ROCKHURRAH紋章学 ペントアワード編

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L’Anjub Breweryのベラ・チャオはMarçalデザインのインパクトがあるパッケージ!】

SNAKEPIPE WROTE:

約3ヶ月ぶりに更新するカテゴリー「ROCKHURRAH紋章学」。
今回は、世界的に有名な国際的なパッケージング・デザイン・コンペティションである「pentawards(ペントアワード)」を特集していこう。

ペントアワードは、2007年に設立され、賞の運営本部はベルギーのブリュッセルに置かれているという。
優れたパッケージング・デザインを称賛し、業界のイノベーションとクリエイティビティを奨励することを目的としているペントアワード。
受賞作品は、世界中のデザイン・コミュニティやメディアで注目され、国際的な認知と名声を得る機会となっているというから、デザイナー垂涎の的だろうね!
毎年数千を超えるエントリーがある中、ダイヤモンド、プラチナ、金、銀、銅という受賞作が決定される。
なんだか楽天会員のレベルみたいだね。(笑)
2023年の受賞作は全部で392あるけれど、ナンバーワンのダイヤモンド受賞は1作品のみ。
毎年1作品だけ、もしくは該当なしとなっている厳しい審査が待っているようだね。
2007年からのダイヤモンド受賞作を古い順に見ていこう!
世界トップレベルのデザイン、楽しみだね。(笑)

2007年ペントアワード初回のダイヤモンド賞受賞作品はこちら。
デザインブリッジ・アムステルダムがデザインしたSwinckelsというビールだよ!
オランダのビールといえばハイネケンを思い浮かべてしまうけれど、スウィンケルズも知名度が高いビール・メーカーとのこと。
創業1680年というから340年以上の歴史があるんだね。
画像で見ているだけでは、ダイヤモンド賞受賞の決め手になる優れたデザイン性を感じることができないSNAKEPIPE。
今から17年前には斬新だったデザインが、今では特別感がなくなっているのかもしれない。
実物を見てみたいよね!

2008年の受賞作品は、フランスのPiper Heidsieck (パイパー・エドシック)。
パイパー・エドシックは1785年に創業したシャンパーニュ・メゾンで、なんとあのマリー・アントワネットに献上されたという。
マリリン・モンローは「毎晩1滴のシャネルNo.5を纏って眠り、毎朝一杯のパイパー・エドシックで目覚める」と語っていたとか。
シャネルの話には続きがあるとは知らなかったよ。(笑)
ダイヤモンド賞を受賞した限定版のシャンパンをデザインしたのは、フランスのSleever International
ボトルを完全に逆さまにしてるんだよね!
格式高いブランドが面白さを売りにしただけではなく、品質にも文句なしと太鼓判を押す商品に仕上げている点が評価されたのかな。
コルクの部分がどうなっているのか謎だね!

2009年はティッシュでお馴染みのクリネックスが受賞。
三角形のボックスに描かれたジューシーな果物は、見ていて楽しいよね!
アメリカでは、このクリネックスが大ヒットしたみたいだよ。
日本では四角い箱のタイプしか販売されていないので残念。
「スライス・オブ・サマー」と名付けられたパッケージのイラストを描いたのはヒロコ・サンダース
今にも果汁が流れ出してきそうなリアルな仕上がりだよね!
ヒロコ・サンダースのサイトには、イラスト以外にも商品化されたパッケージ・デザインが載っていて、日本の商品も手掛けていたことがわかる。
コンビニやスーパーで目にしていたかもしれないよね!

2010年のダイヤモンド賞には、日本のメーカーであるホーユー株式会社の3210(ミニイレ)のパッケージが選ばれたんだね。
日本のデザインが世界のトップに輝くとはすごい!
ホーユーはヘアカラーで有名な会社だよね。
受賞した作品は美容室で使用されるプロ用のスタイリング剤とのことなので、一般には流通していないんだね。
デザインを手掛けたのは株式会社アサツー ディ・ケイ(ADK)。
くにゃっとした不思議な形は、手に馴染むように工夫されているという。
心地良い重さも重視し、ガラスが採用されているんだって。
美容室で見かけたら触らせてもらいたいね!

