好き好きアーツ!#17 鳥飼否宇 part4–妄想女刑事–

20121021_top【これがTHE ROTTERS CLUBね!】

SNAKEPIPE WROTE:

ついに鳥飼否宇先生の最新作が発売された!
今か今かと待ちわびていたSNAKEPIPEとROCKHURRAH。
前回鳥飼先生の作品について書いたのが2011年9月のこと。
好き好きアーツ!#8 鳥飼否宇 part3 –物の怪–」としてまとめさせて頂き、鳥飼先生ご本人からコメントを頂戴する、というファン冥利に尽きる経験をさせて頂いたんだよね!
そしてまた今回の新作についても拙いながらも、ブログで感想を書いてみようと思っている。

鳥飼先生の新作のタイトルは「妄想女刑事」!
もうこのタイトルを聞いただけで、「あっち系の路線かな?」と勝手に想像してしまったSNAKEPIPE。
そう、あっち系とは先生の小説の中に登場する「増田米尊」のこと!
興奮すると頭の回転が速くなり、スラスラと推理を展開し事件を解決に導いてしまう増田教授。
SNAKEPIPEは増田米尊も大好きなんだよねー!(笑)
妄想する女ってことは、まさか増田米尊の女バージョンかいな?

新作の主人公、妄想する女の名前は宮藤希美。
日本人の女性にしては長身、痩せ型、ベビーフェイス、ショートカット。
知性と運動能力を兼ね備えている29歳、と聞くと
「ドラマに出てくる感じの女刑事」
と思ってしまうけれど、宮藤希美には黒いセルフレームのメガネと酒好きが加わる。
この2つが加わったことで「妄想女刑事」になるのである。
実はSNAKEPIPEも、ド近眼で激しい乱視のため、長い年月ハードコンタクトレンズを使用していた。
ところがハードコンタクトレンズは目にゴミが入ると激しい痛みと共に、涙がボロボロ!
化粧まで崩れてしまい、大変な思いをすることがしばしば。
ここ数年は、ほとんどコンタクトの使用を控え、メガネにしているのである。
宮藤希美と全く同じ黒いセルフレーム!(笑)
「一般人とはかけ離れたセンスのダサいフレーム」
と書かれていて、ショック!
宮藤希美とSNAKEPIPEは同じ感覚の持ち主なのかも?(笑)

その宮藤希美とコンビを組むのが、42歳の独身で、福々としたほっぺたを持つ美少女マニアの荻野正則である。
この荻野正則を表現する際に用いられたのが、七福神。
「恵比寿さま、もしくは布袋さま、あるいは大黒さまに似ている」とのこと。
確かにこの区別を付けられる人ってあまりいないよね?
20121021-01
Wikipediaで調べてみたら上の画像を発見。
ちょっと編集して並べてみたんだけど、どお?
やっぱり区別つかないなあ。(笑)

更に「マントヒヒの尻のような顔」って表現もあったから、こちらも画像検索。
ははあ、なるほど。
マントヒヒの尻っていうのは、出っ張っているんだね。
しかもその部分だけ毛がなくてむき出しでピンク色なんだ!
うーむ、こんな赤ら顔の40男で美少女マニアというのは、かなり不気味かも。(笑)
そんな荻野正則と宮藤希美がコンビを組んで事件を解決していくのである。

※注意して書いているつもりですが、万が一ネタバレになる記述があった場合はお許し下さい。

事件ファイル1 独身中年ゴシチゴ暗号事件

「マントヒヒの尻のような顔」こと荻野正則の元に、かつての同級生であり、親友でもあった福井義男から、意味不明の手紙が届くことから話が始まる。
事件ファイル名にある「ゴシチゴ」とは、「五七五」、つまり俳句のこと。
その謎の手紙は、俳句のような文章の羅列だったのである。
事件ファイル1にはたくさんの俳句や俳人の名前が登場する。
ほとんど俳句の世界について知らないSNAKEPIPEなので、自由律俳句というジャンル(?)にはびっくり。
「定型から自由になろうとすることによって成立する俳句」のことを指すらしく、感情表現が重要な世界みたいだね。
小説内に出てくる自由律俳句を読んでいると、一行だけの詩のようにも感じてしまう。
「単なる一行詩がそのまま自由律俳句となるわけではない」と、Wikipediaに注意書きされているので、難しいところだね。(笑)

鳥飼先生の作品は人名がユニークで、かつて「 好き好きアーツ!#8 鳥飼否宇 part2」では「爆発的」の登場人物の名前当てクイズに挑戦したSNAKEPIPEとROCKHURRAH。
今回の作品では、人名は県名にされてることが多かったね。
荻野正則の親友は福井、福井のアパートの住民に千葉、富山、石川。
宮藤希美の先輩女性刑事の名前まで秋田汐里、と県名になってるね!

