【本編で紹介しきれなかったピーター・マーフィのマクセルCM。歌ってないけどね】
ROCKHURRAH WROTE:
前回に引き続き80年代のTV CM編の第二弾をやるつもりで、やる気だけはあるんだが・・・。
前の記事は割と長く書いたわりには読み返してみても自分でもイマイチだと感じたよ。
たぶんCMに使われたのがこの時代には誰でも知ってるようなメジャーなバンドだったりで、ROCKHURRAHが個人的に聴いてきたニュー・ウェイブとは少し違うかな、と思いながら書いたせいかもね。
誰も知らないようなバンドをテキトーに書いた方が自分でも楽なのはわかってるけど、途中で終わったから一応続きは書かねば。
などと冒頭から悲壮な(?)決意で後始末をしようとしてる時点で、この企画が失敗だったことがわかるね。
では時間もないし矢継ぎ早に始めてみるか。
まずはサントリーに負けず劣らず、この時代の旬なニュー・ウェイブの音楽を積極的に取り入れて記憶に残ったホンダのCMから。
今回は1982年のホンダ・タクトのCMでバナナラマが出演しているものを選んでみたよ。
ホンダのスクーターのCMとしてはABCや元ウルトラヴォックスのジョン・フォックス、元ポップ・グループのPIGBAGなど、曲としては色々起用してるんだけど、音楽だけでアーティストは特に出演してないというのが不満だった。
しかし考えてみればスクーターに乗ってるのが似合うようなニュー・ウェイブ・バンドの人というのも逆にあまりいないかな。
これじゃいかん、とホンダの人が考えたのかどうかはわからないが、当時の英国ニュー・ウェイブ女子ヴォーカルとしては最も健康的で元気そうなバナナラマを起用してみた(想像)。
元気だけど乱暴で何するかわからなそうなスリッツじゃなくて良かったな。
70年代後半から気軽に乗れるギアチェンジなし、キックしなくてもエンジンがかかるスクーターが大ブームとなったけど、実は1940年代くらいから存在してたし、その後の時代よりも魅力的な個性を持ったものもあった。
ROCKHURRAHが生まれるよりも前の時代にはウチの父親もラビット(というカッコいいスクーターが昔あった)に乗ってたような写真を見た記憶がある。
などと書き始めると行数は確かに稼げるがこのブログの趣旨とは違うものになるから、やめておこう。
1976年のホンダ・ロードパル(通称ラッタッタ)、1977年のヤマハ・パッソルあたりが街角でよく見かけるスクーターのブームのはしりだろうね。
中でも最も人気だったと思えるのがやはりホンダのタクトかリードなんだろうな。
ROCKHURRAHがスクーターに乗り始めたのはもう少し後の時代だが、この頃から「王道嫌い」という性質が災いして、ヤマハのパセッタという小さくて軽い女性向けのスクーターに乗ってたな。
フィギュアスケーターの渡部絵美がCMやってて、全然ファンでもないのに魔が差して買ってしまったよ。
今にして思えばパッソルやタクトの方が形は良かったが、よりによって女性向けを選んでしまう、その当時の心境は覚えてないなあ。
友達に貸したらどこかに突っ込んで、フロント部分を大破させてしまったという事故に遭ってしまった。
金持ちの御曹司だったので即刻弁償してもらって事なきを得たが、軟弱なスクーターは事故には弱いという事を学習したよ。
その後、あまりにも非力なパセッタを卒業して、これまたヤマハのアクティブというスクーターに乗ってたんだが、これはホンダのリードのライバル的な存在だったにも関わらず、あまり人気ない車種だったのではなかろうか?
しかも今だったら何でその色選ぶ?と思ってしまうような真っ黄色のに喜んで乗っていたものだ。
特にヤマハびいきだったわけでもないのにね。
リードと競うくらいだから 原付としては当時は最強クラスだったと思うが、これまた今度は自分のミスで中央分離帯に突っ込んでしまい、ツツジの枝が腹に刺さるという手痛い事故を経験した。
この頃はまだメットなしでも止められることはなかったし、今思うと危険な事も平気でやってたからバカな目に遭ってしまった。
軟弱ではなくてもスクーターは事故には弱いという事を学習したよ。
バナナラマは80年代前半にデビューした幼なじみ2人+大学の友だちという構成の3人組のガールズ・グループだ。
セックス・ピストルズの目立たない方の2人、ポール・クックとスティーブ・ジョーンズがリハーサルを行っていたスタジオの上に幼なじみ2人の部屋を世話した(元はマルコム・マクラーレンのオフィスだったらしい)というような交友関係で、つるんでセッションやレコーディングをしたという中の1曲がデビュー曲となったようだ。
キャリアの初期では元スペシャルズの目立ってた方の3人によるファンボーイ3とも共作でレコードを出していたな。
こっちから売り込んだわけではなく、テリー・ホールの方が気に入って一緒にレコーディングをしたというから、ポッと出のガールズ・グループとしてはかなりのラッキーな人脈を持っていたし、実力や魅力を持っていたってことだろうね。
ファンボーイ3と一緒にやった曲がヒットしてバナナラマとしての知名度もアップしたという記憶があるよ。
ROCKHURRAHが彼女たちのことを知ったのはこのくらいの時期で、逆にバナナラマ単体としてはレコードを買ったこともないくらい。
その程度の縁で語るのもおこがましいが、単なるアイドル・グループではなくてパンクやニュー・ウェイブの方面から出てきて英国を代表するガールズ・グループとなったというところがROCKHURRAHの評価ポイント。
うーん、上から目線で「何様?」という声も聞こえてきそうなコメントだったな。
CMはバナナラマの3人が押さえてた幕が上がって、ピーター・フォンダがタクトに乗って走ってゆくだけのヒネリも何もないものだったけど、ここで使われたCM曲が出来合いの曲ではなく、ちゃんとCM用に作ったと思われる「He’s Got Tact(ハート・ワクワク)」。
1983年のデビュー・アルバムでも日本盤だけにこの曲が追加されてるようだね。
クレジットを見る限り作詞作曲はバナナラマの3人が行っているようだがちゃんと楽器とか出来たのかね?