2011年はスウェーデンのミネラルウォーター・ブランドであるRamlösa(ラムローサ)がトップの座に。
ラムローサは北欧で人気のある発泡性の高級ミネラルウォーターとのこと。
炭酸ミネラルウォーターといえばペリエを思い浮かべるけど、ラムローサは日本でも販売されているのは不明だよ。
受賞作はGROWがデザインしたという。
ここまで書いて、2019年10月の「ROCKHURRAH紋章学 ウォーター・ボトル編」でも特集していたことを思い出したよ!(笑)

PETボトルでこのカッティングとは!
二酸化炭素排出量を大幅に削減し、デザイン・アワードも受賞したというから大成功だよね。
このスパークリング・ウォーター飲んでみたいよ!

以前書いていたことと同じことを言おうとしてしまった。
書いていたことを思い出しただけでもエライ、ということにしておこう。(笑)

2012年はコカ・コーラのダイエット・コークがダイヤモンド賞を受賞。
担当したのはTurner Duckworthという1992年創業のロンドン、ニューヨーク、サンフランシスコに拠点があるデザイン事務所だという。
ターナー・ダックワースのサイトを見ると、世界的に有名な企業がクライアントになっていることがわかるよ。
ダイエット・コークのデザインは、シルバーをバックに黒と赤だけを使用し、フォントだけで勝負して非常にシンプルだよね。
このズバッと切り取ったところが潔くてカッコ良い!
缶の形などは変わってないのに、新鮮に見せるところがテクニックなんだろうね。

今回は2007年から2012年までの6作品を特集してみたよ!
世界レベルの優れたパッケージ・デザインは見ていて楽しいね。
2023年までの受賞作を紹介するのは、次回以降にしよう。
続きをお楽しみに!

ビザール・ポスター選手権!54回戦

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【1922年10月に刊行されたポピュラー・サイエンス紙の表紙。悪魔が車に悪さしているシーンだって】

SNAKEPIPE WROTE:

2024年3月の「箱根初上陸!ポーラ美術館」をはじめ、今まで何度も1920年代への憧れについて語ってきたことは、皆様ご存知のはず。
シュルレアリスム、ロシア構成主義、バウハウス、ダダやアール・デコなど、現代アートの礎を築いた年代だからね!
一般庶民の生活はどうだったんだろう?
フランスではカッサンドル、ロシアではロトチェンコリシツキーの作品が街を彩っていたようなので、文化的な意識が高かったことが想像できるよ。
今回の「ビザール・グッズ選手権」では、1920年代(一部は1930年代)の庶民向けポスターを特集しよう。
生活に密着したポスター類、早速見ていこう!

電話で楽しげに話す女性が描かれている。
電話の宣伝なのかと思いきや「JELL-O」と「America’s Most popular dessert(アメリカで最も有名なデザート)」の文字が!
これはジェローというゼリーの宣伝用ポスタだったんだね。
日本でいうところのゼリエースみたいな感じ?
調べてみるとジェローは1897年に商標登録され、1904年には「アメリカで最も有名なデザート」のキャッチフレーズが採用されているという長い歴史があるという。
女性が誰に対してジェローを注文しているのかは謎だけど、商品そのものを載せない広告として斬新!
それほどまでにジェローが一般家庭に普及していた証なんだろうね。

続いては帽子の広告だよ!
これはデントン・ハットのアッタボーイ・ソフト・フェルト・ハットという商品らしい。
1702年に、イングランドのマンチェスターにあるデントンで初めてフェルトの帽子が製造され、それ以来デントンは帽子産業で栄えたという。
300年以上も歴史があるとは、さすがイングランド!(笑)
イギリス製のソフト帽は、1920年代の身だしなみには欠かせないアイテムだよね。
強風に飛ばされる帽子を描いた広告、情緒があって素敵だよ!