そしてとても興味深かったのが、宮藤希美のキテレツで珍妙な推理の中に横溝正史作品からインスパイアされた説を展開している点。
事件ファイル1には「獄門島」(とははっきり書かれていなかったけれど)が登場していた。
確かに「獄門島」も俳句が出てきた事件だったよね!
言うまでもなく、横溝正史のトリックをそのまま使った作品ってことじゃないので、あしからず。(笑)

宮藤希美の当てずっぽうな推理や荻野正則との会話のやり取りはとても楽しく読めたけれど、メインであるはずの(?)事件の解決はあっさりしていてびっくり!
「やだっ、解けちゃった!」という言葉が宮藤希美から飛び出す。
これがこのシリーズに必ず出てくる宮藤希美の決め台詞なのである。

事件ファイル2 通勤電車バラバラ殺人事件

JR山手線内で切断された男性の左腕が発見される。
そしてまた都営大江戸線内でバラバラ遺体が発見されるのである。
こんなニュースを聞いたら「何事か?」と耳をそばだてること間違いないだろうな。
確かに日本人は野次馬が多く、猟奇殺人事件が好きなのかも。

長野、山口、福岡、志賀、奈良、徳島、逢坂(おうさか)、若山(わかやま)、とまたもや県名を人名にした人物達が登場する。
大阪や和歌山では無理があるため、違う漢字が充てられてるのがミソ!

そして今回もまた横溝正史作品「蝶々殺人事件」を持ち出す宮藤希美。
酒を飲み、酩酊状態になったところで繰り広げるトンチンカンな迷推理も相変わらずである。

事件ファイル2で、「グランドホテル方式」とでも言うのか、昔観た「ショート・カッツ」という映画を思い出した。
注意深く読んでいかないとね!(意味深発言)

事件ファイル3 日本観光コスプレ変死事件

もうこのタイトルからして、「鳥飼先生らしい!」とニヤリ。(笑)
詳しくは書かないけれど、ベルギー人の被害者が発見された時の様子が笑ってしまうような状況なのである。
変死体なのに笑ってしまう、というこのあたりのバランスが絶妙だよね!
そしてまたこの変死事件を担当するのが、宮藤希美と荻野正則のコンビなのである。

美少女には目がない荻野正則は、美少女フィギュアをコレクションしたり、アイドルのコンサートに足を運んだりする40男。
当然のように美少女アニメにも詳しいことから、事件解決に向けたヒントを出す場面が非常に面白かった。
「ナース戦隊看護レンジャー」って、本当にありそうだもんね?(笑)
その荻野正則の趣味のせいで、コスプレさせられるハメになる宮藤希美は災難だったけど!

香川、宮崎という人物が登場する。
今回は「本陣殺人事件」が会話の中に出てくる。
エルキュール・ポアロはベルギー人だったんだっけ?
アガサ・クリスティ読んでたのは中学時代だったなあ。
懐かしい名前を目にしたよ!

今回も記憶力を試されている感じね。(笑)

事件ファイル4 先輩刑事モンペで殉職事件

今回の事件4はタイトルだけですでにいくつかの情報が入ってるよね。
「先輩刑事」「モンペ」「殉職」。
上述した中に「先輩」という言葉を使っているし、「殉職」という言葉も組み合わされていると「もしかして?」と想像してしまう。
「モンペ」だけは謎!(笑)

岡山、宮城が今回の登場人物。
こうしてみると確かに県名が苗字になってることって多いんだね。
横溝正史作品は「悪魔の手毬唄」!
市川崑監督の映画を観た時に、SNAKEPIPEが一番怖かったのは「原ひさ子」!
正座をすると腰が曲がってほとんど畳につきそうなのに、毬をつきながら歌うんだよね。
恐らく毬が弾む距離は10cmくらいだったのではないだろうか?
今でもあのシーンを思い出すと怖くなるよ。

おおっ、またもや記憶力テストだ!
実を言うとSNAKEPIPEは2回読んでから感想をまとめている。
1回目はストーリーを追うことに集中。
で、2回目になってから県名と記憶力テストについて確認しながら読んだんだよね。(笑)

事件ファイル5 世界遺産アリバイ幻視事件

アメリカ人ドキュメンタリー映画監督が、杉並区で起きた殺人事件の重要被疑者として防犯カメラに写っていた。
しかし当の本人は小笠原諸島にいた、とアリバイを主張。
そのアリバイ崩しを目的に、宮藤希美と荻野正則コンビが小笠原諸島の母島に出向くことから話が始まるのである。

母島にある「ペンション乳房山」という名前がおかしい!
英語にすれば「ペンション・ツイン・ピークス」なんだよね。(笑)
ありゃ、でも本当に「乳房山」があるとは知らなかったよ。
宮藤希美が疑問に感じた「父島で一番高い山の名前」については、SNAKEPIPEも同感だった。
調べてみると…えっ、朝立ち山?本当?(笑)

長崎、熊本とまた県名の苗字が登場。
そして横溝正史作品は「八つ墓村」である。
SNAKEPIPEが観たのは野村芳太郎監督版なので、残念ながら金田一耕助役は渥美清だったんだよね。
渥美清はやっぱり寅さんだから、なーんか違う!
SNAKEPIPEが一番馴染み深いのは、石坂浩二が演じる金田一。
石坂浩二で「八つ墓村」が観たかったなあ!