その辺はあまり詮索しない方が良いか。
曲の方も良く出来てて、「60’sのガールズ・グループを80年代にニュー・ウェイブ的アレンジでやったところが新鮮」という系譜(長い系譜名)に連なるね。
70年代最後くらいにそういう路線でやってた元デフ・スクールのベット・ブライトが元祖的な存在だと思うが、ベット・ブライトや同時代のトレイシー・ウルマン、マリ・ウィルソンほどキャラクターが強烈ではなくて、服装やメイクも特にそれ風ではない。
その当時のロンドンの等身大のニュー・ウェイブ少女という感じが多くの人の共感を得たのかなと思うよ。
一番のポイントはアメリカンな雰囲気があまりなくてサラッとした感じが個人的にはいいかな。
陳腐な褒め言葉だけど。
ホンダだけに(名前の響きが似てるから)ピーター・フォンダという安易なキャスティングが想像出来るけど、ハーレーに乗って大スターになったピーター・フォンダがこんな小さなスクーターに乗ったというのがちょっとしたヒネリだったんだろうね。
ここまで書いていて最後に言うのも何だが、ROCKHURRAH(人の顔を見なくて覚えられない)が何となく記憶していた初期バナナラマの顔とCMの3人が一致してないように感じてずっと違和感を覚えているよ。
すごく際立ったヴィジュアルの3人組というわけでもなく、もしこの中の1人が(当時の若さのまま)「ブリティッシュ・ベイクオフ」とか「ソーイング・ビー」の出場者に紛れていたとしても、余人ならともかくROCKHURRAHは見抜けなかっただろうな。
同じくホンダが作った世界初(?)リトラクタブル・ヘッドライト(格納式ヘッドライト)搭載のスクーター、スペイシー125。
RX-7やトヨタ2000GTとかカウンタックとかには搭載されていたけど、個人的な好みで言うならライト出した時の見た目がイマイチに感じる。
見た目とか実際の機能とかよりは高級感のシンボルみたいな感じなのかねえ。
エリートという名前で販売されていた海外輸出用モデルも存在していたが、これのCMをやっていたのがDEVOだったらしい。
日本ではなくて海外のCMなので同時代に日本のテレビでは当然やってなかったな。
スペイシーは直線的でSFっぽいヴィジュアルが話題となったスクーターだったが、フロント部分がパカっと開いて、ここにLPレコードがすっぽり収まるというのがROCKHURRAH的にはグッと来るものがあったな。
しかしこの当時は発売された全てのスクーターを乗り比べて買えるような大型店舗も近くになかったので、そんなことを知ったのは違うスクーターを買った後の話。
実際にこのフロント部分に何枚のLPが入るのかも見たわけじゃないのでわからないし、大雨降ったらレコードも濡れそうだし、そもそも大雨の日にスクーター乗らないし、実用的なレベルじゃなかったんだろうな。
DEVOは1978年にブライアン・イーノのプロデュースで出した1stアルバムが世界的に話題となった・・・などといちいちROCKHURRAHが書く必要もないくらいに知名度が高い米国オハイオ州アクロンのバンド。
かつてはいくつものタイヤのメーカーが本拠地を置いて「世界のゴムの都」と呼ばれたアクロン出身だからなのか、真っ黄色の化学防護服みたいなものを着用したり、メンバー全員がサンダーバードの人形みたいな人造的な所作だったり、変な被り物やストッキングをかぶったり、そういう不気味なイメージ戦略が見事に当たって、DEVOは一躍ニュー・ウェイブの世界で知名度の高い存在となった。
不気味だけど妙に爽快でカッコいいような部分もあって、最近はあまり言わないかも知れないけどキッチュな魅力に溢れていたバンドだったな。
クラフトワークやデア・プラン、レジデンツにヒカシュー(選び方がメチャクチャ)など、個々の変な要素や特色が面白いバンドは世界に色々あるけど、DEVOはまさにキワモノ要素の百貨店みたいな存在だったかな。
そういう路線を極めてしまわずに、大衆的に展開したところがうまかったんだろうな。
うん、書けば書くほどありきたりになってしまうからもう語るのはやめておこう。
CMではスクーターに跨ってひと言ずつ喋るだけなんだけど、生身の人間とは思えないほど造り物に徹してて、そのプロ根性こそが一流の証だと言えるね。
全然80年代CMとは関係ないが番外編、同じ海外CMつながりでこれ。
デヴィッド・ボウイと言えば宝焼酎「純」でのCMが有名だが、こちらの方がファンならばニヤッとするヴィッテルのミネラルウォーターのCM。
たぶん2003年頃のボウイがジギー・スターダスト、アラジン・セイン、ダイヤモンドの犬、LOWなどなど、家の中で過去に自分が演じてきたキャラクターたちを見かけて「あーあ」みたいなリアクションを取るセルフ・パロディなところが面白い。
バナナラマとは、とかDEVOとは、などといちいち書かずにこのくらいの軽いコメントでやれば手早くライトに仕上がるという事に今頃になって気付いたが、もう遅いか?
