについて書いてみようか。

ポスター制作をしていたのは60年代後半から70年代にかけての、いわゆるアングラ文化、今だとカウンターカルチャーというジャンルになるのかな。
映画、写真、演劇の告知ポスターが有名である。
残念ながらリアルタイムで観ていたわけではないため、氏の展覧会で鑑賞しポストカードになった物を入手した次第である。
一目見ただけで氏の作品と判る特徴的な色づかいや構成に影響を受けた人も多いだろう。
題材となっている写真、映画、演劇もかなり特徴があるので、相乗効果で更に迫力がある。
時代、と言ってしまえば簡単だけど、当時を知らないSNAKEPIPEから見ると、まさに激動の時、これから何か始まるぞ、というザワザワしたエネルギーを感じる時代だったのではないかと想像する。
経験していない者にとっては憧れの時代なのである。
その時代に18歳くらいで新宿近辺をうろついてみたかった!
それじゃただのフーテンか。(笑)

その時代、1969年に横尾氏主演の映画、「新宿泥棒日記」が公開されている。
監督は大島渚
唐十朗もゲスト出演していて、まさに横尾氏のポスター通りである。
新宿紀伊國屋で本を万引きして、店員に咎められるところから始まる映画で、横尾が岡ノ上鳥男というふざけた名前で登場。
映画の内容はあまりよく覚えてないけれど、途中から劇中劇のような展開でハチャメチャだったように記憶している。
その辺りも時代っぽい感じなのかな。

横尾氏は著作の中で三島由紀夫氏、ビートルズからの影響について語っているが、その結果がインドへの興味になったようだ。
著作の中で横尾氏は
「君はもうインドに行ってもいいようだ」
と三島由紀夫氏に言われたと書いていたが、それはインドという大きな存在を受け止める精神力に合格点が出た、という解釈でイイのかな。
横尾氏の「なんでも受け入れる」ような姿勢はインドからの影響なのかもしれない。
あっちの世界と交信ができる、UFOを呼ぶことができる、など聞く人によっては笑うか疑うような話をたくさん書いている横尾氏だからね。

夢の中での話も非常に多く、絵画の題材を夢から取ることもあるようだ。
横尾氏は「夢日記」を書いていて、かなり赤裸々に綴られた内容に読み手が赤面してしまうこともある。
以前何かのインタビューで「何故だか何日も連続で夢の中に滝が出てきたから、滝シリーズを描いた」と語っていた横尾氏。
横尾氏にとって夢は啓示や暗示と考え、非常に重要な要素として捉えているようだ。
ん?これって敬愛する映画監督デヴィッド・リンチと一緒じゃん!(笑)
そういえばリンチも横尾氏も少年時代に好きだったものをずっと思い続けてるし。
書いているうちに共通点を発見するとは!
今頃気付くSNAKEPIPEが鈍いのか?(笑)
リンチは還暦過ぎても「気分はまだ19才のまま」と語っているけれど、恐らく横尾氏も同じような心境ではないだろうか。

リンチと横尾氏、ということで大きく違っているのは結婚観か。
横尾氏は仕事の関係で知り合い、会って3日目にはプロポーズ!
仲睦まじい様子はHPで確認することができるように、「一人の女性をずっと愛し続けていく」タイプである。
3日目に結婚を決意できるほど「この女性しかいない」と確信が持てた、直感に優れている、ということになるのか。
一方リンチはと言うと3回の結婚と離婚を経験、お付き合いしていた有名人にイザベラ・ロッセリーニがいたり、現在の恋人と噂されているのはナスターシャ・キンスキーとのことでこの手の話題に尽きないほどのプレイボーイぶり。(笑)
この点に関しては全く二人のタイプは違ってるんだね。
ってまるでワイドショーみたいだからこのくらいでやめるか。(笑)

かつては「横尾」という文字があると書籍でも雑誌でも画集でも、なんでも手に入れないと気が済まないほどに熱中し、展覧会にも足を運んでいたSNAKEPIPEだったけれど、横尾氏の露出度が高過ぎてだんだん追いつかなくなってしまった。
SNAEKPIPEが最後に観たのは2002年の「横尾忠則 森羅万象」展での「Y字路」シリーズまで。
そのため最近の活動については詳しくない。
確か去年だったか手にした雑誌がまたもや「横尾忠則特集」をやっていて、今までの作品の紹介に加えて現在描いているテーマについても載っているのを見かけた。
現在は「温泉」をテーマにしているそうで。
久しぶりにHPを観たら金沢21世紀美術館で公開制作が開催されていた模様。
いや~、金沢じゃ簡単に行かれないよね。(笑)
また近場で展覧会が開催されたら行きたいと思う。

