がっちりBUYましょう!vol.4 ミリタリー系ワンショルダー編

【おなじみのアウトドア・メーカーが出してる本気バッグ】

ROCKHURRAH WROTE:

このシリーズ記事も久々だなあ。
去年くらいからこのROCKHURRAHのブログでもしつこいくらいにミリタリー系の服装などについて書いてきた。ずっと前から好きだったジャンルではあるけど、ここ数年は特に動きやすくて機能的な服装の方が望ましいという職業についているので、ミリタリー好きの傾向に拍車がかかったというわけだ。一般的な街着よりは確かにポケットの数とか多いし、ハードな動きにも耐えられるし、機能美を突き詰めればここにたどり着くのも当然だと思える。

で、語るネタがなくなってきたから、というワケじゃないが、今回はそういうミリタリー系の服装に似合うバッグについて書いてみたい。

最近のミリタリー系と言えばアウトドア・ブランドやスポーツ・ブランドと密接な関係にあるという傾向にある。そういった事も踏まえて、今回は軍用もあるでよ、というアウトドア・メーカーのバッグに注目してみよう。
断っておくが今回紹介するのは軍用も出してるメーカーのバッグ、というだけで本当の軍用なわけではない。なぜならROCKHURRAHの使う用途と本物の軍用バッグの目的が全然違うから。
書き始めた当初から何とも中途半端な企画で申し訳ないなあ。


ARC’TERYX
ぱっと見た瞬間は何と読むのかわかりにくいが冷静に読めばそこまで特殊な読み方ではなかった。などと頭悪そうな事を書いてみたが、これはアークテリクスというカナダのアウトドア・ブランドだ。
元々は登山用のハーネスを製造していたらしいが現在ではアウトドア界のトップ・ブランドのひとつとなっている。このロゴ・マークに始祖鳥の化石が刺繍されたワンポイントを街中、あるいは山の上で見かけた人も多かろう。知名度がなかった頃はこのブランド名も一瞬では読めなかったし始祖鳥もトカゲか何かの刺繍だろうと勝手に思っていたものよ。ファッション雑誌も全く読まないし、予備知識も皆無だったからなあ。
さて、このアークテリクスは上から下まで身の回りのもの全部、というほどの幅広いラインナップはないんだが、特に有名なのは防水性の高い高級アウター・ジャケットやバックパックの類いだ。
ただ、背中に背負うバックパックやリュックの類いは個人的にあまり好きじゃなくて、それは何かを取り出す時にいちいち背中から降ろさないと開け閉め出来ないから。
やっぱり即座に中のものを取り出せる方が好きなので、そういうタイプをROCKHURRAHは選んでみた。

このミストラル・シリーズはアークテリクスの中では珍しいショルダー・バッグ・タイプで8、16,21という三種類の大きさがある。これは例えば8だったら「8リッターの容量があるよ」という意味なんだが、案外漠然とした表現ではあるな。だまされたというわけではないが、現物を見ずに通販で買った失敗例そのまんま。2リットルのペットボトル4本分の容量と言えばかなりあるように感じたんだが。つまり購入した8リッターがROCKHURRAHの用途には少し足りなかったわけだ。昔は手ぶら大好きでバッグをほとんど使わなかったのに、意外と持ち物が多くなってしまったもんだな。
と言うわけでミストラルを買おうかどうしようか悩んでる人は少し大きめを選んだ方がいいと思う。
ユニークな特徴としては、開口部にバネが入っていて荷物を入れた後で三回折りたたみ(クセがついている)、両側のストラップを引っ張ればキュッと締まる仕掛けになっている。文章で書くと何やら複雑そうだが、本当に一瞬であっという間に開け閉めが出来るのは素晴らしいし、そのギミックが面白い。ただし上の部分を三回も折り曲げるという事はそれだけ入る分量が少なくなるという事でもある。トートバッグのように口を開けっ放しにすれば多少の大物も入るんだろうけど、それもちょっとなあ。
容量以外は大層気に入っていて、表面のナイロンもきめ細かくて上質、小分けするポケットも豊富に付いているし、独特の丸みを帯びたデザインも大好きだ。機能性と曲線美が見事に融合された傑作バッグだと言えよう(大げさ)。さすが我が憧れのカナダ。