事件ファイル5の最後の最後でまた「あれ?」と思ってしまったSNAKEPIPE。
事件ファイル4までとは違う幕切れだったね。

5つの事件を通して出てきたのが「ロッターズ・クラブ」というバー。
何故だか宮藤希美が酩酊し、捜査に行き詰まった時にだけ登場する。
そのバーのバーテンダー・御園生独、がヒントになるような発言をすることで、宮藤希美の「やだっ、解けちゃった!」を聞くことになるのである。
「ロッターズ・クラブってどういう意味だろうね?」
と聞いたSNAKEPIPEに
ハットフィールド・アンド・ザ・ノースのアルバムのタイトルだったんじゃないかな」 と即答するROCKHURRAH。
さすがによく知ってるね!
SNAKEPIPEは全く知らない世界のバンドなんだな。
ハットフィールド・アンド・ザ・ノースはイギリスのプログレッシブ・ロックバンドとのこと。
鳥飼先生の作品にはジャーマン・ロックやプログレッシブ・ロックのネタが多いのもポイントなんだよね!

「妄想女刑事」はタイトル通りに、宮藤希美があるフレーズや見て感じたことから、自分の世界の中で妄想に浸っている様子が面白かった。
当てずっぽうな推理も「本当に刑事か?」と思ってしまうほど、珍妙で愉快なものが多かったし、「鳥飼先生らしい!」と吹き出しそうになるシーンも多くて楽しく読ませて頂いた。
語り手が宮藤希美本人でなかったせいもあるけれど、SNAKEPIPEには宮藤希美を想像し難かったのが残念。
SNAKEPIPEの個人的な趣味で言うと、宮藤希美よりもオギッペのほうを主役してもらったほうが好みなのかもしれないね?
でもそれだと増田米尊とキャラクターが似てしまうのかな。(笑)

好き好きアーツ!#16 DAVID LYNCH—Hand of Dreams

【リンチ自身が登場する個展の案内用映像!愛・平和が最高!(笑)】

SNAKEPIPE WROTE:

ROCKHURRAHとSNAKEPIPEが二人揃ってオープンしたての流行の場所に出かけることはほとんどない。
今回は非常に珍しく今年の4月に開業したばかりの渋谷ヒカリエに行くことになってしまった。
理由はデヴィッド・リンチのリトグラフ展の鑑賞のためである。
なんとリンチの日本における個展開催は21年ぶりとのこと!
そ、そんなに前のことだったのか、とびっくりする。
更に驚くべきことはその21年前の個展にもリンチ・フリークであるSNAKEPIPEはちゃーんと出かけていることだ。(笑)

その時の話は以前「かもめはかもめ、リンチはリンチ」の中で軽く語っていたSNAKEPIPEだったけれど、もう少し詳しくその時の話を書いてみようか。
21年前、それは1991年のことである。
「デヴィッド・リンチ展開催のためリンチ本人が来日!
同時に日本初公開のリンチの実験映画も公開します。
観覧希望の方は○月×日までに往復はがきでお申し込みください。
希望者多数の場合は抽選にて云々・・・」
リンチ、来日、初公開映像、などなど魅力的な単語に目が釘付けになるSNAKEPIPE。
だけど「○月×日までに」と「抽選」の2文字が引っかかる。
その記事に気付いたのが、締め切りのわずか2日くらい前だったんだよね。
郵送していては間に合わないかもしれない!
気付いたのが遅かったのが悪いけれど、どうしても抽選に当たりたい!
ということでなんとその翌日、会場でもあり、往復はがきの宛先であった東高現代美術館に直接出かけることにした。
長年来の友人Mも一緒に表参道へと向かったのである。

「美術館の職員を見つけ、直接往復はがきを渡す」
という体当たり作戦を考えていたのである。
今から思い返すとかなり無謀だったけれど、その時の2人は真剣なのであった。
従業員用の出入り口を見つけ、見張ること数10分。
まんまと思惑通りに男性職員がドアから出てきたのである!
これはチャンス!(笑)
Mと2人で職員に走り寄り
「お願いしますっ!どうしても観たいんですっ!千葉から来たんですっ!」
と口々に叫びながら往復はがきを職員に手渡そうと必死の形相で詰め寄ったのである。
今から考えれば、表参道と千葉なんて大した距離じゃないんだけどね。(笑)