続いてはアンリ・モリニエのグラフィック作品ね。
このポスターは、1932年の物らしい。
ステラというフランスの家具メーカーが「不動の椅子」として特許を申請したのは、1922年のことだというから、こちらも歴史のあるメーカーなんだね。
ル・コルビュジエはん(安藤忠雄風の呼び方)と同世代のレオン・リュイソーによって発明された「LUCETA」という椅子は、「誰も分解できない」強度が高い商品として絶賛されたという。
そうした技術に関する特許取得だったんだね。
ポスターは椅子を壊そうとしている人物が描かれ、虫眼鏡で構造をアップして見せる技法が採用されている。
「こんなことではびくともしませんよ」と強調しているところが面白い!
現在もステラは存続していて、このポスターがロゴになっていることを知り嬉しくなったよ。
今でも当時の椅子を使い続けている人も多いだろうね!

次はちょっとセクシー系の広告だね。
これはMUM(マム)という制汗剤の宣伝とのこと。
「男性が決して口にしないが、すべての女の子が知っておくべきこと」や「清潔さを怠る女の子は人気者になれない」など、扇状的な文章が並んでいるという。
唇に指を当てている女性が、何か秘密にしておきたいような、悪巧みする表情に見えてしまう。
「マム」は、脇の下と「その他の場所」に使用するよう指示されているというので、広告の女性の表情と併せて「いかがわしい」想像を膨らませてしまうよ。
この制汗剤を買う時には、勇気が必要だったかもね?(笑)

最後はこちら!
THO-RADIA」というフェイシャル・クリームのポスターだよ。
化粧品の広告なのに、下からの光源により、まるでホラー映画みたいに見えてしまうよ。
調べてみると、どうやら光源はラジウムを表しているんだとか。
「循環を活性化し、組織を引き締め、油分やしわを取り除くなどの効果がある」として実際にラジウムを含んだ商品が販売されていたという。
2023年9月に刊行された京極夏彦17年ぶりの長編小説「鵼の碑」にも、何度となく出てきたワードがラジウムだったよ。
「鵺の碑」の文中にもあったけれど、ラジウムは放射性物質と認定される以前は、むしろ健康に良いとされていたという。
フランス製のクリームは、1937年に規制が変わるまで同じ配合で製造されていたみたい。
使用した人はどうなったのか、怖くて調べられないよ。
研究が進むと、信じられてきた常識が覆されることがあるという例になるポスターだね。

今回は1920年代と30年代の広告を特集してみたよ。
当時の人たちがどんな生活を送っていたのか、少しは垣間見ることができたかもしれない。
1920年代についてもっと知りたいので、今回の続編を検討してみよう。
次回もお楽しみに!

Holidays In The 散歩 大倉山公園

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【花曇りの日にお花見を決行!】

SNAKEPIPE WROTE:

毎年桜の季節になると、どこかしら花見に出かけているROCKHURRAH RECORDS。
以前記事にしたのは2022年4月の有名なお花見スポット「千鳥ヶ淵公園」!
昨年は近所でお花見したっけ。
さて今年はどうしようか、とROCKHURRAHと相談する。
せっかく神奈川県民になったことだし、今まで行ったことがない場所を散策してみようか。
ROCKHURRAHが提案してくれたのが「大倉山公園」という梅の名所。
桜もキレイとの情報があり、散歩がてら出かけることにしたのである。

今年の3月は雪が降ったり夏日近くまで気温が上がったりして不安定な気候だったよね。
桜の開花宣言は例年より遅く、東京は4月4日が満開の予報だった。
昨年の花見は、春分の日の頃だったので2週間違っているんだね。
薄曇りで寒そうな予想だけど、お弁当を持ってLet’s Go!(笑)