アークテリクスの品質に魅せられたROCKHURRAHはもう一つここのバッグを所有している。クイバーと呼ばれるワン・ショルダー・リュックだ。写真でわかるようにかなり湾曲した独特のデザイン、これまた見事なバランス感覚。一瞬、どっち側の肩にかければいいのか悩んでしまうよ。しかし見た目から考えられないほどの抜群の装着感があって、個人的には最強のワン・ショルダーだと思える。
欠点を強いて挙げればショルダーやリュックほどポケットがなくて、小分けして荷物を入れられないという点にある。メインとサブの2つと中にメッシュのポケットがあるのみ、かなりシンプルな作りになっているのだけが残念。しかし止水ジッパーと素材の防水性は申し分ない。先日関東地方も直撃したあの台風の中、このバッグで一番暴風雨だった時間帯に家に帰ったんだが、中身はほとんど濡れてなかったという事実が物語る。もっと防水性の高いバッグはあるんだろうが、たかがワン・ショルダーくらいでもこの水準。すげー!アークテリクス最高。
個人的には全く使うつもりはないがハイドレーション(背中に入れた水パックからチューブで水分補給するためのもの)用のチューブ通しの穴まで付いてて、意外と本格的。
こちらは11リッターとの事だが見た目よりは収納力もあって今では本当に欠かせない相棒のような存在。
探してたその日に偶然見つけて即買いしたという運命的な出会いもある(大げさ)。ネット通販とかでは品切れ続出らしいので、惚れた人は苦難の恋になるかも。

このアークテリクスは良い品質のものを作っているのが認められたからかどうかは知らないが、LEAFと呼ばれるハイスペックな軍用ラインも作っている。Law Enforcement & Armed Forcesの略だとの事。どこにでも売ってるものじゃないし値段もバカ高いので、さすがにそこまでマニアではないROCKHURRAHなどが気軽に買えるもんでもないが、金持ちになった暁には是非手に入れたいものだ。


Mystery Ranch/The Works
アウトドアのバックパックとして著名だったDana Designの創始者が作ったのがこのミステリー・ランチだ。バックパック業界に特に興味あるわけではないのでブランドの紆余曲折(一度Marmotに買収された後に復活)についても見てきたようには書けない。単にミステリー・ランチがミリタリーやタクティカル分野で素晴らしく良いバッグを作っているから、ROCKHURRAHはその点について興味があるのみだ。

上に書いたアークテリクスなんかよりも遥かに特殊部隊の人々に愛されてるっぽい見た目、機能、耐久力、豊富な種類と色。さすがバックパック作り続けて数十年のこだわりと職人気質が炸裂した格別の逸品ですな。特にこのブランドのお家芸(?)であるY字型のジッパーは素人には何だかわからんがすごいシロモノに思えてしまう。作るの難しそう。
まあ適当なミリタリー・ショップでも看板商品になるだろうしファンも数多いに違いない。んがしかし、最低でも4万円台後半から6万円くらいもする高級バッグなのは確か。本気の人以外はたかがナイロン・バッグにそこまで出せないのも確か。
アウトドアや本物ミリタリー・アイテムが高いのは下手したら命がかかってる世界だから当たり前なのかも知れないが、一般人であるROCKHURRAHはそこまで本気にはなれない。だからあのY字型のスタイルに憧れてはいても所有はしておりまっせん。

で、ここで浮上してくるのがThe Worksだ。これはそのミステリー・ランチの廉価版・カジュアル版というような位置づけで、一応Worksロゴの下にちっちゃくミステリー・ランチのロゴも付いてはいるが、主力商品とは全く別物と言ってもいいだろう。
高いのには手が出ないがちょっと憧れのブランド名も入ってる・・・というような卑屈さも感じられなくはないが、このシリーズは確かに手が届く価格。街着にはちょうど良いかな。