「わ、わかりましたからぁ・・・」

なんとか職員に往復はがきを手渡し、2人揃ってぺこぺこおじぎ!
「お願いしまーす!」
「ありがとうございまーす!」
何度も頭を下げ続けるせいで、職員はもしかしたら用事があって外に出るつもりだったのかもしれないけれど、中に入ってしまった。
ひとまず作戦は成功、職員にもお願いしたし、とすっかり満足したSNAKEPIPEとMなのであった。

それから数日後。
往復はがきが返信されてきたのである。
見事抽選が当たった!!!
リンチ本人が来日し、インタビューもある時に会場入りができるほか、日本初公開の映画も鑑賞できるのである。
なんてウレシイ話なんでしょ!
そしてびっくりしたのは、抽選に当たった人としてナンバリングされていたのがSNAKEPIPEとMが0001番と0002番だったこと!
きっとあの時の職員の方が何かしらの魔法を使ってくれたんだろうなあ。
今からでもお礼が言いたいよ!
あの時は本当にありがとうございました!(笑)

待ちに待った当日。
SNAKEPIPEは確か「SKIN TWO」と刺繍されたキャップをかぶって行ったように記憶している。
これ、SM用語だからきっとリンチなら解ってくれるかなと期待を込めてね。(笑)
整理券を持つ人の列とは別の場所で
「私も観たい~!入れてよー!」
と叫んでる女性がいる。
誰かと思ったらなんと桃井かおり!
映画上映前にトイレに行ったら、一生懸命アイシャドウ塗ってる桃井かおりが!
整理券持ってなくても特別に入れてもらったんだろうね。(笑)

映画はアルファベット(原題:THE ALPHABET  1968年)とグランドマザー (THE GRANDMOTHER  1970年)を上映。
リンチの原点ともいえる作品を鑑賞することができたのは嬉しかった。
もちろん個展も素晴らしかったな。
モノトーンの油絵がとても新鮮で、ちょっと子供の落書き風のタッチのように見えるのに実は内容が怖い。
リンチは映画もそうだけど、相反するような2つ以上の要素を組み合わせることで、より恐怖を作り上げていくのが得意なんだよね。

そしてこの時の一番の目玉はリンチご本人の登場だった。
白いシャツのボタンを一番上まで留め付けるいつものスタイル。
とても紳士的な人物に見えた。
リンチ評論家の滝本誠氏と今は亡き今野雄二氏がインタビュアーとして登場!
確かこの時滝本誠氏はリンチの絵を大枚はたいて購入しているはず。
インタビューの内容は失念しているけど、あの時の個展用図録は今でも大事な宝物だよ!

と、長い長い昔話を書いてしまった。(笑)
やっとここからが今回の、21年ぶりの個展の話になる。
渋谷ヒカリエでのリンチ個展を知らせてくれたのはROCKHURRAHだった。
たまたま何かの記事を検索している時に発見したらしい!
そして冒頭の文章につながるように、渋谷に出かけたのである。

渋谷ヒカリエは「大人の女性のための○○」というコンセプトだと、確かめざましテレビで言ってたような?(まためざましか!)
そしてそれが記憶違いじゃなかったようで、各フロア共ほとんどが女性が喜びそうな ショップばかりだった。
SNAKEPIPEとROCKHURRAHが気になったのは4Fのアウトドアファッションコーナー。
なんとここにはアークテリクスのレディスショップが入ってるんだよね!
ちらっと見に行ったけど、「ROCKHURRAH視察団/ARC’TERYX編」に書かれているように、銀座と金町行ったあとだからねー!
イマイチになっちゃったかな。
それにしてもヒカリエは全体的に店員の質が低いのが気になった。
もうちょっと「大人の女性のため」に接客できるような店員を確保できないもんかね?

そしていよいよ8Fにある8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryへ。
このフロアはいくつものギャラリーが併設されているようで、Tomio Koyama Galleryはその中の3番目になるのかな。
他にも大学生の作品(?)を展示しているようなコーナーがあったり、催事場みたいに何か商品を売ってるようなスペースもあったな。
入り口入ってすぐにあの独特のリンチの声が聞こえてくる。
「トミオ・コヤマギャラリーへようこそ」
とリンチ自身が出演し、観客に呼びかけているこの映像に笑ってしまう。
ツインピークスを思わせる赤いカーテン(モノクロだったけど、恐らく赤だろうね)に、重厚な音。
1967年の作品「SIX MEN GETTING SICK」を思わせる、遊び心満載のリンチらしい映像に加えて、最後に空中に書き殴る「愛」「平和」の文字。
確認してみるとどうやらちゃんと漢字をなぞっている様子。
やっぱりリンチ、最高だよね!(笑)