東横線の大倉山駅は、今まで一度も降りたことがないよ。
ROCKHURRAHが、大倉山には「ギリシャ風建築風情が漂うエルム通り」という商店街があること、大倉山記念館というレトロな建築があることを教えてくれた。
大倉山駅西口を道なりに歩くと、そこがエルム通り。
確かにギリシャ風の柱を使った建築がいっぱい!
商店街全体でムードを盛り上げているのが良く分かるよ。
駅方向に戻り、大倉山公園を目指す。
東横線の線路沿い、急坂なんだよね。
上がって上がって、また上がって。(笑)
ようやく「大倉山公園」というプレートが見えてくる。
寒いと思って厚着してきたROCKHURRAHとSNAKEPIPEは、坂で汗をかいてしまったよ!
この道を毎日行き来している住民の方は大変だろうなあ。

公園の中を歩いていくと、大倉山記念館が見えてくる。
想像していたよりも広大で、重厚な建築だよ!
「大倉山記念館は大倉邦彦氏により昭和7年(1932年)に創設された90年を越える歴史を誇る建造物です」と記念館のサイトに説明がある。
大倉邦彦氏というのは、実業家であり教育にも力を入れていたそうで、大倉精神文化研究所を設立したんだとか。
巨額の私財を投じて竣工された建築とは驚いてしまうよ。

1981年に大倉精神文化研究所は敷地を横浜市に売却し、研究所本館を横浜市に寄贈したらしい。
公園が作られ、建物を整備して1984年に横浜市大倉山記念館として開館した歴史があるんだって。
建物の中に入ってみよう。
雰囲気が目黒の庭園美術館に似ているね、と話しながら階段を上る。
旧朝香宮邸(庭園美術館)の創設が1933年なので、同時代になるんだね。
階段を上がると内部がシンメトリー構造だと分かる。
凝った石の彫刻と三角形の意匠が特徴的だね。

上を見上げると吹き抜けになっていて、彫刻が並んでいる。
獅子と鷲が交互に配置されているんだよね。
地を駆けるライオンや空を飛ぶ鷲のように強くなれ、というメッセージなのかな。
東西文化の融合を建築理念として、プレ・ヘレニック様式が採用されているという。
プレ・ヘレニック様式とは「古代ギリシャ以前の」という意味で、設計を手掛けた長野宇平治が命名したというから面白い。(笑)
荘厳な建物だけれど、開放されているのは嬉しいね。

記念館を出て大倉山公園に向かう。
映画やテレビの撮影にも使われているというのが納得のカッコ良さ!
SNAKEPIPEは、天知茂が明智小五郎を演じた「江戸川乱歩の美女シリーズ」の舞台にピッタリとイメージしたよ。(笑)
暗くなったらホラーも似合うかもしれないよね。
桜を鑑賞する前に何枚も撮影してしまったよ。(笑)

大倉山公園は敷地が広くて、かなりの距離を歩いたよ。
高台に階段を使って上ると、誰もいないガランとした空間が広がっている。
のんびり歩くには最適な公園だね。
ピンクが濃い目の桜と白っぽい桜が楽しめる場所でお弁当を広げる。
桜からは少し遠かったけど、キレイな景色だよね!
太陽が出てきて、風が心地良い。
今年も良いお花見ができて良かった。
大倉山公園は、また別の季節に歩いてみたいなと思ったよ!

映画の殿 第63号 韓国ドラマ編 part18

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【良い味出してる俳優がいっぱい】

SNAKEPIPE WROTE:

約3ヶ月ぶりに更新する「映画の殿 韓国ドラマ」編だよ!
今回は4本のドラマを紹介していこう。
ROCKHURRAH RECORDSが鑑賞した順番で書いているので、制作年順ではないからね。(笑)
新作あり過去の作品ありでお届けしよう!