ROCKHURRAH所有のはこのトライゴンというモデル。これまたワン・ショルダー・タイプで三角形な型のもの。パタゴニアの大人気作Atomと似たデザインだな。アークテリクスのクイバーと3つ並べるとこの手のバッグ御三家という感じがする。アウトドア界の大御所であるグレゴリーやノースフェイスがあまりこの手の型を作ってないようなので勝手にROCKHURRAHがそう思ってるだけだ。
このトライゴンは表面が実に独特で、何とも言えないザラザラした質感が特徴。触った事はないがサイの肌とかそういうものを思わせる。この素材と裏がゴムっぽい伸びる素材を組み合わせて作った異色のバッグだと言える。防水性能に重点を置いたからなのか?
アークテリクスのクイバーより前から使っていて、雨にも濡れたはずだがどうだったろうか?台風とかそういう記憶に残る大雨じゃないから印象が薄いのかもね。
メッセンジャー・バッグのように大きなフラップ式になっていて、そこをめくるとメイン・コンパートメントという形式になっている。マチがあまりない流線型のバッグだから、伸びる素材はありがたいが大したものは入らない。中にもなーんも仕切りやポケットはなく、唯一フラップ部分がもう一つの収納になっているだけだ。
先ほどアークテリクスのクイバーをベタ褒めしたから何だか気のない表現に見えるが、収納力さえ抜きにすれば大変気に入ってるバッグなのだ。希少なのか廃版なのかわからないが、街で人とかぶる可能性が少ない事も良いね。リフレクター・テープ(反射板)もついてるから自転車の人もオススメ。写真では見えないがストラップの前の部分に小さなポーチが付いてて、これまた軍用Molleシステムのようでかわいい。
なぜか右上の方に三角形の矢印マークが付いているのも愛嬌。ここがジッパーの始点ですよ、という意味か?このROCKHURRAHをもうろく扱いするか?


5.11
警察や特殊部隊系装備とかに興味あってその名を知らない人はいないほどの著名なブランドがこの5.11だ。他のミリタリー系ブランドに比べると格安のイメージだが、一般の目線とは随分違った作りが面白く、ROCKHURRAHもいくつか愛用している。
ウエアやブーツなど身の回りのもの全般を扱っていて、バッグも多数出している。上記のアークテリクスやミステリー・ランチが街着にも合うバッグとして違和感ないおしゃれ心を持ってるのに対して、この5.11のはあくまでも「任務遂行に便利」という着眼点に基づいて作られた無骨な感じがする。
例えば5.11のジャケットにはFBIの潜入捜査官が(イザという時に身分を提示出来る)IDパネルを隠すためのポケットとか平気でついてるあたり、日本の街着としてはかなりの違和感があるもの。なぜか商品全てにタクティカルなんとか、と名前が付くのもすごい感覚。

そういう特殊な任務とは全く関係ないROCKHURRAHが選んだのはやはりワン・ショルダー型のRUSH MOAB 10というバッグだ。
Mobile Operation Attachment Bagの略だそうで、ふーむ、何だかわからん。

実は注文はしてるんだがまだ現物が手元に届いてない状態で、使用感とかは全くの未知数。背負った画像も用意出来なかったのでこれで許して。
見た感じは何ですな、ドンキとかに1980円で売ってそうな安っぽい雰囲気。しかし5.11お得意のこれでもかと言わんばかりの収納、ポケットの数、さすがその道のプロが選ぶだけの多機能さ、その辺に惹かれる人もきっと多いはず。ミリタリーのリュックでよく見かける3デイ・アサルト・パック、つまり三日間の作戦に必要な荷物が入る大きさのリュックをワン・ショルダー型にした感じだな。写真で大きさは全然わからないだろうけど、割と大きめで容量も問題なし。5.11が独自に開発したシステムでこれよりさらに大きなバッグとも連結出来るというから、容量に問題ある人は「親ガメの背中に子ガメ」状態で盛ればよろしい。

ふう、大した事も書かなかった割には長文になってしまったな。
今回はこれで終了するけど、また何か紹介出来るものがあったら書きます。

偏愛的変アイテム

【どこかに人が隠れてるよ!分かるかな?】

SNAKEPIPE WROTE:

ROCKHURRAHのミリタリー好きにつられるようにして、いくつかのミリタリー・ショップに一緒に足を運んだり商品を購入しているSNAKEPIPE。
がっちりBUYましょう!vol.1」で書いたこともあるように、ミリタリー物はどうしてもメンズサイズが多いため、小さいサイズを探しやすい通販で購入を決めることもしばしば。
様々なミリタリー通販サイトを見ていると、たまに
「この商品、一体誰が買うんだろう?」
と不思議に感じてしまうことがある。
それなのに「品切れ」などと書かれていたりすると益々妄想は膨らんでしまう。
一体誰が、何の目的で購入したんだろう、と考え始めると止まらない。(笑)
今日はミリタリー通販サイトで見つけた謎グッズを紹介してみようか。

初めにご紹介するのは「蚊避けネット」。
もちろん蚊以外の虫全般に効果ありそうだし、実際に養蜂業の方などには
「かぶるネットなんか毎日使っとるぞね。珍しくもなんともあらへん」(どこの言葉だ?)
と言われてしまうかもしれないけど。(笑)
ただミリタリー通販サイトでいきなりこの手の画像を見つけるとちょっとウケてしまう。
恐らくジャングルを想定して作られたものだと思うけど、もし本当にジャングルだったとしたら蚊よりも強力な毒虫がいそうだし。
頭部だけ守ってもあまり意味がないような気もするしね?
体の他の部分はどう対処するんだろう?
知ってる人がいたら教えて欲しい。(笑)

さて、お次は「秋田のなまはげ」でも、「ポンキッキのムック」でも「スターウォーズのチューバッカ」でもない、「ギリースーツ」のご紹介。
まるで着ぐるみのようなこのスーツは、擬態化し相手(敵)に気付かれないように草むらなどに潜伏して狙撃するためのミリタリーグッズ。
サバイバルゲームなどでは割とポピュラーな品のようだけど、一般的にはあまり知られてないよね?
自作する人も多いみたいだけど、商品として販売もされている。
左の4種類はそれぞれ「どこに隠れるか」によって色が違っている。
ジャングル地帯、砂漠地帯、湿地帯、雪原地帯などに対応しているこのスーツ。
結構いいお値段するタイプもあるみたいだけど、ギリーだけに義理で一着持ってると便利かも?(うそ)

続いての登場は、上のギリースーツ着用の際にも大活躍するであろう、フェイスペイント用のコンパクト!
2色、3色、4色と種類があったり、作りたい迷彩のタイプによってもコンパクトが揃っているようだ。
左の写真は一般的なウッドランド迷彩を作るための豪華5色セット!
淡いピンクや黄色を程良く混ぜて、丁度良い色合いに仕上げるところがポイントなのかな?
それにしても、上のギリースーツに身をつつんだ兵士が、チマチマとコンパクトを覗きながら顔を仕上げてる図を想像すると非常におかしい!(笑)
このコンパクトを使ってるところ、動画投稿サイトにないかしら?
ものすごく観たいんだけどね!

ギリースーツ編には全く登場しなかった地帯といえば水中。
確かにあのスーツ着ては泳げないしね?
水中でのミリタリーグッズって何かあるのかな、と調べてみるとやっぱりあった!
それが左の「ミリタリー用足ひれ」。
ちゃんとタクティカルブーツ履いた上から付けてるから間違いないでしょう。(笑)
この写真からでは装着部分がどうなっているのか分り辛いんだけど、これで脱げないのか心配。
このタクティカルブーツが完全防水素材じゃないとダメなのかどうかも気になるところだ。
わざと色を赤にしてるのかも注目しちゃうよね。
そもそも「足ひれ」というのは靴を履いたままでオッケーなシロモノなのかね?
などなどダイビングの経験ないSNAKEPIPEには未知の世界。
調べてみるとどうやらアメリカ海軍特殊部隊などでも採用されているというからお墨付き商品みたいね。
これを付けて泳いでいるところを観てみたいね!(さっきと同じじゃん)