21年前に鑑賞したリンチの個展はほとんどが油絵だったはずだけど、今回は油絵は1点のみ。
それ以外はリトグラフの作品だった。
リトグラフって何?という方のために簡単に説明すると、クレヨンの独特のテクスチャや、強い線、きめ細かい線、筆の効果、インクの飛ばした効果など、描写したものをそのまま紙に刷ることができる版画の一種だそうで。
ということは、描いた通りの線の複製ができるということか。
そして今回のリンチのリトグラフは和紙に印刷しているようなので、にじみの効果が加わり、偶然性が出て面白い作品に仕上がっていた。

リンチの絵画を鑑賞するのが初めてのROCKHURRAHが
「こんなにすごい作品とは思ってなかった!」
と感想を言う。
かなり気に入った様子だったので、とても良かった。
確かに黒の使い方が力強くてとても迫力がある。
そしてほとんどの作品の中にタイトル文字を書いているところも特徴的。
この文字がまたとても良いんだよね!
「ただの絵も良いけど、文字が入るとポスターっぽくなってカッコいい!」
とタイポグラフィ大好きなROCKHURRAHも大満足。
そうなんだよね、リンチの文字に味があるというか、独自のフォントといっても良い仕上がりなんだよね!

今回の展示は鑑賞するためのものだけじゃなくて、なんと販売もされてたんだよね。
リトグラフ一枚225,000円だったかな。
お金があったら複数枚購入したくなっちゃうよー!
ちょっと無理をすれば買える金額だもんね。
壁一面リンチの作品、なんて夢のようじゃない?
やっぱりサマージャンボ買うか。(笑)

リンチは平面の作品だけじゃなくて、立体作品も制作しているのを海外のサイトで知った。
その作品もまた稚拙な雰囲気だけど怖いんだよね。(笑)
そんな作品群も鑑賞できたらいいなあ。
今回の個展でSNAKEPIPEがどれだけ長い間リンチのファンを続けているのか、そしてやっぱり好きだと改めて認識することができた。
まだまだ追っかけ続けないとね!(笑)

好き好きアーツ!#15 Diane Arbus

【キューブリック監督作品「シャイニング」にも流用されたダイアン・アーバスの代表作】

SNAKEPIPE WROTE:

毎週ブログの記事を考える時に、頭をよぎっていた女流写真家の名前がある。
いつか書いてみたいと思いながらも、どこから書き始めたら良いのか迷い封印してきてしまった。
ついに勇気を出して記事にしてみようと思う。
こんなに大げさな前置きは要らないかな?(笑)
「好き好きアーツ」14回目の特集はダイアン・アーバスである。
もしかしたらアメリカで最も有名な女流写真家かもしれない。
写真やアートに興味がある人なら、大抵は彼女の作品を目にしたことがあるはず。
上の双子の写真のように、オリジナルは知らなくてもキューブリック監督作品の中で流用されたイメージとして鑑賞した人も多いと思うしね。
ダイアン・アーバスの作品はとても人気があるようで、オークションにかけられると高値がついている模様。
ちなみに上の双子の写真は2004年に478,400ドル、日本円にしてな、なんと3700万円という金額が付いたらしい!
これ、今の円高で計算してるからね。
2004年だったらもっと高い数字になってるはずだよね。

SNAKEPIPEは、かつて熱心に写真の勉強をしている時にダイアン・アーバスを知った。
一番初めに観たのがどの写真だったのか思い出せないけれど、もっとたくさんアーバスの写真を観たいと思い探し求めた。
そして写真だけではなく、アーバス本人にも興味を持ったのである。
「炎のごとく―写真家ダイアン・アーバス」という分厚い本も読んだしね。(笑)
写真だけではなく、プライベートなことまで突っ込んで知ってしまったせいか、余計にブログの題材として重たい気がして書き出せなかったのかもしれないなあ。
まずはダイアン・アーバスの略歴をまとめてみようか。

ダイアン・アーバスは1923年、ニューヨーク生まれ。
ニューヨーク5番街にあったRussek’sという有名なデパート経営者である裕福な家庭で育っている。
1941年、18歳でアラン・アーバスと結婚。
1945年には第一子を、1954年には第二子を出産。
左の妊婦の写真は、ダイアン・アーバスが妊娠したよ、ということを夫であるアランに知らせるために撮ったセルフ・ポートレイト。
この時夫のアランは陸軍信号隊の写真家として従軍してたからね。
それにしても「あなた!できたわよ!」と手紙で知らせるのではなく、こんなヌード写真を戦地に送るとはさすがダイアン・アーバス。
きっと届いた写真を観てアランも驚いただろうね!(笑)
この妊婦写真のカヴァーを確か長島有里枝が撮ってたなあ。
きっと妊娠が発覚した時に「絶対アレをやったる!」って思ったんだろうな。
同じようにデカパンだったように記憶しているよ。(笑)
1946年にアランとダイアンは二人で商業写真スタジオを始め、ハーパース・バザールやヴォーグなどのファッション雑誌に写真を掲載する。
1956年にダイアンは商業写真を辞めて、以前もやっていた写真の勉強を再開する。
彼女を有名にした「あのスタイル」の始まりはこの時からである。
そしてまたエスクワイヤーやサンデー・タイムズマガジンなどの雑誌に写真を発表する。
1958年に夫と別居、1969年には離婚している。
1967年、近代美術館で「ニュードキュメント」展に参加。
1971年に薬を飲み、カミソリで手首を切り自殺。享年48歳だった。