ニッカのブラック-50というウィスキーのCMを熱演してたのがキッド・クレオール&ザ・ココナッツ。
80年代前半にファンカ・ラティーナというファンク+ラテン+ニュー・ウェイブのミクスチャーみたいな音楽が一世を風靡したんだが、その直接的な元祖がキッド・クレオールとも言えるね。
キッド・クレオールことオーガスト・ダーネルやコーティ・ムンディのとぼけたキャラクターにお色気担当のココナッツが加わった楽しげなライブはイギリスで流行ったファンカ・ラティーナとはだいぶ違うし、コテコテ。
大きなステージで映えるところがやっぱりアメリカ、という感じがする。
この当時のROCKHURRAHはもっとヨーロッパっぽいニュー・ウェイブに傾倒してたから彼らのレコードは買ったことなかったけど、リジー・メルシエ・デクルーやリディア・ランチ、ジェームス・ホワイトにスーサイドとか、興味あるバンドを次々とリリースしてたZEレーベルから出してたのは知ってたな。
買ってた音楽雑誌の裏表紙にZEレコードの広告がよく載ってたからね。
ジルカとエステバンという2人のマイケルの頭文字でZE、ニューヨークとパリを結ぶ最先端音楽をリリースするために作られたというレーベルだったな。
そんなキッド・クレオールのCMは知ってる限り2つのヴァージョンがあったが、ちゃんとブラック・ニッカ持って寸劇みたいなCMやってるところが今まで紹介した取ってつけたようなCMとは大違い。
こんなズート・スーツがここまで似合う男も珍しいな。
タクトのためにCM曲まで作ったバナナラマも捨てがたいが、ROCKHURRAH的にはキッド・クレオールが今回のCM大賞で決まり。
時間もないし、軽い気持ちで始めたCM編の素材がうまく見つからないというストレスばかり溜まって、書きたいのが書けなかったから今回はもう懲りた、失敗という事でここまでにしよう。
最後はこれ、ベル・スターズが出演してたサントリーの缶ビールのCMより。
元々は2トーン・スカの頃に活躍してた全員女性のボディ・スナッチャーズというバンドが母体となって、スカだけでなくもう少しスカッとする一般受けの音楽性を狙ったのがベル・スターズだったんではなかろうか。
ボディ・スナッチャーズは「Let’s Do Rock Steady」という日本盤まで出た名曲が有名だが「全英大ヒット」などと書かれてるくせにアルバム発表までに至らなかったから、勝手に不遇のバンドだと思っていたよ。
そのメンバー7人のうちの5人で作ったのがベル・スターズというわけだが、2人メンバーを加えてやっぱり7人組だったな。
こちらは快進撃と言っても良いくらいに名曲やヒット曲を出して知名度も高いね。
個人的には彼女らの「Hiawatha」のシングルを持ってたのを思い出す。
ハイアワサという伝説のインディアン戦士がタイトルで歌詞もかなり硬派な内容なんだけど、リアルタイムで買って、当時はそんなことぜーんぜん知らないROCKHURRAHは勝手に「ヒアワサ」だと思ってたよ。
何だか酒のつまみみたいだな。
CMは曲はいかにもベル・スターズだが、多くの人物が素早い動きで入り乱れてて、動体視力が弱いROCKHURRAHにはベル・スターズ本人たちなのかどうかわからなかった。
相変わらず人の顔がよく覚えられなくて。
飲んでるシーンは6人しかいないようだが、バンド・メンバーでいいんだよな?
というあやふやな点が多かったけど、情報も少なかったし今回はこんなもんで終わりにしたい。
ではまた、オーネン(モホーク語で「さようなら」)