最後に登場するのは「ガスマスク」。
大抵のミリタリー通販ショップで扱っている、そういう意味では良く見かける商品なんだよね。
ただし、目の引くのは「売り切れ」となっていることが多い点。
簡単にガスマスクと言っても、本当の意味での軍放出品で「有効期限切れのため実用できません」などと断り書きがあるものから「核・化学兵器に対応」などと書かれている実用可能な物まで幅広く扱われている。
実用不可のタイプはファッションだったり、オブジェだったり、単なるコレクションだったりするんだろうね?
ショップ用とかデザイン用とかの何かしら「商売向け」のような気がする。
好きでかぶっているのはG.I.S.M.の横山SAKEVIくらいのものか?(古い!)
そして実用可能タイプを購入するのは、地下にシェルターを完備しているような、本当の意味での「備えあれば憂いなし」の方なのかも?
こちらも実際「売り切れ」になってるのがあったからびっくりだよね。
マスクに6万円使えるんだから、やっぱりお金持ちなんだね!(笑)
この手のマスクは軍物でしか手に入らないだろうから、お高いのも仕方ないか。
実用する日が来ないことを望む!
皮膚呼吸のことを考えたら、全身スーツにしないと完全防備はできないのかなあ?
その手のスーツは通販で買えるのか?
また今度調べてみたい。(笑)

がっちりBUYましょう!vol.2 雨の日対策アイテム編

【防水の似た者同士(ポンチョ、ステルス戦闘機、マンタ、ゲイラカイト?)】

ROCKHURRAH WROTE:

「さすがいいの持ってるね」などと褒められた事もないし、人様に自慢出来るような買い物もしてないROCKHURRAHなんだが、こんな企画の第2弾で登場してしまった。
時代に真っ向から逆行したこのタイトル(元ネタ知ってる人も少ないはず)を考えたのもROCKHURRAHだったしな。

というわけで誇れるモノは全然ないんだが、自分で気に入ってる服装の中から少しだけ書いてみよう。強いてテーマを考えるなら雨の日に持ってて良かったアイテムか?
以前のブログ「豪雨の古着屋倉庫編」の時にびしょ濡れになった経験から、ここ最近のROCKHURRAHのテーマが「雨に負けない服装」というわけだ。合羽よりは多少おしゃれというのが当面の目標。

まずは上半身、これはECWCS(Extended Cold Weather Clothing System)と呼ばれる米軍のパーカーだ。拡張式寒冷地被服システムとはレベル1から7まで、つまり下着から上着までを7種類の中から選んで重ね着してゆこうという、壮大かつ大げさな思想から生まれた(笑)。米軍兵士の経験はないから詳細はわからないが、今日はちょっと寒いからレベル1、3、5、6でいきましょう、ってな具合なのかね?まるで明星ラーメン「ちびろく」の「僕はちび1、パパはちび3」みたいなものか?またまた古い例えで申し訳ない。
しかし7枚全部いっぺんに着てたら世の中にあるレイヤードスタイルの中でも類いまれなる着ぶくれ男になってしまう事は間違いないね。
で、話がそれたがこのパーカーはその中のレベル6に当たり、通常はこれ単体を指してECWCSパーカーと呼ぶらしい。米軍で80年代半ばくらいまで主力だったM-65フィールド・ジャケットやN-3Bなど、長めの防寒ジャケットに取って代わる存在として登場した。
この服は登場した頃はまだ珍しかった新素材、ゴアテックスを使って作られたもの。簡単に言えば風や水の侵入を許さず、自分の体から出た汗の水蒸気は外に逃がすというシロモノだ。そういう性質だから今ではウィンタースポーツや登山、釣り、現場関係者などのアウトドア業界では珍しくもないハイテク素材なんだけど、それらの原型になったのがこの米軍ECWCSとされている。パタゴニアやノースフェイスとかの主力アウターのデザインとほとんど変わらないしね。
では軽くこのパーカーの特徴を記しておこうか。
ちなみにECWCSは現在第3世代まで作られていて時代によってデザインが違う。着用しているのは1stモデル。斜めのフラップが付いたポケットと畳んで収納出来ないフードが目印ね。
米軍の旧世代ジャケットとして大活躍したM-65と同じように、ジッパーで止めた後にスナップボタンで留めるように出来てる。しかしこのボタンがかなり留めにくいので片手では難しい。これは防寒フライト・ジャケットの大先輩N-3Bのようにジッパー閉めた後でヒモをボタンに引っ掛けるスタイルの方が断然スピーディと個人的には思うが、それだとボタンがすぐに取れたりしてまずいのかな?
前身頃のジッパー脇には両側にベルクロで留めるかなり大きな隠しポケットが付いていて、この収納力は素晴らしい。手ぶら大好きのROCKHURRAHが気に入っている最大のポイントがこの隠しポケットなのだ。上から2個目のボタンさえ外しておけば前を開けなくても両ポケットにアクセス出来る、これは大変に便利だ。
逆に外側についてるフラップ・ポケットは浅くて小さい、手を突っ込んでも半分くらいはみ出してしまうよ、という気休め程度のポケットだ。縫いつけてあるからN-3Bみたいにフラップをポケットの中に入れてしまう事も出来ない。
2ndジェネレーション型からはフードを畳んで首の後ろに収納出来るようになっているが、この1stは畳む事が出来ない。しかもヘルメットの上からかぶれるようにかなり大型フードだから雨の日に満員電車に乗ったら後ろの人が大変に鬱陶しいのは間違いない。フードの先には鋲打ちされたかのようなスナップボタンが付いていて、専用のファーを取り付ける事も出来る。
脇の下はジッパーで開けるようになったベンチレーション機能が付いている。暑くなったらこの脇下だけ開ければ風が入ってくるという仕組み。全開で電車の吊革掴むと下に着てるものが丸見えになって、やや変態っぽいな。
まあこういう特徴を持った上着で雨具としては最適。本体はペランペランのものでこれ単体では防寒の役には立たないんだが、下にフリースとかそういうものを着て冬の雨や雪の日に外に出るのが楽しみな逸品だ。
ROCKHURRAH着用のものは少しデカイのが悔やまれる。N-3Bもそうだが丈が短めの方がカッコ良いからね。