SNAKEPIPEが何故ダイアン・アーバスの写真だけではなくて、本人にも興味を持ち伝記本まで読んだのか。
それはどうしてフリークスを撮影するに至ったか、何故自殺してしまったのかという謎を解きたかったからである。
実は「炎のごとく」を読んだのはかなり前のことなのではっきりした記憶ではないのだけれど、何人もの知的障害者と触れ合っているうちに
「私は彼らのように無垢な人間になれない」
と劣等感を持ってしまったみたいなんだよね。
言葉にするのが難しいんだけど、ダイアン・アーバスはフリークスに憧れ、聖なる存在のように考えていたようなのである。
ダイアン・アーバスは健常者だから、どうしても障害のある人と距離があるのは当たり前なんだけどね。
48歳で亡くなるとは、非常に残念でならない。

数年前にダイアン・アーバスを題材にした映画が公開される、という情報は知っていた。
邦題も知らず、日本公開されたのかどうかも不明のまま何年も経ってしまった。
偶然DVDを発見した時には飛び上がって喜んだにも関わらず、鑑賞したのはそれからまた更に1年程経過してから。(笑)
手に入ったことで満足しちゃうことってあるよね?
そして「毛皮のエロス ダイアン・アーバス 幻想のポートレート」(原題:Fur-an Imaginary Portrait of Diane Arbus 2006年)を鑑賞したのは、つい先日のことである。
「これは伝記映画ではありません」
と最初に断り書きがあった。
てっきりドキュメント風の映画だとばかり思っていたSNAKEPIPEなので、どんな話なのかさっぱり見当がつかないまま鑑賞する。
主演はニコール・キッドマン、多毛症のフリークス、ライオネル・スウィーニーを演じるのがロバート・ダウニー・Jrである。
1958年のニューヨーク、すでにアランと共に写真スタジオを始め、二人の娘も成長している。
前述した年表から1958年というのは夫と別居した年になっているため、その年に焦点を当てたんだろうね。
鑑賞を進めるうちに「伝記映画ではない」理由が判ってくる。
同じアパートメントに越してきた男・ライオネルの家を旦那に内緒で訪問するダイアン。
初めて見た時から怪しい男だと思っいたのに、何故か写真のモデルをお願いしに行く。
そして彼が世にも不思議な多毛症という病気であることを知り、益々ライオネルに惹かれていくのである。
ダイアン自身が秘密にしていたフリークスへの強い興味が、この時開花する。
家事や育児は放棄、朝帰りは当たり前という、母親でも妻でもない「女」という役割だけに専念するダイアン。
一応言い訳は「ご近所さんの写真を撮るため」だったんだけど、写真活動もほとんど行なっていないんだよね。
そしてライオネルの紹介で大勢のフリークス達と友達になるダイアン。
フリークス達を勝手に家に呼び込み、パーティを開いたりする。
これに夫が黙っているわけないよねー?
夫や子供達を裏切るような行為はいかがなものか?
あまりの身勝手さに別居も当然だろう、と思ってしまう
フィクションで良かったなあ。(笑)

それにしてもライオネル、外出する時には頭にマスクをかぶり怪しい人物この上なし!
家の中ではマスクを脱いで毛むくじゃらのままなんだけど、これが「スターウォーズ」のチューバッカそっくり!(笑)
部屋の装飾も不可思議なモノがたくさんあったり、フリークスの写真を写真立てに入れて飾っていたりする。
ちなみにライオネルが住んでいるのはアパートメントの最上階なんだけど、地下にも怪しい人物が住んでいる設定である。
自分が住んでるアパートメントがこんなに謎だらけってすごいよね。(笑)
恐らくこの映画の監督であるスティーヴン·シャインバーグは、デヴィッド・リンチにかなり影響を受けているように感じたね。
音の使い方と、小さな隙間をクローズアップしていく手法はまるで「イレイザー・ヘッド」でのラジエーターのシーンみたいだったからね!(笑)

映画の中でダイアンが
「5歳の時に顔に大きなアザがある男の子に出会って興味を持った」
「あの男の子はとてもキレイだった」
と後の嗜好に通じる話を語るシーンがあったのが印象的だった。
映画のところどころにダイアン・アーバスの写真を彷彿とさせるシーンを盛り込んだところも「なるほど」という感じ。
ライオネルを通じてフリークス達を知ることになる流れも、その後のダイアンの写真活動を解りやすくしたんだろうね。