さて、今週のリクエストは

【ベストヒットUSAのオープニングを好きなアルバムで制作してみた(笑)】

SNAKEPIPE WROTE:

この人が親戚だったらうれしいな、と勝手に想像する有名人の一人に小林克也氏がいる。 スネークマンショー以来ファンであり、 「小林克也のおしゃべりアメリ缶」 まで買ったほどである。(笑) 知らない方のために簡単にアメリ缶の補足をすると、克也氏がラップで英会話を教えてくれるCDで、本当に缶詰で通信販売されていた代物。 ラップのリズムで覚えていく、というとても楽しいものであった。(ちなみに今でも所持している) あの完璧なネイティブ・イングリッシュを独学でマスターした、と知った時には腰を抜かしたほどである。 映画「逆噴射家族」も試写会で鑑賞。 これ、なんとSNAKEPIPE家族で観に行ってるんだよね。(笑) この時の演技も良かった! もう一度観たい映画である。 多方面で活躍している克也氏だけど、代表する番組といえば、ご存知「ベストヒットUSA」である。

SNAKEPIPEの年少時代に一番観ていた音楽番組「ベストヒットUSA」。 ゲストと通訳なしでやりとりする克也氏の姿を拝見して、なぜだか誇らしく感じたのはSNAKEPIPEだけではないだろう。 当時は外タレに司会者本人がインタビューする、なんてことはほとんどなかった。 しかも克也氏は音楽に詳しいし、ジョークをまじえるような海外の番組の司会者みたいで本当にカッコ良かった。 どういう経緯なのかは不明だけれど、番組は1989年に一度終了した模様。

そして2003年に復活した「ベストヒットUSA」。 前と同じタイトル曲、司会の小林克也氏! それだけでも克也氏ファンとしては顔がほころんでしまう。 以前とは違って、今回の「ベストヒット」は深夜の番組なので毎回録画して 何回かをまとめて観ることにしている。 最新のチャートにはあまり興味がなくて、楽しみにしているのはタイムマシーンのコーナーと最後のリクエストだけ。 タイムシーンも最近では一曲しかやらないことが多く、しかもあまり興味のあるアーティストではない。 リクエストもハズレがほとんどで喜ばしい曲がかかることは非常に少ない。 ではSNAKEPIPEなら何をリクエストするだろう?

やっぱりという感じで思い付くのはニューウェイブだ。 当時のSNAKEPIPEにとってのアイドルはイギリスの音楽シーンを賑わせていたアーティスト達だったからだ。 世界はイギリスを中心に回ってる、と考えていたほど。(笑) 録画予約し忘れていたこともあるため、もしかしたら以前にリクエストされたこともあるかもしれないけれど、SNAKEPIPEが選ぶなら次の3曲になるかな。

最初にHaircut100「Favourite Shirts (Boy Meets Girl)」。 邦題「好き好きシャーツ」(笑)。 ここから「好き好きアーツ」シリーズを考えた話は以前したことがあるよね。 80年代に突如出現したファンカラティーナ旋風。 「お坊ちゃん達が音楽?」と思ってしまう、メンバー全員が同じ白いセーターにサスペンダーという服装でファンク。(笑) ちなみに当時ROCKHURRAHもHaircut100を真似て、似たセーターにサスペンダーだったらしい。(笑) かわいい見た目とは違って音楽性は高く、ノリのイイ名曲だと思う。 SNAKEPIPEも大ファンで、ヴォーカルのニック・ヘイワードの似顔絵を入れたポスターを制作したことがある。 あまり似てなかったけど。(笑)

続いて、これまた似顔絵を描いたヴォーカル、クレアちゃんがいたAltered Images「Happy Birthday」。 クレアちゃん、かわいかったなあ~! 当時クレアちゃんを真似た女の子がイギリスにいっぱいいた、なんて記事を読んだことがあるけれど、大いに納得! 80年代らしく、前髪は長めで「うなじ」は刈り上げのヘアスタイル。 SNAKEPIPEも似た髪形だったなあ。(笑) この曲、ロンドンナイトCDにも収録されて、再び聴けて嬉しかった! 今観てもやっぱりクレアちゃんかわいい。 やっぱり今でもアイドルだね!