さて、下半身は米国タクティカル系アパレルでは超有名ブランドである5.11のタックライト・プロ・パンツを合わせてみた。元々はロイヤル・ロビンスというアウトドア・ブランドだったがクライミング・パンツとカーゴ・パンツのデザインや機能性を融合させたタクティカル・パンツと呼ばれるものを開発した。FBIやCIA、SWATといった特殊任務の人々に愛用されてこの世界では非常に有名なのが5.11というわけだ。とは言えこういう職業の人に対する憧れなどは毛頭持ちあわせてないROCKHURRAH。
アルファとかアビレックスとか一般的なカーゴ・パンツよりは何だかマニアックで強そうに見える黒いカーゴ・パンツだったから購入しただけに過ぎない。
ミリタリー系カーゴ・パンツは大好きなアイテムなんだが、どこの軍隊でも大差ないし色もその国が採用している迷彩柄とミリタリー・カラーとして定番のオリーブ、カーキくらいしか選択肢がないから、黒だけど本物というのはやはり魅力だ。
このタックライト・プロ・パンツは両腿のカーゴ・ポケットの上に携帯電話用の小さいポケットとライトなどを入れる小さいポケットが付いていてパッと見はかなり安っぽい。その辺に売ってるルーツのないカーゴ・パンツと変わらないが、違うとすれば後ろのポケット部分かな。
両方のポケットが鋭角な斜めに切れこんでいて(八の字)フラップとかは付いてないという特殊なデザイン。要するにケツポケットのものが実に素早く出し入れ出来るという機能だ。しかしそれがそこまで重要な事なのかは普段着でしか着用してないROCKHURRAHには不明。手を洗う時に横の人の2倍のスピードでハンカチを取り出せるとか?まあ特殊任務の人にとってはありがたい機能なんだろうかね。
実はこのパンツを購入前にほんの少しの金をケチったために別のメーカーの黒タクティカル・パンツを買った。しかし、これがブカブカで単なるボンタンの学生ズボンにしか見えないシロモノ・・・どうしても似合わない。で、これはSNAKEPIPEにあげて自分用に5.11のを買い直したというわけ。女の子だったらブカブカでも逆に違和感がないしね。
店舗で試着出来るところが近くになかったから通販で買ったが、届いたものはやっぱりかなり大きめ。布や縫製はさすがだがやっぱり少し高そうなボンタンの学生ズボンにしか見えない(笑)。
しかしどうしても穿きたいから久々にミシンを使って大改造。
スリムとまではいかないけど通常の5.11よりはかなり細身のテーパードに変身させる事に大成功したのが着用写真のもの。
本来は股の部分にダイアモンド・カットという余分な布がプラスされていて、しゃがんだ時などに動きやすいという仕組みになっているこの手のパンツなんだが、そんな事は全て無視してダイナミックに削って仕上げてみたよ。それでも抜群に穿きやすいし激しい動きも問題ない。こりゃプロの方々が愛用するのも頷ける機能性だ。さらにこのパンツはフライパンでおなじみテフロン加工が施されていて多少の雨なら弾くし汚れもすぐに落ちるという優れもの。
正直言ってデザイン的に「さすが」という点もないし、特に女性ウケは悪いパンツだが、穿いてみてその良さがわかる逸品だと思える。