「憑依~殺人鬼を追え~(原題:빙의 2019年)」は、主役のソン・セビョクが気になって観たかったんだよね。
マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜(原題:나의_아저씨 2018年)」で主役3兄弟の三男役が印象的で、他の出演作を探していて見つけたドラマ。
マイリストに登録していたけれど、やっと観ることにしたのである。

生まれながらに並外れた霊能力をもつ美女と、根はやさしいが粗野でさえない刑事。
ひょんなことから出会った2人が、時を超えてよみがえった最悪の殺人鬼に挑む。(Filmarksより)

ドラマが始まった数回はコミカルさとホラー要素が混ざった面白いストーリーだった。
回を重ねると、タイトル通り霊に憑依されて主役が別人に変化してしまい、ドラマの雰囲気も重苦しくなってしまう。
最後まで観るのが辛くなり、惰性で(?)観終えた感じ。(笑)
「霊能力がある美女」と紹介されていたゴ・ジュンヒは、せっかくヒロインに抜擢されたのに、出来の良くない展開のせいで気の毒だったよ。
「憑依」は、あまりお勧めではないドラマだね。

次は続きが気になる面白いドラマにしよう、とROCKHURRAHが選んでくれたのが「殺人者の買い物リスト(原題:살인자의 쇼핑목록 2022年)」。
「韓国No.1を探せ」などのバラエティ番組や「ライブ~君こそが生きる理由~」や「サウンド・オブ・ハート」などで馴染があるイ・グァンスが主演のドラマと聞くと期待しちゃうよ。
グァンスが出ているドラマや映画に外れなし、とSNAKEPIPEは確信しているから。(笑)
根は優しいけれど、運がないという役がピッタリなんだよね!
あらすじはこちら。

実家がスーパーを営むテソンは、子供の頃、天才的な記憶力で偽札を見つけ、母と共に犯人を捕まえる。
そして今、彼は公務員試験に何度も失敗し、彼女とは別れる寸前。
公務員を諦め、スーパーで働き始めたテソンはある日、常連客の死体を発見するが…。(UNEXTより)

日本語字幕付きの予告が見つからなくてごめんなさい。
スーパーマーケットが舞台のドラマで、購入履歴を犯人逮捕につなげていくところが面白い。
スマホの登録名が名前ではなく「鮮魚担当」「精肉担当」など、スーパー内での部署名になっているところも笑ってしまった。
出てくる人全て怪しく見えてくるので、サスペンス・ドラマとしても成功していると思う。
グァンスはいつも通り、とても良い味出していて、「殺人者の買い物リスト」もやっぱり当たりだったよ。(笑)

「もうすぐ死にます(原題:이재, 곧 죽습니다 2023年)」はウェブトゥーンが原作のファンタジー転生ドラマだという。
ファンタジーと転生と聞くと、鈴木光司の小説「楽園」を思い出すよ。(笑)
ROCKHURRAHはそれより前の「火の鳥」を連想したという。
「楽園」は壮大な恋愛小説だったけれど、「もうすぐ死にます」には試練が待ち受けていたよ。
主演は「元カレは天才詐欺師」や「主君の太陽」のソ・イングクと「三食ごはん 山村編」や「パラサイト」に出演したパク・ソダム。
ポスターではソダムの化粧が濃い目だよね。

地獄行き間際のイジェが12回の死と生を経験することになる転生ドラマ(Filmarksより)

転生して12人に生まれ変わる物語なので、回ごとに主役の顔が変わってるんだよね。
ビューティー・インサイド(原題:뷰티 인사이드 2015年)」も似たシチュエーションの映画だったことを思い出す。
「もうすぐ死にます」で転生の度に変わる主役は、ドラマや映画で観たことがある豪華キャスト!
見目姿が変わっても魂(攻殻機動隊的に言うとゴースト)は一つで、記憶が受け継がれていくんだよね。

ソ・イングク演じるイジェは、7年の就職浪人生活に嫌気がさし、自ら命を絶ってしまう。
高い自殺率の韓国ならではなのかもしれないけど、ドラマや映画での自殺シーンって多いんだよね。
思いを踏みとどまらせる意味も含めて、罰を受ける内容のドラマにしているのかもしれない。
オンマ(母親)役のキム・ミギョンは、今まで数々のドラマで観ている「国民の母」だけれど、「サウンド・オブ・ハート」が強烈過ぎて、感動シーンにイマイチ乗れなかったSNAKEPIPE。
以前の役どころのイメージが強い時に起こる現象だから仕方ないかもね?