3曲目はDr. And The Medics「Spirit In The Sky」。 実は当時Dr. And The Medics来日の際、ライブに行ったSNAKEPIPE。 とは言ってもアルバムは一枚しか出てないし、有名なのはその1曲だけ! 完璧な一発屋のライブに行くとは。(笑) 場所はどこだったか忘れたけど、前から3列目くらいのすごい良い席で観た。 「実物観れたからいいか」の世界だね。(笑) SNAKEPIPEも Medicsになりたいと思ってたくらい。 後から知ったのは「Spirit In The Sky」はNorman Greenbaumという人がオリジナル。 カヴァーはエルトン・ジョンを筆頭にニーナ・ハーゲンやらバウハウスなど錚々たるメンバーが演奏済み。 それでもドクター~でまた売れたとは、名曲なのね! 以前はレコードを所持していたけれど、処分してしまったので今でも買おうかどうしようか迷っている。

もっと書きたいところだけど、今回はこの3曲だけにしておこうか。 いつかまた第2弾を書こうかな。 ROCKHURRAHも自身のリクエスト特集を書きたい、なんて言ってるし。(笑) ではこのへんで。 See You Next Week!(この前ROCKHURRAHも書いてたな)

アサリでアッサリ機種変更!

【SNAKEPIPEが撮るとこんな一枚。わざわざ人のいない場所を選択。(笑)】

SNAKEPIPE WROTE:

5月に入ってめっきり陽射しが強くなってきた。
確かに紫外線は今月が一番強いとよく言われるしね。
日焼け防止対策として今年はついに日傘を、そして休日のお出かけ用に帽子が欲しいな、と思ったSNAKEPIPE。
冬のお洒落用ならお気に入りがいくつかあるけれど、夏の日よけのような実用的な帽子がないことに気付く。
うーん、昔だったらこんなことなかったのに…。

かつてSNAKEPIPEは大の帽子好きで、数えたことないけれど恐らく100個以上の帽子を所持、毎日帽子から服装を決めるほどの愛好家だった。
あらゆる種類、色、素材の帽子を集めまくり、ついにはどのお店の帽子を見ても
「あー、似たのは持ってる」
と全くトキメキを覚えなくなってしまったのである。
そこで
「じゃ、自分で作ってみよう」
と帽子学校に入学。
完全なオリジナルを目指して不思議な(とてもかぶることができないような)帽子作りに明け暮れた日々であった。
そんな時代には「帽子がない」なんてことは有り得なくて、どの帽子にしたらいいか悩むのが常だったのに。
引越しの度に少しずつ処分をしたり、人に譲ったりしているうちにこんな状況に!
これはいかん、とまた初心に帰り自分で作ってみようと思ったのである。

学校に通っていた頃に使用していた教科書にパターン(型紙)が載っていたので、それを参考にしようと思っていたのに教科書が見つからない!
げっ。まさかと思うけど、教科書まで数多い引越しのどさくさで処分???
仕方がないので手芸材料の店で帽子の型紙を購入。
本当だったら型紙から作りたかったけどね。(かなり面倒だけど)
最近のこの手の「簡単にできるシリーズ」というのはびっくりするほど上手くできている。
「作り方」なんて紙一枚を読んでその順序に従うと、あれよあれよという間にできてしまう。
ほんの数時間で完成!
まずは試作品としてかなり気楽に作ってみた。
実は目的があったので、早く仕上げたかったのである。

その目的とは、なんと「潮干狩り」。(笑)
2年前に友人から「本当に楽しいよ」と薦められ、連れて行ってもらったROCKHURRAHとSNAKEPIPE。
首にタオル、長靴(お洒落じゃないタイプ)、ズボンが濡れないようにレインスーツ(下)を穿き、軍手に熊手、というまるでパンクファッションとは縁のないルックスで挑んだ貝堀り。(笑)
タオルは日焼け防止と汗のため、レインスーツ(下)を穿く理由は意外とかかんで貝を掘っているとお尻部分が濡れてしまう、との情報があったためである。
見た目的には最悪だけど、実用性は抜群!
帰りにレインスーツ(下)だけ脱げば、来た時と変わらない状態である。
潮干狩りの際には是非ともお勧め!(笑)
とは言っても実際に穿いてる人はほんの少ししかいなかったけど。
見た目はそんな感じだし、翌日には腰も痛くなるし、手首だけ日焼けしたり、はっきり言ってカッコ悪い潮干狩り。
でもまた行きたいと思うほど、本当に楽しかったのである。
去年行かなかったのが非常に残念だったので、今年こそは絶対行こうと固く決意したのである。(大げさ)