最後、足元部分はこれまた米軍ゴアテックス・ブーツだ。これについては上記の2つほどに書ける事はないけど、先週のブログでSNAKEPIPEが書いた九州旅行記の最後に福岡で買った思い出の品、自分用のおみやげだ。外側は全部本革で靴のライナー部分にゴアテックスが貼りつけてあるという無骨で重いブーツ。最近はゴアテックスとかの防水ブーツも随分細身でスタイリッシュになっていてBELLEVILLEやダナーのものなどは高級でカッコ良いんだが、これはそういう型になる前の旧型デザイン。
実は店で現物を試着する前にオンライン・ショップで写真は見ていた。その時は足首がキュッと締まらなくて全体的にもっさりした田舎くさいデザイン(インナー部分に厚みがあるために仕方ないデザインだけど)だと思ってたんだが、安価なものの割には質感もあり、予想したよりはずっとクッションも良くて履きやすい。完全な防水かどうかは試してないので機能性は不明だが、取りあえずの雨では全く問題ない程度に安心感があるし、コストパフォーマンスは高い逸品だと思う。
これしかないとの事で10.5インチの大足サイズだったが、履いた印象はそこまでブカブカじゃなかったので思い切って購入。1週間ほど毎日履いて慣らしたがドクター・マーチンやゲッタグリップを新品で買った時よりはずっと早く足に馴染んでくれた。雨の日が楽しみになる素晴らしい買い物だったと自己満足している。そのうちもっと高級なゴアテックスブーツが欲しくなってくるね。
しかし片足2キロはあろうかというほどの重量ブーツ、毎日履いた後でBATESのタクティカル・ブーツに履き替えたら、まるで裸足のように感じてしまうほど。こりゃ知らず知らずのうちに鉄ゲタ効果で筋力もついて一石二鳥かな。しかし体重も体脂肪もまるで減ってないのでややガッカリ。

さて、この3つを合わせてみたが、冷静に見ると何だか全てジャスト・サイズじゃないなあ。前にSNAKEPIPEもブログ記事で書いたがROCKHURRAHが買う服は必ず大きすぎか小さすぎというオチになってしまったよ。宝物、と呼べるほどの高級服はまるで持ってないけど数だけはやたら所有しているROCKHURRAHとSNAKEPIPEの二人。またこういう内容で持ち物を紹介する機会はあるだろうか?第3弾に乞うご期待!

がっちりBUYましょう!vol.1 レディース・サイズ実物ミリタリー編

【M-65を愛用する有名人(一部不適切?)】

SNAKEPIPE WROTE:

自分の好きなモノを制作するのも好きだけど、上手な買い物ができた時も非常に嬉しい。
古着屋での買い物では多少のキズや汚れ、サイズの大きさなどは自分の好みに修正することもあるけれど、稀に程度も良くてサイズもぴったりのモノが手に入ることもある。
たまたま見たサイトでお値打ち品を発見、最後の一点を購入したり。
そしてワクワクしながら配送を待ち、実際に手にした時に思った以上の出来栄えにうっとり!
こんな時は本当に「出会った」気がして、運命まで感じてしまうほど。(大げさ)
今回はそんな運命的な出会いをした逸品を紹介してみたいと思う。