恋のスケッチ〜応答せよ1988〜(原題:응답하라 1988 2015年)」を観る前に「花より青春 アフリカ編 〜双門洞4兄弟」を観ていたROCKHURRAH RECORDS。
「花より青春」は「恋のスケッチ」収録後の2016年にドラマに出演していた4人の俳優がアフリカを訪れたバラエティ番組だった。
野生の動物を見たり、ヴィクトリアの滝を観光する旅で面白かったよ。
プロデューサーは「三食ごはん」と同じナ・ヨンソクとのこと。
有名な俳優の素顔を見せる企画という点が共通しているよね。(笑)
「恋のスケッチ」は大人気のドラマだったらしい。
あらすじから書いてみよう。

韓国で初めてオリンピックが開催された1988年。
この年は国中がお祭りムードで活気が溢れていた。
学校の成績よりもオシャレに興味津々な普通の女子高生ドクソンは、両親と姉、弟の5人家族。
ドクソンには、小さい頃から兄弟のように育った4人の幼なじみであるサッカー好きのジョンファン、優等生のソヌ、お調子者のドンリョン、そして天才囲碁将棋のテクたちがいた。
ある日、友達からの一言がきっかけで、ドクソンはソヌを意識はじめる。
しかし、ソヌが思いを寄せていたのはドクソンではなくドクソンの姉ボラだった。
それを知ったドクソンは失恋。
そんなドクソンをそばで見ていたジョンファンは、少しずつドクソンのことが気になっていた。
さらにテクも、ドクソンのことが好きだと宣言!
そんな二人の恋のバトルは…?(Amazonプライムビデオより)

80年代のソウル道峰区双門洞を舞台に、ご近所さんたちが助け合って暮らしている。
主役の女子高生と幼馴染の男4人が繰り広げる青春ラブ・ストーリーと言ってしまえば簡単だけど、ドラマに登場する人達のキャラクターがみんな濃いんだよね!
SNAKEPIPEが気に入ったのは、母親たちの「あけすけ」な会話。
まるでアルモドバルの映画に出てくるスペインのおばちゃん達みたいなんだよね。(笑)
父親たちも負けていなくて、みんな良い味出してるの!
主役のドクソンを演じたヘリは、アイドルグループ出身とは思えない、おバカな顔を見せて笑わせてくれる。
最終回が近づいてくると恋の行方が分かってくるけれど、ドクソンが真面目になってしまい残念だった。

私たちのブルース(原題:우리들의 블루스 2022年)」は済州島が舞台で、村で暮らす人々が共同体として生活している話だった。
村と横丁の違いはあるけれど、お互いが相手の家の事情を全て知り尽くしているという状況が似ていたよ。
血がつながった親戚以上に深いつながりがあるというのは、安心感と鬱陶しさが混在しそうだよね。
「恋のスケッチ」では、「おかず」を分け合ったり、小さな子どもを交代で預かったりして、みんなで協力し合っていて微笑ましかったよ。
SNAKEPIPEは田舎が舞台のドラマが好きなのかも。(笑)
「応答せよ」は他にも「1994」と「1997」があるので、機会があったら観てみよう。

今回は4本のドラマを紹介したよ。
最初の「憑依」以外は3本とも面白かったので、お勧め!
ドラマ鑑賞は続いているので、また感想をまとめていこう。
次回をお楽しみに!