小人、 巨人、性倒錯、ヌーディスト、サーカスパフォーマー、知的障害などの逸脱し規格外の人々を心から美しいと感じ、正面から向き合い、同化したいとまで願った女流写真家ダイアン・アーバス。
彼女と全く同じ気持ちになれる人は少ないのでは?
ただ被写体と撮影者の距離の近さがなければ表現できなかったであろう、写真としての力強さとインパクトの凄さは、SNAKEPIPEも存分に感じることができる。
フリークスと同じ目線で生きていきたいと願ったダイアン・アーバスの仕事は、恐らく誰もマネすることができない境地だろうね。
今まで一度もダイアン・アーバス展を鑑賞したことがないので、機会があったら是非行ってみたいものだ。

好き好きアーツ!#14 貴志祐介 part2

【ROCKHURRAHが80年代PVっぽく制作してくれたよ!いいね!(笑)音が出るので注意!】

SNAKEPIPE WROTE:

先週予告していた通り、「好き好きアーツ!貴志祐介」の第二弾を書いていこうか。

では「青の炎」(1999年10月 角川書店 / 2002年10月 角川文庫)からいってみよう!
主人公はロードレーサーで学校に通う17歳の高校生である。
幼い頃に父親を亡くし、母と妹との3人暮らしをしている。
そこへ10年前に離婚した養父が現れ、まるで我が家のように傍若無人なふるまいをする。
つつましやかだけれど、幸せだった3人の生活を取り戻すために主人公が考えたのは養父殺害の完全犯罪だった。

「青の炎」は2003年に蜷川幸雄監督作品として映画化されている。
この映画はかなり原作に忠実に作られていて、良い出来映え!
キャスティングが良かったんじゃないかな。
主人公を演じたのはジャニーズ事務所所属「嵐」の二宮和也。
ウチのブログの中でジャニーズ系の名前が出てくるのは初めてじゃないかな?(笑)
二宮和也は、原作通りの印象で主役を演じきっていた。
これを観た時にはちょっとびっくりしたSNAKEPIPE。
ジャニーズ=アイドルしか知らない世代だから許してね。(笑)
最近のアイドルは芸達者なのね!
「鉄コン筋クリート」の声優としての技量もなかなかだったしね!
この主人公が自宅のガレージを改造して、自室にしているところが羨ましかった。
自慢のロードレーサーもそのまま部屋に入れて、まるでアジト!
あの環境はみんな憧れちゃうよね。(笑)

酒飲みで暴力をふるう養父役として出演していたのが山本寛斎
何故世界的に有名なファッションデザイナーであるKANSAIが出ることになったのかは不明だけど、その演技力には目を見張るものがあった。
「蛇の道は蛇」じゃないけど、やっぱり「芸事」に通じている人というのは、何をやっても上手なんだね。
他にも俳優として活躍しているのかと思いきや、映画出演はこの一作だけみたい。
悶絶死の様子はものすごい迫力だったね!

もう一人気になる俳優は中村梅雀かな。
昔大竹しのぶと共演していたドラマを観たことがあり、強く印象に残っていた人物だった。
大竹しのぶ!
先週記事にした「黒い家」での主演女優の名前がここでも出てきたね。
あの時のドラマ、なんだっただろうと調べてみたら「存在の深き眠り」という1996年に全6回シリーズでNHKで放映されたドラマだったよ。
ぎゃっ、16年前っ!(笑)
そのドラマの中で大竹しのぶと中村梅雀が夫婦役を演じ、なんと大竹しのぶは多重人格の役どころだったんだよね。
大竹しのぶ、多重人格、ってそんまんま貴志祐介につながるよね。(笑)
多重人格は病気だから治療しよう、と暖かく見守る優しい夫役が良く似合っていた中村梅雀。
あのドラマ、もう一回観たいな。
中村梅雀は「青の炎」で刑事役で出演していた。
完全犯罪を目論む主人公の気持ちが解るので、ちょっと主人公に肩入れして「できればこのまま完全犯罪として成立して欲しい」と思ってしまった人が大多数じゃないかな。
「太陽がいっぱい」の時にも同じような感想を持ったSNAKEPIPEだけれど、それを許さなかったのがこの刑事。
とても良い味出してたね。

これで貴志祐介の「黒」「クリムゾン」「青」の色シリーズ(勝手に命名)は終わるのかな?
また違う色で書いて欲しいよね!(笑)

続いては「新世界より」(2008年1月 講談社【上・下】 / 2009年8月 講談社ノベルス / 2011年1月 講談社文庫【上・中・下】)。
SNAKEPIPEが読んだのは文庫版だったので、上中下巻という3冊だったよ!
いやあ、長編好きのSNAKEPIPEでも「な、長いっ」と思ってしまう程の長編SF。
と、簡単にSFと書いてしまったけれど、「1000年後の世界」を舞台にしているからSFとされているだけじゃないかな。
SNAKEPIPEだったら「空想未来小説」とジャンルにしたいけどね。(笑)
でもこれ、2008年の日本SF大賞受賞だって。
やっぱりSFで良いのか?