ネットのミリタリー系通販サイトを見ていたROCKHURRAHが
「これ、サイズ小さそうだよ」
とフライトスーツを指さしている。
そう、ミリタリー物はメンズ仕様が当たり前の世界だから、少しでも小さいサイズがあると見入ってしまうSNAKEPIPE。
ジャケットやパンツなら多少大きくてもベルトで締めたり直したりするけれど、「つなぎ」になるとなかなか難しいことが多い。
日常的に着用することはほとんどないけれど、なぜだか「つなぎ」が好きで複数所持しているSNAKEPIPEである。
もちろんどれもダボダボで、子供が大人用を着ているような感じなんだけどね。(笑)
そのため「小さめのつなぎ」という語句は唾をゴクッと飲み込む程魅力的な言葉。(ぷっ)
書いてあるサイズを見ても、ミリタリー物としてはかなりの小ささであることが判る。
米軍や特殊部隊の服飾に興味ある人なら誰でも知ってる納入メーカー、アトランコ社製(TRU-SPEC)のCWU-27/Pがびっくり価格!
ええい、ダメで元々、買うっきゃないでしょ!と注文してみることに。
数日後、配送された商品を着用してみると、驚くほどのぴったりサイズ!
こんな「つなぎ」が欲しかった、と夢見ていた通りの逸品!
どれどれ、と手に取ったROCKHURRAHがミルスペックを見て
「ええっ!」
と叫ぶじゃありませんか!
何事かと思いきや、どうやらサイトに紹介されていたTRU-SPECとは違う商品だったよう。
悪い知らせかと思うとその逆で
「グリーンブライアー…本物だ!」
なんと80年代くらいに実際に米軍に納入していた実績を持つメーカーらしいのだ。
高級品じゃないけど、N-3Bの後期型などで後に「ホープ」のブランド名として有名なメーカーである。
SNAKEPIPEが無造作に開けてしまったビニール袋には、正式な軍支給品である証明のラベルが貼ってあった。
耐熱アラミド繊維100%!
摂氏400度の熱に耐えるハイテク素材で、一般的にはCWU-45/Pなどのフライトスーツに使用されることが多い。
今回購入したCWU-27/Pは同じシリーズなので、パイロット用の「つなぎ」なのね。
これでどんな火の中でもへっちゃら!
やったね、SNAKEPIPE!(笑)
ポケットもやたらにいっぱいあるし、意味不明(本当は意味があるんだろうけど)のヒモが付いてたりして本格的!
ほんの数千円で、ものすごい良い物が手に入って嬉しい限り。
それにしても、こんなに小さいサイズの「つなぎ」を着るアメリカ人パイロットが本当にいるんだろうか?

何故だか昔から胸ポケットのあるジャケットが好きなSNAKEPIPE。
肩章が付いているデザインも大好き!
古いデザインで言うと、例えばサファリジャケットとかね。
ミリタリージャケットの中ではやっぱりM-65!
「これ、欲しい!」
と一目惚れしたジャケットなのである。
前にポケットが4つ。
肩章も付いてるしね。
欲しくてたまらなかったのに、M-65は大きなサイズしか見当たらない。
ちょっと細くて丈が短い、と思うと「なんちゃって」のミリタリーテイスト系。
それじゃダメだわっ!本物が欲しいのよっ!
というSNAKEPIPEの執念が実ったのか。
なーんとミリタリーショップではなく、一般的な古着屋でSNAKEPIPEサイズのM-65を発見!
とは言ってもまたもや見つけたのはROCKHURRAH。
「これ、サイズ小さそうだよ」
と全く前述のフライトスーツと同じセリフ。(笑)
小さいサイズ、という言葉に弱いSNAKEPIPEはあまり期待せずに試着してみた。
だってほら、M-65の小さいサイズに出会ったことがなかったからね。
ところがっ!今回のジャケットは本当に小さかった!
X-SMALL、X-SHORTという今まで見たことがない極小物!(笑)
袖丈や着丈もぴったり!
古着だけど程度も良いし、お値段もお手頃なので早速購入。
前からずっと欲しかった物が手に入って本当に嬉しい!
これでウッドランドを上下着用、ブーニーハットで本格派ベトナムヴァージョン。
髪を長くおろしてジーンズを合わせると70年代風!
モヒカンにすればタクシードライバーヴァージョン!(んな馬鹿な)
これでまたお気に入りが増えたね。
またいろんな「出会い」があるといいな!