本来はゴールデンウィーク中に行きたかった潮干狩りであるが、今年は潮の関係で一番都合が良い日は潮干狩りが出来ないことが判明。
潮干狩りを知らなかった頃は潮見表なんて存在も知らなかったけどね!
きっと今年は潮干狩りの関係者も商売上がったり、だったんじゃないかな?
ゴールデンウィーク後半は天気も悪かったし。
ということで、今年は9日に行くことに決定。
潮見表によれば9日は8時半からスタート、とのこと。
前日に早寝をして当日は朝の4時半に起床し、早い時間に出発したのである。
我が家は車を持っていないため、電車を使う移動。
長靴を持っていくため大きなリュックを背負ってお出かけ。
この時点ですでにパンクではない。(笑)

電車の後はタクシーを使い予定通り、スタートの時間の1時間前には現地に到着。
タクシーの運転手さんが「電車で来る人は少ないよ」と言っていた。
確かに!すでに駐車場は満杯!
団体客も多く、大型バスもいっぱい。
1時間前なのに入場を待つ行列までできている。
みんなすごい意気込み!(笑)
みなさん、服装は似たりよったりでやっぱり帽子にタオル、長靴という感じ。
「俺は最低限のお洒落はしたいから」
などと言い、まるでDEVOのような真っ赤なつなぎにポークパイハットのROCKHURRAH。
がっ!レインスーツ(下)を穿いたことでお洒落は台無しに!
つなぎにレインスーツ(下)を穿くとどうなるのか全く想像していなかったらしい。(笑)
SNAKEPIPEも手作り帽子、他は2年前とほとんど同じようなダサい貝掘りファッションでいざ出陣!

前日が雨だったせいと、潮見表の時間に若干の誤差があったのか潮がそんなに引いていない状態でのスタートである。
沖近くにまで出るために何度もかなり深さのある場所を歩くことになった。
前はこんなに水が多くなかったような。
掘る前にすでに他の人はズボンが濡れてる状態である。
今年は2年前に比べると潮や天候の関係か、やや不作だったかな。
前はザクザク大物を手にしホクホク顔だったけれど、今年は良い狩り場を探しまくってなんとか所定量持ち帰ってきた感じ。
一応ハマグリも2個獲れたし、良かった!
そろそろ腰も痛くなってきたし、帰ろうか、今何時だろ?
と、携帯を取り出した時に事件が発覚!

なんとなんと!ヒップバッグに入れていた携帯が動かない。
ボタンを押しても電源を入れようとしても沈黙を守ったまま!
げーっ!ヒップバッグ、びしょ濡れじゃん!
貝堀りに夢中になっていて、バッグが海水に浸かっていることに気付いていなかった模様。
ということは…携帯も海水でお陀仏か???
レインスーツ(下)に気配りができていたSNAKEPIPEであったが、ヒップバッグにまで気が回ってなかった!
うーん、困った。
とにかくドコモショップ行くしかないね、と急に帰るモードになったSNAKEPIPE。

駅までの道のりは「途中でタクシーが拾えればいいね」などと歩くことに。
ところがっ!タクシーなんて走ってないのよ。(笑)
道すがら撮影などしながら結局2時間近くかけて徒歩で到着。
リュック背負ってアサリ持ってだから疲れたけど、廃墟みたいな場所もあったりしてなかなか楽しい道のりだった。
これはこれで良しとしよう!(笑)

帰宅後、ネットで検索してみると「水に浸かった携帯は修理不能」のような記事がある。
一応取扱説明書も読んだけど、やっぱり同じ文章。
ドコモショップに行ってみるとやはり同じ説明を受け、
「機種変更するしかない」
という結論に。
本当は2年後のmova廃止まで今の機種を使い続けたかったけれど、故障じゃ仕方ない。
今まで使っていた携帯ほどではないけれど、まあまあ気に入った機種に変更。
「本当にこれでいいですか」
と念押しするドコモの店員。
どうやらかなり使い勝手が悪い機種らしい。
国産メーカーじゃないせいか?
ただし、SNAKEPIPEは今までもヘンな携帯を使うことが多かったので、多少の不具合には順応してきた経験を持つためその機種で問題ない。
これでSNAKEPIPEもFOMAになっちゃった。
「今でもmovaだよ」
というと
「うそー!」
とびっくりされるのが好きだったのに。(笑)
早く新しい携帯に慣れて使いこなせるようにしたいと思う。
皆様も潮干狩りの時にはお気を付けあれ!