1000年後の日本、神栖66という利根川近くのコミュニティが舞台になっている。
その時代には、全員が「呪力」と呼ばれる、いわゆる超能力を使うことができ、例えば重たい物を持ち上げる時には呪力を使用するのが当たり前。
呪力に関する部分だけが未来的で、それ以外は通信手段がなかったり、奴隷制度が復活していたり、全ての情報が手に入らなかったりする、今よりも不便を感じるところも多い世界なのだ。
そして遺伝子操作を行なうことで現代には存在していないような生物や、自然に進化(もしくは退化?)した聞いたこともない動物が登場する。
見聞きしたことのない生物や動物についての記述は詳しくされていて、ある程度の想像はできるんだけど、やっぱり荒唐無稽な感じはしちゃうよね。(笑)
そして絶対服従を誓っていたはずの奴隷的存在が、クーデターを計画し戦争が勃発。
小さなコミュニティは存続の危機に陥いるのである。

・全ての情報を管理する世界になっていて、少しでも管理に不都合な情報は人の目にふれさせないように封印。
・人間のことを子供時代から徹底的に監視し、社会的に不適合だと判断した場合には排除。
・人が人を攻撃すると最終的には死に至るように遺伝子組み換え操作を行い、殺人を防ぐ。
人に管理番号付けて、生まれた時から死ぬまでその番号で管理しようとするような話は聞いたことがあるし、映画「未来世紀ブラジル」を思い出す。
絶対的に服従する立場だったはずなのに、いつの間にか知能が高くなっている動物が登場する部分は「猿の惑星」を思わせる。
そしてもう一つ特徴的だったのは「同性愛が奨励」されていた点かな。
管理されている社会だから、勝手に子供を作るのもタブーなんだよね。(笑)

1000年後の世界なので、ありそうな部分と「?」の部分の両方がありSNAKEPIPEは混乱することも多かった。
そして前述したように現代と比べて進化と退化の両方が描かれていて、その点もちょっと解り辛かった。
長かった割には…イマイチ…だったな、SNAKEPIPEにはね!(笑)
やっぱり貴志祐介は次に紹介するような「本当にありそうな話」のほうが好きみたい。

悪の教典(2010年7月 文藝春秋【上・下】 / 2011年11月 文藝春秋ノベルス)は、そのブックデザインを見た瞬間に上下巻共すぐに買ってしまった。
カラスと目が合ったもんで。(笑)
あ、カラスとだけ書くと観察者・鳶さん(鳥飼否宇先生著作の登場人物)に叱られてしまうけど、種類が判らないから許して!

「生徒に絶大な人気を誇り、
PTAや職員の間でも抜群に評判のいい教師が
反社会性人格障害(サイコパス)だったとき、
惨劇へのカウントダウンが始まった。

英語科教諭・蓮実聖司、32歳。
暴力生徒や問題父兄、淫行教師など、現代の学校が抱える病理に
骨まで蝕まれた私立高校で、彼は何を行ったのか。

高いIQをもつ殺人鬼は、“モリタート”の旋律とともに
犯行を重ねていく。 」

と特設サイトにあらすじが載ってるよ。
「サイコパス」は「黒い家」の菰田幸子、「高いIQを持つ」主役は「青の炎」の櫛森秀一を思わせるキャラクターなんだよね。
そうね、櫛森秀一が完全犯罪を計画通りに進めて、そのまま大人になったとしたら蓮実聖司みたいになったかも?
「外面が良い人」っていうのはどうも昔から信用できない、と考えるSNAKEPIPEにとっては「やっぱりね」って感じなんだけどね。
「表面的にはニコニコしている人」が「裏では何やってるか知れたもんじゃない」ということが多いような気がするのはSNAKEPIPEだけじゃないんじゃないかな?
だから「悪の教典」は「ありそうな話」だと思うし、後半が支離滅裂になる部分も逆にリアルな感じがしたね。
「もうこうなったら全員殺っちゃえ」みたいな心理ね。
この小説に関して批判的な意見を書いている人も多かったみたいだけど、SNAKEPIPEは夢中になって読んだ。
「マック・ザ・ナイフ」も効果的な使い方されててナイス!

特設サイトには「映画化決定」って書いてあったんだけど、大丈夫なのかな。
何故ならこの小説ってスプラッター映画になっちゃうだろうからね。
やっぱり監督は三池崇史かなあ?(笑)
主役を誰が演じるのか、などの詳細はまだ発表されていない模様。
そしてどうやら「悪の教典」の続きもあるみたいね。
いいね!いろいろ楽しみ!(笑)

そして貴志祐介にはまだもう一冊読んでない本があることを知ったよ。
「ダークゾーン」があるんだね。
これも入手して読んでみよう!